JPH06179481A - 耐熱icトレイ - Google Patents

耐熱icトレイ

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JPH06179481A
JPH06179481A JP4334662A JP33466292A JPH06179481A JP H06179481 A JPH06179481 A JP H06179481A JP 4334662 A JP4334662 A JP 4334662A JP 33466292 A JP33466292 A JP 33466292A JP H06179481 A JPH06179481 A JP H06179481A
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JP
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tray
conductive
resin
heat
resistant
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JP4334662A
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Inventor
Yuji Suzuki
祐二 鈴木
Akio Koyama
明夫 小山
Yoichi Ikariya
陽一 碇屋
Masami Kimura
雅美 木村
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PLUS TEKU KK
Original Assignee
PLUS TEKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的物性、成形加工性に優れ、マーキング
性の問題がなく、また、十分な密着性をもち,耐熱ブロ
ッキング性を有する耐熱ICトレイを提供する。 【構成】 ICトレイ成形体の本体を、芳香族ポリサル
ホン系樹脂であるポリサルホン樹脂又はポリエーテルサ
ルホン樹脂により成形し、この本体と同一の樹脂をバイ
ンダーとした導電性フィラーの塗布被膜を、本体表面被
覆させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体電子部品であるI
Cパッケージの搬送や保管、製造工程のベーキング工程
に使用する耐熱ICトレイに関するものであり、更に詳
しくは、射出成形により成形された芳香族ポリサルホン
系樹脂製の成形体本体に、導電性塗料を塗布・乾燥して
得られる耐熱ICトレイに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体電子部品であるICパッケージは
薄い格子状のトレイ(またはパレット)に入れて取り扱
うことが多く、搬送や保管用として汎用プラスチックス
を基材とした材料を用いた非耐熱用トレイと、ICパッ
ケージ製造工程のベーキング工程などに用いる工程用と
してエンジニアリングプラスチックスを基材とした材料
を用いた耐熱用ICトレイとに分類される。本発明は耐
熱トレイを対象としたものである。
【0003】ICパッケージ製造でベーキング工程が必
要な理由は、ICパッケージの封止樹脂が吸湿し易く、
その結果ICパッケージをプリント配線基板にハンダ付
けする際に熱が加えられた時に、この吸湿している水分
が急膨張して封止樹脂にクラックを発生させ、パッケー
ジ内の回路などに支障を来たすというトラブルが発生す
る問題があるので、表面実装を行う前に、125℃で2
0〜40時間、又は150℃で5〜10時間の乾燥処理
を施すことが通常となっているからである。
【0004】現在、上記の工程で使用されている耐熱I
Cトレイとしては、125℃耐熱用には、成形材料の基
材樹脂として結晶性樹脂であるポリプロピレン系樹脂、
ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂
などを用いたものが知られ、また150℃耐熱用には、
成形材料の基材樹脂として変性ポリフェニレンエーテル
系樹脂(以下変性PPEとする)を用いたものが知られ
ている。
【0005】ところで、近年においては加熱工程の時間
短縮化の要望が強まり、これに対応して加熱温度の高温
化が必要になってきていることや、ICパッケージの高
機能化,薄肉化に伴なって、耐熱ICトレイについて
