JPH10173318A - プリント基板の製造方法 - Google Patents

プリント基板の製造方法

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JPH10173318A
JPH10173318A JP8331285A JP33128596A JPH10173318A JP H10173318 A JPH10173318 A JP H10173318A JP 8331285 A JP8331285 A JP 8331285A JP 33128596 A JP33128596 A JP 33128596A JP H10173318 A JPH10173318 A JP H10173318A
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敦司 日野
Hitoshi Ishizaka
整 石坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板を製造するに際し、レーザー加
工による穴加工において生じた分解物残渣や加工残渣を
好適に除去できる製造方法を提供することにある。 【解決手段】 プリント基板1の樹脂層2にレーザー加
工にて貫通孔4を形成したのち、貫通孔4の周辺及びそ
の内部に付着している樹脂層材料の分解物残渣5および
/または加工残渣6を、レーザーアブレーション加工可
能な波長域のレーザー光(残渣除去用のレーザー光)7
を照射することによって除去してプリント基板を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板の製
造方法に関し、特に、レーザー加工による穴加工におい
て発生した残渣を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の多機能化と小型軽量化
に伴い、半導体分野においては配線回路のパターンが高
集積化され、多ピン及び狭ピッチのファインパターンが
採用されている。例えば、半導体素子を回路基板に直接
実装したり、フィルムキャリアや異方導電フィルム等を
介して外部基板上のランド部に実装する試みがなされて
いる。また、更に信頼性の高い電気的接続を得るため
に、上記回路基板、フィルムキャリア、異方導電フィル
ムなどの接続部位に、又は半導体素子などの検査に使用
されるプローブ構造の接続部位にバンプ接点と呼ばれる
突起電極を形成する事が要望されている。
【0003】このような要望に応えて、例えば特開平2-
129938号公報には、導電性回路が形成された絶縁性樹脂
フィルムの厚み方向に、レーザー加工によって微細な貫
通孔を形成し、この貫通孔にメッキなどの手段によって
接点材料となる金属物質を充填し、更に突出させてバン
プ接点を形成した回路基板の製造方法が提案されてい
る。また、絶縁性樹脂フィルムに微細な貫通孔を形成す
る際においては、通常エキシマレーザー、炭酸ガスレー
ザー、YAGレーザーといった比較的高出力のレーザー
が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにレーザー加工によって樹脂層に貫通孔を形成する
場合、アブレーション加工では、レーザー光を吸収した
樹脂層の材料が分解して樹脂分解物が生じ、これが分解
物残渣として貫通孔周辺に付着してしまう(図1(b)
参照)。その結果、電気メッキによりこの貫通孔に接点
材料を析出させて充填しさらに樹脂層表面から突起させ
てバンプ接点を形成する際に、貫通孔周辺に付着した分
解物残渣の主成分であるカーボンの導通により、バンプ
接点は部分的に貫通孔から樹脂層表面上を面方向に成長
してしまい、隣合うバンプ接点同士が短絡したり、形成
されたバンプ接点の高さや径が不揃いになる等の問題が
生じ、製品不良となるおそれがある。
【0005】また、樹脂層に対する貫通孔の形成に炭酸
ガスレーザーを使用した場合では、貫通孔の内部底面に
露出された導電性回路上に、ごく微量の加工残渣が発生
し(図1(b)参照)、そのためにバンプ接点の形成を
妨げるという問題も発生している。
【0006】上記のようなレーザー加工によって発生す
る分解物残渣や加工残渣は、ブラシ等を用いた機械的な
除去手段や、水や有機溶剤への浸漬処理や超音波振動を
