JPH06175387A - カプセルトナー - Google Patents

カプセルトナー

Info

Publication number
JPH06175387A
JPH06175387A JP43A JP35237792A JPH06175387A JP H06175387 A JPH06175387 A JP H06175387A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 35237792 A JP35237792 A JP 35237792A JP H06175387 A JPH06175387 A JP H06175387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
core substance
toner
copolymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP43A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2762883B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Inaba
義弘 稲葉
Tsutomu Kubo
久保  勉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP4352377A priority Critical patent/JP2762883B2/ja
Publication of JPH06175387A publication Critical patent/JPH06175387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2762883B2 publication Critical patent/JP2762883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯物質の密封性が優れていて、カプセル化が
容易であり、粒度分布に優れ、外殻の修飾によりトナー
の帯電性制御が容易にでき、しかも圧力定着性が良好
で、カラーに適したカプセルトナーを提供する。 【構成】 カプセルトナーは、芯物質が少なくとも下記
一般式(I)で表される単量体成分からなる重合体また
は共重合体を含有し、かつ外殻が脂肪族または脂環式イ
ソシアナートとポリアミン、ポリオール等との反応生成
物を含有する。上記共重合体としては、一般式(I)お
よび(II)で表される各単量体成分からなるものが好ま
しい。 【化1】 【化2】 CH2 =CR3 −CO−Y2 −(CH2 n CH3 (II) (式中、R1 、R3 は水素原子またはメチル基、R2
水素原子またはアルキル基、Y1 、Y2 は−O−または
−NH−、Xは−O−または−CH2 −を示す。また、
mは0〜8の整数、nは1〜17の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法あるいは磁気記録法などにおいて、電気的あるいは磁
気的な潜像を現像するために使用されるマイクロカプセ
ルトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体、静電記録体等の
表面に形成された静電荷画像を現像するための電子写真
用トナーの1つとして、芯物質と外殻とから形成された
マイクロカプセルトナーは知られており、種々の提案が
なされている。この中でも、特開昭57−179860
号、同58−21259号、同58−66948号、同
59−148066号、同62−227161号公報に
は、界面重合を利用したカプセルトナー技術が開示され
ている。この技術は他の技術と比較して、芯物質の密封
性が優れていること、芯物質の自由度が広いこと、カプ
セル化が容易なこと、粒度分布が比較的よいこと、外殻
の修飾によりトナーの帯電性制御が容易にできること
等、数々の長所を備えている。一方、芯物質としては、
特開昭57−41647号や同57−185444号公
報にワックス類、特開昭58−145964号や同59
−172654号公報にアクリル酸またはメタクリル酸
の脂肪族エステル重合体と高沸点溶剤の混合液、特開昭
51−119231号や同59−159177号公報に
長鎖アルキル基を有する軟質樹脂が開示されている。
【0003】しかしながら、上記技術を圧力定着用のカ
ラーカプセルトナーに適用する場合、幾つかの問題点が
生じることが判った。すなわち、界面重合で形成された
カプセル外殻は一般に屈折率が高く、ワックス類、アク
リル酸またはメタクリル酸の脂肪族エステル重合体、長
鎖アルキル基を有する軟質樹脂等は比較的屈折率が低
い。したがって、このような屈折率の低い物質を芯物質
に含有させると、カプセル外殻と屈折率が合っていない
ために、コピー画像の色、透明性が著しく低下するとい
う欠点があった。特に、カプセル外殻に芳香族系の重合
体を用いた場合は顕著である。また、カプセル外殻に脂
肪族系単量体よりなる界面重合体を用いたとしても、外
殻物質は上記芯物質よりも本質的に屈折率が高く、上記
欠点は解消されない。
