JPH06177537A - 導通部形成方法 - Google Patents

導通部形成方法

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Publication number
JPH06177537A
JPH06177537A JP4323111A JP32311192A JPH06177537A JP H06177537 A JPH06177537 A JP H06177537A JP 4323111 A JP4323111 A JP 4323111A JP 32311192 A JP32311192 A JP 32311192A JP H06177537 A JPH06177537 A JP H06177537A
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JP
Japan
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insulating material
forming
substrate
hole
energy beam
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Pending
Application number
JP4323111A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimizu Takeno
祥瑞 竹野
Koichi Sakurai
光一 桜井
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Yoshio Yamane
義雄 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Publication of JPH06177537A publication Critical patent/JPH06177537A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工程の短縮を実現でき、コストダウンを図
れ、導通信頼性を高めることができる導通部形成方法を
得る。 【構成】 絶縁材料1の両面に配線パターン7a,7b
を形成して基板8を形成し、基板8にエネルギビームを
照射して絶縁材料1のみに孔1aを形成し、孔1aに対
応した一対の配線パターン7a,7bにエネルギビーム
を照射して溶融し、一体に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多層配線基板層間の
回路を接続する導通部形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の多層配線基板の導通部形成方法と
しては、図8に示すものがあった。図8はその工程順の
模式的断面図を示すものである。まず、図8(a)に示
すように絶縁材料1の両側面に銅箔2a,2bを有する
プリント基板3を形成し、次に図8(b)に示すように
このプリント基板3にドリルにより積層方向の孔3aを
形成し、次に図8(c)に示すように無電解銅メッキに
より孔3aの内壁及び銅箔2a,2bの表面に銅被膜4
を形成し、次に図8(d)に示すように銅被膜4を電気
メッキの析出反応の電極(負極)として銅被膜4上に銅
の電気メッキ膜5を形成することにより、孔3aの内壁
を導体化し、導通部を形成していた。
【0003】ところが、この方法では無電解銅メッキの
工程があるため、メッキ液が高価になる、メッキ及びそ
の前処理の管理が複雑なため歩留りが悪い、設備費が高
額となる、メッキ中に発生する水素ガスが孔3aが微小
孔になるほど抜けにくく、析出不良が生じ易くなるなど
の問題かあった。
【0004】上記問題を解消する導通部形成方法として
は、例えば特開平3−50890号公報に示されるよう
に、レーザビームを用いて孔あけし、この孔あけ時に発
生する炭化物被膜を電気メッキの析出反応の電極として
電気めっきする方法がある。図9はこの方法の工程順の
模式的断面図を示す。
【0005】まず、図9(a)に示すように、絶縁材料
1の両側面に銅箔2a,2bを有するプリント基板3を
形成し、次に図9(b)に示すようにプリント基板3に
レーザビームを照射して表面に炭化物層6を有するスル
ーホール3bを形成し、次に図9(c)に示すように炭
化物層6を電気メッキの析出反応の電極(負極)として
炭化物層6上及び銅箔2a,2b上に銅の電気メッキ膜
5を形成することによりスルーホール3bの内壁を導体
化し、導通部を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示した従来方法では、スルーホール3bの内壁全面に炭
