JPH06181231A - 電子部品の樹脂封止成形方法及び金型 - Google Patents

電子部品の樹脂封止成形方法及び金型

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JPH06181231A
JPH06181231A JP35401992A JP35401992A JPH06181231A JP H06181231 A JPH06181231 A JP H06181231A JP 35401992 A JP35401992 A JP 35401992A JP 35401992 A JP35401992 A JP 35401992A JP H06181231 A JPH06181231 A JP H06181231A
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JP
Japan
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resin
mold
pot
group
cull
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JP35401992A
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English (en)
Inventor
Michio Osada
道男 長田
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TOOWA KK
TOWA KK
Original Assignee
TOOWA KK
TOWA KK
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 マトリックス型リードフレーム上の各電子部
品を略均等な条件下において樹脂封止成形して、未充填
やボイドの形成を防止すると共に、全体的な成形サイク
ルタイムの短縮化と金型の耐久性向上及び樹脂バリの発
生を防止する。 【構成】 下型に複数のポットから成る少なくとも2列
のポット群を配置し且つ各ポットの位置に対応する上型
10の型面に複数のカル51から成る少なくとも2列のカル
群50を対設すると共に、ポット群間及びカル群50間の型
面に複数のキャビティから成るキャビティ群60を対設
し、各カル51・52 と半数のキャビティ61〜64との間を短
い樹脂通路72を介して連通させて構成した金型を用い
て、両型の所定位置にマトリックス型リードフレームを
嵌装セットして型締めすると共に、溶融樹脂材料をマト
リックス型リードフレームの両側位置に配設した各カル
51から略同時的に、しかも、短い樹脂通路72を通して、
各キャビティ群60における半数のキャビティ61〜64内に
夫々注入充填させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マトリックス型リー
ドフレームに装着した半導体等の電子部品を熱硬化性樹
脂材料により封止成形するための方法及び金型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子部品を、例えば、トランスファ成形
法を用いて樹脂封止成形することが従来より行われてい
る。また、近年においては、電子部品とその樹脂封止成
形体(パッケージ)自体を小形化すると共に、成形品の
多数を同時に成形する傾向にある。このため、リードフ
レームの長手方向のみならずその幅方向にも多数個の電
子部品を夫々装着する、所謂、マトリックス型のリード
フレームが採用されている。
【0003】マトリックス型リードフレームを用いる従
来の樹脂封止成形には、上下両型から成る金型が用いら
れる。この金型には、例えば、図7に示すように、下型
(図示なし)に配設した複数のポットと、該ポット位置
に対応する上型1の型面に設けたカル部2と、該カル部
の両側位置となる上型1の型面に形成した複数のキャビ
ティから成るキャビティ群3と、該キャビティ群3と上
記カル部2との間に配設した長尺状ランナ4及びゲート
5とから成る樹脂通路6等が配設されている。また、上
型キャビティ群3の位置と対応する下型の型面には該上
型キャビティ群3と同じ構成態様のキャビティ群が対設
されている。また、該下型キャビティ群の位置にはマト
リックス型リードフレームAを嵌装するためのセット用
凹所が設けられている。
【0004】上記した従来の金型を用いてマトリックス
型リードフレームA上の各電子部品を樹脂封止成形する
には、通常、次のようにして行われる。まず、該金型に
おける上下両型を樹脂成形温度にまで加熱する。次に、
マトリックス型リードフレームAを下型の凹所に嵌装セ
