JP2905004B2 - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子の製造方法

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JP2905004B2 JP4196051A JP19605192A JP2905004B2 JP 2905004 B2 JP2905004 B2 JP 2905004B2 JP 4196051 A JP4196051 A JP 4196051A JP 19605192 A JP19605192 A JP 19605192A JP 2905004 B2 JP2905004 B2 JP 2905004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン系非単結晶半導
体材料からなるpin型の光起電力素子の製造方法に
わる。特にi型層中のバンドギャップを変化させたp
in型の光起電力素子のマイクロ波プラズマCVD法に
よる堆積方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン系非単結晶半導体材料か
らなるpin構造の光起電力素子において、i層がシリ
コン原子とゲルマニウム原子を含有し、i型層中でバン
ドギャップが変化している光起電力素子については、以
下に示すように様々な提案がなされている。例えば、
(1)”Optimum deposition co
nditions for a−(Si,Ge):H
using a triode−configurat
ed rf glow discharge syst
em”,J.A.Bragagnolo,P.Litt
lefield,A.Mastrovito and
G.Storti,Conf.Rec.19th IE
EE Photovoltaic specilist
s Conference−1987,pp.878,
(2)”Efficiency improvemen
t in amorphous−SiGe:H sol
ar cells and its applicat
ion to tandem type solar
cells”,S.Yoshida,S.Yamana
ka,M.Konagai and K.Takaha
shi,Conf.Rec.19th IEEE Ph
otovoltaic Specilists Con
ference−1987,pp.1101,(3)”
Stability and terrestrial
application of a−Si tand
em type solar cells”,A.Hi
roe,H.yamagishi,H.Nishio,
M.Kondo,and Y.Tawada,Con
f.Rec.19th IEEEPhotovolta
ic Specilists Conference,
1987,pp.1111,(4)”Preparat
ion of high quality a−SiG
e:H films and its applica
tion to the high efficien
cy triple−junction amorph
ous solar cells,”K.Sato,
K.Kawabata,S.Terazono,H.S
asaki,M.Deguchi,T.Itagak
i,H.Morikawa,M.Aiga and
K.Fujikawa,Conf.Rec.20th
IEEE PhotovoltaicSpecilis
ts Conference,1988 pp.73,
(5)USP4,816,082、(6)USP4,4
71,155、(7)USP4,782,376等が報
告されている。
【0003】また、バンドギャップが変化している光起
電力素子の特性の理論的な研究は、例えば、(8)”A
novel design for amorpho
us Silicon alloy solar ce
lls”,S.Guha,J.Yang,A.Pawl
ikiewicz,T.Glatfelter,R.R
oss,and S.R.0vshinsky,Con
f.Rec.20th IEEE Photovolt
aic Specilists Conference
−1988 pp.79,(9)”Numerical
mode1ing of multijunctio
n,amorphous silicon based
P−I−N solar cells”,A.H.P
awlikiewicz and S.Guha,Co
nf.Rec.20th IEEE Photovol
taic Specilists Conferenc
e−1988 pp.251,等が報告されている。
【0004】このような従来技術の光起電力素子ではp
/i,n/i界面近傍での光励起キャリアーの再結合を
防止する目的、開放電圧を上げる目的、及び正孔のキャ
リアーレンジを向上させる目的で前記界面にバンドギャ
ップが変化している層を挿入している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のシリコン原子と
ゲルマニウム原子を含有しバンドギャップが変化してい
る光起電力素子は、実用上、より高い性能と信頼性が要
求され、光励起キャリアーの再結合の抑制、開放電圧及
び正孔のキャリアーレンジ関し、更なる向上が望まれて
いる。
【0006】また従来の光起電力素子は、光起電力素子
に照射される照射光が弱い場合に変換効率が低下すると
いう問題点があった。
【0007】更に従来の光起電力素子はi層中に歪があ
り、振動等があるところでアニーリングされると光電変
換効率が低下するという問題点があった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決する光起
電力素子の製造方法を提供する事を目的とする。即ち、
本発明は、光励起キャリアーの再結合を防止し、開放電
圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した光起電力素子
の製造方法を提供する事を目的とする。
【0009】また、本発明は、光起電力素子に照射され
る照射光が低い場合に変換効率を向上した光起電力素子
の製造方法を提供する事を目的とする。
【0010】更に本発明は、長期間振動下でアニーリン
グした場合に光電変換効率が低下しにくい光起電力素子
の製造方法を提供する事を目的とする。
【0011】更に加えて本発明は、温度変化に対して光
電変換効率が変化しにくい光起電力素子の製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【課題を解決するための手段】 本発明は従来の問題点を
解決し、本発明の目的を達成するために鋭意検討した結
果、 本発明の光起電力素子の製造方法は、シリコン系非
単結晶半導体材料からなるp型層、光導電層(複数のi
型層からなる層)及びn型層を少なくとも積層して構成
される光起電力素子の製造方法に於いて、前記光導電層
のp型層側のi型層を、少なくともシリコン原子含有ガ
スとゲルマニウム原子含有ガスとを含む原料ガスに、5
0mTorr以下の圧力で、該原料ガスを100%分解
するに必要なマイクロ波エネルギーより低いマイクロ波
エネルギーと該マイクロ波エネルギーより高いRFエネ
ルギーとを同時に作用させるマイクロ波プラズマCVD
法により、バンドギャップの極小値の位置が該i型層の
中央の位置よりp型層方向に片寄るように形成堆積し、
且つ前記光導電層のn型層側のi型層を、シリコン原子
含有ガスを少なくとも含む原料ガスを用いてRFプラズ
マCVD法により、2nm/sec以下の堆積速度で3
0nm以下形成し、且つ前記p型層とn型層の内少なく
とも一方が周期律表第III族元素または第V族元素を主
構成元素とする層 と価電子制御剤を含みシリコン原子
を主構成元素とする層との積層構造に形成することを特
徴とする。また、前記光導電層のp型層側のi型層を形
成時に、ドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとな
る価電子制御剤とを同時にドープする事が好ましい。
【0021】また本発明の光起電力素子の製造方法の望
ましい形態は、前記マイクロ波プラズマCVD法におい
てシリコン原子含有ガスとゲルマニウム含有ガスを堆積
室から5m以下の距離のところで混合して堆積すること
を特徴とする。
【0022】
【0023】
【作用】以下図面を参照しながら作用と共に構成を詳細
に説明する。
【0024】図1は本発明に係る製造方法によって作製
される光起電力素子の一例を示す模式的説明図である。
図1の光起電力素子は、光反射層と光反射増加層を有す
る導電性基板101、n型のシリコン系非単結晶半導体
層102、RFプラズマCVD法によるi型層109、
少なくともシリコン原子とゲルマニウム原子とを含有す
るマイクロ波プラズマ法による実質的にi型の非単結晶
半導体層103、RFプラズマCVD法によるi型層1
08、価電子制御剤を主構成元素とする層と価電子制御
剤を含有しシリコン原子を主構成元素とするp型のシリ
コン系非単結晶半導体層104、透明電極105、及び
集電電極106等から構成されている。
【0025】マイクロ波プラズマCVD法によるi型層
に於いて、バンドギャップの最小値はp型層側に片寄っ
ていて、且つマイクロ波プラズマCVD法によるi型層
のp型層側で伝導帯の電界が大きい事によって電子と正
孔の分離が効率よく行われ、p型層とマイクロ波プラズ
マCVD法によるi型層との界面近傍での電子と正孔の
再結合を減少させる事ができる。またマイクロ波プラズ
マCVD法によるi型層からn型層に向かって価電子帯
の電界が大きくなっている事によってn型層の近傍で光
励起された電子と正孔の再結合を減少させる事ができ
る。
【0026】更に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層中にドナーとなる価電子制御剤とアクセプターと
なる価電子制御剤とを同時に添加する事によって電子と
正孔のキャリアーレンジを長くする事ができる。特にバ
ンドギャップが最小値のところで価電子制御剤を比較的
多く含有させる事によって電子と正孔のキャリアーレン
ジを効果的に長くする事ができる。その結果、p型層と
マイクロ波プラズマCVD法によるi型層の界面近傍の
高電界及びn型層と近傍の高電界を更に有効に利用する
事ができてマイクロ波プラズマCVD法によるi型層中
で光励起された電子と正孔の収集効率を格段に向上させ
る事ができる。
【0027】またp型層とマイクロ波プラズマCVD法
によるi型層の界面近傍、及びn型層とマイクロ波プラ
ズマCVD法によるi型層の界面近傍に於いて、欠陥準
位(いわゆるD-,D+)が価電子制御剤で補償される事
によって欠陥準位を介したホッピング伝導による暗電流
(逆バイアス時)が減少する。特に界面近傍に於いて
は、価電子制御剤をマイクロ波プラズマCVD法による
i型層の内部よりも多く含有させる事によって、界面近
傍特有の構成元素が急激に変化する事による歪等の内部
応力を減少させる事ができ、その結果、界面近傍の欠陥
準位を減少させる事ができる。このことによって光起電
力素子の開放電圧及びフィルファクターを向上させる事
ができる。
【0028】加えてi型層内部にドナーとなる価電子制
御剤とアクセプターとなる価電子制御剤を同時に含有さ
せる事によって、光劣化に対する耐久性が増加する。そ
のメカニズムの詳細は不明であるが、一般に光照射によ
って生成した未結合手がキャリアーの再結合中心になり
光起電力素子の特性が劣化するものと考えられている。
そして本発明の場合、マイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層内にドナーとなる価電子制御剤とアクセプター
となる価電子制御剤の両方が含有され、それらは100
%活性化していない。その結果光照射によって未結合手
が生成したとしても、それらが活性化していない価電子
制御剤と反応して未結合手を補償するものと考えられ
る。
【0029】また特に光起電力素子に照射される光強度
が弱い場合にも、欠陥準位が価電子制御剤によって補償
されているため光励起された電子と正孔がトラップさせ
る確率が減少する、また前記したように逆バイアス時の
暗電流が少ないために十分な起電力を生じる事になる。
したがって、光起電力素子への照射光強度が弱い場合に
於いても優れた光電変換効率を示すものである。
【0030】加えて本発明に係る製造方法によって作製
される光起電力素子は、長期間振動下でアニーリングし
た場合においても光電変換効率が低下しにくいものであ
る。この詳細なメカニズムは不明であるが、従来の光起
電力素子の光電変換効率の低下は次のように考えられ
る。即ち、バンドギャップを連続的に変えるためには、
構成元素も変化させて光起電力素子を形成する。そのた
め光起電力素子内部に歪が蓄積され、光起電力素子内部
に弱い結合が多く存在する事になる。そして振動によっ
てマイクロ波プラズマCVD法によるi型の非単結晶半
導体中の弱い結合が切れて未結合手が形成される結果、
光電変換効率が低下すると考えられる。一方、本発明の
場合、ドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとなる
価電子制御剤とが同時に添加されることによって局所的
な柔軟性が増し、長期間の振動によるアニーリングにお
いても光起電力素子の光電変換効率の低下を抑制する事
ができるものと考えられる。この他に、活性化していな
いドナーやアクセプターは主に3配位するため局所的な
柔軟性が増すことが考えられる。その結果、長期間振動
下でアニーリングしても光電変換効率が低下しにくいも
のと考えられる。しかし活性化していないドナーやアク
セプターは欠陥を形成するのである量以下にしなければ
ならない。従って活性化していないドナーやアクセプタ
ーの好ましい量は0.1〜100ppmである。
【0031】更に加えてp型層とマイクロ波プラズマC
VD法によるi型層の間に、RFプラズマCVD法によ
り、堆積速度2nm/sec以下で形成したi型層を3
0nm以下挿入することによって、更に光起電力素子の
光電変換効率を向上できるものである。特に本発明に係
る製造方法によって作製される光起電力素子は、温度変
化の大きい環境で使用した場合に光電変換効率が変化し
にくいものとなる。
【0032】RFプラズマCVD法で堆積したi型の非
単結晶半導体層は、堆積速度を2nm/sec以下と
し、気相反応が起こりにくい低パワーで堆積する。その
結果、堆積膜のパッキング・デンシティーが高く且つ該
i型層を前記マイクロ波プラズマCVD法により堆積し
たi型層と積層した場合に、i型層間の界面準位が少な
くなるものである。特にマイクロ波プラズマ法により堆
積膜を5nm/sec以上の速度で堆積した場合、マイ
クロ波プラズマを停止した後に、マイクロ波プラズマC
VD法によるi型層の表面近傍は十分に緩和していない
ため表面準位が非常に多くなっている。このようなi型
層の表面にRFプラズマ法によって堆積速度の遅い堆積
膜を形成すると、堆積膜の形成と同時に起こる水素原子
の拡散によるアニーリングによって減少させることがで
きるものと考えられる。
【0033】更に加えてn型層とマイクロ波プラズマC
VDによるi型層の間に、RFプラズマCVD法によ
り、堆積速度2nm/sec以下でi型層を30nm以
下形成することによって、光起電力素子の光電変換効率
を一層向上することができ、温度変化の大きい環境で使
用した場合でも光電変換効率が変化しにくくなる。
【0034】マイクロ波プラズマCVD法の堆積におい
ては、RFプラズマCVD法と比較してイオンの運動エ
ネルギーが大きいため、下部の半導体層にダメージを与
えることが考えられる。従って、下部の半導体層はイオ
ンダメージに対して耐性がある半導体層を用いる必要が
あり、更にはマイクロ波プラズマCVD法で堆積する堆
積膜は半導体膜として良質であるとともに堆積条件が下
部の半導体層に対してダメージを与えにくい条件で堆積
することが必要である。本発明の光起電力素子の堆積条
件は、この目的を達成するのに適したものである。
【0035】その結果、n型層とi型層の界面の界面準
位の少ない光起電力素子を形成でき、素子の開放電圧及
び短絡電流等が向上する。
【0036】本発明では、例えば、p型層を周期律表第
III族元素を主構成元素とする層(以下、周期律表第III
族元素をまたは第V族元素を主構成元素とする層をドー
ピング層Aと呼ぶ)と価電子制御剤を含有しシリコン原
子を主構成元素とする層(以下、ドーピング層Bと呼
ぶ)との積層構造にすることによって、p型層の光透過
率を大きくすることができ、且つp型層の比抵抗を小さ
くすることができる。特にp型層の光導電層と接する側
は、価電子制御剤を含有しシリコンを主構成元素とする
層(ドーピング層B)であるのが好ましいものである。
このように光導電層とp型層とを接続することによって
光導電層とp型層の間の欠陥を減少させることが可能と
なる。
【0037】p型層を構成する周期率表第III族原子を
主構成元素とする層(ドーピング層A)の層厚としては
0.01から1nmの層厚が最適な範囲である。該周期
律表第III族元素を主構成元素とする層に含有される水
素含有量は5%以下が好ましいものとしてあげられる。
p型層を構成する価電子制御剤を含有しシリコン原子を
主構成元素とする層(ドーピング層B)に含有される価
電子制御剤の含有量は、1500ppm〜10000p
pmが好ましい範囲としてあげられる。
【0038】以上p型層について述べたが、n型層につ
いても同様な積層構造とする事により、上記した効果が
同様に得られる。
【0039】次に本発明をバンド図を用いて説明する。
【0040】図2−1は本発明に係る製造方法によって
作製される光起電力素子のバンドギャップが変化する例
の模式的説明図である。この図はバンドギャップの1/
2(Eg/2)を基準にi型層内のバンドギャップの変
化を示している。図に於いて左側がp型層(不図示)側
で、右側がn型層(不図示)側である。図2−1の例は
バンドギャップの最小値がp型層の近くにあり、且つバ
ンドギャップの最大値はp型層方向とn型層方向にある
ように構成されているものである。i型層211及びi
型層212はマイクロ波プラズマCVD法により堆積し
た層であり、i型層213はRFプラズマCVD法によ
り堆積した非単結晶シリコン層である。i型層211と
i型層213の接合部はバンドギャップがほぼ等しくな
るようにi型層211とi型層213の水素含有量を調
節したものである。
【0041】また図2−2図は、図2−1と同様のバン
ドギャップの変化の模式的説明図である。図2−2に於
いては、図2−1と同じように、バンドギャップの最小
値はp型層(不図示)寄りにあるが、バンドギャップの
最大値はp型層に接してあるように構成されたものであ
る。i型層221及びi型層222はマイクロ波プラズ
マCVD法により堆積した層であり、i型層223はR
FプラズマCVD法により堆積した非単結晶シリコン層
である。i型層221とi型層223のバンドギャップ
は不連続に接続されている。図2−2のバンドギャップ
構成にすることにより特に開放電圧をあげることが可能
となる。
【0042】図3−1から図3−3までは、n型層とマ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層との間及びp型
層とマイクロ波プラズマCVD法によるi型層との間に
RFプラズマCVD法によるi型層を有する光起電力素
子のバンドギャップ変化を示す模式的説明図である。各
図はEg/2を基準にバンドギャップの変化を描いたも
のであり、バンド図の右側にn型層(不図示)及び左側
がp型層(不図示)である。
【0043】図3−1は、p型層側のi型層中にRFプ
ラズマCVD法によるi型層312があり、マイクロ波
プラズマCVD法によるバンドギャップがn型層側から
p型層側に向かって減少しているi型層311があり、
n型層近傍にRFプラズマCVD法によるi型層313
とがある例である。そしてバンドギャップの最小値がi
型層312とi型層311の界面にあるものである。ま
たi型層311とi型層312の間のバンドの接合は、
不連続に接続されているものである。このようにRFプ
ラズマCVD法によるi型層を設ける事によつて光起電
力素子の逆バイアス時の欠陥準位を介したホッピング伝
導による暗電流を極力抑える事ができ、その結果光起電
力素子の開放電圧が増加する。
【0044】またRFプラズマCVD法によるi型層3
13の層厚は非常に重要な因子であって、好ましい層厚
の範囲は1から30nmである。バンドギャップ一定な
i型層の層厚が1nmより薄い場合、欠陥準位を介した
ホッピング伝導による暗電流を抑える事ができなくな
り、光起電力素子の開放電圧の向上が望めなくなるもの
である。一方、30nmより厚い場合では、i型層31
3とバンドギャップが変化しているi型層311の界面
近傍に光励起された正孔が蓄積され易くなるため、光励
起されたキャリアーの収集効率が減少する。即ち短絡光
電流が減少するものである。
【0045】図3−2は、p型層とマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層321の間にRFプラズマCVD
法によるバンドギャップ一定のi型層322をもうけ、
またn型層とマイクロ波プラズマCVD法によるi型層
の間には、バンドギャップがi型層321と等しくなっ
ているRFプラズマCVD法によるi型層323を設け
た例である。
【0046】図3−3は、p型層とマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層331の間及びn型層とi型層3
31の間にのバンドギャップ一定のRFプラズマCVD
法によるi型層332、333を設けた例である。光起
電力素子に逆バイアスを印加した場合に、より一層暗電
流が減少し光起電力素子の開放電圧は大きくなる。
【0047】図3−4から図3−7までは、p型層とマ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層の間及びn型層
とマイクロ波プラズマCVD法によるi型層の間にRF
プラズマCVD法によるバンドギャップ一定のi型層を
有し、且つマイクロ波プラズマCVD法によるi型層の
p型層またはn型層方向にバンドギャップが急激に変化
している領域を有する光起電力素子の例である。
【0048】図3−4は、p型層とマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層341の間及びn型層とi型層3
41の間にRFプラズマCVD法によるバンドギャップ
一定のi型層342、343を有し、またバンドギャッ
プが変化しているi型層341はバンドギャップ最小の
位置がp型層側に片寄っており、i型層341のバンド
ギャップとi型層342、343のバンドギャップが連
続に接続された例である。バンドギャップを連続とする
事によってi型層のバンドギャップが変化している領域
で光励起された電子と正孔を効率よくn型層及びp型層
にそれぞれ収集する事ができる。また特にバンドギャッ
プ一定のi型層342、343が5nm以下と薄い場合
にi型層341のバンドギャップが急激に変化している
領域は、光起電力素子に逆バイアスを印加した場合の暗
電流を減少させる事ができ、従って光起電力素子の開放
電圧を大きくする事ができる。
【0049】図3−5の光導電層は、マイクロ波プラズ
マCVD法によるバンドギャップが変化しているi型層
351が、RFプラズマCVD法によるバンドギャップ
一定のi型層353、352と不連続で比較的緩やかに
接続された例である。しかし、バンドギャップ一定のi
型層352、353とバンドギャップが変化しているi
型層351でバンドギャップが広がる方向で緩やかに接
続しているので、バンドギャップが変化しているi型層
351で光励起されたキャリアーは効率よくバンドギャ
ップ一定のi型層352、353に注入される。その結
果光励起キャリアーの収集効率は大きくなるものであ
る。
【0050】バンドギャップが一定のi型層とバンドギ
ャップが変化しているi型層とを連続に接続するか不連
続に接続するかは、バンドギャップ一定のi型層及びバ
ンドギャップが急激に変化している領域の層厚に依存す
るものである。バンドギャップ一定のi型層が5nm以
下と薄くかつバンドギャップが急激に変化している領域
の層厚が10nm以下の場合にはバンドギャップ一定の
i型層とバンドギャップが変化している領域とが連続し
て接続されている方が、光起電力素子の光電変換効率は
大きくなる。一方バンドギャップ一定のi型層の層厚が
5nm以上に厚く、且つバンドギャップが急激に変化し
ている領域の層厚が10から30nmの場合にはバンド
ギャップが一定の領域とバンドギャップが変化している
領域とが不連続に接続している方が光起電力素子の変換
効率は向上するものである。
【0051】図3−6は、バンドギャップが一定のi型
層362とバンドギャップが変化しているi型層361
とが2段階で接続された例である。バンドギャップが極
小の位置からバンドギャップを緩やかに広げる段階と急
激に広げる段階とを経てバンドギャップの広い一定のi
型層362に接続する事によって、バンドギャップが変
化している領域で光励起されたキャリアーを効率よく収
集できるものである。また図3−6に於いてはi型層3
63に向かってバンドギャップが急激に変化しているi
型層361を有するものである。
【0052】図3−7は、マイクロ波プラズマCVD法
による型層371、i型層371とp型層及びn型層の
間にRFプラズマCVD法によるi型層373、374
を有する光起電力素子であるが。図3−7は特にi型層
374とi型層371の間にマイクロ波プラズマCVD
法によるバンドギャップ一定なi型層372を有するも
のである。i型層372とi型層371とは2段階のバ
ンドギャップの変化を経て接続されている例である。
【0053】上記のようにバンドギャップ一定のi型層
とバンドギャップの変化しているi型層とが構成元素の
類似した状態で接続する事によって内部歪を減少させる
事ができる。その結果長期間振動下でアニーリングして
もi型層内の弱い結合が切断されて欠陥準位が増加して
光電気の変換効率が低下するという現象が生じ難くな
り、高い光電変換効率を維持する事ができるものであ
る。
【0054】また、価電子制御剤をi型層に含有させる
ことによって、i型層中のキャリアーレンジを大きくな
り、キャリアーの収集効率を大きくすることができる。
特に価電子制御剤をバンドギャップに対応させてバンド
ギャップの狭いところで多く広いところで少なくするこ
とによって更に光励起キャリアーの収集効率を大きくす
ることができる。更にバンドギャップ一定のi型層でp
型層及びn型層側で価電子制御剤をバンドギャップ最小
のところよりも多くさせることによって、p/i界面及
びn/i界面近傍での光励起キャリアーの再結合を防止
することができ、光起電力素子の光電変換効率を向上さ
せることができる。
【0055】本発明に於いてシリコン原子とゲルマニウ
ム原子を含有するi型層のバンドギャップ極小のところ
のバンドギャップの好ましい範囲は、照射光のスペクト
ルにより種々選択されるものではあるが、1.1〜1.
