JPH06181325A - 光起電力素子及び発電システム - Google Patents

光起電力素子及び発電システム

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JPH06181325A
JPH06181325A JP43A JP33206092A JPH06181325A JP H06181325 A JPH06181325 A JP H06181325A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 33206092 A JP33206092 A JP 33206092A JP H06181325 A JPH06181325 A JP H06181325A
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俊光 狩谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は堆積速度を向上させた従来の光起電
力素子において、光励起キャリアーの再結合を防止し、
開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した光起電
力素子を提供することを目的とする。 【構成】 水素を含有する非単結晶シリコン系のp型
層、i型層、n型層を積層して構成され、i型層がマイ
クロ波プラズマCVD法によって形成された光起電力素
子において、i型層は、H、Ge、Sn、C、価電子制
御剤の内少なくとも1種を含み、H、Ge、Sn、Cの
含有量が層厚方向になめらかに変化したi型層であり、
且つp型層及びn型層の内少なくともひとつの層はマイ
クロ波プラズマCVD法で形成された層(MWドーピン
グ層)とRFプラズマCVD法で形成された層(RFド
ーピング層)との積層構造からなり、RFド−ピング層
がMWド−ピング層とi型層に挟まれるように配置され
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非単結晶シリコン系半導
体材料からなるpin型の光起電力素子に関するもので
ある。特にドーピング層及びi型層がマイクロ波プラズ
マCVD法(MWPCVD法)で形成された光起電力素
子に関するものである。加えて該光起電力素子を利用し
た発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年より堆積速度が速く、且つ原料ガス
利用効率が優れているMWPCVD法を用いて光起電力
素子の検討が精力的に行われている。例えば、i型層を
MWPCVD法で形成した例としては、”マイクロ波プ
ラズマCVD法によるa−Si太陽電池”、東 和文、
渡辺猛志、嶋田寿一、第50回応用物理学会学術講演会
予稿集 pp.566等が挙げられる。この光起電力素
子ではi型層をMWPCVD法で形成することによって
良質、且つ堆積速度の速いi型層を得ている。
【0003】またド−ピング層をMWPCVD法で形成
した例としては、例えば”High Efficiency Amorphous
Solar Cell Employing ECR-CVD Produced p-TypeMicroc
rystalline SiC Film”,Y.Hattori,D.Kruangam,T.Toya
ma,H.Okamoto and Y.Hamakawa,Proceedings of the Int
ernational PVSEC-3 Tokyo Japan l987pp.171,”HIGH-
CONDUCTIVE WIDE BAND GAP P-TYPE a-SiC:H PREPARED B
Y ECR CVD ANDITS APPLICATION TO HIGH EFFICIENCY a-
Si BASIS SOLAR CELLS” ,Y.Hattori,D.Kruangam,K.K
atou,Y.Nitta,H.Okamoto and Y.Hamakawa,Proceedings
of l9th IEEE Photovoltaic Specialists Conference l
987 pp.689.等が挙げられる。
【0004】これらの光起電力素子ではp型層にMWP
CVD法を用いることによって良質なp型層を得てい
る。
【0005】しかしこれらの例では、i型層、およびp
型層の形成の両方にMWPCVD法が利用されてはいな
い。現状ではMWPCVD法で形成したi型層とMWP
CVD法で形成したドーピング層を積層すると、界面に
欠陥準位が多く発生し、良好な特性を有する光起電力素
子が得られないためと考えられる。
【0006】上記の従来の光起電力素子では、i型層の
形成およびドーピング層の形成の両方にMWPCVD法
が使用する場合、p/i界面、n/i界面近傍での光励
起キャリアーの再結合、開放電圧、及び正孔のキャリア
ーレンジの向上が望まれている。
【0007】またドーピング層、及びi型層をMWPC
VD法で形成した光起電力素子は、光起電力素子に光を
照射した場合に光電変換効率が低下(光劣化)するとい
う問題点があった。
【0008】さらにドーピング層、及びi型層をMWP
CVD法で形成した光起電力素子はドーピング層とi型
層の界面近傍に歪があり長期間、振動がある環境に置く
と光電変換効率が低下(振動劣化)するという問題点が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決する光起電力素子を提供することを目的とし
ている。即ち、本発明は堆積速度を向上させた従来の光
起電力素子において、光励起キャリアーの再結合を防止
し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した光
起電力素子を提供することを目的としている。
【0010】また、本発明は、光起電力素子に光を照射
した場合の光電変換効率の低下を抑制した光起電力素子
を提供することを目的としている。
【0011】さらに本発明は、長期間振動下に光起電力
素子を置いた場合に光電変換効率が低下することを抑制
した光起電力素子を提供することを目的としている。
【0012】またさらに、本発明は上記目的を達成した
光起電力素子を利用した発電システムを提供することを
目的としている。
【0013】またさらに、本発明は優れた生産性を有す
る光起電力素子を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の問題点を
解決し、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、
見いだされたものであって、本発明の光起電力素子は、
水素を含有する非単結晶シリコン系半導体材料からなる
p型層、i型層、n型層を積層して構成され、該i型層
がマイクロ波プラズマCVD法によって形成された光起
電力素子において、該i型層の水素含有量が層厚方向に
なめらかに変化し、且つ該p型層及びn型層のうち少な
くともひとつの層はマイクロ波プラズマCVD法で形成
された層(MWドーピング層)とRFプラズマCVD法
で形成された層(RFドーピング層)との積層構造から
なり、該RFド−ピング層が該MWド−ピング層と該i
型層に挟まれるように配置されたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の光起電力素子は、水素を含
有する非単結晶シリコン系半導体材料からなるp型層、
i型層、n型層を積層して構成され、該i型層がマイク
ロ波プラズマCVD法によって形成された光起電力素子
において、該i型層はゲルマニウム原子、スズ原子及び
炭素原子の内少なくとも1種を含み、ゲルマニウム原
子、スズ原子、炭素原子の含有量が層厚方向になめらか
に変化したi型層であり、且つ該p型層及びn型層のう
ち少なくともひとつの層はマイクロ波プラズマCVD法
で形成された層(MWドーピング層)とRFプラズマC
VD法で形成された層(RFドーピング層)との積層構
造からなり、該RFド−ピング層が該MWド−ピング層
と該i型層に挟まれるように配置されたことを特徴とす
る。
【0016】更に本発明の光起電力素子は、水素を含有
する非単結晶シリコン系半導体材料からなるp型層、i
型層、n型層を積層して構成され、該i型層がマイクロ
波プラズマCVD法によって形成された光起電力素子に
おいて、該i型層はドナーとなる価電子制御剤とアクセ
プターとなる価電子制御剤が共に含有されたi型層であ
り、且つ該p型層及びn型層のうち少なくともひとつの
層はマイクロ波プラズマCVD法で形成された層(MW
ドーピング層)とRFプラズマCVD法で形成された層
(RFドーピング層)との積層構造からなり、該RFド
−ピング層が該MWド−ピング層と該i型層に挟まれる
ように配置されたことを特徴とする。
【0017】本発明の望ましい形態としては、前記ドナ
ー及びアクセプターとなる価電子制御剤の含有量は層厚
方向になめらかに変化し、且つ前記i型層の2つの界面
の内少なくとも一方の界面近傍で、該含有量が最大とな
ることを特徴とする光起電力素子である。
【0018】また本発明の望ましい形態としては、前記
i型層の2つの界面のうち少なくとも一方の界面近傍
で、該i型層の水素含有量が最大となっている光起電力
素子である。
【0019】また本発明の望ましい形態としては、前記
RFドーピング層の2つの界面のうち少なくとも一方の
界面近傍で、該層の価電子制御剤の含有量が最大となっ
ている光起電力素子である。
【0020】また本発明の望ましい形態としては、前記
RFドーピング層の2つの界面のうち少なくとも一方の
界面近傍で、該層の水素含有量が最大となっている光起
電力素子である。
【0021】また本発明の望ましい形態としては、前記
MWドーピング層の2つの界面のうち少なくとも一方の
界面近傍で、該層の水素含有量が最大となっている光起
電力素子である。
【0022】また本発明の望ましい形態としては、前記
MWドーピング層の2つの界面のうち少なくとも一方の
界面近傍で、該層の価電子制御剤の含有量が最大となっ
ている光起電力素子である。
【0023】また本発明の望ましい形態としては、前記
i型層と前記RFドーピング層との間にRFPCVD法
で形成されたi型の層(RF−i層)を有する光起電力
素子である。
【0024】また本発明の望ましい形態としては、前記
RF−i層にドナーとなる価電子制御剤とアクセプタ−
となる価電子制御剤をともに含有させた光起電力素子で
ある。
【0025】また本発明の望ましい形態としては、前記
RF−i層の2つの界面のうち少なくとも一方の界面近
傍で、該層の水素含有量が最大となっている光起電力素
子である。
【0026】また本発明の望ましい形態としては、前記
i型層または/及びRF−i層にスズ原子を含有させ、
該層が非晶質シリコン・スズからなる光起電力素子であ
る。また本発明の望ましい形態としては、前記i型層、
RF−i層、MWドーピング層、RFド−ピング層の少
なくともひとつの層に酸素または/及び窒素原子を含有
させた光起電力素子である。
【0027】また本発明の発電システムは上記の光起電
力素子と、該光起電力素子の電圧及び/または電流をモ
ニターし蓄電池及び/または外部負荷への前記光起電力
素子からの電力の供給を制御する制御システムと、前記
光起電力素子からの電力の蓄積及び/または外部負荷へ
の電力の供給を行う蓄電池と、から構成されていること
を特徴としている。
【0028】以下図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。
【0029】図1(a)は本発明の光起電力素子の模式
的説明図である。図1(a)において、本発明の光起電
力素子は基板101、MWPCVD法で形成され、n型
の伝導型を有するMWn型層102、RFPCVD法で
形成され、n型の伝導型を有するRFn型層103、M
WPCVD法で形成され、i型層104、RFPCVD
法で形成され、p型の伝導型を有するRFp型層10
5、MWPCVD法で形成され、p型の伝導型を有する
MWp型層106、透明電極107、及び集電電極10
8等から構成される。
【0030】図1(b)は本発明の光起電力素子の模式
的説明図の他の例である。図1(b)において、本発明
の光起電力素子は基板111、n型の伝導型を有するn
型層112、i型層114、RFp型層115、MWp
型層116、透明電極117、及び集電電極118等か
ら構成される。
【0031】図1(c)は本発明の光起電力素子の模式
的説明図の他の例である。図1(c)において、本発明
の光起電力素子は基板121、MWn型層122、RF
n型層123、i型層124、p型の伝導型を有するp
型層125、透明電極127、及び集電電極128等か
ら構成される。
【0032】図1(a)〜図1(c)においてn型層、
p型層はRFPCVD法またはMWPCVD法で形成さ
れるが、RFPCVD法で形成するのが望ましい。
【0033】さらに図1(a)〜図1(c)のようなp
in型構造の光起電力素子の他に、n型層とp型層の積
層順序を逆にしたnip型構造の光起電力素子であって
もよい。 さらに図1(a)〜図1(c)のようなpi
n型構造の光起電力素子において、積層構造を有するド
ーピング層とi型層の間にRFPCVD法で形成された
i型層(RF−i層)を有する図2(a)〜図2(c)
のような光起電力素子であってもよい。
【0034】またさらに本発明の積層構造を有するド−
ピング層はRFp型層/MWp型層/RFp型層/i型
層、i型層/RFn型層/MWn型層/RFn型層等の
ような(RF/MW)n/RF型の3つ以上の層からな
る積層構造であってもよいし、あるいはMWp型層/R
Fp型層/MWp型層/RFp型層/i型層等のような
(MW/RF)n型の積層構造であってもよい。
【0035】また本発明の光起電力素子はpinpin
構造やpinpinpin構造等のpin構造を積層し
たものであってもよい。
【0036】また本発明の光起電力素子はnipnip
構造やnipnipnip構造等のnip構造を積層し
たものであってもよい。
【0037】本発明の光起電力素子ではMWドーピング
層、及びi型層を形成する際、MWPCVD法を用いて
いるため、堆積速度が速く、スループットを向上させる
ことができ、さらには原料ガスの利用効率を向上させる
ことができ、優れた生産性を有するものである。
【0038】また本発明の光起電力素子ではドーピング
層をMWPCVD法で形成しているために、光起電力素
子として良好な特性を有するドーピング層が得られる。
すなわち、該ドーピング層は光の透過性がよく、電気伝
導度が高く、活性化エネルギーが小さいためド−ピング
層として優れており、特に光入射側のドーピング層とし
て有効である。さらにMWPCVD法で形成しているた
めに良質な微結晶シリコン系半導体材料、またはバンド
ギャップの広い良質な非晶質シリコン系半導体材料を比
較的容易に形成することができ、光入射側のドーピング
層として有効である。
【0039】さらに本発明の光起電力素子ではドーピン
グ層をMWPCVD法で形成しているために光起電力素
子の光劣化、とりわけ開放電圧の劣化を抑制することが
できる。その詳細なメカニズムは不明であるが、以下の
ように考えられる。一般的には光照射によって生成した
未結合手がキャリアーの再結合中心になり光起電力素子
の特性が劣化するものと考えられている。MWPCVD
法で形成されたドーピング層(MWドーピング層)は堆
積速度2nm/sec以上の速度で形成されるために、
導入される価電子制御剤が100%活性化されず、未結
合手が発生してもそれを不活性な価電子制御剤がターミ
ネートするため、光起電力素子の特性、特に開放電圧の
低下を抑制することができると考えられる。
【0040】また上記MWPCVD法で形成されたi型
層とMWドーピング層の間にRFPCVD法で形成され
たドーピング層(RFドーピング層)があるために、界
面準位を減少させることができ、光電変換効率を向上で
きるものである。その詳細なメカニズムは不明である
が、以下のように考えられる。
【0041】RFドーピング層は、気相反応が起こりに
くい低パワーで形成し、堆積速度を1nm/sec以下
にすることが望ましい。その結果パッキング・デンシテ
ィーは高くなり、且つ該層をi型層と積層した場合に、
各層の界面準位が少なくなるものである。特にi型層の
堆積速度が5nm/sec以上の場合において、マイク
ロ波によってグロー放電を励起した直後、あるいは停止
した直後ではi型層の表面近傍は充分に緩和していない
ために表面準位が多くなっているものである。堆積速度
の遅いRFドーピング層上にi型層を形成することによ
って、グロー放電を生起した直後におけるi型層の初期
膜は下地の影響を受け、パッキング・デンシテイーが高
くなり、ダングリングボンドが少ない層になっており、
表面準位が減少しているものと考えられる。
【0042】またi型層の表面に堆積速度の遅いRFド
ーピング層を形成することによつて、i型層の表面準位
を、RFドーピング層の形成と同時に起こる水素原子の
拡散によるアニーリングによって減少させることができ
ているものと考えられる。
【0043】加えて本発明の光起電力素子は、振動劣化
しにくいものである。この詳細なメカニズムは不明であ
るが、構成元素比が非常に異なるMWドーピング層とi
型層の間にRFドーピング層を設けることによって局所
的な柔軟性が増し、MWドーピング層とi型層との問の
局所的な歪を緩和することができ、歪による欠陥準位の
発生を防止することができ、長期間の振動下に置いても
光起電力素子の光電変換効率の低下を抑制することがで
きるものと考えられる。このことはRFドーピング層の
両界面で水素含有量が多くなっている場合に特に効果が
ある。
【0044】加えて本発明の光起電力素子は、光劣化し
にくいものである。そのメカニズムの詳細は不明である
が、一般的にはドーピング層の界面近傍には多くのウィ
ークボンドが存在し、光によってウィークボンドが切れ
るために光起電力素子の特性が劣化すると考えられてい
る。本発明の場合、RFドーピング層または/及びMW
ドーピング層の界面近傍に多くの価電子制御剤を導入す
ることで、光照射によって未結合手が生成したとして
も、それらが活性化していない価電子制御剤と反応して
未結合手を補償するものと考えられる。
【0045】層厚方向に対する価電子制御剤含有量の変
化パターンとしては図11に示す例が好適な例として挙
げられる。図11において(B含有量)はアクセプター
となる価電子制御剤の含有量を示し、(P含有量)はド
ナーとなる価電子制御剤の含有量を示す。
【0046】図11(a)はドーピング層の両界面で含
有量が極大となり、光入射側の界面で含有量の急激な勾
配があるようにした例である。バンドギャップの小さい
i型層を有する光起電力素子に対して特に効果がある。
図11(b)はドーピング層の光入射側の界面で含有量
が最大、反対の界面で最小となるようにし、光入射側で
含有量の急激な勾配があるようにした例である。バンド
ギャップの小さいi型層を有する光起電力素子に対して
特に効果がある。図11(c)はドーピング層の両界面
で含有量が極大となるようにし、両界面側で含有量の急
激な勾配があるようにした例である。特にp型層側から
光を入射させた場合、効果がある。バンドギャップの大
きな材料からなるi型層を有する光起電力素子に対して
特に効果がある。
【0047】本発明の光起電力素子はi型層の水素含有
量が層厚方向になめらかに変化しているものである。そ
うすることによって光電変化効率が向上する。すなわ
ち、例えば図3(a)のようにi型層のp型層側、n型
層側水素含有量を多くし、且つ水素含有量が最小となる
ところをバルク内部のp型層側にすることによって図6
(a)に見られるようにi型層のバンドギャップはp型
層側、n型層側で極大となり、最小値はバルク内部のp
型層側となる。このためi型層のp型層側では伝導帯の
電界が大きいことによって電子と正孔の分離が効率よく
行われ、p型層とi型層の界面近傍での電子と正孔の再
結合を減少させることができる。また電子がp型層に逆
拡散することを抑制することができる。さらにi型層か
らn型層に向かって価電子帯の電界が大きくなっている
ことによってi型層のn型層側で励起された電子と正孔
の再結合を減少させることができる。
【0048】またドーピング層とi型層の界面近傍にお
いて水素含有量を多くすることによって欠陥準位が水素
原子で補償されることによって欠陥準位を介したホッピ
ング伝導による暗電流(逆バイアス時)が減少し、光起
電力素子の開放電圧及びフィルファクターを向上させる
ことができる。
【0049】またバルク内部よりも界面近傍に水素原子
を多く含有させることによって、界面近傍特有の構成元
素が急激に変化することによる歪等の内部応力を減少さ
せることができる。その結果、長時間振動下に置いても
光電変換効率が低下することを抑制することができる。
【0050】また特にi型層とドーピング層の間がへテ
ロ接合(Si/SiGe、Si/SiCなど)からなる
場合において特に効果がある。一般的にはへテロ接合の
界面には多くの界面準位、内部応力が存在すると考えら
れる。本発明の光起電力素子ではへテロ接合の界面近傍
に多くの水素原子を含有させることによって、界面準位
を減少させ、さらには内部応力を緩和することができ
る。
【0051】一般的に非晶質シリコン系半導体材料から
なるi型層中の水素含有量を多くするとバンドギャップ
が大きくなることが知られている。
【0052】以下、図面を参照にしながら、バンドギャ
ップの層厚方向の変化から考えた、本発明の光起電力素
子におけるi型層の水素含有量の望ましい変化パターン
の例を説明する。
【0053】図3(a)では前述したようにp型層側で
水素含有量を急激に変化させ、含有量の最小値がバルク
内部のp型層側にある例である。この場合、バンドギャ
ップは図6(a)のようになり、p型層側から光を入射
させると、前記p型層とi型層の界面近傍の高電界及び
n型層とi型層の界面近傍の高電界をさらに有効に利用
することができ、i型層中で光励起された電子と正孔の
収集効率を向上させることができる。またnip型の光
起電力素子でn型層側から光を入射させる場合には変化
パタ―ンを層厚方向に対して逆にすればよい。またi型
層のバンドギャップが小さい場合、特に効果がある。ま
たp/i界面がへテロ接合からなる場合、特に効果があ
る。
【0054】図3(b)ではp型層側からn型層側にゆ
っくりと変化させ、含有量の最小値がp型層との界面に
ある例である。この場合、バンドギャップは図6(b)
のようになり、i型層の全領域にわたって価電子帯の電
界を大きくすることができ、特に正孔に対するキャリア
レンジを向上させることができ、フィルファクターを改
善することができる。またnip型の光起電力素子でn
型層側から光を入射する場合、変化パターンを層厚方向
に対して逆にすればよい。またi型層のバンドギャップ
が小さい場合、特に効果がある。
【0055】図3(c)ではi型層のp型層側およびn
型層側で水素含有量が急激に変化している例である。こ
の場合、バンドギャップは図6(c)のようになり、i
型層のp型層側で伝導帯の電界を大きくすることがで
き、特に電子のp型層への逆拡散を抑制することができ
る。またi型層とn型層側で価電子帯の電界を強くする
ことができ、特に正孔のn型層への逆拡散を抑制するこ
とができる。また図3(c)のような水素含有量、およ
び図6(c)のようなバンドギャップの変化パターンは
バンドギャップの大きなi型層を有する光起電力素子に
対して特に効果がある。すなわち図6(c)においてp
型層側から光を入射した場合、バンドギャップの大きな
i型層では光を充分吸収しきれず、i型層とn型層の界
面近傍での光励起キャリアーは再結合することなく、こ
の界面近傍での強い電界によって分離され、収集効率を
上げることができる。またさらに光反射層を有する光起
電力素子に対して効果がある。
【0056】すなわち光反射層を有する光起電力素子に
おいては、両方の層から光が入射されるために同様に収
集効率を上げることができる。上記のようにキャリアレ
ンジを向上させることができ、フィルファクターを向上
させることができる。さらに、振動の大きい環境で光起
電力素子を使用する場合、特に効果がある。p/i界
面、n/i界面がへテロ接合からなる場合、特に効果が
ある。
【0057】また、非晶質シリコン系半導体材料からな
るi型層中のゲルマニウムまたは/及びスズ含有量を多
くするとバンドギャップが小さくなることが知られてい
る。
【0058】本発明の光起電力素子はi型層のゲルマニ
ウムまたは/及びスズ含有量が層厚方向になめらかに変
化しているものである。そうすることによって光電変化
効率が向上する。すなわち、例えば図4(a)のように
i型層のp型層側、n型層側ゲルマニウムまたは/及び
スズ含有量を少なくし、且つゲルマニウムまたは/及び
スズ含有量が最大となるところをバルク内部のp型層側
にすることによって図7(a)に見られるようにi型層
のバンドギャップはp型層側、n型層側で極大となり、
最小値はバルク内部のp型層側となる。このためi型層
のp型層側では伝導帯の電界が大きいことによって電子
と正孔の分離が効率よく行われ、p型層とi型層の界面
近傍での電子と正孔の再結合を減少させることができ
る。また電子がp型層に逆拡散することを抑制すること
ができる。さらにi型層からn型層に向かって価電子帯
の電界が大きくなっていることによってi型層のn型層
側で励起された電子と正孔の再結合を減少させることが
できる。
【0059】またドーピング層とi型層の界面近傍にお
いてゲルマニウムまたは/及びスズ含有量を少なくする
ことによって、光起電力素子の開放電圧及びフィルファ
クターを向上させることができる。
【0060】またバルク内部よりも界面近傍にゲルマニ
ウムまたは/及びスズ原子を少なく含有させることによ
って、界面近傍特有の構成元素が急激に変化することに
よる歪等の内部応力を減少させることができる。その結
果、長時間振動下に置いても光電変換効率が低下するこ
とを抑制することができる。
【0061】またi型層とドーピング層の間がへテロ接
合(Si/SiGe、SiC/SiGeなど)からなる
場合において特に効果がある。一般的にはへテロ接合の
界面には多くの界面準位、内部応力が存在すると考えら
れる。本発明の光起電力素子ではへテロ接合の界面近傍
にゲルマニウムまたは/及びスズ原子を少なく含有させ
ることによって、界面準位を減少させ、さらには内部応
力を緩和することができる。
【0062】次に本発明の光起電力素子におけるi型層
のゲルマニウムまたは/及びスズ原子含有量の望ましい
変化パターンの例を説明する。
【0063】図4(a)では前述したようにp型層側で
ゲルマニウムまたは/及びスズ原子含有量を急激に変化
させ、含有量の最大値がバルク内部のp型層側にある例
である。この場合、バンドギャップは図7(a)のよう
になり、p型層側から光を入射させると、前記p型層と
i型層の界面近傍の高電界及びn型層とi型層の界面近
