JPH06183324A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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Publication number
JPH06183324A
JPH06183324A JP33766592A JP33766592A JPH06183324A JP H06183324 A JPH06183324 A JP H06183324A JP 33766592 A JP33766592 A JP 33766592A JP 33766592 A JP33766592 A JP 33766592A JP H06183324 A JPH06183324 A JP H06183324A
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JP
Japan
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brake fluid
wheel
pump
reservoir
fluid pressure
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Withdrawn
Application number
JP33766592A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Hiroshi Sakai
博史 酒井
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポンプ32の吐出をホイールシリンダ5に伝
達させる状態およびリザーバ28へと循環させる状態を
切り換える切換手段10,24と、該切換手段10,2
4およびポンプ32の作動を制御する制御手段72とを
有し、トラクション制御前にポンプ32を駆動してブレ
ーキ液を吸入させて切換手段10,24によりリザーバ
28へと循環させ、トラクション制御時に切換手段1
0,24を切り換えてポンプ32の吐出をホイールシリ
ンダ5へ伝達させる。 【効果】 トラクション制御前にポンプ32を駆動状態
としているため、制御に遅れを生じることがない。しか
も、制御前にポンプ32を駆動しても、切換手段10,
24によりブレーキ液をリザーバ28へと循環させるた
め、ポンプ負荷が高まることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の加速時の空転を防
止するいわゆるトラクション制御を行うブレーキ液圧制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の加速時における車輪の空転を抑制
し、加速性能および車両安定性を向上させることができ
るいわゆるトラクション制御方法として、本出願人は、
先の出願を行っている(特願平1−188341号)。
このトラクション制御方法は、加速時に車輪の空転発生
により車輪速情報がしきい値に達する前にブレーキブー
スタの作動圧室に強制的に大気を導入することによりマ
スタシリンダによりブレーキ液圧を発生させるととも
に、これをホイールシリンダに伝達するブレーキ液圧回
路を遮断しておき、車輪速情報がしきい値に達した時点
で前記ブレーキ液圧回路を開放してホイールシリンダに
ブレーキ液圧を伝達することによってトラクション制御
に遅れが生じるのを防止するものである。
【0003】一方、装置の小型化を目的として、例えば
アンチスキッド制御用のブレーキ液圧制御装置を利用
し、非制動時に該装置のポンプを駆動してマスタシリン
ダからブレーキ液を吸入しホイールシリンダに吐出する
ことによってトラクション制御を行う装置が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにポンプを駆動してマスタシリンダからブレーキ液
を吸入しホイールシリンダに吐出することによってトラ
クション制御を行う場合、トラクション制御の開始時点
においてポンプの駆動を開始すると、ポンプの立ち上が
りおよびブレーキ液吸入のタイムラグによりホイールシ
リンダを即座に加圧することができず制御遅れを生じる
可能性がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、ポンプを駆
動してマスタシリンダからのブレーキ液を吸入しホイー
ルシリンダに吐出することによってトラクション制御を
行うものにおいて、ポンプの負荷を高めることがない
上、制御遅れを生じることなく車輪空転の初期段階に該
空転を有効に抑制することができ加速性能および車両安
定性を向上することができるブレーキ液圧制御装置を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のブレーキ液圧制御装置は、制動時にブレー
キ液圧が発生されるマスタシリンダとブレーキ液圧によ
り制動力を発生するホイールシリンダと間に設けられ、
ブレーキ液を貯蔵可能なリザーバと、該リザーバのブレ
ーキ液を吸入し吐出するポンプと、前記マスタシリンダ
と前記ホイールシリンダとの連通状態および前記ホイー
ルシリンダと前記リザーバとの連通状態を切り換えると
ともに前記ポンプの吐出を前記ホイールシリンダに伝達
させる状態および前記リザーバへと循環させる状態を切
り換える切換手段と、該切換手段および前記ポンプの作
動を制御する制御手段とを有し、非制動時に前記マスタ
シリンダから前記ポンプによりブレーキ液を吸入可能と
