JPH06183805A - セメント改質剤 - Google Patents

セメント改質剤

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JPH06183805A
JPH06183805A JP4334335A JP33433592A JPH06183805A JP H06183805 A JPH06183805 A JP H06183805A JP 4334335 A JP4334335 A JP 4334335A JP 33433592 A JP33433592 A JP 33433592A JP H06183805 A JPH06183805 A JP H06183805A
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JP
Japan
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cement
vinyl
polymerization
pva
aqueous emulsion
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JP4334335A
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Masato Nakamae
昌人 仲前
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
    • C04B40/0039Premixtures of ingredients
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/60Agents for protection against chemical, physical or biological attack

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント組成物に対して、接着性,防水性,
耐薬品性,耐凍結融解性,機械的強度などの諸性質を大
幅に改質しうるとともに、未硬化モルタルの保水性を向
上させる水性エマルジョンからなるセメント改質剤を提
供する。 【構成】 分散質として、(メタ)アクリル酸エステル
単位およびスチレン系単量体単位の中から選ばれた少な
くとも一種の単量体単位からなる単独重合体または共重
合体を含有し、かつ分散剤として末端にメルカプト基を
有するポリビニルアルコール系重合体を含有する水性エ
マルジョンからなるセメント改質剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメント改質剤に関し、
詳しくは、セメント組成物の接着性,防水性,耐薬品
性,耐凍結融解性,機械的強度などの諸性質を大幅に改
質しうるとともに、未硬化モルタルの保水性の向上に有
効な水性エマルジョンからなるセメント改質剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりセメント組成物に対して、その
接着性,防水性,耐薬品性,耐凍結融解性および引張強
度,曲げ強度などの機械的性質等の諸性質を改質するた
めに、合成樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックスなど
を混入する方法が知られている。アクリル酸エステル,
メタアクリル酸エステル(以下、アクリル酸エステルお
よびメタアクリル酸エステルを「(メタ)アクリル酸エ
ステル」ということがある。)およびスチレン系合成樹
脂エマルジョンは、耐水性,耐アルカリ性,耐衝撃性,
耐変形性において優れており、広く実用に供されてい
る。ところが、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン
系合成樹脂エマルジョンにおいては、単独でセメントモ
ルタルに混入しても未硬化モルタルの保水性が充分でな
いため、例えば古いコンクリートなどの多孔質性の下地
面への接着性が不充分であって、その適用範囲が著しく
限定される上、混入量が多い場合、セメントの水和反応
を著しく阻害させるという欠点がある。
【0003】これを改善するために、メチルセルロー
ス,ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物
を、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系合成樹脂
エマルジョンとともにセメントモルタルに混入して保水
性を向上させる方法が一般に行われている。しかしなが
ら、この場合、系の粘度が上昇し、良好な作業性を得る
ためには、水/セメント比を上げざるを得ず、その結
果、硬化セメントモルタルの物性が低下するのを免れな
いという問題が生じる。また、セメントモルタル添加用
エマルジョンに要求される性能としては、強アルカリに
耐える化学的安定性や無機物に対する混和性および充分
な機械的安定性を有することなどが挙げられるが、従来
の(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系合成樹脂エ