傍の高電界をさらに有効に利用することができ、i型層
中で光励起された電子と正孔の収集効率を向上させるこ
とができる。またnip型の光起電力素子でn型層側か
ら光を入射させる場合には変化パタ―ンを層厚方向に対
して逆にすればよい。またi型層のバンドギャップが小
さい場合、特に効果がある。
【0064】図4(b)ではp型層側からn型層側にゆ
っくりと変化させ、含有量の最大値がp型層との界面に
ある例である。この場合、バンドギャップは図7(b)
のようになり、i型層の全領域にわたって価電子帯の電
界を大きくすることができ、特に正孔に対するキャリア
レンジを向上させることができ、フィルファクターを改
善することができる。またnip型の光起電力素子でn
型層側から光を入射する場合、変化パターンを層厚方向
に対して逆にすればよい。またi型層のゲルマニウムま
たは/及びスズ原子含有量が比較的多い場合特に効果が
ある。
【0065】図4(c)ではi型層のp型層側およびn
型層側でゲルマニウムまたは/及びスズ原子含有量が急
激に変化している例である。この場合、バンドギャップ
は図7(c)のようになり、i型層のp型層側で伝導帯
の電界を大きくすることができ、特に電子のp型層への
逆拡散を抑制することができる。またi型層とn型層側
で価電子帯の電界を強くすることができ、特に正孔のn
型層への逆拡散を抑制することができる。またゲルマニ
ウムまたは/及びスズ原子含有量の比較的少ないi型層
を有する光起電力素子に対して特に効果がある。すなわ
ち図7(c)においてp型層側から光を入射した場合、
バンドギャップの大きなi型層では光を充分吸収しきれ
ず、i型層とn型層の界面近傍での光励起キャリアーは
再結合することなく、この界面近傍での強い電界によっ
て分離され、収集効率を上げることができる。またさら
に光反射層を有する光起電力素子に対して効果がある。
すなわち光反射層を有する光起電力素子においては、両
方の層から光が入射されるために同様に収集効率を上げ
ることができる。
【0066】更に、非晶質シリコン系半導体材料からな
るi型層中の炭素含有量を多くするとバンドギャップが
大きくなることが知られている。
【0067】本発明の光起電力素子はi型層の炭素原子
の含有量が層厚方向になめらかに変化しているものであ
る。そうすることによって光電変化効率が向上する。す
なわち、例えば図5(a)のようにi型層のp型層側、
n型層側で炭素含有量を多くし、且つ炭素含有量が最小
となるところをバルク内部のp型層側にすることによっ
て図8(a)に見られるようにi型層のバンドギャップ
はp型層側、n型層側で極大となり、最小値はバルク内
部のp型層側となる。このためi型層のp型層側では伝
導帯の電界が大きいことによって電子と正孔の分離が効
率よく行われ、p型層とi型層の界面近傍での電子と正
孔の再結合を減少させることができる。また電子がp型
層に逆拡散することを抑制することができる。さらにi
型層からn型層に向かって価電子帯の電界が大きくなっ
ていることによってi型層のn型層側で励起された電子
と正孔の再結合を減少させることができる。
【0068】また内部よりも界面近傍に炭素原子を多く
含有させることによって、界面近傍特有の構成元素が急
激に変化することによる歪等の内部応力を減少させるこ
とができる。その結果、長時間振動下に置いても光電変
換効率が低下することを抑制することができる。ドーピ
ング層との接合がホモ接合である場合に特に効果があ
る。
【0069】以下、図面を参照にしながら、本発明の光
起電力素子におけるi型層の炭素含有量の望ましい変化
パターンの例を説明する。
【0070】図5(a)では前述したようにp型層側で
炭素含有量を急激に変化させ、含有量の最小値がバルク
内部のp型層側にある例である。この場合、バンドギャ
ップは図8(a)のようになり、p型層側から光を入射
させると、前記p型層とi型層の界面近傍の高電界及び
n型層とi型層の界面近傍の高電界をさらに有効に利用
することができ、i型層中で光励起された電子と正孔の
収集効率を向上させることができる。またnip型の光
起電力素子でn型層側から光を入射させる場合には変化
パタ―ンを層厚方向に対して逆にすればよい。またi型
層に含有される炭素原子が比較的少ない場合特に効果が
ある。
【0071】図5(b)ではp型層側からn型層側にゆ
っくりと変化させ、含有量の最小値がp型層との界面に
ある例である。この場合、バンドギャップは図8(b)
のようになり、i型層の全領域にわたって価電子帯の電
界を大きくすることができ、特に正孔に対するキャリア
レンジを向上させることができ、フィルファクターを改
善することができる。またnip型の光起電力素子でn
型層側から光を入射する場合、変化パターンを層厚方向
に対して逆にすればよい。またi型層の炭素原子が比較
的少ない場合に特に効果がある。
【0072】図5(c)ではi型層のp型層側およびn
型層側で炭素原子の含有量が急激に変化している例であ
る。この場合、バンドギャップは図8(c)のようにな
り、i型層のp型層側で伝導帯の電界を大きくすること
ができ、特に電子のp型層への逆拡散を抑制することが
できる。またi型層とn型層側で価電子帯の電界を強く
することができ、特に正孔のn型層への逆拡散を抑制す
ることができる。また炭素原子の含有量が比較的多いi
型層を有する光起電力素子に対して特に効果がある。す
なわち図8(c)においてp型層側から光を入射した場
合、バンドギャップの大きなi型層では光を充分吸収し
きれず、i型層とn型層の界面近傍での光励起キャリア
ーは再結合することなく、この界面近傍での強い電界に
よって分離され、収集効率を上げることができる。また
さらに光反射層を有する光起電力素子に対して効果があ
る。すなわち光反射層を有する光起電力素子において
は、両方の層から光が入射されるために同様に収集効率
を上げることができる。
【0073】また、本発明においては、i型層にドナー
となる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤
とを共に含有させることによって、光劣化を抑制するこ
とができる。そのメカニズムの詳細は不明であるが、そ
して本発明の場合、i層内の価電子制御剤は100%活
性化していない。その結果光照射によってウィークボン
ドが切れて未結合手が生成したとしても、それらが活性
化していない価電子制御剤と反応して未結合手を補償す
るものと考えられる。
【0074】また、特にi型層界面近傍にはウィークボ
ンドが数多く存在すると考えられ、本発明の場合、ドー
ピング層との界面近傍には価電子制御剤が多く分布さ
れ、活性化していない価電子制御剤はウィークボンドが
切れて生成した未結合手を補償するものと考えられる。
【0075】また、光起電力素子に照射される光強度が
弱い場合にも、欠陥準位が価電子制御剤によって補償さ
れているため光励起された電子と正孔がトラップされる
確率が減少する。また前記したように逆バイアス時の暗
電流が少ないため十分な起電力を生じることができる。
その結果、光起電力素子への光照射強度が弱い場合でも
優れた光電変換効率を示すものである。
【0076】加えて本発明の光起電力素子は、長期間振
動下に置いても光電変換効率が低下しにくいものであ
る。一般的にはi型層とドーピング層との界面では構成
元素が非常に異なるため、界面には内部応力が存在し、
振動によって未結合手が形成され、光電変換効率が低下
すると考えられている。しかしi型層内部にドナーとな
る価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤が共
に含有されていることによって、未結合手を生成したと
してもそれらが活性化していない価電子制御剤と反応し
て未結合手を補償するものと考えられる。さらに共に含
有されるドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとな
る価電子制御剤が層厚方向になめらかに変化し、且つ界
面近傍で価電子制御剤の含有量が多くなっている場合、
特に効果がある。また特にi型層とドーピング層の間が
へテロ接合(Si/SiGe、Si/SiCなど)から
なる場合において特に効果がある。一般的にはへテロ接
合の界面には多くの界面準位、内部応力が存在すると考
えられる。本発明の光起電力素子ではへテロ接合の界面
近傍に多くの価電子制御剤を含有させることによって、
界面準位を減少させることができる。
【0077】価電子制御剤の層厚方向に対する変化のパ
ターンとしては図11に示した以下の例が挙げられる。
図11においておいて(B含有量)はアクセプターとな
る価電子制御剤の含有量を示し、(P含有量)はドナー
となる価電子制御剤の含有量を示す。
【0078】図11(a)はi型層のp型層側、n型層
側で含有量が極大となり、i型層のバルク内部p型層側
で最小となるようにし、p型層側で含有量の急激な勾配
があるようにした例である。特にp型層側から光を入射
させた場合に効果がある。またnip型の光起電力素子
でn型層側から光を入射する場合、変化パターンを層厚
方向に対して逆にすればよい。さらに、バンドギャップ
の小さいi型層を有する光起電力素子に対して特に効果
がある。
【0079】図11(b)はi型層のp型側で含有量が
最大、n型層で最小となるようにし、p型層側で含有量
の急激な勾配があるようにした例である。特にp型層側
から光を入射させた場合に効果がある。またnip型の
光起電力素子でn型層側から光を入射する場合、変化パ
ターンを層厚方向に対して逆にすればよい。さらにバン
ドギャップの小さいi型層を有する光起電力素子に対し
て特に効果がある。
【0080】図11(c)はi型層のp型層側、n型層
側で含有量が極大となるようにし、p型層側、n型層側
で含有量の急激な勾配があるようにした例である。特に
p型層側から光を入射させた場合、効果がある。nip
型の光起電力素子でn型層側から光を入射する場合、変
化パターンを層厚方向に対して逆にすればよい。図11
(c)のような変化パターンはバンドギャップの大きな
材料からなるi型層を有する光起電力素子に対して特に
効果がある。すなわち、図11(c)において、p型層
側から光を入射した場合、n型層側でもキャリアーが励
起されるためこの領域でも価電子制御剤の含有量を多く
するのが望ましい。
【0081】i型層の場合においてはドナーとなる価電
子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤は互いに補
償するように含有されるのが好ましい。以上の価電子制
御剤の分布は各半導体層にも適用できる。
【0082】また本発明の光起電力素子において、i型
層の価電子帯のテイルステイトの傾きは、光起電力素子
の特性を左右する重要な因子であってバンドギャップの
最小のところのテイルステイトの傾きからバンドギャッ
プ最大のところのテイルステイトの傾きまでなめらかに
連続していることが好ましいものである。
【0083】本発明の光起電力素子においてはRFドー
ピング層とi型層の間に、RFPCVD法で形成された
i型層(RF−i層)を設けることによって、さらに光
電変換効率を向上できるものである。
【0084】例えば、図2(a)においては図1(a)
のRFp型層とi型層の間にRF−i層を設けたもので
ある。また、図2(b)においては図1(a)のRFn
型層とi型層の間にRF−i層を設けたものである。ま
た、図2(c)においては図1(a)のRFn型層とi
型層の間、及びRFp型層とi型層の間にRF−i層を
設けたものである。
【0085】RF−i層は気相反応が起こりにくい低パ
ワーで形成し、堆積速度を1nm/sec以下とするの
がよい。その結果RF−i層のパッキング・デンシティ
ーが高くなり、且つ該RF−i層をi型層と積層した場
合に、i型層の界面準位、ドーピング層の界面準位が少
なくなるものである。特にMWPCVD法によるi型層
の堆積速度が5nm/sec以上の堆積速度で堆積した
場合において、マイクロ波によってグロー放電を開始し
た直後、あるいは停止した直後に、i型層の表面近傍は
充分に緩和していないために界面準位が非常に多くなっ
ている。
【0086】RF−i層の上にi型層を形成することに
よって、放電開始励起直後のi型層は下地の影響を受
け、パッキング・デンシティーが高くなり、ダングリン
グボンドが少ない層になっており、表面準位が減少して
いるものと考えられる。
【0087】i型層の表面にRF−i層を形成すること
によってi型層の表面準位を、RF−i層の形成と同時
に起こる水素原子の拡散によるアニーリングによって減
少させることができているものと考えられる。
【0088】またRF−i層内部にドナーとなる価電子
制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに含有
させることによって光劣化を抑制することができる。そ
のメカニズムの詳細は不明であるが、そして本発明の場
合、RF−i層内にドナーとなる価電子制御剤とアクセ
プターとなる価電子制御剤の両方が含有され、それらは
100%活性化していない。その結果光照射によって未
結合手が生成したとしても、それらが活性化していない
価電子制御剤と反応して未結合手を補償するものと考え
られる。
【0089】更に、RF−i層を有する本発明の光起電
力素子は、長期間振動下に置いても光電変換効率が低下
しにくいものである。この詳細なメカニズムは不明であ
るが、構成元素比が非常に異なる界面近傍において、水
素原子を多く含有させることによって界面近傍に多く存
在する内部応力を緩和でき、欠陥準位の発生を防止する
ことができるものと考えられる。さらに該界面近傍に多
く含有されるドナーとなる価電子制御剤とアクセプター
となる価電子制御剤は100%活性化しておらず、振動
によって結合が切れたとしても活性化していない価電子
制御剤によって未結合手を補償するものである。価電子
制御剤の変化パターンとしては、上述した図11の例が
好適な例として挙げられる。
【0090】また、i型層または/及びRF−i層にス
ズ(Sn)を含有させて、該層を非晶質シリコン・スズ
(a−SiSn)で構成してもよい。Sn原子はシリコ
ン(Si)原子と共有結合し、バンドギャップの小さい
非晶質シリコン系半導体材料を得ることができ、非晶質
シリコン・ゲルマニウム(a−SiGe)のGe原子含
有量と比較して少ないSn含有量で同じバンドギャップ
を得ることができる。従ってa−SiSnの方がa−S
iGeと比較して構造の乱れを少なくしてバンドギャッ
プの狭い半導体を形成することができるものと考えられ
る。また更にSn原子はGe原子と比較して共有結合半
径は大きいものの、より金属的性質であるためSi原子
と合金を形成した場合に構造的な歪を減少させることが
できるものと考えられる。
【0091】本発明に適したa−SiSnのバンドギャ
ップは1.35〜1.55eVであり、Sn含有量とし
ては0.1〜30%が好ましいものである。また水素含
有量は0.1〜30%が好ましい範囲であり、Snに結
合している水素の割合は1〜40%が好ましいものであ
る。
【0092】また本発明に適したa−SiSnの構造
は、マイクロボイドを含有し、該マイクロボイドの半径
とマイクロボイドの数との関係がフラクタル的な関係に
なるように分布しているものである。マイクロボイドの
体積での割合は0.5〜3%が好ましいものである。こ
のようにマイクロボイドが分布することによって、まだ
理由ははっきりわからないが、a−SiGeに比較して
光劣化を抑制することができるものである。
【0093】また、i型層、RF−i層、MWドーピン
グ層、RFドーピング層のうち少なくともひとつの層に
酸素または/及び窒素原子を含有させてもよい。酸素ま
たは/及び窒素原子をi型層、RF−i層に微量(1%
以下)に含有させることによって光起電力素子の振動劣
化を抑制することができる。その詳細なメカニズムは不
明であるが、微量に含有させることによってi型層、R
F−i層の内部応力を緩和できるものと考えられる。さ
らにはRF−i層に含有させることによって、電子また
は正孔の逆拡散を防止することができ、光起電力素子の
光電変換効率を向上することができる。またMWドーピ
ング層、RFドーピング層に微量(1%以下)に含有さ
せることによって層内部の応力を緩和でき、振動劣化を
抑制することができる。また多量(1%以上)に含有さ
せることによって光起電力素子の開放電圧を向上するこ
とができる。好ましくは、酸素または/及び窒素原子の
含有量が層厚方向に変化しているものである。好ましい
変化形態としては一方の界面近傍で含有量が多くなって
いるものである。
【0094】以上pin構造の光起電力素子について説
明したが、pinpin構造やpinpinpin構造
等のpin構造を積層した光起電力素子、あるいはni
pnip構造やnipnipnip構造等のnip構造
を積層した光起電力素子についても適用できるものであ
る。
【0095】このような積層型光起電力素子の場合、n
p接合部(pn接合部)でMWPCVD法で形成した層
が連続しないように、RFn型層/MWn型層/RFp
型層/MWp型層/RFp型層、あるいはRFn型層/
MWn型層/RFn型層/RFp型層/MWp型層/R
Fp型層、といった構造の接合を形成することが望まし
い。
【0096】図9は本発明の光起電力素子の非単結晶シ
リコン系半導体材料からなる半導体層(以下、略して半
導体層と呼ぶ)を形成するのに適した製造装置の模式的
説明図である。該製造装置は、堆積装置400と原料ガ
ス供給装置2000よりなり、堆積装置400は堆積室
401、真空計402、RF電源403、基板404、
ヒーター405、コンダクタンスバルブ407、補助バ
ルブ408、リークバルブ409、RF電極410、ガ
ス導入管411、マイクロ波導波部412、誘電体窓4
13、シャッター415などから構成され、原料ガス供
給装置2000はマスフローコントローラー2011〜
2017、バルブ2001〜2007、2021〜20
27、圧力調整器2031〜2037、原料ガスボンベ
2041〜2047などから構成される。
【0097】本発明の光起電力素子の作製は以下のよう
に行われるものである。
【0098】まず図9の堆積室401内に設置されたヒ
ーター405に基板404を密着させ、堆積室内を10
-4Torr以下に充分に排気する。この排気にはターボ
分子ポンプ、あるいはオイル拡散ポンプが適している。
堆積室内の排気を充分に行った後、H2、He、Ar等
のガスを、半導体層形成用の原料ガスを流したときとほ
ぼ同等の堆積室圧力になるように堆積室内に導入し、ヒ
ーター405のスイッチを入れ基板を100〜500℃
に加熱する。基板の温度が所定の温度で安定したら半導
体層形成用の原料ガスをガスポンベからマスフローコン
トローラーを介して所定の量を堆積室に導入する。堆積
室内ヘ導入される半導体層形成用の原料ガスの供給量
は、堆積室の体積および所望の堆積速度によって適宜決
定されるものである。
【0099】半導体層をMWPCVD法で形成する場
合、半導体層形成中の圧力は、非常に重要な因子であ
り、最適な堆積室内の圧力は、0.5〜50mTorr
が好適である。
【0100】また堆積室内に導入されるMW電力は、重
要な因子である。該MW電力は堆積室内に導入される原
料ガスの流量によって適宜決定されるものであるが、好
ましい範囲としては、0.005〜1W/cm3であ
る。MW電力の好ましい周波数の範囲としては0.5〜
10GHzが挙げられる。特に2.45GHz付近の周
波数が適している。また再現性のある半導体層を形成す
るため及び数時間から数十時間にわたって安定なグロー
放電を維持するためにはMW電力の周波数の安定性が非
常に重要である。周波数の変動が±2%以内の範囲であ
ることが好ましいものである。さらにマイクロ波のリッ
プルも±2%以下が好ましい範囲である。このようなM
W電力を導波部412から誘電体窓413を介して堆積
室に導入する。このような状態で所望の時間原料ガスを
分解し前記基板上に所望の層厚の半導体層を形成する。
その後MW電力の導入を止め、堆積室内を排気し、
2、He、Ar等のガスで充分パージした後、基板を
堆積室から取り出す。また前記誘電体窓はアルミナセラ
ミクス、石英、窒化ホウ素などのマイクロ波をよく透過
する材料から構成される。
【0101】本発明の光起電力素子のi型層を形成する
際、MW電力とともにRF電力を堆積室内に導入しても
よい。この場合、導入するMW電力は堆積室に導入する
原料ガスを100%分解するのに必要なMW電力よりも
小さいことが望ましく、さらに同時に導入されるRF電
力は、前記MW電力よりも大きいことが望ましい。同時
に導入されるRF電力の好ましい範囲としては、0.0
1〜2W/cm3である。RF電力の好ましい周波数の
範囲としては1〜100MHzが挙げられる。特に1
3.56MHzが最適である。またRFの周波数の変動
は±2%以内で波形はなめらかな波形が好ましいもので
ある。RF電力供給用のRF電極の面積とアースの面積
との面積比によって適宜選択されるものではあるが、特
にRF電力供給用のRF電極の面積がアースの面積より
も狭い場合、RF電力供給用の電源側のセルフバイアス
(DC成分)をアースした方が良いものである。さらに
RF電力供給用の電源側のセルフバイアス(DC成分)
をアースしない場合は、RF電力供給用のRF電極の面
積をプラズマが接するアースの面積よりも大きくするの
が好ましいものである。
【0102】またRF電力に加えて、前記RF電極41
0にDC電圧を印加しても良い。DC電圧の極性として
は前記RF電極がプラスになるように電圧を印加するの
が好ましい方向である。そしてDC電圧の好ましい範囲
としては、10から300V程度である。
【0103】上に述べたi型層の好ましい堆積方法の堆
積メカニズムの詳細は不明であるが、次のように考えら
れる。
【0104】原料ガスを100%分解するに必要なMW
電力より低いMW電力を前記原料ガスに作用させ、高い
RF電力をMW電力と同時に前記原料ガスに作用させる
ことによって、半導体層を形成するのに適した活性種を
選択できるものと考えられる。さらに原料ガスを分解す
るときの堆積室内の圧力が50mTorr以下の状態で
は良質な半導体層を形成するのに適した活性種の平均自
由工程が充分に長いために気相反応が極力抑えられると
考えられる。そしてまた堆積室内の圧力が50mTor
r以下の状態ではRF電力は、原料ガスの分解にほとん
ど影響を与えず、堆積室内のプラズマと基板の間の電位
を制御しているものと考えられる。即ちMWPCVD法
の場合、プラズマと基板の間の電位差は小さいが、RF
電力をMW電力と同時に導入することによってプラズマ
と基板の間の電位差(プラズマ側が+で、基板側が−)
を大きくすることができる。このようにプラズマ電位が
基板に対してプラスで高いことによって、MW電力で分
解した活性種が基板上に堆積し、同時にプラズマ電位で
加速された+イオンが基板上に衝突し基板表面での緩和
反応が促進され良質な半導体層が得られるものと考えら
れる。そして堆積速度が5nm/sec以上のときに特
に効果がある。さらにRFはDCと違っで周波数が高い
ため電離したイオンと電子の分布によってプラズマの電
位と基板の電位の差が決まってくる。すなわちイオンと
電子のシナジティクによって基板とプラズマの電位差が
決まってくるものである。従って堆積室内でスパークが
起こりにくいという効果がある。その結果安定したグロ
ー放電を10時間以上に及ぶ長時間維持することができ
るものである。
【0105】半導体層に含有される水素含有量を層厚方
向に変化させる方法としては、水素含有量を多くしたい
ところで導入するMW電力を大きくし、少なくしたいと
ころで導入するMW電力を小さくすれば良い。詳細なメ
カニズムに関しては依然不明であるが、MW電力を増加
することにより活性な水素原子を含むラジカルが増加
し、より多くの水素原子が含有されるものと考えられ
る。
【0106】半導体層に含有される水素含有量を層厚方
向に変化させる他の方法としては、水素含有量を多くし
たいところでRF電極に印加するRF電力を大きくし、
水素含有量を少なくしたいところでRF電極に印加する
RF電力を小さくすれば良い。詳細なメカニズムに関し
ては依然、不明であるが、RF電極に印加するRF電力
を増やすと、プラズマ電位が上昇し、水素イオンが基板
に向かって、より加速されるために半導体層により多く
の水素原子が含有されるものと考えられる。
【0107】更に、RF電力と同時にDC電力を印加す
る場合においては、水素原子の含有量を多くしたいとこ
ろでRF電極に印加するDC電圧を+極性で大きな電圧
を印加すれば良く、水素含有量を少なくしたいときに
は、RF電極に印加するDC電圧を+極性で小さな電圧
を印加すれば良い。詳細なメカニズムに関しては依然、
不明であるが、RF電極に印加するDC電力を増やす
と、プラズマ電位が上昇し、水素イオンが基板に向かっ
て、より加速されるためにi型層中により多くの水素原
子が含有されるものと考えられる。
【0108】また更に、半導体層に含有される水素含有
量を層厚方向に変化させるさらに別な方法としては、本
発明の半導体層形成方法において、堆積室内にハロゲン
ランプ、あるいはキセノンランプを設け、半導体層形成
中にこれらのランプをフラッシュさせ、基板温度を一時
的に上昇させるのである。その際、水素含有量を少なく
したいところでは、単位時間当たりのフラシュ回数を増
し、基板温度を一時的に上昇させ、水素含有量を多くし
たいところでは、単位時間当たりのフラッシュ回数を少
なくすることによって、基板温度を一時的に下げれば良
い。基板温度を一時的に上げることによって、半導体層
表面からの水素の脱離反応が活性化されるものと考えら
れる。
【0109】半導体層に含有されるゲルマニウムまたは
/及びスズ原子の含有量、炭素原子の含有量を層厚方向
に変化させる方法としては、ゲルマニウムまたは/及び
スズ原子あるいは炭素原子を半導体層に含有させるため
の原料ガスの流量を時間的に変化させればよい。
【0110】半導体層に含有されるゲルマニウムまたは
/及びスズ原子の含有量、炭素原子の含有量を層厚方向
に変化させる他の方法としては、含有量を多くしたいと
ころで導入するMW電力を大きくし、少なくしたいとこ
ろで導入するMW電力を小さくすれば良い。詳細なメカ
ニズムに関しては依然不明であるが、MW電力を増加す
ることにより活性なゲルマニウムまたは/及びスズ原
子、あるいは炭素原子を含むラジカルが増加し、より多
くのゲルマニウムまたは/及びスズ原子、あるいは炭素
原子が含有されるものと考えられる。
【0111】半導体層に含有される価電子制御剤の含有
量を層厚方向に変化させる方法としては、価電子制御剤
を半導体層に含有させるための原料ガスの流量を時間的
に変化させればよい。
【0112】半導体層をRFPCVD法で堆積する場
合、容量結合型のRFPCVD法が適している。
【0113】該RFPCVD法でドーピング層、RF−
i層を形成する場合、堆積室内の基板温度は100〜5
00℃、圧力は0.1〜10torr、RF電力は0.