用いた除去手段などでは十分に除去できない。特に、中
心間ピッチあるいは直径が数十μm以下の貫通孔を形成
する場合において、このような問題が顕著となる。
【0007】本発明の課題は、上記問題を解決し、プリ
ント基板を製造するに際し、レーザー加工による穴加工
(穿孔を含む。)において生じた分解物残渣や加工残渣
を好適に除去できる製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント基板の
製造方法は、次の特徴を有するものである。 (1) プリント基板の樹脂層にレーザー加工にて貫通
孔を形成したのち、貫通孔の周辺及びその内部に付着し
ている樹脂層材料の分解物残渣および/または加工残渣
を、レーザーアブレーション加工可能な波長のレーザー
光を照射することによって除去する工程を有することを
特徴とするプリント基板の製造方法。
【0009】(2) レーザーアブレーション加工可能
な波長のレーザー光の光源がエキシマレーザー装置であ
る上記(1)記載のプリント基板の製造方法。
【0010】(3) レーザーアブレーション加工可能
な波長のレーザー光の光源とプリント基板との間にビー
ム整形光学素子を設置し、樹脂層に形成された全ての貫
通孔およびその近傍部分に前記レーザー光を同時に照射
し得るように、該ビーム整形光学素子により、前記レー
ザー光のビームの断面形状(該ビームの進行方向に垂直
な断面の形状)を整形するものである上記(1)記載の
プリント基板の製造方法。
【0011】(4) ビーム整形光学素子により整形さ
れたレーザー光のビームの断面積が、プリント基板に設
けられた貫通孔の断面積の総和の200%〜10000
%である上記(3)記載のプリント基板の製造方法。
【0012】(5) ビーム整形光学素子が、回析光学
素子である上記(3)記載のプリント基板の製造方法。
【0013】(6) レーザーアブレーション加工可能
な波長のレーザー光の照射と同時に、酸素ガスおよび/
またはヘリウムガスを貫通孔の周辺及びその内部に吹き
つけるものである上記(1)記載のプリント基板の製造
方法。
【0014】以下、レーザーアブレーション加工可能な
波長のレーザー光を、単に「残渣除去用のレーザー光」
という。
【0015】
【作用】従来ではもっぱら穴加工法として用いられてい
たレーザーアブレーション加工法を、プリント基板の製
造工程中において、貫通孔の内部およびその周辺に付着
している分解物残渣や加工残渣の除去に用いることによ
って、従来では除去が困難であったこれらの残渣を好適
に除去できるようになる。
【0016】特に、ビーム整形光学素子を用い、残渣除
去用のレーザー光のビームの断面形状を整形することに
よって、プリント基板上における残渣除去の対象となる
全ての貫通孔に対して残渣除去用のレーザー光を同時に
照射させることができるようになり、残渣除去用のレー
ザー光をスキャンして本発明を実施する場合に比べて、
より短い時間で残渣を除去することができる。また、貫
通孔同士の間の樹脂層表面に照射され無駄になる残渣除
去用のレーザー光を、ビーム整形光学素子によって全て
各貫通孔に振り分けることも可能となるので、残渣除去
用のレーザー光を無駄無く活用することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法を図を用
いて詳細に説明する。図1は本発明の製造方法の一例を
示した図であり、各工程ごとに示している。なお、同図
では製品の断面を示しており、断面に現れた線だけを示
している。同図(a)は、プリント基板の製造工程にお
いて、樹脂層2の一方の面に導電層3を形成してなるプ
リント基板1に、貫通孔形成用のレーザー光9の照射に
より、貫通孔を形成している工程を示す図である。同図
(b)は、同図(a)で形成された貫通孔4の周辺及び
その内部に付着している分解物残渣5及び加工残渣6
に、更にレーザーアブレーション加工可能な波長のレー
ザー光(残渣除去用のレーザー光)7を照射する工程を
示す図である。同図(c)は、同図(b)に示す残渣除
去用のレーザー光7の照射により、上記分解物残渣5及
び加工残渣6が除去されたプリント基板1を示す図であ
る。同図(d)は、電気メッキにより導電層3を負極と
して、上記分解物残渣5及び加工残渣6が除去された貫
