JPH06182998A - 圧電アクチュエーター及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法 - Google Patents
圧電アクチュエーター及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法Info
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Abstract
片面の一部分だけで結合することにより、膨張変位とた
わみ変位を得て、低コストで適用範囲の広い高効率圧電
アクチュエーターを提供する。 【構成】 電極10a,10bが両面に形成された圧電
振動子10と、保持部材20を、圧電振動子の第1の面
(電極10b面)の接合領域A(図中の斜線部)の部分
で剛体的に接合する。この接合領域Aは圧電振動子の第
1の面の中央部に配し、圧電振動子10の非接合時には
実際に変形する領域である。
Description
気的エネルギーを変換し機械的出力を導き出す圧電アク
チュエーターに関する。又、インク滴を飛翔させ被記録
媒体に記録を行うためのインクジェットヘッドで、特
に、前記圧電アクチュエーターを用いたインクジェット
ヘッドに関する。又、前記インクジェットヘッドの製造
方法に関する。
ジェットヘッドに用いられたものとして、特開平3−2
27247号公報のように、圧電振動子と基板(圧電振
動子の保持部材)とを接合し、且つ前記基板の反対面に
も別の圧電振動子を接合して、バイモルフ駆動を行なわ
せ、変位を増大させるものがある。
エーターとしての前記従来例の構造では、圧電振動子が
基板の上下面に必要であり、コスト面での負荷が非常に
大きい。又、バイモルフ駆動をさせるための電気的配線
(両面の圧電振動子に配線)が複雑となる。加えて、圧
電振動子の駆動に従属し基板自体が変動する機構である
ため、外部機構(従来例の圧電アクチュエーターを保持
する機構)との接続に於て多大な制約を受けてしまう。
又、前記従来例の実施例で説明されている圧電アクチュ
エーターは、一枚の基板の両面に複数の圧電振動子が上
下対応して接合された構造であり、基板は各々圧電振動
子に対応して分離されていない。従って、各々の圧電振
動子の独立した駆動に対して、基板は変動不能(基板の
剛性が高すぎて変動できない)であり、バイモルフ駆動
の効果は実質的には得られない。又、基板を介する圧電
振動子間の振動の相互干渉が顕著に現われてしまう。
例の構造では、前記圧電アクチュエーターとしての課題
に加え、バイモルフ駆動による基板の変動がインクジェ
ットヘッド全体をも振動させるため、吐出するインク滴
の着弾位置精度は劣悪なものとなる。又、前記圧電振動
子間の振動の相互干渉は、インク滴の吐出特性に顕著に
現われ(以後、インク吐出特性の相互干渉をクロストー
クと呼ぶ)、前記インク滴の着弾位置精度の乱れと相ま
って、印字品質は非常に劣悪である。加えて、前記基板
の変動により、インク流路内のインク流れに乱れ(ノズ
ル先端に形成されるインクメニスカスが不安定となる)
が生じ、インク滴の吐出は非常に不安定である。
ものであって、その目的は、低コストで適用範囲の広い
高効率圧電アクチュエーターを提供することにある。
ることで、インク吐出安定性が高く、印字品質の優れた
高効率インクジェットヘッドを提供することにある。
ーターを用いることで、インク吐出安定性が高く、印字
品質の優れた高効率、高密度インクジェットヘッドを提
供することにある。
まりを飛躍的に向上させることも本発明の目的である。
に、本発明の圧電アクチュエーターは、圧電振動子と前
記圧電振動子を保持する部材から成り、前記保持部材に
対面する前記圧電振動子の第1の面の一部の領域で前記
圧電振動子と前記保持部材とが接合され、前記第1の面
の接合されない領域は前記接合される領域の外側にあ
り、前記接合領域は前記圧電振動子の非接合時には実際
に変形する面であり、前記第1の面の反対面が機械的作
用面であることを特徴とする。
記圧電アクチュエーターを、前記圧電アクチュエーター
の機械的作用面とインク流路が対面するように配したこ
とを特徴とする。
数の圧電振動子が並列に配列した前記圧電アクチュエー
ターが、複数の並列に配列したインク流路に対応し、前
記圧電アクチュエーターの機械的作用面とインク流路が
対面するように配したことを特徴とする。
法は、前記圧電アクチュエーターが、圧電振動子の保持
