JP2812815B2 - 車両用可変液圧ポンプ - Google Patents

車両用可変液圧ポンプ

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JP2812815B2
JP2812815B2 JP14074091A JP14074091A JP2812815B2 JP 2812815 B2 JP2812815 B2 JP 2812815B2 JP 14074091 A JP14074091 A JP 14074091A JP 14074091 A JP14074091 A JP 14074091A JP 2812815 B2 JP2812815 B2 JP 2812815B2
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幸雄 岩田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の発進時に車輪の
駆動スリップを防止するように車輪に適当な制動力を与
えることができるようにすると共に、車両の制動時車輪
のロックを防止するように車輪の制動力を最適に制御す
ることができるようにした車両用液圧ブレーキ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車輪の制動時のロック現象を回避
するスキッド制御装置と共に、車両の急発進時や急加速
時等に生じる駆動輪の過大なスリップを抑制(トラクシ
ョンコントロールと言う)し、運転者の運転操作を容易
にし、発進、加速性及び操縦安定性を向上させることを
目的とした車両用液圧ブレーキ装置の開発が積極的に行
われている。この種の車両用液圧ブレーキ装置としては
特開昭58−122246号公報に記載されたもの等が
知られている。
【0003】図4に基づいて特開昭58−122246
号公報に記載された車両用液圧ブレーキ装置の概略構成
を説明すると、図においてタンデムマスタシリンダ10
2のシリンダ本体内には二つの液圧発生室が画成されて
いると共に、この本体102と一体にリザーバ101が
設けられている。二つの液圧室には管路103,104
が接続されており、ブレーキペダル100の踏み込みに
よって管路103,104内に液圧を発生させることが
できるようになっている。
【0004】一方の液圧室と接続されている管路104
は、カットバルブ109、ブレーキ圧制御弁105を介
して駆動輪側のブレーキキャリパ106に接続されてお
り、管路103は駆動輪側と同様にブレーキ圧制御弁を
介して従動輪側のブレーキキャリパに接続されている。
前記カットバルブ109はD,E2位置切換弁として、
またブレーキ圧制御弁105はA,B,C3ポート3位
置切換弁として構成されている。カットバルブ109は
圧力槽111に接続されると共に、リリーフバルブ11
0を介してリザーバタンク101に接続されている。リ
リーフバルブは回路中の定圧を得ると共に安全機構とし
て設けられており、例えば、スリップ制御の際(トラク
ションコントロール時)に、液圧ポンプ107からの吐
出圧が異常に高くなった時には、E位置をとっているカ
ットバルブ109(トラクションコントロール時のみカ
ットバルブ109はE位置に切換わる)を介して、ブレ
ーキ液をリリーフバルブ110からリザーバタンク10
1に還流し、機器の破損を防止できるようになってい
る。
【0005】ブレーキ圧制御弁105の排出ポートに接
続された管路120はリザーバ108に接続されてい
る。前記リザーバ108はモータによって駆動される液
圧ポンプ107の吸引口に逆止弁を介して接続され、ま
た液圧ポンプ107の吐出口は逆止弁とカットバルブ1
09を介してタンデムマスタシリンダ102の液圧室及
び圧力槽111に接続されている。前記各逆止弁は図に
示すようにバネとボールとによって構成されている。
【0006】またタンデムマスタシリンダ101は管路
121、セレクトバルブ112を介して管路122によ
り液圧ポンプ107の吸引口及びリザーバ108に接続
されている。前記セレクトバルブ112はF,Gの2位
置切換え弁として構成されており、トラクションコント
