JPH06181362A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置及び半導体装置の製造方法Info
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- JPH06181362A JPH06181362A JP35356692A JP35356692A JPH06181362A JP H06181362 A JPH06181362 A JP H06181362A JP 35356692 A JP35356692 A JP 35356692A JP 35356692 A JP35356692 A JP 35356692A JP H06181362 A JPH06181362 A JP H06181362A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ほぼ[1−10]方向に溝を切り、斜面にp型
を形成しやすい(nll)A面等がきたとしても、この
面上に積んだ半導体層がp型を示さない層構成を有する
半導体装置及びその製造方法である。 【構成】半導体装置において、回折格子49などのp型
を形成しやすい面上にn型層50を積むときに、ドーパ
ントとしてSiと同じIV族化合物のSnを使用する。
また、熱処理工程を含む化合物半導体装置の製造方法に
おいて、最上層として露出する層を、蒸発しやすい元素
が過剰に取り込まれる条件で成膜する。これにより、蒸
発しやすい元素が島状に集合した部分を、最上層として
露出する層に形成し、これを熱処理時の余剰蒸気圧源と
して利用する。
を形成しやすい(nll)A面等がきたとしても、この
面上に積んだ半導体層がp型を示さない層構成を有する
半導体装置及びその製造方法である。 【構成】半導体装置において、回折格子49などのp型
を形成しやすい面上にn型層50を積むときに、ドーパ
ントとしてSiと同じIV族化合物のSnを使用する。
また、熱処理工程を含む化合物半導体装置の製造方法に
おいて、最上層として露出する層を、蒸発しやすい元素
が過剰に取り込まれる条件で成膜する。これにより、蒸
発しやすい元素が島状に集合した部分を、最上層として
露出する層に形成し、これを熱処理時の余剰蒸気圧源と
して利用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信等に利用される
発振波長が安定な半導体レーザなどの半導体装置、及び
III−V族化合物半導体装置などの半導体装置の製造
方法、より詳しくは熱処理工程において半導体装置の劣
化を防ぐ為の層構成を含むIII−V族化合物半導体装
置の製造方法に関する。
発振波長が安定な半導体レーザなどの半導体装置、及び
III−V族化合物半導体装置などの半導体装置の製造
方法、より詳しくは熱処理工程において半導体装置の劣
化を防ぐ為の層構成を含むIII−V族化合物半導体装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】回折格子を有した半導体レ
ーザは、光通信システム等で使われる波長安定化光源と
して、重点的に研究、開発されている。
ーザは、光通信システム等で使われる波長安定化光源と
して、重点的に研究、開発されている。
【0003】回折格子を有した半導体レーザの一般的な
作製法を説明する。図7は回折格子を形成する前の半導
体レーザの構成を示す。成長法としてはMBE法(分子
線エピタキシー法)を用いている。図7において、1は
基板であるところのn型GaAsであり、2はSiをド
ープしたGaAs層で基板1と同様n型であり、3はク
ラッド層であるn−Al0.4Ga0.6Asであり、更に、
4は光閉じ込め層となるGRIN−SCH(grade
d index separate confinem
ent heterostructure)n−Alx
Ga1-xAs層(厚さ2000Å積層する)である。更
に、この上に活性層となるアンドープGaAs層5を8
0Å成長し、上部GRIN−SCH層であるp−Alx
Ga1-xAs層6をn−AlxGa1-xAs層4と同様に
やはり2000Å積層し、層6のp型材料としてはBe
を添加している。この上にキャリアブロック層としてp
−Al0.4Ga0.6As7を500Åを積層して、最後に
最上層としてp−Al0.2Ga0.8As層8を2000Å
成長し、成長を一旦中断する。回折格子はp−Al0.2
Ga0.8As層8に形成する。尚、図7において、20
は基板1の裏面に形成された電極である。
作製法を説明する。図7は回折格子を形成する前の半導
体レーザの構成を示す。成長法としてはMBE法(分子
線エピタキシー法)を用いている。図7において、1は
基板であるところのn型GaAsであり、2はSiをド
ープしたGaAs層で基板1と同様n型であり、3はク
ラッド層であるn−Al0.4Ga0.6Asであり、更に、
4は光閉じ込め層となるGRIN−SCH(grade
d index separate confinem
ent heterostructure)n−Alx
Ga1-xAs層(厚さ2000Å積層する)である。更
に、この上に活性層となるアンドープGaAs層5を8
0Å成長し、上部GRIN−SCH層であるp−Alx
Ga1-xAs層6をn−AlxGa1-xAs層4と同様に
やはり2000Å積層し、層6のp型材料としてはBe
を添加している。この上にキャリアブロック層としてp
−Al0.4Ga0.6As7を500Åを積層して、最後に
最上層としてp−Al0.2Ga0.8As層8を2000Å
成長し、成長を一旦中断する。回折格子はp−Al0.2
Ga0.8As層8に形成する。尚、図7において、20
は基板1の裏面に形成された電極である。
【0004】図8を用いて回折格子の形成法を示す。図
8は回折格子作製のための基本的光学系を示している。
図8において、11はMBE法により積層された半導体
膜を示し、12は半導体膜11上に塗布された感光材の
上に干渉縞を作製するために使用するレーザ光源であ
る。レーザ光源12の波長は325nmで、出力は15
mWである。レーザ12を出た光は、ビームスプリッタ
ー13で2つの光16に分けられる。そして、これらの
光16は反射ミラー14により基板11上に当てられ干
渉縞を作製する。
8は回折格子作製のための基本的光学系を示している。
図8において、11はMBE法により積層された半導体
膜を示し、12は半導体膜11上に塗布された感光材の
上に干渉縞を作製するために使用するレーザ光源であ
る。レーザ光源12の波長は325nmで、出力は15
mWである。レーザ12を出た光は、ビームスプリッタ
ー13で2つの光16に分けられる。そして、これらの
光16は反射ミラー14により基板11上に当てられ干
渉縞を作製する。
【0005】次式(1)は、真空中の波長λGaAs=0.