も、寸法の高精度化、反りや歪みなどの変形が少ないも
の、耐熱性の向上などの要求が高まってきている。
【0006】そこで、寸法精度や形状安定性の面で問題
がある前記前者の結晶性樹脂を成形材料として用いた1
25℃耐熱用のICトレイよりも、又寸法精度や反り、
歪みなどの変形が少なく、形状安定性にも比較的すぐれ
ている前記後者の非晶性樹脂である変性PPE系樹脂を
成形材料とした150℃耐熱トレイの需要比率が高まっ
て来ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
変性PPE系樹脂は前記したような利点はあるものの、
150℃以上の高温下で使用するために樹脂の構造や組
成上から生じる熱劣化による物性の低下が避けられず、
割れなどの破損が生じて、トレイの繰返し使用が出来な
いという実用上問題が発生している。
【0008】一方、このようなトレイの強度等の機械的
特性とは別に、ICトレイは、静電気によるIC回路の
破壊を防ぐために通常導電性が賦与される。このトレイ
に導電性を賦与する方法としては、導電性物質を樹脂に
練り込んだ導電性コンパウンドを使用する方法や、導電
コーティングを施したフィルム(導電フィルム)を積層
したシートを熱成形する方法(特開昭61−44636
号公報参照)、トレイ成形体に後処理により導電コーテ
ィングを施す方法などがある。
【0009】樹脂に導電性を賦与するために添加される
導電性物質としては、導電性カーボンブラック、カーボ
ン繊維、メタル繊維、金属粉、金属酸化物、金属または
金属酸化物で表面コーティング処理した無機充填材など
が知られているが、一般的には、寸法安定性や物性、お
よびコスト面から導電性カーボンブラックが使用され
る。しかしながら、導電性カーボンブラックを添加した
樹脂は耐衝撃性の低下や溶融流動性の低下など、物性・
加工性の低下が免がれず、また色が黒色に限定され、更
に導電性カーボンブラックが樹脂から脱落することによ
り周囲を汚染するマーキングという問題がある。一方、
カーボン繊維、メタル繊維、金属酸化物で表面コーティ
ング処理した無機充填材などを使用すれば、着色可能
で、しかもマーキングを起こさないトレイが得られる
が、カーボン繊維やメタル繊維のようにアスペクト比が
極度に高いものは、成形加工時に配向を起こし、成形品
に反りや歪みを発生させるばかりか寸法精度の低下の原
因となるので好ましくなく、又金属酸化物で表面コーテ
ィング処理した無機充填材はコストが高く、しかも多量
に添加する必要があるため、一般的に使用し得ない。
【0010】次ぎに、導電フィルムを積層したシートを
熱成形して導電性ICトレイを作製する方法は、近時は
殆ど採用されていない。これは、従来ICトレイはポリ
スチレン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂製のシートから熱成
形によって成形されたものが使用されていたが、シート
の熱成形による成形トレイは剛性、耐熱性が不足してい
る上に寸法精度が悪く、自動実装機でトラブルが発生す
るという問題が多く発生したためである。このため近年
では射出成形によって成形したトレイが用いられるよう
になっているのが現状であり、導電フィルムを積層した
シートを熱成形する方法でも同様の問題が避けられな
い。
【0011】更に、前記の後処理によって成形体に導電
性を賦与する方法としては、導電性塗料の塗装(導電塗
装処理)、無電解メッキなどの湿式処理、及び、スパッ
タリング、イオンプレーディングなどの乾式処理による
方法があるが、乾式処理は装置が非常に高価で量産性に
欠けるという問題があり、また無電解メッキは処理が複
雑でコストが高いという問題がある。このため、適当な
バインダーに導電性フィラーを分散させた導電性塗料を
塗布・乾燥させる導電塗装処理が低コストの導電化手法
として広く採用されている。
【0012】このような導電塗装処理に用いられる一般
的な導電性塗料には、バインダーとして、エポキシ、ア
ルキド、メラミン、フェノール、不飽和ポリエステル、
アクリル、シリコン、ウレタンなどの架橋構造を有する
樹脂や、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂
が用いられている。しかしながら、これらの樹脂は一般
にガラス転移温度が低く、ICのベーキング工程用のト
レイをこれで塗装した場合、ベーキング工程でトレイが
ブロッキングし、トラブルとなってしまう。
【0013】なお、ガラス転移温度の高い架橋構造を有
