JP2021070744A - 粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
これまでに、アクリル系樹脂に低極性・高軟化点の粘着付与樹脂を添加することで、ポリオレフィンなどの低極性の被着体に対する粘着力を向上させた粘着剤組成物が得られることは、見出されている。
〔1〕アクリル系共重合体(A)、
水酸基価が5mgKOH/g未満であり、軟化点が80℃以上120℃未満であるテルペン樹脂(B)、
水酸基価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、軟化点が160℃未満であるテルペンフェノール樹脂(C)、および
架橋剤(D)
を含む粘着剤組成物であって、
前記テルペン樹脂(B)と前記テルペンフェノール樹脂(C)の合計量が、前記アクリル系共重合体(A)100質量部に対して30質量部以上である粘着剤組成物。
前記テルペン樹脂(B)を10質量部以上、前記テルペンフェノール樹脂(C)を10質量部以上含む、前記〔1〕の粘着剤組成物。
〔4〕前記アクリル系共重合体(A)が、
(a1)炭素数7以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー51〜99.5質量%と、
(a2)カルボキシ基を有するモノマー0.5〜4質量%と
を含むモノマー成分の共重合体である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの粘着剤組成物。
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかの粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
〔7〕ポリエチレン製フラットヤーン基材層を有する前記〔6〕に記載の粘着シート。
本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを総称する意味で用いる。例えば、「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸またはメタクリル酸を意味する。また、本発明において、数値範囲を表すA〜Bは、特に断りのない限り、A以上B以下を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)、テルペン樹脂(B)、テルペンフェノール樹脂(C)および架橋剤(D)を含む。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)を含有する。
本発明に係るアクリル系共重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー成分の少なくとも一部として用いた共重合体を特に制限なく用いることができる。
本発明に係るアクリル系共重合体(A)を形成するモノマー成分として用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(CH2=CR1−COOR2;R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数が1以上のアルキル基である)が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が7以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a1)が、より好ましくはアルキル基の炭素数が7〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられる。
アクリル系共重合体(A)を形成するモノマー成分100質量%中において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの全使用量は、通常70質量%以上、好ましくは75〜99質量%、より好ましくは80〜99質量%の範囲である。
これらのカルボキシ基を有するモノマー(a2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このような極性基含有モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明に係るアクリル系共重合体(A)は、上述したモノマー成分を重合あるいは共重合して得られるものであればよく、その製造条件を特に限定するものではないが、例えば、溶液重合法により製造することができる。具体的には、反応容器内に重合溶媒およびモノマー成分、必要に応じて連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、重合開始剤を添加し、反応開始温度を通常40〜100℃、好ましくは50〜80℃に設定し、通常50〜90℃、好ましくは70〜90℃の温度に反応系を維持して、4〜20時間反応させる。また、上記重合反応中に、重合開始剤、連鎖移動剤、モノマー成分、重合溶媒を適宜追加添加してもよい。
本発明に係るアクリル系共重合体(A)は、上述したモノマー成分を共重合して得られるが、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でもよい。これらの中では、ランダム共重合体が好ましい。本発明に係るアクリル系共重合体(A)は、好ましくは、(a1)炭素数7以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー51〜99.5質量%と、(a2)カルボキシ基を有するモノマー0.1〜4質量%とを含むモノマー成分の共重合体である。
本発明の粘着剤組成物は、テルペン樹脂(B)を含有する。本発明で用いられるテルペン樹脂(B)は、水酸基価が5mgKOH/g未満であり、軟化点が80℃以上120℃未満である。前記テルペン樹脂(B)の水酸基価は、好ましくは0〜1mgKOH/g、より好ましくは0〜0.5mgKOH/gであり、軟化点は、好ましくは80〜115℃、より好ましくは80〜100℃である。
本発明の粘着剤組成物は、テルペンフェノール樹脂(C)を含有する。本発明で用いられるテルペンフェノール樹脂(C)は、水酸基価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、軟化点が160℃未満である。前記テルペンフェノール樹脂(C)の水酸基価は、好ましくは50〜120mgKOH/gであり、軟化点は、好ましくは100〜150℃である。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(D)を含有する。
架橋剤(D)としては、特に限定は無いが、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、金属キレート化合物等を用いることができる。架橋剤としては1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤が反応することにより、三次元架橋構造を形成することが可能であり、高い粘着力かつ凝集力を発現することが可能である。