【0004】屈折率を合わせるために、芯物質としてス
チレンのような単量体を用いて屈折率を上げようとする
と、スチレンの共重合比率を50wt%以上にしなけれ
ばならない。その結果、芯物質を構成する樹脂のガラス
転移点Tgが増大して流動性が低下し、圧力定着性が低
下するという問題があった。一方、Tgの高い樹脂にオ
イルのような減粘剤を加えて芯物質とする方法もある
が、カプセル中に長期間オイルを密封するためには、カ
プセル殻形成単量体を多く使用してカプセル殻を厚くす
る必要がある。その結果、カプセル強度が高くなり、圧
力定着性を低下させるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来の技術における問題点を解決しようとするもの
で、その目的は、芯物質と外殻との屈折率をほぼ一致さ
せるだけでなく、芯物質の密封性が優れていて、カプセ
ル化が容易であり、粒度分布に優れ、外殻の修飾により
トナーの帯電性制御が容易にでき、しかも圧力定着性が
良好で、カラーに適したカプセルトナーを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、エステルもしくはアミド成分にベンゼン
環を有するアクリル酸またはメタクリル酸誘導体を単量
体成分とする重合体または共重合体を芯物質(コア)に
含有し、脂肪族または脂環式イソシアナートを外殻形成
成分とする共重合体を外殻(シェル)に含有するカプセ
ルトナーにより、上記目的が達成されることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、芯物質と芯物質を被
覆する外殻からなるカプセルトナーにおいて、芯物質が
少なくとも下記一般式(I)で表される単量体成分から
なる重合体または共重合体を含有し、かつ外殻が脂肪族
または脂環式イソシアナートの反応生成物を含有するカ
プセルトナーにある。
【化3】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
水素原子またはアルキル基を示し、Y1 は−O−または
−NH−を示し、Xは−O−または−CH2 −を示す。
また、mは0〜8の整数である。)芯物質に含まれる共
重合体としては、上記一般式(I)で表される単量体成
分と下記一般式(II)で表される単量体成分とからなる
ものが好ましい。
【化4】 CH2 =CR3 −CO−Y2 −(CH2 n CH3 (II) (式中、R3 は水素原子またはメチル基を示し、Y2
−O−または−NH−を示す。また、nは1〜17の整
数である。)
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のカプセルトナーにおける芯物質は、少なくとも定
着性成分の重合物および着色剤を含有しており、更に重
合物を溶解または膨潤する高沸点溶剤を含有することが
好ましい。また、必要に応じて定着性を有する軟質の固
体物質を含有してもよい。着色剤は、場合により磁性粉
と置き換えることができる。芯物質としては、さらに定
着性の改良を目的として、シリコーンオイル等の添加剤
を加えることができる。また、重合物に対して不溶性の
脂肪族飽和炭化水素を主体とする有機溶剤を加えること
もできる。圧力定着を目的とした場合と加熱定着を目的
とした場合では、外殻の厚さを変えることが望ましく、
また、それぞれ定着性成分の種類あるいは芯物質成分の
組成比を変えてもよい。
【0009】定着性の重合物としては、下記一般式で表
される単量体成分からなる重合体または共重合体が使用
される。
【化5】 (式中、R1 、R2 、Y1 、Xおよびmは前記と同一で
ある。)
【0010】具体的には、アクリル酸ベンジル、アクリ
ル酸フェニルエチル、アクリル酸β−トリルエチル、ア
クリル酸フェノキシメチル、アクリル酸フェノキシエチ
ル、アクリル酸フェノキシプロピル、N−フェニルアク
リルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニ
ルエチルアクリルアミド、N−フェノキシメチルアクリ
ルアミド、N−フェノキシエチルアクリルアミド、メタ
クリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニルエチル、メタ
クリル酸β−トリルエチル、メタクリル酸β−(エチル
フェニル)エチル、メタクリル酸フェノキシメチル、メ
タクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシ
プロピル、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジ
ルメタクリルアミド、N−フェニルエチルメタクリルア
ミド、N−(β−トリルエチル)メタクリルアミド、N
−フェノキシメチルメタクリルアミド、N−フェノキシ
エチルメタクリルアミド、N−フェノキシプロピルメタ
クリルアミド等が挙げられる。これらの単量体成分の中
でも、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエ
チルの重合体が特に好ましく用いられる。
【0011】さらに、前記一般式(I)で表される単量
体成分と下記一般式(II)で表されるアクリル酸または
