JPH06181415A - 光送信装置および光受信装置 - Google Patents

光送信装置および光受信装置

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JPH06181415A
JPH06181415A JP35318192A JP35318192A JPH06181415A JP H06181415 A JPH06181415 A JP H06181415A JP 35318192 A JP35318192 A JP 35318192A JP 35318192 A JP35318192 A JP 35318192A JP H06181415 A JPH06181415 A JP H06181415A
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Yukinori Furuya
幸礼 古屋
Yoshio Harada
善夫 原田
Ichiro Munakata
一郎 宗像
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発光ダイオードの駆動電流の歪みを低減でき、
安定した回路動作および電源効率の向上を図れる光送信
装置を実現する。 【構成】交流電源ACによる入力信号に応じた駆動電流
LED を発生する入力用アンプAMPと、入力用アンプ
AMPによる駆動電流ILED の入力状態に応じた光信号
を出射する発光ダイオードLEDと、発光ダイオードL
EDに供給された駆動電流ILED の一部を入力用アンプ
AMPに帰還させて、入力信号が所定の値となるように
制御する電圧電流変換器VIとを設け、駆動電流ILED
における歪みの発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光ダイオード(LED;
Light Emitting Diode) などの発光素子を駆動して光信
号を出力する光送信装置および光信号を受信する光受信
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ケーブルの接続が不用で、また、
無線通信のように混信の問題もないなどの利点から、赤
外線発光ダイオードを用いたデータ通信方式の需要が増
大しており、たとえばプリンタなどのコンピュータ端
末、あるいはテレビジョンやビデオ装置のいわゆるリモ
ートコントロール装置などに適用され、実用に供されて
いる。
【0003】たとえば、テレビジョンやビデオ装置のリ
モートコントロール装置においては、誤動作を防止する
などの理由から、データ通信のフォーマットでは周波数
変調(FM変調)を行っている。具体的には、ハイレベ
ル(H)とローレベル(L)に応じて、赤外線発光ダイ
オードへの駆動電流ILED の周波数を変化させて、変調
された赤外光信号を出射させている。図6はレベルに応
じた発光ダイオードの駆動電流の波形例を示しており、
同図(a) がローレベルの場合(周波数f=1.325 MH
z)の波形を示し、同図(b) がハイレベルの場合(周波
数f=1.425 MHz)の波形を示している。
【0004】図7は、従来の光送信装置における発光ダ
イオード駆動装置の構成例を示す回路図である。図7に
おいて、VCCは電源電圧、LEDは赤外線発光ダイオー
ド、R0 は外付け抵抗素子、R1 ,R2 は抵抗素子、Q
1 ,Q2 はnpn形トランジスタ、P1〜P3 はpnp
形トランジスタ、ie1〜ie5は定電流源、mr1 はカレ
ントミラー回路、ACは交流電源、GNDは接地線をそ
れぞれ示しており、発光ダイオードLEDおよび抵抗素
子R0 を除く構成要素は、一つのIC内に形成される。
【0005】図7の回路の具体的な接続関係を以下に説
明する。すなわち、発光ダイオードLEDのアノードは
電源電圧VCCに接続され、カソードはICの入出力端子
1 に接続されている。外付け抵抗素子R0 の一端はI
Cの入出力端子T2 に接続され、他端は接地線GNDに
接続されている。npn形トランジスタQ1 のコレクタ
は入出力端子T1 に、エミッタは入出力端子T2 にそれ