ットすると共に、樹脂材料を下型ポット内に供給して上
下両型の型締めを行う。なお、このとき、該マトリック
ス型リードフレームA上の各電子部品とその周辺部分は
該上下両型におけるキャビティ群の各キャビティ内に夫
々嵌装セットされると共に、ポット内の樹脂材料は順次
に加熱溶融化されることになる。次に、ポット内の樹脂
材料を加圧して、加熱溶融化された溶融樹脂材料を樹脂
通路6を通して、該上下両キャビティ内に注入・充填さ
せることにより、上記各電子部品とその周辺部分を、上
下両キャビティの形状に対応して成形される樹脂封止成
形体内に封止させることができる。次に、上記樹脂硬化
後に上下両型を再び型開きすると共に、離型機構を介し
て、該上下両キャビティ内の樹脂封止成形体とマトリッ
クス型リードフレームA及び樹脂通路6内の硬化樹脂を
上下両型間に夫々突き出して離型させればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来金
型の構成においては、カル部2とキャビティ群3におけ
る各キャビティとの間に長尺状ランナ4及びゲート5と
から成る樹脂通路6等が配設されていること、或は、一
つのカル部2からキャビティ群3における全てのキャビ
ティ内に樹脂を注入充填させることに起因して、次のよ
うな樹脂成形上の問題がある。即ち、該カル部2に最も
近い位置のキャビティ3aと最も遠い位置のキャビティ
3bとの両者間においては、樹脂到達時間や樹脂充填時
間が相違するために、特に、該カル部2から最も遠い位
置のキャビティ3bにおいては、未充填やボイドの発生
が見られる。
【0006】また、上記カル部2から加圧移送される溶
融樹脂材料は、長尺状ランナ4及び該長尺状ランナ4と
各キャビティとの間を夫々連通させる細いゲート5を通
して該各キャビティ内に注入充填されると共に、各キャ
ビティ内に注入充填された溶融樹脂材料に対しては、そ
の後、所定の樹脂圧を加えてボイドや欠損部が形成され
るのを防止するようにしている。しかしながら、各キャ
ビティ内への樹脂注入充填は、該カル部2に近い上流側
のキャビティ3aから順に充填されることになるため、
上記樹脂通路6が長尺である場合は、カル部2から遠い
下流側のキャビティ、例えば、最も遠いキャビティ3b
内に樹脂が注入充填されるよりも前に、上流側のゲート
5a内における樹脂が硬化することになる。従って、最
も遠いキャビティ3bを含む全てのキャビティ内への樹
脂注入充填作用が行われると共に、その後に、各キャビ
ティ内の樹脂に対する所定の樹脂圧が加えられたと仮定
しても、上流側のゲート5a内における樹脂材料は既に
硬化しているために、該上流側ゲートに連通されたキャ
ビティ3a内の樹脂に対しては所定の樹脂圧を加えるこ
とができないと云った重大な樹脂成形上の問題がある。
【0007】更に、上記樹脂通路6が長尺である場合
は、各キャビティ内への樹脂注入充填時間が長くなるの
で、樹脂材料の加圧移送時において硬化反応が進み所要
の流動性を失ったり、或は、硬化した樹脂が各電子部品
におけるボンディングワイヤを断線する等の弊害があ
り、更には、全体的な成形サイクルタイムが長くなる等
の問題が指摘されている。
【0008】そこで、本発明は、マトリックス型リード
フレーム上の各電子部品を樹脂封止成形する場合におい
て、その樹脂封止成形用金型における各キャビティ内へ
の樹脂注入充填作用を略均等な条件下において行うこと
によって、未充填やボイドが形成されるのを確実に防止
すると共に、樹脂材料の加圧移送時における流動性を維
持し、更には、全体的な成形サイクルタイムの短縮化を
図ることができる電子部品の樹脂封止成形方法とその樹
脂封止成形金型を提供することを目的とするものであ
る。また、本発明は、金型におけるポットの形状を改善
して金型の全体的な耐久性を向上すると共に、該金型構
造を改善して樹脂バリの発生を防止することができる電
子部品の樹脂封止成形用金型を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法
は、対設した固定型若しくは可動型のいずれか一方側の
型に複数のポットから成る少なくとも2列のポット群を
配置し且つ該各ポット群における各ポットの位置に対応
する他方側の型の型面に複数のカルから成る少なくとも
2列のカル群を対設すると共に、上記両型におけるポッ
ト群間及びカル群間の型面に複数の樹脂成形用キャビテ
ィから成るキャビティ群を対設し且つ上記各カル群にお
ける各カルと上記各キャビティ群における半数のキャビ
ティとの間を短い樹脂通路を介して連通させた電子部品
の樹脂封止成形用金型を用意する工程と、上記固定若し
くは可動の両型間の所定位置にマトリックス型リードフ
レームを嵌装セットする工程と、上記各ポット内に樹脂
材料を夫々供給する工程と、上記両型を型締めして、上