メタクリル酸誘導体との共重合体が、カプセル外殻と屈
折率を一致させることが容易であるというメリットを有
する点で更に好ましい。ここで、カプセル外殻と(共)
重合体の屈折率の一致とは、屈折率の差が0.05以
内、好ましくは0.03以内にあることを示している。
【化6】 CH2 =CR3 −CO−Y2 −(CH2 n CH3 (II) (式中、R3 、Y2 およびnは前記と同一である。)
【0012】具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸
ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニ
ル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアクリル酸
またはメタクリル酸のアルキルエステル、N−エチル
(メタ)アクリル酸アミド、N−プロピル(メタ)アク
リル酸アミド、N−ブチル(メタ)アクリル酸アミド、
N−ヘキシル(メタ)アクリル酸アミド、N−デシル
(メタ)アクリル酸アミド、N−ステアリル(メタ)ア
クリル酸アミド等のアクリル酸またはメタクリル酸のア
ルキルアミドなどが挙げられる。
【0013】着色剤としては、カーボンブラック、ベン
ガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロ
ー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレ
ッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔
料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモア
ントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッ
ド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料など
が挙げられる。また、分散染料、油溶性染料などを用い
ることもできる。さらにまた、磁性一成分トナー等の場
合、黒色系着色剤の全部または一部を磁性粉で置き換え
ることができる。磁性粉としては、マグネタイト、フェ
ライト、あるいはコバルト、鉄、ニッケル等の金属単体
またはその合金を用いることができる。また、これらの
磁性粉をシランカップリング剤、チタネートカップリン
グ剤等のカップリング剤または油溶性界面活性剤で表面
処理を施したり、あるいはアクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、エポキシ樹脂等で表面を被覆した磁性粉であって
もよい。
【0014】重合物を溶解または膨潤する高沸点溶剤と
しては、沸点が140℃以上、好ましくは160℃以上
の油性溶剤を用いることができる。例えば、Moder
nPlastics Encyclopedia(19
75〜1976)の“Plasticizers”に記
載されている溶剤の中から選んでもよい。また、圧力定
着用カプセルトナーの芯物質として、例えば特開昭58
−145964号、同63−163373号公報等に開
示されている高沸点溶剤の中から選んでもよい。具体的
には、フタル酸エステル類(ジエチルフタレート、ジブ
チルフタレート等)、脂肪族二塩基酸エステル類(ジエ
チルマロネート、ジメチルサクシネート、ジオクチルア
ジペート等)、リン酸エステル類(トリクレジルホスフ
ェート、トリキシリルホスフェート等)、クエン酸エス
テル類(O−アセチルトリエチルシトレート等)、安息
香酸エステル類(ブチルベンゾエート、ヘキシルベンゾ
エート等)、高級脂肪酸エステル類(ヘキサデシルミリ
ステート等)、アルキルナフタレン類(メチルナフタレ
ン、ジメチルナフタレン、モノイソプロピルナフタレ
ン、ジイソプロピルナフタレン等)、アルキルジフェニ
ルエーテル類(o−,m−,p−メチルジフェニルエー
テル等)、高級脂肪酸アミド類(N,N−ジメチルラウ
リンアミド等)、芳香族スルホン酸アミド類(N−ブチ
ルベンゼンスルホンアミド等)、トリメリット酸エステ
ル類(トリオクチルトリメリテート等)、ジアリールア
ルカン類(キシリルフェニルメタン等のジアリールメタ
ン、1−フェニル−1−トリルエタン、1−キシリル−
1−フェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フェニ
ルエタン等のジアリールエタンなど)、塩素化パラフィ
ン類を挙げることができる。
【0015】また、高沸点溶剤と共に重合物に対して不
溶性の脂肪族飽和炭化水素またはこれを主成分とする有
機溶剤を併用すると、定着性が向上するだけでなく、芯
物質中に重合物を良好に分散保持することができる。特
に重合物にメタクリル酸ラウリルホモポリマーまたはコ
ーポリマー等の長鎖アルキル基を有する重合体を用いた
場合には、脂肪族飽和炭化水素を併用することが望まし
い。このような脂肪族飽和炭化水素としては、沸点が1
00〜250℃のものが好ましく、例えばエクソン化学
社製のアイソパー(Isopar)G、アイソパーH、
アイソパーL等が挙げられる。軟質の固体物質として