83nmがGaAs中で選択されるために必要な回折格
子ピッチである。 Λ=nλGaAs/2neffGaAs ───(1) ここで、neffGaAsはGaAsデバイス中の等価屈折
率、nは回折光の次数である。例えば、GaAsを活性
層とする0.83μmのレーザにおいて2次回折格子を
作製する場合には、GaAsの等価屈折率が3.5程度
であることから回折格子のピッチは2400Åとなる。
83nmがGaAs中で選択されるために必要な回折格
子ピッチである。 Λ=nλGaAs/2neffGaAs ───(1) ここで、neffGaAsはGaAsデバイス中の等価屈折
率、nは回折光の次数である。例えば、GaAsを活性
層とする0.83μmのレーザにおいて2次回折格子を
作製する場合には、GaAsの等価屈折率が3.5程度
であることから回折格子のピッチは2400Åとなる。
【0006】波長が325nmのHe−Cdレーザ12
を用いてこのピッチを実現するためには、図8中の17
に示す角度をθ=43.06°とする必要がある。関係
式を(2)に示す。 Λ=λ/2sinθ ───(2) ここで、Λは回折格子ピッチ、λはHe−Cdレーザ1
2の発振波長、θは図8に示した角度17である。この
様な条件にて露光することにより回折格子を形成する。
レジストはMicroposit 1400(Ship
ley社)のものを使用し、レジスト厚みを800Åと
して使用した。
を用いてこのピッチを実現するためには、図8中の17
に示す角度をθ=43.06°とする必要がある。関係
式を(2)に示す。 Λ=λ/2sinθ ───(2) ここで、Λは回折格子ピッチ、λはHe−Cdレーザ1
2の発振波長、θは図8に示した角度17である。この
様な条件にて露光することにより回折格子を形成する。
レジストはMicroposit 1400(Ship
ley社)のものを使用し、レジスト厚みを800Åと
して使用した。
【0007】この様に作成されたGaAs回折格子上
に、一般的にはLPE(liquidphase ep
itaxy)法を用いて再成長を施す。工程を図9をも
って説明する。図9にて、層8に上記に説明した方法で
回折格子21を形成する。この図9中に示した回折格子
21のピッチは2380Åで形成された。この上に図9
(b)に示す様に上部クラッド層Al0.4Ga0.6As2
2を1.4μm形成し、さらにキャップ層のp−GaA
s23を0.5μmの厚みで形成する。この様な手順で
波長安定化レーザ、一般的にDFB(分布帰還型)−L
D、DBR(分布反射型)−LDが作成され、光通信の
重要部品となっている。
に、一般的にはLPE(liquidphase ep
itaxy)法を用いて再成長を施す。工程を図9をも
って説明する。図9にて、層8に上記に説明した方法で
回折格子21を形成する。この図9中に示した回折格子
21のピッチは2380Åで形成された。この上に図9
(b)に示す様に上部クラッド層Al0.4Ga0.6As2
2を1.4μm形成し、さらにキャップ層のp−GaA
s23を0.5μmの厚みで形成する。この様な手順で
波長安定化レーザ、一般的にDFB(分布帰還型)−L
D、DBR(分布反射型)−LDが作成され、光通信の
重要部品となっている。
【0008】しかしながら、再成長を行なっているLP
E法は再成長面積が少なく、約2cm角が限界となって
いる。このため再成長面積を広げるためにMBE法等が
検討されている。MBE法(分子線エピタキシー法)
は、GaやAs等の構成分子を加熱し蒸気として供給す
る方法であり、3インチΦ以上の大面積再成長が可能と
なった。しかし、このMBE法による再成長にも、1つ
問題点がある。(111)A面(GaなどのIII族の
元素が現われた面)が形成された面上にSiドープのG
aAsを成長するとp型となることである。これは、n
型中に回折格子を作成する際に問題となってくる。
E法は再成長面積が少なく、約2cm角が限界となって
いる。このため再成長面積を広げるためにMBE法等が
検討されている。MBE法(分子線エピタキシー法)
は、GaやAs等の構成分子を加熱し蒸気として供給す
る方法であり、3インチΦ以上の大面積再成長が可能と
なった。しかし、このMBE法による再成長にも、1つ
問題点がある。(111)A面(GaなどのIII族の
元素が現われた面)が形成された面上にSiドープのG
aAsを成長するとp型となることである。これは、n
型中に回折格子を作成する際に問題となってくる。
【0009】図10は、(001)面GaAs33上に
[1−10]軸方向に沿って溝を切ったものを示す。図
10において、33は基板であるところの(001)面
をもったGaAsであり、31は(001)面である。
そして、32は斜面に形成された(n11)A面(例え
ば、(111)A面)である。この(n11)A面32
上にSiドープGaAs又はAlGaAsを成長する
と、(111)A面32上に対応した膜はp型になる。
このため斜面上では電流がブロックされる現象が生ず
る。なお、(001)面31上に対応したところはn型
となる。即ち、GaAsの様なIII−V族半導体にと
ってはIV族化合物であるSiは両性不純物となる。こ
のため、III、V族の結合力の違いにより、SiがI
II族サイトに入ればn型に、V族サイトに入ればp型
となる。(n11)A面はIII族が安定で、SiはV
族サイトに取り込まれることとなっている。Siドープ
層がp型になりやすい面としては、図10中34に示し
た角度が20°以上の面の場合である。
[1−10]軸方向に沿って溝を切ったものを示す。図
10において、33は基板であるところの(001)面
をもったGaAsであり、31は(001)面である。
そして、32は斜面に形成された(n11)A面(例え
ば、(111)A面)である。この(n11)A面32
上にSiドープGaAs又はAlGaAsを成長する
と、(111)A面32上に対応した膜はp型になる。
このため斜面上では電流がブロックされる現象が生ず
る。なお、(001)面31上に対応したところはn型
となる。即ち、GaAsの様なIII−V族半導体にと
ってはIV族化合物であるSiは両性不純物となる。こ
のため、III、V族の結合力の違いにより、SiがI
II族サイトに入ればn型に、V族サイトに入ればp型
となる。(n11)A面はIII族が安定で、SiはV
族サイトに取り込まれることとなっている。Siドープ
層がp型になりやすい面としては、図10中34に示し
た角度が20°以上の面の場合である。