化物層6を発生させる必要があるが、スルーホール3b
の内壁には炭化物層6が残留しない部分も生じるため、
スルーホール3bの内壁全面を電気メッキ膜5で覆うこ
とが困難となり、電気メッキ後の導通信頼性が低下し
た。そこで、レーザの照射条件の調整によりスルーホー
ル3bの内壁全体に炭化物層6が残留するようにする
と、残留する炭化物層6の厚さが数10μm以上とな
り、電気メッキ後に電気メッキ膜5と絶縁材料1との間
に厚い炭化物層6が残留し、電気メッキ膜5の密着性が
低下して信頼性が低下した。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、導通部形成過程における工程
の短縮を実現し、かつ導通信頼性を高めることができる
導通部形成方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る導通部形成方法は、基板にエネルギビームを照射して
絶縁材料を部分的に除去する工程と、絶縁材料除去部に
残存した一対の配線パターンにエネルギビームを照射し
て溶融接合する工程を設けたものである。
【0009】又、請求項2に係る導通部形成方法は、基
板にエネルギビームを照射して少なくとも一方の導体層
と絶縁材料に孔を形成する工程と、基板にエネルギビー
ムを照射して絶縁材料の孔を拡大する工程と、一方の導
体層の絶縁材料の孔に突出した部分にエネルギビームを
照射してこの突出部分を溶融し、他方の導体層と接合す
る工程を設けたものである。
【0010】請求項3に係る導通部形成方法は、基板に
エネルギビームを照射して一方の導体層と絶縁層に孔を
形成する工程と、この孔にフイラーメタルを充填する工
程と、上記孔及びその周辺部にエネルギビームを照射し
て各導体層とフイラーメタルを溶融一体化する工程を設
けたものである。
【0011】請求項4に係る導通部形成方法は、基板に
エネルギビームを照射して各導体層及び絶縁材料に孔を
形成するとともに、この際蒸発した導体を絶縁材料の孔
内壁に蒸着して導電性被膜を形成する工程と、導電性被
膜上に電気メッキ膜を形成する工程を設けたものであ
る。
【0012】請求項5に係る導通部形成方法は、上記し
た溶融又は蒸発工程において、基板の表面にエネルギビ
ームを透過する当て板を密着させ、この当て板を透して
エネルギビームを照射するものである。
【0013】請求項6に係る導通部形成方法は、上記し
た溶融又は蒸発工程において、基板の裏面に当て板を密
着させ、エネルギビームを照射するものである。
【0014】
【作用】請求項1においては、基板にエネルギビームが
照射されて絶縁材料が部分的に除去され、この除去部に
残存した一対の配線パターンか溶融接合される。
【0015】請求項2においては、基板にエネルギビー
ムが照射されて少なくとも一方の導体層と絶縁材料に孔
が形成され、この孔は拡大され、一方の導体層のこの孔
から突出した部分が溶融されて他方の導体層と接合され
る。
【0016】請求項3においては、基板にエネルギビー
ムが照射されて一方の導体層と絶縁層に孔が形成され、
この孔にフイラーメタルが充填された後、エネルギビー
ムの照射により各導体層とフイラーメタルが溶融一体化
される。
【0017】請求項4においては、基板にエネルギビー
ムが照射されて各導体層及び絶縁材料に孔が形成され、
この際蒸発した導体が絶縁材料の孔の内壁に蒸着して導
電性被膜が形成され、この導電性被膜上に電気メッキ膜
が形成される。
【0018】請求項5,6においては、基板の表面又は
裏面に当て板が密着された状態でエネルギビームが照射
され、加工部内の溶融物又は蒸発物の流出が規制され
る。
【0019】
【実施例】実施例1 以下、この発明の実施例を図面とともに説明する。図1
は実施例1によるプリント基板の導通部形成方法を工程
順に示した断面図であり、まず図1(a)に示すように
厚さ200μmのガラスエポキシからなる絶縁材料1の
両側面に厚さ40μmの銅箔7a,7bを積層して厚さ
280μmのプリント基板8を形成するが、銅箔(表の
ランドパターン)7aは図2(a)に示すような配線パ
ターンとし、銅箔(裏のランドパターン)7bは図2
(b)のような配線パターンとする。
【0020】次に、図1(b)に示すように、プリント
基板8の導通部形成位置に電子ビームをパルス発振で照
射し、絶縁材料1のみを除去してとまり孔加工を施し、
とまり孔1aを形成する。とまり孔1aは図示しない他
の位置でも形成される。電子ビームの照射条件は、加速
電圧60KV、ビーム電流11mAの設定で約1.5mmのビ
ーム径に集束させ、パルス幅90μs、パルス周波数1