は、室温で柔軟性を有していて定着性のあるものなら特
に種類を問わないが、Tgが−60〜5℃の範囲の重合
物質またはその重合物質と他の重合物質との混合物が好
ましく用いられる。
【0016】本発明のカプセルトナーにおける脂肪族ま
たは脂環式イソシアナートの反応生成物とは、第一の外
殻形成成分である芳香族骨格を持たないイソシアナート
類と第二の外殻形成成分である活性水素を有する化合物
とが反応して得られるポリウレアまたはポリウレタンを
意味する。イソシアナート類の具体例としては、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、ヘプタメチレンジイソシア
ナート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシ
アナート、オクタメチレンジイソシアナート、トリメチ
ルヘキサンジイソシアナート、カプロン酸−2,6−ジ
イソシアナート等の脂肪族イソシアナート類、2,5−
ビス−(イソシアナートメチル)テトラヒドロフラン、
オキシ−5,5′−ビス−フルフリルイソシアナート等
の複素環式脂肪族イソシアナート類、1−メチルシクロ
ヘキサン−2,4−ジイソシアナート、1−メチルシク
ロヘキサン−2,6−ジイソシアナート、o−,m−ま
たはp−ヘキサヒドロキシリレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−
4,4′−ジイソシアナート、β,β−ジシクロヘキシ
ルプロパン−4,4′−ジイソシアナート、ビス−(2
−メチルシクロヘキシル)メタン−4,4′−ジイソシ
アナート、1,3−ビス−(α−イソシアナートエチ
ル)シクロヘキサン等の脂環式イソシアナート類、ある
いはこれらのイソシアナート類を用いて合成されたいわ
ゆるビュレット型、アダクト型、イソシアヌレート型と
して知られるポリイソシアナート類が挙げられる。これ
らのイソシアナート類は単独または混合して用いること
ができる。
【0017】活性水素を有する化合物の具体例として
は、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタ
ン、1,6−ヘキサンジアミン、2−メチルペンタンジ
アミン、ジエチレントリアミン、ビス−(3−アミノプ
ロピル)アミン、N,N−ビス−(3−アミノプロピ
ル)メチルアミン、トリス−(2−アミノエチル)アミ
ン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,3−ビス−(アミノメチル)シ
クロヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、
2,5−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラ
ジン、1,4−ビス−(3−アミノプロピル)ピペラジ
ンのようなポリアミン類が挙げられる。また、水溶性プ
レポリマーであるテキサコケミカル社製のジェファーミ
ン(Jeffamine)D−230、D−400、T
−403のようなポリオキシアルキレンアミン類等や水
を用いることもできる。これらは単独または混合して用
いることもできる。
【0018】また、活性水素を有する化合物の別の具体
例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ポリオキシアルキレングリコ
ール等のジオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のト
リオール、ソルビトール等のヘキサオールなどのポリオ
ール、ポリケトンの水素添加によって得られるポリオー
ル、ポリチオエーテルポリチオール、これらのポリオー
ル化合物とシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸等のジカルボン酸とを構成成分とするポリエステル、
あるいはジカルボン酸とジアミンまたはアミノアルコー
ルとを構成成分とするポリエステルアミドなどが挙げら
れる。これらは単独または混合して用いることもでき
る。
【0019】本発明のカプセルトナーを製造する方法
は、各種の公知のマイクロカプセル化技術を利用するこ
とができる。公知の方法の中でも界面重合法および内部
in−situ重合法によるマイクロカプセル化法が好
ましい。界面重合法によるマイクロカプセル化法は、例
えば、特公昭38−19574号、同42−446号、
特公平2−31381号公報、特開昭58−66948
号、同59−148066号、同59−162562号
公報に開示されている。すなわち、油性液滴中に存在す
る第一の外殻形成成分のイソシアナート類と水性媒体中
に存在する第二の外殻形成成分の活性水素を有する化合
物とが油性液滴の界面で重合すると共に、芯物質を被覆
してカプセル殻を形成する方法である。この重合法では
第二の外殻形成成分として、前記したポリアミン類、ポ
リオキシアルキレンアミン類、水等が用いられる。
【0020】内部in−situ重合法によるマイクロ
カプセル化法は、例えば、特公昭49−45133号、
同50−22507号公報に開示されている。すなわ