【0010】例えば、[1−10]丁度に溝を切った場
合には、斜面に形成される20°面としては(411)
A、(311)A、(211)A、(111)A面等が
ある。この様な斜面に形成されるp型領域は電流の流れ
の妨げになるだけでなく、所望の電流を得るための印加
電圧が上昇するため、活性層付近の発熱量が上昇し、熱
による発振波長のズレを助長する。
合には、斜面に形成される20°面としては(411)
A、(311)A、(211)A、(111)A面等が
ある。この様な斜面に形成されるp型領域は電流の流れ
の妨げになるだけでなく、所望の電流を得るための印加
電圧が上昇するため、活性層付近の発熱量が上昇し、熱
による発振波長のズレを助長する。
【0011】また、従来、互いに異なる揮発性を持つ複
数の元素からなる化合物半導体に熱処理工程を施した場
合に、特に揮発性の高い方の元素が脱離してしまうこと
が知られている。これを防ぐ為に、例えば、化合物半導
体であるGaAsを熱処理する際には、金属Asと共に
封入した容器中でGaAsの熱処理を行ったり、或はA
sの脱離を防ぐためにSiO2、Si3N4などの保護層
を化合物半導体上に成膜する方法が知られている。
数の元素からなる化合物半導体に熱処理工程を施した場
合に、特に揮発性の高い方の元素が脱離してしまうこと
が知られている。これを防ぐ為に、例えば、化合物半導
体であるGaAsを熱処理する際には、金属Asと共に
封入した容器中でGaAsの熱処理を行ったり、或はA
sの脱離を防ぐためにSiO2、Si3N4などの保護層
を化合物半導体上に成膜する方法が知られている。
【0012】しかしながら、この従来例においては、工
程が増える、また保護層を成膜した場合には保護層と半
導体層の熱膨張係数の違いから応力を生じ欠陥を生成し
てしまうことがあるから熱処理条件の自由度が小さいと
いう問題点があった。また、この従来例では再成長時の
熱処理工程に対する保護はできなかった。
程が増える、また保護層を成膜した場合には保護層と半
導体層の熱膨張係数の違いから応力を生じ欠陥を生成し
てしまうことがあるから熱処理条件の自由度が小さいと
いう問題点があった。また、この従来例では再成長時の
熱処理工程に対する保護はできなかった。
【0013】従って、本発明の目的は、ほぼ[1−1
0]方向に溝を切り、斜面にp型を形成しやすい(nl
l)A面等がきたとしても、該面上に積んだ半導体層が
p型を示さない層構成を有する半導体装置及びその製造
方法を提供するものである。
0]方向に溝を切り、斜面にp型を形成しやすい(nl
l)A面等がきたとしても、該面上に積んだ半導体層が
p型を示さない層構成を有する半導体装置及びその製造
方法を提供するものである。
【0014】また、本発明の目的は、上記課題を解決し
た熱処理工程を含む化合物半導体装置の製造方法を提供
するものである。
た熱処理工程を含む化合物半導体装置の製造方法を提供
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置及び
その製法によれば、p型を形成しやすい面上にn型層を
積むときにドーパントとしてSiと同じIV族化合物の
Snを使用することを特徴とする。
その製法によれば、p型を形成しやすい面上にn型層を
積むときにドーパントとしてSiと同じIV族化合物の
Snを使用することを特徴とする。
【0016】また、本発明の熱処理工程を含む化合物半
導体装置の製造方法によれば、最上層として露出する層
を、蒸発しやすい元素が過剰に取り込まれる条件で成膜
することで、蒸発しやすい元素が島状に集合した部分を
最上層として露出する層に形成し、これを熱処理時の余
剰蒸気圧源として利用するものである。
導体装置の製造方法によれば、最上層として露出する層
を、蒸発しやすい元素が過剰に取り込まれる条件で成膜
することで、蒸発しやすい元素が島状に集合した部分を
最上層として露出する層に形成し、これを熱処理時の余
剰蒸気圧源として利用するものである。
【0017】こうして形成される余剰蒸気圧源の有無に
よる、熱処理時のAs脱離の差について、深い準位の過
渡容量応答法(DLTS)法で評価した結果を用いて説
明する。試料として、n−GaAs基板上にMBE法で
SiドープのGaAsを1.0μm成膜した。このと
き、V族とIII族の飛来分子数比を1.4に保ったま
ま基板温度を400°C、550°C、670°Cと変
えたものを作成した。これらの一部は、1気圧の水素フ
ロー中で、700°C、0.5時間の熱処理を施した。
残りの一部は熱処理を行わず比較用に用いた。これらの
試料の裏面には、AuGeを2000ÅとAuを500
0Å蒸着した後、1気圧のアルゴンフロー中で420°
C、10分間の合金化を施しオーミックコンタクトを形
成した。一方、表面にはTiを1000ÅとAuを10
00Å蒸着しショットキーバリアを形成した。
よる、熱処理時のAs脱離の差について、深い準位の過
渡容量応答法(DLTS)法で評価した結果を用いて説
明する。試料として、n−GaAs基板上にMBE法で
SiドープのGaAsを1.0μm成膜した。このと
き、V族とIII族の飛来分子数比を1.4に保ったま
ま基板温度を400°C、550°C、670°Cと変
えたものを作成した。これらの一部は、1気圧の水素フ
ロー中で、700°C、0.5時間の熱処理を施した。
残りの一部は熱処理を行わず比較用に用いた。これらの
試料の裏面には、AuGeを2000ÅとAuを500
0Å蒸着した後、1気圧のアルゴンフロー中で420°
C、10分間の合金化を施しオーミックコンタクトを形
成した。一方、表面にはTiを1000ÅとAuを10
00Å蒸着しショットキーバリアを形成した。
【0018】熱処理前後のDLTSシグナルを図6に示
す。550°C、670°Cで成長した場合、As過剰
の成長条件ではないので、As離脱が顕著でありこれに
伴って深い準位が多数形成されていることがわかる(図
6(b)、(c))。一方、400°Cで成長した場合
(図6(a))には、上記700°Cの熱処理において
余剰のAsが結晶からのAs離脱を抑制しているので、
As離脱にともなう深い準位の形成はみられない。
す。550°C、670°Cで成長した場合、As過剰
の成長条件ではないので、As離脱が顕著でありこれに
伴って深い準位が多数形成されていることがわかる(図
6(b)、(c))。一方、400°Cで成長した場合
(図6(a))には、上記700°Cの熱処理において
余剰のAsが結晶からのAs離脱を抑制しているので、
As離脱にともなう深い準位の形成はみられない。