する樹脂をバインダーにした導電性塗料を用いることも
考えられるが、このような塗料は、従来、トレイに対す
る十分な密着性を確保できるものがなく、トレイ本体の
熱による膨張、収縮に塗膜が追従できずに破壊したり、
あるいは塗料の硬化温度がトレイの耐熱温度以上である
ため、使用できなかった。
【0014】本発明は、以上のような問題、例えば導電
性カーボンブラック等を練り込んだ導電性コンパウンド
を用いた耐熱トレイにおける低い物性、成形加工性、マ
ーキング性などの問題がなく、また、従来の導電塗装処
理では密着性,耐熱ブロッキング性が不十分であったと
いう問題を解決できる、新規な耐熱ICトレイの提供を
目的としてなされたものである。
【0015】また本発明の別の目的は、一般に使い捨
て、あるいは規定回数繰返し使用した後廃棄されている
ICトレイのリサイクルを可能とし、これによってIC
トレイの一層の低廉化を実現するところにある。すなわ
ち、前記のように廃棄されたトレイは、通常粉砕されて
成形用原材料としてリサイクルされるが、この際、導電
塗装形式で製造された耐熱ICトレイでは、導電性を付
与するために表面に形成された塗布被膜の基材(バイン
ダー)が、リサイクル成形品中の異物となるためリサイ
クル成形品の要求物性・外観を達成できず、良好な製品
が得られないという問題や、成形温度が高い耐熱ICト
レイでは成形時に塗布被膜が分解、ガス化して、精度の
良い製品が得られないという問題がある。そこで本発明
においてはこれらの問題を克服して、リサイクル原材料
としても適している耐熱ICトレイを提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、前
記の好ましい性質を有する耐熱ICトレイを開発するた
めに種々研究を重ねた結果、ICトレイ成形体の本体
を、芳香族ポリサルホン系樹脂であるポリサルホン樹脂
又はポリエーテルサルホン樹脂により成形し、この本体
と同一の樹脂をバインダーとした導電性フィラーの塗布
被膜を、本体表面被覆させた構造の耐熱ICトレイが、
その目的に適合することを見出し、その知見により本発
明を完成するに至った。
【0017】以下に本発明の詳細について説明を行う。
【0018】ICトレイ成形体の本体(以下単に成形体
本体という)と被膜の基材となる合成樹脂は、耐熱性、
成形品の寸法精度、形状安定性(反り、歪みなどの変形
が少ない)の観点より、エンジニアリングプラスチック
スが適当なものとして選択され、特に非晶性樹脂である
ポリサルホン樹脂又はポリエーテルサルホン樹脂は、結
晶性樹脂と比べ成形加工性、流動性は劣るものの、耐熱
性の一つの目安であるガラス転移温度は、アニール工程
やベーキング工程などの加熱温度150〜155℃より
高く、これらは加熱工程による寸法変化や、反り、歪み
などの変形度合も結晶性樹脂より大幅に小さく、本発明
の対象である耐熱トレイ用の基材として適している。そ
して、総合的な性能、成形加工性などから160℃耐熱
用ではポリサルホン樹脂、180℃耐熱用ではポリエー
テルサルホン樹脂が特に適したものとして好ましく選択
される。
【0019】エンジニアリングプラスチックスのうちの
ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂のような結晶性
樹脂はガラス転移温度がアニール工程やベーキング工程
などの加熱工程温度より大幅に低く、その結果成形品で
の寸法安定性の低下や、反り歪みなどの変形を生じ、I
Cトレイの性能としては、不適当である。
【0020】尚、成形体本体を形成する基材樹脂には、
この種の成形体において常用されている酸化防止剤、紫
外線吸収剤、顔料、充填材、滑剤などが必要に応じて適
宜に配合できることは当然であり、また成形体本体の成
形加工性などを損なわない範囲で導電性フィラーを配合
してもよい。
【0021】本発明の成形体本体の表面を被覆する塗布
被膜には、成形体本体と同一の前記樹脂がバインダーと
して使用され、これに導電性フィラーが分散含有され
る。
【0022】この導電性フィラーには、導電性、着色性
及び塗膜の摩耗性などを考慮して前記した種々のものが
選択して使用できるが、特に、繊維長10〜30μm、
繊維径0.2〜1.0μmの白色導電性ウィスカー、あ
るいは平均粒子径0.5μm以下の導電性金属酸化物微
粒子が好ましく用いられる。このような白色導電性ウィ
スカーとしては例えば導電性酸化錫を表面にコーティン
