JPH06174037A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- JPH06174037A JPH06174037A JP34109592A JP34109592A JPH06174037A JP H06174037 A JPH06174037 A JP H06174037A JP 34109592 A JP34109592 A JP 34109592A JP 34109592 A JP34109592 A JP 34109592A JP H06174037 A JPH06174037 A JP H06174037A
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- toroidal
- torque
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H15/00—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
- F16H15/02—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
- F16H15/04—Gearings providing a continuous range of gear ratios
- F16H15/06—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
- F16H15/32—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
- F16H15/36—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
- F16H15/38—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
- F16H2015/383—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces with two or more sets of toroid gearings arranged in parallel
Landscapes
- Friction Gearing (AREA)
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、一方の出力ディスクだけからトル
クがクラッチに伝達されるように構成することによっ
て、伝達容量の小さいクラッチを採用可能にするトロイ
ダル型無段変速機を提供する。 【構成】 一方の出力ディスク5に伝達されたトルクは
クラッチ13に伝達され、更に差動機構12の第二サイ
ドギヤ16に伝達される。他方の出力ディスク3に伝達
されたトルクは差動機構12の第一サイドギヤ15に伝
達される。トルクは、第一サイドギヤ15と第二サイド
ギヤ16に噛み合うピニオンギヤ17、ディファレンシ
ャルケース18、次いで出力歯車19を経て出力軸14
に順次伝達される。従って、クラッチ13には、1つの
出力ディスク5からトルクが伝達されるだけであるか
ら、クラッチ13にかかるトルクは従来よりも小さくな
る。
クがクラッチに伝達されるように構成することによっ
て、伝達容量の小さいクラッチを採用可能にするトロイ
ダル型無段変速機を提供する。 【構成】 一方の出力ディスク5に伝達されたトルクは
クラッチ13に伝達され、更に差動機構12の第二サイ
ドギヤ16に伝達される。他方の出力ディスク3に伝達
されたトルクは差動機構12の第一サイドギヤ15に伝
達される。トルクは、第一サイドギヤ15と第二サイド
ギヤ16に噛み合うピニオンギヤ17、ディファレンシ
ャルケース18、次いで出力歯車19を経て出力軸14
に順次伝達される。従って、クラッチ13には、1つの
出力ディスク5からトルクが伝達されるだけであるか
ら、クラッチ13にかかるトルクは従来よりも小さくな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等に適用され
るトロイダル型無段変速機に関し、特に、2組のトロイ
ダル変速部を同軸上に配置したダブルキャビティ式のト
ロイダル型無段変速機に関する。
るトロイダル型無段変速機に関し、特に、2組のトロイ
ダル変速部を同軸上に配置したダブルキャビティ式のト
ロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、トロイダル型無段変速機は、入
力ディスク、出力ディスク及び両ディスク間に配置され
たパワーローラから構成されるトロイダル変速部を備え
ており、入力軸によって駆動された入力ディスクの回転
動力をパワーローラを介して出力ディスクに伝達し、出
力ディスクから出力軸へ回転動力を伝達するように構成
されており、パワーローラの傾きを変えることによって
変速比を無段階に変えることができるものである。
力ディスク、出力ディスク及び両ディスク間に配置され
たパワーローラから構成されるトロイダル変速部を備え
ており、入力軸によって駆動された入力ディスクの回転
動力をパワーローラを介して出力ディスクに伝達し、出
力ディスクから出力軸へ回転動力を伝達するように構成
されており、パワーローラの傾きを変えることによって
変速比を無段階に変えることができるものである。
【0003】従来、トロイダル型無段変速機は、例え
ば、図2に示すように、入力ディスク2、入力ディスク
2に対向して配置された出力ディスク3及び入力ディス
ク2から出力ディスク3へトルクを伝達する傾転可能な
パワーローラ8から成る第1トロイダル変速部6と、入
力ディスク4、入力ディスク4に対向して配置された出
力ディスク5及び入力ディスク4から出力ディスク5へ