するものであって、前記制御手段は、加速時における車
輪の空転発生により車輪速情報がしきい値に達する前に
前記ポンプを駆動して該ポンプによりマスタシリンダの
ブレーキ液を吸入させかつ該ブレーキ液を前記切換手段
によりリザーバへと循環させるとともに、前記車輪速情
報が前記しきい値に達したときに前記切換手段を切り換
えて駆動状態にある前記ポンプの吐出を前記ホイールシ
リンダへ伝達させることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明のブレーキ液圧制御装置によれば、切換
手段によりポンプの吐出をホイールシリンダに伝達させ
る状態およびリザーバへと循環させる状態を切り換える
ことができるため、制御手段が、加速時における車輪の
空転発生により車輪速情報がしきい値に達する前にポン
プを駆動して該ポンプによりマスタシリンダのブレーキ
液を吸入させかつ該ブレーキ液を切換手段によりリザー
バへと循環させるとともに、前記車輪速情報が前記しき
い値に達したときに切換手段を切り換えて駆動状態にあ
るポンプの吐出をホイールシリンダへ伝達させることに
なって、制御に遅れを生じることがない。しかも、この
ために車輪速情報がしきい値に達する前にポンプを駆動
しても、切換手段によりブレーキ液をリザーバへと循環
させるため、ポンプ負荷が高まることがない。
【0008】一方、制御手段が、制動中に切換手段によ
りマスタシリンダとホイールシリンダとの連通を遮断し
かつホイールシリンダとリザーバとを連通させることに
よりホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧させ、また
切換手段によりマスタシリンダとホイールシリンダとの
連通を遮断若しくは連通状態でかつホイールシリンダと
リザーバとの連通を遮断させてポンプの吐出をホイール
シリンダに伝達することによりホイールシリンダのブレ
ーキ液圧を再加圧して、アンチスキッド制御を行うこと
になる。
【0009】
【実施例】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御
装置について図1〜図7を参照して以下に説明する。な
お、以下の説明において用いる上下は図面における上下
を便宜上用いるものである。
【0010】図中符号1はブレーキ液圧制御装置本体、
符号2はブレーキ液を貯蔵するリザーバタンク3が上部
に設けられたタンデムタイプのマスタシリンダを示して
いる。このマスタシリンダ2は、ブレーキペダル4に連
結し該ブレーキペダル4の踏込み等に応じて液圧を発生
させ、これをそれぞれクロス配管される二系統の液圧制
御回路A,Bに伝達する二つの液圧発生室2A,2Bを
有している。なお、液圧制御回路B側は液圧制御回路A
側と同様の構成であるため、液圧制御回路A側について
のみ説明する。
【0011】液圧制御回路Aは、さらに一方側駆動輪
(前輪駆動の場合、例えば前輪右側)のホイールシリン
ダ5および他方側従動輪(例えば後輪左側)のホイール
シリンダ6にそれぞれ連なる二つの分岐系統に分けられ
ている。ここで、ホイールシリンダ5,6は、例えばデ
ィスクブレーキやドラムブレーキの液圧作動装置であ
る。液圧制御回路Aは、マスタシリンダ2の液圧発生室
2Aから出た後、経路7を介して二つの分岐系統の経路
8,9に分割されており、各経路8,9にはフローバル
ブ10,11がそれぞれ設けられている。これらフロー
バルブ10,11は、それぞれが、上下方向に延在する
円筒状のシリンダ部12と該シリンダ部12の内周側か
ら外側にかけて設けられた複数のポートとを有するケー
シング13を具備している。
【0012】ここで、前記ポートは、各同分岐系統の経
路8,9を介して液圧発生室2Aに連通するようシリン
ダ部12の軸線に直交して所定位置に設けられた第一ポ
ート14、該第一ポート14の所定量下側に設けられそ
れぞれ各同分岐系統の経路15,16を介してホイール
シリンダ5,6に連通する第二ポート17、シリンダ部
12の下端に該シリンダ部12の軸線方向に沿って設け
られた第三ポート18、第一ポート14に対向して設け
られた第四ポート19である。なお、第四ポート19の
軸線は第一ポート14の軸線よりも所定量下側にオフセ
ットして設けられている。
【0013】なお、上記第二ポート17は第一ポート1
4の所定量下側にこれと平行に設けられた上部ポート2
0と該上部ポート20の所定量下側にこれと平行に設け
られ外側で該上部ポート20に連通する下部ポート21
とから構成されている。
【0014】そして、各フローバルブ10,11の第三
ポート18は各同分岐系統の経路22,23にそれぞれ
連通しており、これら経路22,23上には、電磁常閉
弁24,25がそれぞれ設けられている。そして、経路
22,23は合流して経路27に接続しており、この経
路27には容量可変のリザーバ28が一つ設けられてい
る。また、各フローバルブ10,11の第四ポート19
同士は経路29で相互に連通されており、この経路29
に接続する経路30と上記経路27とは経路31で接続
されていて、この経路31上にはポンプ32が設けられ
ている。ここで、このポンプ32は、モータ33により
駆動されて吸入吐出を行なうポンプ本体34と、このポ
ンプ本体34のリザーバ28側に設けられた吸入弁35
と、ポンプ本体34の反リザーバ28側に設けられた吐
出弁36とから構成されており、リザーバ28側のブレ
ーキ液を吸入して経路30側に吐出するようになってい
る。
【0015】上記フローバルブ10,11には、そのケ