01〜5.0W/cm2、堆積速度は0.1〜2nm/
secが最適条件として挙げられる。長時間におよぶR
Fグロー放電を維持するためにはRF電源の周波数変
動、およびリップルはそれぞれ2%以内のものが望まし
い。
【0114】また米国特許4,400,409号特許明
細書にはロール・ツー・ロール(Roll to Ro
ll)方式を採用した、半導体層を連続的に形成するプ
ラズマCVD装置が開示されている。本発明の光起電力
素子はこのような装置を用いて連続的に製造することが
望ましい。この装置によれば、複数の堆積室を設け、長
尺、且つ可とう性の基板を該基板が堆積室を順次通過す
る経路に沿って配置し、前記堆積室にて所望の伝導型を
有する半導体層を形成しつつ、前記基板をその長手方向
に連続的に搬送することによって、pin接合を有する
光起電力素子を連続的に製造することができるとされて
いる。なお、該明細書においては、半導体層に各価電子
制御剤を含有させるための原料ガスが他の堆積室に拡散
し、他の半導体層中に混入すること防止するために、ガ
スゲートが用いられている。具体的には前記堆積室の間
をスリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに
各分離通路にAr、H2、He等の掃気用ガスを流入さ
せ、各原料ガスの相互拡散を防止している。
【0115】以上のような半導体層形成方法において、
原料ガスとしては以下のガスまたはガス化し得る化合物
が適している。
【0116】半導体層中にシリコン原子を含有させるた
めの原料ガスしてはSiH4(Hは重水素Dを含む)、
SiX4(X:ハロゲン原子)、SiXn4-n(nは整
数)、Si2n6-n、等が挙げらる。総称して「原料
ガス(Si)」とする。特にSiH4、SiD4、Si2
6が適している。
【0117】半導体層中に炭素原子を含有させるための
原料ガスとしてはCH4(Hは重水素Dを含む)、Cn
2n+2(nは整数)、Cn2n、CX4(Xはハロゲン原
子)、Cn2n+2、Cn2n、C22、C66等が挙げら
れる。総称して「原料ガス(C)」とする。特にC
4、CD4、C22が適している。
【0118】半導体層中にゲルマニウム原子を含有させ
るための原料ガスとしてはGeH4(Hは重水素Dを含
む)、Gen2n+2、GeX4(Xはハロゲン原子)等が
挙げられる。総称して「原料ガス(Ge)」とする。特
にGeH4、GeD4が適している。
【0119】半導体層中にスズ原子を含有させるための
原料ガスとしてはSnH4(Hは重水素Dを含む)、S
n2n+2、SnX4(Xはハロゲン原子)、SnR
4(R:アルキル基)、SnXn4-n等が挙げられる。
総称して「原料ガス(Sn)」とする。特にSnH4
SnD4、Sn(CH34が適している。
【0120】半導体層の伝導型をp型にするために導入
される価電子制御剤としては周期律表第III族原子
(B、Al、Ga、In、Tl)が挙げられ、伝導型を
n型にするために導入される価電子制御剤としては周期
律表第V族原子(P、As、Sb、Bi)、第VI族原
子(S、Se、Te)が挙げられる。
【0121】半導体層中に周期律表第III族原子を導
入するための原料ガスとしては、B 26、B410、B5
9、BF3、BCl3、B(CH33、B(C253
AlCl3、Al(CH33、GaCl3、InCl3
TlCl3等を挙げることができる。総称して「原料ガ
ス(III)」とする。特にB26、B(CH33、B
(C253、Al(CH33が適している。
【0122】半導体層中に周期律表第V族原子を導入す
るための原料ガスとしては、PH3、P24、PH4I、
PF3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5
PI3、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、A
sF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、Sb
Cl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等を挙げること
ができる。
【0123】総称して「原料ガス(V)」とする。特に
PH3、AsH3が適している。
【0124】半導体層中に周期律表第VI族原子を導入
するための原料ガスとしては、H2S、SF4、SF6
CS2、H2Se、SeF6、TeH2、TeF6、(C
32Te、(C252Te等が挙げられる。総称し
て「原料ガス(VI)」とする。特にH2S、H2Seが
適している。
【0125】半導体層中に酸素原子を含有させるための
原料ガスとしてはO2、CO2、CO、NO、NO2、N2
O、H2O、CH3CH2OH、CH3OH等が挙げられ
る。総称して「原料ガス(O)」とする。特にO2、N
Oが適している。
【0126】半導体層中に窒素原子を含有させるための
原料ガスとしてはN2、NO、NO2、N2O、NH3等が
挙げられる。総称して「原料ガス(N)」とする。特に
2、NH3が適している。
【0127】またこれらの原料ガスをH2、D2、He、
Ar等のガスで適宜希釈して堆積室に導入しても良い。
【0128】以下に本発明の光起電力素子の構成を詳細
に説明する。基板 基板は、導電性材料単体で構成されたものでもよく、絶
縁性材料または導電性材料で構成された支持体上に導電
層を形成したものであっても良い。導電性材料として
は、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、M
O、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、Sn等
の金属または、これらの合金が挙げられる。これらの材
料を支持体として使用するにはシート状、あるいは長尺
状のシートを円筒体に巻き付けたロール状であることが
望ましい。
【0129】絶縁性材料としては、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、等の合成樹脂、または
ガラス、セラミックス、紙などが挙げられる。これらの
材料を支持体として使用するにはシート状、あるいは長
尺状のシートを円筒体に巻き付けたロール状であること
が望ましい。これらの絶縁性支持体は、少なくともその
一方の表面に導電層を形成し、該導電層を形成した表面
上に本発明の半導体層を形成する。
【0130】例えばガラスであれば表面上に、NiC
r、Al、Ag、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、
Ti、Pt、Pb、In23、ITO(In23+Sn
2)、ZnO等の材料またはその合金からなる導電層
を形成し、ポリエステルフィルム等の合成樹脂シートで
あれば表面上にNiCr、Al、Ag、Pb、Zn、N
i、Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Tl、
Pt等の材料またはその合金からなる導電層を形成し、
ステンレスであればNiCr、Al、Ag、Cr、M
o、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、In2
3、ITO(In23+SnO2)、ZnO等の材料ま
たはその合金からなる導電層を形成する。形成方法とし
ては真空蒸着法、スパッタリング法、スクリーン印刷法
等が挙げられる。支持体の表面形状は平滑あるいは山の
高さが最大300〜1000nmの凹凸であることが望
ましい。
【0131】基板の厚さは所望通りの光起電力素子を形
成し得るように適宜決定されるが、光起電力素子として
の柔軟性が要求される場合には、支持体としての機能が
十分発揮される範囲で可能な限り薄くすることができ
る。しかしながら、支持体の製造上および取扱い上、機
械的強度等の点から、通常は10μm以上とされる。
【0132】本発明の光起電力素子における望ましい基
板形態としては、上記支持体上にAg、Al、Cu、A
lSi等の可視光から近赤外で反射率の高い金属からな
る導電層(光反射層)を形成することである。光反射層
は真空蒸着法、スパッタリング法等で形成するのが適し
ている。光反射層としてのこれらの金属の層厚としては
10nmから5000nmが適した層厚として挙げられ
る。光反射層の表面をテクスチャー化するためには形成
時の基板温度を200℃以上とすれば良い。
【0133】本発明の光起電力素子におけるさらに望ま
しい基板形態としては、光反射層上にZnO、Sn
2、In23、ITO、TiO2、CdO、Cd2Sn
4、Bi 23、MoO3、NaXWO3等からなる導電層
(反射増加層)を形成することである。該反射増加層の
堆積方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、CV
D法、プレー法、スピンオン法、ディッピング法等が適
した方法として挙げられる。また反射増加層の層厚とし
ては、前記反射増加層の材料の屈折率により最適な層厚
は異なるが、好ましい層厚の範囲としては50nm〜1
0μmが挙げられる。さらに反射増加層をテクスチャー
化するためには、該反射増加層を形成する際の基板温度
を200℃以上に上げるのが好ましいものである。MWドーピング層(MWp型層、MWn型層) この層は光起電力素子の特性を左右する重要な層であ
る。
【0134】MWドーピング層は非晶質シリコン系半導
体材料、または微結晶シリコン系半導体材料、または多
結晶シリコン系半導体材料から構成される。非晶質(a
−と略記する)シリコン系半導体材料としてはa−S
i、a−SiC、a−SiGe、a−SiGeC、a−
SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCON等
が挙げられる。微結晶(μc−と略記する)シリコン系
半導体材料としてはμc−Si、μc−SiC、μc−
SiGe、μc−SiO、μc−SiGeC、μc−S
iN、μc−SiON、μC−SiOCN、等が挙げら
れる。多結晶(poly−と略記する)シリコン系半導
体材料としては、po1y−Si、poly−SiC、
poly−SiGe等が挙げられる。
【0135】特に光入射側のMWドーピング層には、光
吸収の少ない結晶性の半導体材料かバンドギャップの広
い非晶質半導体層が適している。具体的にはa−Si
C、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−Si
CON、μc−Si、μc−SiC、μc−SiO、μ
c−SiN、μc−SiON、μc−SiOCN、po
lys−Si、poly−SiCが適している。
【0136】伝導型をp型またはn型にするために導入
される価電子制御剤の導入量は、1000ppm〜10
%が好ましい範囲として挙げられる。
【0137】また含有される水素原子(H、D)は未結
合手を補償する働きをし、ドーピング効率を向上させる
ものである。水素含有量は0.1〜30at%が最適量
として挙げられる。特にMWドーピング層が結晶性の場
合、0.01〜10at%が最適量として挙げられる。
さらに界面側で水素含有量が多くなっているものが好ま
しい分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素含有
量はバルク内の含有量の1.1〜3倍の範囲が好ましい
範囲として挙げられる。
【0138】酸素、窒素原子の導入量は0.1ppm〜
20%、微量に含有させる場合には0.1ppm〜1%
が好適な範囲である。
【0139】電気特性としては活性化エネルギーが0.
2eV以下のものが好ましく、0.1eV以下のものが
最適である。また比抵抗としては100Ωcm以下が好
ましく、1Ωcm以下が最適である。さらに層厚は1〜
50nmが好ましく、3〜30nmが最適である。
【0140】また原料ガスは、H2、D2、He、Ar等
のガスで適宜希釈して堆積室に導入しても良い。特に前
述した光吸収の少ない結晶性の半導体材料かバンドギャ
ップの広い非晶質半導体層を形成する場合はH2、D2
He等のガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、比較
的高いMW電力を導入するのが好ましい。RFドーピング層(RFp型層、RFn型層) この層は光起電力素子の特性を左右する重要な層であ
る。
【0141】RFドーピング層は非晶質シリコン系半導
体材料、または微結晶シリコン系半導体材料、または多
結晶シリコン系半導体材料から構成される。非晶質(a
−と略記する)シリコン系半導体材料としてはa−S
i、a−SiC、a−SiGe、a−SiGeC、a‐
SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCON等
が挙げられる。微結晶(μc−と略記する)シリコン系
半導体材料としてはμc−Si、μc−SiC、μc−
SiGe、μc−SiO、μc−SiGeC、μc−S
iN、μc−SiON、μc−SiOCN、等が挙げら
れる。多結晶(poly−と略記する)シリコン系半導
体材料としては、poly−Si、poly−SiC、
poly−SiGe等が挙げられる。
【0142】特に光入射側のRFドーピング層には、光
吸収の少ない結晶性の半導体材料かバンドギャップの広
い非晶質半導体層が適している。具体的にはa−Si
C、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−Si
CON、μc−Si、μc−SiC、μc−SiO、μ
c−SiN、μc−SiON、μc−SiOCN、po
ly−Si、poly−SiCが適している。
【0143】伝導型をp型またはn型にするために導入
される価電子制御剤の導入量は、800ppm〜8%が
好ましい範囲として挙げられ、MWドーピング層の導入
量よりも少ないことが望ましい。
【0144】また含有される水素原子(H、D)は未結
合手を補償する働きをし、ドーピング効率を向上させる
ものである。水素含有量は0.1〜25at%が最適量
として挙げられる。特にRFドーピング層が結晶性の場
合、0.01〜10at%が最適量として挙げられる。
さらに界面側で水素含有量が多くなっているものが好ま
しい分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素含有
量はバルク内の含有量の1.1〜3倍の範囲が好ましい
範囲として挙げられる。
【0145】酸素、窒素原子の導入量は0.1ppm〜
20%、微量に含有させる場合には0.1ppm〜1%
が好適な範囲である。
【0146】電気特性としては活性化エネルギーが0.
2eV以下のものが好ましく、0.1eV以下のものが
最適である。また比抵抗としては100Ωcm以下が好
ましく、1Ωcm以下が最適である。さらに層厚は1〜
50nmが好ましく、5〜20nmが最適である。
【0147】特に前述した光吸収の少ない結晶性の半導
体材料かバンドギャップの広い非晶質半導体層を形成す
る場合はH2、D2、He等ガスで2〜100倍に原料ガ
スを希釈し、比較的高いRF電力を導入するのが好まし
い。i型層 本発明の光起電力素子において、i型層は光励起キャリ
アを発生輸送する最も重要な層である。
【0148】i型層としては僅かにp型、僅かにn型の
層も使用でき、水素を含有する非晶質シリコン系半導体
材料から構成され、例えばa−Si、a−SiC、a−
SiGe、a−SiGeC、a−SiSn、a−SiS
nC、a−SiSnGe、a−SiSnGeC等が挙げ
られる。
【0149】本発明の光起電力素子のi型層としては、
水素含有量が層厚方向に対してなめらかに変化するもの
である。i型層に含有される水素原子(H、D)は、i
型層の未結合手を補償する働きをし、i型層でのキァリ
アーの移動度と寿命の積を向上させるものである。また
界面の界面準位を補償する働きをし、光起電力素子の光
起電力、光電流そして光応答性を向上させる効果のある
ものである。i型層の水素含有量は1〜30at%が最
適な含有量として挙げられる。特に、各界面側で水素原
子の含有量が多くなっているものが好ましい分布形態と
して挙げられ、バルク内の含有量の1.1〜3倍の範囲
が好ましい範囲として挙げられる。
【0150】また、本発明の光起電力素子のi型層とし
ては、水素原子を含有し、且つドナーとなる価電子制御
剤(周期律表第V族または第VI族元素原子)とアクセ
プターとなる価電子制御剤(周期律表第III族原子)
を共に含有するものである。望ましい変化形態として
は、上記価電子制御剤及び水素原子がp型層とn型層側
で多くなっているものである。i型層に導入される周期
律表第III族原子、第V族または第VI族元素原子の
導入量はそれぞれ500ppm以下が好ましい範囲であ
る。また、p型の価電子制御剤とn型の価電子制御剤が
互いに補償されるように含有するのが好ましい。
【0151】本発明の光起電力素子のi型層としては、
水素原子を含有し、且つゲルマニウムまたは/及びスズ
含有量が層厚方向になめらかに変化するものである。ゲ
ルマニウムまたは/及びスズ含有量の好適な範囲として
は1〜50%で、バンドギャップの好適な範囲は1.3
〜1.7eVである。
【0152】本発明の光起電力素子のi型層としては、
水素原子を含有し、且つ炭素含有量が層厚方向になめら
かに変化するものである。ゲルマニウムまたは/及びス
ズ含有量の好適な範囲としては1〜50%で、バンドギ
ャップの好適な範囲は1.8〜2.2eVである。
【0153】更に本発明の光起電力素子のi型層は、前
記価電子制御剤、水素、ゲルマニウム(またはスズ)、
炭素原子を複数含み、それらが層厚方向になめらかに変
化しているものが好ましい。例えば、炭素原子とゲルマ
ニウムまたは/及びスズ含有する場合の好ましいバンド
ギャップの範囲は1.5〜2.0eVとなる。
【0154】酸素、窒素原子の導入量は0.1ppm〜
1%が好適な範囲である。
【0155】i型層の層厚は、光起電力素子の構造(例
えばシングルセル、タンデムセル、トリプルセル)及び
i型層のバンドギャップに大きく依存するが0.05〜
1.0μmが最適な層厚として挙げられる。`本発明の
i型層は、堆積速度を2.5nm/sec以上に上げて
も価電子帯側のテイルステイトが少ないものであって、
テイルステイトの傾きは60meV以下であり、且つ電
子スピン共鳴(ESR)による未結合手の密度は1017
/cm 3以下である。
【0156】i型層の形成にはMWCVD法を用い、望
ましくは前述したようにMWPCVD法においてRF電
力を同時に導入し、さらに望ましくは前述したようにM
WPCVD法においてRF電力とDC電力を同時に導入
する。
【0157】バンドギャップの広いa−SiCを形成す
る場合はH2、D2、He等ガスで2〜100倍に原料ガ
スを希釈し、比較的高いMW電力を導入するのが好まし
い。 RF−i層 本発明の光起電力素子において、RF−i層は光励起キ
ャリアを輸送する重要な層である。
【0158】RF−i層としては僅かにp型、僅かにn
型の層も使用でき、非晶質シリコン系半導体材料、ある
いは微結晶シリコン系半導体材料から構成される。非晶
質シリコン系半導体材料としては、例えばa−Si、a
−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiGe、a
−SiGeC、a−SiSn、a−SiSnC等が挙げ
られる。微結晶シリコン系半導体材料としては、例えば
μc−Si、μc−SiC、μc−SiGe、μc−S
iSn、μc−SiO、μC−SiN、μc−SiON
ヽμc−SiOCN等が挙げられる。
【0159】図2(a)のように光入射側のRF−i層
としてはa−Si、a−SiC、a−SiO、a−Si
N等の半導体材料を用いることによって光起電力素子の
開放電圧を向上できる。
【0160】図2(b)のように光入射側とは反対側の
RF−i層としてはa−Si、a−SiGe、a−Si
Sn、a−SiGeC、a−SiSnC等の半導体材料
を用いることによって光起電力素子の短絡電流を向上で
きる。
【0161】RF−i層に含有される水素原子(H、
D)は、RF−i層の未結合手を補償する働きをし、R
F−i層でのキァリアーの移動度と寿命の積を向上させ
るものである。また界面の界面準位を補償する働きを
し、光起電力素子の光起電力、光電流そして光応答性を
向上させる効果のあるものである。RF−i層にの水素
含有量は1〜30at%が最適な含有量として挙げられ
る。特に、各界面側で水素含有量が多くなっているもの
が好ましい分布形態として挙げられ、バルク内の含有量
の1.1〜3倍の範囲が好ましい範囲として挙げられ
る。
【0162】別の望ましい形態としてはドナーとなる価
電子制御剤(周期律表第V族原子または/及び第VI族
原子)とアクセプターとなる価電子制御剤(周期律表第
III族原子)がともに含有させたものである。またド
ナーとなる価電子制御剤とアクセプタ−となる価電子制
御剤を互いに補償するように含有させるのが好ましいも
のである。
【0163】RF−i層に導入される周期律表第III
族原子及び第V族原子及び第VI族原子の導入量はそれ
ぞれ600ppm以下が好ましい範囲として挙げられ
る。
【0164】酸素、窒素原子の導入量は0.1ppm〜
20%、微量に含有させる場合には0.1ppm〜1%
が好適な範囲である。
【0165】RF−i層の層厚は0.5〜30nm以下
が最適な層厚として挙げられ、価電子帯側のテイルステ
イトが少ないものであって、テイルステイトの傾きは5
5meV以下であり、且つ電子スピン共鳴(ESR)に
よる未結合手の密度は1017/cm3以下である。透明電極 透明電極はインジウム酸化物(In23)、スズ酸化物
(SnO2)、ITO(In23−SnO2)が適した材
料である。
【0166】透明電極の堆積にはスパッタリング法と真
空蒸着法が最適な堆積方法である。スパッタリング法で
堆積する場合、金属ターゲット、あるいは酸化物ターゲ
ット等のターゲットを適宜組み合わせて用いられる。
【0167】スパッタリング法で堆積する場合、基板温
度は重要な因子であって、20℃〜600℃が好ましい
範囲として挙げられる。また透明電極をスパッタリング
法で堆積する場合の、スパッタリング用のガスとして、
Arガス等の不活性ガスが挙げられる。また前記不活性
ガスに酸素ガス(O2)を必要に応じて添加することが
好ましいものである。特に金属をターゲットにしている
場合、酸素ガス(O2)は必須のものである。さらに前
記不活性ガス等によってターゲットをスパッタリングす
る場合、放電空間の圧力は効果的にスパッタリングを行
うために、0.1〜50mtorrが好ましい範囲とし
て挙げられる。透明電極の堆積速度は、放電空間内の圧
力や放電電力に依存し、最適な堆積速度としては、0.
