JPH06175143A - 電極基板 - Google Patents

電極基板

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JPH06175143A
JPH06175143A JP4350269A JP35026992A JPH06175143A JP H06175143 A JPH06175143 A JP H06175143A JP 4350269 A JP4350269 A JP 4350269A JP 35026992 A JP35026992 A JP 35026992A JP H06175143 A JPH06175143 A JP H06175143A
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curable resin
metal oxide
base sheet
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Rinjiro Ichikawa
林次郎 市川
Junichi Hirata
純一 平田
Haruyasu Tsuboi
治恭 坪井
Tetsunosuke Kobayashi
徹之介 小林
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Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐スクラッチ性および表面硬度を顕著に改善
した透明電極形成用の電極基板(殊に液晶セル製造のた
めの電極基板)を提供することを目的とする。 【構成】 その表面に透明電極(2) を形成させるための
電極基板(1) 、殊に液晶セル製造のための電極基板であ
る。この電極基板(1) は、高分子シート製の光等方性ベ
ースシート(11)の少なくとも片面に金属酸化物層(12)を
介して硬化性樹脂硬化物層(13)を設けた積層シート、ま
たは、高分子シート製の光等方性ベースシート(11)の少
なくとも片面に硬化性樹脂硬化物層(13)を介して金属酸
化物層(12)を設けた積層シートからなる。金属酸化物層
(12)は、SiOx (ただし、1<x<2)で示される酸
化ケイ素の層であることが特に好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その表面に透明電極を
形成させるための電極基板、殊に、液晶セル製造のため
の電極基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように液晶セルは、透明電極付き
の2枚の電極基板の透明電極側を対向配置すると共に、
両電極基板の間隙に液晶を封入した構成を有する。そし
て液晶表示パネルは、典型的には、液晶セルの片面に偏
光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層することに
より作製される。位相差板を省略したり、位相差板に代
えて補償用液晶セルを用いることもある。
【0003】上記の電極基板としては従来は専らガラス
板が用いられていたが、重いこと、破損しやすいこと、
薄型化に限界があることなどの問題点があるため、この
電極基板をプラスチックス製とすることもなされている
(たとえば、本出願人の出願にかかる特開昭63−71
829号公報など)。
【0004】特開昭55−105222号公報には、透
明導電膜からなる電極を有する透明プラスチック基板を
用いた表示用パネルにおいて、該透明プラスチック基板
の片面または両面に金属酸化物膜を形成した表示用パネ
ルが示されている。ここで金属酸化物膜とは、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステ
ン、酸化ニッケルなどの遷移金属酸化物、酸化ケイ素、
酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛などの第四族a族
元素の酸化物、酸化インジウムなどの第三族a族元素の
酸化物、およびそれら酸化物の混合膜、多層膜であり、
その実施例では二酸化ケイ素、酸化チタンを用いてい
る。透明プラスチック基板としては、実施例ではポリア
リレートフィルム、ポリサルフォンフィルム、トリアセ
チルセルロースフィルムを用いている。
【0005】特公昭62−51740号公報(特開昭6
0−190342号公報)には、ポリビニルアルコー
ル、エチレン・ビニルアルコール共重合体、三弗化モノ
クロロエチレンまたは透明金属酸化物等のガスおよび水
蒸気バリアー層を含む全光線透過率が70%以上の透明
な高分子フィルムの表面に50〜1000オングストロ
ームの層厚みからなる金属酸化物の透明導電性層を構成
した高ガスバリアー性透明導電性フィルムが示されてい
る。ここで透明金属酸化物については詳しい説明はない
が、実施例4では酸化ケイ素蒸着層を用いている。この
高ガスバリアー性透明導電性フィルムは、液晶表示用透
明導電体、すなわち液晶セル製造用の透明電極付き電極
基板である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭55−105222号公報や特公昭62−517