ーシング13のシリンダ部12内に円柱状のスプール3
7が上下摺動自在となるよう嵌入されている。このスプ
ール37は、その上端部から中間所定位置まで中央に軸
方向に沿って穿設された所定径の上部孔38と、その下
端部から中間所定位置まで該上部孔38と同軸同径に穿
設されるとともに常に第三ポート18に連通する下部孔
39とを有しており、これら上部孔38および下部孔3
9はこれらよりも所定量小径の小径孔40で相互に連通
している。なお、下部孔39の下端の開口部は径が他の
部分より所定量大きくなっており、この開口部にはスプ
ール37を上方に向けて所定の付勢力で付勢するスプー
ルスプリング41の上端が挿入されている。
【0016】また、スプール37には、上部孔38およ
び下部孔39に直交して複数の孔が穿設されている。こ
れらの孔は、スプール37の上端から所定量下側に設け
られるとともに、該スプール37がスプールスプリング
41により付勢され上端部がシリンダ部12の上面に当
接した静止状態(図1に示すフローバルブ11の状態)
にあるときに上部孔38と第一ポート14とを連通さ
せ、かつアンチスキッド制御時において両側に発生する
差圧でスプール37が移動した状態にあるときに、第一
ポート14と上部孔38との連通を遮断する第一孔4
2、該第一孔42から所定量下側に設けられスプール3
7が上記静止状態にあるときに上部孔38と上部ポート
20とを連通させ、かつスプール37が上記移動状態に
あるときに上部孔38と上部ポート20との連通を遮断
する第二孔43、該第二孔43から所定量下側に設けら
れスプール37が上記静止状態にあるときに下部孔39
と下部ポート21との連通を遮断し、かつ上記スプール
37が上記移動状態のときに下部孔39と下部ポート2
1とを連通させる第三孔44、および上記第一孔42に
対向して同一平面に軸線を配置して設けられスプール3
7が上記静止状態にあるときに上部孔38と第四ポート
19との連通を遮断し、かつスプール37が上記移動状
態にあるときに上部孔38と第四ポート19とを連通さ
せる第四孔45である。
【0017】ここで、便宜上、第一孔42と第四孔45
とは別々のものとして述べたが、スプール37の外周に
同一幅の溝が設けてあるので両者に差異はなく勿論一方
のみを設けてもよく、また、第二孔43および第三孔4
4にも同様にスプール37の外周に溝がそれぞれ設けて
ある。
【0018】なお、第一ポート14に対して第四ポート
19が下側にオフセットされているのは、フローバルブ
10,11のうちの一方側のみがアンチスキッド制御に
入ったときに非作動側の他方側を介して液圧発生源2A
側に共用のポンプ32の吐出の影響がおよぶのを防ぐた
めであり、第一ポート14と第四ポート19とを同一平
面に軸線を配置しかつ第四ポート19の方を大径に形成
し、第四ポート19にスプール37の移動により開く弁
を設ける構成を採用することも可能である。
【0019】そして、駆動輪側のフローバルブ10のケ
ーシング13のシリンダ部12より上側に、シリンダ部
12に一端側が開口する段付形状のピストン挿入穴47
が設けられており、該ピストン挿入穴47は、所定位置
に設けられたポート48を介して、経路8とリザーバ2
8とを接続させる経路49の経路8側に接続し、該ポー
トに対向配置されこれと常に連通するポート50を介し
て経路49のリザーバ28側に接続している。
【0020】ピストン挿入穴47には、所定位置にシー
ル部材が嵌合された段付円柱形状のピストン51が挿入
されており、該ピストン51のシリンダ部12に反する
側には所定の付勢力のピストンスプリング52が設けら
れている。ここで、このピストンスプリング52が設け
られるピストン挿入穴47の室は大気に連通している。
そして、このピストンスプリング52による付勢力のみ
が作用する場合に、ピストン51は段部53を、ケーシ
ング13の段部54に当接させた状態となっており、こ
のとき、その下端部をフローバルブ10のシリンダ部1
2内に突出させかつスプール37の上端部に当接させ
て、該スプール37をスプールスプリング41の付勢力
に抗して図1における下方に所定量移動させた状態とな
っている。この状態において、スプール37は、第一ポ
ート14と第一孔42との連通を遮断し、第四ポート1
9と第四孔45とを連通させた状態としかつ下部ポート
21と第三孔44とを連通させ、トラクション制御が可
能となる(図1に示すフローバルブ10の状態)。
【0021】また、液圧発生室2Aにより生じるブレー
キ液圧が経路7から経路49に導入されると、このブレ
ーキ液圧はピストン51に作用し、この液圧によってピ
ストン51はピストンスプリング52の付勢力に抗して
スプール37から離れる方向に移動して、その下端部の
シリンダ部12内への突出を解除しスプール37への押
圧を解除した状態となる。これにより、スプール37は
ピストン51の影響を受けない、ブレーキ操作およびア
ンチスキッド制御が可能な状態となる。
【0022】そして、ポンプ32の吐出側の経路30と
吸入側の経路27との間には、これらをバイパス接続さ
せる経路55が設けられており、該経路55にはリリー
フ弁56が設けられている。このリリーフ弁56は、経
路55を介してポンプ32の吸入側および吐出側に個別
に接続されるとともに、経路49を介して液圧発生室2
Aに接続されており、弁体57をスプリング58で付勢
するとともにスプリング59で付勢された軸部材60を
弁体57に当接させていて、液圧発生室2A側のブレー
キ液圧を軸部材60を介して弁体57に閉方向に作用さ