マルジョンは、とうてい上記の必要条件を満たしていな
い。
【0004】
【発明が解決しよとうする課題】本発明者らは、このよ
うな事情のもとで、セメント組成物の接着性,防水性,
耐薬品性,耐凍結融解性,機械的強度などの諸性質を改
質しうるとともに、未硬化モルタルの保水性を向上させ
ることができる上、強アルカリ性に耐える化学的安定
性,無機物に対する混和性および充分な機械的安定性を
有する水性エマルジョンからなるセメント改質剤を提供
することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するセメント改質剤を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、分散質として、(メタ)アクリル酸エ
ステル単位やスチレン系単量体単位からなる単独重合体
や共重合体を含有し、かつ分散剤として、末端にメルカ
プト基を有するポリビニルアルコール系重合体(以下、
PVA系重合体と略記することがある)を含有する水性
エマルジョンからなるセメント改質剤が、その目的に適
合しうることを見出した。さらに、該PVA系重合体の
不存在下に、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系
単量体を乳化重合し、重合終了後に末端にメルカプト基
を有さないPVA系重合体を添加した水性エマルジョン
では、これをセメントに混入した場合、セメント組成物
の粘度上昇が著しいが、末端にメルカプト基を有するP
VA系重合体の存在下に(メタ)アクリル酸エステルや
スチレン系単量体を乳化重合して得られる水性エマルジ
ョンからなるセメント改質剤は、予想に反して粘度上昇
がなく、減水効果があり、かつセメントの水和反応を阻
害しないことを見出した。本発明は、このような知見に
基づいて完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、分散質として、(メ
タ)アクリル酸エステル単位およびスチレン単量体単位
の中から選ばれた少なくとも一種の単量体単位からなる
単独重合体または共重合体を含有し、かつ分散剤として
末端にメルカプト基を有するPVA系重合体を含有する
水性エマルジョンからなるセメント改質剤を提供するも
のである。本発明のセメント改質剤として用いられる水
性エマルジョンは、分散質として、(メタ)アクリル酸
エステル単位およびスチレン系単量体単位の中から選ば
れた少なくとも一種の単量体単位からなる単独重合体ま
たは共重合体を含有するものである。(メタ)アクリル
酸エステルとしては、例えは(メタ)アクリル酸メチ
ル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブ
チル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メ
タ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ルおよびその四級化物などが挙げられ、一方、スチレン
系単量体としては、例えばスチレン,α−メチルスチレ
ン,p−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウ
ム,カリウム塩などが挙げられる。これらの単量体は一
種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0007】また、本発明のセメント改質剤において
は、その性能を損なわない範囲で、上記の(メタ)アク
リル酸エステルやスチレン系単量体以外の共重合可能な
単量体を所望に応じ共重合させることができる。この共
重合可能な単量体としては、例えばエチレン,プロピレ
ン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,フッ
化ビニル,ビニリデンクロライド,ビニリデンフルオラ
イドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビ
ニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸,メタクリル酸,イタコ
ン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸,シトラコン
酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびそ
の塩、(メタ)アクリルアミド,N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド,N,N’−ジメチルアクリルアミ
ド,アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびそのナトリウム塩などの(メタ)アクリルアミド系
単量体、その他ビニルピリジン,N−ビニルピロリドン
などの単量体が挙げられる。
【0008】本発明のセメント改質剤は、分散剤として
末端にメルカプト基を有するPVA系重合体を含有する
ことが必要である。そして、このセメント改質剤は、該
PVA系重合体の存在下に、上記の(メタ)アクリル酸