【0019】熱処理工程に関して、イオン注入、物理的
エッチング、化学的エッチングによって生じたダメージ
を回復するために行う熱処理の場合、温度は700°C
から900°C、時間はランプアニールの場合は数秒か
ら数分、電気炉アニールの場合は10分から1時間程度
である。雰囲気は、Ar、N2、N2+H2(数%)のい
わゆるフォーミングガス等、不活性なガスを用いて大気
圧あるいは減圧下のフロー中、または還元性の雰囲気で
あるH2ガスの大気圧あるいは減圧下のフロー中とする
ことで、表面での不要な化学反応を抑える。この場合
は、新たな欠陥の生成を確実に避けられる点がメリット
である。ただし、この種の熱処理の場合、Si3N4、S
iO2等の保護膜を使用し、これを引き続いての工程の
マスクとして使えるように工程を設計することが多い。
エッチング、化学的エッチングによって生じたダメージ
を回復するために行う熱処理の場合、温度は700°C
から900°C、時間はランプアニールの場合は数秒か
ら数分、電気炉アニールの場合は10分から1時間程度
である。雰囲気は、Ar、N2、N2+H2(数%)のい
わゆるフォーミングガス等、不活性なガスを用いて大気
圧あるいは減圧下のフロー中、または還元性の雰囲気で
あるH2ガスの大気圧あるいは減圧下のフロー中とする
ことで、表面での不要な化学反応を抑える。この場合
は、新たな欠陥の生成を確実に避けられる点がメリット
である。ただし、この種の熱処理の場合、Si3N4、S
iO2等の保護膜を使用し、これを引き続いての工程の
マスクとして使えるように工程を設計することが多い。
【0020】上記した様に、再成長の下地になる層は、
それ以前のプロセスにおいて酸化されたり、例えばレジ
スト残渣等の炭素を含む汚染を受けているので、この汚
染された表面を加熱して汚染物質を離脱させ、清浄な結
晶面を出さなければならない。真空中で加熱した基板に
分子線を照射して結晶成長をするMBE法、MO−MB
E法等の場合、GaAsに対する酸化膜の除去温度は5
80°Cである。また、GaAsそのものが蒸発してし
まう650°Cから750°Cあるいはそれ以上の温度
を用いて表面の清浄化を行うことも考えられる。この時
の熱処理は、10-8Torr以下の高真空を達成可能な
装置内で、0.5×10-5Torrから2×10-5To
rr程度の圧力に相当するAsを照射した状態で行われ
るが、Asの脱離を完全に抑えることは出来ない。
それ以前のプロセスにおいて酸化されたり、例えばレジ
スト残渣等の炭素を含む汚染を受けているので、この汚
染された表面を加熱して汚染物質を離脱させ、清浄な結
晶面を出さなければならない。真空中で加熱した基板に
分子線を照射して結晶成長をするMBE法、MO−MB
E法等の場合、GaAsに対する酸化膜の除去温度は5
80°Cである。また、GaAsそのものが蒸発してし
まう650°Cから750°Cあるいはそれ以上の温度
を用いて表面の清浄化を行うことも考えられる。この時
の熱処理は、10-8Torr以下の高真空を達成可能な
装置内で、0.5×10-5Torrから2×10-5To
rr程度の圧力に相当するAsを照射した状態で行われ
るが、Asの脱離を完全に抑えることは出来ない。
【0021】
【実施例1】図2は、(111)A、(211)A、
(311)A、(411)A、(511)A、(00
1)、(111)B(AsなどのV族の元素が現われた
面)、(211)B面上にSiドープGaAsとSnド
ープGaAsを積層した時の導電型を示したものであ
る。Siは(111)A、(211)A、(311)A
でp型を示し、それ以外はn型となった。そして、(5
11)A面では幾分高抵抗を示した。Snはここに示し
た全面上でn型となった。この現象を利用すれば、[1
−10]方向に作成した回折格子の斜面上でもp型領域
を作らずにすむ。
(311)A、(411)A、(511)A、(00
1)、(111)B(AsなどのV族の元素が現われた
面)、(211)B面上にSiドープGaAsとSnド
ープGaAsを積層した時の導電型を示したものであ
る。Siは(111)A、(211)A、(311)A
でp型を示し、それ以外はn型となった。そして、(5
11)A面では幾分高抵抗を示した。Snはここに示し
た全面上でn型となった。この現象を利用すれば、[1
−10]方向に作成した回折格子の斜面上でもp型領域
を作らずにすむ。
【0022】図1はその実施例である。図1において、
41は基板であるところのp−GaAsである。この上
に、42のBeドープGaAs層を0.5μm成長し、
さらに43のBeドープAl0.5Ga0.5As層を1.5
μm積層している。44はGRIN−SCH領域である
p−AlxGa1-xAs層(厚さ2000Å)で、xの組
成を0.5から0.2に低下させている。45は活性層
となるアンドープGaAs層(厚さ60Å)であり、4
6は上部GRIN−SCH層で下部層44と同様のAl
xGa1-xAs(厚さ2000Å)から形成されている。
但し、上部GRIN−SCH層46のドーパントはSi
で伝導型はn型であり、xの組成は0.2から0.5に
上昇させている。47はキャリアブロック層でSiドー
プのn−Al0.5Ga0.5Asより形成されており、厚み
は500Åである。
41は基板であるところのp−GaAsである。この上
に、42のBeドープGaAs層を0.5μm成長し、
さらに43のBeドープAl0.5Ga0.5As層を1.5
μm積層している。44はGRIN−SCH領域である
p−AlxGa1-xAs層(厚さ2000Å)で、xの組
成を0.5から0.2に低下させている。45は活性層
となるアンドープGaAs層(厚さ60Å)であり、4
6は上部GRIN−SCH層で下部層44と同様のAl
xGa1-xAs(厚さ2000Å)から形成されている。
但し、上部GRIN−SCH層46のドーパントはSi
で伝導型はn型であり、xの組成は0.2から0.5に
上昇させている。47はキャリアブロック層でSiドー
プのn−Al0.5Ga0.5Asより形成されており、厚み
は500Åである。
【0023】さらにその上に、回折格子を作成する層で
ある光ガイド層48としてのSiドープのn−Al0.2
Ga0.8As層を設けている。この後、図8の従来例に
も示した通りのプロセスを経てピッチ2400Åの回折
格子49を作成する。この上に再成長膜を形成するので
あるが、本方法ではSnをドーパントとして使用した。
この結果、50で示すn−Al0.5Ga0.5Asは回折格