グしたチタン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウ
ムウィスカーを例示することができ、また導電性金属酸
化物微粒子としては酸化錫、アンチモンやリンをドープ
した酸化錫、酸化錫をドープした酸化インジウムを例示
することができる。
【0023】着色した導電性成形体を得る手段として
は、顔料を配合した導電性塗料を成形体本体に塗布する
方法と、成形体本体を着色し透明な導電性塗料を塗布す
る方法とがあり、前者の塗料には導電性の変化が少ない
白色導電性ウイスカー、後者の塗料には導電性金属酸化
物微粒子をそれぞれ配合することが好ましい。
【0024】前記の白色導電性ウィスカーを配合する場
合には、導電性フィラーが被膜中に10〜70重量%、
好ましくは15〜60重量%の範囲で分散含有されるこ
とがよく、15重量%より少くないと導電性が不安定に
なる傾向が現われ、10重量%未満では目的を果たさな
くなる。反対に60重量%以上配合しても導電性の向上
効果が余り無く、70重量%より多量になると塗布被膜
の耐摩耗性が低下し、マーキングが発生する。
【0025】導電性金属酸化物微粒子を配合する場合に
は、導電フィラーが被膜中に50〜80重量%、好まし
くは55〜70重量%の範囲で分散含有されることがよ
く、55重量%より少くないと導電性が不安定になる傾
向が現われ、50重量%未満では目的を果たさなくな
り、反対に70重量%以上配合しても被膜強度の低下を
来たすので前記の範囲とされる。
【0026】また導電性フィラーは分散性向上のための
表面処理がされることが好ましい。このような表面処理
としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、
イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)
チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホ
ニルチタネートなどで例示されるチタネート系カップリ
ング剤の少なくとも一種で表面処理する方法を挙げるこ
とができる。チタネート系カップリング剤は、導電性フ
ィラー100重量部に対して0.05〜5重量部、好ま
しくは0.5〜3重量部添加することにより、導電性フ
ィラーの分散性が改良される。尚、導電性フィラーをチ
タネート処理する方法としては、アミンアダクト法、自
己乳化処理法、溶剤系処理による前処理が好ましいが、
導電性塗料を作成する有機溶剤に添加しても良い。
【0027】本発明に使用される導電性塗料には、本来
の目的をそこなわない範囲で、従来導電性塗料に通常用
いられる種々の添加剤、例えば顔料、分散剤、沈降防止
剤、流動調整剤、色別れ防止剤、発泡防止剤、湿潤剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤などを任意成分として配合す
ることができる。
【0028】導電性塗料は、前記バインダー樹脂、導電
性フィラー及びその他の必要に応じて配合される成分を
有機溶剤に添加して調整される。このような有機溶剤と
しては、成形体本体の基材樹脂を溶解するものの中から
適宜選択できるが、溶剤の沸点が樹脂のガラス転移温度
より高いと乾燥が困難になるため、樹脂のガラス転移温
度より低沸点の溶剤の少なくとも一種を選択することが
望ましく、N−メチル−ピロリドン、アセトフェノン、
シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、クロロベン
ゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレ
ン、などが例示できる。
【0029】又、分散機については特に制限はなく、導
電性フィラーを分散させるために必要な衝撃、せん断処
理を施しうるものであれば任意に選択することができ
る。
【0030】このような分散機としては、例えばボール
ミル、サンドミル、アトライタ、ペイントシェーカーな
どのメディア充填式のものや、超音波ミル、ケディミル
などの高速衝撃ミルなどが用いられる。又、白色導電性
ウィスカーのように、過大なせん断処理を施すと表面コ
ーティング層が破壊され、導電性が著しく低下する場合
はプロペラミキサー、ディスパー、高速インペラーミ
ル、などが用いられる。導電性塗料を成形体本体の表面
に塗工する方法については特に制限はなく、成形体本体
の表面形状によって任意の方法で塗工できるが、ICト
