JPH06184052A - 1,2−ジフェニルエタン誘導体及びその製造法 - Google Patents

1,2−ジフェニルエタン誘導体及びその製造法

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JPH06184052A
JPH06184052A JP4340451A JP34045192A JPH06184052A JP H06184052 A JPH06184052 A JP H06184052A JP 4340451 A JP4340451 A JP 4340451A JP 34045192 A JP34045192 A JP 34045192A JP H06184052 A JPH06184052 A JP H06184052A
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JP
Japan
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diphenylethane
compound
reaction
meth
acid
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Application number
JP4340451A
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English (en)
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Tetsuya Nakamura
哲也 中村
Yoshitaka Goto
義隆 後藤
Shinji Komatsu
慎司 小松
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Oil and Fats Co Ltd filed Critical Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定構造の1,2−ジフェニルエタン誘導体
及び特定の1,2−ジフェニルエタン化合物と、環状ジ
カルボン酸無水物とをルイス酸存在下で反応させ、次い
で2個以上のヒドロキシル基を有する化合物をプロトン
酸触媒存在化で反応させた後、更に(メタ)アクリル酸
ハライド及び/又は(メタ)アクリル酸無水物を反応さ
せることを特徴とする前記1,2−ジフェニルエタン誘
導体の製造法。 【効果】 本発明の1,2−ジフェニルエタン誘導体
は、分子両末端に(メタ)アクリロイル基を有する新規
な物質であり、架橋剤、難燃助剤、重合開始剤、ラジカ
ル発生剤、生理活性物質等に利用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋剤、難燃助剤、熱
又は光重合開始剤、ラジカル発生剤、生理活性物質等と
して有用な新規な1,2−ジフェニルエタン誘導体及び
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から1,2−ジフェニルエタン誘導
体に関する報告が種々なされており、例えば、特公昭6
2−42953号公報において、1,1,2,2−テト
ラメチル−1,2−ビス(フッ素−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタンの新規誘導体、その製法及びこれを含有す
る抗癌剤が開示されている。
【0003】また、J.Org.Chem.1986
年、51巻、109頁には、1,2−ジフェニルプロパ
ノールの合成法が記載されている。しかしながら、両末
端に(メタ)アクリロイル基を有する1,2−ジフェニ
ルエタン誘導体に関する報告は今まで全くなされていな
いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、架橋
剤、難燃助剤、熱又は光重合開始剤、ラジカル発生剤、
生理活性物質等として有用な両末端に(メタ)アクリロ
イル基を有する新規な1,2−ジフェニルエタン誘導体
及びその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化3で表わされる1,2−ジフェニルエタン誘導体
(以下ジフェニルエタン誘導体Aと称す)が提供され
る。
【0006】
【化3】
【0007】また本発明によれば、下記一般式化4で表
わされる1,2−ジフェニルエタン化合物(以下ジフェ
ニルエタン化合物Bと称す)と、環状ジカルボン酸無水
物とをルイス酸存在下で反応させ、次いで2個以上のヒ
ドロキシル基を有する化合物をプロトン酸触媒存在下で
反応させた後、(メタ)アクリル酸ハライド及び/又は
(メタ)アクリル酸無水物を更に反応させることを特徴
とする前記1,2−ジフェニルエタン誘導体の製造法が
提供される。
【0008】
【化4】
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明の1,2−ジフェニルエタン誘導体
は、前記一般式化3で表わされるジフェニルエタン誘導
体Aである。該ジフェニルエタン誘導体Aにおいて、R
1〜R4の炭素数が7以上、m1及びm2が9以上の場合に
は、製造が困難である。またR1〜R4における炭化水素
基としては、例えばアルキル基等を挙げることができ
る。
【0011】前記ジフェニルエタン誘導体Aとしては、
例えば、下記構造式化5〜化14で示される化合物等を
挙げることができる。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】本発明の製造法では、まず前記一般式化4