せるようになっている。これにより、ポンプ32の吐出
圧が液圧発生室2A側の圧力よりもスプリング58,5
9の付勢力分高くなると開弁して、液圧発生室2A側の
圧力に応じた吐出圧をフローバルブ10,11側に伝達
するようになっている。なお、リリーフ弁56内には、
液圧発生室2A側のブレーキ液圧が低くなると液圧発生
室2A側にブレーキ液を流すカップ61が設けられてい
る。
【0023】リザーバ28は、容量可変となるように、
リザーバシリンダ62と、このリザーバシリンダ62内
を摺動可能なリザーバピストン63と、このリザーバピ
ストン63を所定の付勢力で付勢するスプリング63a
とを有しており、このリザーバ28に近接した上側の経
路49には制御弁64が設けられている。この制御弁6
4は、経路49に形成された弁体収納部65と、該弁体
収納部65内の着座部66に着座して経路49を閉塞可
能な弁体67と、この弁体67を着座部66側に向けて
所定の付勢力で付勢するスプリング68と、リザーバピ
ストン63の上部に形成された棒部69とで主に構成さ
れており、リザーバピストン63が経路49を介して伝
達される液圧発生室2Aのブレーキ液圧を受けずスプリ
ング63aの付勢力によりリザーバ28の内容積を最小
とする位置(図1に示す位置)にあるとき、棒部69が
弁体67を押圧してこれを着座部66から離座させて経
路49を開放状態とし、一方リザーバピストン63が液
圧発生室2Aにより生じるブレーキ液圧を受けリザーバ
28の内容積を増加させるべく移動すると、棒部69は
弁体67への押圧を解除し、これにより弁体67はスプ
リング68の付勢力によって着座部66に着座し、経路
49を閉塞するようになっている。
【0024】なお、フローバルブ10,11および電磁
常閉弁24,25が第1実施例の切換手段を構成してい
る。
【0025】そして、第1実施例においては、各車輪毎
に車輪速センサ70,71が設けられており、これら車
輪速センサ70,71からの検出信号が制御手段である
コントローラ72に入力されている。このコントローラ
72は、車輪速センサ70,71からの信号にしたがっ
て上記電磁常閉弁24,25の切り換えおよびポンプ3
2すなわちモータ33の駆動を制御するものである。
【0026】次に、以上のような構成の本実施例のブレ
ーキ液圧制御装置のコントローラ72の制御内容を以下
に説明する。まず、例えば図示せぬアクセルスイッチか
らの信号によりアクセルペダルが踏み込まれたことが検
知されると、コントローラ72が、図2に示すフローチ
ャートにしたがって演算を行うことになる。この演算に
ついて以下にステップ毎に説明する。
【0027】〔ステップA1〕駆動輪側の車輪速センサ
70から出力されるパルス信号に基づき駆動輪の車輪速
Rωを演算し、一時記憶する。 〔ステップA2〕模擬車速Vrefを演算し一時記憶す
る。この模擬車速は、概念的には、加速時に車輪に空転
現象が生じた場合には、車輪速は急速に上昇していくの
に対して、車速は決して1G(Gは重力加速度)を超え
て加速されることがないことに着目し、車輪速の変化率
が1Gに近くなったときにそのままの速度変化で加速さ
れるとした場合の車輪速とその変化率と時間との関係で
設定される速度を模擬車速とするものである。そして、
実際の車輪速Rωをこの模擬車速Vrefに近づけるよう
に制御することになる。なお、模擬車速Vrefとして
は、従動輪側の車輪速センサ71からのパルス信号で割
り出される速度を用いることもできる。
【0028】〔ステップA3〕上記車輪速Rωと模擬車
速Vrefとから、スリップ率Sを次式にしたがって演算
し一時記憶する。 S=1−(Vref/Rω) 〔ステップA4〕車輪速Rωの微分値Rω’つまり車輪
速の変化率を演算する。
【0029】〔ステップA5〕以上の演算結果に基づ
き、トラクション制御を行わせる。次に、図3に示すフ
ローチャートにしたがって上記〔ステップA5〕のトラ
クション制御をステップ毎に説明する。 〔ステップA5−1〕予め設定され記憶されたスリップ
率に対する二段階のしきい値S1,S2を読み込む。 〔ステップA5−2〕上記〔ステップA3〕で演算した
スリップ率Sを読み込む。
【0030】〔ステップA5−3〕上記〔ステップA
4〕で求めた車輪速の微分値Rω’を読み込む。 〔ステップA5−4〕スリップ率Sが第一しきい値S1
に達したか否かを判定し、達した場合には〔ステップA
5−6〕に進み、そうでない場合には〔ステップA5−
5〕に進む。
【0031】〔ステップA5−5〕ブレーキ液圧制御装
置本体1をモード<1>の制御状態に設定する。すなわ
ち図4に示すように、このモード<1>は、モータ33
(すなわちポンプ32)および電磁常閉弁24,25を
すべてOFF(非通電)状態とする。 〔ステップA5−6〕スリップ率Sが第二しきい値S2
に達したか否かを判定し、達した場合には〔ステップA
5−8〕に進み、そうでない場合(すなわちS2<S≧
1)の場合には〔ステップA5−7〕に進む。なお、
上記しきい値S2はトラクション制御を行うためのしき
い値であり、しきい値S2はしきい値S1に達する以前の
予備的なしきい値(S2>S1)である。
【0032】〔ステップA5−7〕ブレーキ液圧制御装
置本体1をモード<2>の制御状態に設定する。すなわ
ち図5に示すように、このモード<2>は、モータ33
および電磁常閉弁24,25をすべてON(通電)状態
とする。 〔ステップA5−8〕車輪速の微分値Rω’が0以上で
あるか否かつまり加速状態にあるか否かを判定し、0以
上である場合〔ステップA5−9〕に進み、そうでない