レイ成形品は一般に複雑な形状物であるため、スプレ
ー、カーテンフロー、浸漬などの塗工方法が、単独ある
いは組み合せて好ましく使用される。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例ならびにその比較例によ
って説明する。ここで実施例および比較例に用いた評価
方法は次のとおりである。
【0032】表面電気抵抗値 射出成形機J220E・P(日本製鋼所(株)製)で成
形品形状315mm×135mm×7mmのICトレイ
を成形し、導電性塗料をスプレーコートし、表面電気抵
抗をハイレスタIP(三菱油化(株)製)で初期値とヒ
ートサイクルテスト後の値を測定した。成形条件は表1
に示す。
【0033】ヒートサイクルテスト 評価で作成したICトレイを、ポリサルホン樹脂製ト
レイは160℃、ポリエーテルサルホン樹脂製トレイは
180℃で20時間、23℃で4時間を1サイクルとし
て10サイクルまで行い、被膜状態を観察した。
【0034】被膜密着性 評価で使用したヒートサイクルテスト後のトレイを使
用し、JIS K−5400に準拠してゴバン目ハクリ
試験を行い、残ったマス目の数を測定した。
【0035】マーキング性 評価で作成したトレイを用い、白画用紙に強くこすり
つけてマーキングの有無を判定した。
【0036】成形品の反り、歪み 評価で作成したトレイを定盤上に置き、隙間ゲージお
よびハイトゲージを用いて中央部の反り(mm)と、歪
みの有無を測定した。
【0037】尚、評価については、ポリサルホン樹脂
製トレイは165℃×7時間のアニール処理および16
0℃×10時間のベーキング、ポリエーテルサルホン樹
脂製トレイは185℃×7時間のアニール処理および1
80℃×10時間のベーキングを行い、23℃の室温で
24時間放冷した後、測定を行った。
【0038】実施例1〜6成形体本体の作製 導電塗装ICトレイ成形体本体用の基材として次の3種
の樹脂を用意した。
【0039】樹脂 ユーデルP3703(アモコ パ
フォーマンスプロダクツ社製ポリサルホン樹脂) 樹脂 レーデルA−300(アモコ パフォーマンス
プロダクツ社製ポリエーテルサルホン樹脂) 樹脂 (ユーデルP3703(前出) 80重量%)
+(NS−400(日東粉化工業(株)炭酸カルシウ
ム、平均粒径1.71μm)20重量%) なお、前記樹脂は、非噛合同方向回転二軸混練機(T
EX−35、東芝機械(株)製)を用いて、290〜3
00℃で溶融混練りし、ペレット状の樹脂組成物とし
た。
【0040】以上の樹脂〜を用い、下記表1の成形
条件でICトレイの成形体本体〜を射出成形した。
成形した成形体本体は、315mm×135mm×7m
m、表面積1404.09cm2 の大きさで一般的なI
Cトレイ(QFP14×20型)と同じ形状とした。
【0041】
【表1】
【0042】導電性塗料の調整 2000mlのガラス製ビーカーに試薬1級のテトラヒ
ドロフラン450重量部とシクロヘキサノン450重量
部を入れ、プレンアクトKR−TTS′(味の素(株)
チタネートカップリング剤)0.5重量部を溶解した。
【0043】次に前記ユーデルP3703 50重量部
を攪拌しながら投入し、完全に溶解した後デントールW
K−200B(大塚化学(株)白色導電性チタン酸カリ
ウムウィスカー繊維長10〜20μm、繊維径0.2〜
0.5μm)50重量部を添加して30分間攪拌し、導
電性塗料Aを得た。
【0044】同様の手法で、表2に示される組成の導電
性塗料B〜Fを得た。
【0045】
【表2】
【0046】成形体本体表面の塗布被膜の形成 A〜Fの導電性塗料を、スプレーガン(岩田塗装機工業
(株)製W−88)を用いて、前記射出成形した成形体
本体〜の全表面に塗工した後、130℃で30分間
乾燥して実施例1〜6の導電性耐熱ICトレイを得た。
塗布被膜の塗工量は、1g/1枚とした。
【0047】以上のようにして作製した実施例1〜6の
各耐熱ICトレイについて、前記評価試験を行ない、そ
の結果を下記表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】比較例1〜6導電性塗料の調整 (a) 2000mlのガラス製ビーカーに試薬1級の
テトラヒドロフラン450重量部とシクロヘキサノン4
50重量部を入れ、プレンアクトKR−TTS0.5重
量部を溶解した。ユーデルP3703 50重量部を攪
拌しながら投入し、完全に溶解した後ELCOM TL
−30(触媒化成工業(株)導電性酸化錫平均粒径0.