ち、第一の外殻形成成分のイソシアナート類と油性液滴
中に存在する第二の外殻形成成分の活性水素を有する化
合物とが芯物質を含む油性液滴の内部および/または界
面で重合すると共に、芯物質を被覆してカプセル殻を形
成する方法である。この重合法では第二の外殻形成成分
として、前記したポリオール、ポリエステル、ポリエス
テルアミド等が用いられる。また、界面重合型のカプセ
ル化方法とin−situ重合型のカプセル化方法は、
両者を併用することもできる。これらの方法によって得
られるカプセル殻は、第二の外殻形成成分の種類に応じ
てポリウレアまたはポリウレタン構造あるいは双方の結
合を有する構造をその構成成分に含む。
【0021】本発明のカプセルトナーの製造において、
親油性芯物質の粘度が高い場合は、予め低沸点溶剤に加
えておき、芯物質成分を水性媒体中に懸濁させて、殻物
質の形成と同時にまたは殻物質の形成後に、上記溶剤を
系外に追い出して芯物質を形成することが好ましい。勿
論、低沸点溶剤はカプセル形成前に除去しておいてもよ
い。低沸点溶剤としては、160℃以下の沸点を有する
溶剤が好ましく、具体的には、メチレンクロライド、ク
ロロホルム、四塩化炭素、エチレンクロライド、二硫化
炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルアルコール、エ
チルアルコール、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、石油エーテル、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルム
アミド等を挙げることができる。これらの溶剤は単独ま
たは混合して用いることができる。
【0022】以上のマイクロカプセル化法において、芯
物質の一成分としての重合物は、予め重合体の状態で他
の芯物質成分、外殻形成成分および場合により低沸点溶
剤と共に仕込み、界面重合でカプセル殻を形成してカプ
セル内に含有させることができる。この他に、前記一般
式(I)で表わされる単量体または一般式(I)および
(II)で表わされる単量体をそのままの状態で仕込み、
界面重合でカプセル殻を形成した後に、単量体を重合し
て重合体または共重合体を形成することもできる。一
方、芯物質の一成分として仕込んだ着色剤または磁性粉
は、カプセル形成後、殻物質中に通常存在するが、芯物
質と殻物質との界面に存在していてもよい。
【0023】本発明のカプセルトナーは、帯電性、粉体
流動性、潤滑性等をさらに改善するために、金属、酸化
チタン、アルミナ等の金属酸化物、金属塩、シリカ、セ
ラミック等の無機物質、ポリメタクリル酸メチル等の樹
脂、脂肪酸金属塩などの外添剤を添加してもよい。さら
に、帯電性を付与するために、予め界面重合法を利用し
て形成されたカプセル殻上にグラフト重合法により帯電
制御重合体を形成させる方法(特開昭62−22716
1号、同62−227162号公報)を採用することが
できる。また、キャリアを用いない一成分カプセルトナ
ーであってもよく、あるいはキャリアを用いる二成分カ
プセルトナーであってもよい。キャリアを使用する場合
には、公知のキャリアであれば特に制限されるものでな
く、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コー
トフェライトキャリア、磁性粉末分散型キャリア等が使
用できる。
【0024】本発明のカプセルトナーは、圧力定着に限
らず、熱と圧力を同時に付与する定着に用いてもよい。
さらに、画像担持体と記録用紙を介して接触する押圧部
材あるいは内部に加熱手段を有する押圧部材を備えた画
像記録装置において、トナーを転写および同時定着する
画像記録方式に用いてもよい。また、熱定着に用いても
有効である。さらに、紙への記録のみならず、第二原図
やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用シート等
にも使用できる。
【0025】
【実施例】次に、実施例および比較例を示しながら本発
明を具体的に説明する。なお、以下の「部」は重量部を
意味する。 実施例1 重量平均分子量Mw;3万のメタクリル酸ベンジル/メ
タクリル酸ラウリル(45:55wt%)共重合体50
部、Mw;4万のメタクリル酸ジメチルアミノエチル/
メタクリル酸ラウリル(60:40wt%)共重合体1
2部、マゼンタ顔料(カーミン6B)6部および酢酸エ
チル130部を混合し、サンドミルにて3時間分散し
た。さらに、上記のメタクリル酸ベンジル/メタクリル
酸ラウリル共重合体132部を添加して芯物質の酢酸エ
チル溶液とした。次いで、脂肪族ポリイソシアナート
(タケネートD160N;武田薬品社製)20部を添加
して十分混合した後、プロポキシメチルセルロース(メ
トローズ65SH50;信越化学社製)の4%水溶液3
00部中に分散機(ホモディスパー;特殊機化工社製)
を用いて分散乳化した。この分散液を攪拌機(スリーワ
ンモーター;新東科学社製)による撹拌に切り替えて、
この中に5%ジエチレントリアミン水溶液50部を滴下
した。その後、60℃に加温して酢酸エチルを追い出し
ながら3時間カプセル化反応を行った。反応終了後遠心
分離でカプセルトナーを分離した後、1lのイオン交換