記マトリックス型リードフレーム上に装着された各電子
部品を該両型のキャビティ内に夫々嵌装させる工程と、
上記各ポット内に供給した樹脂材料を加熱溶融化すると
共に、これを加圧して該溶融樹脂材料を上記短い樹脂通
路を通して上記各キャビティ群における半数のキャビテ
ィ内に夫々注入充填させる工程とから成ることを特徴と
する。
【0010】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形用金型は、固定型と、該固定型に対向配設した可動型
と、該固定型若しくは可動型のいずれか一方側の型に配
置した複数のポットから成る少なくとも2列のポット群
と、該各ポット群における各ポットに嵌装した樹脂加圧
用のプランジャと、該各ポット群における各ポットの位
置に対応する他方側の型の型面に形成した複数のカルか
ら成る少なくとも2列のカル群と、上記両型におけるポ
ット群間及びカル群間の型面に対設した複数の樹脂成形
用キャビティから成るキャビティ群と、上記各カル群に
おける各カルと上記各キャビティ群における各キャビテ
ィとの間を連通させる短い樹脂通路を備えた電子部品の
樹脂封止成形用金型であって、上記短い樹脂通路が、上
記各カル群における各カルと上記各キャビティ群におけ
る半数のキャビティとの間を夫々各別に連通させて構成
したことを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形用金型は、対向配設した固定型若しくは可動型のいず
れか一方側の型に樹脂材料供給用のポットを配設した電
子部品の樹脂封止成形用金型であって、上記ポットにお
ける開口縁部に、面取部と、該面取部に連続する水平状
段部を形成して構成したことを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形用金型は、固定型若しくは可動型を対向配設した電子
部品の樹脂封止成形用金型であって、該固定型若しくは
可動型をポットブロック・カルブロック・キャビティブ
ロック及び樹脂通路ブロックから成る分割形成体から構
成すると共に、上記各分割形成体の夫々を弾性部材を介
して各別に弾性支持させて構成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、溶融樹脂材料を、マトリック
ス型リードフレームの両側位置に配設した各カルから略
同時的に、しかも、従来のものと較べて実質的に略半分
の長さの短い樹脂通路を通して各キャビティ群における
半数のキャビティ内に夫々注入充填させることができ
る。従って、各キャビティ部における樹脂到達時間や樹
脂充填時間が略均等化されて未充填やボイドの発生を防
止することができる。また、各キャビティ内の充填樹脂
材料に対して所要の樹脂圧を加えることができるので、
ボイドが形成されない。また、溶融樹脂材料の加圧移送
時における流動性が維持されるので、各電子部品への悪
影響を防止できると共に、全体的な成形サイクルタイム
が短縮化される。また、金型のポット内に供給する樹脂
材料の使用量は、従来のものと較べて実質的に略半分の
量となるため、専用の予備加熱装置を用いることなく、
該樹脂材料の予備加熱作用を金型ポット内において行う
ことができる。また、樹脂収縮によるリードフレームの
反りは、上記した略半分の樹脂量に対応して、従来のも
のよりも約半分に軽減されることになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例図に基づいて詳細に説
明する。図1は、電子部品の樹脂封止成形用金型におけ
る下型の型面を示している。図2は、該金型における上
型の型面を示している。図3は、上下両型の型開状態を
示している。図4は、他の上型における型面を示してい
る。図5は、金型におけるポット及びカル部分を拡大し
て示している。
【0015】図1乃至図3に示した樹脂封止成形用金型
には、固定側の上型10と、該上型10に対向配設した可動
側の下型20と、該下型20に配置した複数のポット31から
成る少なくとも2列のポット群30(図例においては、4
個のポット31から成る2列のポット群30を並設してい
る)と、該各ポット群30における各ポット31に嵌装した
樹脂加圧用プランジャ40と、該各ポット群30における各
ポット31の位置に対応して上型10の型面に形成した複数
のカル51から成る少なくとも2列のカル群50(図例にお
いては、4個のカル51から成る2列のカル群50を並設し
ている)と、上下両型(10・20) におけるポット群30間及
びカル群50間の型面に対設した複数の樹脂成形用キャビ
ティから成るキャビティ群60(図例においては、上下両
型の型面に8個のキャビティから成る4個のキャビティ
群60を対設している)と、各カル群50における各カル51