6eVが望ましいものである。
【0056】また本発明のバンドギャップが連続的に変
化している光起電力素子に於いて、価電子帯のテイルス
テイトの傾きは、光起電力素子の特性を左右する重要な
因子であって、バンドギャップの極小値のところのテイ
ルステイトの傾きからバンドギャップ最大のところのテ
イルステイトの傾きまでなめらかに連続していることが
好ましい。
【0057】以上pin構造の光起電力素子について説
明したが、本発明に係る製造方法はpinpin構造
(ダブル構造)やpinpinpin構造(トリプル構
造)等のpin構造を積層した光起電力素子についても
適用できることは言うまでもない。
【0058】図4−1は本発明に係る製造方法を用いて
光起電力素子の堆積膜形成を行うのに適した製造装置の
一例を示す模式的説明図である。該製造装置は、堆積室
1001、誘電体窓1002、ガス導入管1003、基
板1004、加熱ヒーター1005、真空計1006、
コンダクタンスバルブ1007、補助バルブ1008、
リークバルブ1009、導波部1010、バイアス電源
1011、バイアス棒1012、シャッター1013、
原料ガス供給装置1020、マスフローコントローラー
1021〜1029、ガス導入バルブ1031〜103
9、原料ガスボンベのバルブ1051〜1059、圧力
調整器1061〜1069、原料ガスボンベ1071〜
1079等から構成されている。図4−1の製造装置を
用いてマイクロ波プラズマ法によるi型層の形成方法を
以下に説明する。
【0059】本発明に係る製造方法に於ける堆積メカニ
ズムの詳細は不明であるが、つぎのように考えられる。
【0060】原料ガスを100%分解するに必要なマイ
クロ波エネルギーより低いマイクロ波エネルギーを前記
原料ガスに作用させ、マイクロ波エネルギーより高いR
Fエネルギーを同時に前記原料ガスに作用させることに
より、堆積膜を形成するに適した活性種を選択できるも
のと考えられる。更に原料ガスを分解するときの堆積室
内の内圧が50mTorr以下の状態にすると、良質な
堆積膜を形成するに適した活性種の平均自由工程が充分
に長くなるため気相反応が極力抑えられると考えられ
る。
【0061】そしてまた堆積室内の内圧が50mTor
r以下の状態でRFエネルギーは、原料ガスの分解にほ
とんど影響を与えず、堆積室内のプラズマと基板の間の
電位を制御しているものと考えられる。即ちマイクロ波
プラズマCVD法の場合、プラズマと基板の間の電位差
は小さいが、RFエネルギーをマイクロ波エネルギーと
同時に投入することによってプラズマと基板の間の電位
差(プラズマ側が+で、基板側が−)を大きくすること
ができる。このようにプラズマ電位が基板に対してプラ
スで高くすることによって、マイクロ波エネルギーで分
解した活性種が基板上に堆積し、同時にプラズマ電位で
加速された+イオンが基板上に衝突し基板表面での緩和
反応が促進され良質な堆積膜が得られるものと考えられ
る。特にこの効果は堆積速度が数nm/sec以上のと
きに効果が顕著になるものである。
【0062】更にRFはDCと違って周波数が高いため
電離したイオンと電子の分布によってプラズマの電位と
基板の電位の差が決まってくる。すなわちイオンと電子
のシナジティクによって基板とプラズマの電位差が決ま
ってくるものである。従って堆積室内でスパークが起こ
りにくいという効果がある。その結果安定したグロー放
電を10時間以上に及ぶ長時間維持することが可能とな
る。
【0063】また加えて、バンドギャップを変化させた
層を堆積させる際には、原料ガスの流量及び流量比が経
時的または空間的に変化するため、DCの場合、DC電
圧を経時的または空間的に適宜変化させる必要がある。
ところが本発明の堆積膜形成方法に於いては、原料ガス
の流量及び流量比の経時的または空間的な変化によつて
イオンの割合が変化し、それに対応してRFのセルフバ
イアスが自動的に変化する。その結果RFをバイアス棒
に印加して原料ガス流量及び原料ガス流量比を変えた場
合、DCバイアスの場合と比較して放電が非常に安定す
る。
【0064】更に加えて本発明の製造方法に於いて、所
望のバンドギャップの変化を得るためには、シリコン原
子含有ガスとゲルマニウム原子含有ガスとを堆積室から
5m以下の距離のところで混合することが好ましい。5
mより離れて前記原料ガスを混合すると、所望のバンド
ギャップ変化に対応してマスフローコントロラーを制御
しても原料ガスの混合位置が離れているために原料ガス
の変化に遅れや原料ガスの相互拡散が起こり、所望のバ
ンドギャップに対してズレが生じる。即ち原料ガスの混
合位置が離れすぎているとバンドギャップの制御性が低
下するものである。
【0065】また更に加えてi型層中に含有される水素
含有量を層厚方向に変化させるには、本発明の堆積膜形
成方法において、水素含有量を多くしたいところでバイ
アス棒に印加するRFエネルギーを大きくし、水素含有
量を少なくしたいところでバイアス棒に印加するRFエ
ネルギーを小さくすれば良い。一方、RFエネルギーと
同時にDCエネルギーを印加する場合においては、水素
原子の含有量を多くしたいところでバイアス棒に印加す
るDC電圧を+極性で大きな電圧を印加すれば良く、水
素含有量を少なくしたいときには、バイアス棒に印加す
るDC電圧を+極性で小さな電圧を印加すれば良い。
【0066】次に、本発明に係る光起電力素子の製造
法を以下に詳細に説明する。
【0067】まず図4−1の堆積室1001内に堆積膜
形成用の基板1004を取り付け堆積室内を10-5to
rr台以下に充分に排気する。この排気にはターボ分子
ポンプが適しているが、オイル拡散ポンプであってもよ
い。オイル拡散ポンプの場合はオイルが堆積室に逆拡散
しないように堆積室1001の内圧が10-4以下になっ
たらH2,He,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを堆
積室内へ導入するのがよい。堆積室内の排気を充分に行
った後、H2,He,Ar,Ne,Kr,Xe等のガス
を、堆積膜形成用の原料ガスを流したときとほぼ同等の
堆積室内圧になるように堆積室内に導入する。堆積室内
の圧力としては、0.5〜50mTorrが最適な範囲
である。
【0068】堆積室内の圧力が安定したら、基板加熱ヒ
ーター1005のスイッチを入れ基板を100〜500
℃に加熱する。基板の温度が所定の温度で安定したらH
2,He,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを止め、堆
積膜形成用の原料ガスをガスボンベからマスフローコン
トローラーを介して所定の量を堆積室に導入する。堆積
室内ヘ導入される堆積膜形成用の原料ガスの供給量は、
堆積室の体積によって適宜決定されるものである。一方
堆積膜形成用の原料ガスを堆積室に導入した場合の堆積
室内の内圧は、本発明の堆積膜形成方法に於いて非常に
重要な因子であり、最適な堆積室内の内圧は、0.5〜
50mTorrである。
【0069】また本発明の製造方法に於いて、堆積膜形
成用に堆積室内に投入されるマイクロ波エネルギーは、
重要な因子である。マイクロ波エネルギーは堆積室内に
導入される原料ガスの流量によって適宜決定されるもの
であるが、前記原料ガスを100%分解するに必要なマ
イクロ波エネルギーよりも小さいエネルギーであって、
好ましい範囲としては、0.02〜1W/cm3であ
る。マイクロ波エ ネルギーの好ましい周波数の範囲と
しては0.5〜10GHzが挙げられる。特に2.45
GHz付近の周波数が適している。また本発明の堆積膜
形成方法によって再現性のある堆積膜を形成するため、
及び数時間から数十時間にわたって堆積膜を形成するた
めにはマイクロ波エネルギーの周波数の安定性が非常に
重要である。周波数の変動は±2%の範囲であることが
好ましいものである。さらにマイクロ波のリップルも±
2%が好ましい範囲である。
【0070】更に本発明の製造方法に於いて堆積室内に
マイクロ波エネルギーと同時に投入されるRFエネルギ
ーは、マイクロ波エネルギーとの組み合わせに於いて非
常に重要な因子であり、RFエネルギーの好ましい範囲
としては、0.04〜2W/cm3である。RFの好ま
しい周波数の範囲としては1〜100MHzが 挙げら
れる。特に13.56MHzが最適である。またRFの
周波数の変動は±2%以内で、波形はなめらかな波形が
好ましいものである。
【0071】RFエネルギーの供給は、RFエネルギー
供給用のバイアス棒の面積とアースの面積との面積比に
よって適宜選択されるものではあるが、特にRFエネル
ギー供給用のバイアス棒の面積がアースの面積よりも狭
い場合、RFエネルギー供給用の電源側のセルフバイア
ス(DC成分)をアースする方が好ましい。また、RF
エネルギー供給用の電源側のセルフバイアス(DC成
分)をアースしない場合は、RFエネルギー供給用のバ
イアス棒の面積をプラズマが接するアースの面積よりも
大きくするのが好ましい。
【0072】このようなマイクロ波エネルギーを導波部
1010から誘電体窓1002を介して堆積室に導入
し、同時にRFエネルギーをバイアス電源1011から
バイアス棒1012を介して堆積室に導入する。この状
態で所望の時間原料ガスを分解し前記基板上に所望の層
厚の堆積膜を形成する。その後マイクロ波エネルギーお
よびRFエネルギーの投入を止め、堆積室内を排気し、
2,He,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスで充分パ
ージした後、堆積した非単結晶半導体膜を堆積室から取
り出す。
【0073】また前記RFエネルギーに加えて、前記バ
イアス棒1012にDC電圧を印加しても良い。DC電
圧の極性としては前記バイアス棒がプラスになるように
電圧を印加するのが好ましい方向である。そしてDC電
圧の好ましい範囲としては、10から300Vである。
【0074】以上のような本発明のi型層の堆積膜形成
に用いられるシリコン原子またはゲルマニウム原子を含
有しガス化し得る化合物としては、次のものが適してい
る。
【0075】例えば、シリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、SiH4、Si26,SiF4,S
iFH3,SiF22,SiF3H,Si38,Si
4,SiHD3,SiH22,SiH3D,SiFD3
SiF22,SiD3H,Si233等が挙げられる。
【0076】具体的にゲルマニウム原子を含有しガス化
し得る化合物としては、GeH4,GeD4,GeF4
GeFH3,GeF22,GeF3H,GeHD3,Ge
22,GeH3D,Ge26,Ge26等が挙げられ
る。
【0077】また以上の化合物をH2,He,Ne,A
r,Xe,Kr等のガスで適宣希釈して堆積室に導入し
ても良い。
【0078】本発明に於いて、非単結晶半導体層の価電
子制御するために導入される価電子制御剤としては周期
率表第III族原及び第V族原子が挙げられる。第III族原
子導入用の出発物質として有効に使用されるものとし
て、具体的にはホウ素原子導入用としては、B26,B
410,B59,B511,B610,B612,B614
等の水素化ホウ素、BF3,BCl3,等のハロゲン化ホ
ウ素等を挙げることができる。このほかにAlCl3
GaCl3,InCl3,TlCl3等も挙げることがで
きる。
【0079】また、第V族原子導入用の出発物質として
有効に使用されるのは、具体的には燐原子導入用として
はPH3,P24等の水素化燐、PH4I,PF3,P
5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等の
ハロゲン化燐が挙げられる。このほかAsH3,As
3,AsCl3,AsBr3,ASF5,SbH3,Sb
3,SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,Bi
Cl3,BiBr3等も挙げることができる。
【0080】非単結晶半導体層のi型層に導入される周
期率表第III族原子及び第V族原子の導入量は1000
ppm以下が好ましい範囲として挙げられる。また周期
率表第III族原子と第V族原子を同時に補償するように
添加するのが好ましいものである。
【0081】また以上の化合物をH2,He,Ne,A
r,Xe,Kr等のガスで適宣希釈して堆積室に導入し
ても良い。希釈するのに最適なガスとしては、H2,H
eが挙げられる。
【0082】図4−2は、本発明に係る製造方法を用
い、光起電力素子のRFプラズマCVD法によるi型層
の堆積に適した堆積膜形成装置の一例を示す模式的説明
図である。該堆積膜形成装置装置は、RFグロー放電法
による成膜装置1100、堆積室1101、カソード1
102、ガス導入管1103、基板1104、加熱ヒー
ター1105、真空計1106、コンダクタンスバルブ
1107、コンダクタンスバルブの後のメカニカルブー
スターポンプ(不図示)、補助バルブ1108、リーク
バルブ1109、RF電源1111、RFマッチングボ
ックス1112、原料ガス供給装置1020、マスフロ
ーコントローラー1021〜1029、ガス導入バルブ
1031〜1039、原料ガスボンベのバルブ1051
〜1059、圧力調整器1061〜1069、原料ガス
ボンベ1071〜1079等から構成されている。
【0083】本発明に係る製造方法を用いて作製される
光起電力素子のn/i界面に挿入されるRFプラズマC
VD法によるi型層は、以下のようにして堆積される。
【0084】まずn型層まで堆積した基板を堆積室11
01のヒーター1105上に基板1104として取り付
ける。堆積室1101の扉を閉じ堆積室内を10-3To
rr台になるまで引き上げる。H2,He,Ne,A
r,Xe,Kr等の基板加熱用ガスをRFプラズマCV
Dを行うときと同等な流量及び圧力で流す。同時に、基
板加熱ヒーター1105のスイッチを入れ、所望の基板
温度に成るように加熱ヒーター1105の温度をセット
する。基板温度が所望の温度になったならば、基板加熱
用ガスを止め所望の堆積膜形成用の原料ガスを原料ガス
供給装置1020から補助バルブ1108とガス導入管
1103を介して堆積室1101内に導入する。
【0085】堆積室の内圧が原料ガスによって所望の内
圧になって安定した後、RF電源から所望のRFエネル
ギーをマッチングボックス1112を介してカソード電
極1102に導入する。そしてプラズマを生起し所望の
堆積時間堆積を持続する。所望の堆積時間堆積した後、
RFエネルギーの供給を止め、基板加熱用のヒーターを
切り、堆積膜形成用の原料ガスを止め、堆積室内を充分
にパージする。基板温度が室温程度に下がった後、基板
を堆積室から取り出すし、次のマイクロ波プラズマCV
D法のステップに進む。
【0086】該RFプラズマCVD法でi型層を堆積す
る場合、堆積室内の基板温度は、100〜350℃、内
圧は、0.1〜10Torr、RFパワーは、0.01
〜5.0W/cm3、堆積速度は、0.01〜2nm/
secが最適条件として挙げられる。
【0087】RFの周波数としては1MHz〜100M
HZが適した範囲であり、特に13.56MHz近傍の
周波数が最適である。更にRF法においてはRFの周波
数の安定性も非常に大切な因子であって、好ましくは±
2%以内である。RFパワーのリップルは5%以下であ
るのが好ましいものである。
【0088】本発明のマイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層及びRFプラズマ法によるi型層に窒素原子ま
たは酸素原子導入用の出発物質として有効に使用される
ガスとして、例えば窒素原子導入ガスとしては、N2
NH3,ND3,NO,NO2,N2O等が挙げられる。ま
た、酸素原子導入ガスとしては、O2,CO,CO2,N
O,NO2,N2O,CH3CH2OH,CH3OH等が挙
げられる。
【0089】本発明の堆積装置としてはマイクロ波プラ
ズマCVD装置とRFプラズマCVD装置とを連続的に
接続した装置がより好ましいものである。マイクロ波プ
ラズマCVD法による堆積室とRFプラズマCVD法に
よる堆積室はゲートで分離されているのが好ましいもの
である。該ゲートとしては機械的なゲートバルブやガス
ゲート等が適しているものである。
【0090】本発明において、p型層またはn型層を積
層構造とする場合、周期率表第III族元素または/及び
第V族元素を主構成元素とする層(ドーピング層A)
と、価電子制御剤を含有しシリコン原子を主構成元素と
する層(ドービング層B)との積層構造からなるp型層
またはn型層は、前記マイクロ波プラズマCVD装置ま
たは前記RFプラズマCVD装置を使用して行うことが
できる。
【0091】ドービング層Aは、前記した周期率表第II
I族元素または/及び第V族元素を含有するガスを原料
ガスとして用い、前記マイクロ波プラズマCVD法また
は前記RFプラズマCVD法で堆積するのが好ましいも
のである。特にドーピング層Aの水素含有量を減少させ
るためには、できるだけ高いパワーで原料ガスを分解し
て堆積するのが好ましいものである。
【0092】ドーピング層Bも、価電子制御剤として周
期率表第III族元素および/または第V族元素をシリコ
ン原子含有ガスと混合して前記マイクロ波プラズマCV
D法または前記RFプラズマCVD法で堆積するのが好
ましいものである。
【0093】一方結晶相を含むドーピング層Bを、マイ
クロ波プラズマCVD法で堆積する場合、RFエネルギ
ーはマイクロ波エネルギーよりも小さくし、マイクロ波
エネルギーは比較的大きくすることが好ましい。好まし
いマイクロ波エネルギーは0.1〜1.5W/cm3
ある。更に結晶粒径を大きくするためには水素希釈を行
うのが好ましく、水素ガスによる原料ガスの希釈率は
0.01〜10%が好ましい範囲である。
【0094】また結晶相を含むドービング層Bを、RF
プラズマCVD法で堆積する場合、前記シリコン原子含
有ガスを、水素ガス(H2、D2)で0.01〜10%に
希釈して、RFパワーは1〜10W/cm2とするのが
好ましい条件である。
【0095】本発明の光起電力素子のp型層または/及
びn型層をドーピング層Aとドーピング層Bとの積層で
構成する場合、ドーピング層Bから始まってドーピング
層Bで終わるのが好ましいものである。たとえばBA
B,BABAB,BABABAB,BABABABAB
等の構成が好ましいものである。
【0096】特に透明電極と積層構造からなるp型層ま
たは/及びn型層が接する場合ドーピング層Bと透明電
極が接している場合の方が、透明電極を構成する酸化イ
ンジウムまたは酸化スズヘの周期率表第III族元素及び
/または第V族元素の拡散を防止でき、光起電力素子の
光電気変換効率の経時的な低下を減少させることができ
る。
【0097】次に本発明に係る製造方法を用いて作製さ
れる光起電力素子の構成を更に詳細に述べる。 (導電性基板) 導電性基板は、導電性材料であってもよく、絶縁性材料
または導電性材料で支持体を形成し、その上に導電性処
理をしたものであっても良い。導電性支持体としては、
例えば、NiCr,ステンレス、Al,Cr,Mo,A
u,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb,Sn等の金
属、またはこれらの合金が挙げられる。
【0098】電気絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
ィルム、またはシート、あるいはガラス、セラミック
ス、紙などが挙げられる。これらの電気絶縁性支持体
は、好適には少なくともその一方の表面を導電処理し、
該導電処理された表面側に光起電力層を設けるのが望ま
しい。
【0099】たとえばガラスであれば、その表面に、N
iCr,Al,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,T
i,Pt,Pb,In23,ITO(In23+SnO
2)等から成る薄膜を設けることによって導電性を付与
し、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フィルム
であれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,
Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Tl,Pt
等の金属薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリ
ング等でその表面に設け、または前記金属でその表面を
ラミネート処理して、その表面に導電性を付与する。支
持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面のシート状であ
ることができる。その厚さは所望通りの光起電力素子を
形成し得るように適宜決定されるが、光起電力素子とし
ての柔軟性が要求される場合には、支持体としての機能
が十分発揮される範囲で可能な限り薄くすることができ
る。しかしながら、支持体の製造上、取扱い上、及び機
械的強度等の点から、通常は10μm以上とされる。 (光反射層)光反射層としては、Ag,Al,Cu,A
lSi等の可視光から近赤外で反射率の高い金属が適し
ている。これらの金属は、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビ
ーム真空蒸着法、共蒸着及びスパッタリング法等で形成
するのが適している。光反射層としてのこれらの金属の
層厚としては10nmから5000nmが適した層厚と
して挙げられる。これらの金属をテクスチャー化するた
めにはこれらの金属の堆積時の基板温度を200℃以上
とすれば良い。 (反射増加層)反射増加層としてはZnO,SnO2
In23,ITO,TiO2,CdO,Cd2SnO4
Bi23,MoO3,NaxWO3等が最適なものとして
挙げられる。
【0100】該反射増加層の堆積方法としては真空蒸着
法、スパッタリング法、CVD法、スプレー法、スピン
オン法、ディップ法等が適した方法として挙げられる。
【0101】また反射増加層の層厚としては、前記反射
増加層の材料の屈折率によって最適な層厚は異なるが、
好ましい層厚の範囲としては50nm〜10μmが挙げ
られる。更に反射増加層をテクスチャー化するために
は、該反射増加層を堆積する場合の基板温度を300℃
以上に上げるのが好ましいものである。 (p型層またはn型層:第2、第1の導電型層)p型層
またはn型層は、光起電力素子の特性を左右する重要な
層である。
【0102】p型層またはn型層の非晶質材料(a−と
表示する)(微結晶材料(μc−と表示する)も非晶質
材料の範ちゅうに含める)としては、例えばa−Si:
H,a−Si:HX,a−SiC:H,a−SiC:H
X,a−SiGe:H,a−SiGeC:H,a−Si
O:H,a−SiN:H,a−SiON:HX,a−S
iOCN:HX,μc−Si:H,μc−SiC:H,
μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−SiG
e:H,μc−SiO:H,μc−SiGeC:H,μ
c−SiN:H,μc−SiON:HX,μc−SiO
CN:HX,等にp型の価電子制御剤(周期率表第III
族原子B,Al,Ga,In,Tl)やn型の価電子制