エステルおよびスチレン系単量体の中から選ばれた少な
くとも一種の単量体を乳化単独重合または共重合して得
られる水性エマルジョンからなるものが好適である。上
記の該PVA系重合体は、PVA分子の主鎖中にメルカ
プト基を有する重合体でもよいが、PVA自体の酸化に
よりジスルフィド結合を形成することにより、不溶化す
る恐れがある。そのため本発明においては、分子の片末
端にのみメルカプト基を有するPVA系重合体が不溶化
の心配がなくて取扱いやすく、好適に用いられる。この
ような分子の片末端にのみメルカプト基を有するPVA
系重合体は、チオール酸の存在下にビニルエステル類を
主体とするビニル系モノマーを重合して得たポリビニル
エステル系重合体を常法によりけん化して得られるが、
この製造方法については以下に詳述する。
【0009】まずここで使用するチオール酸は−COS
H基を有する有機チオール酸を包含する。例えば、チオ
ール酢酸,チオールプロピオン酸,チオール酪酸,チオ
ール吉草酸などが挙げられるが、中でもチオール酢酸が
分解性もよく最も好ましい。またビニルエステル類はラ
ジカル重合可能なビニルエステルであれば使用できる。
例えばギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,
パーサティック酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリ
ン酸ビニルなどが挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最
も重合性がよく、好ましい。またこれらビニルエステル
類と共重合可能な単量体を共存させ共重合することもで
きる。共重合可能な単量体としては、例えばエチレン,
プロピレン,イソブチレン,アクリル酸,メタクリル
酸,無水マレイン酸,イタコン酸またはその塩あるいは
これらのアルキルエステル、アクリロニトリル,メタク
リロニトリル,アクリルアミド,メタクリルアミド,ト
リメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピ
ル)−アンモニウムクロリド,エチルビニルエーテル,
ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロリドン,塩化ビ
ニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フ
ッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,ビニルスル
ホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウムなどが
挙げられる。
【0010】チオール酸の存在下での酢酸ビニルなどの
ビニルエステル類を主体とするビニル系単量体の重合
は、ラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合法,溶液重
合法,パール重合法,乳化重合法などいずれの方法でも
行うことができるが、メタノールを溶媒とする溶液重合
法が工業的には最も有利である。重合中に存在させるチ
オール酸の重合系への添加量,添加方法については特に
制限はなく、目的とするPVA系重合体の物性値によっ
て適宜決定されるべきものである。重合方式としては回
分式,半連続式,連続式など公知の方式を採用しうる。
【0011】ラジカル重合開始剤としては、例えば2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル,過酸化ベイゾイ
ル,過酸化カーボネートなど公知のラジカル重合開始剤
が使用できるが、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系開始剤が取扱い易く好ましい。また放射
線,電子線等も使用することができる。重合温度は使用
する開始剤の種類により適当な温度を採用することが望
ましいが、通常30〜90℃の範囲から選ばれる。所定
時間重合したのち、未重合のビニルエステル類を通常の
方法で除去することにより末端にチオール酸エステル基
を有するポリビニルエステル系重合体が得られる。
【0012】このようにして得られたポリビニルエステ
ル系重合体は、常法によりけん化されるが、通常重合体
をアルコール溶液とりわけメタノール溶液として実施す
るのが有利である。アルコールは無水物のみならず少量
の含水系のものも目的に応じて用いられ、また酢酸メチ
ル,酢酸エチルなどの有機溶媒を任意に含有させてもよ
い。けん化温度は通常10〜70℃の範囲から選ばれ
る。けん化触媒としては、例えば水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム,ナトリウムメチラート,カリウムメチラ
ートなどのアルカリ性触媒が好ましい。該触媒の使用量
はけん化度の大小および水分量などにより適宜決められ
るが、ビニルエステル単位に対してモル比で0.001以
上、好ましくは0.002以上用いることが望ましい。一
方、アルカリ量が多くなりすぎると残存アルカリをポリ
マー中より除去することが困難となり、ポリマーが着色
