JPH0617515Y2 - 玩具自動車などの二極モ−タ動力装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、玩具自動車など走行玩具を二極モータより
駆動させる動力装置に関する。

従来の技術 スイッチレスモータとして二極モータは開発されている
が、回転停止が確実でなく、電池を消耗させてしまう欠
点があるため、玩具に利用されることがほとんどなかっ
た。

考案が解決しようとする課題 この考案で新しく開発した二極モータは、第４図に示す
ように、永久磁石界磁21、22を両側に対設し、その間に
二極の電機子23を回転軸24に軸架し、回転自在に配設
し、常時は界磁21、22により電機子23の両極を最短にけ
ん引し、停止する。また回転軸24に対して左右から給電
ブラシ25、26を対設し、これと接離する整流子片27、28
を電機子23の停止時に90°交叉させて回転軸24上に設け
ている。

この二極モータを小形の玩具自動車に装架し、車輪軸と
伝動歯車で関連して走行させ、衝突により車輪へ制動を
加えるとほとんどの場合は停止するが転倒して底面が上
となったとき、車輪が空転し、二極モータが停止しない
場合がある。また車体が固持されて車輪が停止し電機子
24を界磁21、22の中間の給電状態とし、電池29を消耗さ
せてしまう場合がある。

この考案は車輪の制動ショックを二極モータに伝達し、
回転を所定以下に減速して確実に二極モータを停止させ
ることにある。そして簡単な起動と電池電力による活発
で力強い走行と、衝突その他制動作動による確実な停止
をなす玩具自動車など走行玩具を提供しようとするもの
である。

課題を解決するための手段 モータ軸上のピニオンギヤと噛合するギヤを駆動車軸の
軸回りに遊支し、ギヤに車軸と同心の弧状長溝を所用角
設け、弧状長溝に嵌入するピンを駆動車軸に固着された
支板もしくは車輪の対応内面に設けてなる遊転停止機構
を付設したことを特徴とする、玩具自動車などの二極モ
ータ動力装置にある。

実施例 以下、この考案を実施例である図面により説明すると、
１はミニカートーイで、車体２の前後に支承された前後
の車軸３、４に、前車輪５と後車輪６とを固着し、遊転
自在に設けられる。

車体２の後部に二極モータ７を取付け、該モータ７のモ
ータ軸８に固着したピニオンギヤ９を後車輪ボス10に遊
支されたギヤ11と噛合させると共に、ギヤ11に後車軸４
と同心半径の弧状長溝12を所要長さ設け、この弧状長溝
12に、このギヤ11と対面する後車輪６の内面に固設した
ピン１３をスライド可能に嵌入し、ギヤ11と後車輪６と
を連結してなるものである。そして、後車輪ボス10に遊
支されたギヤ11と、該ギヤ11に設けられた弧状長溝12
と、該長溝12にスライド可能に嵌入するピン13を固設し
た後車輪６とから二極モータ遊転停止機構が構成される 作用 この考案は前述のように構成されるものであるから、ミ
ニカートーイを持って前方に振り床面に接触して前後車
輪５、６を回転し、後車輪６のピン13をギヤ11の弧状長
溝12の前進回転側端に当接し、ギヤ11に回転を伝達し、
一体に回転する。そこでこのギヤ11の周面に噛合するピ
ニオンギヤ９を実施例では略３倍程度増速回転する。よ
って二極モータ７は車輪の回転駆動により高速回転し、
高速電動回転をする。そこで、回転力をピニオンギヤ９
からギヤ11に伝達しギヤ11から後車輪６には、ギヤ11が
弧状長溝12巾空転し、該ギヤの弧状長溝12の後端をピン
13に当接し、ピン13に回転を伝達し、後車輪６を回転し
て走行する。

次に走行するミニカートーイが障害に衝突すると、前後
車輪５、６には急制動が加えられ瞬間に一定限度以下の
回転速度まで降下させる。そこで二極モータ７の電動回
転しようとする力を阻止し、電機子が界磁と界磁との中
間まで回転し、その際回転力が一定限度以下まで減衰し
ていると、界磁の強力な磁力作用に負けて逆回転力が作
用する。このとき、ピン１３は後端側で当接しているか
ら前端側は空いており、したがって、逆転作用が電機子
に作用すると電機子は逆回転し、ピニオンギヤ９を介し
てギア11を弧状長溝12の溝長分だけ自由に戻ることがで
き、二極モータ７の電機子を界磁に対して、それら界磁
の中間からその磁力作用によって最短位置に逆回転し、
かつその位置に保持することができ、給電ブラシに対し
て整流子片の接触をなくし、電池との接続をオフとし、
二極モータ７の回転を停止する。よって、ミニカートー
イは走行中衝突その他によって車輪に回転抵抗を受ける
と二極モータ７への給電が開放されて瞬間に停止するも
のである。

前記実施例では後車輪（駆動車輪）６の一方の内側に突
出するボス10に支承したが、その構成に限定されるもの
ではなく、また、ギヤ11と車輪６との関連もギヤ11の弧
状長溝12に車輪６の突出ピン13を嵌合する構成に限定す
るものではなく、例えば、第４図に示すように二極モー
タ７のモータ軸８上のピニオンギヤ９と噛合するギヤ14
を後車軸６に遊支し、該ギヤ14に設けられた弧状長溝15
に嵌入するピン16を後車軸６に固着された支板17に固設
してもようものである。

効果 以上、車体が衝突により制動を掛けられたときに、この
考案では車輪と二極モータとの間の伝動機構中にフリー
機構が付設されているから、二極モータの電機子は磁力
作用で逆半回転をなして整流子片と給電ブラシとの接触
をなくして確実に電力回転を停止させることができ、転
倒により車輪が自由となって停止せず、そのまま回転が
持続することや車輪が固定されて二極モータが給電状態
で停止し、電池を消耗することなどのおそれが解消され
るものである。

また、この考案ではスイッチを操作することなく、車体
を走行させることにより車輪に回転を付して原動機であ
る二極モータを起動回転し、これを原動力の車輪を回転
し、電池電力によりハイスピードで、力強く、長く走行
させ、ゼンマイ動力の僅かに数秒で終る作動に比較し、
走行興味を倍加するものである。

よって、新しい形式の二極モータの遊転停止機構を付設
した動力装置による趣興に富む玩具自動車などを提供で
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、あって、第１図
はこの考案装置を装備した玩具自動車の平面図、第２図
は第１図Ａ−Ａ線に沿う横断面図、第３図は装置要部の
分解斜視図、第４図は別の実施例を示す分解斜視図、第
５図イ、ロは作動説明図でイは起動時、ロは二極モータ
回転伝動時を示すものである、第６図は電機回路図であ
る。 １……ミニカートーイ、２……車体、３……前車軸、４
……後車軸、５……前車輪、６……後車輪、７……二極
モータ、８……モータ軸、９……ピニオンギヤ、10……
ボス、11、14……ギア、12、15……弧状長溝、13、16…
…ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータ軸上のピニオンギヤと噛合するギヤ
   を駆動車軸の軸回りに遊支し、ギヤに車軸と同心の弧状
   長溝を所用角設け、弧状長溝に嵌入するピンを駆動車軸
   に固着された支板もしくは車輪の対応内面に設けてなる
   遊転停止機構を付設したことを特徴とする、玩具自動車
   などの二極モータ動力装置。