と各キャビティ群60における半数のキャビティ61・62・63
・64との間を連通させる短尺状ランナ70及びゲート71か
ら成る樹脂通路72(図例においては、各カル51と4個の
キャビティ61・62・63・64 との間を短尺状ランナ70及びゲ
ート71から成る樹脂通路72にて各別に連通させている)
等が備えられている。また、下型キャビティ群60の位置
には1枚のマトリックス型リードフレームAを嵌装する
ためのセット用凹所73が設けられている。そして、上記
マトリックス型リードフレームAを該凹所73における所
定位置に嵌装セットした場合は、該リードフレームA上
の各電子部品とその周辺部分が上下両型(10・20) のキャ
ビティ群60における各キャビティ内に夫々嵌装されるよ
うに構成されている。
【0016】上記金型は、上下両型(10・20) における最
少構成単位を例示したものであり、従って、このような
最少構成単位を基本として、例えば、図4に示すような
複数の構成単位から成る金型の構成を採用してもよい。
即ち、該金型(上型の型面のみ図示)は、上型10と、該
上型10に対向配設した可動側の下型と、該下型に配置し
た複数のポットから成る少なくとも2列のポット群と、
該各ポット群における各ポットに嵌装した樹脂加圧用プ
ランジャと、該各ポット群における各ポットの位置に対
応して上型10の型面に形成した複数のカル51から成る少
なくとも2列のカル群50(図例においては、4個のカル
51から成る3列のカル群50を並設している)と、上下両
型におけるポット群間及びカル群50間の型面に対設した
複数の樹脂成形用キャビティから成るキャビティ群60
(図例においては、上下両型の型面に8個のキャビティ
から成る8個のキャビティ群60を対設している)と、各
カル群50における各カル51と各キャビティ群60における
半数のキャビティ61〜64との間を連通させる短尺状ラン
ナ70及びゲート71から成る樹脂通路72(図例において
は、各カル51と4個のキャビティ61〜64との間を短尺状
ランナ70及びゲート71から成る樹脂通路72にて各別に連
通させている)等が備えられている。また、下型キャビ
ティ群の位置には2枚のマトリックス型リードフレーム
を嵌装するためのセット用凹所が設けられており、上記
2枚のリードフレームを該凹所における所定位置に嵌装
セットした場合は、該各リードフレーム上の各電子部品
とその周辺部分が上下両型のキャビティ群における各キ
ャビティ内に夫々嵌装されるように構成されている。こ
の金型構成例においては、中央に配置されたカル群50に
おける各カル52の両側位置に上記樹脂通路72が夫々連通
して配設されたものを示している。従って、この場合
は、下型ポット群及び上型カル群50の各1列に相当する
構成部分を省略することができる利点がある。
【0017】なお、図4に示した金型構成においては、
中央に配置される該下型ポット群及び上型カル群50はそ
の2列に相当する構成部分を兼用することとなるので、
その各ポット内には約2倍の樹脂材料、即ち、図例にお
ける全8個のキャビティ内に注入充填させるに必要な樹
脂量を供給する必要がある。しかしながら、図4に示し
た金型構成において同じ量の樹脂材料を使用する必要が
ある場合は、例えば、同図に鎖線にて示すように、両側
位置に配設される2列の下型ポット及び上型カルにおけ
る2個の下型ポット及び上型カルを1個に夫々統合した
構成を採用すればよい。即ち、図例の場合は、中央位置
に4個の下型ポット及び上型カルを配設すると共に、そ
の両側位置に2個の下型ポット及び上型カルを配設すれ
ばよい。
【0018】また、上記した複数の構成単位から成る金
型の構成や、その各構成単位の形状及び大きさ等は、必
要に応じて、任意に且つ適宜に設定できるものである。
【0019】図5は、上記した下型ポット31及び上型カ
ル51部分を拡大して示している。該下型ポット31には、
その上端開口縁部に形成した通常の面取部32と、該面取
部32の下端部に連続して形成した所要の水平状段部33が
設けられている。この構成によれば、樹脂加圧用プラン
ジャ40を上下方向に往復摺動させることによって、該プ
ランジャ40の周面部に付着した樹脂を該水平状段部33の
部分で効率良く且つ確実に剥離除去することができると
共に、該面取部32及び水平状段部33の破損を未然に防止
できると云う利点がある。即ち、図6に示すように、下
型ポットにおける上端開口縁部に、樹脂材料(樹脂タブ
レット)の投入・供給を容易にするための通常の面取部
32のみを形成した場合は、樹脂成形時において、該面取
部32とプランジャ40との間隙に樹脂材料の一部が浸入し
て残溜硬化し易いと云った傾向がある。そして、上記両
者間の間隙に浸入して残溜硬化した樹脂は、該プランジ