するなど好ましくなく、モル比で0.2以下にするのが望
ましい。なお、ポリビニルエステル系重合体中にカルボ
キシル基やそのエステル基などのアルカリ触媒と反応
し、アルカリを消費する成分が含有されている場合、そ
の消費量分を加えた量のアルカリ触媒を使用することが
望ましい。
【0013】このけん化反応により末端にチオール酸エ
ステル基を有するポリビニルエステル系重合体の該末端
チオール酸エステルと主鎖のビニルエステル結合がけん
化され、ポリマー末端はメルカプト基に、主鎖はビニル
アルコールになるが、主鎖のビニルエステル単位のけん
化度は使用目的に応じて変えられる。けん化反応後析出
した重合体は、例えばメタノールで洗浄するなど公知の
方法で精製し、残存アルカリ,酢酸のアルカリ金属塩な
どの不純物を除去して乾燥することにより通常白色粉末
として得ることができる。
【0014】以上本発明で使用される末端にメルカプト
基を有するPVA系重合体の製造方法について述べた
が、このPVA系重合体の重合度は3500以下が好ま
しい。またけん化度は、一義的には言えないが、水溶性
の点からは70モル%以上が好ましい。このようにして
得られた該PVA系重合体の使用量は、上記(メタ)ア
クリル酸エステルやスチレン系単量体および所望に応じ
て用いられる他の重合性ビニル系単量体などの全モノマ
ー量に対して1〜20重量%、特に2〜10重量%が好
ましい。また重合開始剤としては、過硫酸カリウム,過
硫酸アンモニウム,過酸化水素,臭素酸カリウムなどが
使用できる。また上記メルカプト基を有するPVA系重
合体を用いて、乳化重合を行うに際しては、重合系が酸
性であることが望ましい。これは、メルカプト基が酸性
下では、モノマーの二重結合へイオン的に付加し、消失
する速度が大きく、重合効率が著しく低下するためであ
り、すべての重合操作をpH6以下、好ましくはpH5
以下で実施するのが望ましい。
【0015】本発明における水性エマルジョンには、乳
化分散安定剤として、上記のメルカプト基を有するPV
A系重合体以外に従来公知のノニオン性界面活性剤,ア
ニオン性界面活性剤,従来公知の未変性PVAや種々の
変性PVA,ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロ
ース類などを、セメント改質剤としての性能を阻害しな
い範囲で併用することができる。本発明のセメント改質
剤は、上述の方法で得られる水性エマルジョンをそのま
ま用いてもよいが、必要があれば従来公知の消泡剤,防
腐剤,防錆剤,pH調整剤などの添加物が加えられて使
用される。さらに必要であれば、他種のエマルジョンや
ラテックスをセメント改質剤としての性能低下をもたら
さない範囲で混合してもよい。例えば、アクリル酸エス
テル系重合体エマルジョンや酢酸ビニルホモエマルジョ
ン,酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョン,酢酸
ビニル−エチレン共重合体エマルジョン,酢酸ビニル−
エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョン,酢酸ビニ
ル−VeoVa(シェル社製)共重合エマルジョンなどの酢酸
ビニル系エマルジョン、さらにはエチレン−塩化ビニル
共重合体エマルジョンや従来公知の界面活性剤を用いて
乳化重合により得られた合成ゴムラテックスなどが混合
できる。
【0016】本発明のセメント改質剤は、ポルトランド
セメント,アルミナセメント,スラグセメント,フライ
アッシュセメントなどの水硬セメント、あるいは石膏な
どのセメント以外の水硬性材料に用いることができる。
本発明のセメント改質剤の添加量はその目的により異な
るが、通常セメントに対して樹脂固形分として5〜20
0重量%、好ましくは10〜200重量%である。5重
量%に満たない場合には添加効果が小さい。なお添加量
が40重量%を超えると一般にセメント改質剤の方が連
続相となり、この添加量を境にセメント硬化物の性質は
大きく変るが、本発明のセメント改質剤は添加量の多い
系でも使用でき、広範囲の添加量領域において有効であ
る。
【0017】本発明のセメント改質剤をセメントに混入
する場合、保水剤,流動性改質剤,空気連行剤(AE
剤),減水剤,発泡剤,防錆剤,顔料などの着色剤、凍
結防止剤,可塑剤,補強助剤などの公知の種々の添加剤
を、目的に応じて併用することは何らさしつかえない。
本発明のセメント改質剤を混入したセメント組成物は、
流動性,接着性,圧縮強度,耐衝撃性などに優れている
ので、例えば普通コンクリート,軽量コンクリート,モ
ルタル,石膏ボード,PC板,ALC板,スレート板,
各種ラス板,鋼鉄板などの各種下地に対する仕上げ、補
修,防水モルタル,防水コンクリート,道路用コンクリ
ートなどに有利に用いられる他、実質的に骨材を含まな
いセメントペーストとして下地調整用、コンクリート欠
陥部への注入剤などに好適に使用される。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製容器に、末端にメルカプト基を有す
るPVA(PVA−1;重合度600,けん化度88.5
モル%)15重量部をイオン交換水280重量部で加熱