部材と圧電振動子の非接合部を除去可能な固体層で接合
する工程と、前記圧電振動子を複数の圧電振動子が並列
に配列した状態に分離する工程と、前記固体層を除去す
る工程により形成されることを特徴とする。
振動子10の電極10a,10b間に印加される電界
(電界方向は図中で上下)により、圧電振動子10は図
中の矢印方向(電界方向に膨張する方向:d33方向、
電界の垂直方向に収縮する方向:d31方向)に変位し
ようとする。その時、d31方向に於て、前記圧電振動
子の第1の面(電極10b面)での変位量(収縮量)
は、機械的作用面(電極10a面)の変位量(収縮量)
に比べ、圧電振動子の保持部材20との接合領域Aによ
り拘束される分だけ小さくなる。この圧電振動子の第1
の面と機械的作用面間でのd31方向の変位量(収縮
量)の差は、圧電振動子10の保持部材20との非接合
部をd33方向に曲げる(保持部材20から引き離す方
向)モーメントして現われ、結果として図に示すような
(図中の点線)たわみ変形が生ずる。従って、機械的作
用面(電極10a面)は、実質外部に対して効果を発す
るd33方向の変位として、通常の膨張変位に加え、前
記たわみ変形での変位を得ることができ、実効変位は格
段に増大する。
施例を図面を用い詳細に説明する。
第1の実施例を説明するための透視斜視図であり、図
2、図3、図4は動作説明のための断面図(図1の二点
鎖線Dで切断)である。
電振動子10と、保持部材20とは、圧電振動子の第1
の面(電極10b面)の接合領域A(図中の斜線部)の
部分で剛体的に接合されている。この接合領域Aは圧電
振動子の第1の面の中央部に配しており、圧電振動子1
0の非接合時には実際に変形する領域である。又、保持
部材20は、ガラス、セラミック、金属、硬質プラスチ
ックから成り、圧電振動子10より剛性の高い材質が望
まれる。
と、電界方向(以後、d33方向)に膨張し、それと同
時に電界と垂直方向(以後、d31方向)に収縮する。
目した変形状態について説明する。前記構成に於て、電
極10a,10bに電界を印加すると、圧電振動子10
は図中の矢印方向に膨張し、非拘束(無負荷)状態に近
い変位(図中の点線II)を得ることができる。これは、
圧電振動子の第1の面(電極10b面)の接合領域A以
外の部分でd31方向の変形が確保され、d31方向の
変形に連動するd33方向の変形も十分に得られるため
である。ちなみに、圧電振動子の第1の面(電極10
b)全域を接合(片面完全拘束状態となる)すると、d
31方向の変形が完全に拘束されるため、d33方向の
変形も拘束されてしまい、点線IIIで示すような僅かな
変位しか得られないのである。ここで、点線Iは保持部
材20と接合していない時(非拘束状態)のd33方向
変位、点線IIは前記構成のd33方向変位、点線IIIは
圧電振動子の第1の面(電極10b)全域を接合(片面
完全拘束状態となる)した時のd33方向変位を表わ
す。
向に注目した変形状態について説明する。前記構成に於
て、電極10a,10bに電界を印加すると、圧電振動
子10は図中の矢印方向に収縮しようとする。ただし、
圧電振動子の第1の面(電極10b面)が接合領域Aに
より部分的に拘束されているため、圧電振動子の第1の
面(電極10b面)での変位量(収縮量)は、機械的作
用面(電極10a面)の変位量(収縮量)に比べ、その
拘束分だけ小さくなる。この圧電振動子の第1の面と機
械的作用面間でのd31方向の変位量(収縮量)の差
は、圧電振動子10の保持部材20との非接合部をd3
3方向に曲げる(保持部材20から引き離す方向)モー
メントとして現われ、結果として、図中の点線で示すた
わみ変形が生ずる。
と、d31方向の変形(たわみ変形)が同時に起こり、
図4の点線に示すような変形状態となる。図からもわか
るように、機械的作用面(電極10a面)は、実質外部
に対して効果を発するd33方向の変位として、保持部
材10に保持された状態に拘らず高効率な膨張変位が得
られ、加えて、前記たわみ変形での変位を得ることがで
き、実効変位は格段に増大する。そして、この実効変位
は、保持部材20が不動状態で(保持部材20は圧電振
動子10の変形に関与しないし、影響されない)、保持
部材20の片面に配した圧電振動子10だけで得られ
る。従って、低コストで適用範囲の広い高効率圧電アク
チュエーターと成り得る。
2の実施例を図5(断面図)に示す。第1の実施例と異