トルクを伝達する傾転可能なパワーローラ9から成る第
2トロイダル変速部7とを有している。このトロイダル
型無段変速機は、これらの2組のトロイダル変速部6,
7が入力軸1上に対向して配置されており、ダブルキャ
ビティ式トロイダル型無段変速機と称されるものであ
る。
ば、図2に示すように、入力ディスク2、入力ディスク
2に対向して配置された出力ディスク3及び入力ディス
ク2から出力ディスク3へトルクを伝達する傾転可能な
パワーローラ8から成る第1トロイダル変速部6と、入
力ディスク4、入力ディスク4に対向して配置された出
力ディスク5及び入力ディスク4から出力ディスク5へ
トルクを伝達する傾転可能なパワーローラ9から成る第
2トロイダル変速部7とを有している。このトロイダル
型無段変速機は、これらの2組のトロイダル変速部6,
7が入力軸1上に対向して配置されており、ダブルキャ
ビティ式トロイダル型無段変速機と称されるものであ
る。
【0004】入力ディスク2は入力軸1に回転可能に支
持されるものであり、図示しないローディングカムを介
して入力軸1に駆動連結され、入力軸1と一体に回転す
ることができる。入力ディスク4も入力軸1に対して相
対回転可能に支持されているが、図示しない別のローデ
ィングカムを介して入力軸1に駆動連結され、入力軸1
と一体に回転することができる。出力ディスク3,5は
それぞれ入力ディスク2,4に対向して配置されてお
り、入力軸1に対して回転自在に支持されている。
持されるものであり、図示しないローディングカムを介
して入力軸1に駆動連結され、入力軸1と一体に回転す
ることができる。入力ディスク4も入力軸1に対して相
対回転可能に支持されているが、図示しない別のローデ
ィングカムを介して入力軸1に駆動連結され、入力軸1
と一体に回転することができる。出力ディスク3,5は
それぞれ入力ディスク2,4に対向して配置されてお
り、入力軸1に対して回転自在に支持されている。
【0005】パワーローラ8は、入力ディスク2と出力
ディスク3との間に配置され、両ディスク2,3のトロ
イダル面に摩擦係合し、パワーローラ9は、入力ディス
ク4と出力ディスク5の間に配置され、両ディスク4,
5のトロイダル面に摩擦係合する。パワーローラ8,9
は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であ
り、且つこの回転軸線10に直交する傾転軸線11の周
りに傾転運動する。このトロイダル型無段変速機は、各
パワーローラ8,9の傾転角度を一致させるために、リ
ンク機構等により各パワーローラ8,9が同期して傾転
運動するように構成されている。各パワーローラ8,9
の傾転角度が変化すると、それに伴って、パワーローラ
8,9と入力ディスク2,4及び出力ディスク3,5と
の摩擦係合点が変化し、無段変速が行われる。
ディスク3との間に配置され、両ディスク2,3のトロ
イダル面に摩擦係合し、パワーローラ9は、入力ディス
ク4と出力ディスク5の間に配置され、両ディスク4,
5のトロイダル面に摩擦係合する。パワーローラ8,9
は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であ
り、且つこの回転軸線10に直交する傾転軸線11の周
りに傾転運動する。このトロイダル型無段変速機は、各
パワーローラ8,9の傾転角度を一致させるために、リ
ンク機構等により各パワーローラ8,9が同期して傾転
運動するように構成されている。各パワーローラ8,9
の傾転角度が変化すると、それに伴って、パワーローラ
8,9と入力ディスク2,4及び出力ディスク3,5と
の摩擦係合点が変化し、無段変速が行われる。
【0006】2つの出力ディスク3,5は互いに連結部
材25で連結されており、この連結部材25に対して出
力歯車19が回転自在に支持されている。出力歯車19
は出力軸14の歯車24と噛み合っている。出力歯車1
9と連結部材25との間にはクラッチ26が配置されて
いる。そして、このクラッチ26の作用で、出力ディス
ク3,5から出力軸14へのトルクの伝達が断接され
る。このクラッチ26は、出力軸14が停止状態でも、
トロイダル変速部6,7の変速を可能にする目的で、ト
ロイダル変速部6,7と出力軸14の間に配置されてい
る。
材25で連結されており、この連結部材25に対して出
力歯車19が回転自在に支持されている。出力歯車19
は出力軸14の歯車24と噛み合っている。出力歯車1
9と連結部材25との間にはクラッチ26が配置されて
いる。そして、このクラッチ26の作用で、出力ディス
ク3,5から出力軸14へのトルクの伝達が断接され
る。このクラッチ26は、出力軸14が停止状態でも、
トロイダル変速部6,7の変速を可能にする目的で、ト
ロイダル変速部6,7と出力軸14の間に配置されてい
る。
【0007】ところで、クラッチ26を設ける位置とし
ては、2通りある。即ち、クラッチをエンジンとトロイ
ダル変速部との間に設けたもの(例えば、実開平3−3
5358号公報参照)と、クラッチをトロイダル変速部
からディファレンシャル装置への動力伝達経路の途中に
設けたもの(例えば、特開昭61−96258号公報参
照)がある。図2に示したトロイダル型無段変速機は、
クラッチ26をトロイダル変速部6,7からディファレ
ンシャル装置への動力伝達経路の途中に設けたものであ
る。
ては、2通りある。即ち、クラッチをエンジンとトロイ
ダル変速部との間に設けたもの(例えば、実開平3−3
5358号公報参照)と、クラッチをトロイダル変速部
からディファレンシャル装置への動力伝達経路の途中に
設けたもの(例えば、特開昭61−96258号公報参
照)がある。図2に示したトロイダル型無段変速機は、
クラッチ26をトロイダル変速部6,7からディファレ
ンシャル装置への動力伝達経路の途中に設けたものであ
る。
【0008】上記クラッチ26が、エンジンとトロイダ