01〜10nm/secの範囲である。
【0168】真空蒸着法において透明電極を堆積するに
適した蒸着源としては、金属スズ、金属インジウム、イ
ンジウム−スズ合金が挙げられる。また透明電極を堆積
するときの基板温度としては25℃〜600℃の範囲が
適した範囲である。さらに、酸素ガス(O2)を導入
し、圧力が5×10-5torr〜9×10-4torrの
範囲で堆積することが必要である。この範囲で酸素を導
入することによって蒸着源から気化した前記金属が気相
中の酸素と反応して良好な透明電極が堆積される。上記
条件による透明電極の好ましい堆積速度の範囲としては
0.01〜10nm/secである。堆積速度が0.0
1nm/sec未満であると生産性が低下し10nm/
secより大きくなると粗な膜となり透過率、導電率や
密着性が低下する。
【0169】透明電極の層厚は、反射防止膜の条件を満
たすような条件に堆積するのが好ましいものである。具
体的な該透明電極の層厚としては50〜500nmが好
ましい範囲として挙げられる。集電電極 光起電力層であるi型層により多くの光を入射させ、発
生したキャリアを効率よく電極に集めるためには、集電
電極の形(光の入射方向から見た形)、及び材質は重要
である。通常、集電電極の形は櫛型が使用され、その線
幅、線数などは、光起電力素子の光入射方向から見た
形、及び大きさ、集電電極の材質などによって決定され
る。線幅は通常、0.1mm〜5mm程度である。集電
電極の材質としてはFe、Cr、Ni、Au、Ti、P
d、Ag、Al、Cu、AlSi等が用いられ、通常比
抵抗の小さい、Ag、Cu、Al、Crなどの金属、あ
るいはこれらの合金が適している。
【0170】集電電極の層構造としては単一の層からな
るものであってもよいし、さらには複数の層からなるも
のであってもよい。
【0171】これらの金属は、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、メッキ法、印刷法等で形成するの望ましい。
【0172】真空蒸着法で形成する場合、集電電極形状
をなしたマスクを透明電極上に密着させ、真空中で所望
の金属蒸着源を電子ビ−ムまたは抵抗加熱で蒸発させ、
透明電極上に所望の形状をした集電電極を形成する。
【0173】スパッタリング法で形成する場合、集電電
極形状をなしたマスクを透明電極上に密着させ、真空中
にArガスを導入し、所望の金属スパッタターゲットに
DCを印加し、グロー放電を発生させることによって、
金属をスパッタさせ、透明電極上に所望の形状をした集
電電極を形成する。
【0174】印刷法で形成する場合には、Agペース
ト、あるいはAlペーストをスクリーン印刷機で印刷す
る。これらの金属の層厚としては10nm〜0.5mm
が適した層厚として挙げられる。
【0175】次に、本発明の発電システムについて詳細
に説明する。
【0176】本発明の発電システムは、本発明の光起電
力素子と、該光起電力素子の電圧及び/または電流をモ
ニターし蓄電池及び/または外部負荷への前記光起電力
素子からの電力の供給を制御する制御システムと、前記
光起電力素子からの電力の蓄積及び/または外部負荷へ
の電力の供給を行う蓄電池と、から構成されている。
【0177】図16は本発明の電力供給システムの一例
であって光起電力素子を利用した充電、および電力供給
用基本回路である。該回路は本発明の光起電力素子を太
陽電池モジュールとし、逆流防止用ダイオード(C
D)、電圧をモニターし電圧を制御する電圧制御回路
(定電圧回路)、蓄電池、負荷等から構成されている。
【0178】モジュール化するには平板上に接着材シー
ト、ナイロンシートを乗せ、さらにその上に作製した本
発明の光起電力素子を配列し、直列化および並列化を行
い、さらにその上に接着材シート、フッ素樹脂シートを
乗せて、真空ラミネートするとよい。
【0179】逆流防止用ダイオードとしてはシリコンダ
イオードやショットキーダイオード等が適している。蓄
電池としては、ニッケルカドミニウム電池、充電式酸化
銀電池、鉛蓄電池、フライホイールエネルギー貯蔵ユニ
ット等が挙げられる。
【0180】電圧制御回路は、電池が満充電になるまで
は太陽電池の出力とほぼ等しいが、満充電になると、充
電制御ICにより充電電流はストップされる。
【0181】このような光起電力を利用した太陽電池シ
ステムは、自動車用のバッテリー充電システム、船用バ
ッテリー充電システム、街灯点灯システム、排気システ
ム等の電源として使用可能である。
【0182】以上のように本発明の光起電力素子を太陽
電池として使用した電源システムは長期間安定して使用
でき、且つ太陽電池に照射される照射光が変動する場合
においても光起電力素子として充分に機能することか
ら、優れた安定性を示すものである。
【0183】
【実施例】以下、非単結晶シリコン系半導体材料からな
る太陽電池およびフォトダイオードの作製によって本発
明の光起電力素子を詳細に説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0184】[請求項1に係わる実施例] (実施例1)図9に示す製造装置を用いて図1(b)の
構成をした太陽電池を作製した。n型層はRFPCVD
法で形成した。まず、基板の作製を行った。厚さ0.5
mm、50×50mm2のステンレス基板をアセトンと
イソプロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させた。ス
パッタリング法を用いて室温でステンレス基板表面上に
層厚0.3μmのAgの光反射層とその上に350℃で
層厚1.0μmのZnOの反射増加層を形成し、基板の
作製を終えた。
【0185】次に、原料ガス供給装置2000と堆積装
置400からなるMWPCVD法とRFPCVD法の両
方を行える図9の製造装置により、反射増加層上に半導
体層を形成した。
【0186】図中の2041〜2047のガスボンベに
は、本発明の光起電力素子を作製するための原料ガスが
密封されており、2041はSiH4ガスボンベ、20
42はCH4ガスボンベ、2043はGeH4ガスボン
ベ、2044はH2ガスで100ppmに希釈されたP
3ガス(以下「PH3/H2」と略記する)ボンベ、2
045はH2ガスで100ppmに希釈されたB26
ス(以下「B26/H2」と略記する)ボンベ、204
6はH2ガスボンベ、2047はHeガスボンベで、い
ずれも超高純度に精製されたものである。予め、ガスボ
ンベ2041〜2047を取り付ける際に、各々のガス
を、バルブ2021〜2027までのガス配管内に導入
し、圧力調整器2031〜2037により各ガス圧力を
2kg/cm 2に調整した。
【0187】次に、反射層と反射増加層が形成されてい
る基板404の裏面をヒーター405に密着させ、堆積
室401のリークバルブ409を閉じ、コンダクタンス
バルブ407を全開にして、不図示の真空排気ポンプに
より堆積室401内を真空排気し、堆積室の圧力が約1
×10-4Torrになったところで、バルブ2001〜
2007、補助バルブ408を開けて、ガス配管内部を
其空排気し、圧力が約1×10-4Torrになった時点
でバルブ2001〜2007を閉じ、2031〜203
7を徐々に開けて、各々のガスをマスフローコントロー
ラー2011〜2017内に導入した。
【0188】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、基板404上に、μc−SiからなるRFn型層、
a−Siからなるi型層、a−SiCからなるRFp型
層、a−SiCからなるMWp型層を順次形成した。
【0189】μc−SiからなるRFn型層を形成する
には、バルブ2006を徐々に開けて、H2ガスを堆積
室401内に導入し、流量が300sccmになるよう
にマスフローコントローラーで調整し、堆積室内の圧力
が1.0Torrになるようにコンダクタンスバルブで
調整した。基板404の温度が350℃になるようにヒ
ーター405を設定し、基板温度が安定したところで、
さらにバルブ2001、2004を徐々に開いて、Si
4ガス、PH3/H2ガスを堆積室401内に流入させ
た。この時、SlH4ガス流量が2sccm、H2ガス流
量が100sccm、PH3/H2ガス流量が200sc
cm、堆積室内の圧力は、1.0Torrとなるように
調整した。RF電源の電力を0.02W/cm3に設定
し、RF電極410にRF電力を導入し、グロー放電を
生起させ、シャッターを閉け、基板上にRFn型層の形
成を開始し、層厚20nmのRFn型層を形成したとこ
ろでシャッターを閉じ、RF電源を切って、グロー放電
を止め、RFn型層の形成を終えた。バルブ2001、
2004を閉じて、堆積室内へのSiH4ガス、PH3
2ガスの流入を止め、5分間、堆積室内へH2ガスを流
し続けたのち、流出バルブ2006を閉じ、堆積室内お
よびガス配管内を真空排気した。
【0190】次に、a−Siからなるi型層を形成する
には、バルブ2006を徐々に開けて、H2ガスを30
0sccm導入し、圧力が0.01Torr、基板40
4の温度が350℃になるようにヒーター405を設定
した。基板温度が安定したところでさらにバルブ200
1を徐々に開いて、SiH4ガスを堆積室に流入させ
た。この時SiH4ガス流量が150sccm、H2ガス
流量が300sccm、堆積室401内の圧力が0.0
1Torrとなるように調整した。次に、RF電源の電
力を0.32W/cm3に設定し、RF電極に印加し
た。その後、不図示のMW電源の電力を0.20W/c
3に設定し、誘電体窓413を通して堆積室内にMW
電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッターを開
け、RFn型層上にi型層の形成を開始した。RF電源
に接続されたコンピューターを用い、図10(a)に示
した変化パターンに従ってRF電力を変化させ、層厚3
00nmのi型層を形成したところで、シャッターを閉
じ、MW電源、RF電源を切ってグロー放電を止め、i
型層の形成を終えた。バルブ2001を閉じて、SiH
4ガスの流入を止め、5分間、H2ガスを流し続けたの
ち、バルブ2006を閉じ、堆積室内およびガス配管内
を真空排気した。
【0191】a−SiCからなるRFp型層を形成する
には、バルブ2006を徐々に開けて、H2ガスを30
0sccm導入し、圧力が1.0Torr、基板温度が
200℃になるようにヒーターを設定した。基板温度が
安定したところで、さらにバルブ2001、2002、
2005を徐々に開いて、SiH4ガス、CH4ガス、B
26/H2ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4ガス流量が5sccm、CH4ガス流量が1
sccm、H2ガス流量が100sccm、B26/H2
ガス流量が200sccm、圧力が1.0Torrとな
るように調整した。RF電源の電力を0.06W/cm
3に設定し、RF電極にRF電力を導入し、グロー放電
を生起させ、シャッターを開け、i型層上にRFp型層
の形成を開始し、層厚10nmのRFp型層を形成した
ところでシャッターを閉じ、RF電源を切って、グロー
放電を止め、RFp型層の形成を終えた。バルブ200
1、2002、2005を閉じて、堆積室401内ヘの
SiH4ガス、CH4ガス、B 26/H2ガスの流入を止
め、5分間、H2ガスを流し続けたのち、流出バルブ2
006を閉じ、堆積室内およびガス配管内を真空排気し
た。
【0192】a−SiCからなるMWp型層を形成する
には、バルブ2006を徐々に開けて、H2ガスを50
0sccm導入し、堆積室内の圧力が0.02Tor
r、基板温度が200℃になるように設定した。基板温
度が安定したところでさらにバルブ2001、200
2、2005を徐々に開いて、SiH4ガス、CH4
ス、B26/H2ガスを流入させた。この時、SiH4
ス流量が10sccm、CH 4ガス流量が2sccm、
2ガス流量が100sccm、B26/H2ガス流量が
500sccm、圧力が0.02Torrとなるように
調整した。その後、不図示のMW電源の電力を0.40
W/cm3に設定し、誘電体窓を通してMW電力を導入
し、グロー放電を生起させ、シャッターを開け、RFp
型層上にMWp型層の形成を開始した。
【0193】層厚10nmのWMp型層を形成したとこ
ろで、シャッターを閉じ、MW電源を切ってグロー放電
を止め、MWp型層の形成を終えた。バルブ2001、
2002、2005を閉じて、SiH4ガス、CH4ガ
ス、B26/H2ガスの流入を止め、5分間、H2ガスを
流し続けたのち、バルブ2006を閉じ、堆積室内およ
びガス配管内を真空排気し、補助バルブ408を閉じ、
リークバルブ409を開けて、堆積室をリークした。
【0194】次に、MWp型層上に、透明電極として、
層厚70nmのITOを真空蒸着法で真空蒸着した。
【0195】次に透明電極上に櫛型の穴が開いたマスク
を乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)/C
r(40nm)からなる櫛形の集電電極を真空蒸着法で
真空蒸着した。
【0196】以上で太陽電池の作製を終えた。この太陽
電池を(SC実1)と呼ぶことし、RFn型層、i型
層、RFp型層、MWp型層の形成条件を表1に示す。
【0197】(比較例1−1)i型層を形成する際に、
RF電力を0.32W/cm3で時間的に一定とする以
外は、実施例1と同じ条件で太陽電池(SC比1−1)
を作製した。
【0198】(比較例1−2)RFp型層は形成せず、
MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例1と同
じ条件で太陽電池(SC比1−2)を作製した。
【0199】太陽電池(SC実1)及び(SC比1−
1)、(SC比1−2)はそれぞれ2個づつ作製し、初
期光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動劣化、
光劣化の測定を行なった。
【0200】初期光電変換効率の測定は、作製した太陽
電池を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得られ
る。測定の結果、(SC実1)の太陽電池に対して、
(SC比1−1)、(SC比1−2)の初期光電変換効
率は以下のようになった。
【0201】(SC比1−1) 0.94倍 (SC比1−2) 0.92倍 振動劣化の測定は、作製した太陽電池を湿度50%、温
度25℃の暗所に設置し、周波数60Hzで振幅0.1
mmの振動を500時間加えた後の、AM1.5(10
0mW/cm2)照射下での光電変換効率の低下率(振
動劣化試験後の光電変換効率/初期光電変換効率)によ
り行った。測定の結果、(SC実l)に対して、(SC
比1−1)、(SC比1−2)の振動劣化後の光電変換
効率の低下率は以下のようなった。
【0202】(SC比1−1) 0.93倍 (SC比1−2) 0.91倍 光劣化の測定は予め初期光電変換効率を測定しておいた
太陽電池を、湿度50%、温度25℃の環境に設置し、
AM−1.5(100mW/cm2)光を500時間照
射後の、AMl.5(100mW/cm2)照射下での
光電変換効率の低下率(光劣化試験後の光電変換効率/
初期光電変換効率)により行った。測定の結果、(SC
実1)に対して(SC比1−1)、(SC比1−2)の
光劣化後の光電変換効率の低下率は以下のようになっ
た。
【0203】(SC比1−1) 0.92倍 (SC比1−2) 0.93倍 次にガラス基板とシリコンウェハを用い、時間的に一定
のRF電力を印加したサンプルを作製した。RF電力を
一定にし、層厚を1μmにする以外は実施例1と同じ条
件でi型層を形成し、バンドギャップ測定用、および赤
外吸収スペクトル測定用サンプルとした。さらにRF電
力をいろいろと変えたサンプルをいくつか作製した。分
光光度計を用いて作製したガラス基板サンプルのバンド
ギャップ(Eg)を求め、さらにシリコンウェハサンプ
ルの赤外吸収スペクトルを測定し、水素含有量を測定し
た。両者の結果を用いてi型層中の水素含有量とバンド
ギャップの関係を求めておいた。
【0204】また2次イオン質量分析装置(SIMS)
を用いて、作製した(SC実1)の層厚方向に対する水
素含有量を求めたところ、図10(b)のようになっ
た。さらに水素含有量とバンドギャップの関係を用いて
これらの層厚方向に対するバンドギャップの変化を求め
たところ図10(c)のようになった。
【0205】同様に(SC比1−1)の水素含有量を求
めたところ、層厚方向に対する水素含有量の変化はな
く、一定で、バンドギャップは1.73(eV)である
ことが分かった。同様に(SC比1−2)の水素含有量
を求めたところ、層厚方向に対する水素含有量の変化は
図10(b)と同様な結果となり、バンドギャップの変
化も図10(c)と同様な結果となった。
【0206】以上のように、層厚方向に対する水素含有
量、およびバンドギャップの変化は、導入されるRF電
力に依存することが分かった。
【0207】以上のように本実施例の太陽電池(SC実
1)が、従来の太陽電池(SC比1−1)、(SC比1
−2)よりもさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0208】(実施例2)実施例1においてRF電力の
変化パターンを変えて、図3(b)の水素含有量の変化
パターンを有する太陽電池(SC実2)を作製した。実
施例1で求めておいた水素含有量とバンドギャップの関
係を用いて太陽電池(SC実2)のバンドギャップの層
厚方向の変化を求めたところ、図6(b)のようになっ
た。そこで初期光電変換効率、振動劣化、光劣化の測定
を実施例1と同様な方法で求めところ、(SC実2)の
太陽電池は実施例1と同様に従来の太陽電池(SC比1
−1)、(SC比1−2)よりもさらに優れた特性を有
することが分かった。
【0209】(実施例3)図1(c)の層構成を有する
フォトダイオードを作製した。
【0210】まず、基板の作製を行った。厚さ0.5m
m、20×20mm2のガラス基板をアセトンとイソプ
ロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させ、真空蒸着法
で室温にてガラス基板表面上に層厚0.1μmのAlの
光反射層を形成し、基板の作製を終えた。
【0211】実施例1と同様な方法で基板上にMWn型
層(μc−SiC)、RFn型層(a−SiC)、i型
層(a−Si)、RFp型層(μc−Si)を順次形成
した。半導体層の層形成条件を表2に示す。
【0212】次に、RFp型層上に実施例1と同様な透
明電極と集電電極を形成した。
【0213】またi型層を形成する際、RF電力の時間
変化パターンを変えて、図3(c)の水素含有量の変化
パタ−ンにした。実施例1で求めておいた水素含有量と
バンドギャップの関係を用いて作製したフォトダイオー
ド(PD実3)のバンドギャップの層厚方向の変化を求
めたところ、図6(c)のようになっていることが分か
った。
【0214】(比較例3−1)i型層を形成する際に、
RF電力を0.32W/cm3一定とする以外は、実施
例3と同じ条件でフォトダイオード(PD比3−1)を
作製した。
【0215】(比較例3−2)RFn型層は形成せず、
MWn型層の層厚は40nmとする以外は実施例3と同
じ条件でフォトダイオードを(PD比3−2)作製し
た。
【0216】作製したフォトダイオ−ドのオンオフ比
(AMl.5光を照射したときの光電流/暗電流 測定
周波数10kHz)を測定した。これを初期オンオフ比
と呼ぶことにする。次に実施例1と同様な条件でオンオ
フ比の振動劣化と光劣化を測定した。その結果、本実施
例のフォトダイオード(PD実3)は従来のフォトダイ
オード(PD比3−1)、(PD比3−2)よりもさら
に優れた特性を有することが分かった。
【0217】(実施例4)n型層とp型層の積層順序を
逆にした、nip型構造を有する図1(b)の太陽電池
を作製した。実施例1と同様に基板上にRFp型層(μ
c−Si)、i型層(a−Si)、RFn型層(a−S
iC)、MWn型層(a−SiC)を形成した。
【0218】i型層を形成する際、RF電力を時間変化
させて、水素含有量の層厚方向の変化を図3(c)のよ
うにした。半導体層の形成条件は表3に示す。半導体層
以外の層および基板は実施例1と同じ条件で太陽電池
(SC実4)を作製した。
【0219】(比較例4−1)i型層を形成する際に、
RF電力を0.32W/cm3一定にして、i型層内の
水素含有量が層厚方向に対して一定にする以外は、実施
例4と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比4−1)と呼ぶことにする。
【0220】(比較例4−2)RFn型層は形成せず、
MWn型層の層厚は20nmとする以外は実施例4と同
じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を(SC比
4−2)と呼ぶことにする。
【0221】作製した太陽電池の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化の測定を実施例1と同様な方法で求めと
ころ、本実施例の太陽電池(SC実4)は従来の太陽電
池(SC比4−1)、(SC比4−2)よりもさらに優
れた特性を有することが分かった。
【0222】(実施例5)MWp型層の界面近傍で水素
含有量が最大となっている太陽電池を作製した。MW電
力を時間変化させて、図3(c)のような水素含有量の
変化パターンを得た。
【0223】これ以外は実施例1と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実5)は(SC実1)より
もさらに優れた特性を有することが分かった。
【0224】(実施例6)RFp型層の界面近傍で水素
含有量が最大となっている太陽電池を作製した。RF電
力を時間変化させて、図3(a)のような水素含有量の
変化パターンを得た。
【0225】これ以外は実施例1と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実6)は(SC実1)より
もさらに優れた特性を有することが分かった。
【0226】(実施例7)MWp型層の界面近傍で価電
子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製し
た。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化させ
て、図11(b)のような価電子制御剤の変化パターン
を得た。(この測定には2次イオン質量分析装置を用い
た。)これ以外は実施例1と同じ条件で作製し、初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を行った。
【0227】作製した太陽電池(SC実7)は(SC実
1)よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0228】(実施例8)RFp型層の両界面近傍で価
電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製