子49の斜面上に形成された部分もn型となった。
ある光ガイド層48としてのSiドープのn−Al0.2
Ga0.8As層を設けている。この後、図8の従来例に
も示した通りのプロセスを経てピッチ2400Åの回折
格子49を作成する。この上に再成長膜を形成するので
あるが、本方法ではSnをドーパントとして使用した。
この結果、50で示すn−Al0.5Ga0.5Asは回折格
子49の斜面上に形成された部分もn型となった。
【0024】51は上部クラッド層の続きで、Siドー
プAl0.5Ga0.5Asを成長した。層51にSiのドー
パントを利用するかどうかの判断は、成長する面の凹凸
がおさまり図10中で34に示した凹凸により形成され
る角度が20°以下になった時が望ましい。層50、5
1、52のドーパントとして全てSnを利用して成長し
てもさしつかえない。本実施例では層50の成長中に凹
凸が改善され、Siによりp型となる領域がなくなった
ため層51はドーパントとしてSiを利用した。キャッ
プ層52はSiドープGaAs層である。この層52の
厚みは0.5μmとした。
プAl0.5Ga0.5Asを成長した。層51にSiのドー
パントを利用するかどうかの判断は、成長する面の凹凸
がおさまり図10中で34に示した凹凸により形成され
る角度が20°以下になった時が望ましい。層50、5
1、52のドーパントとして全てSnを利用して成長し
てもさしつかえない。本実施例では層50の成長中に凹
凸が改善され、Siによりp型となる領域がなくなった
ため層51はドーパントとしてSiを利用した。キャッ
プ層52はSiドープGaAs層である。この層52の
厚みは0.5μmとした。
【0025】53はn型の電極AuGe/Auである。
54はp型の電極Cr/Auである。電極蒸着後、37
0°でアロイングした。100μmの電極ストライプを
形成し、しきい電流密度を測定した結果、しきい電流密
度は600A/cm2を得、直列抵抗も2オーム程度
と、再成長膜のドーパントとしてSiを使用した場合に
比較し40%程の改善が見られた。
54はp型の電極Cr/Auである。電極蒸着後、37
0°でアロイングした。100μmの電極ストライプを
形成し、しきい電流密度を測定した結果、しきい電流密
度は600A/cm2を得、直列抵抗も2オーム程度
と、再成長膜のドーパントとしてSiを使用した場合に
比較し40%程の改善が見られた。
【0026】
【実施例2】図3は本発明の半導体装置の第2の実施例
であり、n型基板を用いた時の実施例である。図3にお
いて、61は基板であるところのn−GaAsである。
62はバッファ層であるSiドープGaAs層であり、
0.5μm積層している。63はクラッド層であるSi
ドープAl0.3Ga0.7Asであり、1.3μm積層して
いる。64は光ガイド層であるSiドープAl0.2Ga
0.8As層であり、2000Å積層している。ここま
で、第1回目の成長で形成し、グレーティング65を形
成する。
であり、n型基板を用いた時の実施例である。図3にお
いて、61は基板であるところのn−GaAsである。
62はバッファ層であるSiドープGaAs層であり、
0.5μm積層している。63はクラッド層であるSi
ドープAl0.3Ga0.7Asであり、1.3μm積層して
いる。64は光ガイド層であるSiドープAl0.2Ga
0.8As層であり、2000Å積層している。ここま
で、第1回目の成長で形成し、グレーティング65を形
成する。
【0027】この後、66のキャリアブロック層の役目
も果たすSn−Al0.3Ga0.7Asを2000Å積層し
た。ここが本実施例の重要なところである。67は活性
層であるアンドープAl0.1Ga0.9As層(厚さ800
Å)である。68は上部クラッド層であるBeドープA
l0.3Ga0.7As層であり、1.5μm積層している。
69はキャップ層であるBeドープGaAs層であり、
0.5μm積層したものとなっている。70はp側電極
Cr/Au、71はn側電極Cr/Auである。このよ
うに作成した半導体レーザも、しきい電流密度は1kA
/cm2となり、安定して動作することが確認された。
も果たすSn−Al0.3Ga0.7Asを2000Å積層し
た。ここが本実施例の重要なところである。67は活性
層であるアンドープAl0.1Ga0.9As層(厚さ800
Å)である。68は上部クラッド層であるBeドープA
l0.3Ga0.7As層であり、1.5μm積層している。
69はキャップ層であるBeドープGaAs層であり、
0.5μm積層したものとなっている。70はp側電極
Cr/Au、71はn側電極Cr/Auである。このよ
うに作成した半導体レーザも、しきい電流密度は1kA
/cm2となり、安定して動作することが確認された。
【0028】上記実施例では、成長法としてMBE法を
中心に説明してきたが、必ずしもMBE法にこだわるも
のではなく、ガス化合物を用いた成長法、例えばCBE
法も使用できる。さらに、材料もGaAs/AlGaA
sに限定するものではない。両性不純物を含む系、特に
III−V族であればよく、InGaAsP、InAl
P系等でもよい。
中心に説明してきたが、必ずしもMBE法にこだわるも
のではなく、ガス化合物を用いた成長法、例えばCBE
法も使用できる。さらに、材料もGaAs/AlGaA
sに限定するものではない。両性不純物を含む系、特に
III−V族であればよく、InGaAsP、InAl
P系等でもよい。
【0029】なお、本発明の考え方が適用できる場面と
しては、[1−10]軸を中心に(001)面となす角
が20°以上と考えているが、斜面がp型となる可能性
のある範囲は、[1−10]を中心に±15°以内の軸
上を中心に(001)面となす角が10°以上の面が、
全てその範囲に入ると考えられる。
しては、[1−10]軸を中心に(001)面となす角
が20°以上と考えているが、斜面がp型となる可能性
のある範囲は、[1−10]を中心に±15°以内の軸
上を中心に(001)面となす角が10°以上の面が、
全てその範囲に入ると考えられる。
【0030】
【実施例3】図4は、本発明の第3の実施例として、回
折格子を有するGaAs−AlGaAs系半導体レーザ
を作製する工程を示したものである。図4(a)におい
て、n−GaAs基板111上にSiドープGaAsの
バッファ層112が0.5μm形成され、その上にSi
ドープA10.5Ga0.5Asクラッド層113が1.5μ
m形成されている。
折格子を有するGaAs−AlGaAs系半導体レーザ