ロール時のみF位置を取るようになっている。そして前
記ブレーキ圧制御弁、液圧ポンプ、カットバルブ、セレ
クトバルブ等は車輪状態(車輪のロック状態、又は車輪
のスリップ状態)を検知する車輪速度センサからの信号
に基づき電子制御装置によって制御される。
【0007】前述の構成を有する車両用液圧ブレーキ装
置の作動を簡単に説明する。先ず駆動車輪のスリップ制
御について説明すると、例えば車両の発進時、急発進に
より駆動輪がエンジンの駆動トルクが大きすぎて所定値
より大きなスリップを生じたことを車輪速度センサを介
して電子制御装置が検知すると、モータに電源が供給さ
れ液圧ポンプ107が駆動を開始し、かつカットバルブ
109、セレクトバルブ112が励磁されて各弁は図中
E位置及びF位置をとる。この状態でリザーバタンク1
01からブレーキ液がセレクトバルブ112を介して液
圧ポンプ107により吸い込まれ、次いでブレーキ圧制
御弁105を通って駆動輪のブレーキキャリパ106に
供給される。これにより、駆動輪にブレーキがかけられ
駆動スリップを減少させる。またこの時(トラクション
コントロール時)に、液圧ポンプ107からの吐出圧が
異常に高くなった時には、ブレーキ液はカットバルブ1
09、リリーフバルブ110を介してリザーバタンク1
01に還流し、機器の破損を防止できるようになってい
る。
【0008】またこのスリップ制御中に電子制御装置に
よって、ブレーキ圧制御弁105はA位置、B位置、C
位置をとり、ブレーキ力込め、保持及び弛め、を繰り返
すことにより、駆動スリップを最適状態に制御すること
ができる。そして駆動スリップが殆ど無くなると電子制
御装置はこれを検知し液圧ポンプの駆動を停止する。こ
のようにして発進時の車輪のスリップが制御され、車両
はスムースな発進をすることができる。
【0009】次いで車両が走行中においてブレーキペダ
ル100を急激に踏み込んで急制動した際に車輪がロッ
ク傾向を示した状態の時のブレーキ制御について説明を
する。車輪がロック傾向を示すと、電子制御装置はブレ
ーキ圧力を先ず保持すべきものと判断しブレーキ圧制御
弁105に信号を送りブレーキ圧制御弁をB位置に切り
換え、車輪のブレーキ力を一定に保持する。また電子制
御装置がブレーキ圧力を一定に保持するだけでは不十分
でブレーキ圧力を弛めるべきであると判断すると、ブレ
ーキ圧制御弁105はC位置に切換えられ、各車輪のブ
レーキキャリパの圧液はブレーキ圧制御弁105、管路
120を通ってリザーバ108に排出されブレーキが弛
められる。リザーバ108に排出されたブレーキ液は直
ちに液圧ポンプ107によって吸い込まれ液圧ポンプ1
07からの吐出ブレーキ液は管路103,104に戻さ
れ、ブレーキ圧制御弁105のA位置による再加圧に使
用されるか、又はタンデムマスタシリンダ102へと戻
される。これにより、各車輪のロック傾向は解除され、
安定した状態での車両の減速又は停止が実現される。
【0010】ところで前記車両用液圧ブレーキ装置にあ
っては、トラクションコントロール時には、車輪のスリ
ップ現象を解消させためのブレーキ液を、液圧ポンプ1
07の作動でリザーバタンク101から吸引し、車輪の
ブレーキキャリパに供給するようになっている。しかし
液圧ポンプ107の吸入口には逆止弁が設けられてお
り、この逆止弁にはバネが配置されているため、液圧ポ
ンプ107が直接タンデムマスタシリンダからブレーキ
液を吸引しようとするとリザーバタンク101の液圧が
大気圧であるため、液圧ポンプ107の吸入側の逆止弁
の開閉に遅れが生じ易く、液圧ポンプの吸入効率が悪く
なる。この結果、液圧ポンプが十分なブレーキ液を吸引
することが出来ず、車輪のスリップ現象を解消させるに
十分な制動力を発生させることができないという問題点
があった。
【0011】このようなことから、一般的には上記の車
両用液圧ブレーキ装置のようにタンデムマスタシリンダ
と液圧ポンプ107との間に、図5に示すようなエンジ
ンからの負圧を利用した補助圧力源を設け、この補助圧
力源からの液圧を利用して液圧ポンプ107の逆止弁に
かかる液圧を高め、これによって液圧ポンプ107は十
分なブレーキ液を吸引できるようにしている。図5を参