通孔4の内部に接点材料となる金属物質を充填し、更に
貫通孔4から突出させてバンプ接点8を形成する工程を
示す図である。
【0018】プリント基板は樹脂層を有するものであれ
ば良く、樹脂層のいずれかの面又は内部には導電層が形
成されていても良い。また導電層は導電性回路として形
成されていても良い。導電層又は導電性回路の形成は、
樹脂層に対する貫通孔の形成又は残渣除去の前後のいず
れであっても良く、特に限定されるものではない。樹脂
層は、レーザ装置より出力されたレーザー光により孔が
形成されるものであり、且つ、電気絶縁性を有するもの
であれば、特に限定されるものではなく、ポリエステル
系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂や熱可塑性
樹脂を問わず目的に応じて選択できる。これらの樹脂の
うち、優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度を有したポ
リイミド系樹脂が好ましい。また、樹脂層の厚みは限定
されるものでなく任意に選択できるが、厚み精度(バラ
ツキ)やレーザー加工性の点から5μm〜200μmと
するのが好ましく、10μm〜100μmとするのが特
に好ましい。
【0019】導電層としてはスパッタリングや蒸着等に
より積層したもの、予め層状に形成された金属箔等を用
いれば良い。導電層の材料としては、導電性を有する金
属であれば限定されないが、銅、金、ニッケル、鉄、
銀、パラジウムあるいはそれらの合金等が挙げられる。
また、導電層を導電性回路として形成するのであれば、
公知の形成方法であるサブトラクティブ法やアディティ
ブ法等により行えば良い。
【0020】プリント基板の樹脂層に貫通孔を形成する
レーザー装置としては、特に限定されないが、照射出力
が大きなレーザー光を出力できるものが好ましく、エキ
シマレーザー装置、炭酸ガスレーザー装置、YAGレー
ザー装置等が挙げられる。また、貫通孔の形成には上記
レーザー装置から出力されるレーザー光の高調波等を用
いたドライエッチング加工を利用しても良い。これらの
内、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長3
08nmのXeClエキシマレーザー及びYAGレーザ
ーの高調波の様な紫外レーザーを使用した場合は、高い
アスペクト比が得られ微細な穿孔加工ができるので好ま
しい。
【0021】上記貫通孔の形成方法としては、貫通孔の
形状や配置パターン等に対応した光通過孔(例えば、
丸、四角、菱形等の形状の孔)が設けられたマスクを通
してレーザー光を照射して貫通孔を形成するマスク転写
法が挙げられる。また、マスク転写法には、マスクを樹
脂層に密着して重ね合わせるコンタクトマスク法および
コンフォーマルマスク法、マスクとプリント基板との間
に結像レンズを配置してレーザー光を樹脂層に結像させ
るマスク投影法等がある。更に、形成方法としてはスポ
ットを絞ったレーザー光を樹脂層に直接照射して貫通孔
を形成する方法も挙げられる。
【0022】残渣除去用のレーザー光は、貫通孔の周辺
及びその内部に付着している樹脂材料の分解物残渣およ
び/または加工残渣を除去し得るレーザー光、即ちレー
ザーアブレーション加工が可能な波長のレーザー光であ
れば良い。レーザー光の波長は照射の対象となる残渣の
材料に応じて200nm〜400nm程度が用いられ
る。また、その光源は上記のレーザー光を出力するレー
ザー装置であれば良く、エキシマレーザー装置が挙げら
れ、特に発振波長308nmのXeClエキシマレーザ
ー装置、発振波長248nmのKrFエキシマレーザー
装置が好ましい。その他にYAGレーザーの第三、第四
高調波を発生させる装置や、Arイオン、Krイオンの
第二高調波を発生させる装置等が挙げられる。
【0023】また、残渣除去用のレーザー光は、照射面
におけるエネルギー密度が200mJ/cm2 以上であ
るのが、残渣の分解エネルギーのしきい値の点から好ま
しい。更に、残渣除去用のレーザー光の照射は、一つの
照射対象に対して複数回に分けて行っても良い。特に、
後述する一括して全貫通孔に対し照射を行なう場合で
は、照射は複数回に分けて行なうのが好ましく、この場
合の照射回数は20ショット以下、好ましくは10ショ