なる点は、接合領域Aが圧電振動子の第1の面(電極1
0b面)の片側に配された点であり、図中の点線のよう
な変形状態となる。この変形状態は圧電振動子10の非
接合部が長いがため、たわみ変形によるd33変位が多
く得られることに特徴がある。尚、第2の実施例は、本
発明の圧電アクチュエーターに於て、接合領域Aの位置
が圧電振動子の第1の面(電極10b面)の中央部のみ
に限定される物でなく、圧電振動子の第1の面のどの部
分にあっても構わないことを意図するものである。
第3の実施例を図6(断面図)に示す。この実施例は、
圧電振動子11のd33方向の変形面を圧電振動子の第
1の面11b、機械的作用面11aとしたもので、電極
11c,11dは圧電振動子11の両端(図中の左右)
に形成されている。そして、圧電振動子11のd33方
向の変形面である第1の面11bの一部分が接合領域A
として保持部材20に接合されている。この構成に於
て、電極11c,11d間に電界を印加すると、圧電振
動子11は図中の矢印方向に変形しようとし、機械的作
用面11aは、前記の第1、第2の実施例とは逆方向の
収縮変形と、保持部材20側に曲がるたわみ変形(図中
の点線が変形後の状態を表わす)を得る。
部材20側に変位する事で、実質外部に対して効果を発
するものである。尚、保持部材20は、図に示すよう
に、たわみ変形を妨げない形状でなければならない。
第4の実施例を図7(断面図)に示す。第1の実施例と
異なる点は、圧電振動子12として、積層圧電振動子を
用いた点であり、積層圧電振動子は積層数に応じてd3
3方向の変位が倍増するため、d33方向に非常に大き
な膨張変形を得られることに特徴がある。
12eにつながる内部電極12cと、外部電極12fに
つながる内部電極12dが、交互に積層しており、電界
方向は図中の上下方向である。そして、図中のCで示す
内部電極12e,12fが電界方向にオーバーラップし
ない領域(以後、不活性部)と、図中のBで示す内部電
極12e,12fがオーバーラップする領域(以後、活
性部)とで構成されている。この活性部Bは実際に変形
し、不活性部Cは変形しない領域である。又、機械的作
用面は12aで、圧電振動子の第1の面は12bであ
る。
の接合領域Aは、圧電振動子の第1の面12bの一部の
領域に配され、且つ活性部Bの領域内であることが望ま
れる。このことにより、不活性部Cの領域まで接合した
物に比べ、不活性部Cに生ずるd33方向の引き剥し応
力を飛躍的に低減でき、圧電アクチュエーターとしての
耐久性を向上させることができる。
圧電振動子を用いたもので説明する。
施例を図8(断面図)に示す。第4の実施例と異なる点
は、保持部材20に、圧電振動子12との接合領域Aを
突出させる突起部21が形成されている点であり、接合
領域Aの管理が非常に容易となる。尚、この突起部21
は、保持部材20の突起部21以外の領域を、機械加
工、エッチング加工、あるいはレーザー加工等で削除す
ることで形成できる。
本発明の圧電アクチュエーターの第6の実施例を図9
(断面図)に示す。第5の実施例と本質的には同等であ
り、保持部材20が圧電振動子接続部22と固定部23
との接合体として形成されている。
の電極配線パターンの実施例(基本的な構成は、第5の
実施例)である。圧電振動子12の太線で示す外部電極
12e,12fは、圧電振動子12の両側面から第1の
面12bの中程までそれぞれ延長されている。又、保持
部材20に形成される太線で示す電極20a、20b
も、両外縁から突起部21の中程まで延長されている。
そして、圧電振動子12と保持部材20を接合領域Aで
接合することにより、圧電振動子の外部電極12e、1
2fと、保持部材の電極20a、20bがそれぞれ導通
する。尚、30は圧電アクチュエーター外部からの信号
(入力)を伝達する外部配線であり、保持部材20の電
極20a、20b(電極20bへの接続は図示せず)に
電気的に接続される。尚、前記電気的接続は、外部電極
12e、12fと、保持部材の電極20a、20b間
を、接着、半田付け、ワイヤーボンディング、機械的押
圧等により成される。
12e、12f、もしくは保持部材20の電極20a、
20bが接続領域Aまで延長できない場合に、導電材
(導電40接着剤等)を用い、圧電振動子の外部電極1
2e、12fと、保持部材の電極20a、20bをそれ
ぞれ導通させたものである。ここでの導電材は、圧電振
動子12の変形を極力妨げない様、非常に柔らかい弾性