ル変速部の間ではなくて、トロイダル変速部からディフ
ァレンシャル装置への動力伝達経路の途中に設けられて
いる理由は、次のとおりである。このクラッチをトロイ
ダル変速部よりもエンジン側に設けた場合には、雪道を
走行中に急ブレーキをかけた時などのように、車輪が急
にロックされると、発進不可能といった事態が起こり得
る。即ち、走行中に急に車輪がロックされると、トロイ
ダル型無段変速機はその時の変速位置でロックされるこ
とになり、トロイダル変速部が最大減速比以外の変速位
置でロックされた場合には、パワー不足となって再び発
進することができなくなる。しかし、図2に示すよう
に、クラッチ26をトロイダル変速部からディファレン
シャル装置への動力伝達経路の途中に設けた場合には、
アイドリング時にトロイダル変速部がエンジンと共に回
転することができる。従って、トロイダル型無段変速機
がたとえ最大減速位置以外でロックされても、アイドリ
ング中に最大減速位置に速やかに移行させることができ
るので、再び発進することができるのである。
ル変速部の間ではなくて、トロイダル変速部からディフ
ァレンシャル装置への動力伝達経路の途中に設けられて
いる理由は、次のとおりである。このクラッチをトロイ
ダル変速部よりもエンジン側に設けた場合には、雪道を
走行中に急ブレーキをかけた時などのように、車輪が急
にロックされると、発進不可能といった事態が起こり得
る。即ち、走行中に急に車輪がロックされると、トロイ
ダル型無段変速機はその時の変速位置でロックされるこ
とになり、トロイダル変速部が最大減速比以外の変速位
置でロックされた場合には、パワー不足となって再び発
進することができなくなる。しかし、図2に示すよう
に、クラッチ26をトロイダル変速部からディファレン
シャル装置への動力伝達経路の途中に設けた場合には、
アイドリング時にトロイダル変速部がエンジンと共に回
転することができる。従って、トロイダル型無段変速機
がたとえ最大減速位置以外でロックされても、アイドリ
ング中に最大減速位置に速やかに移行させることができ
るので、再び発進することができるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示す従来のトロイダル型無段変速機は、クラッチ26が
トロイダル変速部6,7よりも出力軸14側にあるた
め、トロイダル変速部6,7が減速状態の場合、出力軸
14側でトルクが増幅されることになる。しかも、従来
のトロイダル型無段変速機は、トルクが、2つの出力デ
ィスク3,5を連結した連結部材25からクラッチ26
に伝達されるように構成されているので、クラッチ26
に入力されるトルクは、それぞれの出力ディスク3,5
が持つトルクの総和となる。従って、この増幅されたト
ルクに対応するためには、伝達容量の大きなクラッチを
採用する必要があり、その結果、トロイダル型無段変速
機が大型化してしまうという問題があった。
示す従来のトロイダル型無段変速機は、クラッチ26が
トロイダル変速部6,7よりも出力軸14側にあるた
め、トロイダル変速部6,7が減速状態の場合、出力軸
14側でトルクが増幅されることになる。しかも、従来
のトロイダル型無段変速機は、トルクが、2つの出力デ
ィスク3,5を連結した連結部材25からクラッチ26
に伝達されるように構成されているので、クラッチ26
に入力されるトルクは、それぞれの出力ディスク3,5
が持つトルクの総和となる。従って、この増幅されたト
ルクに対応するためには、伝達容量の大きなクラッチを
採用する必要があり、その結果、トロイダル型無段変速
機が大型化してしまうという問題があった。
【0010】このような事情から、従来、クラッチをト
ロイダル変速部とディファレンシャル装置への動力伝達
経路の途中に設けたダブルキャビティ式のトロイダル型
無段変速機において、クラッチにかかるトルクを如何に
して小さくするかが課題であった。
ロイダル変速部とディファレンシャル装置への動力伝達
経路の途中に設けたダブルキャビティ式のトロイダル型
無段変速機において、クラッチにかかるトルクを如何に
して小さくするかが課題であった。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決するため、一方の出力ディスクだけからトルクがク
ラッチに伝達されるように構成することによって、クラ
ッチにかかるトルクを小さくし、それによってトルク伝
達容量の小さいクラッチを採用することのできる小型の
ものに構成できるトロイダル型無段変速機を提供するこ
とである。
解決するため、一方の出力ディスクだけからトルクがク
ラッチに伝達されるように構成することによって、クラ
ッチにかかるトルクを小さくし、それによってトルク伝
達容量の小さいクラッチを採用することのできる小型の
ものに構成できるトロイダル型無段変速機を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため、以下のように構成されている。即ち、
この発明は、入力軸と一体に回転する一対の入力ディス
ク、該入力ディスクのそれぞれに対向して配置され且つ
前記入力軸に対して回転自在に支持された一対の出力デ
ィスク、対向する前記入力ディスクと前記出力ディスク
の間にそれぞれ配置され且つ前記入力ディスクから前記
出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能なパワーロー
ラ、一方の前記出力ディスクに連結されたクラッチ、該
クラッチと他方の前記出力ディスクとに連結された差動
機構、及び該差動機構に駆動連結された出力軸、を有す
ることを特徴とするトロイダル型無段変速機に関する。
を達成するため、以下のように構成されている。即ち、
この発明は、入力軸と一体に回転する一対の入力ディス
ク、該入力ディスクのそれぞれに対向して配置され且つ