40号公報に記載の「高分子シート/金属酸化物」の基
本構成を有する電極基板は、硬い金属酸化物の層を有し
ているにかかわらず、耐スクラッチ性および表面硬度の
点で実用化にはなお改善の余地があった。
【0007】本発明は、このような背景下において、耐
スクラッチ性および表面硬度を顕著に改善した透明電極
形成用の電極基板(殊に液晶セル製造のための電極基
板)を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電極基板の一つ
は、その表面に透明電極(2) を形成させるための電極基
板(1) であって、該電極基板(1) が、高分子シート製の
光等方性ベースシート(11)の少なくとも片面に金属酸化
物層(12)を介して硬化性樹脂硬化物層(13)を設けた積層
シートからなることを特徴とするものである。
【0009】本発明の電極基板の他の一つは、その表面
に透明電極(2) を形成させるための電極基板(1) であっ
て、該電極基板(1) が、高分子シート製の光等方性ベー
スシート(11)の少なくとも片面に硬化性樹脂硬化物層(1
3)を介して金属酸化物層(12)を設けた積層シートからな
ることを特徴とするものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の電極基板(1) は、 光等方性ベースシート(11)/金属酸化物層(12)/硬
化性樹脂硬化物層(13)、 光等方性ベースシート(11)/硬化性樹脂硬化物層(1
3)/金属酸化物層(12)、 のいずれかの層構成を有する積層シートからなる。の
場合は、光等方性ベースシート(11)と硬化性樹脂硬化物
層(13)との間にアンカーコーティング層(ac)を介在させ
ることもできる。
【0012】光等方性ベースシート(11)としては、必要
な機械的強度を有する高分子シート、たとえば、硬質ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リエステルフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリ−4
−メチルペンテンフィルム、ポリフェニレンオキサイド
フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレ
ートフィルム、アモルファスポリオレフィン、ノルボル
ネン系ポリマー、ポポリビニルアルコールフィルム、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、セルロー
スフィルム(セルローストリアセテート、セルロースジ
アセテート、セルロースアセテートブチレート等)など
が用いられる。この光等方性ベースシート(11)は、単層
のみならず、複層であってもよい。
【0013】このベースシート(11)は光等方性を有する
ことが必要であるので、レターデーション値が30nm以
下、殊に20nm以下のフィルムであって、可視光線透過
率が75%以上のものが用いられる。このような光等方
性ベースシート(11)は、流延法により製膜することによ
り得られるが、レターデーション値および可視光線透過
率が上記の条件を満足していれば、押出法など他の成形
法を採用することもできる。光等方性ベースシート(11)
の厚さは、たとえば30〜500μm 程度が適当であ
る。
【0014】金属酸化物層(12)としては、ケイ素、亜
鉛、マグネシウムなどの酸化物の層があげられ、コス
ト、透明性、光等方性ベースシート(11)または硬化性樹
脂硬化物層(13)に対する密着性、無着色性、ITO密着
性などの点を総合考慮すると、特にSiOx (ただし、
1<x<2)で示される酸化ケイ素の層が好適である。
SiO2 で示される二酸化ケイ素は、SiOx (ただ
し、1<x<2)に比すれば性質が不足する。
【0015】この金属酸化物層(12)は非導電性層であ
る。金属酸化物層(12)の厚さは、200〜2000オン
グストロームとすることが望ましく、その厚さが余りに
薄いときは改質効果を欠き、一方余りに厚いときは透明
性が損なわれる。
【0016】硬化性樹脂硬化物層(13)としては、加熱硬
化型樹脂硬化物層(フェノキシエーテル型架橋性樹脂、
エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン
樹脂、シリコーン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系
樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等)、紫外線硬化型
樹脂硬化物層(紫外線硬化型アクリル系樹脂、ホスファ
ゼン系樹脂等)、電子線硬化型樹脂硬化物層などがあげ
られる。厚さは 0.5〜50μm 程度とすることが多い。
この硬化性樹脂硬化物層(13)も光等方性を有することが
必要である。
【0017】上記またはの層構成を有する電極基板
(1) 全体のレターデーション値、可視光線透過率につい
ても、それぞれ30nm以下、75%以下となるように留
意する。
【0018】金属酸化物層(12)は、通常は蒸着法により