御剤(周期率表第V族原子P,As,Sb,Bi)を高
濃度に添加した材料が挙げられ、多結晶材料(poly
−と表示する)としては、例えばpoly−Si:H,
poly−Si:HX,poly−SiC:H,pol
y−SiC:HX,poly−SiGe:H,poly
−Si,poly−SiC,poly−SiGe,等に
p型の価電子制御剤(周期率表第III族原子B,Al,
Ga,In,Tl)やn型の価電子制御剤(周期率表第
V族原子P,As,Sb,Bi)を高濃度に添加した材
料が挙げられる。
【0103】特に光入射側のp型層またはn型層には、
光吸収の少ない結晶性の半導体層かバンドギァップの広
い非晶質半導体層が適している。
【0104】p型層への周期率表第III族原子の添加量
及びn型層への周期率表第V族原子の添加量は0.1〜
50at%が最適量として挙げられる。
【0105】またp型層またはn型層に含有される水素
原子(H,D)またはハロゲン原子はp型層またはn型
層の未結合手を補償する働きをし、p型層またはn型層
のドーピング効率を向上させるものである。p型層また
はn型層ヘ添加される水素原子またはハロゲン原子は
0.1〜40at%が最適量として挙げられる。特にp
型層またはn型層が結晶性の場合、水素原子またはハロ
ゲン原子は0.1〜8at%が最適量として挙げられ
る。更にp型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で
水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多く分布
しているものが好ましい分布形態として挙げられ、該界
面近傍での水素原子または/及びハロゲン原子の含有量
はバルク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範
囲として挙げられる。このようにp型層/i型層、n型
層/i型層の各界面近傍で水素原子またはハロゲン原子
の含有量を多くすることによって該界面近傍の欠陥準位
や機械的歪を減少させることができ、本発明の光起電力
素子の光起電力や光電流を増加させることができる。
【0106】光起電力素子のp型層及びn型層の電気特
性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが
好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また比
抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以
下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚は1〜
50nmが好ましく、3〜10nmが最適である。
【0107】光起電力素子のp型層またはn型層の堆積
に適した原料ガスとしては、シリコン原子を含有したガ
ス化し得る化合物、ゲルマニウム原子を含有したガス化
し得る化合物、炭素原子を含有したガス化し得る化合物
等、及び該化合物の混合ガスを挙げることができる。
【0108】具体的にシリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、例えばSiH4、Si26,Si
4,SiFH3,SiF22,SiF3H,Si38
SiD4,SiHD3,SiH22,SiH3D,SiF
3,SiF22,SiD3H,Si233等が挙げら
れる。
【0109】具体的にゲルマニウム原子を含有するガス
化し得る化合物としては、GeH4,GeD4,Ge
4,GeFH3,GeF22,GeF3H,GeHD3
GeH22,GeH3D,Ge26,Ge26等が挙げ
られる。
【0110】具体的に炭素原子を含有するガス化し得る
化合物としてはCH4,CD4,Cn2n+2(nは整
数),Cn2n(nは整数),C22,C66,CO2
CO等が挙げられる。
【0111】価電子制御するためにp型層またはn型層
に導入される物質としては周期率表第III族原及び第V
族原子が挙げられる。
【0112】第III族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるものとして、具体的にはホウ素原子導入用
としては、B26,B410,B59,B511,B6
10,B612,B614等の水素化ホウ素、BF3,BC
3,等のハロゲン化ホウ素等を挙げることができる。
このほかにAlCl3,GaCl3,InCl3,TlC
3等も挙げることができる。特にB26,BF3が適し
ている。
【0113】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、具体的には燐原子導入用としてはPH
3,P24等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PC
3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロゲン
化燐が挙げられる。このほかAsH3,AsF3,AsC
3,ASBr3,ASF5,SbH3,SbF3,Sb
5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,B
iBr3等も挙げることができる。特にPH3,PF3
適している。
【0114】また前記ガス化し得る化合物をH2,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0115】光起電力素子に適したp型層またはn型層
の堆積方法は、RFプラズマCVD法とマイクロ波プラ
ズマCVD法である。
【0116】特にRFプラズマCVD法で堆積する場
合、容量結合型のRFプラズマCVD法が適している。
RFプラズマCVD法でp型層またはn型層を堆積する
場合、堆積室内の基板温度は、100〜350℃、内圧
は、0.1〜10torr、RFパワーは、0.01〜
5.0W/cm2、堆積速度は、0.1〜30A/se
cが最適条件として挙げられる。
【0117】特に微結晶半導体やa−SiC:H等の光
吸収の少ないかバンドギャップの広い層を堆積する場合
は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、RFパ
ワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいもので
ある。RFの周波数としては1MHz〜100MHzが
適した範囲であり、特に13.56MHz近傍の周波数
が最適である。
【0118】p型層またはn型層をマイクロ波プラズマ
CVD法で堆積する場合、マイクロ波プラズマCVD装
置は、堆積室に誘電体窓(アルミナセラミックス等)を
介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適してい
る。
【0119】マイクロ波プラズマCVD法でp型層また
はn型層を堆積するには、本発明の堆積膜形成方法も適
した堆積方法であるが、更に広い堆積条件で光起電力素
子に適用可能な堆積膜を形成することができる。
【0120】本発明の方法以外でp型層またはn型層を
マイクロ波プラズマCVD法で、堆積する場合、堆積室
内の基板温度は100〜400℃、内圧は0.5〜30
mTorr、マイクロ波パワーは0.01〜1W/cm
3マイクロ波の周波数は0.5〜10GHzが好ましい
範囲として挙げられる。
【0121】特に微結晶半導体やa−SiC:H等の光
吸収の少ないかバンドギャップの広い層を堆積する場合
は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイク
ロ波パワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましい
ものである。 (マイクロ波プラズマCVD法によるi型層)光起電力
素子に於いて、i型層は照射光に対してキャリアを発生
輸送する重要な層である。
【0122】i型層としては、僅かp型、僅かn型の層
も使用できるものである本発明の光起電力素子のi型層
としては、シリコン原子とゲルマニウム原子とを含有し
てi型層の層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化
し、バンドギャップの極小値がi型層の中央の位置より
p型層とi型層の界面方向に片寄っている。該i型層中
には、ドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとなる
価電子制御剤とが同時にドービングされているものがよ
り適したものである。
【0123】i型層に含有される水素原子(H,D)ま
たはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手を補償す
る働きをし、i型層でのキァリアの移動度と寿命の積を
向上させるものである。またp型層/i型層,n型層/
i型層の各界面の界面準位を補償する働きをし、光起電
力素子の光起電力、光電流そして光応答性を向上させる
効果のあるものである。i型層に含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子は1〜40at%が最適な含有
量として挙げられる。
【0124】特に、p型層/i型層、n型層/i型層の
各界面側で水素原子または/及びハロゲン原子の含有量
が多く分布しているものが好ましい分布形態として挙げ
られ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲン原
子の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が
好ましい範囲として挙げられる。更にシリコン原子の含
有量の増減方向とは反対方向に水素原子または/及びハ
ロゲン原子の含有量が変化していることが好ましいもの
である。シリコン原子の含有量が最小のところでの水素
原子または/ハロゲン原子の含有量は1〜10at%が
好ましい範囲で、水素原子または/及びハロゲン原子の
含有量の最大の領域の0.3〜0.8倍が好ましい範囲
である。
【0125】水素原子または/及びハロゲン原子の含有
量は、シリコン原子の含有量の変化の方向と反対方向に
変化させる、即ちバンドギャップに対応して、バンドギ
ャップの狭いところで水素原子または/及びハロゲン原
子の含有量が少なくなっているものである。メカニズム
の詳細については不明ではあるが、本発明の堆積膜形成
方法によればシリコン原子とゲルマニウム原子を含有す
る合金系半導体の堆積に於いて、シリコン原子とゲルマ
ニウム原子のイオン化率の違いによってそれぞれの原子
が獲得するエネルギーに差が生じ、その結果合金系半導
体において水素含有量または/ハロゲン含有量が少なく
ても十分に緩和が進み良質な合金系半導体が堆積できる
ものと考えられる。
【0126】加えてシリコン原子とゲルマニウム原子と
を含有するi型層に酸素及び/または窒素を100pp
m以下の微量添加することによって、光起電力素子の長
期にわたる振動によるアニーリングに対して耐久性が良
くなるものである。その原因については詳細は不明であ
るが、シリコン原子とゲルマニウム原子との構成比が層
厚方向に連続的に変化しているためシリコン原子とゲル
マニウム原子とが一定の割合で混合されている場合より
も残留歪が多くなる傾向になるものと考えられる。この
ような系に酸素原子または/及び窒素原子を添加するこ
とによって構造的な歪を減少させることができ、その結
果、光起電力素子の長期にわたる振動によるアニーリン
グに対して耐久性が良くなるものと考えられる。酸素原
子または/及び窒素原子の層厚方向での分布としてはゲ
ルマニウム原子の含有量に対応して増減している分布が
好ましいものである。この分布は水素原子または/及び
ハロゲン原子の分布とは反対の分布であるが、構造的な
歪を取り除く効果と未結合手を減少させる効果とのかね
あいでこのような分布が好ましいものと考えられる。
【0127】更にこのような水素原子(または/及びハ
ロゲン原子)及び酸素原子(または/及び窒素原子)を
分布させることによって価電子帯及び伝導帯のテイルス
テイトがなめらかに連続的に接続されるものである。
【0128】i型層の層厚は、光起電力素子の構造(例
えばシングルセル、タンデムセル、トリプルセル)及び
i型層のバンドギャップに大きく依存するが0.05〜
1.0μmが最適な層厚として挙げられる。
【0129】本発明の堆積膜形成方法によるシリコン原
子とゲルマニウム原子を含有するi型層は、堆積速度を
5nm/sec以上に上げても価電子帯側のテイルステ
イトが少ないものであって、テイルステイトの傾きは6
0meV以下であり、且つ電子スピン共鳴(esr)に
よる未結合手の密度は1017/cm3以下である。
【0130】またi型層のバンドギァップはp型層/i
型層、n型層/i型層の各界面側で広くなるように設計
すことが好ましいものである。このように設計すること
によって、光起電力素子の光起電力、光電流を大きくす
ることができ、更に長時間使用した場合の光劣化等を防
止することができる。 (RFプラズマCVD法によるi型層)RFプラズマC
VD法によるi型層は、2nm/sec以下の堆積速度
で堆積したものであって、堆積膜中に含有される水素原
子及び/またはハロゲン原子の含有量は1〜40at%
の範囲が好ましいものである。水素原子及び/またはハ
ロゲン原子の結合状態はシリコン原子に水素原子1個結
合した状態またはハロゲン原子1個が結合した状態が好
ましいものである。シリコン原子に水素原子が1個結合
した状態を表す赤外吸収スペクトルの2000cm-1
ークの半値幅をピーク高さで割った値が、マイクロ波プ
ラズマCVD法によるi型層の2000cm-1のピーク
の半値幅をピーク高さで割った値より大きくなっている
ものが好ましいものである。 (透明電極)透明電極はインジウム酸化物、インジウム
ースズ酸化物の透明電極が適したものである。
【0131】透明電極は以下のようにして堆積される。
透明電極の堆積にはスパッタリング法と真空蒸着法が最
適な堆積方法である。
【0132】マグネトロンスパッタリング装置におい
て、インジウム酸化物から成る透明電極を基板上に堆積
する場合、ターゲットは金属インジウム(In)やイン
ジウム酸化物(In23)等のターゲットが用いられ
る。また、インジウムースズ酸化物から成る透明電極を
基板上に堆積する場合、ターゲツトは金属スズ(S
n)、金属インジウムまたは金属スズと金属インジウム
の合金、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムー
スズ酸化物等のターゲットを適宜組み合わせて用いられ
る。
【0133】スパッタリング法で堆積する場合、基板温
度は重要な因子であって、25℃〜600℃が好ましい
範囲として挙げられる。スパッタリング用のガスとし
て、アルゴンガス(Ar),ネオンガス(Ne)、キセ
ノンガス(Xe),ヘリウムガス(He)等の不活性ガ
スが挙げられ、特にArガスが最適なものである。また
前記不活性ガスに酸素ガス(O2)を必要に応じて添加
することが好ましいものである。特に金属をターゲット
にしている場合、酸素ガス(O2)は必須のものであ
る。
【0134】更に、前記不活性ガス等によってターゲッ
トをスパッタリングする場合、放電空間の圧力は効果的
にスパッタリングを行うために、0.1〜50mTor
rが好ましい範囲として挙げられる。
【0135】また、電源としてはDC電源やRF電源が
適したものとして挙げられる。スパッタリング時の電力
としては10〜1000Wが適した範囲である。
【0136】透明電極の堆積速度は、放電空間内の圧力
や放電電力に依存し、最適な堆積速度としては、0.0
1〜10nm/secの範囲である。透明電極の層厚
は、反射防止膜の条件を満たすような条件に堆積するの
が好ましいものである。具体的な該透明電極の層厚とし
ては50〜300nmが好ましい範囲として挙げられ
る。
【0137】真空蒸着法において透明電極を堆積するに
適した蒸着源としては、金属スズ、 金属インジウム、
インジウムースズ合金が挙げられる。また透明電極を堆
積するときの基板温度としては25℃〜600℃の範囲
が適した範囲である。
【0138】更に、透明電極を堆積するとき、堆積室を
10-6torr台以下に減圧した後に酸素ガス(O2
を5x10-5torr〜9x10-4torrの範囲で堆
積室に導入することが必要である。この範囲で酸素を導
入することによって蒸着源から気化した前記金属が気相
中の酸素と反応して良好な透明電極が堆積される。
【0139】また、前記真空度でRF電力を導入してプ
ラズマを発生させて、該プラズマを介して蒸着を行って
も良い。上記条件による透明電極の好ましい堆積速度の
範囲としては、0.01〜10nm/secである。堆
積速度が0.01nm/sec未満であると生産性が低
下し、10nm/secより大きくなると粗い膜となり
透過率、導電率や密着性が低下する。
【0140】次に、本発明に係る製造方法を用いて作製
された光起電力素子が利用される発電システムについて
説明する。
【0141】電システムは、前述した本発明に係る製
造方法で作製された光起電力素子と、該光起電力素子の
電圧及び/または電流をモニターしながら、光起電力素
子から蓄電池及び/または外部負荷へ供給する電力を制
御する制御システム、及び前記光起電力素子から供給さ
れる電力を蓄積及び/または外部負荷へ供給するための
蓄電池から構成されていることを特徴としている。
【0142】図9−1は電力供給システムの一例であっ
て、光起電力素子のみを電源とする場合の基本回路であ
るが、該電力供給システムは、太陽電池として本発明の
光起電力素子9001、該光起電力素子の電圧制御用の
ダイオード9002、蓄電池としての働き及び電圧安定
化用のコンデンサー9003、及び負荷9004から構
成されている。
【0143】図9−2は電力供給システムの他の一例で
あって光起電力素子を利用した充電用基本回路である。
該回路は本発明の光起電力素子を太陽電池9101と
し、逆流防止用ダイオード9102、電圧をモニターし
電圧を制御する電圧制御回路9103、二次電池910
4、負荷9105等から構成されている。逆流防止用ダ
イオードとしてはシリコンダイオードやショットキダイ
オード等が適している。二次電池としては、ニッケルカ
ドミニウム電池、充電式酸化銀電池、鉛蓄電池、フライ
ホイールエネルギー貯蔵ユニット等が挙げられる。図9
−3は電圧制御回路9103の一例を示す。電圧制御回
路は、電池が満充電になるまでは太陽電池の出力とほぼ
等しいが、満充電になると、充電制御ICにより充電電
流はストップされる。
【0144】このような光起電力を利用した太陽電池シ
ステムは、自動車用のバッテリー充電システム、船用バ
ッテリー充電システム、街灯点灯システム、排気システ
ム等の電源として使用可能である。
【0145】また、図9−4は、太陽電池とディーゼル
発電とのハイブリット式の電源システムのブロック図で
ある。該発電システムはディーゼル発電機9401、太
陽電池9402、整流器9403、充放電制御装置94
04、蓄電池9405、直流交流変換装置9406、切
り替え器9407、交流負荷9408等から構成されて
いる。
【0146】更に、図9−5は商用電源バックアップ式
太陽電池電源システムのブロック図である。該電源シス
テムは太陽電池9501、充放電制御装置9502、蓄
電池9503、直流交流変換装置9504、商用電源9
505、無瞬断切り替え器9506、負荷9507等か
ら構成されている。
【0147】また更に加えて、図9−6商用電源完全連
系式太陽電池電源システムのブロック図である。該電源
システムは太陽電池9601、直流交流変換装置960
2、商用電源9603、負荷9604、逆潮流9605
等から構成されている。
【0148】以上のように本発明に係る製造方法を用い
て作製された光起電力素子を太陽電池として使用した電
源システムは、長期間安定して使用でき、且つ太陽電池
に照射される照射光が変動する場合に於いても光起電力
素子として充分に機能することから、優れた安定性を示
すものである。
【0149】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0150】(実施例1) 図4−1に示す原料ガス供給装置1020と堆積装置1
000からなるマイクロ波プラズマCVD法による製造
装置及び図4−2に示す原料ガス供給装置1020と堆
積装置1100からなるRFプラズマCVD法による製
造装置により、本発明に係る製造方法を用いて光起電力
素子を作製した。
【0151】図中の1071〜1079のガスボンベに
は、本発明のシリコン系非単結晶半導体材料からなるp
型層、i型層及びn型層を作製するための原料ガスが密
封されており、1071はSiH4ガスボンベ、107
2はH2ガスボンベ、1073はH2ガスで10%に希釈
されたB26ガス(以下「B26(10%)/H2」と
略記する)ボンベ、1074はH2ガスで1%に希釈さ
れたPH3ガス(以下「PH3(1%)/H2」と略記す
る)ボンベ、1075はSi26ガスボンベ、1076
はGeH4ガスボンベ、1077はH2ガスで2000p
pmに希釈されたBF3ガス(以下「BF3/H2」と略
記する)ボンベ、1078はH2ガスで2000ppm
に希釈されたPH3ガス(以下「PH3(2000pp
m)/H2」と略記する)ボンベ、1079はHeガス
で1%に希釈されたNOガス(以下「NO/He」と略
記する)ボンベである。また、あらかじめ、ガスボンベ
1071〜1079を取り付ける際に、各々のガスを、
バルブ1051〜1059から流入バルブ1031〜1
039のガス配管内に導入してある。
【0152】図中1004及び1104は基板であり、
50mm角、厚さ1mmのステンレス(SUS430B
A)製で、表面に鏡面加工を施して、スパッタリング法
により、反射層としてテクスチャー化した銀(Ag)薄
膜を100nm、更に、反射増加層として酸化亜鉛(Z
nO)薄膜を1μm蒸着してある。
【0153】まず、ガスボンベ1071よりSiH4
ス、ガスボンベ1072よりH2ガス、ガスボンベ10
73よりB26/H2ガス、ガスボンベ1074よりP
3(1%)/H2ガス、ガスボンベ1075よりSi2
6ガス、ガスボンベ1076よりGeH4ガス、ガスボ
ンベ1077よりBF3/H2、ガスボンベ1078より
PH3(2000ppm)/H2、ガスボンベ1079よ
りNO/Heを、バルブ1051〜1059を開けて導
入し、圧力調整器1061〜1069により各ガス圧力
を約2kg/cm2に調整した。
【0154】次に、流入バルブ1031〜1039、堆
積室1001及び1101のリークバルブ1009及び
1109が閉じられていることを確認し、また、流出バ
ルブ1041〜1049、補助バルブ1008及び11
08が開かれていることを確認して、コンダクタンス
(バタフライ型)バルブ1007及び1107を全開に
して、不図示の真空ポンプにより堆積室1001、11
01及びガス配管内を排気し、真空計1006及び11
06の読みが約1×10-4Torrになった時点で補助
バルブ1008及び1108、流出バルブ1041〜1
049を閉じた。次に、流入バルブ1031〜1039
を徐々に開けて、各々のガスをマスフローコントローラ