場合〔ステップA5−7〕に進む。 〔ステップA5−9〕ブレーキ液圧制御装置本体1をモ
ード<3>の制御状態に設定する。このモード<3>が
トラクション制御状態であり、図6に示すように、モー
タ33および従動輪側の電磁常閉弁25をON状態と
し、駆動輪側の電磁常閉弁24をOFF状態とする。
【0033】そして、上記制御を適宜選択的に繰り返す
ことにより、車輪速Rωは模擬車速Vrefに近似させら
れていくことになる。このトラクション制御の流れの一
例を図7を参照して車輪速Rωの変化に対応させて説明
する。なお、この図7においては、スリップ率の第一し
きい値S1および第二しきい値S2をそれぞれ車輪速に換
算した第一しきい値X1および第二しきい値X2を用いて
説明する。また、トラクション制御は加速時のホイール
スピンを防止するものであり、アンチスキッド制御はブ
レーキ操作時のホイールロックを防止するものであるた
め、これらが同時に作動することはなく、よって、これ
らを個別にトラクション制御から説明する。
【0034】まず、トラクション制御もアンチスキッド
制御も作動されておらず、しかもブレーキ操作もなされ
ていない状態においては、コントローラ72は、ブレー
キ液圧制御装置本体1をモード<1>の制御状態に設定
しており、モータ33および電磁常閉弁24,25がす
べてOFF状態となっている。この状態においては、図
1に示すように、従動輪側のフローバルブ11のスプー
ル37は、スプールスプリング41により付勢されて静
止状態にあり、第一ポート14、第一孔42、上部孔3
8、第二孔43および上部ポート20等を介して液圧発
生室2Aと同系統のホイールシリンダ6とを連通させて
いる。ここで、このとき、第四ポート19はスプール3
7により閉塞状態となっており、また、第三孔44は外
周側のいずれのポートとも連通が遮断された状態となっ
ている。
【0035】一方、上記状態において、駆動輪側のフロ
ーバルブ10は、図1に示すように、ピストン51がピ
ストンスプリング52の付勢力によって、その段部53
をケーシング13の段部54に当接させており、スプー
ル37を所定量移動させ、第一ポート14を閉塞し、か
つ第四ポート19を開放した状態となっている。また、
上記状態のとき、液圧発生室2Aからブレーキ液圧は発
生されていないので、制御弁64は経路49を開放した
状態となっている。
【0036】そして、このようなブレーキ操作がなされ
ない状態において、例えば図示せぬアクセルスイッチか
らの信号によりアクセルペダルが踏み込まれたことが検
知されると、コントローラ72が、上記車輪速等の演算
を開始する。模擬車速Vrefより車輪速Rωが大きくな
って第一しきい値X1に達すると(スリップ率で言えば
スリップ率Sがしきい値S1に達すると)、コントロー
ラ72は、トラクション制御の待機状態として、ブレー
キ液圧制御装置本体1をモード<2>の制御状態に設定
し、モータ33および電磁常閉弁24,25がすべてO
Nされる。これにより、ポンプ32は、制御弁64が開
かれた状態にある経路49を介して液圧発生室2Aから
ブレーキ液を吸入して吐出し、このとき吐出されたブレ
ーキ液は、リリーフ弁56により圧力が一定に維持され
た状態でフローバルブ10の第四ポート19に至り、こ
の第四ポート19から第四孔45、上部孔38、小径孔
40、下部孔39および第三ポート18等を通じほぼ一
定流量で絞られて、開状態の電磁常閉弁24を介してリ
ザーバ28およびポンプ32の吸入側へとホイールシリ
ンダ5を加圧することなく循環されることになる。
【0037】なお、このとき、第一ポート14はスプー
ル37の移動により閉塞されているため、液圧発生室2
A側にブレーキ液が戻されることはない。また、従動輪
側のフローバルブ11は、そのスプール37が移動して
おらず、第四ポート19がスプール37により閉塞され
ているため、ポンプ32が吐出するブレーキ液をここで
遮断することになる。ここで、従動輪側の電磁常閉弁2
5をON状態にするのは、フローバルブ11の若干のク
リアランスを通じてブレーキ液が従動輪側のホイールシ
リンダ6に達するのをも防止するためである。
【0038】そして、車輪速Rωが実際にトラクション
制御すべきしきい値X2に達すると(スリップ率で言え
ばスリップ率Sがしきい値S2に達すると)、コントロ
ーラ72は、ブレーキ液圧制御装置本体1をモード<3
>の制御状態に設定してモータ33および電磁常閉弁2
5をON状態とし電磁常閉弁24のみをOFF状態とす
る。これにより、ポンプ32により循環されていたブレ
ーキ液が、フローバルブ10の第四ポート19から第四
孔45、上部孔38、小径孔40、下部孔39、第三孔
44および下部ポート21等を通じて、駆動輪側のホイ
ールシリンダ5に導入され、該ホイールシリンダ5を加
圧しトラクション制御を行なう。なお、このとき、上記
と同様にフローバルブ10の第一ポート14は閉塞さ
れ、また、従動輪側のフローバルブ11も第四ポート1
9が閉塞されている。
【0039】ブレーキ液圧制御装置本体1の上記モード
<3>の設定により車輪の空転が抑制され、車輪速の上
昇率(勾配)が小さくなり、次いで車輪速の微分値R
ω’が正から負に転じると、再びモード<2>が設定さ
れて電磁常閉弁24を開かせることにより、下部ポート
21および第三ポート18等を介してポンプ32の吸入
側にホイールシリンダ5のブレーキ液を逃す。(なお、
再び増圧する指令が出されると電磁常閉弁24を閉じホ
イールシリンダ5を増圧する。)
【0040】そして、車輪の空転がさらに抑制され車輪