前記入力軸に対して回転自在に支持された一対の出力デ
ィスク、対向する前記入力ディスクと前記出力ディスク
の間にそれぞれ配置され且つ前記入力ディスクから前記
出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能なパワーロー
ラ、一方の前記出力ディスクに連結されたクラッチ、該
クラッチと他方の前記出力ディスクとに連結された差動
機構、及び該差動機構に駆動連結された出力軸、を有す
ることを特徴とするトロイダル型無段変速機に関する。
【0013】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、前記差動機構は、前記一方の出力ディスクに連結さ
れた第一サイドギヤ、前記クラッチに連結された第二サ
イドギヤ、前記両サイドギヤに噛み合うピニオンギヤ、
該ピニオンギヤを回転自在に支持するディファレンシャ
ルケース、及び該ディファレンシャルケースに固着され
且つ前記出力軸に駆動連結された出力歯車を有するもの
である。なお、このトロイダル型無段変速機は、入力軸
と出力軸を逆にして使用することもできる。
て、前記差動機構は、前記一方の出力ディスクに連結さ
れた第一サイドギヤ、前記クラッチに連結された第二サ
イドギヤ、前記両サイドギヤに噛み合うピニオンギヤ、
該ピニオンギヤを回転自在に支持するディファレンシャ
ルケース、及び該ディファレンシャルケースに固着され
且つ前記出力軸に駆動連結された出力歯車を有するもの
である。なお、このトロイダル型無段変速機は、入力軸
と出力軸を逆にして使用することもできる。
【0014】
【作用】この発明は、上記のように構成されているの
で、以下のように作用する。即ち、このトロイダル型無
段変速機においては、入力軸からそれぞれのトロイダル
変速部の入力ディスクに伝達されたトルクは、パワーロ
ーラを介して出力ディスクへ伝達される。そして、一方
の出力ディスクに伝達されたトルクはクラッチに伝達さ
れ、さらにクラッチから差動機構に伝達される。これに
対して、他方の出力ディスクに伝達されたトルクは差動
機構に直接伝達される。そして、差動機構に伝達された
トルクが出力軸に伝達される。従って、クラッチには、
一方の出力ディスクからトルクが伝達されるだけである
から、クラッチにかかるトルクは従来よりも小さくな
る。
で、以下のように作用する。即ち、このトロイダル型無
段変速機においては、入力軸からそれぞれのトロイダル
変速部の入力ディスクに伝達されたトルクは、パワーロ
ーラを介して出力ディスクへ伝達される。そして、一方
の出力ディスクに伝達されたトルクはクラッチに伝達さ
れ、さらにクラッチから差動機構に伝達される。これに
対して、他方の出力ディスクに伝達されたトルクは差動
機構に直接伝達される。そして、差動機構に伝達された
トルクが出力軸に伝達される。従って、クラッチには、
一方の出力ディスクからトルクが伝達されるだけである
から、クラッチにかかるトルクは従来よりも小さくな
る。
【0015】具体的に説明すると、一方の出力ディスク
に伝達されたトルクは、クラッチに伝達され、更に差動
機構の第二サイドギヤに伝達される。これに対して、他
方の出力ディスクに伝達されたトルクは差動機構の第一
サイドギヤに伝達される。そして、そのトルクは、第一
及び第二サイドギヤに噛み合うピニオンギヤ、ピニオン
ギヤを回転自在に支持するディファレンシャルケース、
ディファレンシャルケースに固着された出力歯車、出力
歯車と駆動連結された出力軸へと順次伝達される。従っ
て、クラッチには、一方の出力ディスクからトルクが伝
達されるだけであって、他方の出力ディスクからはクラ
ッチにトルクが伝達されないので、クラッチにかかるト
ルクは、従来のものに較べて小さくなる。
に伝達されたトルクは、クラッチに伝達され、更に差動
機構の第二サイドギヤに伝達される。これに対して、他
方の出力ディスクに伝達されたトルクは差動機構の第一
サイドギヤに伝達される。そして、そのトルクは、第一
及び第二サイドギヤに噛み合うピニオンギヤ、ピニオン
ギヤを回転自在に支持するディファレンシャルケース、
ディファレンシャルケースに固着された出力歯車、出力
歯車と駆動連結された出力軸へと順次伝達される。従っ
て、クラッチには、一方の出力ディスクからトルクが伝
達されるだけであって、他方の出力ディスクからはクラ
ッチにトルクが伝達されないので、クラッチにかかるト
ルクは、従来のものに較べて小さくなる。
【0016】次に、このトロイダル型無段変速機の作用
について、定量的にみてみることにする。一方の出力デ
ィスクのトルクをT1 及び回転数をN1 とし、他方の出
力ディスクのトルクをT2 及び回転数をN2 とする。ま
た、出力歯車のトルクをTG、回転数をNG 、及びクラ
ッチの必要伝達トルクをTC で表すことにする。
について、定量的にみてみることにする。一方の出力デ
ィスクのトルクをT1 及び回転数をN1 とし、他方の出
力ディスクのトルクをT2 及び回転数をN2 とする。ま
た、出力歯車のトルクをTG、回転数をNG 、及びクラ
ッチの必要伝達トルクをTC で表すことにする。
【0017】図2に示す従来のトロイダル型無段変速機
においては、出力歯車19には、クラッチ26を介して
2つの出力ディスク3,5の合計トルクT1 +T2 がか
かるので、クラッチ26の必要伝達トルクTC は次式で
表される。 TC =TG =T1 +T2 ───────────(1)
においては、出力歯車19には、クラッチ26を介して
2つの出力ディスク3,5の合計トルクT1 +T2 がか
かるので、クラッチ26の必要伝達トルクTC は次式で
表される。 TC =TG =T1 +T2 ───────────(1)
【0018】これに対して、この発明によるトロイダル
型無段変速機においては、クラッチには一方の出力ディ
スクのトルクT1 が伝達されるだけであるから、次式が