した。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化させ
て、図11(c)のような価電子制御剤の変化パターン
を得た。(この測定には2次イオン質量分析装置を用い
た。)これ以外は実施例1と同じ条件で作製し、初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を行った。測定の
結果、(SC実8)は(SC実1)よりもさらに優れた
特性を有することが分かった。
【0229】(実施例9)図1(a)の構造を有する太
陽電池を作製した。実施例1と同様に基板上にMWn型
層(μc−Si)、RFn型層(a−Si)、i型層
(a−Si)、RFp型層(a−SiC)、MWp型層
(μc−SiC)を順次積層した。半導体層以外は実施
例1と同じものを用いた。作製した太陽電池(SC実
9)は(SC実1)よりもさらに優れた特性を有するこ
とが分かった。
【0230】(実施例10)i型層にa−SiGeを用
いた太陽電池を作製した。i型層を形成する際、SiH
4ガス流量を120sccm、GeH4ガス流量を30s
ccm、H2ガス流量を300sccm、層厚を250
nmにする以外は実施例1と同じ条件で太陽電池(SC
実10)を作製した。
【0231】(比較例10−1)i型層を形成する際
に、RF電力を0.32W/cm3で時間的に一定とす
る以外は、実施例10と同じ条件で太陽電池(SC比1
0−1)を作製した。
【0232】(比較例10−2)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例1
0と同じ条件で太陽電池を(SC比10−2)作製し
た。
【0233】作製した太陽電池(SC実10)、(SC
比10−1)、(SC比10−2)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例1と同様な方法で測定し
たところ、本実施例の太陽電池(SC実10)は、従来
の太陽電池(SC比10−1)、(SC比10−2)よ
りもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0234】(実施例11)i型層にa−SiSnを用
いた太陽電池を作製した。GeH4ガスボンベをSnH4
ガスボンベに交換した。i型層を形成する際、SiH4
ガス流量をl30sccm、SnH4ガス流量を20s
ccm、H2ガス流量を300sccmにする以外は実
施例1と同じ条件で太陽電池(SC実11)を作製し
た。
【0235】(比較例11−1)i型層を形成する際
に、RF電力を0.32W/cm3で時間的に一定とす
る以外は、実施例11と同じ条件で太陽電池(SC比1
1−1)を作製した。
【0236】(比較例11−2)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例1
1と同じ条件で太陽電池(SC比11−2)を作製し
た。
【0237】作製した太陽電池(SC実11)、(SC
比11−1)、(SC比11−2)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例1と同様な方法で測定し
たところ、本実施例の太陽電池(SC実11)は、従来
の太陽電池(SC比11−1)、(SC比11−2)よ
りもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0238】(実施例12)RFp型層とi型層の間に
PR−i層を有する図2(a)の太陽電池を作製した。
【0239】i型層とRFp型層の間にRF−i層を形
成する以外は実施例9と同様な方法で太陽電池を作製し
た。RF−i層はa−Siからなり、SiH4ガス流量
が2sccm、H2ガス流量が50sccm、PH3/H
2ガス流量が0.2sccm、B26/H2ガス流量が
0.5sccm、堆積室内の圧力が1.0Torr、導
入するRF電力が0.01W/cm3、基板温度が27
0℃、層厚が20nmの条件で形成した。作製した太陽
電池(SC実12)は(SC実9)よりもさらに優れた
特性を有することが分かった。
【0240】(実施例13)MWPCVD法を用いた図
9の製造装置を使用して、図12に示すトリプル型太陽
電池を作製した。
【0241】まず、基板の作製を行った。実施例1と同
様に50×50mm2のステンレス基板をアセトンとイ
ソプロパノールで超音波洗浄し、乾燥させた。スパッタ
リング法を用いて、ステンレス基板表面上に層厚0.3
μmのAgの光反射層を形成した。
【0242】この際、基板温度を350℃に設定し、基
板表面を凹凸(テクスチャー化)にした。その上に基板
温度350℃で層厚2.0μmのZnOの反射増加層を
形成した。
【0243】次に実施例1と同様な方法で成膜の準備を
終えた。実施例1と同様な方法で基板上に第1のMWn
型層(μc−Si)を形成し、さらに第1のRFn型層
(a−Si)、第1のi型層(a−SiGe)、第1の
RFp型層(a−Si層厚10nm)、第1のMWp型
層(μc−Si層厚10nm)、第2のRFn型層(μ
c−Si)、第2のi型層(a−Si)、第2のRFp
型層(a−SiC層厚10nm)、第2のMWp型層
(μc−SiC層厚10nm)、第3のRFn型層(a
−SiC)、第3のi型層(a−SiC)、第3のRF
p型層(a−SiC層厚10nm)、第3のMWp型層
(μc−SiC層厚10nm)を順次形成した。第1の
i型層、第2のi型層、第3のi型層を形成する際、R
F電力を変化させて、各層の水素含有量の分布が図3
(c)のようになるようにした。さらにその他の層にお
いては、MWPCVD法で形成する層では形成する際、
MW電力を時間変化させ、RFPCVD法で形成する層
では形成する際、RF電力を時間変化させて、各層の水
素含有量の分布が図3(c)のようになるようにした。
【0244】次に第3のMWp型層上に実施例1と同様
な透明電極を形成した。次に透明電極上に実施例1と同
様な集電電極を真空蒸着法で形成した。以上でトリプル
型太陽電池(SC実13)の作製を終えた。
【0245】(比較例13−1)第1のi型層、および
第2のi型層、および第3のi型層を形成する際に、R
F電力を時間的に一定とし、第lのi型層、および第2
のi型層、および第3のi型層の水素含有量を層厚方向
に対して一定とする以外は、実施例13と同じ条件で太
陽電池(SC比13−1)を作製した。
【0246】(比較例13−2)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層、および第3のRFp型層は形成
せず、第1のMWp型層、および第2のMWp型層、お
よび第3のMWp型層の層厚は20nmとする以外は実
施例13と同じ条件で太陽電池(SC比13−2)を作
製した。作製した太陽電池(SC実13)、(SC比1
3−1)、(SC比13−2)の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化を実施例1と同様な方法で測定したとこ
ろ、本実施例の太陽電池(SC実13)は、従来の太陽
電池(SC比13−1)、(SC比13―2)よりもさ
らに優れた特性を有することが分かった。
【0247】(実施例14)図14のロール・ツー・ロ
ール法を用いた製造装置を使用して、図13のタンデム
型太陽電池を作製した。
【0248】まず基板は長さ300m、幅30cm、厚
さ0.1mmの両面を鏡面研磨した長尺状ステンレスシ
ートを用いた。ロール・ツー・ロール法を用いたスパッ
タリング装置でこのステンレス基板表面上に基板温度3
50℃で層厚0.3μmのAgからなる光反射層を連続
形成し、さらに基板温度350℃で層厚2.0μmのZ
nOからなる反射増加層を連続形成した。基板表面は実
施例13と同様にテクスチャー化されていることが分か
った。
【0249】図14はロール・ツー・ロール法を用いた
半導体層の連続形成装置の概略図である。この装置は基
板送り出し室910と、複数の堆積室901〜909
と、基板巻き取り室911を順次配置し、それらの間を
分離通路912で接続してなり、長尺状の基板913が
これらの中を通って、基板送り出し室から基板巻き取り
室に絶え間無く移動することができ、かつ基板の移動と
同時に各堆積室でそれぞれの半導体層を同時に形成する
ことができる。図15(a)は堆積室を上から見た図
で、それぞれの堆積室には原料ガスの入り口914と原
料ガスの排気口915があり、RF電極916あるいは
MW導波部917が必要に応じて取り付けられ、さらに
基板を加熱するハロゲンランプヒーター918が内部に
設置されている。また原料ガスの入り口914にはそれ
ぞれ図9の原料ガス供給装置2000と同様なものが接
続されており、それぞれの原料ガスの排気口には油拡散
ポンプ、メカニカルブースターポンプなどの真空排気ポ
ンプが接続されている。それぞれのRF電極にはRF電
源が接続され、MW導波部にはMW電源が接続されてい
る。堆積室に接続された分離通路には掃気ガスを流入さ
せる入り口919がある。基板送り出し室には送り出し
ロール920と基板に適度の張力を与え、常に水平に保
つためのガイドロール921があり、基板巻き取り室に
は巻き取りロール922とガイドロール923がある。
【0250】まず、前記の光反射層と反射増加層を形成
した基板を送り出しロールに巻き付け、基板送り出し室
にセットし、各堆積室内を通過させた後に基板の端を基
板巻き取りロールに巻き付ける。装置全体を不図示の真
空排気ポンプで真空排気し、各堆積室のランプヒーター
を点灯させ、各堆積室内の基板温度が所定の温度になる
ように設定する。装置全体の圧力が1mTorr以下に
なったら掃気ガスの入り口919からH2ガスを流入さ
せ、基板を図の矢印の方向に移動させながら、巻き取り
ロールで巻き取っていく。実施例1と同様にして各堆積
室にそれぞれの原料ガスを流入させる。この際、各堆積
室に流入させる原料ガスが他の堆積室に拡散しないよう
に各分離通路に流入させるH2ガスの流量、あるいは各
堆積室の圧力を調整する。
【0251】次にRF電力、またはMW電力を導入して
グロー放電を生起し、それぞれの半導体層を形成してい
く。
【0252】基板上に堆積室901で第1のMWn型層
(μc−Si層厚20nm)を形成し、さらに堆積室9
02で第1のRFn型層(a−Si層厚10nm)、堆
積室903で第1のi型層(a−SiGe層厚180n
m)、堆積室904で第1のRFp型層(a−Si層厚
10nm)、堆積室905で第1のMWp型層(μc−
Si層厚10nm)、堆積室906で第2のRFn型層
(μc−Si層厚20nm)、堆積室907で第2のi
型層(a−Si層厚250nm)、堆積室908で第2
のRFp型層(a−SiC層厚10nm)、堆積室90
9で第2のMWp型層(μc−SiC層厚10nm)を
順次形成した。
【0253】第1のi型層、第2のi型層を形成する
際、端のランプヒーター924、925を調整し、分離
通路に近いところでは基板温度を下げることによって、
第1のi型層、第2のi型層の水素含有量の層厚方向の
変化が図3(c)のようになるようにした。さらに第2
のRFp型層、第2のMWp型層を形成する際、堆積室
内のB26/H2ガスの密度を空間的に分布させること
によって、第2のRFp型層、第2のMWp型層の価電
子制御剤含有量の層厚方向の変化が図11(a)のよう
になるようにした。ガス基板の搬送が終わったところ
で、MW電源、RF電源を切り、グロー放電を止め、原
料ガス、掃気ガスの流入を止めた。装置全体をリーク
し、巻き取られた基板を取りだした。
【0254】次にロール・ツー・ロール法を用いたスパ
ッタリング装置で第2のMWp型層上に170℃で層厚
70nmのITOからなる透明電極を連続形成した。続
いて、この基板の一部を50mm×50mmの大きさに
切断し、実施例1と同様な集電電極を形成した。
【0255】以上でロール・ツー・ロール法を用いたタ
ンデム型太陽電池(SC実14)の作製を終えた。
【0256】(比較例14−1)第1のi型層、および
第2のi型層を形成する際に、基板の搬送方向に対する
温度を一定とし、第1のi型層、第2のi型層の水素含
有量を層厚方向に対して一定とする以外は、実施例14
と同じ条件で太陽電池(SC比14−1)を作製した。
【0257】(比較例14−2)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層は形成せず、第1のMWp型層、
および第2のMWp型層の層厚は20nmとする以外は
実施例14と同じ条件で太陽電池(SC比14−2)を
作製した。
【0258】作製した太陽電池(SC実14)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例1と同様な方法
で測定したところ、本実施例の太陽電池(SC実14)
は、従来の太陽電池(SC比14−1)、(SC比14
−2)よりもさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0259】(実施例15)図14の製造装置を使用し
て作製したタンデム型太陽電池をモジュール化し、発電
システムに応用し、フィールドテストを行った。
【0260】実施例14で作製した光未照射の50mm
×50mmのタンデム型太陽電池(SC実14)を65
個を用意した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にE
VA(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シー
トを乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、その上に6
5個の太陽電池を配列し、直列化および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、その上にフ
ッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モジュー
ル化した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実
施例1と同様な方法で測定しておいた。図16の発電シ
ステムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する外灯
を使用した。システム全体は蓄電池、及びモジュールの
電力によって稼働する。この発電システムを(SBS実
15)と呼ぶことにする。
【0261】(比較例15)光未照射の従来のタンデム
型太陽電池(SC比14−1)、(SC比14−2)を
65個用いて実施例15と同様にモジュール化し、初期
光電変化効率を測定しておいた。このモジュールを実施
例15と同様な発電システムに接続した。これらの発電
システムを(SBS比15−1)、(SBS比15−
2)と呼ぶことにする。
【0262】それぞれのモジュールは最も太陽光を集光
できる角度に設置した。フィールドテストの測定は1年
経過後の光電変換効率を測定し、劣化率(1年後の光電
変換効率/初期光電変換効率)を求めることによって行
った。
【0263】その結果、本発明の太陽電池を用いた発電
システム(SBS実15)は従来の発電システム(SB
S比15−1)、(SBS比15−2)よりもさらに優
れた初期光電変換効率およびフィールド耐久性を有して
いることが分かった。
【0264】(実施例16)半導体層に酸素または/及
び窒素原子を含有する光起電力素子を作製した。まず、
GeH4ガスボンベをHeで500ppmに希釈したO2
ガス(「O2/Heガス」と略記する)ボンベに交換
し、さらにHeガスボンベをHeで10ppmに希釈し
たN2ガス(「N2/Heガス」と略記する)ボンベに交
換した。
【0265】(実施例16−1)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm導入する以外は実施例
1と同じ条件で太陽電池(SC実16−1)を作製し
た。
【0266】(実施例16−2)i型層を形成する際、
2/Heガスを20sccm導入する以外は実施例1
と同じ条件で太陽電池(SC実16−2)を作製した。
【0267】(実施例16−3)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを20
sccm導入する以外は実施例1と同じ条件で太陽電池
(SC実16−3)を作製した 。
【0268】(実施例16−4)RF−i層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例1と同じ条件で太陽電池
(SC実16−4)を作製した。
【0269】(実施例16−5)MWp型層を形成する
際、O2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを
20sccm導入する以外は実施例1と同じ条件で太陽
電池(SC実16−5)を作製した。
【0270】(実施例16−6)RFp型層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例1と同じ条件で太陽電池
(SC実16−6)を作製した。
【0271】作製した太陽電池(SC実16−1)〜
(SC実16−6)の初期光電変換効率、振動劣化、光
劣化を実施例1と同様な方法で測定したところ、これら
の太陽電池は、太陽電池(SC実1)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0272】作製したこれらの太陽電池の酸素原子及び
窒素原子の濃度をSIMSを用いて調べたところ、ほぼ
導入した原料ガス(O)、原料ガス(N)の原料ガス
(Si)に対する濃度程度に含有されていることが分か
った。
【0273】[請求項4に係わる実施例] (実施例17)i型層を以下に示す方法で形成した以外
は実施例1と同様の手順、条件で、i型層にドナー及び
アクセプターとなる価電子制御剤を同時に含む図1
(b)構造の光起電力素子を作製した。
【0274】a−Siからなるi型層は以下のようにし
て形成した。バルブ2006を徐々に開けて、H2ガス
を300sccm導入し、圧力が0.01Torr、基
板404の温度が350℃になるようにヒーター405
を設定した。基板温度が安定したところでさらにバルブ
2001、2004、2005を徐々に開いて、SiH
4ガス、PH3/H2ガス,B26/H2ガスを堆積室に流
入させた。この時SiH4ガス流量が150sccm、
PH3/H2ガス流量が3sccm,B26/H2ガス流
量が3sccm、H2ガス流量が300sccm、堆積
室401内の圧力が0.01Torrとなるように調整
した。次に、RF電源の電力を0.32W/cm3に設
定し、RF電極に印加した。その後、不図示のMW電源
の電力を0.20W/cm3に設定し、誘電体窓413
を通して堆積室内にMW電力を導入し、グロー放電を生
起させ、シャッターを開け、RFn型層上にi型層の形
成を開始した。層厚300nmのi型層を形成したとこ
ろで、シャッターを閉じ、MW電源、RF電源を切って
グロー放電を止め、i型層の形成を終えた。
【0275】この太陽電池を(SC実17)と呼ぶこと
し、RFn型層、i型層、RFp型層、MWp型層の形
成条件を表4に示す。
【0276】(比較例17−1)i型層を形成する際
に、PH3/H2ガスを流入しない以外は、実施例17と
同じ条件で太陽電池(SC比17−1)を作製した。
【0277】(比較例17−2)i型層を形成する際
に、B26/H2ガスを流入しない以外は、実施例17
と同じ条件で太陽電池(SC比17−2)を作製した。
【0278】(比較例17−3)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例1
7と同じ条件で太陽電池(SC比17−3)を作製し
た。
【0279】太陽電池(SC実17)及び(SC比17
−1)〜(SC比17−3)はそれぞれ2個づつ作製
し、初期光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動
劣化、光劣化の測定を行なった。
【0280】(SC実17)の太陽電池に対して、(S
C比17−1)〜(SC比17−3)の初期光電変換効
率は以下のようになった。
【0281】(SC比17−1) 0.91倍 (SC比17−2) 0.90倍 (SC比17−3) 0.89倍 (SC実17)に対して、(SC比17−1)〜(SC
比17−3)の振動劣化後の光電変換効率の低下率は以
下のようなった。
【0282】(SC比17−1) 0.90倍 (SC比17−2) 0.89倍 (SC比17−2) 0.88倍 (SC実17)に対して(SC比17−1)〜(SC比
17−3)の光劣化後の光電変換効率の低下率は以下の
ようになった。
【0283】(SC比17−1) 0.90倍 (SC比17−2) 0.89倍 (SC比17−2) 0.88倍 次に2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、作
製した(SC実17)、(SC比17−1)〜(SC比
17−3)のP(リン)及びB(ほう素)の含有量を求
めたところ以下のようになった。
【0284】 ─────────────────────────────── P含有量 B含有量 ─────────────────────────────── (SC実17) 5ppm 10ppm (SC比17−1) N.D. 10ppm (SC比17−2) 5ppm N.D. (SC比17−3) 5ppm 10ppm ─────────────────────────────── N.D. 検出限界以下 以上のように本実施例の太陽電池(SC実17)が、従
来の太陽電池(SC比17−1)〜(SC比17−3)
より優れた特性を示すことがわかった。
【0285】(実施例18)i型層内の価電子制御剤の
含有量が層厚方向になめらかに変化し、且つp型層側で
含有量が多い太陽電池(SC実18)を作製した。PH
3/H2ガス流量,B 26/H2ガス流量を図17(a)
のように時間的に変化させた以外は実施例17と同条件
で太陽電池(SC実18)を作製した。また実施例17
と同様にP,Bの含有量を求めたところ、図11(a)
のようになっていることが分かった。
【0286】次に、初期光電変換効率、振動劣化、光劣
化の測定を実施例17と同様な方法で求めところ、(S
C実18)の太陽電池は(SC実17)よりもさらに優
れた特性を有することが分かった。
【0287】(実施例19)図1(c)の層構成を有す
るフォトダイオード(PD実19)を作製した。
【0288】まず、基板の作製を行った。厚さ0.5m
m、20×20mm2のガラス基板をアセトンとイソプ
ロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させ、真空蒸着法
で室温にてガラス基板表面上に層厚0.1μmのAlの
光反射層を形成し、基板の作製を終えた。
【0289】実施例17と同様な方法で基板上にMWn
型層(μc−SiC)、RFn型層(a−SiC)、i
