JPH0617461B2 - 遷移金属触媒による重合反応 - Google Patents
遷移金属触媒による重合反応Info
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- JPH0617461B2 JPH0617461B2 JP7586985A JP7586985A JPH0617461B2 JP H0617461 B2 JPH0617461 B2 JP H0617461B2 JP 7586985 A JP7586985 A JP 7586985A JP 7586985 A JP7586985 A JP 7586985A JP H0617461 B2 JPH0617461 B2 JP H0617461B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は亜鉛及び遷移金属化合物を利用した重合方法に
関する。
関する。
本発明者等は遷移金属化合物の存在下に分子内に2個以
上の炭素−ハロゲン結合を有する化合物をマグネシウム
により脱ハロゲン反応させて重合させる方法を見出した
(Bull.Chem.Soc.Jpn.51,209
1(1978)、特公昭53−25600)。この方法
によれば、例えば2個の炭素−ハロゲン結合を分子内に
有する化合物は脱ハロゲン反応により重合体となる。即
ちこの反応は下記反応式のように表わされる。
上の炭素−ハロゲン結合を有する化合物をマグネシウム
により脱ハロゲン反応させて重合させる方法を見出した
(Bull.Chem.Soc.Jpn.51,209
1(1978)、特公昭53−25600)。この方法
によれば、例えば2個の炭素−ハロゲン結合を分子内に
有する化合物は脱ハロゲン反応により重合体となる。即
ちこの反応は下記反応式のように表わされる。
nX−R−X+nMg →(R)n+nMgX2(1) (式中Rは2価の有機の基であり、Xはハロゲンであ
る) 該反応をp−ジクロロベンゼン、2,5−ジブロモチオ
フェン、1,6−ジブロモヘキサン等に応用することに
より所望の耐熱性ポリマー、導電性ポリマー等の機能、
特性、分子構造を持ったものが合成される(Bull.
Chem.Soc.Jpn.51,2091(197
8)、Bull.Chem.Soc.Jpn.56,1
497(1983)、Inorg.Chim.Act
a.73,75(1983)、MacroActa.7
3,75(1983)、Macromolecule,
16,1555(1983)、特許1200926、B
ull.Chem.Soc.Jpn.56,1503
(1983))。又、分子内に3個以上の炭素−ハロゲ
ン結合を分子内に有する化合物に適用した場合には網目
構造を有するポリマーが得られる。このように(1)式
で表される反応は有用な方法であるが、下記のような欠
点を有している。
る) 該反応をp−ジクロロベンゼン、2,5−ジブロモチオ
フェン、1,6−ジブロモヘキサン等に応用することに
より所望の耐熱性ポリマー、導電性ポリマー等の機能、
特性、分子構造を持ったものが合成される(Bull.
Chem.Soc.Jpn.51,2091(197
8)、Bull.Chem.Soc.Jpn.56,1
497(1983)、Inorg.Chim.Act
a.73,75(1983)、MacroActa.7
3,75(1983)、Macromolecule,
16,1555(1983)、特許1200926、B
ull.Chem.Soc.Jpn.56,1503
(1983))。又、分子内に3個以上の炭素−ハロゲ
ン結合を分子内に有する化合物に適用した場合には網目
構造を有するポリマーが得られる。このように(1)式
で表される反応は有用な方法であるが、下記のような欠
点を有している。
(イ)反応の過程でグリニャール反応剤が生成するため
に、反応溶媒としてエーテル類を用いる必要がある。し
かしエーテル類には爆発性、引火性等の問題があり、工
業化での問題点となる。
に、反応溶媒としてエーテル類を用いる必要がある。し
かしエーテル類には爆発性、引火性等の問題があり、工
業化での問題点となる。