0Hzで1孔につき40パルスを繰り返した。これによ
り、約1.5mmのとまり孔1aが形成された。
【0021】次に、このとまり孔1aの両側に残存した
一対の銅箔(配線パターン)7a,7bの端部に電子ビ
ームをパルス発振で照射し、図1(c)に示すように銅
箔7a,7bの端部を溶融し、球状化させる。電子ビー
ムの照射条件は、加速電圧60KV、ビーム電流11mAの
設定で約1.5mmのビーム径に集束させ、パルス幅90
μs、パルス周波数1KHz で1孔につき40パルスを繰
り返した。これにより、上部銅箔7aの端部は直径約3
00μmの球状となり、下部銅箔7bの端部は厚さ約1
50μmとなり、互に接触した。
【0022】次に、銅箔7a,7bの端部に再び電子ビ
ームをパルス発振で照射し、図1(d)に示すように銅
箔7a,7bの端部をもう一度溶融して1つの溶融球と
し、導通部7cを形成する。電子ビームの照射条件は、
加速電圧60KV、ビーム電流11mAの設定で約1.5mm
のビーム径に集束させ、パルス幅90μs、パルス周波
数1KHz で1孔につき80パルスを繰り返した。これに
より、直径約500μmの導通部7cが形成され、完全
な導通部が得られた。この導通部7cの導体抵抗を測定
すると、すべての導通部7c(他の位置でも同様にして
形成されている。)において10mΩ以下であり、完全
に導通が得られている。
【0023】実施例1によれば、無電解銅メッキ及び電
解銅メッキを使用していないため工程を短縮でき、コス
トダウンが図れ、また絶縁材料1の両面の銅箔7a,7
bが溶接されているので、導通信頼性が高い。
【0024】実施例2 図3は実施例2によるプリント基板の導通部形成方法を
工程順に示した模式断面図であり、図3(a)に示した
プリント基板8の形成工程及び図3(b)に示したとま
り孔1aの形成工程は実施例1と同様である。次に、図
3(b)に示すように、YAGレーザビーム(波長1.
06μm、マルチモード)を透過する厚さ0.5mmのガ
ラス板9を銅箔7aの上面に密着固定させるとともに、
厚さ1cmの銅板10を銅箔7bの下面に密着固定させた
後、ガラス板9の上方からYAGレーザをパルス発振で
照射し、このYAGレーザはガラス板9を透過して図3
(c)に示すように銅箔7a,7bを溶融させ、図3
(d)に示すように溶融球を形成して導通部7dを得
た。
【0025】YAGレーザの照射条件は、ピーク出力5
KWの設定で約1.5mmのビーム径に集束させ、パルス幅
1.5μs、パルス周波数10Hzで1孔につき20パル
スを繰り返した。導通部7dを得た後、ガラス板9及び
銅板10を取り外した。これにより、表裏面に凸部がな
い直径約500μmの導通部7dが得られた。導通部7
dの導体抵抗を測定すると、すべての導通部7dにおい
て10mΩ以下であり、完全に導通が得られており、実
施例1の効果の外に表裏面に凸部がない導通部7dが得
られるという効果がある。又、ガラス板9及び銅板10
を設けたことにより、銅箔7a,7bを溶融した際に溶
融物が外部に流出し難くなり、導通部形成の安定化が図
れる。
【0026】実施例3 図4は実施例3によるプリント基板の導通部形成方法を
工程順に示した模式断面図であり、まず図4(a)に示
すように厚さ200μmのガラスエポキシからなる絶縁
材料1の両側面に厚さ40μmの銅箔2a,2bを積層
して厚さ280μmのプリント基板3を形成する。次
に、図4(b)に示すように、プリント基板3の上方か
ら電子ビームをパルス発振で照射し、絶縁材料1に直径
約100μmのとまり孔1bを形成した。この際、上側
の銅箔2aにも孔2cが形成された。電子ビームの照射
条件は、加速電圧60KV、ビーム電流80mAの設定で約
100μmのビーム径に集束させ、パルス幅100μ
s、パルス周波数10Hzで1孔につき20パルスを繰り
返した。
【0027】次に、同じくプリント基板3の上方から電
子ビームをパルス発振で照射し、図4(c)に示すよう
にとまり孔1bを拡大した。電子ビームの照射条件は、
加速電圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約300μm
のビーム径に集束させ、パルス幅150μs、パルス周
波数1KHz で1孔につき20パルスを繰り返した。これ
により、とまり孔1bは約200μm拡大した。
【0028】次に、同じくプリント基板3の上方から電
子ビームをパルス発振で照射し、図4(d)に示すよう
に、上側の銅箔2aの孔1bに突出した部分を溶融させ
てとまり孔1b内に流動させ、銅箔2a,2bを接合し
て導通部2dを得た。電子ビームの照射条件は、加速電
圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約500μmのビー
ム径に集束させ、パルス幅1.5ms、パルス周波数10
Hzで1孔につき20パルスを繰り返した。これにより、
約500μmの導通部2dが得られた。導通部2dの導
体抵抗を測定すると、すべての導通部2dにおいて10
mΩ以下であり、完全に導通が得られた。実施例3も実
施例1と同様の効果を有する。
【0029】実施例4 実施例3では最初の電子ビームの照射により一方の銅箔
2a及び絶縁材料1に孔2c,1bを形成したが、この
際に他方の銅箔2bにも孔を形成しても同様の効果が得
られる。
【0030】実施例5 図5は実施例5によるプリント基板の導通部形成方法を
工程順に示した模式断面図であり、図5(a)に示した
プリント基板3の形成工程は実施例3と同様である。次
に、図5(b)に示すように電子ビームを基板3の上方
からパルス発振により照射し、銅箔2a,2b及び絶縁
材料1に孔2c,2e,1cを形成した。レーザの照射
条件は、加速電圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約1
00μmのビーム径に集束させ、パルス幅150μs、
パルス周波数10Hzで1孔につき20パルスを繰り返し
た。孔1cの径は約100μmであった。
【0031】次に、同じくプリント基板3の上方から電
子ビームをパルス発振で照射し、図5(c)に示すよう
に孔1cを拡大した。レーザの照射条件は、加速電圧6
0KV、ビーム電流8mAの設定で約300μmのビーム径
に集束させ、パルス幅150μs、パルス周波数1KHz
で1孔につき30パルスを繰り返した。これにより、孔
1cは約200μm拡大した。
【0032】次に、図5(d)に示すようにYAGレー
ザビーム(波長1.06μm、マルチモード)を透過す
る厚さ0.5mmのガラス板9を銅箔2aの上面に密着固
定し、ガラス板9の上方からYAGレーザをパルス発振
で照射し、銅箔2aの孔1cに突出した部分を溶融させ
て孔1c内に流動させ、銅箔2a,2bを接合して導通
部2dを形成した。電子ビームの照射条件は、ピーク出
力800Wの設定で約500μmのビーム径に集束さ
せ、パルス幅1.5μs、パルス周波数10Hzで1孔に
つき20パルスを繰り返した。この後ガラス板9を取外
し、表面に凸部のない約500μmの導通部2dが形成
された。導通部2dの導体抵抗を測定すると、すべての
導通部2dについて10mΩ以下であり、完全に導通が
得られた。実施例5も実施例2と同様の効果を有する。
【0033】実施例6 図6は実施例6によるプリント基板の導通部形成方法を
工程順に示した模式断面図であり、図6(a)に示した
プリント基板3の形成工程は実施例3と同様である。次
に、図6(b)に示すようにプリント基板3の上方から
電子ビームをパルス発振により照射し、銅箔2a及び絶
縁材料1に孔2c,1bを形成した。電子ビームの照射
条件は、加速電圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約1
50μmのビーム径に集束させ、パルス幅100μs、
パルス周波数10Hzで1孔につき20パルスを繰り返し
た。これにより、孔1bの径は約150μmとなった。
【0034】次に、図6(c)に示すように孔1b,2
cに粒径10μmの銅パウダ(フイラーメタル)11を
充填し、孔1b,2c及びその周辺部に電子ビームをパ
ルス発振により照射し、図6(d)に示すように銅箔2
a,2bと銅パウダ11を溶融一体化し、導通部12を
形成した。電子ビームの照射条件は、加速電圧60KV、
ビーム電流8mAの設定で約300μmのビーム径に集束
させ、パルス幅1.5ms、パルス周波数10Hzで1孔に
つき20パルスを繰り返した。導通部12の導体抵抗を
測定すると、すべての導通部12において10mΩ以下
であり、完全に導通が得られた。実施例6も実施例1と
同様な効果を有する。
【0035】実施例7 図7は実施例7によるプリント基板の導通部形成方法を
工程順に示した模式断面図であり、まず図7(a)に示
すようにガラスエポキシからなる厚さ220μmの絶縁
材料1の両側面に厚さ40μmの銅箔2a,2bを積層
して厚さ300μmのプリント基板3を形成し、次にプ
リント基板3に対して加工孔を形成することができる最
低パワー密度の短パルスビームを数十回以上照射し、図
7(b)に示すように銅箔2a,2b及び絶縁材料1に
孔2c,2e,1dを形成する。この際、銅箔2bにビ
ームが数十回以上照射されることにより、孔1d内の銅
の蒸気圧が上昇して銅が蒸発し、この蒸発銅が孔1dの
内壁に蒸着して導電性被膜13が形成される。このと
き、絶縁材料1と導電性被膜13との間には炭化物層は