型層(a−Si)、RFp型層(μc−Si)を順次形
成した。半導体層の層形成条件を表5に示す。
【0290】次に、RFp型層上に実施例17と同様な
透明電極と集電電極を形成した。
【0291】(比較例19−1)i型層を形成する際
に、PH3/H2ガスを流入しない以外は、実施例19と
同じ条件で太陽電池(PD比19−1)を作製した。
【0292】(比較例19−2)i型層を形成する際
に、B26/H2ガスを流入しない以外は、実施例19
と同じ条件で太陽電池(PD比19−2)を作製した。
【0293】(比較例19−3)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は40nmとする以外は実施例1
9と同じ条件でフォトダイオードを(PD比19−3)
作製した。
【0294】作製したフォトダイオ−ドのオンオフ比を
測定した。次に実施例17と同様な条件でオンオフ比の
振動劣化と光劣化を測定した。その結果、本実施例のフ
ォトダイオード(PD実19)は従来のフォトダイオー
ド(PD比19−1)〜(PD比19−3)よりもさら
に優れた特性を有することが分かった。
【0295】(実施例20)n型層とp型層の積層順序
を逆にした、nip型構造を有する図1(b)の太陽電
池を作製した。実施例17と同様に基板上にRFp型層
(μc−Si)、i型層(a−Si)、RFn型層(a
−SiC)、MWn型層(a−SiC)を形成した。
【0296】i型層を形成する際、RF電力を時間変化
させて、水素含有量が層厚方向に変化するようにした。
半導体層の形成条件は表6に示す。半導体層以外の層お
よび基板は実施例17と同じ条件で太陽電池(SC実2
0)を作製した。
【0297】(比較例20−1)i型層を形成する際
に、PH3/H2ガスを流入しない以外は、実施例20と
同じ条件で太陽電池(SC比20−1)を作製した。
【0298】(比較例20−2)i型層を形成する際
に、B26/H2ガスを流入しない以外は、実施例20
と同じ条件で太陽電池(SC比20−2)を作製した。
【0299】(比較例20−3)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は20nmとする以外は実施例2
0と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比20−3)と呼ぶことにする。
【0300】(実施例20−1)i型層を形成する際。
RF電力を時間的に一定とする以外は実施例20と同じ
条件で太陽電池(SC実20−1)を作製した。
【0301】次に、実施例1と同様に、ガラス基板とシ
リコンウェハを用い、一定のRF電力を印加し、実施例
17と同じ条件でi型層を1μm形成し、バンドギャッ
プ測定用、および赤外吸収スペクトル測定用サンプルと
した。さらにRF電力をいろいろと変えたサンプルをい
くつか作製した。分光光度計を用いて作製したガラス基
板サンプルのバンドギャップ(Eg)を求め、さらにシ
リコンウェハサンプルの赤外吸収スペクトルを測定し、
水素含有量を測定した。両者の結果を用いてi型層中の
水素含有量とバンドギャップの関係を求めたところ、
P,Bを含まない場合と同様な結果が得られた。
【0302】また2次イオン質量分析装置(SIMS)
を用いて作製した(SC実20)の層厚方向に対する水
素含有量を求めたところ、図3(a)と同様な結果とな
った。さらに水素含有量とバンドギャップの関係を用い
てこれらの層厚方向に対するバンドギャップの変化を求
めたところ図6(a)と同様な結果となった。
【0303】同様に(SC実20−1)の水素含有量を
求めたところ、層厚方向に対する水素含有量の変化はな
く、一定で、バンドギャップは1.73(eV)である
ことが分かった。同様に(SC比20−1)〜(SC比
20−3)の水素含有量を求めたところ、層厚方向に対
する水素含有量の変化は図3(a)と同様な結果とな
り、バンドギャップの変化も図6(a)と同様な結果と
なった。
【0304】以上のように、層厚方向に対する水素含有
量、およびバンドギャップの変化は、導入されるRF電
力に依存することが確認された。
【0305】作製した太陽電池の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化の測定を実施例17と同様な方法で求め
ところ、本実施例の太陽電池(SC実20)は太陽電池
(SC比20−1)〜(SC比20−3)よりもさらに
優れた特性を有することが分かった。また、(SC実2
0)は(SC実20−1)よりさらに優れた特性を示す
ことがわかった。
【0306】(実施例21)MWp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。MW
電力を時間変化させて、図3(c)のような水素含有量
の変化パターンを得た。
【0307】これ以外は実施例17と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実21)は(SC実17)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0308】(実施例22)RFp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。RF
電力を時間変化させて、図3(a)のような水素含有量
の変化パターンを得た。
【0309】これ以外は実施例17と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実22)は(SC実17)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0310】(実施例23)MWp型層の界面近傍で価
電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製
した。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化させ
て、図11(c)のような価電子制御剤の変化パターン
を得た。これ以外は実施例17と同じ条件で作製し、初
期光電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を行った。
【0311】作製した太陽電池(SC実23)は(SC
実17)よりもさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0312】(実施例24)RFp型層の界面近傍で価
電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製
した。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化させ
て、図11(b)のような価電子制御剤の変化パターン
を得た。これ以外は実施例17と同じ条件で作製し、初
期光電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を行った。測
定の結果、(SC実24)は(SC実17)よりもさら
に優れた特性を有することが分かった。
【0313】(実施例25)図1(a)の構造を有する
太陽電池を作製した。実施例17と同様に基板上にMW
n型層(μc−Si)、RFn型層(a−Si)、i型
層(a−Si)、RFp型層(a−SiC)、MWp型
層(μc−SiC)を順次積層した。半導体層以外は実
施例17と同じものを用いた。作製した太陽電池(SC
実25)は(SC実17)よりもさらに優れた特性を有
することが分かった。
【0314】(実施例26)i型層にa−SiGeを用
いた太陽電池を作製した。HeガスボンベをH2ガスで
100ppmに希釈したAsH3ガス(AsH3/H2
ス)ボンベに交換し、i型層を形成する際、SiH4
ス流量を120sccm、GeH4ガス流量を30sc
cm、AsH3/H2ガス流量を1sccm、B26/H
2ガス流量を2sccm、H2ガス流量を300scc
m、層厚を250nmにする以外は実施例17と同じ条
件で太陽電池(SC実26)を作製した。
【0315】(比較例26−1)i型層を形成する際
に、AsH3/H2ガスを流入しない以外は、実施例26
と同じ条件で太陽電池(SC比26−1)を作製した。
【0316】(比較例26−2)i型層を形成する際
に、B26/H2ガスを流入しない以外は、実施例26
と同じ条件で太陽電池(SC比26−2)を作製した。
【0317】(比較例26−3)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例2
6と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比26−3)と呼ぶことにする。
【0318】作製した太陽電池(SC実26)、(SC
比26−1)〜(SC比26−3)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例17と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実26)は、従
来の太陽電池(SC比26−1)〜(SC比26−3)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0319】(実施例27)i型層にa−SiSnを用
いた太陽電池を作製した。圧力調節器2037とバルブ
2027の間にAl(CH33(トリメチルアルミニウ
ムTMA)液体ボンベを接続しHeガスでTMAをバブ
リングすることによりHeで希釈されたTMAガス(1
0ppmTMA/Heガス)を堆積室に導入できるよう
にした。
【0320】i型層を形成する際、SiH4ガス流量を
90sccm、SnH4ガス流量を10sccm、PH3
/H2ガス流量を1sccm、TMA/Heガス流量を
10sccmにする以外は実施例17と同じ条件で太陽
電池(SC実27)を作製した。
【0321】(比較例27−1)i型層を形成する際
に、PH3/H2ガスを流入しない以外は、実施例27と
同じ条件で太陽電池(SC比27−1)を作製した。
【0322】(比較例27−2)i型層を形成する際
に、TMA/Heガスを流入しない以外は、実施例27
と同じ条件で太陽電池(SC比27−2)を作製した。
【0323】(比較例27−3)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例2
7と同じ条件で太陽電池(SC比27−3)を作製し
た。
【0324】作製した太陽電池(SC実27)、(SC
比27−1)〜(SC比27−3)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例17と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実27)は、従
来の太陽電池(SC比27−1)〜(SC比27−3)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0325】(実施例28)RFp型層とi型層の間に
PR−i層を有する図2(a)の太陽電池を作製した。
【0326】i型層とRFp型層の間にRF−i層を形
成する以外は実施例25と同様な方法で太陽電池を作製
した。RF−i層はa−Siからなり、SiH4ガス流
量が2sccm、H2ガス流量が50sccm、PH3
2ガス流量が0.2sccm、B26/H2ガス流量が
0.5sccm、堆積室内の圧力が1.0Torr、導
入するRF電力が0.01W/cm3、基板温度が27
0℃、層厚が20nmの条件で形成した。作製した太陽
電池(SC実28)は(SC実25)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0327】(実施例29)MWPCVD法を用いた図
9の製造装置を使用して、図12に示すトリプル型太陽
電池を作製した。
【0328】まず、基板の作製を行った。実施例17と
同様に50×50mm2のステンレス基板をアセトンと
イソプロパノールで超音波洗浄し、乾燥させた。スパッ
タリング法を用いて、ステンレス基板表面上に層厚0.
3μmのAgの光反射層を形成した。この際、基板温度
を350℃に設定し、基板表面を凹凸(テクスチャー
化)にした。その上に基板温度350℃で層厚2.0μ
mのZnOの反射増加層を形成した。
【0329】次に実施例17と同様な方法で成膜の準備
を終えた。実施例17と同様な方法で基板上に第1のM
Wn型層(μc−Si)を形成し、さらに第1のRFn
型層(a−Si)、第1のi型層(a−SiGe)、第
1のRFp型層(a−Si層厚10nm)、第1のMW
p型層(μc−Si層厚10nm)、第2のRFn型層
(μc−Si)、第2のi型層(a−Si)、第2のR
Fp型層(a−SiC層厚10nm)、第2のMWp型
層(μc−SiC層厚10nm)、第3のRFn型層
(a−SiC)、第3のi型層(a−SiC)、第3の
RFp型層(a−SiC層厚10nm)、第3のMWp
型層(μc−SiC層厚10nm)を順次形成した。
【0330】第1のi型層、第2のi型層、第3のi型
層を形成する際、PH3/H2及びB 26/H2ガス流量
を図17(c)のように時間変化させた。さらにその他
の層においては、MWPCVD法で形成する層では形成
する際、MW電力を時間変化させ、RFPCVD法で形
成する層では形成する際、RF電力を時間変化させて、
各層の水素含有量の分布が図3(c)のようになるよう
にした。
【0331】次に第3のMWp型層上に実施例17と同
様にして透明電極、集電電極を真空蒸着法で形成した。
以上でトリプル型太陽電池(SC実29)の作製を終え
た。SIMSを用いて価電子制御剤の含有量の層厚方向
の変化を求めたところ、図11(c)のようになってい
るのが分かった。
【0332】(比較例29−1)第1のi型層、および
第2のi型層、および第3のi型層を形成する際に、P
3/H2ガスを流入しない以外は、実施例29と同じ条
件で太陽電池(SC比29−1)を作製した。
【0333】(比較例29−2)第1のi型層、および
第2のi型層、および第3のi型層を形成する際に、B
26/H2ガスを流入しない以外は、実施例29と同じ
条件で太陽電池(SC比29−2)を作製した。
【0334】(比較例29−3)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層、および第3のRFp型層は形成
せず、第1のMWp型層、および第2のMWp型層、お
よび第3のMWp型層の層厚は20nmとする以外は実
施例29と同じ条件で太陽電池(SC比29−3)を作
製した。作製した太陽電池(SC実29)、(SC比2
9−1)〜(SC比29−3)の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化を実施例17と同様な方法で測定したと
ころ、本実施例の太陽電池(SC実29)は、太陽電池
(SC比29−1)〜(SC比29―3)よりもさらに
優れた特性を有することが分かった。
【0335】(実施例30)図14のロール・ツー・ロ
ール法を用いた製造装置を使用して、図13のタンデム
型でi型層にP,B原子を含む太陽電池を作製した。i
型層形成用の堆積室903、907は図15(b)に示
すように、PH3/H2ガス、B26/H2ガスを別々に
導入できる構造とした。
【0336】基板上に堆積室901で第1のMWn型層
(μc−Si層厚20nm)を形成し、さらに堆積室9
02で第1のRFn型層(a−Si層厚10nm)、堆
積室903で第1のi型層(a−SiGe層厚180n
m)、堆積室904で第1のRFp型層(a−Si層厚
10nm)、堆積室905で第1のMWp型層(μc−
Si層厚10nm)、堆積室906で第2のRFn型層
(μc−Si層厚20nm)、堆積室907で第2のi
型層(a−Si層厚250nm)、堆積室908で第2
のRFp型層(a−SiC層厚10nm)、堆積室90
9で第2のMWp型層(μc−SiC層厚10nm)を
順次形成した。
【0337】第1のi型層、第2のi型層を形成する
際、PH3/H2,B26/H2ガスは別途入口934、
935から流入させi型層の界面近傍で多くの価電子制
御剤が流入できるようにした。
【0338】次にこの基板の一部を50mm×50mm
の大きさに切断し、実施例17と同様な集電電極を形成
した。
【0339】以上でロール・ツー・ロール法を用いたタ
ンデム型太陽電池(SC実30)の作製を終えた。
【0340】(比較例30−1)第1のi型層、および
第2のi型層を形成する際に、PH3/H2ガスを流入し
ない以外は、実施例30と同じ条件で太陽電池(SC比
30−1)を作製した。
【0341】(比較例30−2)第1のi型層、および
第2のi型層を形成する際に、B26/H2ガスを流入
しない以外は、実施例30と同じ条件で太陽電池(SC
比30−2)を作製した。
【0342】(比較例30−3)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層は形成せず、第1のMWp型層、
および第2のMWp型層の層厚は20nmとする以外は
実施例30と同じ条件で太陽電池(SC比30−3)を
作製した。
【0343】作製した太陽電池(SC実30)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例17と同様な方
法で測定したところ、本実施例の太陽電池(SC実3
0)は、太陽電池(SC比30−1)〜(SC比30−
3)よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0344】(実施例31)図14の製造装置を使用し
て作製したタンデム型太陽電池をモジュール化し、発電
システムに応用し、フィールドテストを行った。
【0345】実施例30で作製した光未照射の50mm
×50mmのタンデム型太陽電池(SC実30)を65
個を用意した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にE
VA(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シー
トを乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、その上に6
5個の太陽電池を配列し、直列化および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、その上にフ
ッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モジュー
ル化した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実
施例17と同様な方法で測定しておいた。図16の発電
システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する外
灯を使用した。システム全体は蓄電池、及びモジュール
の電力によって稼働する。この発電システムを(SBS
実31)と呼ぶことにする。
【0346】(比較例31)光未照射の従来のタンデム
型太陽電池(SC比30−1)〜(SC比30−3)を
65個用いて実施例31と同様にモジュール化し、初期
光電変化効率を測定しておいた。このモジュールを実施
例31と同様な発電システムに接続した。これらの発電
システムを(SBS比31−1)〜(SBS比31−
3)と呼ぶことにする。
【0347】それぞれのモジュールは最も太陽光を集光
できる角度に設置した。フィールドテストの測定は1年
経過後の光電変換効率を測定し、劣化率(1年後の光電
変換効率/初期光電変換効率)を求めることによって行
った。
【0348】その結果、本発明の太陽電池を用いた発電
システム(SBS実31)は従来の発電システム(SB
S比31−1)〜(SBS比31−3)よりもさらに優
れた初期光電変換効率およびフィールド耐久性を有して
いることが分かった。
【0349】(実施例32)半導体層に酸素または/及
び窒素原子を含有する光起電力素子を作製した。まず、
GeH4ガスボンベをO2/Heガスボンベに交換し、さ
らにHeガスボンベをN2/Heガスボンベに交換し
た。
【0350】(実施例32−1)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm導入する以外は実施例
17と同じ条件で太陽電池(SC実32−1)を作製し
た。
【0351】(実施例176−2)i型層を形成する
際、N2/Heガスを20sccm導入する以外は実施
例17と同じ条件で太陽電池(SC実32−2)を作製
した。
【0352】(実施例32−3)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを20
sccm導入する以外は実施例17と同じ条件で太陽電
池(SC実32−3)を作製した 。
【0353】(実施例32−4)RF−i層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例17と同じ条件で太陽電池
(SC実32−4)を作製した。
【0354】(実施例32−5)MWp型層を形成する
際、O2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを
20sccm導入する以外は実施例17と同じ条件で太
陽電池(SC実32−5)を作製した。
【0355】(実施例32−6)RFp型層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例17と同じ条件で太陽電池
(SC実32−6)を作製した。
【0356】作製した太陽電池(SC実32−1)〜
(SC実32−6)の初期光電変換効率、振動劣化、光
劣化を実施例17と同様な方法で測定したところ、これ
らの太陽電池は、太陽電池(SC実17)よりもさらに
優れた特性を有することが分かった。
【0357】作製したこれらの太陽電池の酸素原子及び
窒素原子の濃度をSIMSを用いて調べたところ、ほぼ
導入した原料ガス(O)、原料ガス(N)の原料ガス
(Si)に対する濃度程度に含有されていることが分か
った。
【0358】[請求項2に係わる実施例(その1)] (実施例33)i型層を以下に示すようにして形成した
以外は実施例1と同様な手順・条件でi型層にGeを含
有した図1(b)構造の光起電力素子を作製した。
【0359】a−SiGeからなるi型層は次のように
して形成した。バルブ2006を徐々に開けて、H2
スを300sccm導入し、圧力が0.01Torr、
基板404の温度が350℃になるようにヒーター40
5を設定した。基板温度が安定したところでさらにバル
ブ2001、2003を徐々に開いて、SiH4ガス、
GeH4ガスを堆積室に流入させた。この時SiH4ガス
流量が140sccm、GeH4ガス流量が10scc
m、H2ガス流量が300sccm、堆積室401内の
圧力が0.01Torrとなるように調整した。次に、
RF電源の電力を0.32W/cm3に設定し、RF電
極に印加した。その後、不図示のMW電源の電力を0.