照して補助圧力源の構成を簡単に説明する。補助圧力源
はリザーバタンク101からのブレーキ液を液圧ポンプ
107に送り出すためのもので、低圧で駆動されるピス
トンポンプとして構成されたポンプ113を有してい
る。このポンプ113は、シリンダ114内を区画する
ピストン116と、ピストン116に固定され且つ後述
するダイヤフラム121と連結されたピストンロッド1
17と、ピストン116をシリンダの一側に押圧するば
ね118と、前記ピストンロッド117を作動させるた
めの負圧室とからなる。前記ピストン116によって区
画されたシリンダ内の部屋は、常時はばね118によっ
て開放された区画を形成しており、この区画は逆止弁を
介してリザーバタンク101に接続されると共に、逆止
弁を介して液圧ポンプ107に接続されている。このた
め前記シリンダ内の部屋は通常時はブレーキ液が充満さ
れた状態となっている。また前記負圧室にはダイヤフラ
ム121によって区画された部屋が構成されており、こ
の部屋は切換え弁123を介してエンジンの負圧ライン
に接続されている。従って、トラクションコントロール
時に切換え弁123が切り替わりエンジンからの負圧に
よってダイヤフラムが図中左方に吸引されると、ピスト
ンロッド117と共にピストン116も左方へ移動し、
これによってシリンダ内の部屋に充満していたブレーキ
液は逆止弁を介して液圧ポンプに供給される。このよう
にして液圧ポンプ107によるブレーキ液不足を解消
し、車輪のスリップ現象を回避するに十分な制動力を発
生させるようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うな構成の車両用液圧ブレーキ装置では、液圧ポンプか
らの吐出圧が異常に高くなったときの安全機構として、
或いは回路中の定圧維持のためにリリーフバルブ110
が設けられている。このためリリーフバルブ110のリ
リーフ圧により、液圧ポンプの稼動によって吐出された
液圧の一部は排出されてしまい、液圧ポンプの効率が悪
いと言う問題があった。更にこの効率の悪さを補うため
に液圧ポンプを大きくする必要があり、このため重量ア
ップやコストが高くなる上、装置の大型化を招くという
不都合があった。
【0013】そこで本発明は、液圧ポンプからの吐出圧
が所定の圧力にまで上昇した時に、液圧ポンプによるブ
レーキ液の汲み上げを自動的に停止することによって吐
出圧の上昇を防止できるようにし、従来必要としていた
リリーフバルブを廃止し、装置の構成をの簡略化を図る
と共に、装置の小型軽量化を図ろうとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、油圧
ブレーキ回路中に配置され、アンチスキッド時及びトラ
クションコントロール時に作動する液圧ポンプにおい
て、前記液圧ポンプは液圧ポンプからの吐出圧が所定の
圧力にまで上昇した時に、液圧ポンプによるブレーキ液
の汲み上げを自動的に停止すべく構成することにより、
これを課題解決のための手段とするものである。
【0015】
【作用】電子制御装置から駆動スリップの制御信号が出
力されるとカットバルブ1が励磁されて図中B位置をと
る。これと同時に液圧ポンプ20が駆動を開始し、補助
圧力源Cの油室53からブレーキ液を吸引する。吸引さ
れたブレーキ液は直ちにホールドバルブ2を介してホイ
ルシリンダに供給される。これにより駆動輪にブレーキ
がかけられ駆動スリップを減少させる。またこのスリッ
プ制御中に電子制御装置によって、各駆動輪のスリップ
状態に応じてホールドバルブ2、ディケイバルブ3のそ
れぞれが切り換えられ、ブレーキ力保持、弛め、及び込
めを繰り返すことにより、駆動スリップを最適状態に制
御することができる。そして駆動スリップが殆ど無くな
ると電子制御装置はこれを検知し液圧ポンプ20の駆動
を停止すると共にカットバルブ1をA状態に切り換え
る。この時、液圧ポンプ7からの吐出圧が所定以上に高
くなると、シリンダ部材23の大径部Dと小径部dとの
面積差にかかる油圧によりシリンダ部材23はバネ42
の付勢力に抗して油圧によって右方へ移動する。シリン
ダ部材23の右方への移動により、プランジャー22も