で表わされるジフェニルエタン化合物Bと、環状ジカル
ボン酸無水物とをルイス酸存在下で反応させることによ
り、カルボン酸基を有するジフェニルエタン誘導体を調
製する。
【0023】前記ジフェニルエタン化合物Bにおいて、
1〜R4の炭素数が7以上の場合には製造が困難であっ
て、またR1〜R4における炭化水素基としては、前記ジ
フェニルエタン誘導体Aにおける炭化水素基と同様な基
を挙げることができる。前記ジフェニルエタン化合物B
としては、例えば1,2−ジフェニルエタン、1,2−
ジメチル−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジエチ
ル−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジプロピル−
1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジブチル−1,2
−ジフェニルエタン、1,2−ジペンチル−1,2−ジ
フェニルエタン、1,2,2−トリメチル−1,2−ジ
フェニルエタン、1−メチル−1,2−ジフェニルエタ
ン、1,1−ジペンチル−1,2−ジフェニルエタン、
1,1−ジメチル−1,2−ジフェニルエタン、1,1
−ジエチル−1,2−ジフェニルエタン、1,1−ジプ
ロピル−1,2−ジフェニルエタン、1,1−ジブチル
−1,2−ジメチルエタン、1,1,2,2−テトラヘ
キシル−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジメチル
−1,2−ジイソブチル−1,2−ジフェニルエタン、
1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジフェニルエ
タン、1,2−ジメチル−1,2−ジエチル−1,2−
ジフェニルエタン、1,2−ジメチル−1,2−ジプロ
ピル−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジメチル−
1,2−ジブチル−1,2−ジフェニルエタン、1,2
−ジメチル−1,2−ジペンチル−1,2−ジフェニル
エタン、1,1,2,2−テトラエチル−1,2−ジフ
ェニルエタン、1,2−ジエチル−1,2−ジプロピル
−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジエチル−1,
2−ジブチル−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジ
エチル−1,2−ジペンチル−1,2−ジフェニルエタ
ン、1,1,2,2−テトラプロピル−1,2−ジフェ
ニルエタン、1,2−ジプロピル−1,2−ジブチル−
1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジプロピル−1,
2−ジペンチル−1,2−ジフェニルエタン、1,1,
2,2−テトラブチル−1,2−ジフェニルエタン、
1,2−ジブチル−1,2−ジペンチル−1,2−ジフ
ェニルエタン、1,1,2,2−テトラペンチル−1,
2−ジフェニルエタン、1,2−ジエチル−1,2−ジ
イソブチル−1,2−ジフェニルエタン、1,1,2,
2−テトライソプロピル−1,2−ジフェニルエタン、
1,2−ジメチル−1,2−ジイソプロピル−1,2−
ジフェニルエタン、1,2−ジターシャリーブチル−
1,2−ジフェニルエタン等を好ましく挙げることがで
きる。
【0024】前記環状ジカルボン酸無水物としては、コ
ハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、
ピメリン酸無水物、スベリン酸無水物、アゼライン酸無
水物、セバシン酸無水物等を挙げることができる。
【0025】また前記ルイス酸としては、AlBr3
AlCl3、GaBr3、GaCl3、FeCl3、SbC
5、SnCl4、TiCl4、ZnCl2等を挙げること
ができる。
【0026】前記カルボン酸基を有するジフェニルエタ
ン誘導体を得るための反応を行なうには、例えば1,2
−ジフェニルエタン化合物Bと環状ジカルボン酸無水物
との混合物に、好ましくは室温又は氷温下にて、撹拌し
ながらルイス酸を加える。この際ルイス酸は、数回に分
けて添加することもできる。また前記1,2−ジフェニ
ルエタン化合物Bと環状ジカルボン酸無水物との仕込み
モル比は、1:0.2〜20、特に1:2であるのが好
ましい。更に反応条件は、好ましくは有機溶媒の存在
下、反応温度0〜100℃、特に10〜80℃にて、ま
た反応時間0.1〜10時間、特に0.5〜5時間の条
件下にて反応させるのが望ましい。反応温度が0℃未
満、反応時間が0.1時間未満の場合には、反応が充分
でなく、収率が低下するので好ましくない。また反応温
度が100℃を超える場合には、反応制御が困難である
ので好ましくなく、更に反応時間が10時間を超える場
合には、既に反応が完了し、経済的に好ましくない。更
にまたこの際必要に応じて用いる有機溶媒としては、例
えば二硫化炭素、ニトロメタン、アセトニトリル、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の酸無水物、ルイス酸に対して不活性
な公知の有機溶媒等を挙げることができる。該反応終了
後、例えば反応液を水と混合し、ルイス酸を不活性化
し、更に必要に応じて塩酸水溶液等を加えて酸性にした
後、有機層を分離する。更にまた必要に応じて有機溶剤
を用いて水層からの抽出操作を行うこともできる。ま