本発明の粘着剤組成物は、その目的を損なわない範囲で、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、前記アクリル系共重合体(A)、前記テルペン樹脂(B)および前記テルペンフェノール樹脂(C)以外のポリマー、ならびに各種添加剤等を挙げることができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、微粒子、色素等が挙げられる。本発明の粘着剤組成物が、前記(A)〜(D)以外の成分を含む場合には、粘着剤組成物の固形分100質量%中、(A)〜(D)以外の成分の含有量(固形分量)を、例えば0.03〜30質量%、好ましくは0.05〜25質量%、より好ましくは0.08〜20質量%とすることができる。
有機溶媒としては、例えば、アクリル系共重合体(A)の製造条件の説明で記載した重合溶媒が挙げられる。有機溶媒は、粘着剤組成物の調製時に添加したものであってもよく、また、アクリル系共重合体(A)および重合溶媒を含むポリマー溶液を原料として用いることにより粘着剤組成物中に含まれてもよい。
本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、所望の粘度等により適宜調整することができ、特に限定されるものではないが、通常0〜90質量%、好ましくは10〜80質量%程度である。
本発明の粘着剤組成物は、上述した(A)〜(D)等の各成分を、撹拌装置等を用いて公知の方法で混合することにより得られる。すなわち、本発明の粘着剤組成物は、組成物を構成する各成分を一括または順次混合・攪拌することにより得られる。攪拌時間は特に制限はないが、作業性および生産性の面から室温にて10〜120分程度であればよい。
本発明に係る粘着剤層は、上述した本発明の粘着剤組成物から形成される。粘着剤層は、例えば、上述の粘着剤組成物中の架橋反応を進めることにより、具体的にはアクリル系共重合体(A)を架橋剤(D)で架橋することにより得られる。
本発明の粘着シートは、上述した本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する。本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物より作製された粘着剤層のみからなる粘着シートであってもよく、基材層と、粘着剤層とを有する積層体である粘着シートであってもよい。本発明の粘着シートは、ポリエチレンフラットヤーン基材を有することが特に好ましい。
本発明の粘着シートが基材層を有する場合、基材層を構成する基材は、フィルム状、シート状、布状、不織布状等であることが好ましい。
粘着力
実施例等で得られた粘着シートの試験片(25mm幅)のPETセパレーターを剥がし、23℃、50%RH条件下で露出した粘着剤層面を被着体に貼り付け、2kgのローラーを用いて3往復圧着した。被着体としては、SUS板(研磨ステンレス板)またはポリエチレン製シートを用いた。これを、23℃、50%RHの測定環境下で貼付から20分間保持した後に、被着体から粘着シートを同一測定環境下(23℃/50%RH)にて、剥離角度180°の条件で、引張速度300mm/minで剥離し、粘着力を評価した。評価基準は以下の通りとした。
(1)被着体がSUSの場合
〇:15N以上
△:15N未満10N以上
×:10N未満
(2)被着体がポリエチレンの場合
〇:10N以上
△:10N未満5N以上
×:5N未満
実施例等で得られた粘着シートの試験片(25mm×60mm)を用い、PETセパレーターを剥がして露出した粘着剤層面を、被着体であるポリエチレン製シートに、23℃、50%RH条件下で貼り付け、2kgのローラーを用いて3往復圧着した。これを40℃で2日間静置した後、23℃、50%RH条件下に取り出し、1時間後に粘着シートを剥離角度180°、引張速度3m/minで剥離した。剥離後の被着体表面の糊残りを目視で確認して評価した。評価基準は次の通りとした。
〇:剥離後の被着体上の、汚染や糊残りが、貼り付けた粘着シート面積の10%未満である。
△:剥離後の被着体上の、汚染や糊残りが、貼り付けた粘着シート面積の10%以上50%未満に見られる。
×:剥離後の被着体上の、汚染や糊残りが、貼り付けた粘着シート面積の50%以上に見られる。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)98.0部およびアクリル酸(AA)2.0部を導入し、溶媒として酢酸エチルを150部導入した。
製造例1で得たアクリル系共重合体1のポリマー溶液(固形分濃度20質量%)、テルペン樹脂としてYSレジン PX−1000(軟化点100℃、水酸基価5mgKOH/g未満、ヤスハラケミカル株式会社製)、テルペンフェノール樹脂としてYSポリスター G150(軟化点150℃、水酸基価110〜120mgKOH/g、ヤスハラケミカル株式会社製)、およびポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL、東ソー株式会社製)を、それぞれ表1に示す固形分比となる配合で混合して、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着シートを用い、上述した方法で、粘着力および再剥離性を評価した。結果を表1に併せて示す。
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ならびに架橋剤の種類および配合量を表1に示す通りとしたことの他は、実施例1と同様にして粘着剤組成物および粘着シートを製造し、粘着力および再剥離性を評価した。結果を表1に併せて示す。
Claims (7)
- アクリル系共重合体(A)、
水酸基価が5mgKOH/g未満であり、軟化点が80℃以上120℃未満であるテルペン樹脂(B)、
水酸基価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、軟化点が160℃未満であるテルペンフェノール樹脂(C)、および
架橋剤(D)
を含む粘着剤組成物であって、
前記テルペン樹脂(B)と前記テルペンフェノール樹脂(C)の合計量が、前記アクリル系共重合体(A)100質量部に対して30質量部以上である粘着剤組成物。 - 前記アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、
前記テルペン樹脂(B)を10質量部以上、前記テルペンフェノール樹脂(C)を10質量部以上含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。 - 前記テルペン樹脂(B)と前記テルペンフェノール樹脂(C)の配合比が0.6≦((B)/(C))≦1.8である、請求項1または請求項2に記載の粘着剤組成物。
- 前記アクリル系共重合体(A)が、
(a1)炭素数7以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー51〜99.5質量%と、
(a2)カルボキシ基を有するモノマー0.5〜4質量%と
を含むモノマー成分の共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。 - 前記架橋剤(D)がイソシアネート系架橋剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
- ポリエチレン製フラットヤーン基材層を有する請求項6に記載の粘着シート。
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