成り立つ。 TC =T1 ───────────(2) 2つの出力ディスクの合計出力は、T1 ・N1 +T2 ・
N2 である。また、2つの出力ディスクの平均回転数N
G は(N1 +N2 )/2であるから、出力歯車の出力T
G ・NG は、次式で表される。 TG ・NG =(N1 +N2 )TG /2 ────────(3) そして、2つの出力ディスクの合計出力T1 N1 +T2
N2 は、出力歯車の出力TG NG に等しいので、出力歯
車のトルクTG は次式で表される。 TG =2(T1 ・N1 +T2 ・N2 )/(N1 +N2 )──(4) ここで、T1 ≒T2 、N1 ≒N2 であるから、(4)式
から、次式が導かれる。 TG =2T1 ───────────(5) (2)式及び(5)式から、クラッチの必要伝達トルク
TC は次式で表される。 TC =T1 ≒TG /2 ───────────(6) 従って、(1)式と(6)式とを比較すると分かるよう
に、従来例に比較して、この発明によるトロイダル型無
段変速機は、クラッチの伝達容量が約半分となる。
型無段変速機においては、クラッチには一方の出力ディ
スクのトルクT1 が伝達されるだけであるから、次式が
成り立つ。 TC =T1 ───────────(2) 2つの出力ディスクの合計出力は、T1 ・N1 +T2 ・
N2 である。また、2つの出力ディスクの平均回転数N
G は(N1 +N2 )/2であるから、出力歯車の出力T
G ・NG は、次式で表される。 TG ・NG =(N1 +N2 )TG /2 ────────(3) そして、2つの出力ディスクの合計出力T1 N1 +T2
N2 は、出力歯車の出力TG NG に等しいので、出力歯
車のトルクTG は次式で表される。 TG =2(T1 ・N1 +T2 ・N2 )/(N1 +N2 )──(4) ここで、T1 ≒T2 、N1 ≒N2 であるから、(4)式
から、次式が導かれる。 TG =2T1 ───────────(5) (2)式及び(5)式から、クラッチの必要伝達トルク
TC は次式で表される。 TC =T1 ≒TG /2 ───────────(6) 従って、(1)式と(6)式とを比較すると分かるよう
に、従来例に比較して、この発明によるトロイダル型無
段変速機は、クラッチの伝達容量が約半分となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明による
トロイダル型無段変速機の実施例について説明する。図
1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の実施例
を示す概略構造図である。このトロイダル型無段変速機
は、2組のトロイダル変速部6,7を同軸上に対向して
配置したダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機
である。第1トロイダル変速部6は、第1入力ディスク
2、第1入力ディスク2に対向して配置された第1出力
ディスク3、及び第1入力ディスク2と第1出力ディス
ク3との間に配置され且つ両ディスクのトロイダル面に
摩擦係合する第1パワーローラ8から構成されている。
第2トロイダル変速部7は、第2入力ディスク4、第2
入力ディスク4に対向して配置された第2出力ディスク
5、及び第2入力ディスク4と第2出力ディスク5との
間に配置され且つ両ディスクのトロイダル面に摩擦係合
する第2パワーローラ9から構成されている。各トロイ
ダル変速部6,7には、パワーローラは2つずつ設けら
れている。第1パワーローラ8及び第2パワーローラ9
は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であ
り且つ回転軸線10に直交する傾転軸線11の周りに傾
転運動する。
トロイダル型無段変速機の実施例について説明する。図
1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の実施例
を示す概略構造図である。このトロイダル型無段変速機
は、2組のトロイダル変速部6,7を同軸上に対向して
配置したダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機
である。第1トロイダル変速部6は、第1入力ディスク
2、第1入力ディスク2に対向して配置された第1出力
ディスク3、及び第1入力ディスク2と第1出力ディス
ク3との間に配置され且つ両ディスクのトロイダル面に
摩擦係合する第1パワーローラ8から構成されている。
第2トロイダル変速部7は、第2入力ディスク4、第2
入力ディスク4に対向して配置された第2出力ディスク
5、及び第2入力ディスク4と第2出力ディスク5との
間に配置され且つ両ディスクのトロイダル面に摩擦係合
する第2パワーローラ9から構成されている。各トロイ
ダル変速部6,7には、パワーローラは2つずつ設けら
れている。第1パワーローラ8及び第2パワーローラ9
は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であ
り且つ回転軸線10に直交する傾転軸線11の周りに傾
転運動する。
【0020】入力軸1は、ケーシング(図示せず)に回
転自在に支持されており、この入力軸1にトルクコンバ
ータ(図示せず)を介してトルクが入力される。第1入
力ディスク2は、入力軸1に対して回転自在に支持され
ているが、ローディングカム(図示せず)を介して入力
軸1に駆動連結され、入力軸1と一体に回転することが
できる。第1入力ディスク2に対向して配置された第1
出力ディスク3は、入力軸1に対して回転自在に支持さ
れている。また、第2入力ディスク4は入力軸1に対し
て回転自在に支持されているが、別のローディングカム
(図示せず)を介して入力軸1に駆動連結され、入力軸