ャ40の周面部に付着した状態で残存することになる。こ
のため、次の樹脂成形時に該プランジャ40を上下往復摺
動させると、該残溜硬化樹脂が面取部32の下端周縁部等
を傷損或は破損すると云う弊害があった。そこで、上記
したように、面取部32と該面取部32の下端部に所要の水
平状段部33を連続して形成した構成を採用することによ
って、上記した弊害を除去することができるものであ
る。
【0020】次に、上記構成を有する金型を用いて、マ
トリックス型リードフレームA上に装着した各電子部品
を樹脂封止成形する場合について説明する。まず、マト
リックス型リードフレームAを下型20におけるセット用
凹所73の所定位置に嵌合セットすると共に、各下型ポッ
ト31内に樹脂材料を供給し、更に、この状態で該下型20
を上動させて上下両型(10・20) の型締めを行う。このと
き、該マトリックス型リードフレームAは、金型におけ
る所定位置にセットされると共に、該リードフレームA
上に装着された各電子部品は各上下両キャビティ内に夫
々嵌装されることになる。次に、上記下型ポット31内に
供給した樹脂材料を加熱溶融化すると共に、これをプラ
ンジャ40にて加圧することにより、該溶融樹脂材料を樹
脂通路72を通して各キャビティ群60における半数のキャ
ビティ61・62・63・64 内に注入充填させる。このとき、下
型ポット31内の溶融樹脂材料は、短尺状ランナ70及びゲ
ート71から成る短い樹脂通路72を通して上記半数のキャ
ビティ61・62・63・64 内に略同時的に注入充填させること
ができる。即ち、下型ポット31内の溶融樹脂材料は、マ
トリックス型リードフレームAの両側位置に配設した各
カル51から略同時的に、しかも、従来のものと較べて実
質的に略半分の長さの短い樹脂通路72を通して上記半数
のキャビティ61・62・63・64 内に夫々注入充填されること
になる。従って、このような実施例の構成によれば、各
キャビティ61・62・63・64 における樹脂到達時間や樹脂充
填時間等の樹脂成形条件が略均等化されるので、未充填
やボイドの発生を防止することができると共に、各キャ
ビティ61・62・63・64 内の充填樹脂材料に対して所要の樹
脂圧を加えてボイドの形成を防止することができ、更
に、溶融樹脂材料の加圧移送時における流動性が維持さ
れるので、各電子部品への悪影響を防止できると共に、
全体的な成形サイクルタイムが短縮化される。
【0021】本発明は、上述した実施例のものに限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採
用できるものである。
【0022】例えば、実施例図に示したマトリックス型
リードフレームは、短尺状に形成されたリードフレー
ム、或は、長尺状リードフレーム(連続状に形成された
フープ材等)のいずれをも用いることができる。
【0023】また、上記した両型は、各ポット群・カル
群・各キャビティ群及び各樹脂通路等を一体に形成して
構成したものを示しているが、これらの各構成部分を、
例えば、ポットブロック、カルブロック、キャビティブ
ロック及び樹脂通路ブロック(ランナブロック及びゲー
トブロック)等に分割形成すると共に、その各分割形成
体をホルダベースに組み込む、所謂、チェイスブロック
の構成を採用しても差し支えない。
【0024】また、チェイスブロックの構成を採用する
場合等において、ポットブロック、カルブロック、キャ
ビティブロック及び樹脂通路ブロック(ランナブロック
及びゲートブロック)等の各分割形成体を、例えば、ス
プリングや流体圧力その他の適宜な弾性部材を介して夫
々弾性支持させて、上下両型の型締時に上下の各分割形
成体を密に且つ確実に接合させることにより、上下両型
面における樹脂バリの発生を防止する構成を採用しても
よい。
【0025】即ち、上記チェイスブロックの構成は、例
えば、図8に概略図示するように、下型側(上型側は図
示なし)のホルダベース80に、ポットブロック81(若し
くはカルブロック)、キャビティブロック82及び樹脂通
路ブロック(図示なし)等の各分割形成体を夫々組み込
むと共に、上記キャビティブロック82を弾性部材83を介
して夫々弾性支持させて、上下両型の型締時に上下の両
キャビティブロック82を密に且つ確実に弾性接合させる
ようにしている。従って、このような従来の構成におい
ては、上下の両キャビティブロックにおけるキャビティ
面に樹脂バリが発生するのを効率良く防止することがで
きる。しかしながら、この場合において、上記ポットブ
ロック81とこれに対向配置される上型側のカルブロック
とは弾性支持されていないため、該ポットブロック81と
カルブロックとの接合面には樹脂バリが発生し易いと云
った問題がある。そこで、このような問題点に対処する