速Rωが第一しきい値X1より小さくなると(スリップ
率で言えばスリップ率Sがしきい値S1より小さくなる
と)、コントローラ72は、ブレーキ液圧制御装置本体
1をモード<1>に設定し、電磁常閉弁24,25およ
びポンプ32をOFF状態とする。なお、モード<1>
の前に、ポンプ32を停止状態として電磁常閉弁24を
励磁して開かせるモードを設けることにより、下部ポー
ト21および第三ポート18等を介してフローバルブ1
0から開状態にある経路49を介して液圧発生室2A側
にブレーキ液を良好に戻すことができる。
【0041】次に、コントローラ72がブレーキ液圧制
御装置本体1をモード<1>に設定した状態で、通常の
ブレーキ操作を行なう場合には、液圧発生室2Aから発
生されたブレーキ液圧が、経路8,9に導入されるとと
もに経路49に導入され、ピストン51をピストンスプ
リング52の付勢力に抗して移動させ、該ピストン51
による、駆動輪側のフローバルブ10のスプール37へ
の押圧を解除する。すると、スプール37はスプールス
プリング41の付勢力により即座に静止状態に戻る。こ
れによって、各フローバルブ10,11は、ブレーキ操
作に応じて液圧発生室2Aから発生されるブレーキ液圧
を、第一ポート14、第一孔42、上部孔38、第二孔
43および上部ポート20等を介して各ホイールシリン
ダ5,6に伝達することになるとともに、アンチスキッ
ド制御が可能な状態となる。ここで、アンチスキッド制
御を含むブレーキ操作中においては、液圧発生室2Aか
らブレーキ液圧が発生されているため、リザーバピスト
ン63が若干移動して制御弁64は経路49を常に閉塞
した状態となっている。
【0042】そして、上記のようなブレーキ操作中に、
コントローラ72が、各車輪に設けられた車輪速センサ
70,71からの情報等により車輪がホイールロック傾
向であると判定し、アンチスキッド制御を行なう場合に
ついて、以下に説明する。
【0043】例えば駆動輪側のみがアンチスキッド制御
に入る場合には、コントローラ72からの信号により、
電磁常閉弁24が開かれることによってフローバルブ1
0の下部孔39側にあるブレーキ液がリザーバ28側へ
流れ、これによるスプール37の両側の差圧で該スプー
ル37は下方に移動して第一ポート14と第一孔42と
の連通を遮断し、かつホイールシリンダ5とリザーバ2
8とを下部ポート21、および第三ポート18等を介し
て連通させホイールシリンダ5内のブレーキ液をリザー
バ28に流入させてブレーキ液圧を減圧させ、さらに、
上記スプール37の移動により第四ポート19が開状態
となり、ポンプ32側からのブレーキ液の流入を可能と
する。
【0044】ここで、アンチスキッド制御時においては
コントローラ72からの信号でポンプ32は常に駆動状
態であり、上記減圧時において、ポンプ32から吐出さ
れるブレーキ液は、リリーフ弁56によりその圧力が液
圧発生室2A側の圧力より所定値高い値に保持された状
態で、フローバルブ10の第四ポート19に導入される
ことになる。そして、ブレーキ液は、スプール37の移
動により、第四ポート19および第四孔45の隙間を介
し、さらに上部孔38、小径孔40、下部孔39および
第三ポート18等を通じてリザーバ28へとほぼ一定流
量で循環する。
【0045】また、アンチスキッド制御の再加圧時に
は、コントローラ72からの信号により電磁常閉弁24
が閉じられることによって、吐出されたブレーキ液はフ
ローバルブ10の、第四ポート19および第四孔45の
隙間を介し、さらに上部孔38、小径孔40、下部孔3
9、第三孔44および下部ポート21を介してホイール
シリンダ5へほぼ一定流量で流れ、該ホイールシリンダ
5を再加圧するようになっている。
【0046】なお、上記ポンプ32により吐出されるブ
レーキ液は、他方でアンチスキッド制御状態になってい
ない従動輪側のフローバルブ11の第四ポート19に吐
出されることになるが、このフローバルブ11は、スプ
ール37が静止状態にあるため、第四ポート19が閉塞
されていて液圧発生室2A側にポンプ脈動が伝播するこ
とはない。
【0047】そして、従動輪側もアンチスキッド制御に
入った場合には、コントローラ72の信号により各電磁
常閉弁24,25が開閉されることによって、各フロー
バルブ10,11がそのスプール37を適宜上下移動さ
せて、上述したような減圧・再加圧を行なうことにな
る。
【0048】以上に述べたように、第1実施例のブレー
キ液圧制御装置によれば、車輪の空転時に、車輪のスリ
ップ率がトラクション制御を行うべきしきい値S2に達
する前の予備的なしきい値S1に達した時点で、ポンプ
32を駆動するとともに電磁常閉弁24を開かせて、ポ
ンプ32により液圧発生室2Aのブレーキ液を吸入させ
該ブレーキ液をフローバルブ10および開状態の電磁常
閉弁24によりリザーバ28へと循環させ、スリップ率
Sがしきい値S2に達した時点で電磁常閉弁24を閉じ
させて、駆動状態にあるポンプ32の吐出をフローバル
ブ10によりホイールシリンダ5へ伝達させることにな
る。
【0049】したがって、制御遅れを生じることがない
ため、車輪空転の初期段階に有効に該空転を抑制するこ
とができ、加速性能および車両安定性を向上することが
できる。しかも、このためにあらかじめポンプ32を駆
動しても、電磁常閉弁24およびフローバルブ10によ
りブレーキ液をリザーバ28へと循環させるため、ポン
プ32の負荷が高まることがない。
【0050】なお、上記第1実施例のコントローラ72