ー1021〜1029内に導入した。
【0155】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、基板上に、n型層、RFプラズマCVD法及びマイ
クロ波プラズマCVD法によるi型層およびp型層の成
膜を行なった。
【0156】n型層を作製するには、基板1004を加
熱ヒーター1005により350℃に加熱し、流出バル
ブ1041、1044及び補助バルブ1008を徐々に
開いて、SiH4ガス、PH3(1%)/H2ガスをガス
導入管1003を通じて堆積室1001内に流入させ
た。この時、SiH4ガス流量が50sccm、PH
3(1%)/H2ガス流量が200sccmとなるように
各々のマスフローコントローラー1021、1024で
調整した。堆積室1001内の圧力は、10mTorr
となるように真空計1006を見ながらコンダクタンス
バルブ1007の開口を調整した。
【0157】その後、シャッター1013を閉じて、バ
イアス電源1011の直流(以下「DC」と略記する)
バイアスを50Vに設定して、バイアス棒1012に印
加し、続けて、不図示のマイクロ波電源の電力を130
mW/cm3に設定し、不図示の導波管、導波部101
0及び誘電体窓1002を通じて堆積室1001内にマ
イクロ波電力を導入し、マイクロ波グロー放電を生起さ
せ、シャッター1013を開けて、基板1004上にn
型層の作製を開始し、層厚10nmのn型層を作製し
た。その後シャッター1013を閉じて、マイクロ波グ
ロー放電を止め、流出バルブ1041、1044及び補
助バルブ1008を閉じて、堆積室1001内ヘのガス
流入を止め、n型層の作製を終えた。
【0158】次に、基板1004を堆積室1001より
取りだし、図4−2に示すRFプラズマCVD法による
堆積装置1100の堆積室1101に設置し、RFプラ
ズマCVD法によるi型層を作製した。
【0159】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
するには、基板1104を加熱ヒーター1105により
350℃に加熱し、流出バルブ1041、1042及び
補助バルブ1108を徐々に開いて、SiH4ガス、H2
ガスをガス導入管1103を通じて堆積室1101内に
流入させた。この時、SiH4ガス流量が8sccm、
2ガス流量が100sccmとなるように各々のマス
フローコントローラー1021、1022で調整した。
堆積室1101内の圧力は、0.5Torrとなるよう
に真空計1106を見ながらコンダクタンスバルブ11
07の開口を調整した。
【0160】その後、RF電源1111の電力を120
mW/cm2に設定し、RFマッチングボックス111
2を通じてカソード1102にRF電力を導入し、RF
グロー放電を生起させ、n型層上にRFプラズマCVD
法によるi型層の形成を開始し、層厚10nmのi型層
を形成したところでRFグロー放電を止め、流出バルブ
1041、1042及び補助バルブ1108を閉じて、
堆積室1101内へのガス流入を止め、RFプラズマC
VD法によるi型層の形成を終えた。
【0161】次に、基板1104を堆積室1101より
取りだし、図4−1に示すマイクロ波プラズマCVD法
による堆積装置1000の堆積室1001に設置し、マ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層作製した。マイ
クロ波プラズマCVD法によるi型層を作製するには、
基板1004を加熱ヒーター1005により350℃に
加熱し、流出バルブ1041、1042、1046及び
補助バルブ1008を徐々に開いて、SiH4ガス、H2
ガス、GeH4ガスをガス導入管1003を通じて堆積
室1001内に流入させた。この時、SiH4ガス流量
が200sccm、H2ガス流量が500sccm、G
eH4ガス流量が1sccmとなるように各々のマスフ
ローコントローラー1021、1022、1046で調
整した。堆積室1001内の圧力は、表2に示す値とな
るように真空計1006を見ながらコンダクタンスバル
ブ1007の開口を調整した。
【0162】次に、シャッター1013を閉じ、不図示
のマイクロ波電源の電力を170mW/cm3に設定
し、不図示の導波管、導波部1010及び誘電体窓10
02を通じて堆積室1001内にマイクロ波電力を導入
し、マイクロ波グロー放電を生起させ、バイアス電源1
011の高周波(以下「RF」と略記する)バイアスを
350mW/cm3に、DCバイアスをRFカット用の
コイルを介して0Vにそれぞれ設定して、バイアス棒1
012に印加した。その後、シャッター1013を開け
て、RFプラズマCVD法によるi型層上にマイクロ波
プラズマCVD法によるi型層の作製を開始し、同時
に、SiH4ガス流量及びGeH4ガス流量を、図5
(1)に示す流量パターンに従ってマスフローコントロ
ーラー1021、1026で調整し、層厚300nmの
i型層を作製したところで、シャッター1013を閉
じ、バイアス電源1011の出力を切り、マイクロ波グ
ロー放電を止め、流出バルブ1041、1042、10
46及び補助バルブ1008を閉じて、堆積室1001
内ヘのガス流入を止めた。
【0163】次に、ド−ピング層Aとドーピング層Bを
積層したp型層を作製した。
【0164】ドーピング層B1を作製するには、基板1
004を加熱ヒーター1005により300℃に加熱
し、流出バルブ1041、1042、1047及び補助
バルブ1008を徐々に開いて、SiH4ガス、H2
ス、BF3/H2ガスをガス導入管1003を通じて堆積
室1001内に流入させた。この時、SiH4ガス流量
が1sccm、H2ガス流量が300sccm、BF3
2ガス流量が2sccmとなるように各々のマスフロ
ーコントローラー1021、1022、1027で調整
した。堆積室1001内の圧力は、25mTorrとな
るように真空計1006を見ながらコンダクタンスバル
ブ1007の開口を調整した。
【0165】その後、不図示のマイクロ波電源の電力を
50mW/cm3に設定し、不図示の導波管、導波部1
010及び誘電体窓1002を通じて堆積室1001内
にマイクロ波電力を導入し、マイクロ波グロー放電を生
起させ、シャッター1013を開け、マイクロ波ブラズ
マCVD法によるi型層上にドーピング層B1の作製を
開始し、層厚0.5nmのドーピング層B1を作製した
ところでシャッター1013を閉じ、マイクロ波グロー
放電を止め、流出バルブ1041、1042、1047
及び補助バルブ1008を閉じて、堆積室1001内へ
のガス流入を止めた。
【0166】次に、ドーピング層Aを作製するには、基
板1004を加熱ヒーター1005により300℃に加
熱し、流出バルブ1043及び補助バルブ1008を徐
々に開いて、B26(10%)/H2ガスをガス導入管
1003を通じて堆積室1001内に流入させた。この
時、B26/H2ガス流量が100sccmとなるよう
にマスフローコントローラー1023で調整した。堆積
室1001内の圧力は、30mTorrとなるように真
空計1006を見ながらコンダクタンスバルブ1007
の開口を調整した。
【0167】その後、不図示のマイクロ波電源の電力を
50mW/cm3に設定し、不図示の導波管、導波部1
010及び誘電体窓1002を通じて堆積室1001内
にマイクロ波電力を導入し、マイクロ波グロー放電を生
起させ、シャッター1013を開け、ドーピング層B1
上にドーピング層Aの作製を開始し、層厚0.3nmの
ドーピング層Aを作製したところでシャッター1013
を閉じ、マイクロ波グロー放電を止め、流出バルブ10
43及び補助バルブ1008を閉じて、堆積室1001
内へのガス流入を止めた。
【0168】次に、層厚を10nmとした以外は、前述
のドーピング層B1と同じ作製条件で、ドーピング層A
上にドーピング層B2を作製した。それぞれの層を作製
する際に、必要なガス以外の流出バルブ1041〜10
49は完全に閉じられていることは云うまでもなく、ま
た、それぞれのガスが堆積室1001及び1101内、
流出バルブ1041〜1049から堆積室1001及び
1101に至る配管内に残留することを避けるために、
流出バルブ1041〜1049を閉じ、補助バルブ10
08及び1108を開き、さらにコンダクタンスバルブ
1007及び1107を全開にして、系内を一旦高真空
に排気する操作を必要に応じて行う。
【0169】次に、p型層上に、透明電極として、IT
0(In23+Sn02)薄膜を70nm、更に集電電
極として、アルミニウム(Al)薄膜を2μm真空蒸着
し、光起電力素子を作製した(素子No実1−1〜7、
比1−1)。
【0170】以上の、光起電力素子の作製条件を表1に
示す。実施例1(素子No.実1−1〜7)及び比較例
1(素子No.比1−1)で作製した光起電力素子の初
期特性、低照度特性及び耐久特性の測定を行なった。
【0171】初期特性の測定は、実施例1−1〜7(素
子No実1−1〜7)及び比較例1(素子No比1−
1)で作製した光起電力素子を、AM−1.5(100
mW/cm2)光照射下に設置して、V−I特性を測定
することにより得られる、開放電圧及び曲線因子により
行った。測定の結果を表2に示す。
【0172】低照度特性の測定は、実施例1(素子No
実1−1〜7)及び比較例1(素子No比1−1)で作
製した光起電力素子を、AM−1.5(10mW/cm
2)光照射下に設置して、V−I特性を測定することに
より得られる、光電変換効率により行った。測定の結果
を表2に示す。
【0173】耐久特性の測定は、実施例1(素子No実
1−1〜7)及び比較例1(素子No比1−1)で作製
した光起電力素子を、湿度70%、温度60℃の暗所に
設置し、3600rpmで1mmの振動を48時間加え
た後の、光電変換効率により行った。測定の結果を表2
に示す。
【0174】表2から分かる通り、マイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層を堆積室1001内の圧力が50
mTorr以下で作製することにより、優れた特性の光
起電力素子を得られることが判明した。
【0175】次に、バリウム硼珪酸ガラス(コーニング
(株)製7059)基板を用い、SiH4ガス流量、G
eH4ガス流量及びマイクロ波電源の電力を表3に示す
値とした以外は、上述の素子No実1−5のマイクロ波
プラズマCVD法によるi型層と同じ作製条件で、シャ
ッター1013を2分間開けて、基板上にマイクロ波プ
ラズマCVD法によるi型層を作製して原料ガス分解効
率測定用サンプルを作製した(サンプルNo1−1〜
5)。
【0176】作製した原料ガス分解効率測定用サンプル
の層厚を、層厚測定器(TENCOR INSTRUM
ENTS製alpha−step100)で測定し、層
厚により原料ガスの分解効率を求めた。その結果を表3
に示す。
【0177】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、マイクロ波電源の電力を表4に
示す値とした以外は、上述の素子No実1−5の光起電
力素子と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電
層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作
製して光起電力素子を作製した(素子No実1−8〜1
0及び比1−2〜3)。
【0178】作製した光起電力素子(素子No実1−8
〜10及び比1−2〜3)を上述の素子No1−5の光
起電力素子と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定した。測定の結果を、表4に示す。表4
から分かる通り、原料ガスを100%分解するのに必要
なマイクロ波エネルギーより低いマイクロ波エネルギー
で原料ガスを分解することにより、優れた特性の光起電
力素子が得られることが判明した。
【0179】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、RFバイアスを表5に示す値と
した以外は、上述の素子No実1−5の光起電力素子と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実1−11〜14及び
比1−4)。
【0180】作製した光起電力素子(素子No実1−1
1〜14及び比1−4)を上述の光起電力素子と同様な
方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を測定し
た。測定の結果、表5に示す。表5から分る通り、マイ
クロ波エネルギーより高いRFエネルギーを原料ガスに
作用させることにより、優れた特性の光起電力素子が得
られることが判明した。
【0181】次に、ステンレス基板と、バリウム硼珪酸
ガラス(コーニング(株)製7059)基板を用い、S
iH4ガス流量及びGeH4ガス流量を、表6に示す値と
した以外は、上述の素子No実1−5のマイクロ波プラ
ズマCVD法によるi型層と同じ作製条件で、基板上
に、i型層を1μm作製して物性測定用サンプルを作製
した(サンプルNo1−6〜10)。
【0182】更に、バリウム硼珪酸ガラス(コーニング
(株)製7059)基板を用い、上述の素子No1−5
のRFプラズマCVD法によるi型層と同じ作製条件
で、基板上に、i型層を1μm作製して物性測定用サン
プルを作製した(サンプルNo1−11)。
【0183】作製した物性測定用サンプルのバンドギャ
ップと組成の分析を行い、Si原子とGe原子の組成比
と、バンドギャップの関係を求めた。バンドギャップと
組成分析の結果を表6に示す。ここで、バンドギャップ
の測定は、i型層を作製したガラス基板を、分光光度計
(日立製作所製330型)に設置し、i型層の吸収係数
の波長依存性を測定し、アモルファス太陽電池(高橋
清、小長井誠共著(株)昭晃堂)のp109に記載の方
法により、i型層のバンドギャップを求めた。また、組
成分析は、i型層を作製したステンレス基板を、オージ
ェ電子分光分析装置(日本電子製JAMP−3)に設置
して、Si原子とGe原子の組成比を測定した。
【0184】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、SiH4ガス流量及びGeH4
ス流量を、図5(2)に示す流量パターンに従ってマス
フローコントロ一ラー1021、1026で調整した以
外は、上述の素子No実1−5と同じ作製条件で、基板
上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、
透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した
(素子No比1−5)。
【0185】作製した素子No比1−5の光起電力素子
を、素子No実1−5と同様な方法で初期特性、低照度
特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、素子No比
1−5の光起電力素子に対して、素子No実1−5の光
起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.02倍、曲線
因子が1.03倍、低照度特性の光電変換効率が1.0
7倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.08倍優れ
ていた。
【0186】次に、素子No実1−5及び素子No比1
−5の光起電力素子のマイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層におけるSi原子とGe原子の層厚方向の組成
分析を、前記組成分析と同様な方法でおこなった。そし
て、前述したサンプルNo1−6〜10により求めたS
i原子とGe原子の組成比とバンドギャップの関係よ
り、マイクロ波プラズマCVD法によるi型層の層厚方
向のバンドギャップの変化を求めた。その結果を図6に
示す。図6から分かるとおり、素子No実1−5の光起
電力素子では、バンドギャップの極小値の位置がi型層
の中央の位置よりp型層とi型層の界面方向に片寄って
おり、素子No比1−5の光起電力素子では、バンドギ
ャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よりn型層
とi型層の界面方向に片寄っていることが分った。
【0187】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
する際に、SiH4ガス流量及びRF放電電力を表7の
値とした以外は、素子No実1−5と同じ作製条件で、
基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型
層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製
した。(素子No実1−15〜19、素子No比1−
6)作製した光起電力素子(素子No実1−15〜1
9、素子No比1−6)を素子No実1−5と同様な方
法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を測定した。
その結果を表7に示す。
【0188】次に、バリウム硼珪酸ガラス(コーニング
(株)製7059)基板を用い、SiH4ガス流量及び
RF放電電力を表7に示す値とした以外は、素子No実
1−5のRFプラズマCVD法によるi型層と同じ作製
条件で、所望の堆積時間で、基板上にi型層を作製し
て、堆積速度測定用サンプルを作製した(サンプルNo
1−12〜17)。
【0189】作製した堆積速度測定用サンプルの堆積速
度を、サンプルNo1−1〜5と同様な方法により求め
た。その結果を表7に示す。
【0190】表7から分る通り、RFプラズマCVD法
によるi型層の堆積速度を2nm/sec以下で作製す
ることにより、優れた特性の光起電力素子が得られるこ
とが判明した。
【0191】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
する際に、該i型層の層厚を表8に示す値とした以外
は、素子No実1−5と同じ作製条件で、基板上に、反
射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電
極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子
No実1−20〜22、素子No比1−7〜8)。
【0192】作製した光起電力素子(素子No実1−2
0〜22、素子No比1−7〜8)を素子No実1−5
と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を
測定した。
【0193】その結果を表8に示す。表8から分かる通
り、本発明の層厚が30nm以下のRFプラズマCVD
法によるi型層を設けた光起電力素子(素子No実1−
20〜22)が優れた特性を有することが判明した。
【0194】次に、単結晶シリコン基板を用い、RF放
電電力を表9に示す値とした以外は、素子No実1−5
のRFプラズマCVD法によるi型層と同じ作製条件
で、基板上にRFプラズマCVD法によるi型層を1μ
m作製して、赤外分光測定用サンプルを作製した(サン
プルNo1−18〜22)。更に、単結晶シリコン基板
を用い、素子No実1−5のマイクロ波プラズマCVD
法によるi型層と同じ作製条件で、基板上にマイクロ波
プラズマCVD法によるi型層を1μm作製して、赤外
分光測定用サンプルを作製した(サンプルNo1−2
3)。
【0195】作製した赤外分光測定用サンプル(サンプ
ルNo1−18〜23)を、赤外分光光度計(PERK
IN ELMER製1720−X)に設置し、赤外吸収
スペクトルの2000cm-1のピークにおける、半値幅
を高さで割った値を求めた。その結果を表9に示す。
【0196】次に、RFプラズマCVD法によるi型層
を作製する際に、該RF放電電力をを表9に示す値とし
た以外は、素子No実1−5と同じ作製条件で、基板上
に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透
明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した
(素子No実1−23〜26)。
【0197】作製した光起電力素子(素子No実1−2
3〜26)を素子No実1−5と同様な方法で、初期特
性、低照度特性及び耐久特性を測定した。その結果を表
9に示す。
【0198】表9から分かる通り、赤外吸収スペクトル
の2000cm-1のピークにおける、半値幅を高さで割
った値が、マイクロ波プラズマCVD法によるi型層よ
り、RFプラズマCVD法によるi型層のほうが大きい
光起電力素子が優れた特性を有することが判明した。
【0199】次に、p型層を作製する際に、ドーピング
層Aを作製せず、ドーピング層Bのみとした以外は、上
述の素子No実1−5と同じ作製条件で、基板上に、反
射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電
極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子
No比1−9)。
【0200】作製した素子No比1−9の光起電力素子
を、素子No実1−5と同様な方法で、初期特性、低照
度特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、素子No
比1−9の光起電力素子に対して、素子No実1−5の
光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.03、曲線
因子が1.02倍、低照度特性の光電変換効率が1.0
9倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.07倍優れ
ていた。
【0201】以上の測定結果より、本発明の製造方法に
よって作製した光起電力素子、すなわち、本発明のマイ
クロ波プラズマCVD法によるi型層を、内圧50mT
orr以下で、原料ガスを100%分解するに必要なマ
イクロ波エネルギーより低いマイクロ波エネルギーで、
原料ガスに作用させるRFエネルギーをマイクロ波エネ
ルギーより高いエネルギーで、層厚方向にバンドギャッ
ブがなめらかに変化し、バンドギャップの極小値の位置
がi型層の中央の位置よりp型層とi型層の界面方向に
片寄り、RFプラズマCVD法によるi型層を2nm/
sec以下の堆積速度で30nm以下の層厚とし、p型
層とn型層の少なくとも一方が、周期率表第III族元素
または/及び第V族元素を主構成元素とする層 と価電
子制御剤を含みシリコン原子を主構成元素とする層の積
層構造で作製する光起電力素子(素子No実1−1〜2
6)が、従来の光起電力素子(素子No比1−1〜9)
に対して、優れた特性を有することが判明し、本発明の
効果が実証された。
【0202】(実施例2)マイクロ波プラズマCVD法
によるi型層を作製する際にSiH4ガス流量及びGe
4ガス流量を、実施例1と同様に図5(1)に示す流
量パターンに従ってマスフローコントローラー102
1、1026で調整した後に、SiH4ガス流量を20
0sccm、GeH4ガス流量を1sccmに維持し、