ために、例えば、図7に概略図示するように、下型側
(上型側は図示なし)のホルダベース80に、ポットブロ
ック81(若しくはカルブロック)、キャビティブロック
82及び樹脂通路ブロック(図示なし)等の各分割形成体
を夫々組み込むと共に、該各分割形成体の夫々を弾性部
材83を介して各別に弾性支持させるようにしてもよい。
従って、このような改善構成においては、上下の両キャ
ビティブロックにおけるキャビティ面のみならず、上記
ポットブロック81とカルブロックとの接合面における樹
脂バリの発生をも効率良く且つ確実に防止することがで
きると云った利点があり、更に、これによって、該上下
両型の型面クリーニング工程を省略し得て全体的な成形
サイクルタイムを短縮化できると云った利点がある。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、溶融樹脂材料を、マト
リックス型リードフレームの両側位置に配設した各カル
から略同時的に、しかも、従来のものと較べて実質的に
略半分の長さの短い樹脂通路を通して各キャビティ群に
おける半数のキャビティ内に夫々注入充填させることが
できるので、樹脂通路部分における前述したような従来
の技術的な問題、即ち、長尺状の樹脂通路に起因した樹
脂到達時間や樹脂充填時間の相違による未充填やボイド
の発生、上流側ゲート内の樹脂硬化に起因した樹脂圧不
足とこれによるボイドの発生、樹脂の加圧移送時におけ
る流動性の喪失、硬化した樹脂による各電子部品への悪
影響、及び、全体的な成形サイクルタイムが長くなる等
の技術的な問題を効率良く且つ確実に解消することがで
きる。従って、本発明によれば、高品質性及び高信頼性
を備えたこの種成形品を成形できる電子部品の樹脂封止
成形方法とその樹脂封止成形金型を提供することができ
ると云った優れた実用的な効果を奏する。
【0027】また、本発明によれば、金型のポット内に
供給する樹脂材料の使用量は、従来のものと較べて実質
的に略半分の量となるため、例えば、金型装置の外部に
設置する専用の予備加熱装置等を用いることなく、該樹
脂材料の予備加熱を該金型におけるポット内において、
しかも、短時間で行うことができる。従って、専用の予
備加熱装置自体が不要となってこれを省略することがで
きると共に、専用の予備加熱装置を用いる場合に較べて
樹脂材料の予備加熱に要する時間が少なくなるので、全
体的な成形サイクルタイムを短縮化することができると
云った優れた実用的な効果を奏する。
【0028】更に、樹脂収縮によるリードフレームの反
りは、上記した略半分の樹脂量に対応して、従来のもの
よりも約半分に軽減することができる。従って、封止済
リードフレームを後工程側へ移送するときや、該リード
フレームに対する切断加工及び折曲加工等の後工程をス
ムーズに且つ確実に行うことができると云った優れた実
用的な効果を奏する。
【0029】また、本発明によれば、ポットの開口縁部
に、通常の面取部と、該面取部に連続する水平状段部を
設けたことにより、樹脂加圧用プランジャの周面部に付
着した樹脂を効率良く且つ確実に剥離除去することがで
きるので、該面取部の傷損或は破損等を未然に防止し得
て、金型の全体的な耐久性を向上することができると云
った優れた実用的な効果を奏する。
【0030】また、本発明によれば、両型の型面におけ
るポット部とカル部、両キャビティ部及び樹脂通路部の
接合面の全分割形成体を弾性支持させる構成を採用する
ことによって該両型面間における樹脂バリの発生を防止
することができるので、該両型の型面クリーニング工程
を省略し得て、全体的な成形サイクルタイムを短縮化で
きると云った優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】マトリックス型リードフレームを用いる本発明
に係る電子部品の樹脂封止成形用金型における下型の一
部切欠平面図であって、該下型の型面を示している。
【図2】上記樹脂封止成形用金型における上型の一部切
欠底面図であって、該上型の型面を示している。
【図3】図1及び図2に対応する上下両型の一部切欠縦
断面図であって、該上下両型の型開状態を示している。
【図4】他の電子部品の樹脂封止成形用金型における上
型の一部切欠底面図であって、該上型の型面を示してい
る。
【図5】上記樹脂封止成形用金型における下型ポット及
び上型カル部分の一部切欠拡大縦断面図で、該上下両型
の型締状態を示している。
【図6】樹脂封止成形用金型における下型ポット及び上
型カル部分の通常の構成例を示す一部切欠縦断面図で、
該上下両型の型締状態を示している。
【図7】下型におけるチェイスブロックの構成改善例を
示す概略縦断面図である。
【図8】下型におけるチェイスブロックの従来構成例を
示す概略縦断面図である。