ぞれ接続され、ベースは定電流源ie1を介して電源電圧
CCに接続されているとともに、pnp形トランジスタ
1 のエミッタに接続されている。pnp形トランジス
タP1 のコレクタは接地線GNDに接続され、ベースは
npn形トランジスタQ2 のエミッタに接続されている
とともに、定電流源ie2を介して接地線GNDに接続さ
れている。
【0006】npn形トランジスタQ2 のコレクタは電
源電圧VCCに接続され、ベースは定電流源ie3を介して
電源電圧VCCに、抵抗素子R2 を介して接地線GNDに
接続されているとともに、pnp形トランジスタP2
コレクタに接続されている。また、pnp形トランジス
タP2 のコレクタとnpn形トランジスタQ2 のベース
との接続中点はカレントミラー回路mr1 を介して接地
線GNDに接続されている。
【0007】pnp形トランジスタP2 のエミッタは定
電流源ie4を介して電源電圧VCCに接続されているとと
もに、抵抗素子R1 を介してpnp形トランジスタP3
のエミッタに接続されている。pnp形トランジスタP
3 のエミッタと抵抗素子R1 との接続中点は定電流源i
e5を介して電源電圧VCCに接続されている。また、pn
p形トランジスタP3のコレクタはカレントミラー回路
mr1 を介して接地線GNDに接続され、ベースは交流
電源ACに接続されている。
【0008】このような構成においては、交流電源AC
による正弦波状の信号電圧が、入力信号として、いわゆ
る差動入力段を構成するpnp形トランジスタP2 およ
びP3 のベースに印加される。この差動入力段のpnp
形トランジスタP2 のコレクタに現れる差動出力が、次
段の増幅段に入力され、npn形トランジスタQ1 が差
動出力に応じてオン/オフされる。これにより、データ
のハイレベル(H)とローレベル(L)に応じて変化さ
せられた駆動電流ILED が発光ダイオードLEDに流
れ、発光ダイオードLEDから変調された赤外光信号S
IRが出射される。
【0009】たとえば、発光ダイオードLEDの駆動電
流ILED は、最大値で40mA、最小値で0mAであ
る。この駆動電流ILED の最大値は通信距離、テレビジ
ョンのリモートコントロール装置の場合には赤外光信号
IRの到達距離を決定し、最小値は通信時の電源効率を
左右する。また、駆動電流ILED は、高調波を出さない
ために、可能な限り歪みのない正弦波で供給される必要
がある。
【0010】また、図8は、テレビジョンなどのリモー
トコントロール装置における光受信装置の初段アンプ部
を示す回路図である。図8において、OPはオペアン
プ、PD1 はフォトダイオード、V1 は直流電源、C1
はキャパシタ、R3 〜R5 は抵抗素子をそれぞれ示して
いる。
【0011】従来の光受信装置において、フォトダイオ
ードPD1 は、図9に示すように、シールドケーシング
CAS内に受光面PD1Rが、シールドケーシングCAS
の前面部に形成された光透過孔CASWIN に対向し、こ
の光透過孔CASWIN を介してシールドケーシングCA
S内に進入する、たとえば図7に示すような光送信装置
から出射された赤外光信号SIRを受信するように配置さ
れている。
【0012】このように配設されるフォトダイオードP
1 は、アノードが接地され、カソードがオペアンプO
Pの非反転入力(+) に接続され、フォトダイオードPD
1 のカソードとオペアンプOPの非反転入力(+) との接
続中点は抵抗素子R3 を介して直流電源V1 に接続され
ている。また、オペアンプOPの反転入力(-) には抵抗
素子R4 およびキャパシタC1が接地に対して直列に接
続されており、オペアンプOPの出力と反転入力(-) と
の間には抵抗素子R5 が挿入されている。
【0013】この初段アンプ部において、光透過孔CA
WIN を介してシールドケーシングCAS内に入力した
赤外光信号SIRがフォトダイオードPD1 の受光面PD
1Rに入射すると、入射光量に応じたレベルの電気信号に
変換されてオペアンプOPの非反転入力(+) に入力さ
れ、オペアンプOPで所定の利得をもって増幅されて、