溶解し、希硫酸でpH=3.5に調整した。次いで、14
0rpmで攪拌しながらメタクリル酸メチル50重量部
とアクリル酸ブチル50重量部を仕込み、60℃に昇温
したのち、5wt%過硫酸アンモニウム水溶液10重量
部を添加し重合を開始した。重合を開始して15分後
に、メタクリル酸メチル100重量部とアクリル酸ブチ
ル100重量部を2時間にわたって連続的に添加した。
5時間後、重合率99.9%となり冷却した。生成したエ
マルジョンをアンモニア水でpH=7.0に調整し、固形
分濃度50.7wt%の水性エマルジョン(I)を得た。
次いで、この水性エマルジョンをセメントに対して混合
し、下記のセメントモルタルの物性試験を行った。
【0019】セメントモルタルの物性試験 モルタル組成:ラテックスの固形分/セメント重量比
=0.10 砂/セメント重量比=3.0 スランプ値 :JISA−1173に準じて測定。 曲げ強さ :JISA−6203に準じて測定。 圧縮強さ :JISA−6203に準じて測定。 接着強さ :JISA−6203に準じて測定。 吸水率 :JISA−6203に準じて測定。 耐衝撃性 :モルタルを6cm×6cm×0.35c
mに成型し、25日間20℃,65%RH(相対湿度)
下で養生後、67gの鋼球による供試体破壊時の落下高
さを測定。 結果を第1表に示す。
【0020】実施例2 実施例1で用いた反応器に、末端にメルカプト基を有す
るPVA(PVA−2;重合度400,けん化度98.5
モル%)12重量部をイオン交換水290重量部に加熱
溶解したものを仕込み、希硫酸でpH=4.0とした。次
いで、140rpmで攪拌しながら、スチレン90重量
部とアルクリル酸2−エチルヘキシル210重量部を仕
込み、2wt%過硫酸カリウム10重量部を添加し重合
を開始した。重合を開始して6時間後、重合率99.8%
となり冷却した。生成したエマルジョンにアンモニア水
を添加してpH=7.0とし、固形分濃度50.0wt%の
水性エマルジョン(II)を得た。実施例1と同様に、こ
の水性エマルジョンをセメントに対して混合し、セメン
トモルタルの物性試験を行った。結果を第1表に示す。
【0021】実施例3 実施例1の末端にメルカプト基を有するPVA(PVA
−1)に代えて、末端にメルカプト基を有するカルボキ
シル基変性PVA(重合度700,けん化度98.5モル
%,カルボキシル基変性度1.0モル%)を用いた以外は
実施例1と同様に重合し、固形分濃度50.3wt%の水
性エマルジョン(III)を得た。この水性エマルジョンを
用いたセメントモルタルの物性を第1表に示す。
【0022】比較例1 実施例1で用いた末端にメルカプト基を有するPVA
(PVA−1)に代えて、ポリオキシエチレン(20モ
ル付加)ノニルフェニルエーテル8重量部,ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部を用いた以外は実
施例1と同様にして重合し、固形分濃度49.9wt%の
水性エマルジョン(IV)を得た。この水性エマルジョン
を用いて実施例1と同様セメントモルタルの物性試験を
行い、第1表の結果を得た。
【0023】比較例2および3 比較例1における水性エマルジョン(IV)にPVA20
5(無変性PVA;重合度500,けん化度88.0モル
%,(株)クラレ製)をエマルジョン固形分に対して5
wt%添加したもの、および水性エマルジョン(IV)に
メチルセルロース(メトローズ90SH4000,信越
化学(株)製)をエマルジョン固形分に対して3wt%
添加したものについてそれぞれセメントモルタル物性を
調べた。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の水性エマルジョンからなるセメント改質剤は、モルタ
ル物性の諸項目において優れていることが分かる。これ
に対し、メルカプト基を有するPVA系重合体を安定剤
に用いない水性エマルジョンは、接着強さが極めて低い
上、この水性エマルジョンに後からPVAやメチルセル
ロースを添加しても、セメントの強度が向上しないこと
が分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/08 LJG 7921−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散質として、アクリル酸エステル単
    位,メタアクリル酸エステル単位およびスチレン系単量
    体単位の中から選ばれた少なくとも一種の単量体単位か
    らなる単独重合体または共重合体を含有し、かつ分散剤
    として末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコー
    ル系重合体を含有する水性エマルジョンからなるセメン
    ト改質剤。
JP4334335A 1992-12-15 1992-12-15 セメント改質剤 Pending JPH06183805A (ja)

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Cited By (3)

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