た、分離した前記有機層を食塩飽和水溶液等の中性又は
酸性水溶液で数回洗浄操作を行って、抽出操作を行うこ
ともできる。次に、公知の精製法、例えば再結晶化操
作、カラム分離操作等を行うことで、カルボン酸基を有
するジフェニルエタン誘導体を得ることができる。
【0027】次に本発明の製造法では、得られたカルボ
ン酸基を有するジフェニルエタン誘導体に、2個以上の
ヒドロキシル基を有する化合物、例えばアルコール類等
をプロトン酸触媒存在下反応させてヒドロキシル基を有
するジフェニルエタン誘導体を調製する。前記アルコー
ル類としては、例えばエチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−(ヒ
ドロキシルメチル)−1,3−プロパンジオール、2−
メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、グ
リセロール、1,2−ブタンジオール、3,3−ジメチ
ル−1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサ
ンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、1,2,3−ヘプタン
トリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカ
ンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,1,1,−トリス(ヒ
ドロキシメチル)エタン、ジプロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ペンタエチレングリコール及びこ
れらの誘導体、異性体等を挙げることができる。前記ア
ルコール類の配合量は、カルボン酸基を有するジフェニ
ルエタン誘導体に対し、3〜100倍量が好ましい。ア
ルコール量が3倍量未満の場合には、反応が完了せず未
反応物が多いので好ましくなく、また100倍量を超え
る場合は、量としては充分であるが経済的に好ましくな
い。更に前記プロトン酸触媒としては、例えばHF、H
Cl、HBr、H2PO4、スルホン酸類、ホスホン酸類
等を挙げることができる。このプロトン酸触媒の配合量
は、カルボン酸基を有するジフェニルエタン誘導体に対
し、0.001〜0.1倍量が好ましい。プロトン酸触
媒の配合量が0.001倍量未満では反応が充分に進行
せず未反応物が多くなり、0.1倍量を超える場合は、
量としては充分であるが経済的に好ましくない。
【0028】前記ヒドロキシル基を有するジフェニルエ
タン誘導体を得るための反応を行う際の反応温度は、好
ましくは30〜150℃、特に好ましくは35〜100
℃である。反応温度が30℃未満の場合には、反応が充
分に進行せず未反応物が多くなり、150℃を超える場
合には、副反応が進行し収率が低下するので好ましくな
い。また反応時間は、好ましくは0.5〜24時間、特
に好ましくは1〜12時間である。0.5時間未満で
は、反応が充分に進行せず未反応物が多くなり、24時
間を超える場合には、既に反応は完了しており経済的に
好ましくない。
【0029】次いで本発明の製造方法では、得られたヒ
ドロキシル基を有するジフェニルエタン誘導体を、(メ
タ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロラ
イド等の(メタ)アクリル酸ハライド又は(メタ)アク
リル酸無水物とエステル化反応させ目的とする両末端に
(メタ)アクリロイル基を有するジフェニルエタン誘導
体Aを調製することができる。前記エステル化反応に関
しては特に限定するものではないが、例えば、ヒドロキ
シル基を有するジフェニルエタン誘導体と第3級アミン
とを溶媒に溶解し、該溶解物中に、(メタ)アクリル酸
ハライドまたは(メタ)アクリル酸無水物の溶液を所定
の温度にて撹拌しながら滴下して反応させる方法等によ
り行うことができる。但し、(メタ)アクリル酸無水物
を使用する場合、第3級アミンの代わりにプロトン酸を
用いることもできる。前記エステル化反応に用いる第3
級アミンとしては特に限定するものではないが、例え
ば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリイソブチルアミン、ピリジン、ジメチル
アニリン、ジエチルアニリン、ジメチルアミノピリジン
及びこれらの誘導体または異性体等を挙げることがで
き、また溶媒としては、特に限定するものではないが、
例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸
エチル、酢酸ブチル、アセトン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、メ
チルエチルケトン、ジメトキシエタン及びその誘導体ま
たは異性体等を挙げることができる。更に前記第3級ア
ミンの代わりに用いるプロトン酸としては、前述の具体
的に列挙したプロトン酸等を挙げることができる。
【0030】前記エステル化反応の際の(メタ)アクリ
ル酸ハライド及び/又は(メタ)アクリル酸無水物の配
合量及び第3級アミンの配合量は、ヒドロキシル基を有
するジフェニルエタン誘導体に対して、それぞれ1.5
〜10倍量が好ましい。各々の配合量が1.5倍量未満
では反応が充分に進行せず未反応物が多くなり、10倍
量を超えると量としては充分であるが経済的に好ましく
ない。またプロトン酸を用いる場合の配合量は、ヒドロ
キシル基を有するジフェニルエタン誘導体に対し、0.