下層(上記の場合は光等方性ベースシート(11)、の
場合は硬化性樹脂硬化物層(13))上に形成される。硬化
性樹脂硬化物層(13)は、通常は流延法により下層(上記
の場合は金属酸化物層(12)、の場合は光等方性ベー
スシート(11)またはアンカーコーティング層(ac))上に
形成される。
【0019】およびにおいて下層の上から硬化性樹
脂硬化物層(13)を形成させる場合には、形成した硬化性
樹脂硬化物層(13)の表面粗度を 0.5μm 以下、好ましく
は 0.2μm 以下、さらに好ましくは 0.1μm 以下となる
ようにすることが望ましい。
【0020】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度をこの
ように小さくする方法としては、たとえば、以下に述べ
る第1、第2または第3の方法が採用される。
【0021】第1の方法にあっては、まず、光等方性ベ
ースシート(11)、光等方性ベースシート(11)/アンカー
コーティング層(ac)、または光等方性ベースシート(11)
/金属酸化物層(12)からなる積層物のいずれか(以下、
下地シートという)と平滑化鋳型材(F) との間隙に加熱
硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子
線硬化型樹脂組成物を供給して該樹脂組成物が両者間に
層状に挟持されるようにする。この場合、下地シートが
一つの製膜用ロールに、平滑化鋳型材(F) がもう一つの
製膜用ロールにそれぞれ供給されるようにしておき、両
製膜ロール間の間隙は所定の値に調整しておく。つい
で、加熱、紫外線照射または電子線照射により上記の挟
持層を硬化させて硬化性樹脂硬化物層(13)となす。これ
により、下地層/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型
材(F) よりなる積層体が得られるので、爾後の適宜の段
階でその積層体から平滑化鋳型材(F) を剥離除去する。
【0022】上記における平滑化鋳型材(F) としては、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸延伸
ポリブチレンテレフタレートシート、二軸延伸ポリエチ
レンナフタレートシート等の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムや、二軸延伸ポリプロピレフィルムなどが用いられ
る。平滑化鋳型材(F) としては、その表面粗度が0.15μ
m 以下、好ましくは0.05μm 以下、さらには0.01μm 以
下であるものを用いる。
【0023】第2の方法は、下地シートまたは平滑化鋳
型材(F) の一方に加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型
樹脂組成物または電子線硬化型樹脂組成物を流延してお
き、該流延層に平滑化鋳型材(F) または下地シートを被
覆させながらロールの間隙により挟持層の厚さを制御し
つつ、加熱、紫外線照射または電子線照射によりその挟
持層を硬化させて硬化性樹脂硬化物層(13)となす方法で
ある。
【0024】第3の方法は、下地シート上に加熱硬化型
樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子線硬化
型樹脂組成物を流延しておき、該流延層に平滑化鋳型材
(F)としての平滑加工したガラスを押し当てながら挟持
層の厚さを制御しつつ、加熱、紫外線照射または電子線
照射によりその挟持層を硬化させて硬化性樹脂硬化物層
(13)となす方法である。この方法においては、使用した
ガラスを反復使用する。
【0025】このようにして得られた本発明の電極基板
(1) の硬化性樹脂硬化物層(13)(上記の場合)または
金属酸化物層(12)(上記の場合)上には、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、金属
溶射法、金属メッキ法などの手段によりパターン状また
はベタ状の透明電極(2)を形成する。透明電極(2)の厚
さは100オングストローム以上で、透明性が損なわれ
ない範囲(慨ね2000オングストローム以下)とす
る。透明電極(2)の素材としてはITOが好適である
が、他の導電性金属酸化物を用いることもできる。
【0026】形成した透明電極(2)の上からは、さらに
必要に応じて配向膜を形成させる。そしてこのようにし
て作製した透明電極(2)付きの電極基板(1) 2枚をそれ
ぞれの透明電極(2)側が対向する状態で所定の間隔をあ
けて配置すると共に、その間隙に液晶を封入すれば(周
囲はシールしておく)、液晶セルが作製される。液晶と
してはポリマー液晶を用いることもできる。
【0027】液晶表示パネルは、この液晶セルの片面に
偏光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層すること
により作製される。位相差板を省略したり、位相差板に
代えて補償用液晶セルを用いることもある。なお上記の
電極基板(1) は、偏光板または位相差板と一体とした一
体型基板とすることもできる。