【図9】マトリックス型リードフレームを用いる従来の
電子部品の樹脂封止成形用金型における上型の一部切欠
底面図であって、該上型の型面を示している。
【符号の説明】
A マトリックス型リードフレーム 10 固定上型 20 可動下型 30 ポット群 31 ポット 32 面取部 33 水平状段部 40 プランジャ 50 カル群 51 カ ル 52 カ ル 60 キャビティ群 61 キャビティ 62 キャビティ 63 キャビティ 64 キャビティ 70 短尺状ランナ 71 ゲート 72 樹脂通路 73 セット用凹所 80 ホルダベース 81 ポットブロック 82 キャビティブロック 83 弾性部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対設した固定型若しくは可動型のいずれ
    か一方側の型に複数のポットから成る少なくとも2列の
    ポット群を配置し且つ該各ポット群における各ポットの
    位置に対応する他方側の型の型面に複数のカルから成る
    少なくとも2列のカル群を対設すると共に、上記両型に
    おけるポット群間及びカル群間の型面に複数の樹脂成形
    用キャビティから成るキャビティ群を対設し且つ上記各
    カル群における各カルと上記各キャビティ群における半
    数のキャビティとの間を短い樹脂通路を介して連通させ
    た電子部品の樹脂封止成形用金型を用意する工程と、 上記固定若しくは可動の両型間の所定位置にマトリック
    ス型リードフレームを嵌装セットする工程と、 上記各ポット内に樹脂材料を夫々供給する工程と、 上記両型を型締めして、上記マトリックス型リードフレ
    ーム上に装着された各電子部品を該両型のキャビティ内
    に夫々嵌装させる工程と、 上記各ポット内に供給した樹脂材料を加熱溶融化すると
    共に、これを加圧して該溶融樹脂材料を上記短い樹脂通
    路を通して上記各キャビティ群における半数のキャビテ
    ィ内に夫々注入充填させる工程とから成ることを特徴と
    する電子部品の樹脂封止成形方法。
  2. 【請求項2】 固定型と、該固定型に対向配設した可動
    型と、該固定型若しくは可動型のいずれか一方側の型に
    配置した複数のポットから成る少なくとも2列のポット
    群と、該各ポット群における各ポットに嵌装した樹脂加
    圧用のプランジャと、該各ポット群における各ポットの
    位置に対応する他方側の型の型面に形成した複数のカル
    から成る少なくとも2列のカル群と、上記両型における
    ポット群間及びカル群間の型面に対設した複数の樹脂成
    形用キャビティから成るキャビティ群と、上記各カル群
    における各カルと上記各キャビティ群における各キャビ
    ティとの間を連通させる短い樹脂通路を備えた電子部品
    の樹脂封止成形用金型であって、上記短い樹脂通路が、
    上記各カル群における各カルと上記各キャビティ群にお
    ける半数のキャビティとの間を夫々各別に連通させて構
    成したことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形用金
    型。
  3. 【請求項3】 対向配設した固定型若しくは可動型のい
    ずれか一方側の型に樹脂材料供給用のポットを配設した
    電子部品の樹脂封止成形用金型であって、上記ポットに
    おける開口縁部に、面取部と、該面取部に連続する水平
    状段部を形成して構成したことを特徴とする電子部品の
    樹脂封止成形用金型。
  4. 【請求項4】 固定型若しくは可動型を対向配設した電
    子部品の樹脂封止成形用金型であって、該固定型若しく
    は可動型をポットブロック・カルブロック・キャビティ
    ブロック及び樹脂通路ブロックから成る分割形成体から
    構成すると共に、上記各分割形成体の夫々を弾性部材を
    介して各別に弾性支持させて構成したことを特徴とする
    電子部品の樹脂封止成形用金型。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008044161A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Matsushita Electric Works Ltd 多数個取りインサート成形装置
JP2008149499A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Nippon Platec Co Ltd 射出成形用金型

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