5μm以下)50重量部を添加し30分間攪拌し予備分
散した。この予備分散液を1mmφのガラスビーズを充
填したペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)で3時
間分散し、導電性塗料Gを得た。
【0050】同様の手法で上記表2に示される組成の導
電性塗料H〜Jを得た。
【0051】(b) ポリサルホン樹脂を溶解しない有
機溶剤を用いた下記の導電性塗料の2種を準備した。
【0052】塗料K 住友セメント(株)製 C−50
2 アクリル系バインダー 溶剤イソブタノール 塗料L サンプラス(株)製 SP−1 アクリル−ウ
レタン系バインダー溶剤エーテルアルコール系成形体本体表面の塗布被膜の形成 G〜Lの導電性塗料を、スプレーガン(岩田塗装機工業
(株)製W−88)を用いて、前記実施例で射出成形し
た成形体本体〜の全表面に塗工した後、実施例と同
様にして比較例1〜6の導電性耐熱ICトレイを得、同
様にして評価試験を行ない、その結果を下記表4に示し
た。
【0053】
【表4】
【0054】比較例7,8成形体本体の作製 比較のために、導電性カーボンブラックを含有した下記
樹脂及びの2種類を用意し、上記表1の条件で導電
性耐熱ICトレイ,を射出成形した。
【0055】樹脂 ユーデルP3703 80重量
%、ケッチェンEC(ライオン(株)導電性カーボンブ
ラック)10重量%、NS−400 10重量% 樹脂 レーデルA−300 80重量%、ケッチェン
EC 10重量%、NS−400 10重量% その結果は、導電性耐熱ICトレイは成形不能であ
り、また導電性耐熱ICトレイは、評価試験を行なっ
てその結果を前記表4に示した。
【0056】
【発明の効果】本発明により、安定した導電性に加え
て、素材と導電層の優れた密着性、ノンマーキング性を
有し、反りや歪みの発生がきわめて小さく寸法安定性に
すぐれた耐熱ICトレイを得ることができるという効果
がある。
【0057】本発明の耐熱ICトレイは、使用後、何ら
特別な前処理を必要とせずリサイクルすることができる
という効果があり、資源の有効利用、成形品の低廉化を
実現できる。
【0058】又、本発明の耐熱ICトレイは顔料を添加
することで自由に着色できるため、IC工場での工程管
理、商品管理が確実に行えるという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 雅美 神奈川県平塚市1−10 プラス・テク株式 会社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリサルホン樹脂又はポリエーテルサル
    ホン樹脂よりなるICトレイ成形体の本体と、導電性フ
    ィラーが樹脂成分中に分散含有された本体表面の塗布被
    膜とからなり、本体及び被膜を形成する樹脂が同一の樹
    脂であることを特徴とする導電性被膜を有する耐熱IC
    トレイ。
  2. 【請求項2】 表面電気抵抗が1×1010(Ω/□)以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱ICト
    レイ。
  3. 【請求項3】 導電性フィラーが、繊維長10〜30μ
    m、繊維径0.2〜1.0μmの白色導電性ウィスカー
    であり、塗布被膜中に10〜70重量%含有されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱ICトレ
    イ。
  4. 【請求項4】 導電性フィラーが、平均粒子径0.5μ
    m以下の導電性金属酸化物微粒子であり、塗布被膜に5
    0〜80重量%含有されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の耐熱ICトレイ。
JP4334662A 1992-12-15 1992-12-15 耐熱icトレイ Pending JPH06179481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4334662A JPH06179481A (ja) 1992-12-15 1992-12-15 耐熱icトレイ

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG85145A1 (en) * 1998-11-18 2001-12-19 Bok Hwan Oh Method for manufacturing antistatic integrated circuit trays of polymer materials using ion implantation
JP2006521021A (ja) * 2003-03-21 2006-09-14 スー・クワンスック トレイに上板−接地間抵抗を付与する方法
JP2023508999A (ja) * 2020-03-06 2023-03-06 カール・フロイデンベルク・カーゲー 導電性ペースト

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JPH04118232A (ja) * 1990-09-03 1992-04-20 Dainippon Printing Co Ltd 積層シート

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