001〜0.1倍量が好ましい。配合量が0.001倍
量未満では反応が充分に進行せず未反応物が多くなり、
0.1倍量を超えると量としては充分であるが経済的に
好ましくない。
【0031】前記エステル化反応を行う場合の反応温度
は、好ましくは−30〜150℃、特に好ましくは0〜
100℃である。反応温度が−30℃未満では、反応が
充分に進行せず未反応物が多くなり、150℃を超える
場合には、副反応が進行し収率が低下するので好ましく
ない。また反応時間は、好ましくは0.1〜24時間、
更に好ましくは0.5〜12時間である。0.1時間未
満では反応が充分に進行せず未反応物が多くなり、24
時間を超える場合には、既に反応は完了しておりそれ以
上続けても経済的に好ましくない。
【0032】次いで得られた反応液を公知の精製法、例
えば再結晶化操作、カラム分離操作等を用いて精製する
ことにより目的とする(メタ)アクリロイル基を有する
ジフェニルエタン誘導体Aを得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の1,2−ジフェニルエタン誘導
体は、分子両末端に(メタ)アクリロイル基を有する新
規な物質であり、架橋剤、難燃助剤、重合開始剤、ラジ
カル発生剤、生理活性物質等に利用可能である。また本
発明の製造法では、前記1,2−ジフェニルエタン誘導
体を高収率にて容易に得ることができる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】1,1,2,2−テトラメチル−1,2−
ジフェニルエタン30g、コハク酸無水物30g及び塩
化メチレン1リットルを2リットルの3つ口フラスコに
入れた。1つの口にはジムロートを装着し冷却水を流
し、そのジムロートから反応により発生するHClを酸
トラップ用アルカリ水溶液に導き、残りの2口は、スリ
付きの詮で蓋をした。次いで室温下にて原料成分を撹
拌、溶解した後、AlCl390gを一度に添加し、室
温下にて2時間撹拌したところ、HClが発生し、更に
固体が析出した。次に、湯浴にて還流状態にし、更に2
時間撹拌を続けた。
【0036】反応終了後、水1リットルに反応溶液を注
ぎ込み過剰のAlCl3を不活性化した後、濃塩酸20
0mlを加えて酸性化し、有機層及び水層を分液ロート
で分離した。水層に関しては、更に酢酸エチルにより抽
出操作を3回行った。得られた有機層は全て統合し、飽
和食塩水にて2回、純水にて1回洗浄操作を行った。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し濃縮した後、
酢酸エチルにより再結晶化操作を行い下記構造式化15
で表わされるカルボン酸基を有する化合物を得た。得ら
れた化合物を38℃で5時間真空乾燥したところ、収量
は32gであった。
【0037】
【化15】
【0038】次に得られたカルボン酸基を有する化合物
5g、トルエンスルホン酸0.05g及びエチレングリ
コール25mlを100mlのなす型フラスコに導入
し、80℃で8時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル
層及び水層を分液ロートで分離した。次いで酢酸エチル
層を更に水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
脱水濃縮した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより、展開溶媒として酢酸エチル/n−ヘキサン
=7/3(体積比)を用いて精製し下記構造式化16で
表わされるヒドロキシル基を有する化合物を得た。収量
は5.1gであった。
【0039】
【化16】
【0040】次いで得られたヒドロキシル基を有する化
合物3g、トリエチルアミン1.4g及びテトラヒドロ
フラン20mlを100mlのなす型フラスコに導入
し、更に氷温下にてアクリル酸クロライド1.3gをテ
トラヒドロフラン10mlにて溶解した溶液を撹拌しな
がら滴下した。滴下終了後、室温下にて更に3時間撹拌
した後、酢酸エチル層及び水層を分液ロートで分離し、
酢酸エチル層を水で更に2回洗浄した。酢酸エチル層を
無水硫酸ナトリウムを用いて脱水濃縮した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより、展開溶媒は酢酸エ
チル/n−ヘキサン=1/9(体積比)を用いて精製し
下記構造式化17で表わされるアクリロイル基を有する
化合物を得た。収量は2.5gであった。以下にNMR
スペクトル、元素分析、赤外吸収スペクトル並びに質量
分析の結果を示す。
【0041】
【化17】