【0028】
【作用】先にも述べたように、本発明の電極基板(1)
は、 光等方性ベースシート(11)/金属酸化物層(12)/硬
化性樹脂硬化物層(13)、 光等方性ベースシート(11)/硬化性樹脂硬化物層(1
3)/金属酸化物層(12)、 のいずれかの層構成を有する積層シートからなる。
【0029】硬化性樹脂硬化物層(13)は、光等方性ベー
スシート(11)に耐スクラッチ性、表面硬度、耐透湿性、
耐熱性、耐溶剤性などの性質を付与するのに貢献する。
金属酸化物層(12)は、光等方性ベースシート(11)に耐ス
クラッチ性、表面硬度、耐透湿性、耐透気性、耐熱性、
耐溶剤性などの性質を付与するのに貢献する。また最外
層が金属酸化物層(12)および硬化性樹脂硬化物層(13)の
いずれの場合であっても、ITOなどの透明電極(2)の
密着性が良好である。
【0030】外層を構成する硬化性樹脂硬化物層(13)ま
たは金属酸化物層(12)は、下層の金属酸化物層(12)また
は硬化性樹脂硬化物層(13)と協力して、一段と耐スクラ
ッチ性および表面硬度を向上させる役割を果たす。すな
わち、下層である硬い金属酸化物層(12)または硬化性樹
脂硬化物層(13)上に硬化性樹脂硬化物層(13)または金属
酸化物層(12)が配置しているので、耐スクラッチ性およ
び表面硬度の向上が達成できるのである。さらに述べる
と、光等方性ベースシート(11)からなる柔らかい下層の
上に硬い上層である金属酸化物層(12)あるいは硬化性樹
脂硬化物層(13)のみを形成しても、耐スクラッチ性およ
び表面硬度の顕著な向上は望みえないのである。
【0031】加えて上記の層構成の場合には、金属酸
化物層(12)が光等方性ベースシート(11)と硬化性樹脂硬
化物層(13)とでサンドイッチされているので、保護板
(1) の取り扱い中に曲げ力が加わっても、金属酸化物層
(12)に割れなどのトラブルを生ずることがないという格
別の作用効果が奏される。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0033】実施例1 図1は本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図
であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。図2
はその電極基板を用いて作製した液晶セルの一例を模式
的に示した断面図である。
【0034】光等方性ベースシート(11)の一例としてポ
リアリレートフィルムを準備した。このフィルムは、塩
化メチレンを溶媒とする20重量%濃度の溶液から流延
法により製膜されたものである。厚さは70μm 、レタ
ーデーション値は5nm、可視光線透過率は92%であ
る。
【0035】この光等方性ベースシート(11)の片面に水
溶性四級化エステルウレタン系アンカーコーティング剤
を塗布、乾燥し、厚さ 1.0μm のアンカーコーティング
層(ac)を形成させた。
【0036】同様にして、光等方性ベースシート(11)の
他面にも厚さ 1.0μm のアンカーコーティング層(ac)を
形成させた。
【0037】わずかの間隙をあけて平行に配置した1対
の製膜用ロールの一方に上記の光等方性ベースシート(1
1)を供給しながら走行させ、もう一方の製膜用ロールに
は平滑化鋳型材(F) の一例としての厚さ50μm 、表面
粗度 0.004μm のコロナ放電処理していない二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製O
タイプ)の平滑面が上面となるように供給しながら走行
させ、両製膜用ロールの間隙に向けて、新日鉄化学株式
会社製のエポキシアクリル樹脂「V−254PA」10
0部にベンゾフェノン1部を加えた紫外線硬化型樹脂組
成物を吐出した。
【0038】吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、光
等方性ベースシート(11)のアンカーコーティング層(ac)
形成側の面と平滑化鋳型材(F) の平滑面との間に挟持さ
れたので、この状態で走行させながら、高圧水銀灯によ
り、120W/cm 、1灯、3秒、距離200mmの条件で
紫外線照射した。これにより挟持層は硬化し、厚さ8μ
m の硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0039】上記の操作を光等方性ベースシート(11)の
他面に対しても実施し、当該他面にも厚さ7μm の硬化
性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
【0040】これにより、平滑化鋳型材(F) /硬化性樹
脂硬化物層(13)/アンカーコーティング層(ac)/光等方
性ベースシート(11)/アンカーコーティング層(ac)/硬
化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F) の層構成を有
する積層体が得られた。平滑化鋳型材(F) を剥離除去し
た後の硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、光の干渉