1と一体に回転できる。第2入力ディスク4に対向して
配置された第2出力ディスク5は、入力軸1に対して回
転自在に支持されている。
転自在に支持されており、この入力軸1にトルクコンバ
ータ(図示せず)を介してトルクが入力される。第1入
力ディスク2は、入力軸1に対して回転自在に支持され
ているが、ローディングカム(図示せず)を介して入力
軸1に駆動連結され、入力軸1と一体に回転することが
できる。第1入力ディスク2に対向して配置された第1
出力ディスク3は、入力軸1に対して回転自在に支持さ
れている。また、第2入力ディスク4は入力軸1に対し
て回転自在に支持されているが、別のローディングカム
(図示せず)を介して入力軸1に駆動連結され、入力軸
1と一体に回転できる。第2入力ディスク4に対向して
配置された第2出力ディスク5は、入力軸1に対して回
転自在に支持されている。
【0021】第1出力ディスク3と第2出力ディスク5
との間には、差動機構12とクラッチ13が配置されて
いる。また、差動機構12は出力軸14に駆動連結され
ている。差動機構12は、第一サイドギヤ15、第二サ
イドギヤ16、両サイドギヤ15,16に噛み合う一対
のピニオンギヤ17、ピニオンギヤ17を回転自在に支
持するディファレンシャルケース18及びディファレン
シャルケース18に固着された出力歯車19から構成さ
れている。クラッチ13は入力側が第2出力ディスク5
に連結され、出力側が差動機構12に連結されている。
との間には、差動機構12とクラッチ13が配置されて
いる。また、差動機構12は出力軸14に駆動連結され
ている。差動機構12は、第一サイドギヤ15、第二サ
イドギヤ16、両サイドギヤ15,16に噛み合う一対
のピニオンギヤ17、ピニオンギヤ17を回転自在に支
持するディファレンシャルケース18及びディファレン
シャルケース18に固着された出力歯車19から構成さ
れている。クラッチ13は入力側が第2出力ディスク5
に連結され、出力側が差動機構12に連結されている。
【0022】第1出力ディスク3は連結部材20を介し
て差動機構12の第一サイドギヤ15に連結されてい
る。第2出力ディスク5は連結部材21を介してクラッ
チ13の入力側に連結されている。クラッチ13の出力
側は連結部材22を介して差動機構12の第二サイドギ
ヤ16に連結されている。一対のピニオンギヤ17は第
一サイドギヤ15及び第二サイドギヤ16を挟んで対向
して配置され、両方のサイドギヤ15,16に噛み合っ
ている。ピニオンギヤ17はディファレンシャルケース
18を設けたピニオンシャフト23によって回転自在に
支持されている。ディファレンシャルケース18は、連
結部材20,22に対して回転自在に支持されている。
ディファレンシャルケース18に固着された出力歯車1
9は、出力軸14に固着された歯車24と噛み合ってい
る。出力軸14は入力軸1に平行に配置され、ディファ
レンシャル装置へ駆動連結されている。
て差動機構12の第一サイドギヤ15に連結されてい
る。第2出力ディスク5は連結部材21を介してクラッ
チ13の入力側に連結されている。クラッチ13の出力
側は連結部材22を介して差動機構12の第二サイドギ
ヤ16に連結されている。一対のピニオンギヤ17は第
一サイドギヤ15及び第二サイドギヤ16を挟んで対向
して配置され、両方のサイドギヤ15,16に噛み合っ
ている。ピニオンギヤ17はディファレンシャルケース
18を設けたピニオンシャフト23によって回転自在に
支持されている。ディファレンシャルケース18は、連
結部材20,22に対して回転自在に支持されている。
ディファレンシャルケース18に固着された出力歯車1
9は、出力軸14に固着された歯車24と噛み合ってい
る。出力軸14は入力軸1に平行に配置され、ディファ
レンシャル装置へ駆動連結されている。
【0023】次に、このトロイダル型無段変速機は、上
記のように構成されており、その作動を説明する。エン
ジンの駆動に伴って、入力軸1にトルクが入力される
と、そのトルクはローディングカムを介して第1入力デ
ィスク2に伝達される。同時に、トルクは別のローディ
ングカムを介して入力軸1から第1入力ディスク4に伝
達される。トルクが第1入力ディスク2に伝達される
と、第1入力ディスク2は回転し、その回転によって第
1パワーローラ8が回転し、その回転が第1出力ディス
ク3に伝達する。また、第2入力ディスク4に伝達され
たトルクは、第2パワーローラ9を介して第2出力ディ
スク5に伝達される。この伝動中に、パワーローラ8,
9をそれぞれ同期させて傾転軸線11周りに同角度だけ
傾転させると、パワーローラ8,9と入力ディスク2,
4及び出力ディスク3,5との摩擦係合点が変化して、
無段変速を行うことができる。
記のように構成されており、その作動を説明する。エン
ジンの駆動に伴って、入力軸1にトルクが入力される
と、そのトルクはローディングカムを介して第1入力デ
ィスク2に伝達される。同時に、トルクは別のローディ
ングカムを介して入力軸1から第1入力ディスク4に伝
達される。トルクが第1入力ディスク2に伝達される
と、第1入力ディスク2は回転し、その回転によって第
1パワーローラ8が回転し、その回転が第1出力ディス
ク3に伝達する。また、第2入力ディスク4に伝達され
たトルクは、第2パワーローラ9を介して第2出力ディ
スク5に伝達される。この伝動中に、パワーローラ8,
9をそれぞれ同期させて傾転軸線11周りに同角度だけ
傾転させると、パワーローラ8,9と入力ディスク2,
4及び出力ディスク3,5との摩擦係合点が変化して、
無段変速を行うことができる。
【0024】第1出力ディスク3の回転は差動機構12
の第一サイドギヤ15に伝達される。一方、第2出力デ
ィスク5の回転はクラッチ13に伝達される。クラッチ
13が接続されている時には、クラッチ13に伝達され
たトルクは差動機構12の第二サイドギヤ16に伝達さ