次段の信号処理系に出力される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光送信装置では、駆動電流ILED を流すだけ
の、いわゆる無帰還回路構成となっているため、装置を
構成するトランジスタの非直線性などにより駆動電流I
LED が大きく歪み、更に、駆動電流ILED が温度によっ
て変化するため安定せず、通信時の電源効率に悪影響を
及ぼし、また、光受信装置側でエラーを起こすなどの問
題があった。図7の回路中、抵抗素子R2 を可変抵抗器
により構成することにより、駆動電流ILED の振幅を変
化させることは可能ではあるが、この際、振幅の中点も
同時に変化してしまうなどの問題がある。
【0015】また、上述した従来の光受信装置では、受
信した光信号が最終的に信号として認識される出力を得
るには、信号レベル自体が、光信号以外のいわゆる外来
光によるノイズよりある程度大きい必要があり、ノイズ
レベルによって、いわゆるダイナミックレンジが決まっ
てしまう。その結果、外来光ノイズが大きいときは、光
送信装置から送出される光信号の到達距離が短くなり、
ノイズによっては装置を作動させることができなくなる
という問題がある。また、リモートコントロール装置と
しての温度特性は、フォトダイオードPD1 の温度特性
に支配され、特性はフォトダイオードPD1 での温度特
性に大きく依存し、温度の変動の影響を受け易いという
問題もある。
【0016】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、発光素子の駆動電流の歪みを低
減でき、動作の安定化および電源効率の向上を図れる光
送信装置並びに外来光ノイズおよび温度変動による影響
を相殺でき、光信号の到達距離の延長および動作の安定
化を図れる光受信装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光送信装置では、入力信号に応じた駆動信
号を発生する駆動信号発生回路と、上記駆動信号発生回
路による駆動信号の入力状態に応じた光信号を出射する
発光素子と、発光素子に供給された駆動信号の一部を上
記駆動信号発生回路に帰還させて、入力信号が所定の値
となるように制御する帰還回路とを有するようにした。
【0018】本発明の光受信装置では、光信号を受光可
能に配置され、入射光量に応じた第1の信号を発生する
第1の受光素子と、第1の受光素子の近傍に、光信号を
除く外来光を受光可能に配置され、入射光量に応じた第
2の信号を発生する第2の受光素子と、上記第1の信号
と第2の信号との差動出力を得る増幅器とを有するよう
にした。
【0019】本発明の光受信装置では、上記第1の受光
素子の受光面と上記第2の受光素子の受光面とが略直交
するように配置されている。
【0020】
【作用】本発明の光送信装置によれば、駆動信号発生回
路において入力信号に応じた駆動信号が発生され、発生
された駆動信号は、発光素子に供給される。これによ
り、たとえば発光素子から周波数変調された光信号が出
射される。また、発光素子に供給された駆動信号の一部
は、帰還回路に入力され、駆動信号発生回路への入力信
号が所定の値となるように、いわゆるフィードバック制
御される。これにより、歪みのない駆動信号が発光素子
に対して供給される。
【0021】本発明の光受信装置によれば、光送信装置
から出射された光信号および蛍光灯などによる外来光が
第1の受光素子で受光され、入射光量に応じた第1の信
号が発生される。一方、第2の受光素子には光信号は入
射されず、外来光のみが受光され、入射外来光量に応じ
た第2の信号が発生される。第1の受光素子で発生され
た第1の信号および第2の受光素子で発生された第2の
信号は、増幅器の差動入力に入力される。
【0022】第1および第2の受光素子は、互いに近傍
領域に配置されており、ノイズとなる外来光の入射光量
はほぼ同等であることから、増幅器では、外来光として
混入したノイズおよび第1および第2の受光素子の温度
特性が相殺される。したがって、増幅器では、光信号の
みが所定の利得をもって増幅されて、次段の信号処理系
に出力される。
【0023】
【実施例1】図1は本発明に係る光送信装置の一実施例