体であることが望まれる。
数の圧電振動子12を接合した実施例であり、2点鎖線
の断面は第5の実施例と同一である(一つの圧電振動子
12に注目すると、第5の実施例と同一であることを意
味する)。
2は棒状で、同一ピッチに配列しているが、図13に示
すように同一ピッチの配列が複数並んだのものや、或
は、別の規則に従って配列しているもの、極端にはラン
ダムに配置されているものも、本発明に属するものであ
る。
動子12を配する実施例は、図14に示すように、単版
の圧電振動子12gを保持部材20に接合後、複数の圧
電振動子12に分離する加工を施すことにより容易に製
造できる。図14に於ては、ダイシングブレード100
により切断するダイシング加工を示すが、前記分離加工
は、ワイヤーソーによる切削加工等の機械加工や、各種
エッチング加工、レーザー加工、放電加工、超音波加工
などを単独又は組合せにより成される。
実施例を図面を用い詳細に説明する。
第1の実施例を表わす概念図である。流路形成部材3と
振動板4により形成されたインク流路1の先端に、ノズ
ル2を配するノズルプレート5が接合されており、その
反対側の端にはインク供給路6が配されている。そし
て、本発明の圧電アクチュエーター(図8での実施例を
説明上用いる)を、機械的作用面12aと振動板4が接
し、インク流路1と対面するように配されている。この
構成に於て、インク流路1内(ノズル2先端まで)にイ
ンクを充填し、前記圧電アクチュエーターを駆動する
と、機械的作用面12aは、高効率な膨張変形とたわみ
変形を同時に発生させ、d33方向(図中の上下方向)
の非常に大きな実効変位を得る。前記の変形により、振
動板4は図中の点線で示すように機械的作用面12aに
対応して変形し、インク流路1内に大きな圧力変化(体
積変化)を生じさせる。この圧力変化により、ノズル2
から図中の矢印方向にインク滴が吐出すが、その高効率
な圧力変化により、インク吐出も非常に効率的であるこ
とは言うまでもない。
は、保持部材20の変形、振動等を伴わず独立して得ら
れるため、保持部材20を介してインクジェットヘッド
全体を振動させることもない。従って、吐出するインク
滴の着弾位置精度は非常に向上し、加えて、インク流路
1内の安定したインク流れ(ノズル先端に形成されるイ
ンクメニスカスが安定して挙動する)が得られ、インク
吐出は非常に安定する。
第2の実施例を表わす概念図である。第1の実施例と基
本的構成及び効果は同等であるが、構造的にノズル2a
(ノズルプレート5a)が振動板4(機械的作用面12
a)と対面している点で異なる。
トヘッドの第3の実施例を説明するための斜視図であ
り、18図、19図はその断面図(図18は二点鎖線F
で切断、図19は2点鎖線Gで切断)である。この第3
の実施例の主要部の基本的構成は、第1の実施例と同様
であるが、流路系、駆動系を複数に展開した実施例であ
り、その他の構成部品についてもより詳細に提示した物
である。
からなる流路形成部材3の表面に、成形、エッチング、
機械加工等でインク流路1を形成する複数の溝が彫られ
ている。そして、その表面上に、振動板4(樹脂フィル
ム、金属薄膜等)が接合され、インク流路1を閉溝とし
ている。
g)を保持部材20に接着後、複数の圧電振動子12
と、前記圧電振動子12群の両端のダミー圧電振動子1
3に分割するようにスリット加工し、一つの保持部材2
0に、複数の圧電振動子12を配する本発明の圧電アク
チュエーターを形成している。当然、駆動用の圧電振動
子12はインク流路1の配列ピッチと同一ピッチで分割
されている。又、圧電振動子12の積層状態は、インク
流路1の長手方向の両端に、不活性部が配置される状態
に設定されている。ここで、駆動用の圧電振動子12と
ダミー圧電振動子13は一枚の積層圧電振動子から形成
されるため、積層方向の高さ(図中に於て、上下方向)
は均一である。
チュエーターを、圧電振動子の機械的作用面12aと振
動板4が対面し、各々の駆動用の圧電振動子12とイン
ク流路1が位置的に対応するように積層している。この
状態に於て、ダミー圧電振動子13はインク流路1と位
置的に対応せず、振動板4を介して流路形成部材3の剛
体部と接合されていることとなる。
ター側(図中で上側)の第1の固定板7と流路形成部材
側(図中で下側)の第2の固定板8とで、前記インク流
路のユニットと前記圧電アクチュエーターの積層体をネ
ジ9を用いて挟持している。ここで、第1の固定板7と