(ロ)上述のようにグリニャール反応剤が生成するた
め、分子内にシアノ基、カルボニル基等の活性基を有す
る化合物の重合に適用することが困難である。
め、分子内にシアノ基、カルボニル基等の活性基を有す
る化合物の重合に適用することが困難である。
(ハ)マグネシウムは高価である。
また最近、亜鉛を脱ハロゲン化剤として用いることによ
り炭素−ハロゲン結合を分子内に有する化合物をカップ
リングさせる方法が報告されている(Chem.Let
t.127(1985)、Tetrahed.Let
t.4089(1977)等)。この方法は下記反応式
のように表され、ニッケル等の遷移金属の化合物が触媒
として用いられている。
り炭素−ハロゲン結合を分子内に有する化合物をカップ
リングさせる方法が報告されている(Chem.Let
t.127(1985)、Tetrahed.Let
t.4089(1977)等)。この方法は下記反応式
のように表され、ニッケル等の遷移金属の化合物が触媒
として用いられている。
2R′−X+Zn →R′−R′+ZnX2(2) (式中、R′は1価の基であり、Xはハロゲンである) 〔発明が解決しようとする課題〕 前記マグネシウムを利用した重合方法の欠点をなくした
広範囲に適用可能な重合方法を提供するのが本発明の目
的である。
広範囲に適用可能な重合方法を提供するのが本発明の目
的である。
すなわち、本発明の要旨は、遷移金属化合物の存在下
に、分子内にベンゼン環又はチオフェン環を有し、且つ
炭素−ハロゲン結合を2個以上有する共役系化合物を、
亜鉛と反応させることを特徴とする、遷移金属触媒によ
る重合方法に存する。
に、分子内にベンゼン環又はチオフェン環を有し、且つ
炭素−ハロゲン結合を2個以上有する共役系化合物を、
亜鉛と反応させることを特徴とする、遷移金属触媒によ
る重合方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は前記反応式
(2)を2個の炭素−ハロゲン結合を分子内に有する共
役系化合物に適用して重合体を得るものであり、下記反
応式で表される。
(2)を2個の炭素−ハロゲン結合を分子内に有する共
役系化合物に適用して重合体を得るものであり、下記反
応式で表される。
nX−R−X+nZn →(R)n+nZnX2(3) (式中、R,Xは(1)式と同じ意味である) また分子内に3個以上の炭素−ハロゲン結合を分子内に
有する化合物に適用した場合には網目構造の重合体を得
ることができる。
有する化合物に適用した場合には網目構造の重合体を得
ることができる。
本発明の方法においては前記(イ)〜(ハ)の欠点を有
していない。即ち本発明の方法においては (イ)溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、ベ
ンゼン等の非エーテル系溶媒を用いることができる。
していない。即ち本発明の方法においては (イ)溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、ベ
ンゼン等の非エーテル系溶媒を用いることができる。
(ロ)分子内にシアノ基、エステル基等の活性基、官能
基を有する化合物にも適用することができる。
基を有する化合物にも適用することができる。
(ハ)亜鉛はマグネシウムに比較して安価である。
等の特徴がある。
本発明の方法は前記反応式(2)と同様の反応と考えら
れるが、反応式(2)は亜鉛によって還元された低原子
価金属化合物(例えばゼロ価ニッケル錯体)が2分子の
ハロゲン化有機化合物R′Xと反応してカップリング生
成物R′−R′を与えるERU反応機構によって進行す
ると考えられる(Bull.Chem.Soc.Jp
n,57,1887(1984),Chem.Let
t.127(1985),Tetrahed.Let
t,3375(1975)。この場合の触媒としてはニ
ッケル、バナジウム、コバルト、クロム等の多くの遷移
金属化合物が報告されており、本発明においても同様に
適用可能である。
れるが、反応式(2)は亜鉛によって還元された低原子
価金属化合物(例えばゼロ価ニッケル錯体)が2分子の