ほとんど残留しなかった。
【0036】このときの電子ビームの照射条件は、加速
電圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約100μmのビ
ーム径に集束させ、パルス幅50μs、パルス周波数1
0KHz で1孔につき80パルスをくり返した。これによ
り、径100μmの孔2c,2eと径300μmで内壁
に導電性被膜13が形成された孔1dからなる貫通孔が
形成された。
【0037】次に、図7(c)に示すように、この貫通
孔に電子ビームをパルス発振により照射し、銅箔2a,
2bの孔1dの上下に突出した部分を除去し、孔2c,
2eを拡大した。このときの電子ビームの照射条件は、
加速電圧60KV、ビーム電流8mAの設定で約300μm
のビーム径に集束させ、パルス幅100μs、パルス周
波数10Hzで1孔につき3パルスを繰り返した。
【0038】次に、このように加工された基板3を脱
脂、活性化した後、図7(d)に示すように通常の電気
メッキ液(硫酸銅80g/l)を用い、銅箔2a,2b
及び導電性被膜13を陰極として1A/dm2 の電流で1
時間の電気メッキを行い、電気メッキ膜5を形成した。
これにより、貫通孔の内壁に導通部が形成され、この導
通部の導体抵抗を測定すると、すべての導通部において
導体抵抗が10mΩ以下であり、完全に導通が得られ
た。実施例7においても、無電解銅メッキを使用しない
ために工程を短縮でき、コストダウンが図れ、また導電
性被膜13と絶縁材料1との間に炭化物が残留しないた
めに導通信頼性が向上した。
【0039】実施例8 実施例7では図7(b)に示した孔あけ、蒸着工程にお
いてガラス板9や銅板10などの当て板を用いなかった
が、孔2c,1dが形成された後一たんビーム照射を止
め、基板3の表面に電子ビームを透過する当て板を密着
させた後再び電子ビームを照射することにより、蒸発し
た銅の孔外への流出が規制され、安定した導通部の形成
を行うことができる。
【0040】なお、図6に示した実施例6でも、ガラス
板9や銅板10などの当て板を用いることにより、同様
の効果を得ることができる。又、上記各実施例ではエネ
ルギビームとして電子ビームを用いたが、CO2 レーザ
などを用いても同様な効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1〜3によれば、無
電解銅メッキや電解銅メッキを使用しないので工程を短
縮でき、コストダウンを図ることができる。又、配線パ
ターン間、導体層間、あるいは各導体層とフイラーメタ
ルとが溶融接合されているので、導通信頼性を高めるこ
とができる。
【0042】又、請求項4によれば、無電解銅メッキを
使用しないために工程を短縮でき、コストダウンを図る
ことができる。又、絶縁材料とその孔の内壁に蒸着した
導電性被膜との間に炭化物が残留しないために導通信頼
性を高めることができる。
【0043】又、請求項5,6によれば、導体層などの
溶融や蒸着などの工程において、基板の表面や裏面に当
て板を密着した状態でエネルギビームを照射するので、
溶融物や蒸発物の加工部外への流出が規制され、溶融物
や蒸発物の量が確保されて導通部形成の安定化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図2】実施例1で用いた配線パターンの部分平面図で
ある。
【図3】実施例2による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図4】実施例3による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図5】実施例5による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図6】実施例6による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図7】実施例7による導通部形成方法を工程順に示し
たプリント基板の模式的断面図である。
【図8】従来の導通部形成方法を工程順に示したプリン
ト基板の模式的断面図である。
【図9】従来の導通部形成方法を工程順に示したプリン
ト基板の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁材料 1a〜1d,2c,2e 孔 2a,2b 銅箔 2d,7c,7d,12 導通部 3,8 プリント基板 5 電気メッキ膜 7a,7b 銅箔(配線パターン) 9 ガラス板 10 銅板 11 銅パウダ 13 導電性被膜