を作製する工程を示したものである。図4(a)におい
て、n−GaAs基板111上にSiドープGaAsの
バッファ層112が0.5μm形成され、その上にSi
ドープA10.5Ga0.5Asクラッド層113が1.5μ
m形成されている。
【0031】次に、114は500Å厚の光閉じ込め領
域であるSiドープAlyGa1-yAsであり、このAl
の含有率yは、図4(a)の右側のグラフで示す様に、
0.5からなだらかに変化し、活性層115近くでは
0.2に低下する。活性層である単一量子井戸115
は、アンドープAl0.2Ga0.8As(厚さ10nm)の
バリア層とアンドープGaAs(厚さ6nm)の井戸層
とアンドープAl0.2Ga0.8As(厚さ10nm)のバ
リア層とからなる。この上に上部の光閉じ込め領域であ
るBeドープAlzGa1-zAs116が500Å形成さ
れる。このときのAlの含有率zはなだらかに変化し、
0.2から0.4へと上昇する。さらにこの上にAl
0.4Ga0.6As(厚さ0.05Å)のキャリアブロック
層117を形成し、この上にはAl0.15Ga0.85As光
ガイド層118が形成されている。
域であるSiドープAlyGa1-yAsであり、このAl
の含有率yは、図4(a)の右側のグラフで示す様に、
0.5からなだらかに変化し、活性層115近くでは
0.2に低下する。活性層である単一量子井戸115
は、アンドープAl0.2Ga0.8As(厚さ10nm)の
バリア層とアンドープGaAs(厚さ6nm)の井戸層
とアンドープAl0.2Ga0.8As(厚さ10nm)のバ
リア層とからなる。この上に上部の光閉じ込め領域であ
るBeドープAlzGa1-zAs116が500Å形成さ
れる。このときのAlの含有率zはなだらかに変化し、
0.2から0.4へと上昇する。さらにこの上にAl
0.4Ga0.6As(厚さ0.05Å)のキャリアブロック
層117を形成し、この上にはAl0.15Ga0.85As光
ガイド層118が形成されている。
【0032】ここで光ガイド層118を成膜する際に
は、基板温度を400°Cとし、V/III比(V族元
素とIII族元素のフラックス比即ち飛来分子数比)を
1.75とした。ここが本実施例の重要な工程である。
この光ガイド層118上に公知のフォトリソグラフィー
手段及びエッチング手段を用いて回折格子118aを形
成した後(図4(b))、再成長を行う。すなわち図4
(c)に示すように、基板を再び加熱し、800°C、
As照射下で表面の酸化物層を除去する熱処理工程を経
た後に、厚さ1.5μmのBeドープAl0.5Ga0.5A
sクラッド層119と厚さ0.5μmのBeドープGa
Asキャップ層120を形成する。
は、基板温度を400°Cとし、V/III比(V族元
素とIII族元素のフラックス比即ち飛来分子数比)を
1.75とした。ここが本実施例の重要な工程である。
この光ガイド層118上に公知のフォトリソグラフィー
手段及びエッチング手段を用いて回折格子118aを形
成した後(図4(b))、再成長を行う。すなわち図4
(c)に示すように、基板を再び加熱し、800°C、
As照射下で表面の酸化物層を除去する熱処理工程を経
た後に、厚さ1.5μmのBeドープAl0.5Ga0.5A
sクラッド層119と厚さ0.5μmのBeドープGa
Asキャップ層120を形成する。
【0033】このように作成した半導体レーザは、性能
もよく比較的簡単な工程で作成できる。
もよく比較的簡単な工程で作成できる。
【0034】
【実施例4】次に、イオン注入によって埋込み型のレー
ザ構造を作成する例について述べる。
ザ構造を作成する例について述べる。
【0035】図5(a)に示すように、無添加半絶縁性
GaAs結晶基板122上に、高抵抗AlGaAsクラ
ッド層123と多重量子井戸(MQW)活性層124と
高抵抗AlGaAsクラッド層125とGaAsキャッ
プ層126を形成している。上側のGaAsキャップ層
126は、基板温度400°C、V/III比1.1で
成膜されている。ここが本実施例の重要な工程である。
GaAs結晶基板122上に、高抵抗AlGaAsクラ
ッド層123と多重量子井戸(MQW)活性層124と
高抵抗AlGaAsクラッド層125とGaAsキャッ
プ層126を形成している。上側のGaAsキャップ層
126は、基板温度400°C、V/III比1.1で
成膜されている。ここが本実施例の重要な工程である。
【0036】イオン打ち込み時のマスク127として
は、メタルストライプまたはSiO2膜を用い、通常の
フォトリソグラフィー工程によって2μm程度を残して
ストライプ加工する。ここに、p−タイプはZnまたは
Mgを、n−タイプはSiをそれぞれ1×1018〜1×
1019cm-3イオン注入する。イオン注入マスク127
を剥離した後、しかるべき前処理を行い、再成長を行
う。すなわち、基板を再び加熱し、800 °CAs照
射下で表面の酸化物層とGaAsキャップ層126を除
去する熱処理工程を経た後に、0.5μmの高抵抗Al
0.5Ga0.5Asクラッド層128とn−GaAsキャッ
プ層129を形成する。この熱処理工程によって、注入
されたイオンは活性化され、MQW活性層124のイオ
ン注入された部分(図4(b)、(c)中の黒くなった
部分)では無秩序化が起こって、横方向のダブルヘテロ
構造と屈折率導波構造が形成される。
は、メタルストライプまたはSiO2膜を用い、通常の
フォトリソグラフィー工程によって2μm程度を残して
ストライプ加工する。ここに、p−タイプはZnまたは
Mgを、n−タイプはSiをそれぞれ1×1018〜1×
1019cm-3イオン注入する。イオン注入マスク127
を剥離した後、しかるべき前処理を行い、再成長を行
う。すなわち、基板を再び加熱し、800 °CAs照
射下で表面の酸化物層とGaAsキャップ層126を除
去する熱処理工程を経た後に、0.5μmの高抵抗Al
0.5Ga0.5Asクラッド層128とn−GaAsキャッ
プ層129を形成する。この熱処理工程によって、注入
されたイオンは活性化され、MQW活性層124のイオ
ン注入された部分(図4(b)、(c)中の黒くなった
部分)では無秩序化が起こって、横方向のダブルヘテロ
構造と屈折率導波構造が形成される。
【0037】続いて拡散マスクを形成し、拡散工程によ
って、図4(d)に示す様にp−タイプのコンタクト1
30と、n−タイプのコンタクト131を形成する。
って、図4(d)に示す様にp−タイプのコンタクト1
30と、n−タイプのコンタクト131を形成する。