ストッパ部材32と共に右方へ移動され、プランジャー
22とカムシャフト21との当接状態は解除され以後液
圧ポンプはブレーキ液の汲み上げを中止する。このよう
にして、液圧ポンプからの吐出圧が所定値以上に高くな
ると液圧ポンプの作動が自動的に停止するため、従来必
要としていたリリーフバルブがなくても油圧回路の安全
を確保できる。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。第1図は本発明の実施例に係る液圧ブレーキ装置
の片側駆動輪側の油圧配管図であり、車両の駆動輪には
それぞれこの油圧配管図と同様の機能をもつ機構が備え
られている。そしてこれらの油圧回路中に設けられてい
る各バルブは図示しない公知の電子制御装置によってコ
ントロールされるようになっている。
【0017】図においてMはマスタシリンダ、1はカッ
トバルブ、2はホールドバルブ、3はディケイバルブ、
4はリザーバであり、これらはマスタシリンダMからリ
ザーバ4に至るまで駆動輪それぞれ毎に直列に接続され
ている。ホールドバルブ2とディケイバルブ3との間の
管路には、駆動輪に設けられているブレーキEのホイル
シリンダが接続されており、更にディケイバルブ3とリ
ザーバ4との間の管路にはアンチスキッド用液圧ポンプ
20の吸入管路29が接続されている。またアンチスキ
ッド用液圧ポンプ20の吸入管路29には、トラクショ
ンコントロール時の液圧ポンプ20のブレーキ液吸引不
足を補うための補助圧力源Cが接続されている。以下、
油圧回路中の構成部品の説明をする。
【0018】(補助圧力源)補助圧力源Cはエンジンか
らの負圧を利用し、アンチスキッドコントロール用のデ
ィケイバルブを通じてブレーキ液を蓄えておくことがで
きるタンクを有している。補助圧力源Cは、エンジンか
らの負圧で駆動されるピストンポンプとして構成された
ポンプ50を有している。このポンプ50は、シリンダ
内を2室54,55に区画するピストン51と、ピスト
ン51と一体のピストンロッド52と、ピストンロッド
52とシリンダとによって形成される油室53とからな
る。前記ピストン51によって区画されたシリンダ内の
部屋54,55は切換え弁56を介して負圧源に接続さ
れるようになっている。油室53内は、ブレーキペダル
非作動時、かつ速度零時でエンジン運転中にディケイバ
ルブ3を開き、負圧によりピストン51を図示状態にす
ることによりブレーキ液が充満される。油室53内にブ
レーキ液が充満されるとディケイバルブ3が閉じられト
ラクションコントロールの準備が完了する。従って、ト
ラクションコントロール時に、切換え弁56が切り替わ
りエンジンからの負圧によってピストン51が図中右方
に吸引されると、油室内に充満していたブレーキ液はピ
ストンロッド52により押し出され、液圧ポンプに供給
される。このようにしてトラクションコントロール時に
はこのタンクからブレーキ液が液圧ポンプに供給され液
圧ポンプ20のブレーキ液吸引不足を補うことができる
ようになっている。こうしてトラクションコントロール
時に、車輪のスリップ現象を回避するに十分な制動力を
発生させることができる。なお、補助圧力源としては図
2、図3に示す構成のものを使用することができる。
【0019】(液圧ポンプ)アンチスキッド時及びトラ
クションコントロール時に作動する液圧ポンプ20は、
ハウジング30とこのハウジング30の中に摺動自在に
嵌合されるシリンダ部材23と、シリンダ部材23に形成
されたシリンダ内に摺動自在に収納されたプランジャー
22とを有している。シリンダ部材23は大径部D及び
小径部dとからなる段付部材として構成されている。シ
リンダ部材23の大径部側の端部とハウジング30に固
定したプラグ40との間には油室41が形成されてお
り、この油室41内にはシリンダ部材23を図中左方に
押圧するバネ42が配置されている。油室41はマスタ
ーシリンダMに連通している。またシリンダ部材23の
小径部dは、ハウジング20に形成された油路を介して
カットバルブ1に接続されている。一方、プランジャー
22はバネ26によりシリンダ部材23にカシメ等の適
宜手段により固定したストッパ部材32の孔を貫通して
偏心カムシャフト21に当接している。プランジャー2