20W/cm3に設定し、誘電体窓413を通して堆積
室内にMW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャ
ッターを開け、RFn型層上にi型層の形成を開始し
た。i型層形成中、マスフローコントロラー2011、
2013に接続されたコンピューターを用い、図18
(b)に示した変化パターンに従ってSiH4ガス流
量、GeH4ガス流量を変化させ、層厚200nmのi
型層を形成したところで、シャッターを閉じ、MW電
源、RF電源を切ってグロー放電を止め、i型層の形成
を終えた。この太陽電池を(SC実33)とし、RFn
型層、i型層、RFp型層、MWp型層の形成条件を表
7に示す。
【0360】(比較例33−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が120sccm、GeH4ガス流
量が30sccmで時間的に一定とする以外は、実施例
33と同じ条件で太陽電池(SC比33−1)を作製し
た。
【0361】(比較例33−2)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例3
3と同じ条件で太陽電池(SC比33−2)を作製し
た。
【0362】太陽電池(SC実33)及び(SC比33
−1)、(SC比33−2)はそれぞれ2個づつ作製
し、初期光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動
劣化、光劣化の測定を行なった。
【0363】測定の結果、(SC実33)の太陽電池に
対して、(SC比33−1)、(SC比33−2)の初
期光電変換効率は以下のようになった。
【0364】(SC比33−1) 0.88倍 (SC比33−2) 0.87倍 (SC実l)に対して、(SC比33−1)、(SC比
33−2)の振動劣化後の光電変換効率の低下率は以下
のようなった。
【0365】(SC比33−1) 0.87倍 (SC比33−2) 0.86倍 (SC実33)に対して(SC比33−1)、(SC比
33−2)の光劣化後の光電変換効率の低下率は以下の
ようになった。
【0366】(SC比33−1) 0.87倍 (SC比33−2) 0.86倍 次にガラス基板とステンレス基板を用い、SiH4ガス
流量、GeH4ガス流量を時間的に一定としたサンプル
を作製した。流量を一定にし、層厚を1μmにする以外
は実施例33と同じ条件でi型層を形成し、バンドギャ
ップ測定用、および分析用サンプルとした。さらに流量
をいろいろと変えたサンプルをいくつか作製した。分光
光度計を用いて作製したガラス基板サンプルのバンドギ
ャップ(Eg)を求め、さらにオージェ電子分光装置
(AES)を用いてステンレス基板サンプルのGe含有
量を分析した。両者の結果を用いてi型層中のGe含有
量とバンドギャップの関係を求めておいた。
【0367】またAESを用いて、作製した(SC実3
3)、(SC比33−2)の層厚方向に対するGe含有
量を求め、さらにGe含有量とバンドギャップの関係を
用いてこれらの層厚方向に対するバンドギャップの変化
を求めたところ図18(d)のようになった。同様に
(SC比33−1)のGe含有量を求めたところ、層厚
方向に対するGe含有量の変化はなく一定でバンドギャ
ップは1.51eVであることが分かった。以上のよう
に、層厚方向に対するGe含有量、およびバンドギャッ
プの変化は、導入されるGeH4ガス流量に依存するこ
とが分かった。
【0368】以上のように本実施例の太陽電池(SC実
33)が、従来の太陽電池(SC比33−1)、(SC
比33−2)よりもさらに優れた特性を有することが分
かった。
【0369】(実施例33−1)i型層を形成する際、
SiH4ガス流量、GeH4ガス流量の時間変化を図18
(a)のようにし、それ以外は実施例33と同様な方法
でた太陽電池(SC実33−1)を作製した。実施例3
3と同様な方法で層厚方向に対するバンドギャップを求
めたところ、図18(c)のようになっていることが分
かった。また作製した太陽電池(SC実33−1)の初
期光電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を実施例33
と同様な方法で求めところ、(SC実33−1)の太陽
電池は(SC実33)よりもさらに優れた特性を有する
ことが分かった。
【0370】(実施例34)i型層中のGe含有量が図
4(b)のように変化している太陽電池(SC実34)
を作製した。GeH4ガス流量を時間に対して単調に増
加させ、SiH4ガス流量を単調に減少させた以外は、
実施例33と同条件で太陽電池(SC実34)を作製し
た。実施例33と同様な方法でバンドギャップの層厚方
向の変化を求めたところ、図7(b)のようになってい
ることが分かった。次に、初期光電変換効率、振動劣
化、光劣化の測定を実施例33と同様な方法で求めとこ
ろ、(SC実34)の太陽電池は実施例33と同様に従
来の太陽電池(SC比33−1)、(SC比33−2)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0371】(実施例35)図1(c)の層構成を有す
るフォトダイオードを作製した。
【0372】まず、基板の作製を行った。厚さ0.5m
m、20×20mm2のガラス基板をアセトンとイソプ
ロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させ、真空蒸着法
で室温にてガラス基板表面上に層厚0.1μmのAlの
光反射層を形成し、基板の作製を終えた。
【0373】実施例33と同様な方法で基板上にMWn
型層(μc−SiC)、RFn型層(a−SiC)、i
型層(a−SiGe)、RFp型層(μc−Si)を順
次形成した。半導体層の層形成条件を表8に示す。
【0374】次に、RFp型層上に実施例33と同様な
透明電極と集電電極を形成した。
【0375】(比較例35−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が120sccm、GeH4ガス流
量が30sccmで時間的に一定とし、層厚方向のバン
ドギャップを一定とする以外は、実施例35と同じ条件
でフォトダイオード(PD比35−1)を作製した。
【0376】(比較例35−2)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は40nmとする以外は実施例3
5と同じ条件でフォトダイオードを(PD比35−2)
作製した。
【0377】作製したフォトダイオ−ドのオンオフ比を
測定した。次に実施例33と同様な条件でオンオフ比の
振動劣化と光劣化を測定した。その結果、本実施例のフ
ォトダイオード(PD実35)は従来のフォトダイオー
ド(PD比35−1)、(PD比35−2)よりもさら
に優れた特性を有することが分かった。
【0378】(実施例36)n型層とp型層の積層順序
を逆にした、nip型構造を有する図1(b)の太陽電
池を作製した。実施例33と同様に基板上にRFp型層
(μc−Si)、i型層(a−SiGe)、RFn型層
(a−SiC)、MWn型層(a−SiC)を形成し
た。
【0379】i型層を形成する際、図18(b)のよう
にSiH4ガス流量、GeH4ガス流量を時間変化させ
て、Ge含有量の最小となる位置がi型層の中央よりp
型層側になるようにした。半導体層の形成条件は表9に
示す。半導体層以外の層および基板は実施例33と同じ
条件で太陽電池(SC実36)を作製した。
【0380】(比較例36−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が120sccm、GeH4ガス流
量が30sccmで時間的に一定とする以外は、実施例
36と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比36−1)と呼ぶことにする。
【0381】(比較例36−2)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は20nmとする以外は実施例3
6と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比36−2)と呼ぶことにする。
【0382】作製した太陽電池の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化の測定を実施例33と同様な方法で求め
ところ、本実施例の太陽電池(SC実36)は従来の太
陽電池(SC比36−1)、(SC比36−2)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0383】(実施例37)MWp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。MW
p層を形成する際、MW電力を時間変化させて、図21
(a)のような水素含有量の変化パターンを得た。
【0384】これ以外は実施例33と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実37)は(SC実33)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0385】(実施例38)RFp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。RF
p層を形成する際、RF電力を時間変化させて、図21
(b)のような水素含有量の変化パターンを得た。
【0386】これ以外は実施例33と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実38)は(SC実33)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0387】(実施例39)MWp型層の界面近傍で価
電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製
した。MWp層を形成する際、導入する価電子制御剤の
原料ガスを時間変化させて、図11(a)のような価電
子制御剤の変化パターンを得た。これ以外は実施例33
と同じ条件で作製した。
【0388】作製した太陽電池(SC実39)は(SC
実33)よりもさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0389】(実施例40)RFp型層の両界面近傍で
価電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作
製した。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化さ
せて、図11(b)のような価電子制御剤の変化パター
ンを得た。これ以外は実施例33と同じ条件で作製し
た。(SC実40)は(SC実33)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0390】(実施例41)図1(a)の構造を有し、
i型層中の価電子制御剤の含有量が層厚方向になめらか
に変化し、且つp型層側で含有量が多くなっている太陽
電池(SC実41)を作製した。実施例33と同様に基
板上にMWn型層(μc−Si)、RFn型層(a−S
i)、i型層(a−SiGe)、RFp型層(a−Si
C)、MWp型層(μc−SiC)を順次積層した。i
型層を形成する際、PH3/H2ガス流量,B26/H2
ガス流量を時間変化させてP原子、B原子の含有量を図
11(c)のようにした以外は実施例33と同条件で太
陽電池(SC実41)を作製した。半導体層以外は実施
例33と同じものを用いた。作製した太陽電池(SC実
41)は(SC実33)よりもさらに優れた特性を有す
ることが分かった。
【0391】(実施例42)i型層にa−SiSnを用
いた太陽電池を作製した。GeH4ガスボンベをSnH4
ガスボンベに交換した。i型層を形成する際、図18
(a)と同様な変化パターンでSiH4ガス流量、Sn
4ガス流量を時間変化させ、更にPH3/H2ガス流量
を1sccm,B26/H2ガス流量を2sccm、H2
ガス流量を300sccm、層厚を180nmにする以
外は実施例33と同じ条件で太陽電池(SC実42)を
作製した。
【0392】(実施例42−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量、SnH4ガス流量は時間的に一定
とし、それぞれ120sccm,30sccmとする以
外は、実施例42と同じ条件で太陽電池(SC実42−
1)を作製した。
【0393】(比較例42−1)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例4
2と同じ条件で太陽電池(SC比42−1)を作製し
た。
【0394】作製した太陽電池(SC実42)、(SC
実42−1)、(SC比42−1)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例33と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実42)は、太
陽電池(SC実42−1)、(SC比42−1)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0395】(実施例43)i型層を形成する際、MW
電力を時間的に変化させた太陽電池(SC実43)を作
製した。SiH4ガス流量は120sccm、GeH4
ス流量は30sccmで時間的に一定とし、かつMW電
力は0.2W/cm3から0.3W/cm3まで単調に増
加させた以外は実施例22と同様な方法で太陽電池(S
C実43)を作製した。実施例33と同様な方法でGe
含有量の層厚方向の変化を求めたところ図4(b)のよ
うになっていることが分かった。更にバンドギャップを
求めたところ図7(b)のようになっていることが分か
った。
【0396】作製した太陽電池(SC実43)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例33と同様な方
法で測定したところ、本実施例の太陽電池(SC実4
3)は、従来の太陽電池(SC比33−1)、(SC比
33−2)よりもさらに優れた特性を有することが分か
った。
【0397】(実施例44)RFp型層とi型層の間に
PR−i層を有する図2(a)の太陽電池を作製した。
【0398】i型層とRFp型層の間にRF−i層を形
成する以外は実施例41と同様な方法で太陽電池を作製
した。RF−i層はa−Siからなり、SiH4ガス流
量が2sccm、H2ガス流量が50sccm、PH3
2ガス流量が0.2sccm、B26/H2ガス流量が
0.5sccm、堆積室内の圧力が1.0Torr、導
入するRF電力が0.01W/cm3、基板温度が27
0℃、層厚が20nmの条件で形成した。作製した太陽
電池(SC実44)は(SC実41)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0399】(実施例45)MWPCVD法を用いた図
9の製造装置を使用して、図12に示すトリプル型太陽
電池を作製した。
【0400】まず、基板の作製を行った。実施例33と
同様に50×50mm2のステンレス基板をアセトンと
イソプロパノールで超音波洗浄し、乾燥させた。スパッ
タリング法を用いて、ステンレス基板表面上に層厚0.
3μmのAgの光反射層を形成した。この際、基板温度
を350℃に設定し、基板表面を凹凸(テクスチャー
化)にした。その上に基板温度350℃で層厚2.0μ
mのZnOの反射増加層を形成した。
【0401】次に実施例33と同様な方法で成膜の準備
を終えた。実施例33と同様な方法で基板上に第1のM
Wn型層(μc−Si)を形成し、さらに第1のRFn
型層(a−Si)、第1のi型層(a−SiGe)、第
1のRFp型層(a−Si層厚10nm)、第1のMW
p型層(μc−Si層厚10nm)、第2のRFn型層
(μc−Si)、第2のi型層(a−Si)、第2のR
Fp型層(a−SiC層厚10nm)、第2のMWp型
層(μc−SiC層厚10nm)、第3のRFn型層
(a−SiC)、第3のi型層(a−SiC)、第3の
RFp型層(a−SiC層厚10nm)、第3のMWp
型層(μc−SiC層厚10nm)を順次形成した。
【0402】第1のi型層を形成する際、SiH4ガス
流量、GeH4ガス流量を図18(a)のように時間変
化させた。さらにその他の層においては、MWPCVD
法で形成する層では形成する際、MW電力を時間変化さ
せ、RFPCVD法で形成する層では形成する際、RF
電力を時間変化させて、各層の水素含有量の分布が図3
(c)のようになるようにした。次に第3のMWp型層
上に実施例33と同様な透明電極を形成した。次に透明
電極上に実施例33と同様な集電電極を真空蒸着法で形
成した。以上でトリプル型太陽電池(SC実45)の作
製を終えた。
【0403】(実施例45−1)第1のi型層を形成す
る際に、SiH4ガス流量を120sccm、GeH4
ス流量を30sccmと時間的に一定とする以外は、実
施例45と同じ条件で太陽電池(SC実45−1)を作
製した。
【0404】(比較例45−1)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層、および第3のRFp型層は形成
せず、第1のMWp型層、および第2のMWp型層、お
よび第3のMWp型層の層厚は20nmとする以外は実
施例45と同じ条件で太陽電池(SC比45−1)を作
製した。
【0405】作製した太陽電池(SC実45)、(SC
実45−1)、(SC比45−1)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例33と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実45)は、太
陽電池(SC実45−1)、(SC比45―1)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0406】(実施例46)図14のロール・ツー・ロ
ール法を用いた製造装置を使用して、図13のタンデム
型太陽電池を作製した。i型層形成用の堆積室903
は、図15(c)に示すように複数の原料ガス導入口を
設けた構造とした。
【0407】基板上に堆積室901で第1のMWn型層
(μc−Si層厚20nm)を形成し、さらに堆積室9
02で第1のRFn型層(a−Si層厚10nm)、堆
積室903で第1のi型層(a−SiGe層厚180n
m)、堆積室904で第1のRFp型層(a−Si層厚
10nm)、堆積室905で第1のMWp型層(μc−
Si層厚10nm)、堆積室906で第2のRFn型層
(μc−Si層厚20nm)、堆積室907で第2のi
型層(a−Si層厚250nm)、堆積室908で第2
のRFp型層(a−SiC層厚10nm)、堆積室90
9で第2のMWp型層(μc−SiC層厚10nm)を
順次形成した。
【0408】第1のi型層を形成する際、堆積室903
の原料ガス入口は複数に分かれており、それぞれの入口
からSiH4ガス、GeH4ガスを流入させた。i型層を
形成する際、GeH4ガス流量の基板の搬送方向に対す
る変化パターンが図15(c)の矢印940のような変
化パターンになるように各マスフローコントローラーを
調節した。こうする事により、i型層中のGe含有量の
層厚方向の変化が図4(c)のようになった。
【0409】次にロール・ツー・ロール法を用いたスパ
ッタリング装置で第2のMWp型層上に170℃で層厚
70nmのITOからなる透明電極を連続形成した。
【0410】次にこの基板の一部を50mm×50mm
の大きさに切断し、実施例33と同様な集電電極を形成
した。
【0411】以上でロール・ツー・ロール法を用いたタ
ンデム型太陽電池(SC実46)の作製を終えた。
【0412】(比較例46−1)第1のi型層を形成す
る際に、GeH4ガス流量が基板の搬送方向に対して一
定にする以外は、実施例46と同じ条件で太陽電池(S
C比46−1)を作製した。
【0413】(比較例46−2)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層は形成せず、第1のMWp型層、
および第2のMWp型層の層厚は20nmとする以外は
実施例46と同じ条件で太陽電池(SC比46−2)を
作製した。
【0414】作製した太陽電池(SC実46)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例33と同様な方
法で測定したところ、本実施例の太陽電池(SC実4
6)は、太陽電池(SC比46−1)、(SC比46−
2)よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0415】(実施例47)図14の製造装置を使用し
て作製したタンデム型太陽電池をモジュール化し、発電
システムに応用し、フィールドテストを行った。
【0416】実施例46で作製した光未照射の50mm
×50mmのタンデム型太陽電池(SC実46)を65
個を用意した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にE
VA(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シー
トを乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、その上に6
5個の太陽電池を配列し、直列化および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、その上にフ
ッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モジュー
ル化した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実
施例33と同様な方法で測定しておいた。図16の発電
システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する外
灯を使用した。システム全体は蓄電池、及びモジュール
の電力によって稼働する。この発電システムを(SBS
実47)と呼ぶことにする。
【0417】(比較例47)光未照射の従来のタンデム
型太陽電池(SC比46−1)、(SC比46−2)を
65個用いて実施例47と同様にモジュール化し、初期
光電変化効率を測定しておいた。このモジュールを実施
例47と同様な発電システムに接続した。これらの発電
システムを(SBS比47−1)、(SBS比47−
2)と呼ぶことにする。
【0418】それぞれのモジュールは最も太陽光を集光
できる角度に設置した。フィールドテストの測定は1年
経過後の光電変換効率を測定し、劣化率(1年後の光電
変換効率/初期光電変換効率)を求めることによって行
った。
【0419】その結果、本発明の太陽電池を用いた発電
システム(SBS実47)は従来の発電システム(SB
S比47−1)、(SBS比47−2)よりもさらに優
れた初期光電変換効率およびフィールド耐久性を有して
いることが分かった。
【0420】(実施例48)半導体層に酸素または/及
び窒素原子を含有する光起電力素子を作製した。まず、
GeH4ガスボンベをO2/Heガスボンベに交換し、さ
らにHeガスボンベをN2/Heガスボンベに交換し
た。
【0421】(実施例48−1)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm導入する以外は実施例
33と同じ条件で太陽電池(SC実48−1)を作製し
た。
【0422】(実施例48−2)i型層を形成する際、
2/Heガスを20sccm導入する以外は実施例3
3と同じ条件で太陽電池(SC実48−2)を作製し
た。
【0423】(実施例48−3)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを20
sccm導入する以外は実施例33と同じ条件で太陽電
池(SC実48−3)を作製した 。
【0424】(実施例48−4)RF−i層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例33と同じ条件で太陽電池
(SC実48−4)を作製した。
【0425】(実施例48−5)MWp型層を形成する
際、O2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを
20sccm導入する以外は実施例33と同じ条件で太
陽電池(SC実48−5)を作製した。
【0426】(実施例48−6)RFp型層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例33と同じ条件で太陽電池
(SC実48−6)を作製した。
【0427】作製した太陽電池(SC実48−1)〜
(SC実48−6)の初期光電変換効率、振動劣化、光
劣化を実施例33と同様な方法で測定したところ、これ
らの太陽電池は、太陽電池(SC実33)よりもさらに
優れた特性を有することが分かった。
【0428】作製したこれらの太陽電池の酸素原子及び
窒素原子の濃度をSIMSを用いて調べたところ、ほぼ
導入した原料ガス(O)、原料ガス(N)の原料ガス
(Si)に対する濃度程度に含有されていることが分か
った。
【0429】[請求項2に係わる実施例(その2)] (実施例49)i型層を以下に示すようにして形成した
以外は実施例1と同様な手順・条件でi型層に炭素原子
を含有した図1(b)構造の光起電力素子を作製した。
【0430】a−SiCからなるi型層は次のようにし
て形成した。バルブ2006を徐々に開けて、H2ガス
を300sccm導入し、圧力が0.01Torr、基
板の温度が350℃になるようにヒーターを設定した。
基板温度が安定したところでさらにバルブ2001、2
002を徐々に開いて、SiH4ガス、CH4ガスを流入
させた。この時SiH4ガス流量が120sccm、C
4ガス流量が30sccm、H2ガス流量が300sc
cm、圧力が0.01Torrとなるように調整した。
次に、RF電源の電力を0.32W/cm3に設定し、
RF電極に印加した。その後、不図示のMW電源の電力
を0.20W/cm3に設定し、誘電体窓413を通し
て堆積室内にMW電力を導入し、グロー放電を生起さ
せ、シャッターを開け、RFn型層上にi型層の形成を
開始した。i型層形成中、マスフローコントロラー20
11、2012に接続されたコンピューターを用い、図
19(b)に示した変化パターンに従ってSiH4ガス
流量、CH4ガス流量を変化させ、層厚300nmのi
型層を形成したところで、シャッターを閉じ、MW電
源、RF電源を切ってグロー放電を止め、i型層の形成
を終えた。
【0431】この太陽電池を(SC実49)と呼ぶこと
し、RFn型層、i型層、RFp型層、MWp型層の形
成条件を表10に示す。
【0432】(比較例49−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が130sccm、GeH4ガス流
量が20sccmで時間的に一定とする以外は、実施例
49と同じ条件で太陽電池(SC比49−1)を作製し
た。
【0433】(比較例49−2)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例4
9と同じ条件で太陽電池(SC比49−2)を作製し
た。
【0434】太陽電池(SC実49)及び(SC比49
−1)、(SC比49−2)はそれぞれ2個づつ作製
し、初期光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動
劣化、光劣化の測定を行なった。
【0435】測定の結果、(SC実49)の太陽電池に
対して、(SC比49−1)、(SC比49−2)の初
期光電変換効率は以下のようになった。
【0436】(SC比49−1) 0.84倍 (SC比49−2) 0.85倍 (SC実l)に対して、(SC比49−1)、(SC比
49−2)の振動劣化後の光電変換効率の低下率は以下
のようなった。
【0437】(SC比49−1) 0.84倍 (SC比49−2) 0.83倍 (SC実49)に対して(SC比49−1)、(SC比
49−2)の光劣化後の光電変換効率の低下率は以下の
ようになった。
【0438】(SC比49−1) 0.84倍 (SC比49−2) 0.83倍 次にガラス基板とステンレス基板を用い、SiH4ガス
流量、CH4ガス流量を時間的に一定としたサンプルを
作製した。流量を一定にし、層厚を1μmにする以外は
実施例49と同じ条件でi型層を形成し、バンドギャッ
プ測定用、および分析用サンプルとした。さらに流量を
いろいろと変えたサンプルをいくつか作製した。分光光
度計を用いて作製したガラス基板サンプルのバンドギャ
ップ(Eg)を求め、さらにオージェ電子分光装置(A
ES)を用いてステンレス基板サンプルのC含有量を分
析した。両者の結果を用いてi型層中のC含有量とバン
ドギャップの関係を求めておいた。
【0439】またAESを用いて、作製した(SC実4
9)、(SC比49−2)の層厚方向に対するGe含有
量を求め、さらにGe含有量とバンドギャップの関係を
用いてこれらの層厚方向に対するバンドギャップの変化
を求めたところ図19(d)のようになった。同様に
(SC比49−1)のC含有量を求めたところ、層厚方
向に対するC含有量の変化はなく一定でバンドギャップ
は1.92eVであることが分かった。以上のように、
層厚方向に対するC含有量、およびバンドギャップの変
化は、導入されるCH4ガス流量に依存することが分か
った。
【0440】以上のように本実施例の太陽電池(SC実
49)が、従来の太陽電池(SC比49−1)、(SC
比49−2)よりもさらに優れた特性を有することが分
かった。
【0441】(実施例49−1)i型層を形成する際、
SiH4ガス流量、CH4ガス流量の時間変化を図19
(a)のようにし、それ以外は実施例49と同様な方法
でた太陽電池(SC実49−1)を作製した。実施例4
9と同様な方法で層厚方向に対するバンドギャップを求
めたところ、図19(c)のようになっていることが分
かった。また作製した太陽電池(SC実49−1)の初
期光電変換効率、振動劣化、光劣化の測定を実施例49
と同様な方法で求めところ、(SC実49−1)の太陽
電池は(SC実49)よりもさらに優れた特性を有する
ことが分かった。
【0442】(実施例50)i型層中のC含有量が図5
(b)のように変化している太陽電池(SC実50)を
作製した。CH4ガス流量を時間に対して単調に増加さ
せ、SiH4ガス流量を単調に減少させた以外は、実施
例49と同条件で太陽電池(SC実50)を作製した。
実施例49と同様な方法でバンドギャップの層厚方向の
変化を求めたところ、図8(b)のようになっているこ
とが分かった。次に、初期光電変換効率、振動劣化、光
劣化の測定を実施例49と同様な方法で求めところ、
(SC実50)の太陽電池は実施例49と同様に従来の
太陽電池(SC比49−1)、(SC比49−2)より
もさらに優れた特性を有することが分かった。
【0443】(実施例51)図1(c)の層構成を有す
るフォトダイオードを作製した。
【0444】まず、基板の作製を行った。厚さ0.5m
m、20×20mm2のガラス基板をアセトンとイソプ
ロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させ、真空蒸着法
で室温にてガラス基板表面上に層厚0.1μmのAlの
光反射層を形成し、基板の作製を終えた。
【0445】実施例49と同様な方法で基板上にMWn
型層(μc−SiC)、RFn型層(a−SiC)、i
型層(a−SiC)、RFp型層(μc−Si)を順次
形成した。半導体層の層形成条件を表11に示す。
【0446】次に、RFp型層上に実施例49と同様な
透明電極と集電電極を形成した。
【0447】(比較例51−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が130sccm、CH4ガス流量
が20sccmで時間的に一定とし、層厚方向のバンド
ギャップを一定とする以外は、実施例51と同じ条件で
フォトダイオード(PD比51−1)を作製した。
【0448】(比較例51−2)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は40nmとする以外は実施例5
1と同じ条件でフォトダイオードを(PD比51−2)
作製した。
【0449】作製したフォトダイオ−ドのオンオフ比を
測定した。次に実施例49と同様な条件でオンオフ比の
振動劣化と光劣化を測定した。その結果、本実施例のフ
ォトダイオード(PD実51)は従来のフォトダイオー
ド(PD比51−1)、(PD比51−2)よりもさら
に優れた特性を有することが分かった。
【0450】(実施例52)n型層とp型層の積層順序
を逆にした、nip型構造を有する図1(b)の太陽電
池を作製した。実施例49と同様に基板上にRFp型層
(μc−Si)、i型層(a−SiC)、RFn型層
(a−SiC)、MWn型層(a−SiC)を形成し
た。
【0451】i型層を形成する際、図19(b)のよう
にSiH4ガス、CH4ガス流量を時間変化させて、Ge
含有量の最小となる位置がi型層の中央よりp型層側に
なるようにした。半導体層の形成条件は表12に示す。
半導体層以外の層および基板は実施例49と同じ条件で
太陽電池(SC実52)を作製した。
【0452】(比較例52−1)i型層を形成する際
に、SiH4ガス流量が130sccm、CH4ガス流量
が20sccmで時間的に一定とする以外は、実施例5
2と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比52−1)と呼ぶことにする。
【0453】(比較例52−2)RFn型層は形成せ
ず、MWn型層の層厚は20nmとする以外は実施例5
2と同じ条件で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC比52−2)と呼ぶことにする。
【0454】作製した太陽電池の初期光電変換効率、振
動劣化、光劣化の測定を実施例49と同様な方法で求め
ところ、本実施例の太陽電池(SC実52)は従来の太
陽電池(SC比52−1)、(SC比52−2)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0455】(実施例53)MWp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。MW
p層を形成する際、MW電力を時間変化させて、図21
(a)のような水素含有量の変化パターンを得た。
【0456】これ以外は実施例49と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実53)は(SC実49)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0457】(実施例54)RFp型層の界面近傍で水
素含有量が最大となっている太陽電池を作製した。RF
p層を形成する際、RF電力を時間変化させて、図21
(b)のような水素含有量の変化パターンを得た。
【0458】これ以外は実施例49と同じ条件で作製し
た。作製した太陽電池(SC実54)は(SC実49)
よりもさらに優れた特性を有することが分かった。
【0459】(実施例55)MWp型層の界面近傍で価
電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作製
した。MWp層を形成する際、導入する価電子制御剤の
原料ガスを時間変化させて、図11(a)のような価電
子制御剤の変化パターンを得た。これ以外は実施例49
と同じ条件で作製した。
【0460】作製した太陽電池(SC実55)は(SC
実49)よりもさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0461】(実施例56)RFp型層の両界面近傍で
価電子制御剤の含有量が最大となっている太陽電池を作
製した。導入する価電子制御剤の原料ガスを時間変化さ
せて、図11(b)のような価電子制御剤の変化パター
ンを得た。これ以外は実施例49と同じ条件で作製し
た。(SC実56)は(SC実49)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0462】(実施例57)図1(a)の構造を有し、
i型層中の価電子制御剤の含有量が層厚方向になめらか
に変化し、且つp型層側で含有量が多くなっている太陽
電池(SC実57)を作製した。実施例49と同様に基
板上にMWn型層(μc−Si)、RFn型層(a−S
i)、i型層(a−SiC)、RFp型層(a−Si
C)、MWp型層(μc−SiC)を順次積層した。i
型層を形成する際、PH3/H2ガス流量,B26/H2
ガス流量を時間変化させてP原子、B原子の含有量を図
11(c)のようにした以外は実施例49と同条件で太
陽電池(SC実57)を作製した。半導体層以外は実施
例49と同じものを用いた。作製した太陽電池(SC実
57)は(SC実49)よりもさらに優れた特性を有す
ることが分かった。
【0463】(実施例58)i型層にa−SiGeCを
用いた太陽電池を作製した。i型層を形成する際、図2
0(a)の変化パターンでCH4ガス流量、GeH4ガス
流量を時間変化させ、更にPH3/H2ガス流量を1sc
cm,B26/H2ガス流量を2sccm、H2ガス流量
を300sccm、層厚を300nmにする以外は実施
例49と同じ条件で太陽電池(SC実58)を作製し
た。
【0464】(実施例58−1)i型層を形成する際
に、CH4ガス流量、GeH4ガス流量は時間的に一定と
し、それぞれ5sccm,7sccmとする以外は、実
施例58と同じ条件で太陽電池(SC実58−1)を作
製した。
【0465】(比較例58−1)RFp型層は形成せ
ず、MWp型層の層厚は20nmとする以外は実施例5
8と同じ条件で太陽電池(SC比58−1)を作製し
た。
【0466】作製した太陽電池(SC実58)、(SC
実58−1)、(SC比58−1)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例49と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実58)は、太
陽電池(SC実58−1)、(SC比58−1)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0467】(実施例59)i型層にa−SiSnCを
用いた太陽電池を作製した。GeH4ガスボンベをSn
4ガスボンベに交換した。i型層を形成する際、図2
0(a)の変化パターンでGeH4ガス流量変化と同様
にSnH4ガス流量を時間的に変化させる以外は実施例
58と同じ条件で太陽電池(SC実59)を作製した。
【0468】作製した太陽電池(SC実59)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例49と同様な方
法で測定したところ、(SC実59)は、(SC実58
−1)、(SC比58−1)よりもさらに優れた特性を
有することが分かった。
【0469】(実施例60)RFp型層とi型層の間に
PR−i層を有する図2(a)の太陽電池を作製した。
【0470】i型層とRFp型層の間にRF−i層を形
成する以外は実施例57と同様な方法で太陽電池を作製
した。RF−i層はa−Siからなり、SiH4ガス流
量が2sccm、H2ガス流量が50sccm、PH3
2ガス流量が0.2sccm、B26/H2ガス流量が
0.5sccm、堆積室内の圧力が1.0Torr、導
入するRF電力が0.01W/cm3、基板温度が27
0℃、層厚が20nmの条件で形成した。作製した太陽
電池(SC実60)は(SC実57)よりもさらに優れ
た特性を有することが分かった。
【0471】(実施例61)MWPCVD法を用いた図
9の製造装置を使用して、図12に示すトリプル型太陽
電池を作製した。
【0472】まず、基板の作製を行った。実施例49と
同様に50×50mm2のステンレス基板をアセトンと
イソプロパノールで超音波洗浄し、乾燥させた。スパッ
タリング法を用いて、ステンレス基板表面上に層厚0.
