JPH061756Y2 - 玩具自動車用二極モ−タ動力装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は玩具自動車において二極モータを車輪からの
回転により起動させると共に、該モータを動力減として
車輪を駆動させて走行し、かつ衝突など制動で走行を停
止させる動力装置に関する。

従来の技術 モータ軸を一定以上の周回転を与えると回転を持続し、
一定以下になると突然停止し、スイッチレスで使用でき
るように二極モータは開発されたものである。

考案が解決しようとする課題 二極モータは前述のように特徴があるが、その故に起動
および停止に特有のくせが生じ、作動に確実性がなく、
一般に普及しない欠点となっていた。

すなわち、二極モータは、所要の間隔で対応する二極の
界磁と、その間に回転自在に配される二極の電機子とか
らなると共に、界磁に電機子の両極が最短位置に磁力作
用でけん引されて停止する状態で、整流子と給電ブラシ
とが９０°相ごして互に接触しないように設けられるも
のであるから、起動しがたく、また負荷が一定以上にな
ると停止する性能をもっている。

この考案はこの二極モータを用いて、車輪の回転で容易
に起動し、衝突その他の制動で確実に停止し、ゼンマイ
動力玩具の捲締操作の煩雑をなくし、また走行持続性を
飛躍的に向上させ、面白味を倍加した走行玩具の提供を
目的とするものである。

課題を解決するための手段 二極モータのモータ軸上のピニオンギヤと噛合するギヤ
を周面に、軸心と同心の環状鋸歯を一側面に形成される
クラッチギヤを設け、クラッチギヤを鋸歯型冠歯車を固
定した駆動車軸に回転自在に遊支し、クラッチギヤの他
側面より圧接する拡張スプリングの圧力で環状鋸歯を鋸
歯型冠歯車に噛合し、駆動車軸の回転をスリップするこ
となく確実にクラッチギヤを介しモータ軸上のピニオン
ギヤに伝達し、二極モータを回転起動を可能に設けると
共に、その二極モータの電動回転を駆動車軸に伝達して
走行し、さらに駆動車軸に制動を受けるとき、二極モー
タを減速すると共に二極モータの回転をスリップ可能と
し、二極モータの電機子を界磁と最短平行位置まで戻り
回転をして停止するてなることを特徴とする、玩具自動
車用二極モータ動力装置にある。

作用 この考案は、前述のように構成されるものであるから、
駆動車輪に車輪が取付けられていれば、これを回転した
とき、その回転をスリップすることなく確実にクラッチ
ギヤに伝達し、クラッチギヤからピニオンギヤに伝達
し、ピニオンギヤが取付けられるモータ軸を回転し、二
極モータを確実に起動し、その起動後は、二極モータの
回転を反対にクラッチギヤを中継して駆動車軸に伝達
し、例えば車両を走行し、そして走路障害により駆動車
軸に制動をうけると、二極モータを減速すると共に、二
極モータの回転をスリップし、最後にクラッチギヤを逆
転し、二極モータの電機子を界磁と最短平行位置まで戻
り回転をして停止するものである。

実施例 以下この考案を実施の一例である図面により説明する
と、１は二極モータ、２はクラッチギヤで、前記二極モ
ータ１のモータ軸３上のピニオンギヤ４と噛合するギヤ
を周面に、軸心と同心の環状鋸歯７を一側面に形成して
いる。