水を加えて再分散した。再び遠心分離でカプセルトナー
を分離してカプセルを洗浄した。この操作をさらに10
回繰り返し、凍結真空乾燥してカプセルトナーを得た。
このトナーの平均粒径は10μmであった。得られたカ
プセルトナーをOHP用シートに挟み、圧力定着装置で
400kg/cm2 の圧力下にOHP用シートに定着し
た。定着像をOHPでスクリーンに投影したところ、マ
ゼンタ色の投影像が得られた。
【0026】比較例1 脂肪族ポリイソシアナート(タケネートD160N)を
芳香族ポリイソシアナート(スミジュールL−75;住
友バイエルウレタン社製)に代えた以外は、実施例1と
全く同様にしてカプセルトナーを得た。実施例1と同様
に、得られたカプセルトナーをOHP用シートに挟み、
圧力定着装置で400kg/cm2 の圧力下にOHP用
シートに定着した。定着像をOHPでスクリーンに投影
したところ、スクリーン上に届く光の量が少なく、灰色
に濁った投影像となってしまった。
【0027】実施例2 メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸ラウリル共重合体
をMw;3万のメタクリル酸フェノキシエチル/メタク
リル酸ラウリル(50:50wt%)共重合体に代えた
以外は、実施例1と全く同様にしてカプセル化反応を行
った。反応終了後遠心分離でカプセルを分離した後、1
lのイオン交換水を加えて再分散した。再び遠心分離で
カプセルを分離してカプセルトナーを洗浄した。この操
作をさらに10回繰り返した後、固形分濃度20%のカ
プセル分散液とした。この分散液250部を撹拌機を備
えた反応器に入れ、1N硝酸水溶液5部、硝酸アンモニ
ウムセリウム0.5部およびエチレングリコールジメタ
クリレート0.5部を反応器内に順次添加して2時間反
応させた。反応終了後遠心分離で水洗し、再び固形分濃
度20%のカプセル分散液とした。次いで、過硫酸カリ
ウム0.5部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル0.5部および亜硫酸水素ナトリ
ウム0.2部を順次添加し、2時間反応させた。反応終
了後遠心分離で水洗し、凍結真空乾燥して表面に帯電制
御重合体がグラフト重合されたカプセルトナーを得た。
【0028】得られたカプセルトナーを圧力定着テスト
用に改造したコピーマシン(富士ゼロックス2700)
に入れ、普通紙にコピー画像を形成させた。圧力定着装
置で400kg/cm2 の圧力下に画像を定着したとこ
ろ、指で擦っても画像は劣化せず、定着性は良好であっ
た。次に、実施例1と同様にOHPシートに挟んだ定着
画像を形成してスクリーンに投影したところ、マゼンタ
色の投影像が得られた。
【0029】比較例2 メタクリル酸フェノキシエチル/メタクリル酸ラウリル
共重合体をMw;3万のスチレン/メタクリル酸ラウリ
ル(50:50wt%)共重合体に代えた以外は、実施
例2と全く同様にしてカプセルトナーを得た。実施例1
と同様に、得られたカプセルトナーをOHP用シートに
挟み、圧力定着装置で400kg/cm2 の圧力下にO
HP用シートに定着した。定着像をOHPでスクリーン
に投影したところ、マゼンタ色の投影像が得られた。し
かし、カプセルトナーを普通紙に定着して実施例2と同
様に指で擦ったところ、画像が剥がれてしまい、定着性
の悪いものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明のカプセルトナーは、エステルも
しくはアミド成分にベンゼン環を有するアクリル酸また
はメタクリル酸誘導体を単量体成分とする重合体または
共重合体を芯物質に含有し、ポリウレアまたはポリウレ
タンを外殻に含有するものであるから、芯物質と外殻と
の屈折率をほぼ一致させることができる。その上、本発
明は、芯物質の密封性が優れていて、カプセル化が容易
であり、粒度分布に優れ、外殻の修飾によりトナーの帯
電性制御が容易にでき、しかも圧力定着性が良好で、カ
ラーに適したカプセルトナーを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質と芯物質を被覆する外殻からなる
    カプセルトナーにおいて、芯物質が少なくとも下記一般
    式(I)で表される単量体成分からなる重合体または共
    重合体を含有し、かつ外殻が脂肪族または脂環式イソシ
    アナートの反応生成物を含有することを特徴とするカプ
    セルトナー。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
    水素原子またはアルキル基を示し、Y1 は−O−または
    −NH−を示し、Xは−O−または−CH2 −を示す。
    また、mは0〜8の整数である。)
  2. 【請求項2】 芯物質に含まれる共重合体が、前記一般
    式(I)で表される単量体成分と下記一般式(II)で表
    される単量体成分とからなる請求項1記載のカプセルト
    ナー。 【化2】 CH2 =CR3 −CO−Y2 −(CH2 n CH3 (II) (式中、R3 は水素原子またはメチル基を示し、Y2
    −O−または−NH−を示す。また、nは1〜17の整