を示す回路図、図2は図1の等価回路を示す図であっ
て、従来例を示す図7と同一構成部分は同一符号をもっ
て表す。すなわち、VCCは電源電圧、LEDは赤外線発
光ダイオード、R0 は外付け抵抗素子、RA は中点調整
用可変抵抗素子、RB は振幅調整用可変抵抗素子、RC
は抵抗素子、Q1 〜Q3 はnpn形トランジスタ、P1
〜P6 はpnp形トランジスタ、Ie1〜Ie8は定電流
源、MR1 ,MR2 はカレントミラー回路、ACは交流
電源、GNDは接地線をそれぞれ示している。
【0024】図1および図2において、発光ダイオード
LEDおよび抵抗素子R0 を除く構成要素は、一つのI
C内に形成され、npn形トランジスQ2 ,Q3 、pn
p形トランジスタp1 〜p4 、抵抗素子Rc 、定電流源
e1〜Ie6およびカレントミラー回路MR1 により負帰
還用電圧電流変換器VIが構成され、pnp形トランジ
スタP5 ,P6 、定電流源Ie8およびカレントミラー回
路MR2 により入力用アンプAMPが構成されている。
【0025】図1の回路の具体的な接続関係を以下に説
明する。すなわち、発光ダイオードLEDのアノードは
電源電圧VCCに接続され、カソードはICの入出力端子
1 に接続されている。外付け抵抗素子R0 の一端はI
Cの入出力端子T2 に接続され、他端は接地線GNDに
接続されている。npn形トランジスタQ1 のコレクタ
は入出力端子T1 に、エミッタは入出力端子T2 にそれ
ぞれ接続され、ベースはpnp形トランジスタP6 のコ
レクタに接続されている。
【0026】pnp形トランジスタp1 のコレクタは接
地線GNDに接続され、エミッタは定電流源Ie1を介し
て電源電圧VCCに接続されているとともに、pnp形ト
ランジスタP2 のベースに接続されている。pnp形ト
ランジスタP2 のコレクタは接地線GNDに接続され、
エミッタは定電流源Ie2を介して電源電圧VCCに接続さ
れているとともに、npn形トランジスタQ2 のベース
に接続されている。
【0027】npn形トランジスタQ2 のコレクタはカ
レントミラー回路MR1 を介して電源電圧VCCに接続さ
れ、エミッタは定電流源Ie3を介して接地線GNDに接
続されている。npn形トランジスタQ3 のコレクタは
カレントミラー回路MR1 を介して電源電圧VCCに接続
されているとともに、pnp形トランジスタP6 のベー
スに接続され、エミッタは定電流源Ie4を介して接地線
GNDに接続され、ベースは定電流源Ie5を介して電源
電圧VCCに接続されているとともに、pnp形トランジ
スタP3 のエミッタに接続されている。また、npn形
トランジスタQ2 のコレクタとnpn形トランジスタQ
3 のコレクタとは、抵抗素子RC を介して接続されてい
る。
【0028】pnp形トランジスタP3 のコレクタは接
地線GNDに接続され、ベースは定電流源Ie6を介して
電源電圧VCCに接続されているとともに、pnp形トラ
ンジスタP4 のエミッタに接続されている。pnp形ト
ランジスタP4 のコレクタは接地線GNDに接続され、
ベースは定電流源Ie7を介して電源電圧VCCに接続され
ているとともに、中点調整用可変抵抗素子RA を介して
接地線GNDに接続されている。
【0029】pnp形トランジスタP5 のコレクタはカ
レントミラー回路MR2 を介して接地線GNDに接続さ
れ、エミッタは定電流源Ie8を介して電源電圧Vccに接
続されているとともに、pnp形トランジスタP6 のエ
ミッタに接続され、ベースは交流電源ACに接続されて
いる。pnp形トランジスタP6 のコレクタは上述した
ようにnpn形トランジスタQ1 のベースに接続されて
いるとともに、カレントミラー回路MR2 を介して接地
線GNDに接続され、ベースは振幅調整用可変抵抗素子
B を介して交流電源ACに接続されている。
【0030】次に、上記構成による動作を説明する。交
流電源ACによる正弦波状の信号電圧が、入力信号とし
て、いわゆる差動入力段を構成するpnp形トランジス
タP5 およびP6 のベースに印加される。この差動入力
段のトランジスタP5 のコレクタに現れる差動出力は、
カレントミラー回路MR2 により折り返されて、pnp