2とシリンダ部材23とはブレーキ液を給排する油室3
1を形成している。シリンダ部材23にはリザーバ4と
連通する油路29と、カットバルブ1と連通する油路3
3が形成されており、油路29と前述の油室31とは油
路29から油室31側へのみブレーキ液を流すことがで
きるボール弁25で接続されている。このボール弁25
はプランジャー22との間に介装されたバネ27で図中
右方へ押圧されている。また油室31と油路33とは油
室31から油路33へのみ油を流すことのできるボール
弁24で接続されており、このボール弁24は板バネ3
6で油室31側へ押圧されている。プランジャー22は
バネ26により偏心カムシャフト21に当接しており、
偏心カムシャフト21の回転によりプランジャー22は
シリンダ部材23内を往復動可能に構成されている。従
って、モータが駆動されると、液圧ポンプ20中の偏心
カムシャフト21が回転し、プランジャー22が往復動
してリザーバ4又は補助圧力源Cの油室53からブレー
キ液を管路29−ボール弁−油室31−ボール弁24−
油路33を介してブレーキ液を汲み上げることができる
ようになっている。
【0020】(油圧回路中の各バルブ及びリザーバ)油
圧回路中のカットバルブ1は図示しない電子制御装置か
らの信号により作動するもので、このカットバルブ1は
後述するトラクションコントロール時のみB位置に切り
換えられ、流路を遮断すると共に、トラクションコント
ロール終了後一定時間経過後にA位置に切り換えられ流
路を開放する機能を有している。またホールドバルブ2
は図示しない電子制御装置からの信号により作動するも
ので、このバルブが作動するとマスタシリンダMとブレ
ーキEのホイルシリンダとの連通が断たれる。またディ
ケイバルブ3は図示しない電子制御装置からの信号によ
り作動するもので、このバルブが作動するとホイルシリ
ンダとリザーバ4との油路が開きホイルシリンダ中のブ
レーキ液はリザーバ4に排出される。リザーバ4はホイ
ルシリンダから排出されたブレーキ液を貯えるためのも
のである。リザーバ4に貯えられたブーキ液は電子制御
装置からの信号により作動する液圧ポンプ20により加
圧され、マスターシリンダ側に還流する。
【0021】続いて、この車両用液圧ブレーキ制御装置
の作用について説明する。先ずはじめにアンチスキッド
制御の作用を説明する。車両にブレーキをかけるために
ブレーキペダルを踏むとマスターシリンダMで油圧が発
生する。この油圧は従動輪ではホールドバルブを介し
て、また駆動輪ではカットバルブ1、ホールドバルブ2
を介してブレーキBのホイルシリンダに供給され車輪に
制動力を与える。車輪の状態は図示しない車輪速度セン
サで検知され公知の電子制御装置に入力され、電子制御
装置はこの入力に基づいて車輪速度、スリップ率、減速
度などを演算する。この演算結果により車輪のスキッド
状態を評価し、ホールドバルブ2とディケイバルブ3と
液圧ポンプ20とを制御する。
【0022】いま、制御回路からブレーキ保持の信号が
出力されるとホールドバルブ2が閉じてマスターシリン
ダとホイルシリンダとの油路は遮断されホイルシリンダ
のブレーキ液圧は保持される。また図示しない電子制御
装置からブレーキ緩め信号が出力されるとホールドバル
ブ2が閉じてマスターシリンダとホイルシリンダとの油
路を遮断すると同時にディケイバルブ3が開いてホイル
シリンダとリザーバとの油路を連通しホイルシリンダの
ブレーキ液がリザーバ4に排出されブレーキは緩められ
る。そしてリザーバ4に排出されたブレーキ液は、液圧
制御が開始されると同時に作動する液圧ポンプ20によ
り、マスターシリンダMに還流される。また各ホイルシ
リンダの液圧制御は各車輪の状態に応じてそれぞれ独立
して行なう。
【0023】続いてこの車両用液圧ブレーキ制御装置に
よるトラクションコントロールの作用を説明する。車両
の発進時、急発進により駆動輪がエンジンの駆動トルク
が大きすぎて所定値より大きなスリップを生じたことを
図示しない車輪速度センサが検知すると、公知の電子制
御装置にその信号が入力される。
【0024】いま、電子制御装置から駆動スリップの制
御信号が出力されるとカットバルブ1が励磁されて図中