    数である。)
JP4352377A 1992-12-11 1992-12-11 カプセルトナー Expired - Lifetime JP2762883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4352377A JP2762883B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 カプセルトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4352377A JP2762883B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 カプセルトナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06175387A true JPH06175387A (ja) 1994-06-24
JP2762883B2 JP2762883B2 (ja) 1998-06-04

Family

ID=18423657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4352377A Expired - Lifetime JP2762883B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 カプセルトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2762883B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011113087A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Xerox Corp トナー組成物
JP2012189998A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Xerox Corp 着色剤−ポリエステルを含むトナー粒子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011113087A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Xerox Corp トナー組成物
JP2012189998A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Xerox Corp 着色剤−ポリエステルを含むトナー粒子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2762883B2 (ja) 1998-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3185893B2 (ja) 着色トナー組成物
CA2077874C (en) Low gloss toner compositions and processes thereof
US4933249A (en) Electrostatographic pressure fixing process using encapsulated toner particles
JPH0532745B2 (ja)
JP2800558B2 (ja) 静電荷像現像用マイクロカプセルトナーおよびマイクロカプセルの形成法
JPH06170214A (ja) マイクロカプセルおよびカプセルトナーならびにマイクロカプセルの製造方法
JPH0416783B2 (ja)
JP2762883B2 (ja) カプセルトナー
JPS63177148A (ja) 電子写真用トナ−
JPS62227162A (ja) カプセルトナ−
JPH0830040A (ja) 液体現像剤及びその製造方法
JPH03144461A (ja) カプセル化トナー組成物
JPH0418299B2 (ja)
JPH07113784B2 (ja) カプセルトナ−
JPH07116500A (ja) マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法
JPH0685089B2 (ja) カプセルトナ−
US5300388A (en) Toner for electrophotography and process for producing the same
JPS62227161A (ja) カプセルトナ−
US5389490A (en) Capsule toner and process for producing the same
JPS58100855A (ja) カプセルトナ−
JPS61114247A (ja) カプセルトナ−の製造方法
JPH07116499A (ja) マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法
JPS61273558A (ja) 摩擦帯電性が向上したカプセルトナ−の製造方法
JPS60254049A (ja) マイクロカプセル
JPH0774912B2 (ja) カプセルトナー