ット以上とするのが良い。また、残渣除去用のレーザー
光の照射は、レーザー光の照射によって掘り下げられる
樹脂層の厚みが3μm以下、好ましくは2μm以下、特
に好ましくは1μm以下となるように調整するのが良
い。また、残渣除去用のレーザー光の照射においても、
前述した貫通孔の形成と同様に、マスクを通して照射す
るマスク転写法を用いても良い。
【0024】図2は、本発明の製造方法における残渣除
去工程の一例を示す図であり、樹脂層2の面に対する残
渣除去用レーザ光の照射領域を示している。なお、樹脂
層2の外形については省略して示しており、残渣除去用
レーザー光としてはエキシマレーザー光を使用してい
る。同図(a)は、貫通孔4の配置パターン10とレー
ザー光のビームの断面(該ビームの進行方向に垂直な断
面)11、即ち照射領域との対比を示している。また、
同図(a)に示すように一般的なエキシマレーザー光の
ビーム断面11は矩形であり、大きさは25mm×15
mm程度である。従って、照射対象となる全ての分解物
残渣5を除去するにはビームを移動させてスキャンを行
なう必要がある。同図(b)は、照射対象に対しスキャ
ンを行っているところを示す図であり、レーザーの照射
位置が貫通孔4の配置パターン10を順次たどるように
(同図(b)の例では矢印に示した経路)スキャンを行
っている。同図(c)は、レーザー光のビームをビーム
拡大光学系によって拡大して樹脂層に照射する例を示し
ている。
【0025】図3は、本発明の製造方法における残渣除
去工程の他の例を示した図であり、ビーム整形光学素子
12を用いた例について示している。同図の例では、光
源13から出力された残渣除去用のレーザー光7はビー
ム整形光学素子12を通り、ビーム整形光学素子により
ビームの断面が整形されたレーザー光7は全ての貫通孔
4およびその近傍部分を同時に照射して、分解物残渣5
および加工残渣6を除去している。なお、14はレーザ
ーの出力を連続的に変化させる機能を持つバリアブルア
ッテネーターである。
【0026】図4は、図3に示す工程における樹脂層2
の面に対するレーザー光の照射領域を示す図である。な
お、残渣除去用レーザー光としては、エキシマレーザー
光を使用している。同図(a)、(b)、(c)に示す
ように、ビームの断面11(照射領域)はビーム整形光
学素子により、照射対象となる樹脂層2に形成された全
ての貫通孔4およびその近傍部分に、同時にレーザー光
が照射されるように整形されている。このようにビーム
の断面11を整形することにより、エネルギーの利用効
率は高くなり、且つ、バンプ接点の形成時に完全に残渣
が除去されている必要のある貫通孔周辺部を効率的に照
射できる。また、照射対象に対して一括して照射するた
めに、スキャンを行なう場合に比べて、レーザー光の照
射により一旦舞い上がった残渣が再度付着することをよ
り抑制できる。
【0027】一方、被加工物がポリイミドシロキサンの
場合、炭素を主成分とする残渣は本発明の方法により、
除去されるが、ポリシロキサンを主成分とする残渣は除
去されずに残る場合がある。しかしながら、この場合
は、その後、40KHz、1000W程度の超音波を使
った水洗浄により、容易に除去できる。
【0028】図4に示すように一括して照射対象を照射
する場合においては、ビーム整形光学素子により整形さ
れたレーザー光のビームの断面の面積は、プリント基板
の樹脂層に設けられた貫通孔の断面積(該貫通孔の長手
方向に垂直な断面の面積)の総和の200%〜1000
0%となるように設定するのが、残渣の再付着を防ぐ点
より好ましく、400%〜6000%となるように設定
するのが特に好ましい。
【0029】ビーム整形光学素子は、所望の形状にビー
ムの断面を整形できるものであれば良いが、貫通孔4の
配置パターン10が図4(a)に示すようなライン状で
あるならば、組合せレンズによるビームホモジナイザー
を使用することができる。なお、ビームホモジナイザー
とは、適当なレンズを組み合わせることにより、レーザ
ービームをライン状あるいは矩形状に均一に整形するも
のである。また、貫通孔の配置パターン10が同図
(b)に示すようなロの字型、又は同図(c)に示すよ
うなアレイ状であるならば、上記のようなレンズの組合
せでは不可能であり、この場合ではビーム整形光学素子