は、スリップ率Sが予備値である第一しきい値S1を超
えた場合にブレーキ液圧制御装置本体1をモード<2>
に設定してトラクション制御の準備状態とするものを例
にとり説明したが、車輪の空転の予測はアクセル開度の
変化率によっても行うことができるため、これを採用す
ることも可能である。この場合、アクセル開度を検知す
るセンサを設け、上記第1実施例の〔ステップA5−
4〕の代りに前記センサからの信号から割り出されるア
クセル開度が所定時間内に所定時間以上動いたか否かを
判定し、YESの場合に上記〔ステップA5−6〕〜
〔ステップA5−9〕を実行することになる。 ここ
で、前記判定がNOの場合には、スリップ率Sが第二し
きい値S2以上であれば、上記〔ステップA5−8〕
〔ステップA5−7〕〔ステップA5−9〕を同様に実
行する。一方、スリップ率Sが第二しきい値S2より小
さい状態にある場合には、ポンプ32が駆動状態になけ
ればモード<1>に設定し、ポンプ32が駆動状態にあ
りかつその駆動継続時間が所定時間に満たない場合には
モード<2>に設定し、ポンプ32が駆動状態にありそ
の駆動継続時間が所定時間に達したらモード<1>に設
定してポンプ32を停止させるようにする。
【0051】また、第1実施例のブレーキ液圧制御装置
は、スプール37の強制移動をピストンスプリング52
を用いてピストン51を付勢により行いブレーキ液圧で
この強制移動を解除するものを例にとり説明したが、こ
れに限定されることなく、例えばブレーキベダル4の入
力を検知するセンサを設け、このセンサからの信号によ
り励磁されるソレノイドによってピストン51を移動さ
せるもの、あるいはトラクション制御時に駆動されるポ
ンプ32の吐出圧によりスプール37を移動させるべく
ピストン51を強制移動させるもの等を採用することも
可能である。加えて、上記実施例の制御弁64の代り
に、例えばブレーキベダル4の入力を検知するセンサを
設け、このセンサからの信号により開閉される電磁弁を
設けることも可能である。さらに、上述したリリーフ弁
56は、液圧発生室2A側の圧力を利用するものとして
述べたが、ポンプ32の吐出圧が所定の一定圧となった
ら、リザーバ28に戻すものでもよい。さらに、ポンプ
32への吸入は経路49等を介して行ったが、マスタシ
リンダ2のリザーバタンク3から吸入するようにしても
よく、この場合には、リザーバ28とリザーバタンク3
との間を接続させる配管を設けこの配管に電磁開閉弁を
設ければよい。
【0052】次に、本発明の第2実施例によるブレーキ
液圧制御装置を図8を参照して以下に説明する。なお、
第2実施例は、第1実施例に対しフローバルブの代りに
電磁弁を設けた点およびこれに伴うコントローラの制御
内容の一部が相違しており、相違部分を中心に説明し、
同様の部分については同一符号を付して説明を略す。こ
こで、図8はブレーキ液圧制御装置の一つの駆動輪側の
ブレーキ系を示すものである。
【0053】マスタシリンダの図示せぬ一方の液圧発生
室と一方の駆動輪側のホイールシリンダ5とを接続する
経路75上には二つの電磁常開弁76,77が設けられ
ており、ホイールシリンダ5側の電磁常開弁77とホイ
ールシリンダ5との間から分岐する経路78は、電磁常
開弁76と電磁常開弁77との間の経路75に接続され
ている。そして、この経路78には、ホイールシリンダ
5側から順に電磁常閉弁24、リザーバ28およびポン
プ32が設けられており、リザーバ28に制御弁64を
介して接続する経路49は電磁常開弁76よりマスタシ
リンダ側の経路75に接続している。ここで、ポンプ本
体34としてモータ33で回転する偏心カム33aで駆
動される往復動ポンプを用いており、モータ33、電磁
常開弁76,77および電磁常閉弁24は、コントロー
ラ72に接続されている。なお、第2実施例において
は、電磁常開弁76,77および電磁常閉弁24が切換
手段を構成している。
【0054】このような構成のブレーキ液圧制御装置に
よれば、コントローラ72が、ブレーキ液圧制御装置本
体79の制御状態をトラクション制御もアンチスキッド
制御もなされないモード<1>に設定した場合には、電
磁常開弁76,77、電磁常閉弁24およびモータ33
をすべてOFF状態とし、また、モード<2>に設定し
た場合には、電磁常開弁77をOFF状態としかつ電磁
常開弁76、電磁常閉弁24およびモータ33をON状
態としてポンプ32により吸入したマスタシリンダ側の
ブレーキ液を循環させ、さらに、モード<3>に設定し
た場合には、電磁常開弁77および電磁常閉弁24をO
FF状態としかつ電磁常開弁76およびモータ33をO
N状態としてポンプ32の吐出をホイールシリンダ5に
伝達させることになる(図示はせぬが、このとき他方の
駆動輪側も必要に応じて同様の制御が行われる)。
【0055】一方、アンチスキッド制御の減圧時には、
電磁常開弁77をON状態としかつ電磁常閉弁24をO
N状態とすることにより、マスタシリンダ側のブレーキ
液圧の伝達を遮断した状態で、ホイールシリンダ5のブ
レーキ液圧をリザーバ28に導入して減圧することにな
る(図示はせぬが、このとき他方の駆動輪および各従動
輪側のホイールシリンダも必要に応じて減圧される)。
なお、第1実施例と同様、マスタシリンダ側のブレーキ
液圧により制御弁64は閉じられることになる。
【0056】アンチスキッド制御の再加圧時には、電磁
常開弁76をON若しくはOFFとし、電磁常開弁77
および電磁常閉弁24をOFFして、ポンプ32を駆動
することにより、リザーバ28側のブレーキ液をポンプ
により吸入・吐出してホイールシリンダ5を再加圧する