第2の固定板8はネジ9による締め付けで変形等がない
ように、剛体である必要がある。そのため、材質的には
金属、セラミック、ガラス等の弾性率の高い材質が好ま
しい。又、弾性率の低い材質であれば厚みを厚くして対
応することが望まれる。尚、図に於ては第2の固定板8
に雌メジを形成しネジ9に対応しているが、第2の固定
板8にはただの穴を形成し、第2の固定板8の裏面(図
中で下側)からナットで対応しても構わない。又、この
挟持方法はネジ固定だけに限定されるものではなく、バ
ネによる固定や、第1、第2の固定板7、8の形状を工
夫して両者間の接着等で対応しても構わない。
プレート5が、図に示すように前記インク流路のユニッ
トと前記圧電アクチュエーターの積層体の端面に、各ノ
ズル2と各インク流路1の位置を合わせて接合されてい
る。ここで、ノズルプレート5と前記積層体の接合領域
は、第1の固定板7と第2の固定板8までおよぶ状態の
ものを示したが、製造工程等を考慮し、保持部材20、
流路形成部材3までの領域であっても構わない。
果と、高集積化自体の効果が得られ、加えて後述のよう
な効果が望める。
部材20の変形、振動等を伴わず独立して得られるた
め、複数の圧電振動子12間の振動の相互干渉は発生せ
ず、クロストークの無いインク滴の吐出が達成できる。
このことは、印字パターンに影響を受けない画一的な高
印字品質が得られることを示す。
材20と振動板4間の高さ寸法を機械的に規制している
ため、剛体である第1、第2の固定板7、8で前記積層
体を押圧、挟持しても、振動板4に初期変形、初期応力
(応力の掛かった状態で保持)を与えることはない。従
って、圧電振動子12の入力エネルギーに対するインク
流路1内の体積変化効率が非常に高く、高効率なインク
飛行が達成される。
ため、各インク流路1に於ける圧電振動子12の接合も
状態も均一である。従って、複数のノズル2に渡って特
性バラツキの無いインク滴の吐出が達成される。
7、8で挟持され、剛体的に保持されているため、圧電
アクチュエーターの駆動時に、前記積層体(保持部材2
0、流路形成部材3)が、前記挟持方向に変動すること
はない。従って、前記積層体の変動による入力エネルギ
ー損失及び、インク流路1内のインク流の乱れ(不安定
メニスカス)が無く、高効率で、安定したインク吐出が
達成される。
部の詳細について図を用いて説明する。
電振動子12に対応する位置に島部4a(インク流路1
より幅の狭い突起)を配置したものでり、より効率的な
インク流路1内の体積変化の確保を狙った物である。こ
の島部4aは振動板4にパターンエッチング等で形成す
ることができ、島部4aの位置精度に関しても非常に高
精度に形成できる。又、エッチング性能、島部形成手段
の要因により、島部4aの部分だけ材質を変えても問題
無い。ただし、島部4a高さ(図中の上下方向)は、ダ
ミー圧電振動子13との接合面と同一高さにする必要が
ある。
が島部4aに対してずれていても、島部4aとインク流
路1の位置関係が正常であれば、振動板4の変形状態お
よび内部応力状態は変化無く均一である。従って、前記
インク流路のユニットと前記圧電アクチュエーターの積
層時に位置ずれが生じても、インク吐出特性に関して支
障をきたすことが無い。
合部に関しては、図15、図16で示した構成(振動板
4に島部4aが無い物)や、図21で示す(振動板4が
無く弾性体である充填材4bでインク流路1を閉溝とす
る)構成等も、本発明の適用範囲に属する。
の第1、第3の実施例に於ては、ノズルプレート5を接
合し、インク流路1とノズル2とを連結する例を示し
た。しかし、前記構成だけでなく、図22に示すように
流路形成部材3に於て、インク流路1形成時に、一体で
ノズル2bを形成したり、図23に示すように流路形成
部材3にレーザー加工等によりノズル2cを形成するよ
うな構成も本発明の適用範囲に属する。
第4の実施例を図24を用いて説明する。
アクチュエーターの保持部材24に、第1の固定板7の
機能を負わす構成で、第1の固定板7を削減した点にあ
る。この構成は、第1の固定板7の排除により、部品点
数の削減、及び工程の簡易化によるコスト低減を狙った
ものである。
して、両面対応ヘッドに適用した第5の実施例を図25
を用いて説明する。
下方)の構成は、前記の第4の実施例と同様であり、第
2の固定板8aの両面に流路形成部材3が配置され、保
持部材24により両側から前記インク流路のユニットと