を利用した非接触式表面粗さ計による測定で 0.1μm 以
下であった。
【0041】上記で得た積層体から片面の平滑化鋳型材
(F) を剥離除去し、露出した硬化性樹脂硬化物層(13)上
に、厚さ1000オングストロームのSiOx (ただ
し、xは1と2の間)の層からなる金属酸化物層(12)を
蒸着法により形成させた。硬化性樹脂硬化物層(13)に対
する金属酸化物層(12)の密着性は良好であった。
【0042】この積層体からもう片面の平滑化鋳型材
(F) を剥離除去した電極基板(1) は、最外層が金属酸化
物層(12)で形成され、さらにその下層にも硬い硬化性樹
脂硬化物層(13)で位置しているので、耐損傷性(耐スク
ラッチ性)および表面硬度が極めてすぐれており、また
耐透湿性、耐透気性、耐熱性、耐溶剤性、ITO密着性
などの性質もすぐれている。
【0043】このようにして得られた電極基板(1) は、
金属酸化物層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/アンカー
コーティング層(ac)/光等方性ベースシート(11)/アン
カーコーティング層(ac)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層
構成を有し、全体のレターデーション値は5nm、可視光
線透過率は84%、厚さは87μm であった。
【0044】ついで片方の金属酸化物層(12)の上から、
スパッタリング法により厚さ500オングストロームの
ITO層からなる透明電極(2) を形成させ、透明電極
(2) 付きの電極基板(1) を得た。
【0045】液晶セルは、上記の透明電極(2) 付きの電
極基板(1) の透明電極(2) 面に必要に応じて配向膜を形
成した後、図2のようにその透明電極(2)付きの電極基
板(1) 2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態で
所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶
(3) を封入することにより作製される。図2中、(4) は
シールである。
【0046】液晶表示パネルは、この液晶セルの片面に
偏光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層すること
により作製される。
【0047】なお上記の電極基板(1) は金属酸化物層(1
2)/硬化性樹脂硬化物層(13)/アンカーコーティング層
(ac)/光等方性ベースシート(11)/アンカーコーティン
グ層(ac)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有する
が、金属酸化物層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/アン
カーコーティング層(ac)/光等方性ベースシート(11)の
層構成とすることもできる。
【0048】実施例2 図3は本発明の電極基板の他の一例を模式的に示した断
面図であり、透明電極(2) を付した状態を示してある。
【0049】光等方性ベースシート(11)の一例としてポ
リカーボネートフィルム(流延製膜品)を準備した。厚
さは80μm 、レターデーション値は5nm、可視光線透
過率は90%である。
【0050】この光等方性ベースシート(11)の片面に、
厚さ1000オングストロームのSiOx (ただし、x
は1と2の間)の層からなる金属酸化物層(12)を蒸着法
により直接形成させた。光等方性ベースシート(11)に対
する金属酸化物層(12)の密着性は良好であった。同様に
して、光等方性ベースシート(11)の他面にも厚さ100
0オングストロームの金属酸化物層(12)を形成させた。
【0051】この金属酸化物層(12)付きの光等方性ベー
スシート(11)を走行させながら、その上から、フェノキ
シエーテル樹脂(東都化成株式会社製)40部、メチル
エチルケトン40部、セロソルブアセテート20部、ト
リレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの
アダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン工業株式会
社製のコロネートL)40部よりなる組成の硬化性樹脂
組成物を用いて塗布し、80℃で4分間乾燥してから、
その上に実施例1で用いたのと同じ平滑化鋳型材(F) を
被覆し、ロール群間を通して圧着しながら130℃で2
0分間加熱した。これにより塗布層は硬化し、厚さ7μ
m の硬化性樹脂硬化物層(13)となった。同様にして金属
酸化物層(12)付きの光等方性ベースシート(11)の他面に
も、厚さ6μm の硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させ
た。
【0052】これにより、平滑化鋳型材(F) /硬化性樹
脂硬化物層(13)/金属酸化物層(12)/光等方性ベースシ
ート(11)/金属酸化物層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)