前記クラッチギヤ２は、鋸歯型冠歯車６を圧入固着した
駆動車軸５に遊支すると共に、環状鋸歯７を前記鋸歯型
冠歯車６に拡張スプリング８の作用で連接し、駆動車軸
５の回転をスリップすることなく確実にクラッチギヤ２
を介しモータ軸上のピニオンギヤ４に伝達し、二極モー
タ１を回転起動を可能に設けると共に、その二極モータ
の電動回転を駆動車軸５に伝達し、その駆動車軸５に制
動を受けると、二極モータ１を減速すると共に、二極モ
ータ１の回転をスリップし、停止させ、必要により二極
モータの電機子を界磁と最短平行位置まで戻り回転をし
て停止するように設けたものである。尚、９、は車輪、
(10)は車体である。この考案は前記のように構成される
ものであるから、起動時には、車体を勢いよく前進させ
ることによって車輪９を回転し、駆動車軸５上の冠歯車
６の回転を噛合結合したクラッチギヤ２に伝達し、この
回転方向では軸方向と平行の面が突合するのでスリップ
を全く生じさせないでクラッチギヤ２に回転を伝達す
る。クラッチギヤ２はモータ軸３のピニオン４を回転
し、二極モータ１を回転する。この回転が一定周速に達
すると二極モータ１は電動回転となり、回転をクラッチ
ギヤ２、車軸５と伝達し、例えば玩具自動車(11)を電動
走行させる。そして衝突によって車輪９に回転抵抗が与
えられると、クラッチギヤ２と冠歯車６とは相互に鋸歯
の傾斜噛合面が拡張スプリング８の圧力を受けて維持で
きる範囲内で車軸５からの制動力を伝達し、二極モータ
を瞬時に減速する。さらに車軸５が例えば車軸９が回転
を阻止されて停止したとき、二極モータからの回転力で
クラッチギヤ２は軸方向に拡張スプリング８を圧縮し噛
合面をスリップさせることができる。したがって、車輪
９からの制動で、車軸５が停止しても二極モータ１の電
機子が界磁に対して最短位置まで磁力作用でけん引され
て回転することができ、整流子は給電ブラシと接触しな
い位置まで回転することができ、二極モータ１の給電回
路が開放されて定位置で停止する。

考案の効果 この考案は前述のようになるものであるから、車輪を回
転して原動機である二極モータを容易に起動させること
ができ、起動した玩具自動車11を走路面に置いたときに
生ずる制動抵抗を受けても、クラッチギヤと冠歯車との
傾斜噛合面の遊転クラッチ作用で、二極モータを停止す
るまでに減速させることがなく、走行を開始させること
ができ、そして衝突などで急激な制動を受けたときに
は、モータ軸のみが車輪に対して空転して、二極モータ
特有の回転停止位置まで電機子を回転させることができ
るので、給電回路を確実に開放し、停止させるものであ
る。

よって、この考案は電池電力により走行させるから、ゼ
ンマイ動力に比較して飛躍的に走行距離を増加させ、ま
たスイッチ操作がいらなく単に車輪を回転させるだけで
起動し、その起動操作を楽しむことができ、しかも、衝
突などで走行障害を受けると、給電が開放されて電動回
路は自動的に停止し、操作上趣興に富むと同時に無駄な
電力消費がなく、操作性と走行性能優れた目新しい玩具
自動車を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案装置の要部の分解斜視図、第２図は玩
具自動車の実施例を示す側面図である。 １…二極モータ、２…クラッチギヤ、３…モータ軸、４
…ピニオンギヤ、５…駆動車軸、６…鋸型冠歯車、７…
環状鋸歯、８…拡張スプリング、９…車輪、10…車体、
11…玩具自動車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二極モータのモータ軸上のピニオンギヤと
   噛合するギヤを周面に、軸心と同心の環状鋸歯を一側面
   に形成されるクラッチギヤを設け、クラッチギヤを鋸歯
   型冠歯車を固定した駆動車軸に回転自在に遊支し、クラ
   ッチギヤの他側面より圧接する拡張スプリングの圧力で
   環状鋸歯を鋸歯型冠歯車に噛合し、駆動車軸の回転をス
   リップすることなく確実にクラッチギヤを介しモータ軸
   上のピニオンギヤに伝達し、二極モータを回転起動を可
   能に設けると共に、その二極モータの電動回転を駆動車
   軸に伝達して走行し、さらに駆動車軸に制動を受けると
   き、二極モータを減速すると共に二極モータの回転をス
   リップ可能とし、二極モータの電機子を界磁と最短平行
   位置まで戻り回転をして停止することを特徴とする、玩
   具自動車用二極モータ動力装置。