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ところが、この方法では無電解銅メッキの
工程があるため、メッキ液が高価になる、メッキ及びそ
の前処理の管理が複雑なため歩留りが悪い、設備費が高
額となる、メッキ中に発生する水素ガスが孔3aが微小
孔になるほど抜けにくく、析出不良が生じ易くなるなど
の問題あった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】YAGレーザの照射条件は、ピーク出力5
kwの設定で約1.5mmのビーム径に集束させ、パルス幅
1.5ms、パルス周波数10Hzで1孔につき20パル
スを繰り返した。導通部7dを得た後、ガラス板9及び
銅板10を取り外した。これにより、表裏面に凸部がな
い直径約500μmの導通部7dが得られた。導通部7
dの導体抵抗を測定すると、すべての導通部7dにおい
て10mΩ以下であり、完全に導通が得られており、実
施例1の効果の外に表裏面に凸部がない導通部7dが得
られるという効果がある。又、ガラス板及び銅板10を
設けたことにより、銅箔7a、7bを溶融した際に溶融
物が外部に流出し難くなり、導通部形成の安定化が図れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 義雄 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材料の両面に配線パターンを形成し
    て基板を形成する工程と、基板にエネルギビームを照射
    して絶縁材料を部分的に除去する工程と、絶縁材料除去
    部に残存した一対の配線パターンにエネルギビームを照
    射して溶融し、一体に接合する工程を備えたことを特徴
    とする導通部形成方法。
  2. 【請求項2】 絶縁材料の両面に導体層を積層して基板
    を形成する工程と、基板にエネルギビームを照射して少
    なくとも一方の導体層及び絶縁材料に孔を形成する工程
    と、基板にエネルギビームを照射して絶縁材料の孔のみ
    を拡大する工程と、一方の導体層における絶縁材料の孔
    に突出した部分にエネルギビームを照射してこの突出部
    分を溶融流動させ、他方の導体層と接合する工程を備え
    たことを特徴とする導通部形成方法。
  3. 【請求項3】 絶縁材料の両面に導体層を積層して基板
    を形成する工程と、基板にエネルギビームを照射して一
    方の導体層と絶縁材料に孔を形成する工程と、上記孔に
    フイラーメタルを充填する工程と、上記孔及びその周辺
    部にエネルギビームを照射して各導体層とフイラーメタ
    ルを溶融一体化する工程を備えたことを特徴とする導通
    部形成方法。
  4. 【請求項4】 絶縁材料の両面に導体層を積層して基板
    を形成する工程と、基板にエネルギビームを照射して上
    記各導体層及び絶縁材料に孔を形成するとともに、この
    際蒸発した導体を絶縁材料の孔内壁に蒸着させることに
    より導電性被膜を形成する工程と、この導電性被膜を電
    極として電気メッキを行って導電性被膜上に電気メッキ
    膜を形成する工程を備えたことを特徴とする導通部形成
    方法。
  5. 【請求項5】 上記した溶融又は蒸発工程において、基
    板の表面にエネルギビームを透過する当て板を密着さ
    せ、この当て板を透してエネルギビームを照射すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導通部形
    成方法。
  6. 【請求項6】 上記した溶融又は蒸発工程において、基
    板の裏面に当て板を密着させ、エネルギビームを照射す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導
    通部形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010183046A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd プリント基板及びその製造方法
US11051403B2 (en) 2019-01-31 2021-06-29 At&S Austria Technologie & Systemtechnik Aktiengesellschaft Overhang-compensating annular plating layer in through hole of component carrier

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