【0038】ところで、第3及び第4の実施例において
もAlGaAs系材料を中心に述べたが、他の材料、例
えばGaP、AlGaP、InSb、GaInAsの組
み合わせからなる化合物半導体に対しても本発明の熱処
理工程を含む化合物半導体装置の製法の考え方は有効で
ある。すなわち、最上層として露出する層を蒸発しやす
い元素過剰の条件で成膜することで、蒸発しやすい元素
の島状に集合した部分を形成し、これを熱処理時の余剰
蒸気圧源として利用することが可能である。
もAlGaAs系材料を中心に述べたが、他の材料、例
えばGaP、AlGaP、InSb、GaInAsの組
み合わせからなる化合物半導体に対しても本発明の熱処
理工程を含む化合物半導体装置の製法の考え方は有効で
ある。すなわち、最上層として露出する層を蒸発しやす
い元素過剰の条件で成膜することで、蒸発しやすい元素
の島状に集合した部分を形成し、これを熱処理時の余剰
蒸気圧源として利用することが可能である。
【0039】蒸発しやすい元素の島状に集合した部分
(例えば、Asの島)と書いたが、例えば、格子間のA
sとしてほぼ均一に分散していることがあってもよい。
As過剰の程度は、0.2%以下(すなわちAsの原子
%は50.00〜50.02)と考えられる。これは格
子定数において0.08%以下の格子の歪(50.02
のとき)として現れると考えられる。ただしこれらの値
は、文献(半導体研究第23巻、化合物半導体の結晶成
長と完全性、西澤潤一編、工業調査会、1985,P3
5およびZ.Liliental−Weber,et
al.,Applied Physics Lette
r,Volume 58,2153(1991)から推
測した値である。
(例えば、Asの島)と書いたが、例えば、格子間のA
sとしてほぼ均一に分散していることがあってもよい。
As過剰の程度は、0.2%以下(すなわちAsの原子
%は50.00〜50.02)と考えられる。これは格
子定数において0.08%以下の格子の歪(50.02
のとき)として現れると考えられる。ただしこれらの値
は、文献(半導体研究第23巻、化合物半導体の結晶成
長と完全性、西澤潤一編、工業調査会、1985,P3
5およびZ.Liliental−Weber,et
al.,Applied Physics Lette
r,Volume 58,2153(1991)から推
測した値である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体装置及びその製法は、集積化等に特に必要とされる技
術である。集積度が上がるに従い、グレーティングを作
成する方向は面方位に関係なくまちまちになってくる。
このとき、上記に示したドーピングによる弊害が生じる
ならばデバイス作成に支障をきたす。本発明の方法は、
レーザのグレーティング構造に関わらず、SiがV族サ
イトに入りやすい状態の時、Snにより電気的改善をは
かることを提案したものである。
体装置及びその製法は、集積化等に特に必要とされる技
術である。集積度が上がるに従い、グレーティングを作
成する方向は面方位に関係なくまちまちになってくる。
このとき、上記に示したドーピングによる弊害が生じる
ならばデバイス作成に支障をきたす。本発明の方法は、
レーザのグレーティング構造に関わらず、SiがV族サ
イトに入りやすい状態の時、Snにより電気的改善をは
かることを提案したものである。
【0041】また、本発明の熱処理工程を含む化合物半
導体装置の製造方法によれば、余分の保護層を形成する
こと無く、成膜した構造自体が熱処理時の余剰蒸気圧源
として機能するので、再成長工程を含む構造の成膜時に
おいてデバイス特性の劣化を防ぐことができる。また、
熱処理工程を含むデバイスの作成時には工程数を減らす
ことができる。
導体装置の製造方法によれば、余分の保護層を形成する
こと無く、成膜した構造自体が熱処理時の余剰蒸気圧源
として機能するので、再成長工程を含む構造の成膜時に
おいてデバイス特性の劣化を防ぐことができる。また、
熱処理工程を含むデバイスの作成時には工程数を減らす
ことができる。
【図1】本発明の第1実施例を説明する図である。
【図2】各面上にSiドープGaAsとSnドープGa
Asを積層した時の導電型を示した表である。
Asを積層した時の導電型を示した表である。
【図3】本発明の第2実施例を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施例として、回折格子を有す
るGaAs−AlGaAs系半導体レーザを作製する工
程を示した図である。
るGaAs−AlGaAs系半導体レーザを作製する工
程を示した図である。
【図5】本発明の第4実施例を説明する図である。
【図6】As過剰層によってAsの脱離が抑えられてい
ることを示すグラフ図である。
ることを示すグラフ図である。
【図7】半導体装置の従来例を説明する図である。
【図8】回折格子の形成法を示す図である。
【図9】回折格子上の再成長工程を説明する図である。
【図10】(001)面GaAs上に[1−10]軸方
向に沿って溝を切った構成を示す図である。
向に沿って溝を切った構成を示す図である。
41 p−GaAs基板 42 BeドープGaAs層 43 BeドープAlGaAs層 44 GRIN−SCH領域であるp−AlGaAs層 45 アンドープGaAs活性層 46 GRIN−SCH領域であるn−AlGaAs層 47 n−AlGaAsキャリアブロック層 48 n−AlGaAs光ガイド層 48、65 回折格子 50 Snドープn−AlGaAs層 51 Siドープn−AlGaAs層 52 SiドープGaAsキャップ層 53,71 n型電極 54,70 p型電極 61 n−GaAs基板 62 SiドープGaAsバッファ層 63 SiドープAlGaAsクラッド層 64 SiドープAlGaAs光ガイド層 66 SnドープAlGaAsキャリアブロック層 67 アンドープAlGaAs活性層 68 BeドープAlGaAsクラッド層 69 BeドープGaAsキャップ層 111 n+−GaAs基板 112 n−GaAsバッファ層 113 n−AlGaAsクラッド層 114、116 光閉じ込め層 115 量子井戸活性層 117 キャリアブロック層 118 光ガイド層 118a 回折格子 119 p−AlGaAsクラッド層 120 p−GaAsキャップ層 122 無添加半絶縁性GaAs結晶基板 123 高抵抗AlGaAsクラッド層 124 MQW活性層 125 高抵抗AlGaAsクラッド層 126 GaAsキャップ層 127 イオン打ち込み時のマスク 128 高抵抗Al0.5Ga0.5Asクラッド層 129 n−GaAsキャップ層 130 p−コンタクト 131 n−コンタクト