前記圧電アクチュエーター(圧電振動子12)の積層体
が挟持されている。この構成によれば、第4の実施例と
同様な効果と、多ノズル化の効果(高密度化、高速化)
が望めるだけでなく、各面で挟持方向(図中で上下方
向)の変動を完全に抑制しているため、面間クロストー
クが発生することはない。
で、面間でずれなく配置しているが、高速対応、高密度
対応等の目的によって、このずらし量は選定すればよ
い。
るが、この第2の固定板8aを削除し、一つの流路形成
部材3の両面に複数のインク流路1を形成し、両面の保
持部材24で挟持しても良い。
製造方法の実施例を図26に示す。これは、高集積化に
対応するための圧電アクチュエーターの細密化に関する
ものであり、構造的には図12で示した実施例を用いて
説明する。
20を、保持部材の突起部21の領域(接合領域A)で
剛体的に接合する。この接合は、溶剤等に対して不溶性
であり、硬化時には剛性の高い接着剤により行なう。例
えば、溶剤不溶性のオレフィン系、エポキシ系の接着剤
等があげられる。
との非接合部に固体層50を形成し(完全充填でなくて
も良く、圧電振動子12gの両端部のみでも良い))、
前記非接合部まで結合された状態にする。(圧電振動子
12gと保持部材20の突起部21の接合と同時に固体
層50を形成しても良い) 尚、この固体層50は、後
工程で溶剤等により溶解除去できるものであり、硬化時
にはある程度の剛性があることが望まれる。材質的に
は、水溶性のポリビニルアルコール系樹脂、又は溶剤可
溶性のポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、塩ビ酢ビ
共重合体系、ポリスチレン系等の樹脂が上げられる。
動子12gを複数の微細な圧電振動子12に分離する加
工を施す。図中では、ダイシングブレード100により
スリット状に分離するダイシング加工の例を示す。その
外の加工法としては、ワイヤーソーによる切削加工等の
機械加工や超音波加工等が上げられる(分離加工自体に
は、その外、レーザー加工、各種エッチング加工、放電
加工等があるが、ここでの実施例に関しては適用外であ
る)。
層50を除去する手段としては、固体層50を形成する
材料に応じて最適の手段が選択されるが、一般的には、
固体層50を溶解、膨潤、剥離する溶剤中に浸漬して除
去する手段を用いる。この時、必要に応じて超音波処
理、スプレー、加熱、撹拌等の除去促進手段を加えても
良い。又、固体層50にレーザー光線(例えば、エキシ
マレーザー光)を照射し除去する方法もある。この際
は、固体層50の材質選定に於て、溶剤可溶性を考慮す
る必要はなく、圧電振動子12gと保持部材20の突起
部21との接合剤を転用しても構わない。
gの分離加工工程に於て、固体層50の介在により、圧
電振動子12に掛かる加工時の負荷に対する強度が飛躍
的に高まる。従って、分離加工時の圧電振動子12の破
損が激減し、飛躍的な歩留まり向上が望める。又、より
高密度の分離加工が実現できる。
で適用範囲の広い高効率圧電アクチュエーターを提供す
ることが出来る。
ることで、インク吐出安定性が高く、印字品質の優れた
高効率インクジェットヘッドを提供することが出来る。
ーターを用いることで、インク吐出安定性が高く、印字
品質の優れた高効率、高密度インクジェットヘッドを提
供することが出来る。
まりを飛躍的に向上させることが出来る。
の透視斜視図である。
の動作説明断面図である。
の動作説明断面図である。
の動作説明断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
ターンの実施例を示す断面図である。
ターンの実施例を示す断面図である。
す斜視図である。
す斜視図である。
示す斜視図である。
例を表わす概念図である。
例を表わす概念図である。
例を表わす斜視図である。
例を表わす断面図である。
例を表わす断面図である。
ある。
ある。
の斜視詳細図である。
の斜視詳細図である。
例を表わす断面図である。
例を表わす断面図である。
実施例を表わす斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 圧電振動子と前記圧電振動子を保持する
部材から成り、前記保持部材に対面する前記圧電振動子
の第1の面の一部の領域で前記圧電振動子と前記保持部
材とが接合され、前記第1の面の接合されない領域は前
記接合される領域の外側にあり、前記接合領域は前記圧