バンドギャップ最大値の領域を表10に示す層厚となる
ように作製した以外は、実施例1の素子No実1−5と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実2−1〜8)。
【0203】作製した光起電力素子(素子No実2−1
〜8)を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特
性及び耐久特性を測定した。その結果を表10に示す。
表10から分かる通り、本発明のバンドギャップ最大値
の領域の層厚が1〜30nmである光起電力素子(素子
No実2−1〜7)がより優れた特性を有することが判
明し、本発明の効果が実証された。
【0204】(実施例3)RFプラズマCVD法による
i型層を作製する際に、BF3/H2ガスボンベ1077
及びPH3(2000ppm)/H2ガスボンベ1078
を用い、BF3/H2ガス流量を0.01sccm、PH
3(2000ppm)/H2ガス流量を0.5sccm流
す以外は、実施例1の素子No実1−5と同じ作製条件
で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、
p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を
作製した(素子No実3)。
【0205】実施例3(素子No実3)で作製した光起
電力素子を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度
特性及び耐久特性を測定したところ、実施例1の素子N
o実1−5と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が
得られ、本発明の効果が実証された。
【0206】(実施例4)RFプラズマCVD法による
i型層を作製する際に、PH3(2000ppm)/H2
ガスボンベに代えてH2ガスで2000ppmに希釈さ
れたAsH3ガス(以下「AsH3/H2」と略記する)
ボンベを用い、AsH3/H2ガスを0.5sccm流す
以外は、実施例3と同じ作製条件で、基板上に、反射
層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、
集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子No
実4)。
【0207】実施例4(素子No実4)で作製した光起
電力素子を実施例3と同様な方法で、初期特性、低照度
特性及び耐久特性を測定したところ、実施例3の素子N
o実3と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が得ら
れ、本発明の効果が実証された。
【0208】(実施例5)マイクロ波プラズマCVD法
及びRFプラズマCVD法によるi型層を作製する際
に、NO/Heガスボンベ1079を用い、NO/He
ガス流量をマイクロ波プラズマCVD法によるi型層で
は0.5sccm、RFプラズマCVD法によるi型層
では0.05sccmとした以外は、実施例1の素子N
o実1−5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明
導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極
を作製して光起電力素子を作製した(素子No実5)。
【0209】作製した光起電力素子(素子No実5)を
実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐
久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−5
と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が得られた。
【0210】また、実施例5(素子No実5)の光起電
力素子を、二次イオン質量分析装置(CAMECA製I
MS−3F)により組成分析したところ、i型層中に酸
素原子及び窒素原子が含有されていることが確認され
た。以上の結果より、本発明の効果が実証された。
【0211】(実施例6)マイクロ波プラズマCVD法
によるi型層を作製する際に、不図示のSi26ガスボ
ンベを用い、Si26ガス流量を40sccmとし、S
iH4ガス流量を図7(1)に示す流量パターンに従っ
てマスフローコントローラー1021で調整した以外
は、実施例1の素子No実1−5と同じ作製条件で、基
板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型
層、透明電極、集電電極を形成して光起電力素子を作製
した(素子No実6)。
【0212】作製した光起電力素子(素子No実6)を
実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐
久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−5
と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が得られた。
【0213】また、実施例6(素子No実6)の光起電
力素子のSi原子と水素原子のi型層中における層厚方
向の分布を、二次イオン質量分析装置(CAMECA製
IMS−3F)により分析した。その結果を図7(2)
に示す。
【0214】以上の結果より、本発明の効果が実証され
た。
【0215】(実施例7)原料ガス供給装置1020に
おける、SiH4ガスとGeH4ガスの混合するポイント
1014と堆積室1001との間の距離を表11に示す
値とした以外は、実施例1の素子No実1−5と同じ作
製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i
型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力
素子を作製した(素子No実7−1〜5)。
【0216】作製した光起電力素子(素子No実7−1
〜5)を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特
性及び耐久特性孝測定した。測定の結果、表11に示
す。表11から分かる通り、SiH4ガスとGeH4ガス
の混合するポイント1014と堆積室1001との問の
距離を5m以下とすることにより、良好な特性の光起電
力素子が得られることが判明した。
【0217】(実施例8)実施例1の素子No実1−5
と同じ作製条件で、光起電力素子を作製し、これを用い
て、太陽電池モジュールを作製し、図9−2に示すよう
な回路構成のアナログ時計を作った。図9−2におい
て、太陽電池モジュール9101で発生した電力は、逆
流防止ダイオード9102を経て、2次電池9104に
充電される。9103は、過充電防止用ダイオードであ
る。
【0218】太陽電池モジュール9101及び2次電池
9104からの電力は、アナログ時計の駆動回路910
5に供給される。
【0219】(比較例2)比較例1の素子No1−7と
同じ作製条件で、光起電力素子を作製し、これを用い
て、実施例8と同様なアナログ時計を作った。
【0220】実施例8と比較例2で作製したアナログ時
計を室内の壁に設置し、毎日8.5時間室内灯を点灯し
たところ、実施例8のアナログ時計は一日中動いたもの
の、比較例2のアナログ時計は一日中は動かず、本発明
による発電システムの効果が実証された。
【0221】(実施例9)マイクロ波プラズマCVD法
によるi型層を作製する際に、SiH4ガス流量及びG
eH4ガス流量を図8に示す流量パターンに従ってマス
フローコントローラー1021、1026で調整した以
外は、実施例1の素子No実1−5と同じ作製条件で、
基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型
層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製
した(素子No実9)。
【0222】作製した光起電力素子(素子No実9)を
実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐
久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−5
と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得られ、
本発明の効果が実証された。
【0223】(実施例10)RFプラズマCVD法によ
るi型層を作製する際に、BF3/H2ガスボンベに代え
てH2ガスで2000ppmに希釈されたB26ガス
(以下「B26(2000ppm)/H2」と略記す
る)ボンベを用い、RFプラズマCVD法によるi型層
ではB26(2000ppm)/H2ガスを0.05s
ccm流す以外は、実施例1の素子No実1−5と同じ
作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、
i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電
力素子を作製した(素子No実10)。
【0224】作製した光起電力素子(素子No実10)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−
5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得ら
れ、本発明の効果が実証された。
【0225】(実施例11)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、NO/Heガスを図1
0(1)に示す流量パターンに従って、マスフローコン
トローラー1029で調整した以外は、実施例1の素子
No実1−5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透
明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電
極を作製して光起電力素子を作製した(素子No実1
1)。
【0226】作製した光起電力素子(素子No実11)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−
5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得られ
た。
【0227】また、実施例11(素子No実11)の光
起電力素子の窒素原子と酸素原子のi型層中における層
厚方向の分布を、二次イオン質量分析装置(CAMEC
A製IMS−3F)により分析した。その結果を図10
(2)に示す。
【0228】以上の結果より、本発明の効果が実証され
た。
【0229】(実施例12)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、SiH4ガス流量及び
GeH4ガス流量を図11に示す流量パターンに従って
マスフローコントローラー1021、1026で調整
し、且つ、マイクロ波プラズマCVD法によるi型層を
作製後、RFプラズマCVD法によるi型層2を、表1
2に示す作製条件で作製した以外は、実施例3と同じ作
製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i
型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力
素子を作製した(素子No実12)。
【0230】作製した光起電力素子(素子No実12)
を実施例3と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例3の素子No実3と
同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本
発明の効果が実証された。
【0231】(実施例13)p型層を作製する際に、ド
ーピング層Aの層厚を表13に示す値とした以外は、実
施例1の素子No実1−5と同じ作製条件で、基板上
に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透
明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した
(素子No実13−1〜5)。
【0232】作製した光起電力素子(素子No実13−
1〜5)を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度
特性及び耐久特性を測定した。その結果を表13に示
す。表13から分かる通り、本発明のドーピング層Aの
層厚が0.01〜1nmである光起電力素子(素子No
実13−1〜5)が優れた特性を有することが判明し、
本発明の効果が実証された。
【0233】(実施例14)n型層を作製する際に、表
14に示す作製条件で、ドーピング層A及びドーピング
層Bを作製した以外は、実施例1の素子No実1−5と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実14)。
【0234】作製した光起電力素子(素子No実14)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1と同様な初期特
性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果が
実証された。
【0235】(実施例15)p型層を作製する際に、表
15に示す作製条件で、ドーピング層A及びドーピング
層Bを作製した以外は、実施例1の素子No実1−5と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実15)。
【0236】作製した光起電力素子(素子No実15)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1と同様な初期特
性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果が
実証された。
【0237】(実施例16)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、バイアス電源1011
のRFバイアスを250mW/cm3に、DCバイアス
をRFカット用のコイルを介して50Vにそれぞれ設定
して、バイアス棒1012に印加した以外は、実施例9
と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n
型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して
光起電力素子を作製した(素子No実16)。
【0238】作製した光起電力素子(素子No実16)
を実施例9と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例9と同様な初期特
性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果が
実証された。
【0239】(実施例17)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、H2ガスボンベに代え
て不図示のD2ガスボンベを用い、D2ガスを300sc
cm流す以外は、実施例1の素子No実1−5と同じ作
製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i
型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力
素子を作製した(素子No実17)。
【0240】作製した光起電力素子(素子No実17)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−
5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得られ
た。
【0241】また、作製した実施例17(素子No実1
7)の光起電力素子を、二次イオン質量分析装置(CA
MECA製IMS−3F)により組成分析したところ、
マイクロ波プラズマCVD法によるi型層中にD原子が
含有されていることが確認された。以上の結果より、本
発明の効果が実証された。
【0242】(実施例18)n型層を作製する際に、バ
イアス電源1011のDCバイアスを、シャッター10
13を開けると同時に、50Vから80Vに一定の割合
で変化させる以外は、実施例1の素子No実1−5と同
じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実18)。
【0243】作製した光起電力素子(素子No実18)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定したところ、実施例1の素子No実1−
5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が得ら
れ、本発明の効果が実証された。
【0244】(実施例19)図4−2に示すRFプラズ
マCVD法による製造装置を用いて、実施例1のRFプ
ラズマCVD法によるi型層と同様な手順により、本発
明の光起電力素子のn型層とp型層を作製した。
【0245】n型層を作製するには、基板1104を加
熱ヒーター1105により350℃に加熱し、流出バル
ブ1042、1044、1045及び補助バルブ110
8を徐々に開いて、H2ガス、PH3(1%)/H2
ス、Si26ガスをガス導入管1103を通じて堆積室
1101内に流入させた。この時、H2ガス流量が50
sccm、PH3(1%)/H2ガス流量が5sccm、
Si26ガス流量が3sccmとなるように各々のマス
フローコントローラー1022、1024、1025で
調整した。堆積室1101内の圧力は、1Torrとな
るように真空計1106を見ながらコンダクタンスバル
ブ1107の開口を調整した。
【0246】その後、RF電源1111の電力を120
mW/cm2に設定しRFマッチングボックス1112
を通じてカソード1102にRF電力を導入し、RFグ
ロー放電を生起させ、基板1104上にn型層の形成を
開始し、層厚10nmのn型層を形成し走ところでRF
グロー放電を止め、流出バルブ1042、1044、1
045及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室110
1内へのガス流入を止め、n型層の形成を終えた。
【0247】次に、実施例1の素子No実1−5と同じ
作製条件でn型層上に、RFプラズマCVD法によるi
型層を作製した。続いて、堆積室1101よりRFプラ
ズマCVD法によるi型層を作製した基板1104を取
り出し、実施例1と同様なマイクロ波プラズマCVD法
による堆積装置1000に設置し、実施例1の素子No
実1−5と同じ作製条件でRFプラズマCVD法による
i型層上にマィクロ波プラズマCVD法によるi型層を
作製した。
【0248】次に、堆積室1000よりマイクロ波プラ
ズマCVD法によるi型層を作製した基板1004を取
り出し、前述のRFプラズマCVD法による堆積装置1
100に設置し、マイクロ波プラズマCVD法によるi
型層上に、ドーピング層Aとドーピング層Bを積層した
p型層を作製した。
【0249】ドーピング層Bを作製するには、基板11
04を加熱ヒーター1105により200℃に加熱し、
流出バルブ1041、1042、1047及び1108
を徐々に開いて、SiH4ガス、H2ガス,BF3/H2
スをガス導入菅1103を通じて堆積室1101内に流
入させた。この時、SiH4ガス流量が0.03scc
m、H2ガス流量が100sccm、BF3/H2ガス流
量が1sccmとなるように各々のマスフローコントロ
ーラー1021、1022、1027で調整した。堆積
室1101内の圧力は、1Torrとなるように真空計
1106を見ながらコンダクタンスバルブ1107の開
口を調整した。
【0250】その後、RF電源1111の電力を2W/
cm2に設定し、RFマッチングボックス1112を通
じてカソード1102にRF電力を導入し、RFグロー
放電を生起させ、マイクロ波プラズマCVD法によるi
型層上にドーピング層B1の作製を開始し、層厚0.3
nmのドーピング層B1を作製したところでRFグロー
放電を止め、流出バルブ1041、1042、1047
及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室1101内ヘ
のガス流入を止めた。
【0251】次に、ドーピング層Aを作製するには、基
板1104を加熱ヒーター1105により200℃に加
熱し、流出バルブ1043及び補助バルブ1108を徐
々に開いて、B26(10%)/H2ガスをガス導入管
1103を通じて堆積室1101内に流入させた。この
時、B26(10%)/H2ガス流量が50sccmと
なるようにマスフローコントローラー1023で調整し
た。また、堆積室1101内の圧力は、1Torrとな
るように真空計1106を見ながらコンダクタンスバル
ブ1107の開口を調整した。
【0252】その後、RF電源1111の電力を3W/
cm2に設定し、RFマッチングボックス1112を通
じてカソ一ド1102にRF電力を導入し、RFグロー
放電を生起させ、ドーピング層B1上にドーピング層A
の作製を開始し、層厚0.1nmのドーピング層Aを作
製したところでRFグロー放電を止め、流出バルブ10
48及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室1101
内ヘのガス流入を止めた。
【0253】次に、SiH4ガス流量を0.5scc
m、BF3/H2ガス流量を10sccm、層厚を5nm
とした以外は、前述のドーピング層B1と同じ作製条件
で、ドーピング層A上にドーピング層B2を作製した。
【0254】最後に、p型層上に、実施例1の素子No
実1−5と同様に透明電極と集電電極を蒸着し、光起電
力素子を作製した(素子No実19)。
【0255】以上の、光起電力素子の作製条件を表16
に示す。
【0256】(比較例3)RFプラズマCVD法による
i型層を設けない以外は、実施例19と同じ作製条件
で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、
p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を
作製した(素子No比3)。
【0257】実施例19(素子No実19)及び比較例
3(素子No比3)で作製した光起電力素子を実施例1
と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を
測定した。測定の結果、比較例3(素子No比3)の光
起電力素子に対して、実施例19(素子No実19)の
光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.02倍、曲
線因子が1.03倍、低照度特性の光電変換効率が1.
09倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.07倍優
れており、本発明の効果が実証された。
【0258】(実施例20)表17に示す作製条件で、
実施例1と同様な方法により、基板上に、反射層、透明
導電層、第1のn型層、第1のi型層、第1のp型層、
第2のn型層、第2のi型層、第2のp型層、透明電
極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子
No実20)。
【0259】(比較例4)第1のRFプラズマCVD法
によるi型層を作製しない以外は、実施例20と同じ作
製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、第1のn型
層、第1のi型層、第1のp型層、第2のn型層、第2
のi型層、第2のp型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No比4)。
【0260】実施例20(素子No実20)及び比較例
4(素子No比4)で作製した光起電力素子を実施例1
と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を
測定した。測定の結果、比較例4(素子No比4)の光
起電力素子に対して、実施例20(素子No実20)の
光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.03倍、曲
線因子が1.02倍、低照度特性の光電変換効率が1.
09倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.06倍優
れており、本発明の効果が実証された。
【0261】(実施例21)表18に示す作製条件で、
実施例1と同様な方法により、基板上に、反射層、透明
導電層、第1のn型層、第1のi型層、第1のp型層、
第2のn型層、第2のi型層、第2のp型層、第3のn
型層、第3のi型層、第3のp型層、透明電極、集電電
極を作製して光起電力素子を作製した(素子No実2
1)。
【0262】(比較例5)第1及び第2のRFプラズマ
CVD法によるi型層を作製しない以外は、実施例21
と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、第
1のn型層、第1のi型層、第1のp型層、第2のn型
層、第2のi型層、第2のp型層、第3のn型層、第3
のi型層、第3のp型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No比5)。
【0263】実施例21(素子No実21)及び比較例
5(素子No比5)で作製した光起電力素子を実施例1
と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を
測定した。測定の結果、比較例5(素子No比5)の光
起電力素子に対して、実施例21(素子No実21)の
光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.03倍、曲
線因子が1.03倍、低照度特性の光電変換効率が1.
07倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.09倍優
れており、本発明の効果が実証された。
【0264】(実施例22)図4−3に示す多室分離型
堆積装置により、本発明の光起電力素子を作製した。図
中1201及び1212はロード、アンロード室、12
02、1203、1205〜1209及び1211は実
施例19と同様なRFプラズマCVD法による各層の堆
積室、1204及び1210は実施例1と同様なマイク
ロ波プラズマCVD法による各層の堆積室、1221〜
1231は各室を隔てるゲートバルブ、1241、12
42、1244〜1248及び1250はカソード電
極、1243及び1249はマイクロ波の導波部及び誘
電体窓である。
【0265】まず、基板をロード室1201に設置し、
ロード室1201内を真空排気した後に、ゲートバルブ
1221を開けて、基板を第1のn型層堆積室1202
に移動し、ゲートバルブ1221を閉じた。続いて実施
例20の第1のn型層と同じ条件で、基板上に第1のn
型層を作製した。ゲートバルブ1222を開けて、基板
を第1のRFブラズマCVD法によるi型層堆積室12
03に移動し、ゲートバルブ1222を閉じた。続い
て、実施例20の第1のRFプラズマCVD法によるi
型層1と同じ条件で、第1のn型層上に第1のRFプラ
ズマCVD法によるi型層1を作製した。ゲートバルブ
1223を開けて、基板を第1のマイクロ波プラズマC
VD法によるi型層堆積室1204に移動し、ゲートバ
ルブ1223を閉じた。続いて、実施例20の第1のマ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層と同じ条件で、
第1のRFプラズマCVD法によるi型層1上に第1の
マイクロ波プラズマCVD法によるi型層を作製した。
更に、ゲートバルブ1224を開けて、基板を第1のR
FプラズマCVD法によるi型層堆積室1205に移動
し、ゲートバルブ1224を閉じ、実施例20の第1の
RFプラズマCVD法によるi型層2と同じ条件で、第
1のマイクロ波プラズマCVD法によるi型層上に第1
のRFプラズマCVD法によるi型層2を作製した。
【0266】ゲートバルブ1225を開けて、基板を第
1のp型層のドーピング層B1の堆積室1206に移動
し、ゲートバルブ1225を閉じた。実施例20の第1
のp型層ドーピング層B1と同じ条件で、第1のRFプ
ラズマCVD法によるi型層2上に第1のp型層ドーピ
ング層B1を作製した。次に、ゲートバルブ1226を
開けて、基板を第1のp型層のドーピング層Aの堆積室
1207に移動し、ゲートバルブ1226を閉じ、続い
て実施例20の第1のp型層ドーピング層Aと同じ条件
で、第1のp型層ドーピング層B1上に第1のp型層ド
ーピング層Aを作製した。更に、ゲートバルブ1227
を開けて、基板を第1のp型層ドーピング層B2堆積室
1208に移動し、ゲートバルブ1227を閉じた。実
施例20の第1のp型層ドーピング層B2と同じ条件
で、第1のp型層ドーピング層A上に第1のp型層ドー
ピング層B2を作製した。
【0267】ゲートバルブ1228を開けて、基板を第
2のn型層堆積室1209に移動し、ゲートバルブ12
28を閉じた。続いて、実施例20の第2のn型層と同
じ条件で、第1のp型層ドーピング層B2上に第2のn
型層を作製した。ゲートバルブ1229を開けて、基板
を第2のi型層堆積室1210に移動し、ゲートバルブ
1229を閉じた。実施例20の第2のi型層と同じ条
件で、第2のn型層上に第2のi型層を作製した。次
に、ゲートバルブ1230を開けて、基板を第2のp型
層堆積室1211に移動し、ゲートバルブ1230を閉
じ、実施例20の第2のp型層と同じ条件で、第2のi
型層上に第2のp型層を作製した。
【0268】ゲートバルブ1231を開けて、基板をア
ンロード室1212に移動し、ゲートバルブ1231を
閉じ、アンロード室1212より基板を取りだし、光起
電力素子の作製した(素子No実22)。
【0269】作製した光起電力素子(素子No実22)
を実施例1と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び
耐久特性を測定した。測定の結果、実施例20(素子N
o実20)の光起電力素子に対して、実施例22(素子
No実22)の光起電力素子は、初期特性の開放電圧が
1.01倍、曲線因子が1.02倍、低照度特性の光電
変換効率が1.03倍、耐久特性の光電変換効率の低下
が1.02倍優れており、本発明の光起電力素子を多室
分離型堆積装置で作製することにより、優れた特性を有
する光起電力素子が得られることが判明し、本発明の効
果が実証された。
【0270】(実施例23)実施例20と同じ作製条件
で、光起電力素子を作製し、これを用いて、太陽電池モ
ジュールを作製し、図9−2に示すような回路構成の車
載換気ファンを作った。図9−2において、自動車のボ
ンネットに張り付けた太陽電池モジュール9101で発
生した電力は、逆流防止ダイオード9102を経て、2
次電池9104に充電される。9103は、過充電防止
用ダイオードである。太陽電池モジュール9101及び
2次電池9104からの電力は、換気ファンのモーター
9105に供給される。
【0271】(比較例6)比較例4と同じ作製条件で、
光起電力素子を作製し、これを用いて、実施例20と同
様な車載換気ファンを作った。
【0272】実施例23と比較例6で作製した車載換気
ファンを取り付けた自動車を、エンジンを回転させたア
イドリング状態で168時間放置し、その後晴天下でエ
ンジンを止めて換気ファン稼働させた状態で放置し、自
動車室内の温度を測定した。その結果、比較例6の車載
冷却ファンに対して、実施例23の車載冷却ファンは、
室内の温度が3度低く、本発明による発電システムの効
果が実証された。
【0273】(実施例24)図4−1に示す原料ガス供
給装置1020と堆積装置1000からなるマイクロ波
プラズマCVD法による製造装置及び図4−2に示す原
料ガス供給装置1020と堆積装置1100からなるR
FプラズマCVD法による製造装置により、マイクロ波
プラズマCVD法によるi型層にP原子及びB原子を含
有した光起電力素子を作製した。
【0274】実施例1と同様にして成膜の準備が完了し
た後、基板上に、n型層、RFプラズマCVD法及びマ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層およびp型層の
成膜を行なった。
【0275】n型層を作製するには、基板1004を加
熱ヒーター1005により350℃に加熱し、流出バル
ブ1041、1044及び補助バルブ1008を徐々に
開いて、SiH4ガス、PH3(1%)/H2ガスをガス
導入管1003を通じて堆積室1001内に流入させ
た。この時、SiH4ガス流量が50sccm、PH
3(1%)/H2ガス流量が200sccmとなるように
各々のマスフローコントローラー1021、1024で
調整した。堆積室1001内の圧力は、10mTorr
となるように真空計1006を見ながらコンダクタンス
バルブ1007の開口を調整した。
【0276】その後、シャッター1013を閉じて、バ
イアス電源1011の直流(DC)バイアスを50Vに
設定して、バイアス棒1012に印加し、続けて、不図
示のマイクロ波電源の電力を130mW/cm3に設定
し、不図示の導波管、導波部1010及び誘電体窓10
02を通じて堆積室1001内にマイクロ波電力を導入
し、マイクロ波グロー放電を生起させ、シャッター10
13を開けて、基板1004上にn型層の作製を開始
し、層厚10nmのn型層を作製した。その後シャッタ
ー1013を閉じて、マイクロ波グロー放電を止め、流
出バルブ1041、1044及び補助バルブ1008を
閉じて、堆積室1001内ヘのガス流入を止め、n型層
の作製を終えた。
【0277】次に、基板1004を堆積室1001より
取りだし、図4−2に示すRFプラズマCVD法による
堆積装置1100の堆積室1101に設置し、RFプラ
ズマCVD法によるi型層を作製した。
【0278】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
するには、基板1104を加熱ヒーター1105により
350℃に加熱し、流出バルブ1041、1042、1
047、1048及び補助バルブ1108を徐々に開い
て、SiH4ガス、H2ガス、BF3/H2ガス、PH
3(2000ppm)/H2ガスをガス導入管1103を
通じて堆積室1101内に流入させた。この時、SiH
4ガス流量が8sccm、H2ガス流量が100scc
m、BF3/H2ガス流量が0.04sccm、PH
3(2000ppm)/H2ガス流量が1sccmとなる
ように各々のマスフローコントローラー1021、10
22、1027、1028で調整した。堆積室1101
内の圧力は、0.5Torrとなるように真空計110
6を見ながらコンダクタンスバルブ1107の開口を調
整した。
【0279】その後、RF電源1111の電力を120
mW/cm2に設定し、RFマッチングボックス111
2を通じてカソード1102にRF電力を導入し、RF
グロー放電を生起させ、n型層上にRFプラズマCVD
法によるi型層の形成を開始し、層厚10nmのi型層
を形成したところでRFグロー放電を止め、流出バルブ
1041、1042、1047、1048及び補助バル
ブ1108を閉じて、堆積室1101内へのガス流入を
止め、RFプラズマCVD法によるi型層の形成を終え
た。
【0280】次に、基板1104を堆積室1101より
取りだし、図4−1に示すマイクロ波プラズマCVD法
による堆積装置1000の堆積室1001に設置し、マ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層作製した。マイ
クロ波プラズマCVD法によるi型層を作製するには、
基板1004を加熱ヒーター1005により350℃に
加熱し、流出バルブ1041、1042、1046〜1
048及び補助バルブ1008を徐々に開いて、SiH
4ガス、H2ガス、GeH4ガス、BF3/H2ガス、PH3
(2000ppm)/H2ガスをガス導入管1003を
通じて堆積室1001内に流入させた。この時、SiH
4ガス流量が200sccm、H2ガス流量が500sc
cm、GeH4ガス流量が1sccm、BF3/H2ガス
流量が0.2sccm、PH3(2000ppm)/H2
ガス流量が0.1sccmとなるように各々のマスフロ
ーコントローラー1021、1022、1026〜10
28で調整した。堆積室1001内の圧力は、表20に
示す値となるように真空計1006を見ながらコンダク
タンスバルブ1007の開口を調整した。
【0281】次に、シャッター1013を閉じ、不図示
のマイクロ波電源の電力を170mW/cm3に設定
し、不図示の導波管、導波部1010及び誘電体窓10
02を通じて堆積室1001内にマイクロ波電力を導入
し、マイクロ波グロー放電を生起させ、バイアス電源1
011の高周波(RF)バイアスを350mW/cm3
に、DCバイアスをRFカット用のコイルを介して0V
にそれぞれ設定して、バイアス棒1012に印加した。
その後、シャッター1013を開けて、RFプラズマC
VD法によるi型層上にマイクロ波プラズマCVD法に
よるi型層の作製を開始し、同時に、SiH4ガス流量
及びGeH4ガス流量を、図5(1)に示す流量パター
ンに従ってマスフローコントローラー1021、102
6で調整し、層厚300nmのi型層を作製したところ
で、シャッター1013を閉じ、バイアス電源1011
の出力を切り、マイクロ波グロー放電を止め、流出バル
ブ1041、1042、1046〜1048及び補助バ
ルブ1008を閉じて、堆積室1001内ヘのガス流入
を止めた。
【0282】次に、ド−ピング層Aとドーピング層Bを
積層したp型層を作製した。
【0283】ドーピング層B1を作製するには、基板1
004を加熱ヒーター1005により300℃に加熱
し、流出バルブ1041、1042、1047及び補助
バルブ1008を徐々に開いて、SiH4ガス、H2
ス、BF3/H2ガスをガス導入管1003を通じて堆積
室1001内に流入させた。この時、SiH4ガス流量
が1sccm、H2ガス流量が300sccm、BF3
2ガス流量が2sccmとなるように各々のマスフロ
ーコントローラー1021、1022、1027で調整
した。堆積室1001内の圧力は、25mTorrとな
るように真空計1006を見ながらコンダクタンスバル
ブ1007の開口を調整した。
【0284】その後、不図示のマイクロ波電源の電力を
50mW/cm3に設定し、不図示の導波管、導波部1
010及び誘電体窓1002を通じて堆積室1001内
にマイクロ波電力を導入し、マイクロ波グロー放電を生
起させ、シャッター1013を開け、マイクロ波ブラズ
マCVD法によるi型層上にドーピング層B1の作製を
開始し、層厚0.5nmのドーピング層B1を作製した
ところでシャッター1013を閉じ、マイクロ波グロー
放電を止め、流出バルブ1041、1042、1047
及び補助バルブ1008を閉じて、堆積室1001内へ
のガス流入を止めた。
【0285】次に、ドーピング層Aを作製するには、基
板1004を加熱ヒーター1005により300℃に加
熱し、流出バルブ1043及び補助バルブ1008を徐
々に開いて、B26/H2ガスをガス導入管1003を
通じて堆積室1001内に流入させた。この時、B26
/H2ガス流量が100sccmとなるようにマスフロ
ーコントローラー1023で調整した。堆積室1001
内の圧力は、30mTorrとなるように真空計100
6を見ながらコンダクタンスバルブ1007の開口を調
整した。
【0286】その後、不図示のマイクロ波電源の電力を
50mW/cm3に設定し、不図示の導波管、導波部1
010及び誘電体窓1002を通じて堆積室1001内
にマイクロ波電力を導入し、マイクロ波グロー放電を生
起させ、シャッター1013を開け、ドーピング層B1
上にドーピング層Aの作製を開始し、層厚0.3nmの
ドーピング層Aを作製したところでシャッター1013
を閉じ、マイクロ波グロー放電を止め、流出バルブ10
43及び補助バルブ1008を閉じて、堆積室1001
内へのガス流入を止めた。
【0287】次に、層厚を10nmとした以外は、前述
のドーピング層B1と同じ作製条件で、ドーピング層A
上にドーピング層B2を作製した。それぞれの層を作製
する際に、必要なガス以外の流出バルブ1041〜10
49は完全に閉じられていることは云うまでもなく、ま
た、それぞれのガスが堆積室1001及び1101内、
流出バルブ1041〜1049から堆積室1001及び
1101に至る配管内に残留することを避けるために、
流出バルブ1041〜1049を閉じ、補助バルブ10
08及び1108を開き、さらにコンダクタンスバルブ
1007及び1107を全開にして、系内を一旦高真空
に排気する操作を必要に応じて行う。
【0288】次に、p型層上に、透明電極として、IT
0(In23+Sn02)薄膜を70nm、更に集電電
極として、アルミニウム(Al)薄膜を2μm真空蒸着
し、光起電力素子を作製した(素子No実24−1〜
7、比7−1)。
【0289】以上の、光起電力素子の作製条件を表19
に示す。実施例24(素子No.実24−1〜7)及び
比較例7(素子No.比7−1)で作製した光起電力素
子の初期特性、低照度特性及び耐久特性の測定を行なっ
た。測定の結果を表20に示す。
【0290】表20から分かる通り、マイクロ波プラズ
マCVD法によるi型層を堆積室1001内の圧力が5
0mTorr以下で作製することにより、優れた特性の
光起電力素子を得られることが判明した。
【0291】次に、バリウム硼珪酸ガラス(コーニング
(株)製7059)基板を用い、SiH4ガス流量、G
eH4ガス流量及びマイクロ波電源の電力を表3に示す
値とした以外は、上述の素子No実24−5のマイクロ
波プラズマCVD法によるi型層と同じ作製条件で、シ
ャッター1013を2分間開けて、基板上にマイクロ波
プラズマCVD法によるi型層を作製して原料ガス分解
効率測定用サンプルを作製し、その層厚から原料ガスの
分解効率を求めところ表3と同じ結果となった。
【0292】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、マイクロ波電源の電力を表21
に示す値とした以外は、上述の素子No実24−5の光
起電力素子と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明
導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極
を作製して光起電力素子を作製した(素子No実24−
8〜10及び比7−2〜3)。
【0293】作製した光起電力素子(素子No実24−
8〜10及び比7−2〜3)を上述の素子No実24−
5の光起電力素子と同様な方法で、初期特性、低照度特
性及び耐久特性を測定した。測定の結果を、表21に示
す。表21から分かる通り、原料ガスを100%分解す
るのに必要なマイクロ波エネルギーより低いマイクロ波
エネルギーで原料ガスを分解することにより、優れた特
性の光起電力素子が得られることが判明した。
【0294】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、RFバイアスを表22に示す値
とした以外は、上述の素子No実24−5の光起電力素
子と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、
n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No実24−11〜1
4及び比7−4)。
【0295】作製した光起電力素子(素子No実24−
11〜14及び比7−4)を上述の光起電力素子と同様
な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を測定し
た。測定の結果、表22に示す。表22から分る通り、
マイクロ波エネルギーより高いRFエネルギーを原料ガ
スに作用させることにより、優れた特性の光起電力素子
が得られることが判明した。
【0296】次に、実施例1と同様にして物性測定用サ
ンプルを作製した。ここで、マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層は、SiH4ス流量及びGeH4ガス流
量を、表6に示す値とした以外は、上述の素子No実2
4−5のマイクロ波プラズマCVD法によるi型層の作
製条件に従った。
【0297】作製した物性測定用サンプルのバンドギャ
ップと組成の分析を行い、Si原子とGe原子の組成比
と、バンドギャップの関係を求めたところ表6と同じ結
果となった。
【0298】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、SiH4ガス流量及びGeH4
ス流量を、図5(2)に示す流量パターンに従ってマス
フローコントロ一ラー1021、1026で調整した以
外は、上述の素子No実24−5と同じ作製条件で、基
板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型
層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製
した(素子No比7−5)。
【0299】作製した素子No比7−5の光起電力素子
を、素子No実24−5と同様な方法で初期特性、低照
度特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、素子No
比7−5の光起電力素子に対して、素子No実24−5
の光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.02倍、
曲線因子が1.03倍、低照度特性の光電変換効率が
1.09倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.07
倍優れていた。
【0300】次に、素子No実24−5及び素子No比