ハロゲン化有機化合物R′Xと反応してカップリング生
成物R′−R′を与えるERU反応機構によって進行す
ると考えられる(Bull.Chem.Soc.Jp
n,57,1887(1984),Chem.Let
t.127(1985),Tetrahed.Let
t,3375(1975)。この場合の触媒としてはニ
ッケル、バナジウム、コバルト、クロム等の多くの遷移
金属化合物が報告されており、本発明においても同様に
適用可能である。
また前記反応式(2)において炭素−ハロゲン結合を分
子内に有する共役系化合物は、分子内にベンゼン環又は
チオフェン環を有するものであり、具体的には、他の置
換基を有してもよいジハロゲン化ベンゼン、ジハロゲン
化ビフェニル、ジハロゲン化チオフェン、ジハロゲン化
ビチエニル等のハロゲン化芳香族化合物、ジハロゲン化
ビニル等のハロゲン化オレフィン化合物等のようにsp
2炭素にハロゲンが結合している化合物が挙げられる。
子内に有する共役系化合物は、分子内にベンゼン環又は
チオフェン環を有するものであり、具体的には、他の置
換基を有してもよいジハロゲン化ベンゼン、ジハロゲン
化ビフェニル、ジハロゲン化チオフェン、ジハロゲン化
ビチエニル等のハロゲン化芳香族化合物、ジハロゲン化
ビニル等のハロゲン化オレフィン化合物等のようにsp
2炭素にハロゲンが結合している化合物が挙げられる。
更に詳しく述べれば、本発明で用いられる共役系化合物
は、結果として得られるポリマーの主鎖が実質的に共役
系だけの結合でできるような構造を与えることが必要で
ある。ポリマーの主鎖が実質的に共役系だけの結合であ
る場合に導電性等の電気的物性、機械的物性の優れたポ
リマーを得ることができるようになる。
は、結果として得られるポリマーの主鎖が実質的に共役
系だけの結合でできるような構造を与えることが必要で
ある。ポリマーの主鎖が実質的に共役系だけの結合であ
る場合に導電性等の電気的物性、機械的物性の優れたポ
リマーを得ることができるようになる。
また本発明の方法においてテトラエチルアンモニウムヨ
ウ化物(Et4NI)等の4級アンモニウムヨウ化物、
4級フォスホニウムヨウ化物(R4PI、Rはアルキル
基、アリール基等の有機の基)、ヨウ化アルカリ金属、
ヨウ化アルカリ土類金属等のヨウ化物を添加することに
より、反応を促進させることができる。
ウ化物(Et4NI)等の4級アンモニウムヨウ化物、
4級フォスホニウムヨウ化物(R4PI、Rはアルキル
基、アリール基等の有機の基)、ヨウ化アルカリ金属、
ヨウ化アルカリ土類金属等のヨウ化物を添加することに
より、反応を促進させることができる。
また反応溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、
ヘキサメチルりん酸トリアミドやベンゼン等が利用でき
る。
ヘキサメチルりん酸トリアミドやベンゼン等が利用でき
る。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明の
要旨をこえないかぎり、本実施例に限定されるものでは
ない。
要旨をこえないかぎり、本実施例に限定されるものでは
ない。
実施例1 亜鉛末4.29g(65mmol)をシュレンク管にとり、2N
の塩酸で2回、窒素ガス置換した水及びエチルアルコー
ルで各々2回洗浄した後に脱水エーテルで洗ってから乾
燥する。この後に上記シュレンク管中に0.49g(0.65mm
l)のNiBr2(PPh3)2(PPh3はトリフェ
ニルホスフィンを表す)、11.3g(43.5mmol)のEt4
NI、60cm3のベンゼン及び2.5cm3の3−メチル−
2,5−ジブロモチオフェンを加えて窒素ガス雰囲気下
で還流させる。約1〜2時間で溶液の色は黄緑色から赤
褐色に変化し、シュレンク管下層部に赤褐色のポリマー
の生成が認められた。5時間還流下に反応を行わせた後
に、反応混合物を塩酸酸性エチルアルコール中に加えて
撹拌する。沈澱物をグラスフィルター上に集めた後、該
沈澱物を2N塩酸、、熱水、エチルアルコールの順に繰
り返しよく洗う。洗浄後、真空乾燥することにより、0.