形トランジスタP6 のコレクタからnpn形トランジス
タQ1 に入力される。npn形トランジスタQ1 は、入
力用アンプAMPの差動出力に応じてオン/オフされ
る。
【0031】これにより、データのハイレベル(H)と
ローレベル(L)に応じて変化させられた駆動電流I
LED が発光ダイオードLEDに流れ、発光ダイオードL
EDから、変調された赤外光信号SIRが出射される。こ
れと並行して、発光ダイオードLEDに供給された駆動
電流ILED は、npn形トランジスタQ1 がオン状態に
あるときに、そのエミッタ側に現れ、外付け抵抗素子R
0 に流れる。これにより、npn形トランジスタQ1
エミッタ側に(ILED ×R0 )なる電圧が発生し、pn
p形トランジスタP1 のベースに入力される(電圧電流
変換器VIに入力される)。
【0032】入力した電圧値と中点調整用可変抵抗素子
A を用いてあらかじめ調整された基準電圧VRAとが比
較され、両者の差に応じた値の電流が、npn形トラン
ジスタQ3 のコレクタに現れ、入力用アンプAMPを構
成するpnp形トランジスタのベースと振幅調整用可変
抵抗素子RB との接続中点に帰還される。これにより、
入力信号の値があらかじめ設定した値となるように、い
わゆるフィードバック制御される。したがって、発光ダ
イオードLEDへの駆動電流ILED は、歪みのない正弦
波で供給される。
【0033】以上説明したように、本実施例によれば、
発光ダイオードLEDに供給する駆動電流ILED をフィ
ードバック制御するようにしたので、歪みのない安定し
た正弦波で供給できる。実際に、2次歪みで、従来の光
送信装置では(-) 35dBであったものが、本発明によ
る光送信装置では(-) 45dBとなり、10dB程度の
改善がなされていることを確認した。したがって、通信
距離、たとえばテレビジョンのリモートコントロール装
置の赤外光信号SIRの到達距離および通信時の電源効率
を左右する発光ダイオードLEDの駆動電流ILED の最
大値(たとえば40mA)および最小値(たとえば0m
A)が安定するため、電源効率の向上を図れる光送信装
置を実現できる。
【0034】また、本実施例では、駆動電流ILED の振
幅と振幅の中点とを可変抵抗素子RB およびRA を用い
て、別々にかつ容易に調整することができる。
【0035】
【実施例2】図3および図4は、本発明に係る光受信装
置の要部の一実施例を示す図で、図3はテレビジョンな
どのリモートコントロール装置における光受信装置の初
段アンプ部の回路図、図4は図3におけるフォトダイオ
ードの配置構造を示す図であって、従来例を示す図8お
よび図9と同一構成部分は同一符号をもって表す。すな
わち、DOPは差動アンプ、PD1 は第1のフォトダイ
オード、PD2 は第2のフォトダイオード、V1 は直流
電源、R3 ,R6 は抵抗素子、CASはシールドケーシ
ング、CASWIN は光透過孔をそれぞれ示している。
【0036】本光受信装置においては、第1のフォトダ
イオードPD1 は、図4に示すように、従来と同様にシ
ールドケーシングCAS内に受光面PD1Rが、シールド
ケーシングCASの前面部に形成された光透過孔CAS
WIN に対向し、かつ、この光透過孔CASWIN を介して
シールドケーシングCAS内に進入する、たとえば図1
に示すような光送信装置から出射された赤外光信号SIR
の光軸に直交し、入力赤外光信号SIRを受信するように
配置されている。また、第2のフォトダイオードPD2
は、図4に示すように、シールドケーシングCAS内に
受光面PD2Rが、光透過孔CASWIN を介してシールド
ケーシングCAS内に進入する、赤外光信号SIRの光軸
に略平行となるように、第1のフォトダイオードPD1
の近傍に、両者の受光面PD1RとPD2Rとが略直交する
ように配置され、光透過孔CASWIN を介してシールド
ケーシングCAS内に進入する、赤外光信号SIR以外の
たとえばノイズの要因となる蛍光灯の光などの外来光を
受信するように配置されている。
【0037】このように配設される第1のフォトダイオ
ードPD1 は、アノードが接地され、カソードが差動ア