7−5の光起電力素子のマイクロ波プラズマCVD法に
よるi型層におけるSi原子とGe原子の層厚方向の組
成分析を、前記組成分析と同様な方法でおこなった。そ
して、前述の組成比とバンドギャップの関係より、マイ
クロ波プラズマCVD法によるi型層の層厚方向のバン
ドギャップの変化を求めた結果を図6に示す。図6から
分かるとおり、素子No実24−5の光起電力素子で
は、バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位
置よりp型層とマイクロ波プラズマCVD法によるi型
層の界面方向に片寄っており、素子No比7−5の光起
電力素子では、バンドギャップの極小値の位置がマイク
ロ波プラズマCVD法によるi型層の中央の位置よりR
FプラズマCVD法によるi型層とマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層の界面方向に片寄っていることが
分る。
【0301】次に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際に、BF3/H2及びPH3(200
0ppm)/H2を用いないで、上述の素子No実24
−5と同じ条件で、基板上に反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を形成し、光
起電力素子(素子No実24−5’)を作製した。
【0302】作製した素子No実24−5’の光起電力
素子を、素子No実24−5と同様な方法で、初期特
性、低照度特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、
素子No実24−5’の光起電力素子に対して、素子N
o実24−5の光起電力素子は、初期特性の開放電圧が
1.02、曲線因子が1.03倍、低照度特性の光電変
換効率が1.09倍、耐久特性の光電変換効率の低下が
1.08倍優れていた。
【0303】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
する際に、SiH4ガス流量及びRF放電電力を表23
の値とした以外は、素子No実24−5と同じ作製条件
で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、
p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を
作製した。(素子No実24−15〜19、素子No比
7−6)作製した光起電力素子(素子No実24−15
〜19、素子No比7−6)を素子No実24−5と同
様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を測定
した。その結果を表23に示す。
【0304】同時に、堆積速度測定用サンプルを作製
し、その膜厚と堆積時間からの堆積速度を求めた。その
結果を表23に示す。
【0305】表23から分る通り、RFプラズマCVD
法によるi型層の堆積速度を2nm/sec以下で作製
することにより、優れた特性の光起電力素子が得られる
ことが判明した。
【0306】RFプラズマCVD法によるi型層を作製
する際に、該i型層の層厚を表24に示す値とした以外
は、素子No実24−5と同じ作製条件で、基板上に、
反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電
極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子
No実24−20〜22、素子No比7−7〜8)。
【0307】作製した光起電力素子(素子No実24−
20〜22、素子No比7−7〜8)を素子No実24
−5と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特
性を測定した。その結果を表24に示す。
【0308】表24から分かる通り、本発明の層厚が3
0nm以下のRFプラズマCVD法によるi型層を設け
た光起電力素子(素子No実24−20〜22)が優れ
た特性を有することが判明した。
【0309】次に、RFプラズマCVD法によるi型層
を作製する際に、該RF放電電力をを表25に示す値と
した以外は、素子No実24−5と同じ作製条件で、基
板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型
層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製
した(素子No実24−23〜26)。
【0310】作製した光起電力素子(素子No実24−
23〜26)を素子No実24−5と同様な方法で、初
期特性、低照度特性及び耐久特性を測定した。その結果
を表25に示す。
【0311】同時に、赤外分光測定用サンプルを作製し
て、赤外吸収スペクトルの2000cm-1のピークにお
ける、半値幅を高さで割った値を求めた。その結果を表
25に示す。個々の値は、素子No実24−5のマイク
ロ波プラズマCVD法によるi型層と同じ条件で作製し
たサンプルの値を基準とした相対値である。
【0312】表25から分かる通り、赤外吸収スペクト
ルの2000cm-1のピークにおける、半値幅を高さで
割った値が、マイクロ波プラズマCVD法によるi型層
より、RFプラズマCVD法によるi型層のほうが大き
い光起電力素子が優れた特性を有することが判明した。
【0313】次に、p型層を作製する際に、ドーピング
層Aを作製せず、ドーピング層Bのみとした以外は、上
述の素子No実24−5と同じ作製条件で、基板上に、
反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電
極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子
No比7−9)。
【0314】作製した素子No比7−9の光起電力素子
を、素子No実24−5と同様な方法で、初期特性、低
照度特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、素子N
o比7−9の光起電力素子に対して、素子No実24−
5の光起電力素子は、初期特性の開放電圧が1.04、
曲線因子が1.02倍、低照度特性の光電変換効率が
1.10倍、耐久特性の光電変換効率の低下が1.07
倍優れていた。
【0315】以上の測定結果より、本発明のマイクロ波
プラズマCVD法によるi型層を、内圧50mTorr
以下で、原料ガスを100%分解するに必要なマイクロ
波エネルギーより低いマイクロ波エネルギーで、原料ガ
スに作用させるRFエネルギーをマイクロ波エネルギー
より高いエネルギーで、層厚方向にバンドギャッブがな
めらかに変化し、バンドギャップの極小値の位置がi型
層の中央の位置よりp型層とi型層の界面方向に片寄
り、i型層中にドナー及びアクセプターとなる価電子制
御剤がドープされ、且つRFプラズマCVD法によるi
型層を2nm/sec以下の堆積速度で30nm以下の
層厚とし、p型層とn型層の少なくとも一方が、周期率
表第III族元素または/及び第V族元素を主構成元素と
する層と価電子制御剤を含みシリコン原子を主構成元素
とする層の積層構造で作製する光起電力素子(素子No
実24−1〜26)が、従来の光起電力素子(素子No
比7−1〜9)に対して、優れた特性を有することが判
明し、本発明の効果が実証ざれた。
【0316】(実施例25)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際にSiH4ガス流量及びG
eH4ガス流量を、実施例24と同様に図5(1)に示
す流量パターンに従ってマスフローコントローラー10
21、1026で調整した後に、SiH4ガス流量を2
00sccm、GeH4ガス流量を1sccmに維持
し、バンドギャップ最大値の領域を表26に示す層厚と
なるように作製した以外は、実施例24の素子No実2
4−5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電
層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作
製して光起電力素子を作製した(素子No実25−1〜
8)。
【0317】作製した光起電力素子(素子No実25−
1〜8)を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照
度特性及び耐久特性を測定した。その結果を表26に示
す。表26から分かる通り、本発明のバンドギャップ最
大値の領域の層厚が1〜30nmである光起電力素子
(素子No実25−1〜7)が優れた特性を有すること
が判明し、本発明の効果が実証された。
【0318】(実施例26)マイクロ波CVD法及びR
FプラズマCVD法によるi型層を作製する際に、PH
3(2000ppm)/H2ガスボンベに代えてH2ガス
で2000ppmに希釈されたAsH3ガス(AsH3
2)ボンベを用い、マイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層ではAsH3/H2ガスを0.2sccm、RF
プラズマCVD法によるi型層ではAsH3/H2ガスを
0.5sccm流す以外は、実施例24−5と同じ作製
条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型
層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素
子を作製した(素子No実26)。
【0319】実施例26(素子No実26)で作製した
光起電力素子を実施例24と同様な方法で、初期特性、
低照度特性及び耐久特性を測定したところ、実施例24
の素子No実24−5と同様な初期特性、低照度特性、
耐久特性が得られ、本発明の効果が実証された。
【0320】(実施例27)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、BF3/H2ガス流量を
図14(1)に示す流量パターン、PH3(2000p
pm)/H2ガス流量を図14(2)に示す流量パター
ンに従って、各々マスフローコントローラー1027及
び1028で調整し、RFプラズマCVD法によるi型
層を作製する際には、BF3/H2ガス流量を0.06s
ccm、PH3(2000ppm)/H2ガス流量を2s
ccm流す以外は、実施例24の素子No実24−5と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実27)。
【0321】実施例27(素子No実27)で作製した
光起電力素子を実施例24と同様な方法で、初期特性、
低照度特性及び耐久特性を測定したところ、実施例24
の素子No実24−5と同様な初期特性、低照度特性、
耐久特性が得られた。
【0322】また、実施例27(素子No実27)の光
起電力素子のB原子とP原子のi型層中における層厚方
向の分布を二次イオン質量分析装置により分析した結果
を図14(3)及び(4)に示す。以上の結果により本
発明の効果が実証された。
【0323】(実施例28)マイクロ波プラズマCVD
法及びRFプラズマCVD法によるi型層を作製する際
に、NO/Heガスボンベ1079を用い、NO/He
ガス流量をマイクロ波プラズマCVD法によるi型層で
は0.5sccm、RFプラズマCVD法によるi型層
では0.05sccmとした以外は、実施例24の素子
No実24−5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、
透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電
電極を作製して光起電力素子を作製した(素子No実2
8)。
【0324】作製した光起電力素子(素子No実28)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が得
られた。
【0325】また、実施例28(素子No実28)の光
起電力素子を、二次イオン質量分析装置により組成分析
したところ、i型層中に酸素原子及び窒素原子が含有さ
れていることが確認された。以上の結果より、本発明の
効果が実証された。
【0326】(実施例29)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、不図示のSi26ガス
ボンベを用い、Si26ガス流量を40sccmとし、
SiH4ガス流量を図7(1)に示す流量パターンに従
ってマスフローコントローラー1021で調整した以外
は、実施例24の素子No実24−5と同じ作製条件
で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、
p型層、透明電極、集電電極を形成して光起電力素子を
作製した(素子No実29)。
【0327】作製した光起電力素子(素子No実29)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性、耐久特性が得
られた。
【0328】また、実施例29(素子No実29)の光
起電力素子のSi原子と水素原子のi型層中における層
厚方向の分布を、二次イオン質量分析装置により分析し
たところ、図7(2)と同様な結果となった。
【0329】以上の結果より、本発明の効果が実証され
た。
【0330】(実施例30)原料ガス供給装置1020
における、SiH4ガスとGeH4ガスの混合するポイン
ト1014と堆積室1001との間の距離を表11に示
す値とした以外は、実施例24の素子No実24−5と
同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実30−1〜5)。
【0331】作製した光起電力素子(素子No実30−
1〜5)を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照
度特性及び耐久特性孝測定した。測定の結果、表27に
示す。表27から分かる通り、SiH4ガスとGeH4
スの混合するポイント1014と堆積室1001との問
の距離を5m以下とすることにより、良好な特性の光起
電力素子が得られることが判明した。
【0332】(実施例31)実施例24の素子No実2
4−5と同じ作製条件で、光起電力素子を作製し、これ
を用いて、太陽電池モジュールを作製し、図9−2に示
すような回路構成のアナログ時計を作った。図9−2に
おいて、太陽電池モジュール9101で発生した電力
は、逆流防止ダイオード9102を経て、2次電池91
04に充電される。9103は、過充電防止用ダイオー
ドである。
【0333】太陽電池モジュール9101及び2次電池
9104からの電力は、アナログ時計の駆動回路910
5に供給される。
【0334】(比較例8)比較例7の素子No比7−6
と同じ作製条件で、光起電力素子を作製し、これを用い
て、実施例31と同様なアナログ時計を作った。
【0335】実施例31と比較例8で作製したアナログ
時計を室内の壁に設置し、毎日8.5時間室内灯を点灯
したところ、実施例31のアナログ時計は一日中動いた
ものの、比較例8のアナログ時計は一日中は動かず、本
発明による発電システムの効果が実証された。
【0336】(実施例32)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、SiH4ガス流量及び
GeH4ガス流量を図8に示す流量パターンに従ってマ
スフローコントローラー1021、1026で調整した
以外は、実施例24の素子No実24−5と同じ作製条
件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、i型
層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電力素
子を作製した(素子No実32)。
【0337】作製した光起電力素子(素子No実32)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られ、本発明の効果が実証された。
【0338】(実施例33)マイクロ波プラズマCVD
法及びRFプラズマCVD法によるi型層を作製する際
に、BF3/H2ガスボンベに代えてH2ガスで2000
ppmに希釈されたB26ガス(B26(2000pp
m)/H2)ボンベを用い、マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層ではB26(2000ppm)/H2
スを1sccm、RFプラズマCVD法によるi型層で
はB26(2000ppm)/H2ガスを0.05sc
cm流す以外は、実施例24の素子No実24−5と同
じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電種を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実33)。
【0339】作製した光起電力素子(素子No実33)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られ、本発明の効果が実証された。
【0340】(実施例34)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、NO/Heガスを図1
0(1)に示す流量パターンに従って、マスフローコン
トローラー1029で調整した以外は、実施例24の素
子No実24−5と同じ作製条件で、基板上に、反射
層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、透明電極、
集電電極を作製して光起電力素子を作製した(素子No
実34)。
【0341】作製した光起電力素子(素子No実34)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られた。
【0342】また、実施例34(素子No実34)の光
起電力素子の窒素原子と酸素原子のi型層中における層
厚方向の分布を、二次イオン質量分析装置により分析し
たところ、図10(2)と同様な結果となった。以上の
結果より、本発明の効果が実証された。
【0343】(実施例35)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、SiH4ガス流量及び
GeH4ガス流量を図11に示す流量パターンに従って
マスフローコントローラー1021、1026で調整
し、且つ、マイクロ波プラズマCVD法によるi型層を
作製後、RFプラズマCVD法によるi型層2を、表1
2に示す作製条件で作製した以外は、実施例24と同じ
作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型層、
i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光起電
力素子を作製した(素子No実35)。
【0344】作製した光起電力素子(素子No実35)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られ、本発明の効果が実証された。
【0345】(実施例36)p型層を作製する際に、ド
ーピング層Aの層厚を表28に示す値とした以外は、実
施例24の素子No実24−5と同じ作製条件で、基板
上に、反射層、透明導電層、n型層、i型層、p型層、
透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した
(素子No実36−1〜5)。
【0346】作製した光起電力素子(素子No実36−
1〜5)を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照
度特性及び耐久特性を測定した。その結果を表28に示
す。表28から分かる通り、本発明のドーピング層Aの
層厚が0.01〜1nmである光起電力素子(素子No
実36−1〜5)が優れた特性を有することが判明し、
本発明の効果が実証された。
【0347】(実施例37)n型層を作製する際に、表
14に示す作製条件で、ドーピング層A及びドーピング
層Bを作製した以外は、実施例24の素子No実24−
5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、
n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No実37)。
【0348】作製した光起電力素子(素子No実37)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24と同様な初期
特性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果
が実証された。
【0349】(実施例38)p型層を作製する際に、表
15に示す作製条件で、ドーピング層A及びドーピング
層Bを作製した以外は、実施例24の素子No実24−
5と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、
n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No実38)。
【0350】作製した光起電力素子(素子No実38)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24と同様な初期
特性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果
が実証された。
【0351】(実施例39)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、バイアス電源1011
のRFバイアスを250mW/cm3に、DCバイアス
をRFカット用のコイルを介して50Vにそれぞれ設定
して、バイアス棒1012に印加した以外は、実施例3
2と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、
n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No実39)。
【0352】作製した光起電力素子(素子No実39)
を実施例32と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例32と同様な初期
特性、低照度特性及び耐久特性が得られ、本発明の効果
が実証された。
【0353】(実施例40)マイクロ波プラズマCVD
法によるi型層を作製する際に、H2ガスボンベに代え
て不図示のD2ガスボンベを用い、D2ガスを300sc
cm流す以外は、実施例24の素子No実24−5と同
じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n型
層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して光
起電力素子を作製した(素子No実40)。
【0354】作製した光起電力素子(素子No実40)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られた。
【0355】また、作製した実施例40(素子No実4