72gの重合物を得た。この重合物を赤外吸収スペクトル
及び粉末X線回折により確認した結果、反応式(1)で
合成されたポリ(3−メチル−2,5−チエニレン)
(Bull.Chem.Soc.Jpn.56,149
7(1983)、特開昭58−147426)の赤外吸
収スペクトル及び粉末X線回折図に一致することから、
3−メチル−2,5−ジブロモチオフェンが重合してポ
リ(3−メチル−2,5−チエニレン)となっているこ
とが確認できた。上記ポリ(3−メチル−2,5−チエ
ニレン)を熱クロロホルムにより、ソックスレー抽出を
行うとクロロホルム可溶性ポリ(3−メチル2,5−チ
エニレン)が得られた(クロロホルム抽出液を濃縮後、
ヘキサン中に加えて生成した沈澱を真空乾燥して得
た)。粉末状クロロホルム可溶性ポリ(3−メチル2,
5−チエニレン)(以下クロロホルム可溶分と言う)の
元素分析値は炭素60.6%、水素4.1%であり、この重合
物が末端の両側にブロムを有するとすると元素分析値よ
り計算される重合度は約54であり、末端の一方のみに
ブロムを有するとすると元素分析値より計算される重合
度は約27となる。このクロロホルム可溶分はヨウ素、
SO3等の電子受容体に対して高い親和力を示し、ポリ
マー重量の1.66倍のヨウ素を吸収して生成した付加体の
電気伝導度は15℃で7.8×10-2Scm-1であり、電気伝
導の活性化エネルギーは3.0kcal/molであった。又、ク
ロロホルム可溶分のクロロホルム溶液を白金板に塗布し
て乾燥させ、これを正極とし、白金板を負極として、両
極をNaClO4(0.3M)のアセトニトリル溶液中に
浸漬して0.2mA/cm2の電流密度でガルバノスタット(北
斗電工(株)HA−301型)を用いて電流を流すと、
電流を流す前は橙赤色であったクロロホルム可溶分は約
2分後に黒色へと変化した。これはクロロホルム可溶分
がClO4によってドーピングされたことを示している
(J.Chem.87,1459(1984),Syn
th.Metals,6,69(1983),電気化
学,52,80(1984)等)。このドーピング後の
クロロホルム可溶分は半導性を示し、クロロホルムに不
溶となった。クロロホルムに不溶となった原因として
は、ドーピングによる物性の変化や電極上での酸化によ
りポリマー間の架橋反応が起こり網目構造が生成したも
のと考えられる。またドーピングされたクロロホルム可
溶分は上記と逆の方向に電流を流すことにより脱ドープ
され元の橙赤色に戻る。
の塩酸で2回、窒素ガス置換した水及びエチルアルコー
ルで各々2回洗浄した後に脱水エーテルで洗ってから乾
燥する。この後に上記シュレンク管中に0.49g(0.65mm
l)のNiBr2(PPh3)2(PPh3はトリフェ
ニルホスフィンを表す)、11.3g(43.5mmol)のEt4
NI、60cm3のベンゼン及び2.5cm3の3−メチル−
2,5−ジブロモチオフェンを加えて窒素ガス雰囲気下
で還流させる。約1〜2時間で溶液の色は黄緑色から赤
褐色に変化し、シュレンク管下層部に赤褐色のポリマー
の生成が認められた。5時間還流下に反応を行わせた後
に、反応混合物を塩酸酸性エチルアルコール中に加えて
撹拌する。沈澱物をグラスフィルター上に集めた後、該
沈澱物を2N塩酸、、熱水、エチルアルコールの順に繰
り返しよく洗う。洗浄後、真空乾燥することにより、0.