3μmのAgの光反射層を形成した。この際、基板温度
を350℃に設定し、基板表面を凹凸(テクスチャー
化)にした。その上に基板温度350℃で層厚2.0μ
mのZnOの反射増加層を形成した。
【0473】次に実施例49と同様な方法で成膜の準備
を終えた。実施例49と同様な方法で基板上に第1のM
Wn型層(μc−Si)を形成し、さらに第1のRFn
型層(a−Si)、第1のi型層(a−SiGe)、第
1のRFp型層(a−Si層厚10nm)、第1のMW
p型層(μc−Si層厚10nm)、第2のRFn型層
(μc−Si)、第2のi型層(a−Si)、第2のR
Fp型層(a−SiC層厚10nm)、第2のMWp型
層(μc−SiC層厚10nm)、第3のRFn型層
(a−SiC)、第3のi型層(a−SiC)、第3の
RFp型層(a−SiC層厚10nm)、第3のMWp
型層(μc−SiC層厚10nm)を順次形成した。
【0474】第3のi型層を形成する際、SiH4ガス
流量、CH4ガス流量を図19(a)のように時間変化
させた。さらにその他の層においては、MWPCVD法
で形成する層では形成する際、MW電力を時間変化さ
せ、RFPCVD法で形成する層では形成する際、RF
電力を時間変化させて、各層の水素含有量の分布が図3
(c)のようになるようにした。次に第3のMWp型層
上に実施例49と同様な透明電極を形成した。次に透明
電極上に実施例49と同様な集電電極を真空蒸着法で形
成した。以上でトリプル型太陽電池(SC実61)の作
製を終えた。
【0475】(実施例61−1)第3のi型層を形成す
る際に、SiH4ガス流量を130sccm、CH4ガス
流量を30sccmと時間的に一定とする以外は、実施
例61と同じ条件で太陽電池(SC実61−1)を作製
した。
【0476】(比較例61−1)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層、および第3のRFp型層は形成
せず、第1のMWp型層、および第2のMWp型層、お
よび第3のMWp型層の層厚は20nmとする以外は実
施例61と同じ条件で太陽電池(SC比61−1)を作
製した。
【0477】作製した太陽電池(SC実61)、(SC
実61−1)、(SC比61−1)の初期光電変換効
率、振動劣化、光劣化を実施例49と同様な方法で測定
したところ、本実施例の太陽電池(SC実61)は、太
陽電池(SC実61−1)、(SC比61―1)よりも
さらに優れた特性を有することが分かった。
【0478】(実施例62)図14のロール・ツー・ロ
ール法を用いた製造装置を使用して、図13のタンデム
型でi型層に炭素原子を含有する太陽電池を作製した。
【0479】i型層形成用堆積室907は、図15
(d)に示すように、複数のガス導入口を有す構造とし
た。
【0480】基板上に堆積室901で第1のMWn型層
(μc−Si層厚20nm)を形成し、さらに堆積室9
02で第1のRFn型層(a−Si層厚10nm)、堆
積室903で第1のi型層(a−Si層厚250n
m)、堆積室904で第1のRFp型層(a−Si層厚
10nm)、堆積室905で第1のMWp型層(μc−
Si層厚10nm)、堆積室906で第2のRFn型層
(a−SiC層厚20nm)、堆積室907で第2のi
型層(a−SiC層厚200nm)、堆積室908で第
2のRFp型層(a−SiC層厚10nm)、堆積室9
09で第2のMWp型層(μc−SiC層厚10nm)
を順次形成した。
【0481】第2のi型層を形成する際、堆積室907
の原料ガス入口は複数に分かれており、それぞれの入口
からSiH4ガス、CH4ガス、H2ガスを流入させた。
i型層を形成する際、CH4ガス流量の基板の搬送方向
に対する変化パターンが図15(d)の矢印950のよ
うな変化パターンになるように各マスフローコントロー
ラーを調節した。こうする事により、i型層中のC含有
量の層厚方向の変化が図5(c)のようになった。
【0482】次にロール・ツー・ロール法を用いたスパ
ッタリング装置で第2のMWp型層上に170℃で層厚
70nmのITOからなる透明電極を連続形成した。
【0483】次にこの基板の一部を50mm×50mm
の大きさに切断し、実施例49と同様な集電電極を形成
した。
【0484】以上でロール・ツー・ロール法を用いたタ
ンデム型太陽電池(SC実62)の作製を終えた。
【0485】(比較例62−1)第2のi型層を形成す
る際に、CH4ガス流量が基板の搬送方向に対して一定
にする以外は、実施例62と同じ条件で太陽電池(SC
比62−1)を作製した。
【0486】(比較例62−2)第1のRFp型層、お
よび第2のRFp型層は形成せず、第1のMWp型層、
および第2のMWp型層の層厚は20nmとする以外は
実施例62と同じ条件で太陽電池(SC比62−2)を
作製した。
【0487】作製した太陽電池(SC実62)の初期光
電変換効率、振動劣化、光劣化を実施例49と同様な方
法で測定したところ、本実施例の太陽電池(SC実6
2)は、従来の太陽電池(SC比62−1)、(SC比
62−2)よりもさらに優れた特性を有することが分か
った。
【0488】(実施例63)図14の製造装置を使用し
て作製したタンデム型太陽電池をモジュール化し、発電
システムに応用し、フィールドテストを行った。
【0489】実施例62で作製した光未照射の50mm
×50mmのタンデム型太陽電池(SC実62)を65
個を用意した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にE
VA(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シー
トを乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、その上に6
5個の太陽電池を配列し、直列化および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、その上にフ
ッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モジュー
ル化した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実
施例49と同様な方法で測定しておいた。図16の発電
システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する外
灯を使用した。システム全体は蓄電池、及びモジュール
の電力によって稼働する。この発電システムを(SBS
実63)と呼ぶことにする。
【0490】(比較例63)光未照射の従来のタンデム
型太陽電池(SC比62−1)、(SC比62−2)を
65個用いて実施例63と同様にモジュール化し、初期
光電変化効率を測定しておいた。このモジュールを実施
例63と同様な発電システムに接続した。これらの発電
システムを(SBS比63−1)、(SBS比63−
2)と呼ぶことにする。
【0491】それぞれのモジュールは最も太陽光を集光
できる角度に設置した。フィールドテストの測定は1年
経過後の光電変換効率を測定し、劣化率(1年後の光電
変換効率/初期光電変換効率)を求めることによって行
った。
【0492】その結果、本発明の太陽電池を用いた発電
システム(SBS実63)は従来の発電システム(SB
S比63−1)、(SBS比63−2)よりもさらに優
れた初期光電変換効率およびフィールド耐久性を有して
いることが分かった。
【0493】(実施例64)半導体層に酸素または/及
び窒素原子を含有する光起電力素子を作製した。まず、
GeH4ガスボンベをO2/Heガスボンベに交換し、さ
らにHeガスボンベをN2/Heガスボンベに交換し
た。
【0494】(実施例64−1)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm導入する以外は実施例
49と同じ条件で太陽電池(SC実64−1)を作製し
た。
【0495】(実施例64−2)i型層を形成する際、
2/Heガスを20sccm導入する以外は実施例4
9と同じ条件で太陽電池(SC実64−2)を作製し
た。
【0496】(実施例64−3)i型層を形成する際、
2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを20
sccm導入する以外は実施例49と同じ条件で太陽電
池(SC実64−3)を作製した 。
【0497】(実施例64−4)RF−i層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例49と同じ条件で太陽電池
(SC実64−4)を作製した。
【0498】(実施例64−5)MWp型層を形成する
際、O2/Heガスを100sccm、N2/Heガスを
20sccm導入する以外は実施例49と同じ条件で太
陽電池(SC実64−5)を作製した。
【0499】(実施例64−6)RFp型層を形成する
際、O2/Heガスを2sccm、N2/Heガスを1s
ccm導入する以外は実施例49と同じ条件で太陽電池
(SC実64−6)を作製した。
【0500】作製した太陽電池(SC実64−1)〜
(SC実64−6)の初期光電変換効率、振動劣化、光
劣化を実施例49と同様な方法で測定したところ、これ
らの太陽電池は、太陽電池(SC実49)よりもさらに
優れた特性を有することが分かった。
【0501】作製したこれらの太陽電池の酸素原子及び
窒素原子の濃度をSIMSを用いて調べたところ、ほぼ
導入した原料ガス(O)、原料ガス(N)の原料ガス
(Si)に対する濃度程度に含有されていることが分か
った。
【0502】以上のように、本発明の光起電力素子の効
果は、素子構成、素子材料、素子の作製条件に無関係に
発揮されることが実証された。
【0503】
【表1】
【0504】
【表2】
【0505】
【表3】
【0506】
【表4】
【0507】
【表5】
【0508】
【表6】
【0509】
【表7】
【0510】
【表8】
【0511】
【表9】
【0512】
【表10】
【0513】
【表11】
【0514】
【表12】
【0515】
【発明の効果】本発明の光起電力素子は、光励起キャリ
アーの再結合を防止し、開放電圧及び正孔のキャリアー
レンジを向上し、短波長光、長波長光の感度を向上さ
せ、光電変換効率が向上する。また本発明の光起電力素
子は長時間、光を照射した場合に起こる光電変換効率の
低下を抑制できる。そして本発明の光起電力素子は、長
期間振動下においた場合に光電変換効率が低下しにくい
ものである。
【0516】更に本発明の光起電力素子の形成方法によ
れば、光起電力素子の堆積速度を上げることができ、ま
た原料ガス利用効率が高いため、生産性を飛躍的に向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の層構成を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の光起電力素子の層構成を示す概略図で
ある。
【図3】水素含有量の層厚方向の変化を示すグラフであ
る。
【図4】ゲルマニウム含有量の層厚方向の変化を示すグ
ラフである。
【図5】炭素含有量の層厚方向の変化を示すグラフであ
る。
【図6】水素を含有したバンドギャップの層厚方向変化
を示すグラフである。
【図7】ゲルマニウムを含有したバンドギャップの層厚
方向変化を示すグラフである。
【図8】炭素を含有したバンドギャップの層厚方向変化
を示すグラフである。
【図9】本発明の光起電力素子の製造装置の一例を示す
概略図である。
【図10】RF電力、水素含有量、バンドギャップの変
化の関係を示すグラフである。
【図11】価電子制御剤の含有量の層厚方向の変化を示
すグラフである。
【図12】トリプル型太陽電池の層構成を示す概略図で
ある。
【図13】タンデム型太陽電池の層構成を示す概略図で
ある。
【図14】ロ−ル・ツー・ロール法の製造装置を示す概
略図である。
【図15】堆積室の構造を示す概略図である。
【図16】発電システムの構成を示すブロック図であ
る。
【図17】B26/H2及びPH3/H2ガス流量の時間
変化を示すグラフである。
【図18】SiH4,GeH4ガス流量の時間変化と層厚
方向のバンドギャップの変化を示すグラフである。
【図19】SiH4,CH4ガス流量の時間変化と層厚方
向のバンドギャップの変化を示すグラフである。
【図20】GeH4,CH4ガス流量の時間変化と層厚方
向のバンドギャップの変化を示すグラフである。
【図21】層厚方向の水素含有量の変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
101、111、121 基板 102、122 MWn型層 103、123 RFn型層 104、114、124 i型層 105、115 RFp型層 106、116 MWp型層 107、117、127 透明電極 108、118、128 集電電極 112 n型層 125 p型層 130〜132 RF−i型層 400 堆積装置 401 堆積室 402 真空計 403 RF電源 404 基板 405 ヒーター 407 コンダクタンスバルブ 408 補助バルブ 409 リークバルブ 410 RF電極 411 ガス導入管 412 マイクロ波導波部 413 誘電体窓 415 シャッター 910 基板送り出し室 901〜909 堆積室 911 基板巻き取り室 912 分離通路 913 長尺状の基板914 原料ガスの入り口 915 原料ガスの排気口 916 RF電極 917 MW導波部 918 ハロゲンランプヒーター 919 掃気ガスを流入させる入り口 920 送り出しロール 921、923 ガイドロール 922 巻き取りロール 2000 原料ガス供給装置 2001〜2007、2021〜2027 バルブ 2011〜2017 マスフローコントローラー 2031〜2037 圧力調整器 2041〜2047 原料ガスボンベ。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有する非単結晶シリコン系半導
    体材料からなるp型層、i型層、n型層を積層して構成
    され、該i型層がマイクロ波プラズマCVD法によって
    形成された光起電力素子において、該i型層の水素含有
    量が層厚方向になめらかに変化し、且つ該p型層及びn
    型層のうち少なくともひとつの層はマイクロ波プラズマ
    CVD法で形成された層(MWドーピング層)とRFプ
    ラズマCVD法で形成された層(RFドーピング層)と
    の積層構造からなり、該RFド−ピング層が該MWド−
    ピング層と該i型層に挟まれるように配置されたことを
    特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 水素を含有する非単結晶シリコン系半導
    体材料からなるp型層、i型層、n型層を積層して構成
    され、該i型層がマイクロ波プラズマCVD法によって
    形成された光起電力素子において、該i型層はゲルマニ
    ウム原子、スズ原子及び炭素原子の内少なくとも1種を
    含み、ゲルマニウム原子、スズ原子、炭素原子の含有量
    が層厚方向になめらかに変化したi型層であり、且つ該
    p型層及びn型層のうち少なくともひとつの層はマイク
    ロ波プラズマCVD法で形成された層(MWドーピング
    層)とRFプラズマCVD法で形成された層(RFドー
    ピング層)との積層構造からなり、該RFド−ピング層
    が該MWド−ピング層と該i型層に挟まれるように配置
    されたことを特徴とする光起電力素子。
  3. 【請求項3】 前記i型層は、ドナーとなる価電子制御
    剤とアクセプターとなる価電子制御剤を共に含有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光起電力素子。
  4. 【請求項4】 水素を含有する非単結晶シリコン系半導
    体材料からなるp型層、i型層、n型層を積層して構成
    され、該i型層がマイクロ波プラズマCVD法によって
    形成された光起電力素子において、該i型層はドナーと
    なる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤が
    共に含有されたi型層であり、且つ該p型層及びn型層
    のうち少なくともひとつの層はマイクロ波プラズマCV
    D法で形成された層(MWドーピング層)とRFプラズ
    マCVD法で形成された層(RFドーピング層)との積
    層構造からなり、該RFド−ピング層が該MWド−ピン
    グ層と該i型層に挟まれるように配置されたことを特徴
    とする光起電力素子。
  5. 【請求項5】 前記ドナーとなる価電子制御剤及びアク
    セプターとなる価電子制御剤の含有量は層厚方向になめ
    らかに変化し、且つ前記i型層の2つの界面の内少なく
    とも一方の界面近傍で、該含有量が最大となることを特
    徴とする請求項3または4に記載の光起電力素子。
  6. 【請求項6】 前記i型層中の水素含有量は、層厚方向
    になめらかに変化していることを特徴とする請求項2乃
    至5のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  7. 【請求項7】 前記i型層の2つの界面のうち少なくと
    も一方の界面近傍で、該i型層の水素含有量が最大とな
    っていることを特徴とする請求項1または6に記載の光
    起電力素子。
  8. 【請求項8】 前記RFドーピング層の2つの界面のう
    ち少なくとも一方の界面近傍で、該RFドーピング層の
    水素含有量が最大となっていることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  9. 【請求項9】 前記RFドーピング層の2つの界面のう
    ち少なくとも一方の界面近傍で、該RFドーピング層の
    価電子制御剤の含有量が最大となっていることを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光起電力素
    子。
  10. 【請求項10】 前記MWドーピング層の2つの界面の
    うち少なくとも一方の界面近傍で、該MWドーピング層
    の水素含有量が最大となっていることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  11. 【請求項11】 前記MWドーピング層の2つの界面の
    うち少なくとも一方の界面近傍で、該MWドーピング層
    の価電子制御剤の含有量が最大となっていることを特徴
    とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光起電
    力素子。
  12. 【請求項12】 前記i型層は、スズ原子を含有した非
    晶質シリコン・スズ(a−SiSn)からなることを特
    徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
  13. 【請求項13】 前記i型層、MWドーピング層、RF
    ドーピング層の内、少なくともひとつの層は酸素または
    /及び窒素原子が含有していることを特徴とする請求項
    1〜12のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  14. 【請求項14】 前記i型層と前記RFドーピング層と
    の間にRFプラズマCVD法で形成されたi型の層(R
    F−i層)を有することを特徴とする請求項l乃至13
    のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  15. 【請求項15】 前記RF−i層は、ドナーとなる価電
    子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに含
    有していることを特徴とする請求項14に記載の光起電
    力素子。
  16. 【請求項16】 前記RF−i層の2つの界面のうち少
    なくとも一方の界面近傍で、該RF−i層の水素含有量
    が最大となっていることを特徴とする請求項14または
    15に記載の光起電力素子。
  17. 【請求項17】 前記RF−i層は、スズ原子を含有し
    た非晶質シリコン・スズ(a−SiSn)からなること
    を特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載
    の光起電力素子。
  18. 【請求項18】 前記RF−i層は、酸素または/及び
    窒素原子を含有していることを特徴とする請求項14乃
    至17のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれか1項に記
    載の光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及び/また
    は電流をモニターし蓄電池及び/または外部負荷への前
    記光起電力素子からの電力の供給を制御する制御システ
    ムと、前記光起電力素子からの電力の蓄積及び/または
    外部負荷ヘの電力の供給を行う蓄電池と、から構成され
    ていることを特徴とする発電システム。
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US7863518B2 (en) * 2003-03-20 2011-01-04 Sanyo Electric Co., Ltd. Photovoltaic device

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