れる。通常状態、即ち2つのトロイダル変速部6,7で
の変速比が一致している場合には、第1出力ディスク3
の回転数と第2出力ディスク5の回転数は同じであるか
ら、両方のサイドギヤ15,16は同じ回転数で回転す
る。従って、ピニオンギヤ17は自転せずに、入力軸1
の周りを公転する。ピニオンギヤ17の公転に伴って、
ピニオンギヤ17と共にディファレンシャルケース18
が回転し、ディファレンシャルケース18に固着された
出力歯車19が回転する。そして、出力歯車19の回転
は、出力歯車19に噛み合う歯車24を介して出力軸1
4に伝達される。
の第一サイドギヤ15に伝達される。一方、第2出力デ
ィスク5の回転はクラッチ13に伝達される。クラッチ
13が接続されている時には、クラッチ13に伝達され
たトルクは差動機構12の第二サイドギヤ16に伝達さ
れる。通常状態、即ち2つのトロイダル変速部6,7で
の変速比が一致している場合には、第1出力ディスク3
の回転数と第2出力ディスク5の回転数は同じであるか
ら、両方のサイドギヤ15,16は同じ回転数で回転す
る。従って、ピニオンギヤ17は自転せずに、入力軸1
の周りを公転する。ピニオンギヤ17の公転に伴って、
ピニオンギヤ17と共にディファレンシャルケース18
が回転し、ディファレンシャルケース18に固着された
出力歯車19が回転する。そして、出力歯車19の回転
は、出力歯車19に噛み合う歯車24を介して出力軸1
4に伝達される。
【0025】入力軸1の捩じれやパワーローラ8,9の
支持部材の変形等によって両トロイダル変速部6,7の
変速比が一致しなくなった時には、第1出力ディスク3
と第2出力ディスク5とで回転数に差が生じる。例え
ば、第1出力ディスク3の回転数の方が第2出力ディス
ク5の回転数よりも大きくなった場合、第1出力ディス
ク3が連結されている第一サイドギヤ15の方が、クラ
ッチ13を介して第2出力ディスク5が連結されている
第二サイドギヤ16よりも速く回転するようになる。そ
の結果、ピニオンギヤ17は自転して、両サイドギヤ1
5,16の回転数の差を吸収しながら入力軸1の周りを
公転する。従って、両トロイダル変速部6,7の変速比
が一致しなくても、両出力ディスク3,5間に設けられ
た差動機構12の働きで、トロイダル変速部6,7のト
ラクション接触部における滑りは発生しない。
支持部材の変形等によって両トロイダル変速部6,7の
変速比が一致しなくなった時には、第1出力ディスク3
と第2出力ディスク5とで回転数に差が生じる。例え
ば、第1出力ディスク3の回転数の方が第2出力ディス
ク5の回転数よりも大きくなった場合、第1出力ディス
ク3が連結されている第一サイドギヤ15の方が、クラ
ッチ13を介して第2出力ディスク5が連結されている
第二サイドギヤ16よりも速く回転するようになる。そ
の結果、ピニオンギヤ17は自転して、両サイドギヤ1
5,16の回転数の差を吸収しながら入力軸1の周りを
公転する。従って、両トロイダル変速部6,7の変速比
が一致しなくても、両出力ディスク3,5間に設けられ
た差動機構12の働きで、トロイダル変速部6,7のト
ラクション接触部における滑りは発生しない。
【0026】このトロイダル型無段変速機はクラッチ1
3を備えているので、たとえ最大減速位置以外、例え
ば、増速位置で車輪がロックされて車両が停止しても、
クラッチ13を切ることによって、トロイダル変速部
6,7をタイヤから切り離すことができる。この状態に
すると、トロイダル変速部6,7はエンジンと共に回転
できるので、アイドリング中にトロイダル変速部6,7
を瞬時に最大減速位置へ移行させることができ、車両を
再びスムーズに発進させることができる。
3を備えているので、たとえ最大減速位置以外、例え
ば、増速位置で車輪がロックされて車両が停止しても、
クラッチ13を切ることによって、トロイダル変速部
6,7をタイヤから切り離すことができる。この状態に
すると、トロイダル変速部6,7はエンジンと共に回転
できるので、アイドリング中にトロイダル変速部6,7
を瞬時に最大減速位置へ移行させることができ、車両を
再びスムーズに発進させることができる。
【0027】なお、上記実施例においては、差動機構1
2を第1出力ディスク3に連結し、クラッチ13を第2
出力ディスク5に連結したが、クラッチ13を第1出力
ディスク3に連結し、差動機構12を第2出力ディスク
5に連結してもよい。また、このトロイダル型無段変速
機を使用するに当たって、入力軸と出力軸を逆にして使
用してもよい。
2を第1出力ディスク3に連結し、クラッチ13を第2
出力ディスク5に連結したが、クラッチ13を第1出力
ディスク3に連結し、差動機構12を第2出力ディスク
5に連結してもよい。また、このトロイダル型無段変速
機を使用するに当たって、入力軸と出力軸を逆にして使
用してもよい。
【0028】
【発明の効果】この発明は、上記のように構成されてい
るので、次のような効果を有する。即ち、このトロイダ
ル型無段変速機は、トルクが一方の出力ディスクからク
ラッチに伝達されるだけで、他方の出力ディスクからの
トルクはクラッチに伝達されずに差動機構に伝達するよ
うにしたので、クラッチに直接にかかるトルクは、従来
の半分になる。従って、従来に較べて伝達容量の小さい
クラッチを採用することが可能となり、それだけトロイ
ダル型無段変速機を小型化することができる。
るので、次のような効果を有する。即ち、このトロイダ
ル型無段変速機は、トルクが一方の出力ディスクからク
ラッチに伝達されるだけで、他方の出力ディスクからの
トルクはクラッチに伝達されずに差動機構に伝達するよ
うにしたので、クラッチに直接にかかるトルクは、従来
の半分になる。従って、従来に較べて伝達容量の小さい
クラッチを採用することが可能となり、それだけトロイ
ダル型無段変速機を小型化することができる。
【0029】また、パワーローラ支持部材の変形等に起