0)の光起電力素子を、二次イオン質量分析装置により
組成分析したところ、マイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層中にD原子が含有されていることが確認され
た。以上の結果より、本発明の効果が実証された。
【0356】(実施例41)n型層を作製する際に、バ
イアス電源1011のDCバイアスを、シャッター10
13を開けると同時に、50Vから80Vに一定の割合
で変化させる以外は、実施例24の素子No実24−5
と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電層、n
型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作製して
光起電力素子を作製した(素子No実41)。
【0357】作製した光起電力素子(素子No実41)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定したところ、実施例24の素子No実
24−5と同様な初期特性、低照度特性及び耐久特性が
得られ、本発明の効果が実証された。
【0358】(実施例42)図4−2に示すRFプラズ
マCVD法による製造装置を用いて、実施例24のRF
プラズマCVD法によるi型層と同様な手順により、本
発明の光起電力素子のn型層とp型層を作製した。
【0359】n型層を作製するには、基板1104を加
熱ヒーター1105により350℃に加熱し、流出バル
ブ1042、1044、1045及び補助バルブ110
8を徐々に開いて、H2ガス、PH3(1%)/H2
ス、Si26ガスをガス導入管1103を通じて堆積室
1101内に流入させた。この時、H2ガス流量が50
sccm、PH3(1%)/H2ガス流量が5sccm、
Si26ガス流量が3sccmとなるように各々のマス
フローコントローラー1022、1024、1025で
調整した。堆積室1101内の圧力は、1Torrとな
るように真空計1106を見ながらコンダクタンスバル
ブ1107の開口を調整した。
【0360】その後、RF電源1111の電力を120
mW/cm2に設定しRFマッチングボックス1112
を通じてカソード1102にRF電力を導入し、RFグ
ロー放電を生起させ、基板1104上にn型層の形成を
開始し、層厚10nmのn型層を形成し走ところでRF
グロー放電を止め、流出バルブ1042、1044、1
045及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室110
1内へのガス流入を止め、n型層の形成を終えた。
【0361】次に、実施例24の素子No実24−5と
同じ作製条件でn型層上に、RFプラズマCVD法によ
るi型層を作製した。続いて、堆積室1101よりRF
プラズマCVD法によるi型層を作製した基板1104
を取り出し、実施例24と同様なマイクロ波プラズマC
VD法による堆積装置1000に設置し、実施例24の
素子No実24−5と同じ作製条件でRFプラズマCV
D法によるi型層上にマイクロ波プラズマCVD法によ
るi型層を作製した。
【0362】次に、堆積室1000よりマイクロ波プラ
ズマCVD法によるi型層を作製した基板1004を取
り出し、前述のRFプラズマCVD法による堆積装置1
100に設置し、マイクロ波プラズマCVD法によるi
型層上に、ドーピング層Aとドーピング層Bを積層した
p型層を作製した。
【0363】ドーピング層Bを作製するには、基板11
04を加熱ヒーター1105により200℃に加熱し、
流出バルブ1041、1042、1047及び1108
を徐々に開いて、SiH4ガス、H2ガス,BF3/H2
スをガス導入管1103を通じて堆積室1101内に流
入させた。この時、SiH4ガス流量が0.03scc
m、H2ガス流量が100sccm、BF3/H2ガス流
量が1sccmとなるように各々のマスフローコントロ
ーラー1021、1022、1027で調整した。堆積
室1101内の圧力は、1Torrとなるように真空計
1106を見ながらコンダクタンスバルブ1107の開
口を調整した。
【0364】その後、RF電源1111の電力を2W/
cm2に設定し、RFマッチングボックス1112を通
じてカソード1102にRF電力を導入し、RFグロー
放電を生起させ、マイクロ波プラズマCVD法によるi
型層上にドーピング層B1の作製を開始し、層厚0.3
nmのドーピング層B1を作製したところでRFグロー
放電を止め、流出バルブ1041、1042、1047
及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室1101内ヘ
のガス流入を止めた。
【0365】次に、ドーピング層Aを作製するには、基
板1104を加熱ヒーター1105により200℃に加
熱し、流出バルブ1043及び補助バルブ1108を徐
々に開いて、B26(10%)/H2ガスをガス導入管
1103を通じて堆積室1101内に流入させた。この
時、B26(10%)/H2ガス流量が50sccmと
なるようにマスフローコントローラー1023で調整し
た。また、堆積室1101内の圧力は、1Torrとな
るように真空計1106を見ながらコンダクタンスバル
ブ1107の開口を調整した。
【0366】その後、RF電源1111の電力を3W/
cm2に設定し、RFマッチングボックス1112を通
じてカソ一ド1102にRF電力を導入し、RFグロー
放電を生起させ、ドーピング層B1上にドーピング層A
の作製を開始し、層厚0.1nmのドーピング層Aを作
製したところでRFグロー放電を止め、流出バルブ10
48及び補助バルブ1108を閉じて、堆積室1101
内ヘのガス流入を止めた。
【0367】次に、SiH4ガス流量を0.5scc
m、BF3/H2ガス流量を10sccm、層厚を5nm
とした以外は、前述のドーピング層B1と同じ作製条件
で、ドーピング層A上にドーピング層B2を作製した。
【0368】最後に、p型層上に、実施例24の素子N
o実24−5と同様に透明電極と集電電極を蒸着し、光
起電力素子を作製した(素子No実42−1)。
【0369】以上の、光起電力素子の作製条件は、i型
層を除いて表16に示す通りである。尚、i型層は実施
例24の素子No実24−5と同様の作製条件である。
【0370】更に、マイクロ波プラズマCVD法による
i型層を作製する際、BF3/H2ガス及びPH3(20
00ppm)/H2ガスを用いない以外は素子No実4
2−1と同じ作製条件で、基板上に、反射層、透明導電
層、n型層、i型層、p型層、透明電極、集電電極を作
製して光起電力素子を作製した(素子No実42−
2)。
【0371】(素子No実42−1〜2)を実施例24
と同様な方法で、初期特性、低照度特性及び耐久特性を
測定した。測定の結果、素子No実42−2の光起電力
素子に対して、素子No実42−1の光起電力素子は、
初期特性の開放電圧が1.04倍、曲線因子が1.03
倍、低照度特性の光電変換効率が1.09倍、耐久特性
の光電変換効率の低下が1.07倍優れており、本発明
の効果が実証された。
【0372】(実施例43)第1のマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層を形成する際、BF3/H2ガス
0.3sccm、及びPH3(2000ppm)/H2
スを0.5sccm流す以外は表17に示す作製条件
で、実施例24と同様な方法により、基板上に、反射
層、透明導電層、第1のn型層、第1のi型層、第1の
p型層、第2のn型層、第2のi型層、第2のp型層、
透明電極、集電電極を作製して光起電力素子を作製した
(素子No実43)。
【0373】実施例43(素子No実43)で作製した
光起電力素子を実施例24と同様な方法で、初期特性、
低照度特性及び耐久特性を測定した。
【0374】測定の結果、表17の条件で作製した光起
電力素子(素子No実20)に対して、実施例43(素
子No実43)の光起電力素子は、初期特性の開放電圧
が1.03倍、曲線因子が1.04倍、低照度特性の光
電変換効率が1.09倍、耐久特性の光電変換効率の低
下が1.06倍となり一層優れた特性が得られることが
分かった。
【0375】(実施例44)第1のマイクロ波プラズマ
CVD法によるi型層を形成する際、BF3/H2ガス1
sccm、PH3(2000ppm)/H2ガスを0.3
sccm及び第2のマイクロ波プラズマCVD法による
i型層を形成する際、BF3/H2ガス0.5sccm、
及びPH3(2000ppm)/H2ガスを0.1scc
m流す以外は表18に示す作製条件で、実施例24と同
様な方法により、基板上に、反射層、透明導電層、第1
のn型層、第1のi型層、第1のp型層、第2のn型
層、第2のi型層、第2のp型層、第3のn型層、第3
のi型層、第3のp型層、透明電極、集電電極を作製し
て光起電力素子を作製した(素子No実44)。
【0376】実施例44(素子No実44)で作製した
光起電力素子を実施例24と同様な方法で、初期特性、
低照度特性及び耐久特性を測定した。測定の結果、表1
8の条件で作製した光起電力素子(素子No実21)に
対して、実施例21(素子No実21)の光起電力素子
は、初期特性の開放電圧が1.03倍、曲線因子が1.
03倍、低照度特性の光電変換効率が1.08倍、耐久
特性の光電変換効率の低下が1.09倍となり、より一
層優れた特性が得られることが分かった。
【0377】(実施例45)図4−3に示す多室分離型
堆積装置により、本発明の光起電力素子を作製した。図
中1201及び1212はロード、アンロード室、12
02、1203、1205〜1209及び1211は実
施例42と同様なRFプラズマCVD法による各層の堆
積室、1204及び1210は実施例24と同様なマイ
クロ波プラズマCVD法による各層の堆積室、1221
〜1231は各室を隔てるゲートバルブ、1241、1
242、1244〜1248及び1250はカソード電
極、1243及び1249はマイクロ波の導波部及び誘
電体窓である。
【0378】まず、基板をロード室1201に設置し、
ロード室1201内を真空排気した後に、ゲートバルブ
1221を開けて、基板を第1のn型層堆積室1202
に移動し、ゲートバルブ1221を閉じた。続いて実施
例43の第1のn型層と同じ条件で、基板上に第1のn
型層を作製した。ゲートバルブ1222を開けて、基板
を第1のRFプラズマCVD法によるi型層堆積室12
03に移動し、ゲートバルブ1222を閉じた。続い
て、実施例43の第1のRFプラズマCVD法によるi
型層1と同じ条件で、第1のn型層上に第1のRFプラ
ズマCVD法によるi型層1を作製した。ゲートバルブ
1223を開けて、基板を第1のマイクロ波プラズマC
VD法によるi型層堆積室1204に移動し、ゲートバ
ルブ1223を閉じた。続いて、実施例43の第1のマ
イクロ波プラズマCVD法によるi型層と同じ条件で、
第1のRFプラズマCVD法によるi型層1上に第1の
マイクロ波プラズマCVD法によるi型層を作製した。
更に、ゲートバルブ1224を開けて、基板を第1のR
FプラズマCVD法によるi型層堆積室1205に移動
し、ゲートバルブ1224を閉じ、実施例43の第1の
RFプラズマCVD法によるi型層2と同じ条件で、第
1のマイクロ波プラズマCVD法によるi型層上に第1
のRFプラズマCVD法によるi型層2を作製した。
【0379】ゲートバルブ1225を開けて、基板を第
1のp型層のドーピング層B1の堆積室1206に移動
し、ゲートバルブ1225を閉じた。実施例43の第1
のp型層ドーピング層B1と同じ条件で、第1のRFプ
ラズマCVD法によるi型層2上に第1のp型層ドーピ
ング層B1を作製した。次に、ゲートバルブ1226を
開けて、基板を第1のp型層のドーピング層Aの堆積室
1207に移動し、ゲートバルブ1226を閉じ、続い
て実施例43の第1のp型層ドーピング層Aと同じ条件
で、第1のp型層ドーピング層B1上に第1のp型層ド
ーピング層Aを作製した。更に、ゲートバルブ1227
を開けて、基板を第1のp型層ドーピング層B2堆積室
1208に移動し、ゲートバルブ1227を閉じた。実
施例43の第1のp型層ドーピング層B2と同じ条件
で、第1のp型層ドーピング層A上に第1のp型層ドー
ピング層B2を作製した。
【0380】ゲートバルブ1228を開けて、基板を第
2のn型層堆積室1209に移動し、ゲートバルブ12
28を閉じた。続いて、実施例43の第2のn型層と同
じ条件で、第1のp型層ドーピング層B2上に第2のn
型層を作製した。ゲートバルブ1229を開けて、基板
を第2のi型層堆積室1210に移動し、ゲートバルブ
1229を閉じた。実施例43の第2のi型層と同じ条
件で、第2のn型層上に第2のi型層を作製した。次
に、ゲートバルブ1230を開けて、基板を第2のp型
層堆積室1211に移動し、ゲートバルブ1230を閉
じ、実施例43の第2のp型層と同じ条件で、第2のi
型層上に第2のp型層を作製した。
【0381】ゲートバルブ1231を開けて、基板をア
ンロード室1212に移動し、ゲートバルブ1231を
閉じ、アンロード室1212より基板を取りだし、光起
電力素子の作製した(素子No実45)。
【0382】作製した光起電力素子(素子No実45)
を実施例24と同様な方法で、初期特性、低照度特性及
び耐久特性を測定した。測定の結果、実施例43(素子
No実43)の光起電力素子に対して、実施例45(素
子No実45)の光起電力素子は、初期特性の開放電圧
が1.01倍、曲線因子が1.02倍、低照度特性の光
電変換効率が1.03倍、耐久特性の光電変換効率の低
下が1.02倍優れており、本発明の光起電力素子を多
室分離型堆積装置で作製することにより、優れた特性を
有する光起電力素子が得られることが判明し、本発明の
効果が実証された。
【0383】(実施例46)実施例43と同じ作製条件
で、光起電力素子を作製し、これを用いて、太陽電池モ
ジュールを作製し、図9−2に示すような回路構成の車
載換気ファンを作った。図9−2において、自動車のボ
ンネットに張り付けた太陽電池モジュール9101で発
生した電力は、逆流防止ダイオード9102を経て、2
次電池9104に充電される。9103は、過充電防止
用ダイオードである。太陽電池モジュール9101及び
2次電池9104からの電力は、換気ファンのモーター
9105に供給される。
【0384】更に実施20と同じ作製条件で、光起電力
素子を作製し、これを用いて同様に車載換気ファンを作
った。
【0385】実施例43と20の光起電力素子を用いて
作製した車載換気ファンを取り付けた自動車を、エンジ
ンを回転させたアイドリング状態で168時間放置し、
その後晴天下でエンジンを止めて換気ファン稼働させた
状態で放置し、自動車室内の温度を測定した。 その結
果、実施例20の光起電力素子を用いて作製した車載冷
却ファンに対して、実施例43の光起電力素子を用いた
車載冷却ファンは、室内の温度が4度低く、より高性能
な発電システムが得られることが分かった
【0386】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光起電
力素子の製造方法によれば、光励起キャリアーの再結合
を防止し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上
して、光電変換効率が向上する。また本発明の光起電力
素子は照射光の弱い場合でも変換効率が向上する光起電
力素子を、収率良く形成できるものである。そして本発
明の製造方法によって作製された光起電力素子は、長時
間振動下でアニーニングした場合に光電変換効率が低下
しにくいものである。
【0387】
【0388】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって作製される光起
電力素子の層構成を説明するための模式的説明図であ
る。
【図2】本発明に係る製造方法によって作製される光起
電力素子のバンドギャップの変化を説明するための模式
的説明図である。
【図3】本発明に係る製造方法によって作製される光起
電力素子のバンドギャップの変化を説明するための模式
的説明図である。
【図4】本発明に係る製造方法を用いて光起電力素子を
作製するための装置の一例を示す模式的説明図である。 (1)マイクロ波プラズマCVD法による製造装置 (2)RF波プラズマCVD法による製造装置 (3)多室分離型堆積装置による製造装置
【図5】i型層作製時のSiH4及びGeH4ガス流量の
時間変化を示すグラフである。
【図6】i型層の層厚方向のバンドギャップを示すグラ
フである。
【図7】(1)i型層作製時のSiH4ガス流量の時間
変化、及び(2)i型層中のSi原子及びH原子の層厚
方向の分布を示すグラフである。
【図8】i型層作製時のSiH4及びGeH4ガス流量の
時間変化を示すグラフである。
【図9】本発明に係る製造方法によって作製された光起
電力素子が利用される電力供給システムを説明するため
の模式的説明図である。
【図10】(1)i型層作製時のNO/Heガス流量の
時間変化、及び(2)i型層中のN原子及びO原子の層
厚方向の分布を示すグラフである。
【図11】i型層作製時のSiH4及びGeH4ガス流量
の時間変化を示すグラフである。
【図12】i型層作製時のSiH4及びGeH4ガス流量
の時間変化を示すグラフである。
【図13】i型層作製時のSiH4及びGeH4ガス流量
の時間変化を示すグラフである。
【図14】i型層作製時のBF3/H2ガス、PH3(2
000ppm)/H2ガス流量の時間変化及びi型層中
のB原子及びP原子の層厚方向の分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
101 導電性基板 102 n型のシリコン系非単結晶半導体層 103 マイクロ波プ亨ズマCVD法によるi型の非単
結晶半導体層 104 p型のシリコン系非単結晶半導体層 105 透明電極 106 集電電極 108、109 RFプラズマCVD法によるi型の非
単結晶半導体層 211、212、221、222 マイクロ波プラズマ
CVD法によるi型の非単結晶半導体層 213、223 RFプラズマCVD法によるi型の非
単結晶半導体層 311、321、331、341、351、361、3
71 バンドギャヅプが変化している領域 312、313、322、323、332、333、3
42、343、352、353、362、363、37
2、373、374 バンドギャップー定の領域 1000 マイクロ波プラズマCVD法による成膜装置 1001 堆積室 1002 誘電体窓 1003 ガス導入管 1004 基板 1005 加熱ヒーター 1006 真空計 1007 コンダクタンスバルブ 1008 補助バルブ 1009 リークバルブ 1010 導波部 1011 バイアス電源 1012 バイアス棒 1013 シャッター 1020 原料ガス供給装置 1021〜1029 マスフローコントローラー 1031〜1039 ガス流入バルブ 1041〜1049 ガス流出バルブ 1051〜1059 原料ガスボンベのバルブ 1061〜1069 圧力調整器 1071〜1079 原料ガスボンベ 1100 RFブラズマCVD法による成膜装置 1101 堆積室 1102 カソード 1103 ガス導入管 1104 基板 1105 加熱ヒーター 1106 真空計 1107 コンダクタンスバルブ 1108 補助バルブ 1109 リークバルブ 1111 RF電源 1112 RFマッチングボックス 1201、1209 ロード、アンロード室 1202〜1208 堆積室 1211〜1218 ゲートバルブ 1221、1223〜1225、1227 カソード電
極 1222、1226 マイクロ波の導波部及び誘電体窓 9001 光起電力素子 9002 電圧制御用ダイオード 9003 電圧安定化用コンデンサー 9004 負荷 9101 太陽電池 9102 逆流防止用ダイオード 9103 電圧制御回路 9104 二次電池 9105 負荷 9401 ディーゼル発電機 9402 太陽電池 9403 整流器 9404 充放電制御装置 9405 蓄電池 9406 直流交流変換装置 9407 切り替え器 9408 交流負荷 9501 太陽電池 9502 充放電制御装置 9503 蓄電池 9504 直流交流変換装置 9505 商用電源 9506 無瞬段切り替え器 9507 負荷 9601 太陽電池 9602 直流交流変換装置 9603 商用電源 9604 負荷 9605 逆潮流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 光行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐野 政史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 林 享 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−97220(JP,A) 特開 平3−214676(JP,A) 特開 昭63−296381(JP,A) 特開 昭63−224371(JP,A) 特開 昭64−71182(JP,A) 特開 昭52−47694(JP,A) 実開 昭62−135453(JP,U) 実開 昭63−182551(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系非単結晶半導体材料からなる
    p型層、光導電層(複数のi型層からなる層)及びn型
    層を少なくとも積層して構成される光起電力素子の製造
    方法に於いて、前記光導電層のp型層側のi型層を、少
    なくともシリコン原子含有ガスとゲルマニウム原子含有
    ガスとを含む原料ガスに、50mTorr以下の圧力
    で、該原料ガスを100%分解するに必要なマイクロ波
    エネルギーより低いマイクロ波エネルギーと該マイクロ
    波エネルギーより高いRFエネルギーとを同時に作用さ
    せるマイクロ波プラズマCVD法により、バンドギャッ
    プの極小値の位置が該i型層の中央の位置よりp型層方
    向に片寄るように形成堆積し、且つ前記n型層側のi型
    層を、シリコン原子含有ガスを少なくとも含む原料ガス
    を用いてRFプラズマCVD法により、2nm/sec
    以下の堆積速度で30nm以下形成し、更に前記p型層
    とn型層の内少なくとも一方をが周期律表第III族元素
    または第V族元素を主構成元素とする層と価電子制御剤
    を含みシリコン原子を主構成元素とする層との積層構造
    として形成することを特徴とする光起電力素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記光導電層のp型層側のi型層を形成
    する際に、ドナーとなる価電子制御剤とアクセプターと
    なる価電子制御剤とを同時にドープすることを特徴とす
    る請求項1に記載の光起電力素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波プラズマCVD法におい
    てシリコン原子含有ガスとゲルマニウム原子含有ガスを
    堆積室から5m以下の距離のところで混合することを特
    徴とする請求項または2に記載の光起電力素子の製造
    方法。
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