ンプDOPの非反転入力(+) に接続され、第1のフォト
ダイオードPD1 のカソードとオペアンプOPの非反転
入力(+) との接続中点は抵抗素子R3 を介して直流電源
1 に接続されている。また、第2のフォトダイオード
PD2 は、アノードが接地され、カソードが差動アンプ
DOPの反転入力(-) に接続され、この反転入力(-) と
第2のフォトダイオードPD2 のカソードとの接続中点
は、抵抗素子R6 を介して直流電源V1に接続されてい
る。
【0038】次に、上記構成による動作を説明する。光
透過孔CASWIN を介してシールドケーシングCAS内
に入力した、たとえば図1に示すような光送信装置から
出射された赤外光信号SIRおよび室内の蛍光灯による外
来光が、第1のフォトダイオードPD1 の受光面PD1R
に入射され、外来光のみが第2のフォトダイオードPD
2 の受光面PD2Rに入射される。
【0039】第1のフォトダイオードPD1 および第2
のフォトダイオードPD2 では、入射光が入射光量に応
じたレベルの電気信号である第1の信号ES1 および第
2の信号ES2 に変換されて差動アンプDOPの非反転
入力(+) および反転入力(-)にそれぞれ入力される。第
1および第2のフォトダイオードPD1 ,PD2 の受光
面PD1R,PD2Rが、互いに近傍領域に配置されてお
り、ノイズとなる外来光の入射光量はほぼ同等であるこ
とから、差動アンプDOPでは、外来光として混入した
ノイズおよび第1および第2のフォトダイオードP
1 ,PD2 の温度特性が相殺される。したがって、差
動アンプDOPでは、光信号のみが所定の利得をもって
増幅されて、次段の信号処理系に出力される。
【0040】次に、初段アンプ部の入出力特性につい
て、図5を参照し、本発明に係る光受信装置(以下、発
明品という)と従来の光受信装置(以下、従来品とい
う)とを比較しながら考察する。図5において、横軸は
初段アンプの入力信号レベルを、縦軸は初段アンプの出
力レベルをそれぞれ表し、また、NS1,NS1’およ
びNS2はノイズレベルを示している。
【0041】従来品では、最終的に信号として認識でき
る出力を得るための条件は、初段アンプの信号出力レベ
ルが、ノイズレベルより大きい場合であり、このときの
入力ダイナミックレンジは、図5中で示す範囲とな
る。すなわち、ノイズに信号が埋もれてしまうほど放れ
てしまうと、機器を動作させることができない。
【0042】これに対して、本発明品では、第1のフォ
トダイオードPD1 および第2のフォトダイオードPD
2 により混入したノイズは、差動アンプDOPにてキャ
ンセルされるため、その出力レベルは、図5中NS2で
示すように、レベル「0」に近くなる。その結果、入力
信号のみが増幅され、ダイナミックレンジは図5中で
示すように大きく広がる。
【0043】次に、外来光によるフォトダイオードPD
への照度が増し、ノイズレベルが従来品にてNS1で示
すレベルからNS1’で示すレベルに変移した場合を考
察する。
【0044】従来品では、ノイズレベルの増大に伴い、
ダイナミックレンジも図5に示すように、から’と
小さくなる。その結果、光送信装置から送出される光信
号SIRの到達距離は短くなる。
【0045】これに対して、本発明品では、ノイズレベ
ルの強弱にかかわらず、上述したようにノイズがキャン
セルされる。その結果、外来光ノイズレベルの強弱にか
かわりなく、図5中で示すダイナミックレンジが安定
に確保される。したがって、本発明品は、光送信装置か
ら送出される光信号SIRの到達距離は、従来品より長く
なり、テレビジョンなどの機器の遠隔操作を、従来品よ
り遠隔から安定に行える。加えて、第1および第2のフ
ォトダイオードPD1 ,PD2 の温度特性をもキャンセ
ルできることから、周囲温度に影響を受けることなく安
定に遠隔操作を行える。
【0046】以上説明したように、本実施例によれば、
光受信装置の受光部に、第1のフォトダイオードPD1
および第2のフォトダイオードPD2 を、互いの受光面
PD1R,PD2Rが略直交するように近接させて配置し、
第1のフォトダイオードPD1 に光信号と外来光とを受
光させ、第2のフォトダイオードPD2 には光信号以外