Claims (9)
- 【請求項1】 ほぼ[1−10]を中心に±15°以内
の軸上を中心に(001)面となす角が10°以上の面
を含む結晶基板表面上に、Snをドーパントとして構成
された層を含むことを特徴とする半導体装置 - 【請求項2】 ほぼ[1−10]軸を中心に(001)
面となす角が20°以上の面を含む結晶基板表面上に、
Snをドーパントとして構成された層を含むことを特徴
とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項3】 該Snをドーパントとして構成された半
導体膜の主要構成元素がIII−V 族化合物半導体で
あることを特徴とする請求項1または2記載のの半導体
装置。 - 【請求項4】 該Snをドーパントとして構成された半
導体膜の主要構成元素がGaAsである請求項1または
2記載の半導体装置。 - 【請求項5】 該Snをドーパントとして構成された層
が波長選択を目的としたグレーティング上に形成されて
いることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装
置。 - 【請求項6】 ほぼ[1−10]を中心に±15°以内
の軸上を中心に(001)面となす角が10°以上の面
を含む結晶基板表面上に、Snをドーパントとして層を
構成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項7】 熱処理工程において基板の最上層として
露出する層を、蒸気圧の高い元素過剰の条件で成膜した
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項8】 熱処理工程時の前記露出層をAlxGa
1-xAsあるいはGaAs層とし、この層は、基板温度
を500°C以下にして真空蒸着して成長した層であ
り、V族とIII族の飛来分子数比を1以上2以下に保
って成長したことを特徴とする請求項7記載の半導体装
置の製造方法。 - 【請求項9】 前記熱処理工程が、その上に新たなII
I−V族化合物半導体層を成膜する再成長工程であるこ
とを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35356692A JPH06181362A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35356692A JPH06181362A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06181362A true JPH06181362A (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=18431706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35356692A Pending JPH06181362A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06181362A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996012328A1 (fr) * | 1994-10-18 | 1996-04-25 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Laser a semi-conducteur |
WO1997009760A1 (en) * | 1995-09-08 | 1997-03-13 | Sarnoff Corporation | Semiconductor distributed feedback laser diode |
US5728605A (en) * | 1994-01-18 | 1998-03-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for producing an optical semiconductor device having a carrier injection path or an electric-field applying path |
JP2010045256A (ja) * | 2008-08-15 | 2010-02-25 | Fujitsu Ltd | 半導体レーザ及び半導体レーザの製造方法 |
-
1992
- 1992-12-14 JP JP35356692A patent/JPH06181362A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5728605A (en) * | 1994-01-18 | 1998-03-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for producing an optical semiconductor device having a carrier injection path or an electric-field applying path |
WO1996012328A1 (fr) * | 1994-10-18 | 1996-04-25 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Laser a semi-conducteur |
US6118799A (en) * | 1994-10-18 | 2000-09-12 | Mitsui Chemicals, Inc. | Semiconductor laser device |
WO1997009760A1 (en) * | 1995-09-08 | 1997-03-13 | Sarnoff Corporation | Semiconductor distributed feedback laser diode |
JP2010045256A (ja) * | 2008-08-15 | 2010-02-25 | Fujitsu Ltd | 半導体レーザ及び半導体レーザの製造方法 |
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