因して、2組のトロイダル変速部で変速比の不一致が発
生した場合、差動機構がその変速比の差を吸収してくれ
るので、従来のように、パワーローラの傾転角度を2組
のトロイダル変速部で厳密に同期させる必要はなくな
り、2組のトロイダル変速部の変速制御が簡単になると
いう利点がある。
因して、2組のトロイダル変速部で変速比の不一致が発
生した場合、差動機構がその変速比の差を吸収してくれ
るので、従来のように、パワーローラの傾転角度を2組
のトロイダル変速部で厳密に同期させる必要はなくな
り、2組のトロイダル変速部の変速制御が簡単になると
いう利点がある。
【0030】更に、従来は、パワーローラと入力・出力
ディスクの滑りを防ぎ、作動を安定化するために、ロー
ディングカムによって常時大きな押圧力を加える必要が
あったので、トロイダル型無段変速機全体が大型化する
問題があったが、このトロイダル型無段変速機は、トラ
クション接触部で滑りや熱が発生しないので、大きな押
圧力を加える必要はなくなる。従って、この発明は、こ
の意味においても、トロイダル型無段変速機の小型化を
図ることができる。
ディスクの滑りを防ぎ、作動を安定化するために、ロー
ディングカムによって常時大きな押圧力を加える必要が
あったので、トロイダル型無段変速機全体が大型化する
問題があったが、このトロイダル型無段変速機は、トラ
クション接触部で滑りや熱が発生しないので、大きな押
圧力を加える必要はなくなる。従って、この発明は、こ
の意味においても、トロイダル型無段変速機の小型化を
図ることができる。
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の実施
例を示す概略構造図である。
例を示す概略構造図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す概
略構造図である。
略構造図である。
1 入力軸 2 第1入力ディスク 3 第1出力ディスク 4 第2入力ディスク 5 第2出力ディスク 6 第1トロイダル変速部 7 第2トロイダル変速部 8 第1パワーローラ 9 第2パワーローラ 12 差動機構 13 クラッチ 14 出力軸 15 第一サイドギヤ 16 第二サイドギヤ 17 ピニオンギヤ 18 ディファレンシャルケース 19 出力歯車
Claims (2)
- 【請求項1】 入力軸と一体に回転する一対の入力ディ
スク、該入力ディスクのそれぞれに対向して配置され且
つ前記入力軸に対して回転自在に支持された一対の出力
ディスク、対向する前記入力ディスクと前記出力ディス
クの間にそれぞれ配置され且つ前記入力ディスクから前
記出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能なパワーロ
ーラ、一方の前記出力ディスクに連結されたクラッチ、
該クラッチと他方の前記出力ディスクとに連結された差
動機構、及び該差動機構に駆動連結された出力軸、を有
することを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 前記差動機構は、前記一方の出力ディス
クに連結された第一サイドギヤ、前記クラッチに連結さ
れた第二サイドギヤ、前記両サイドギヤに噛み合うピニ
オンギヤ、該ピニオンギヤを回転自在に支持するディフ
ァレンシャルケース、及び該ディファレンシャルケース
に固着され且つ前記出力軸に駆動連結された出力歯車を
有することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型
無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34109592A JP3275406B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34109592A JP3275406B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06174037A true JPH06174037A (ja) | 1994-06-21 |
JP3275406B2 JP3275406B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=18343214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34109592A Expired - Fee Related JP3275406B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3275406B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5807203A (en) * | 1995-09-22 | 1998-09-15 | Nsk Ltd. | Toroidal type continuously variable transmission |
-
1992
- 1992-11-30 JP JP34109592A patent/JP3275406B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5807203A (en) * | 1995-09-22 | 1998-09-15 | Nsk Ltd. | Toroidal type continuously variable transmission |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3275406B2 (ja) | 2002-04-15 |
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