【0042】元素分析 理論値:C 68.2%、H
6.6%、O 25.2% 測定値:C 68.5%、H 6.7%、O 24.8% 赤外吸収スペクトル 3060cm~1(CH),1740cm~1(COOC
2),1710cm~1(CH2CHCOOCH2),16
80cm~1(C65CO) 質量分析 (M+1)=635
【0043】
【実施例2】コハク酸無水物30gをグルタル酸無水物
35gに、エチレングリコールを1,3−プロパンジオ
ールに代えた以外は実施例1に準じて行ったところ下記
構造式化18で表わされるアクリロイル基を有する化合
物を得た。収量は2.3gであった。以下に各分析結果
を示す。
【0044】
【化18】
【0045】元素分析 理論値:C 69.6%、H
7.2%、O 23.2% 測定値:C 69.0%、H 7.5%、O 23.5% 赤外吸収スペクトル 3060cm~1(CH),1740cm~1(COOC
2),1710cm~1(CH2=CHCOOCH2),16
80cm~1(C65CO) 質量分析 (M+1)=691
【0046】
【実施例3】1,1,2,2−テトラメチル−1,2−
ジフェニルエタンを1,1,2,2−テトラエチル−
1,2−ジフェニルエタンに、コハク酸無水物30gを
コハク酸無水物25gに、エチレングリコールを1,4
−ブタンジオールに、トリエチルアミン1.4gをピリ
ジン1.0gに、アクリル酸クロライド1.3gをメタ
クリル酸クロライド1.2gに代えた以外は実施例1に
準じて行ったところ下記構造式化19で表わされるメタ
クリロイル基を有する化合物を得た。収量は5.0gで
あった。以下に各分析結果を示す。
【0047】
【化19】
【0048】元素分析 理論値:C 71.3%、H
8.0%、O 20.7% 測定値:C 71.5%、H 8.3%、O 20.2% 赤外吸収スペクトル 3050cm~1(CH),1745cm~1(COOC
2),1705cm~1(CH2=C(CH3)COOC
2),1685cm~1(C65CO) 質量分析 (M+1)=775
【0049】
【実施例4】エチレングリコールを1,3−プロパンジ
オールに、トリエチルアミン1.4gをジメチルアミノ
ピリジン1.6gに、アクリル酸クロライド1.3gを
メタクリル酸クロライド1.4gに代えた以外は実施例
1に準じて行ったところ下記構造式化20で表わされる
メタクリロイル基を有する化合物を得た。収量は2.5
gであった。以下に各分析結果を示す。
【0050】
【化20】
【0051】元素分析 理論値:C 69.6%、H
7.2%、O 23.2% 測定値:C 69.8%、H 7.5%、O 22.7% 赤外吸収スペクトル 3060cm~1(CH),1745cm~1(COOC
2),1705cm~1(CH2=CHCOOCH2),16
80cm~1(C65CO) 質量分析 (M+1)=691
【0052】
【実施例5】1,4−ブタンジオールをエチレングリコ
ールに、メタクリル酸クロライドをアクリル酸クロライ
ドに、ピリジン1.0gをトリエチルアミン1.3gに
代えた以外は実施例3に準じて行ったところ下記構造式
化21で表わされるアクリロイル基を有する化合物を得
た。収量は2.2gであった。以下に各分析結果を示
す。
【0053】
【化21】
【0054】元素分析 理論値:C 69.6%、H
7.2%、O 23.2% 測定値:C 69.1%、H 7.3%、O 23.6% 赤外吸収スペクトル 3050cm~1(CH),1740cm~1(COOC
2),1710cm~1(CH2=CHCOOCH2),16
85cm~1(C65CO) 質量分析 (M+1)=691
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる1,2−ジ
    フェニルエタン誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式化2で表わされる1,2−ジ
    フェニルエタン化合物と、環状ジカルボン酸無水物とを
    ルイス酸存在下で反応させ、次いで2個以上のヒドロキ
    シル基を有する化合物をプロトン酸触媒存在下で反応さ
    せた後、(メタ)アクリル酸ハライド及び/又は(メ
    タ)アクリル酸無水物を更に反応させることを特徴とす
    る請求項1記載の1,2−ジフェニルエタン誘導体の製
    造法。 【化2】
JP4340451A 1992-12-21 1992-12-21 1,2−ジフェニルエタン誘導体及びその製造法 Pending JPH06184052A (ja)

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