72gの重合物を得た。この重合物を赤外吸収スペクトル
及び粉末X線回折により確認した結果、反応式(1)で
合成されたポリ(3−メチル−2,5−チエニレン)
(Bull.Chem.Soc.Jpn.56,149
7(1983)、特開昭58−147426)の赤外吸
収スペクトル及び粉末X線回折図に一致することから、
3−メチル−2,5−ジブロモチオフェンが重合してポ
リ(3−メチル−2,5−チエニレン)となっているこ
とが確認できた。上記ポリ(3−メチル−2,5−チエ
ニレン)を熱クロロホルムにより、ソックスレー抽出を
行うとクロロホルム可溶性ポリ(3−メチル2,5−チ
エニレン)が得られた(クロロホルム抽出液を濃縮後、
ヘキサン中に加えて生成した沈澱を真空乾燥して得
た)。粉末状クロロホルム可溶性ポリ(3−メチル2,
5−チエニレン)(以下クロロホルム可溶分と言う)の
元素分析値は炭素60.6%、水素4.1%であり、この重合
物が末端の両側にブロムを有するとすると元素分析値よ
り計算される重合度は約54であり、末端の一方のみに
ブロムを有するとすると元素分析値より計算される重合
度は約27となる。このクロロホルム可溶分はヨウ素、
SO3等の電子受容体に対して高い親和力を示し、ポリ
マー重量の1.66倍のヨウ素を吸収して生成した付加体の
電気伝導度は15℃で7.8×10-2Scm-1であり、電気伝
導の活性化エネルギーは3.0kcal/molであった。又、ク
ロロホルム可溶分のクロロホルム溶液を白金板に塗布し
て乾燥させ、これを正極とし、白金板を負極として、両
極をNaClO4(0.3M)のアセトニトリル溶液中に
浸漬して0.2mA/cm2の電流密度でガルバノスタット(北
斗電工(株)HA−301型)を用いて電流を流すと、
電流を流す前は橙赤色であったクロロホルム可溶分は約
2分後に黒色へと変化した。これはクロロホルム可溶分
がClO4によってドーピングされたことを示している
(J.Chem.87,1459(1984),Syn
th.Metals,6,69(1983),電気化
学,52,80(1984)等)。このドーピング後の
クロロホルム可溶分は半導性を示し、クロロホルムに不
溶となった。クロロホルムに不溶となった原因として
は、ドーピングによる物性の変化や電極上での酸化によ
りポリマー間の架橋反応が起こり網目構造が生成したも
のと考えられる。またドーピングされたクロロホルム可
溶分は上記と逆の方向に電流を流すことにより脱ドープ
され元の橙赤色に戻る。
実施例2 実施例1と同様の方法により活性化した亜鉛3.53g、メ
チル−2,5−ジブロモチオフェン4.38g(18mm0
l),Et4NI9.25g(36mmol)及び、NiBr2
(PPh3)21.3g(1.8mmol)、溶媒N,N−ジメチ
ルホルムアミド(40cm3)を用い、100℃、8時間
で実施例1と同様の方法で重合し、同様に精製、乾燥し
て0.47gのポリ(2,5−チエニレン)を得た。ポリマ
ーは同様に赤外吸収スペクトル及び粉末X線回折により
確認した。クロロホルム可溶分は1.2倍重量のヨウ素を
吸収し、この付加体は15℃で3.3×10-2Scm-1の電気
伝導度を示し、元素分析値は炭素56.5%、水素2.5%で
ある。この重合物が末端の両側にブロムを有するとする
と元素分析値より計算される重合度は約41である。
チル−2,5−ジブロモチオフェン4.38g(18mm0
l),Et4NI9.25g(36mmol)及び、NiBr2
(PPh3)21.3g(1.8mmol)、溶媒N,N−ジメチ
ルホルムアミド(40cm3)を用い、100℃、8時間
で実施例1と同様の方法で重合し、同様に精製、乾燥し
て0.47gのポリ(2,5−チエニレン)を得た。ポリマ
ーは同様に赤外吸収スペクトル及び粉末X線回折により
確認した。クロロホルム可溶分は1.2倍重量のヨウ素を
吸収し、この付加体は15℃で3.3×10-2Scm-1の電気
伝導度を示し、元素分析値は炭素56.5%、水素2.5%で
ある。この重合物が末端の両側にブロムを有するとする