/平滑化鋳型材(F) の層構成を有する積層体が得られ
た。平滑化鋳型材(F) を剥離除去した後の硬化性樹脂硬
化物層(13)の表面粗度は、光の干渉を利用した非接触式
表面粗さ計による測定で 0.1μm 以下であり、両側の平
滑化鋳型材(F) を剥離除去した後の全体のレターデーシ
ョン値は5nm、可視光線透過率は82%、厚さは93μ
m であった。
【0053】この積層体から両側の平滑化鋳型材(F) を
剥離除去した電極基板(1) は、最外層が硬化性樹脂硬化
物層(13)で形成され、さらにその下層には硬い金属酸化
物層(12)で位置しているので、耐損傷性(耐スクラッチ
性)および表面硬度が極めてすぐれており、また耐透湿
性、耐透気性、耐熱性、耐溶剤性、ITO密着性などの
性質もすぐれている。加えて金属酸化物層(12)は光等方
性ベースシート(11)と硬化性樹脂硬化物層(13)との間に
サンドイッチされているので、曲げ方向の力が加わって
も金属酸化物層(12)に割れなどのトラブルを生ずること
がない。
【0054】次に、この電極基板(1) の片方の硬化性樹
脂硬化物層(13)の上から、スパッタリング法により厚さ
500オングストロームのITO層からなる透明電極
(2) を形成させ、透明電極(2) 付きの電極基板(1) を得
た。
【0055】液晶セルおよび液晶表示パネルの作製は実
施例1の場合と同様にして行うことができる。
【0056】なお上記の電極基板(1) は硬化性樹脂硬化
物層(13)/金属酸化物層(12)/光等方性ベースシート(1
1)/金属酸化物層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構
成を有するが、硬化性樹脂硬化物層(13)/金属酸化物層
(12)/光等方性ベースシート(11)の層構成とすることも
できる。
【0057】
【発明の効果】本発明の電極基板は、プラスチックス基
板であることの利点のほか、 ・ 下層である硬い金属酸化物層(12)または硬化性樹脂
硬化物層(13)上に硬化性樹脂硬化物層(13)または金属酸
化物層(12)が配置しているので、耐スクラッチ性および
表面硬度が極めてすぐれていること、 ・ 耐透湿性、耐透気性、耐熱性、耐溶剤性、ITO密
着性などの性質もすぐれていること、 ・ 電極基板(1) の層構成が光等方性ベースシート(11)
/金属酸化物層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)であると
きは、金属酸化物層(12)が光等方性ベースシート(11)と
硬化性樹脂硬化物層(13)とでサンドイッチされているの
で、電極基板(1) やそれを用いた液晶セルの取り扱い中
に曲げ方向の力が加わっても、金属酸化物層(12)に割れ
などのトラブルを生じないこと、 ・ 金属酸化物層(12)の設置は安価にできるので、コス
ト的にも負担にならないこと、 などのすぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面
図であり、透明電極(2) を付した状態を示してある。
【図2】図1の電極基板を用いて作製した液晶セルの一
例を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の電極基板の他の一例を模式的に示した
断面図であり、透明電極(2) を付した状態を示してあ
る。
【符号の説明】
(1)…電極基板、 (11)…光等方性ベースシート、 (12)…金属酸化物層、 (13)…硬化性樹脂硬化物層、 (ac)…アンカーコーティング層、 (2) …透明電極、 (3) …液晶、 (4) …シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 徹之介 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16号 藤森工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その表面に透明電極(2) を形成させるため
    の電極基板(1) であって、該電極基板(1) が、高分子シ
    ート製の光等方性ベースシート(11)の少なくとも片面に
    金属酸化物層(12)を介して硬化性樹脂硬化物層(13)を設
    けた積層シートからなることを特徴とする電極基板。
  2. 【請求項2】その表面に透明電極(2) を形成させるため
    の電極基板(1) であって、該電極基板(1) が、高分子シ
    ート製の光等方性ベースシート(11)の少なくとも片面に
    硬化性樹脂硬化物層(13)を介して金属酸化物層(12)を設
    けた積層シートからなることを特徴とする電極基板。
  3. 【請求項3】金属酸化物層(12)が、SiOx (ただし、
    1<x<2)で示される酸化ケイ素の層である請求項1
    または2記載の電極基板。
  4. 【請求項4】電極基板(1) が、液晶セル製造のための電
    極基板である請求項1または2記載の電極基板。
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