としては、回析光学素子(ディフラクティブオプティカ
ルエレメント)を単体、又は他のレンズ系との組み合わ
せで用いるのが好ましい。なお、回析光学素子とは、コ
ンピュータ計算による設計に基づいてガラス表面に形成
した微細な凹凸による光の回析現象を利用して、レンズ
機能や光強度分布変換機能等を付与した光学素子であ
る。
【0030】残渣除去用のレーザー光の照射時において
は、同時に連動して、酸素ガスおよび/またはヘリウム
ガスを照射領域に吹き付けるのが好ましい。このような
ガスを吹き付けることにより、特にレーザー光の照射領
域の外周に付着する微量の分解物残渣等の発生を抑制す
ることができるので好ましい態様となる。なお、貫通孔
形成用のレーザー光の照射時においてもガス吹きつけを
行っても良いが、照射時間が長い為に、コスト或いは安
全上の点を考慮する必要がある。但し、残渣除去用のレ
ーザー光の照射時においては、照射時間は上記の場合の
1/10〜1/100以下であるため、上記の点は考慮
する必要が少ない。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。 実施例1 〔貫通孔の形成〕波長308nm、408mJ/パルス
のXeClエキシマレーザーを光源とし、1/5倍率の
結像レンズを用いた縮小転写光学系において、マスク転
写法により、一辺が50mmの正方形の辺上に直径25
0μmの光通過孔が、一辺につき50個、計200個設
けられた、表面にクロム蒸着を行なった石英ガラスの板
材(厚さ2mm)をマスクとして、マスク上にレーザー
光を照射し、結像レンズを通してプリント基板上に照射
し、プリント基板の樹脂層に一辺が10mmの正方形の
辺上に並ぶように直径50μmの貫通孔を一辺につき5
0個、計200個同時に形成した。プリント基板として
は、厚さ25μmのポリイミド樹脂層の一方の面に厚さ
18μmの銅層が形成されたものを用いた。また、上記
で形成された貫通孔の周辺部は、貫通孔の縁から貫通孔
の中心より約0.5mmの範囲にわたって黒く分解物残
渣が付着していた。
【0032】〔残渣除去工程〕上記で形成したロの字型
に配置された貫通孔及びその周辺部に、波長248n
m、300mJ/パルスのKrFエキシマレーザーを光
源として、レーザー光を出力し、レーザー光を回析光学
素子を通すことによって、形状が四角形(25mm×1
0mm)のビーム断面を上記貫通孔の配置パターンに対
応したロの字型(外側形状:10.5mm×10.5m
m、内側形状:9.5mm×9.5mm)に整形し、レ
ーザーの出力を連続的に変化させる機能を持つバリアブ
ルアッテネーターによりプリント基板の樹脂層上におけ
るエネルギー密度が500mJ/cm2 となるように調
整して、繰り返し周波数200Hzにてプリント基板に
5ショット照射したところ、照射領域の分解物残渣は完
全に除去されていた。なお、この時のビームの断面積は
20mm2 であり、貫通孔の断面積の総和は0.39m
2 であり、ビームの断面積は貫通孔の断面積の総和の
約5130%であった。また、この時の樹脂層の掘れ深
さは1.5μmであった。
【0033】次に、上記の残渣除去用のレーザー光が照
射された領域の外周に付着した微量の分解物残渣を水中
にて超音波併用で洗浄した後、電気メッキにより貫通孔
に銅メッキを行い、バンプ接点を形成した。バンプ接点
には変形、異常成長といった問題は全く発生しておら
ず、良好なバンプ接点が形成されていた。
【0034】実施例2 貫通孔形成用のレーザー光の光源として波長248n
m、350mJ/パルスのKrFエキシマレーザーを用
い、残渣除去用のレーザー光の光源として波長308n
m、450mJ/パルスのXeClエキシマレーザーを
用い、プリント基板の樹脂層上における残渣除去用のレ
ーザー光のエネルギー密度を500mJ/cm2 に調整
し、繰り返し周波数200Hzにて1ショット照射し、
残渣除去用のレーザー光の照射と同時に照射面から10
mmの所に設置したノズルより1000cc/分の流量
でヘリウムガスを吹きつけた以外は実施例1と同様にし
てプリント基板の製造を行なったところ、照射領域の分
解物残渣は完全に除去されていた。なお、実施例1と同
様に、ビームの断面積は貫通孔の断面積の総和の約51
30%であった。またこの時の樹脂層の掘れ深さは1.