と元素分析値より計算される重合度は約41である。
実施例3 亜鉛末3.5g(54mmol)を1Nの塩酸で2回、窒素ガ
ス置換した水及びエチルアルコールで各々2回、ジエチ
ルエーテルで1回洗浄した後に乾燥する。シュレンク管
中に0.1g(0.19mml)のNiCl2(dpe)(dpe
は1,2−ビス(ジフェニルホスホノ)エタンを表
す)、15mmlのヘキサメチルりん酸トリアミド
(〔(CH3)2N〕3PO)及び4.4g(18mmol)
の2,5−ジブロモチオフェンを加えて窒素ガスで置換
した後80℃に加熱、撹拌する。この混合系は赤褐色の
分散液となる。この混合系に上記活性化亜鉛を加えると
分散液の色はただちに黄色となり、80℃でさらに撹拌
を続けると約10分後には茶褐色のポリ(2,5−チエ
ニレン)の生成が認められた。約20分、60分後に反
応系より一部を分取し、塩酸、水、エチルアルコールで
洗浄後、赤外吸収スペクトルでポリ(2,5−チエニレ
ン)を確認した。反応温度を150℃にして、更に2時
間撹拌反応させた後に反応混合液を約100mmlのエチ
ルアルコール中に撹拌しながら加えて沈澱を生成させ
た。生成した沈澱を塩酸、熱水、エチルアルコールで洗
浄後、真空乾燥して1.1gのポリ(2,5−チエニレ
ン)を得た。
ス置換した水及びエチルアルコールで各々2回、ジエチ
ルエーテルで1回洗浄した後に乾燥する。シュレンク管
中に0.1g(0.19mml)のNiCl2(dpe)(dpe
は1,2−ビス(ジフェニルホスホノ)エタンを表
す)、15mmlのヘキサメチルりん酸トリアミド
(〔(CH3)2N〕3PO)及び4.4g(18mmol)
の2,5−ジブロモチオフェンを加えて窒素ガスで置換
した後80℃に加熱、撹拌する。この混合系は赤褐色の
分散液となる。この混合系に上記活性化亜鉛を加えると
分散液の色はただちに黄色となり、80℃でさらに撹拌
を続けると約10分後には茶褐色のポリ(2,5−チエ
ニレン)の生成が認められた。約20分、60分後に反
応系より一部を分取し、塩酸、水、エチルアルコールで
洗浄後、赤外吸収スペクトルでポリ(2,5−チエニレ
ン)を確認した。反応温度を150℃にして、更に2時
間撹拌反応させた後に反応混合液を約100mmlのエチ
ルアルコール中に撹拌しながら加えて沈澱を生成させ
た。生成した沈澱を塩酸、熱水、エチルアルコールで洗
浄後、真空乾燥して1.1gのポリ(2,5−チエニレ
ン)を得た。
実施例4 実施例1と同様にして活性化した亜鉛末4.3g、Et4
NI11.3g(43.5mmol)、PdCl20.115g(0.65mmo
l)、PPh30.8g(3.1mmol)及び2,5−ジブロモ
チオフェン4.38g(18mmol)を窒素置換後更に蒸留精
製し、窒素ガス下に保存したベンゼン60mlをシュリン
ク管に加えて窒素雰囲気下撹拌しながら還流下に20時
間反応させ、生成した褐色の反応混合物を塩酸酸性メチ
ルアルコール中に撹拌しながら加えた。これを洗浄、真
空乾燥し、1.1gの重合物を得た。同様に赤外吸収スペ
クトルでポリ(2,5−チエニレン)であることを確認
した。
NI11.3g(43.5mmol)、PdCl20.115g(0.65mmo
l)、PPh30.8g(3.1mmol)及び2,5−ジブロモ
チオフェン4.38g(18mmol)を窒素置換後更に蒸留精
製し、窒素ガス下に保存したベンゼン60mlをシュリン
ク管に加えて窒素雰囲気下撹拌しながら還流下に20時
間反応させ、生成した褐色の反応混合物を塩酸酸性メチ
ルアルコール中に撹拌しながら加えた。これを洗浄、真
空乾燥し、1.1gの重合物を得た。同様に赤外吸収スペ
クトルでポリ(2,5−チエニレン)であることを確認
した。
実施例5 シュリンク管に実施例1と同様にして活性化した亜鉛末
1.96g(30mmol)、Et4NI5.14g(20mmol)、
NiBr2(PPh3)20.40g(0.54mmol)、PPh
30.5g(1.9mmol)、p−ジヨウドベンゼン3.6g(10.
9mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(50cm3)
をとり、窒素ガスで置換した後、撹拌しながら還流下に
18時間反応させ、反応混合物を2N塩酸と混合し、生
成した固体を更に2N塩酸で洗浄し、その後熱水で充分
に洗浄、真空乾燥し、黄色の0.61gの重合物を得た。同
様に赤外吸収スペクトルでポリ(p−フェニレン)であ
ることを確認した(Bull.Chem.Soc.Jp
n.51,2091(1987)) 上記重合物をソックスレー抽出器で熱トルエンで24時
間抽出し、トルエン可溶分とトルエン不溶分を得た。ト
ルエン不溶分の真空乾燥後の元素分析値は炭素85.4%、
水素5.2%、窒素0.4%であり、若干のN,N−ジメチル
ホルムアミドを含んでいた。この重合物が末端の両側に
ヨウ素を有するとすると元素分析値より計算される重合
度は約34である。
1.96g(30mmol)、Et4NI5.14g(20mmol)、
NiBr2(PPh3)20.40g(0.54mmol)、PPh
30.5g(1.9mmol)、p−ジヨウドベンゼン3.6g(10.
9mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(50cm3)
をとり、窒素ガスで置換した後、撹拌しながら還流下に
18時間反応させ、反応混合物を2N塩酸と混合し、生
成した固体を更に2N塩酸で洗浄し、その後熱水で充分
に洗浄、真空乾燥し、黄色の0.61gの重合物を得た。同
様に赤外吸収スペクトルでポリ(p−フェニレン)であ
ることを確認した(Bull.Chem.Soc.Jp
n.51,2091(1987)) 上記重合物をソックスレー抽出器で熱トルエンで24時
間抽出し、トルエン可溶分とトルエン不溶分を得た。ト
ルエン不溶分の真空乾燥後の元素分析値は炭素85.4%、
水素5.2%、窒素0.4%であり、若干のN,N−ジメチル
ホルムアミドを含んでいた。この重合物が末端の両側に
ヨウ素を有するとすると元素分析値より計算される重合
度は約34である。
Claims (3)
- 【請求項1】遷移金属化合物の存在下に、分子内にベン
ゼン環又はチオフェン環を有し、 且つ炭素−ハロゲン結合を2個以上有する共役系化合物
を、亜鉛と反応させることを特徴とする、遷移金属触媒
による重合方法。 - 【請求項2】遷移金属化合物としてニッケル又はパラジ
ウム化合物を使用することを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の重合方法。 - 【請求項3】ヨウ化物の存在下で行うことを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の重合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7586985A JPH0617461B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 遷移金属触媒による重合反応 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7586985A JPH0617461B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 遷移金属触媒による重合反応 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61233014A JPS61233014A (ja) | 1986-10-17 |
JPH0617461B2 true JPH0617461B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=13588695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7586985A Expired - Lifetime JPH0617461B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 遷移金属触媒による重合反応 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617461B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10241814A1 (de) | 2002-09-06 | 2004-03-25 | Covion Organic Semiconductors Gmbh | Prozeß zur Herstellung von Aryl-Aryl gekoppelten Verbindungen |
JP4731942B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2011-07-27 | 住友化学株式会社 | ポリチオフェン |
-
1985
- 1985-04-09 JP JP7586985A patent/JPH0617461B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61233014A (ja) | 1986-10-17 |
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