B位置をとる。これと同時に補助圧力源Cと、液圧ポン
プ20が駆動を開始し、液圧ポンプ20は補助圧力源C
の油室53から所定の圧力でブレーキ液を吸引する。吸
引されたブレーキ液は直ちにホールドバルブ2を介して
ホイルシリンダに供給される。これにより駆動輪にブレ
ーキがかけられ駆動スリップを減少させる。またこのス
リップ制御中に電子制御装置によって、各駆動輪のスリ
ップ状態に応じてホールドバルブ2、ディケイバルブ3
のそれぞれが切り換えられ、ブレーキ力保持、弛め、及
び込めを繰り返すことにより、駆動スリップを最適状態
に制御することができる。そして駆動スリップが殆ど無
くなると電子制御装置はこれを検知し液圧ポンプ20の
駆動を停止すると共にカットバルブ1をA状態に切り換
える。なお、この時の液圧ポンプ7からの液圧が所定以
上に高くなると、シリンダ部材23の大径部Dと小径部
dとの面積差にかかる油圧によりシリンダ部材23を図
中右方へ移動させようとする力が、油室41内のバネ4
2力よりも大きくなる。この時油室41内は大気圧にな
っているため、シリンダ部材23はバネ42の付勢力に
抗して油圧によって右方へ移動する。シリンダ部材23
の右方への移動により、プランジャー22もストッパ部
材32と共に右方へ移動され、プランジャー22とカム
シャフト21との当接状態は解除され以後液圧ポンプは
ブレーキ液の汲み上げを中止する。このようにして液圧
ポンプからの吐出圧が所定値以上に高くなると液圧ポン
プの作動が自動的に停止するため、従来必要としていた
リリーフバルブがなくても油圧回路の安全を確保でき
る。
【0025】また本実施例によれば、補助圧力源Cの油
室53にブレーキペダル非作動時、かつ速度零時でエン
ジン運転中にディケイバルブ3を開きブレーキ液を充満
しておき、トラクションコントロール時にこの油室53
から液圧ポンプ20にブレーキ液を供給するようにした
ので、液圧ポンプ20のブレーキ液不足を解消し、車輪
のスリップ現象を回避するに十分な制動力を発生させる
ことができる。なお、液圧ポンプ20の補助圧力源Cと
しては、図2、図3に示すような種々の形態のものや、
ソレノイドの往復動、又はモータの回転力を往復動に変
換したもの等が利用できる。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、
液圧ポンプからの吐出圧が所定の圧力にまで上昇する
と、液圧ポンプによるブレーキ液の汲み上げが自動的に
停止されるようになっているため、吐出圧の上昇を防止
することができ、従来必要としていたリリーフバルブを
廃止するこができる。これにより装置の構成を簡略化で
きると共に、装置の小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例としての車両用液圧ブレー
キ装置の油圧回路図である。
【図2】本発明に係る実施例としての車両用液圧ブレー
キ装置に使用する補助圧力源の他の構成図である。
【図3】本発明に係る実施例としての車両用液圧ブレー
キ装置に使用する補助圧力源の他の構成図である。
【図4】従来の車両用液圧ブレーキ装置の油圧回路図で
ある。
【図5】従来の車両用液圧ブレーキ装置の油圧回路図に
使用する補助圧力源の構成図である。
【符号の説明】
1 カットバルブ 2 ホールドバルブ 3 ディケイバルブ 4 リザーバ 20 液圧ポンプ M マスタシリンダ B ブレーキ C 補助圧力源

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ブレーキ回路中に配置され、アンチ
    スキッド時及びトラクションコントロール時に作動する
    液圧ポンプにおいて、前記液圧ポンプはカムシャフトの
    回転によりシリンダ部材内で摺動可能なプランジャーを
    備え、液圧ポンプからの吐出圧が所定圧力にまで上昇し
    た時に、シリンダ部材の移動により、液圧ポンプにより
    ブレーキ液の汲み上げを自動的に停止すべく構成したこ
    とを特徴とする車両用可変液圧ポンプ。
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