電振動子の非接合時には実際に変形する面であり、前記
第1の面の反対面が機械的作用面であることを特徴とす
る圧電アクチュエーター。 - 【請求項2】 インク流路内に圧力変化を生じさせ前記
インク流路に連通する吐出口よりインク滴を吐出させる
インクジェットヘッドに於て、請求項1記載の圧電アク
チュエーターを、前記圧電アクチュエーターの機械的作
用面と前記インク流路が対面するように配したことを特
徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項3】 前記圧電アクチュエーターは複数の圧電
振動子が並列に配列し、複数の並列に配列したインク流
路に対応することを特徴とする請求項2記載のインクジ
ェットヘッド。 - 【請求項4】 請求項3記載のインクジェットヘッド製
造方法であって、前記圧電アクチュエーターは、圧電振
動子の保持部材と圧電振動子の非接合部を除去可能な固
体層で接合する工程と、前記圧電振動子を複数の圧電振
動子が並列に配列した状態に分離する工程と、前記固体
層を除去する工程により形成されることを特徴とするイ
ンクジェットヘッド製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33904992A JP3284421B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 圧電アクチュエーター及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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---|---|
JPH06182998A true JPH06182998A (ja) | 1994-07-05 |
JP3284421B2 JP3284421B2 (ja) | 2002-05-20 |
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ID=18323777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33904992A Expired - Lifetime JP3284421B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 圧電アクチュエーター及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3284421B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5818481A (en) * | 1995-02-13 | 1998-10-06 | Minolta Co., Ltd. | Ink jet printing head having a piezoelectric driver member |
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US6290317B1 (en) | 1997-02-06 | 2001-09-18 | Minolta Co., Ltd. | Inkjet printing apparatus |
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JP2011083706A (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-28 | Ulvac Japan Ltd | 印刷ヘッド及び吐出装置 |
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JP2020205369A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | Tdk株式会社 | 圧電デバイス |
-
1992
- 1992-12-18 JP JP33904992A patent/JP3284421B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP3284421B2 (ja) | 2002-05-20 |
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