5μmであった。次に、電気メッキにより貫通孔にニッ
ケルメッキを行い、バンプ接点を形成した。バンプ接点
には変形、異常成長といった問題は全く発生しておら
ず、良好なバンプ接点が形成されていた。
【0035】実施例3 実施例1で用いたプリント基板に、炭酸ガスレーザーに
よるガルバノスキャノン法によって、直径200μmの
貫通孔をピッチ0.5mmで、縦10孔×横10孔、合
計100孔のエリアアレイ(マトリックス)状に形成し
た。このアレイ状に形成した貫通孔及びその周辺部に、
波長248nm、250mJ/パルスのKrFエキシマ
レーザーを光源として、レーザー光を出力し、レーザー
光を回析光学素子を通すことによって、形状が四角形
(25mm×10mm)のビーム断面を上記貫通孔の配
置パターンに対応したピッチ0.5mm、直径400μ
m、10×10のアレイ状に整形し、レーザーの出力を
連続的に変化させる機能を持つバリアブルアッテネータ
ーによりプリント基板の樹脂層上におけるエネルギー密
度が1000mJ/cm2 となるように調整して、繰り
返し周波数200Hzにてプリント基板に2ショット照
射したところ、照射領域の分解物残渣は完全に除去され
ていた。なお、この時のビームの断面積は12.56m
2 であり、貫通孔の断面積の総和は3.14mm2
あり、ビームの断面積は貫通孔の断面積の総和の400
%であった。また、この時の樹脂層の掘れ深さは1.0
μmであった。
【0036】次に、上記の残渣除去用のレーザー光が照
射された領域の外周に付着した微量の分解物残渣を水中
にて超音波併用で洗浄した後、電気メッキにより貫通孔
の内部底面に金メッキを行なったところ、良好なメッキ
面が得られた。
【0037】比較例1 回析光学素子を通ったビーム断面の形状を直径250μ
m、ピッチ0.5mm、10×10のアレイ状に整形し
た以外は、実施例3と同様にしてレーザー光を照射し、
金メッキを行なったところ、エッジ部分に金メッキの異
常析出が発生していた。なお、ビームの断面積は貫通孔
の断面積の総和の156%であった。
【0038】比較例2 実施例1において残渣除去用のレーザー光の照射を行わ
ないで、同様にバンプ接点を形成したところ、バンプ接
点の異常成長により隣合うバンプ接点同志が繋がってし
まい、正常なバンプ接点が形成されなかった。
【0039】比較例3 実施例3において残渣除去用のレーザー光の照射を行わ
ないで、プリント基板を過マンガン酸カリウム水溶液に
浸漬後、超音波併用にて水洗いを行なったところ、貫通
孔周辺の分解物残渣はきれいに除去できた。しかしなが
ら、実施例3と同様に金メッキを施した所、金メッキが
のらない部分があった。この部分の貫通孔の内部底面を
顕微鏡にて細かく観察した所、内部底面に薄くポリイミ
ド樹脂の加工残渣が残存していた。
【0040】上記実施例及び比較例から分かるように、
本発明の製造方法により製造されたプリント基板におい
ては、分解物残渣及び加工残渣が除去されている。
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法で製造されたプリント
基板においては、貫通孔の内部およびその周辺に付着し
ている分解物残渣及び加工残渣を除去しているため、変
形や異常成長のないバンプ接点を形成することができ
る。また、残渣除去工程において、ビーム整形光学素子
を用いた場合においては、短時間で残渣除去ができるた
め、製造コストの低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例を示した図である。
【図2】本発明の製造方法における残渣除去工程の一例
を示す図である。
【図3】本発明の製造方法における残渣除去工程の他の
例を示した図である。
【図4】図3に示す工程における樹脂層の面に対するレ
ーザー光の照射領域を示す図である。
【符号の説明】
1 プリント基板 2 樹脂層 3 導電層 4 貫通孔 5 分解物残渣 6 加工残渣 7 残渣除去用のレーザー光

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板の樹脂層にレーザー加工に
    て貫通孔を形成したのち、貫通孔の周辺及びその内部に
    付着している樹脂層材料の分解物残渣および/または加
    工残渣を、レーザーアブレーション加工可能な波長のレ
    ーザー光を照射することによって除去する工程を有する
    ことを特徴とするプリント基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 レーザーアブレーション加工可能な波長
    のレーザー光の光源がエキシマレーザー装置である請求
    項1記載のプリント基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 レーザーアブレーション加工可能な波長
    のレーザー光の光源とプリント基板との間にビーム整形
    光学素子を設置し、樹脂層に形成された全ての貫通孔お
    よびその近傍部分に前記レーザー光を同時に照射し得る
    ように、該ビーム整形光学素子により、前記レーザー光
    のビームの断面形状(該ビームの進行方向に垂直な断面
    の形状)を整形するものである請求項1記載のプリント
    基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 ビーム整形光学素子により整形されたレ
    ーザー光のビームの断面積が、プリント基板に設けられ
    た貫通孔の断面積の総和の200%〜10000%であ
    る請求項3記載のプリント基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビーム整形光学素子が、回析光学素子で
    ある請求項3記載のプリント基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 レーザーアブレーション加工可能な波長
    のレーザー光の照射と同時に、酸素ガスおよび/または
    ヘリウムガスを貫通孔の周辺及びその内部に吹きつける
    ものである請求項1記載のプリント基板の製造方法。
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