の外来光のみを受光させ、第1および第2のフォトダイ
オードPD1 ,PD2による電気信号を差動アンプDO
Pに入力させるように構成したので、外来光ノイズおよ
び温度変動による影響を相殺でき、光信号の到達距離の
延長および動作の安定化を図れる光受信装置を実現でき
る。
【0047】なお、本実施例においては、第1のフォト
ダイオードPD1 の受光面PD1Rと第2のフォトダイオ
ードPD2 の受光面PD2Rが略直交するように配置した
が、これに限定されるものではなく、互いの受光面が近
接し、第2のフォトダイオードPD2 には光信号が入射
しない角度に設定すれば、上述した効果と同様の効果を
得ることができることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光送信装
置によれば、発光素子への駆動信号(駆動電流)を、歪
みのない安定した正弦波で供給できる。したがって、光
信号の到達距離および動作の安定化並びに電源効率の向
上を図れる利点がある。
【0049】また、本発明の光受信装置によれば、外来
光ノイズおよび温度変動による影響を相殺でき、光信号
の到達距離の延長および動作の安定化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光送信装置の一実施例を示す回路
図である。
【図2】図1の回路の等価回路図である。
【図3】本発明に係る光受信装置の要部の一実施例を示
す回路図である。
【図4】本発明に係る第1および第2のフォトダイオー
ドの配置構造を説明するための図である。
【図5】本発明に係る光受信装置および従来の光受信装
置における初段アンプ部の入出力特性を説明するための
図である。
【図6】信号レベルに応じた発光ダイオードの駆動電流
の波形例を示す図である。
【図7】従来の光送信装置における発光ダイオード駆動
装置の構成例を示す回路図である。
【図8】従来の光受信装置における初段アンプ部の構成
例を示す回路図である。
【図9】従来の光受信装置におけるフォトダイオードの
配置構造を説明するための図である。
【符号の説明】
CC…電源電圧 LED…赤外線発光ダイオード R0 …外付け抵抗素子 RA …中点調整用可変抵抗素子 RB …振幅調整用可変抵抗素子 Rc …抵抗素子 Q1 〜Q3 …npn形トランジスタ P1 〜P6 …pnp形トランジスタ Ie1〜Ie8…定電流源 MR1 ,MR2 …カレントミラー回路 AC…交流電源 GND…接地線 DOP…差動アンプ PD1 …第1のフォトダイオード PD2 …第2のフォトダイオード V1 …直流電源 R3 ,R6 …抵抗素子 CAS…シールドケーシング CASWIN …光透過孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 25/02 Z 8226−5K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号に応じた駆動信号を発生する駆
    動信号発生回路と、 上記駆動信号発生回路による駆動信号の入力状態に応じ
    た光信号を出射する発光素子と、 発光素子に供給された駆動信号の一部を上記駆動信号発
    生回路に帰還させて、入力信号が所定の値となるように
    制御する帰還回路とを有することを特徴とする光送信装
    置。
  2. 【請求項2】 光信号を受光可能に配置され、入射光量
    に応じた第1の信号を発生する第1の受光素子と、 第1の受光素子の近傍に、光信号を除く外来光を受光可
    能に配置され、入射光量に応じた第2の信号を発生する
    第2の受光素子と、 上記第1の信号と第2の信号との差動出力を得る増幅器
    とを有することを特徴とする光受信装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の受光素子の受光面と上記第2
    の受光素子の受光面とが略直交するように配置されてい
    る請求項2記載の光受信装置。
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