ことになる(図示はせぬが、このとき他方の駆動輪およ
び各従動輪側のホイールシリンダも必要に応じて再加圧
される)。
【0057】そして、第2実施例のブレーキ液圧制御装
置1のコントローラ72も、トラクション制御時におい
て、第1実施例で述べた制御を行うことになる。これに
より、第1実施例において述べた効果を奏することがで
きる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のブレーキ
液圧制御装置によれば、切換手段によりポンプの吐出を
ホイールシリンダに伝達させる状態およびリザーバへと
循環させる状態を切り換えることができるため、制御手
段が、加速時における車輪の空転発生により車輪速情報
がしきい値に達する前にポンプを駆動して該ポンプによ
りマスタシリンダのブレーキ液を吸入させかつ該ブレー
キ液を切換手段によりリザーバへと循環させるととも
に、前記車輪速情報が前記しきい値に達したときに切換
手段を切り換えて駆動状態にあるポンプの吐出をホイー
ルシリンダへ伝達させることになって、制御に遅れを生
じることがない。したがって、車輪空転の初期段階に有
効に該空転を抑制することができ、加速性能および車両
安定性を向上することができる。しかも、このために車
輪速情報がしきい値に達する前にポンプを駆動しても、
切換手段によりブレーキ液をリザーバへと循環させるた
め、ポンプ負荷が高まることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置のコントローラによる制御内容の一部を示すフローチ
ャートである。
【図3】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置のコントローラによる制御内容の他の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置のコントローラの図3に示すモード<1>の内容を示
すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置のコントローラの図3に示すモード<2>の内容を示
すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置のコントローラの図3に示すモード<3>の内容を示
すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施例によるブレーキ液圧制御装
置の車輪速および模擬車速と各モード等との対応を時間
の経過とともに示した一例のタイミングチャートであ
る。
【図8】本発明の第2実施例によるブレーキ液圧制御装
置を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
2 マスタシリンダ 5,6 ホイールシリンダ 10,11 フローバルブ(切換手段) 24,25 電磁常閉弁(切換手段) 28 リザーバ 32 ポンプ 72 コントローラ(制御手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時にブレーキ液圧が発生されるマス
    タシリンダとブレーキ液圧により制動力を発生するホイ
    ールシリンダと間に設けられ、ブレーキ液を貯蔵可能な
    リザーバと、該リザーバのブレーキ液を吸入し吐出する
    ポンプと、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダ
    との連通状態および前記ホイールシリンダと前記リザー
    バとの連通状態を切り換えるとともに前記ポンプの吐出
    を前記ホイールシリンダに伝達させる状態および前記リ
    ザーバへと循環させる状態を切り換える切換手段と、該
    切換手段および前記ポンプの作動を制御する制御手段と
    を有し、非制動時に前記マスタシリンダから前記ポンプ
    によりブレーキ液を吸入可能とするブレーキ液圧制御装
    置であって、 前記制御手段は、加速時における車輪の空転発生により
    車輪速情報がしきい値に達する前に前記ポンプを駆動し
    て該ポンプによりマスタシリンダのブレーキ液を吸入さ
    せかつ該ブレーキ液を前記切換手段によりリザーバへと
    循環させるとともに、前記車輪速情報が前記しきい値に
    達したときに前記切換手段を切り換えて駆動状態にある
    前記ポンプの吐出を前記ホイールシリンダへ伝達させる
    ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP33766592A 1992-12-17 1992-12-17 ブレーキ液圧制御装置 Withdrawn JPH06183324A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014189135A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Advics Co Ltd 車両用ブレーキ制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014189135A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Advics Co Ltd 車両用ブレーキ制御装置

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