JPH06172974A - 物理的気相成長装置およびこれを用いた薄膜形成方法 - Google Patents

物理的気相成長装置およびこれを用いた薄膜形成方法

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JPH06172974A
JPH06172974A JP16506392A JP16506392A JPH06172974A JP H06172974 A JPH06172974 A JP H06172974A JP 16506392 A JP16506392 A JP 16506392A JP 16506392 A JP16506392 A JP 16506392A JP H06172974 A JPH06172974 A JP H06172974A
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JP16506392A
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Junichi Sato
淳一 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コリメータ・スパッタリングにおいて、高融
点金属粒子によるコリメータの目詰まりを軽減し、バリ
ヤメタル成膜の再現性とスパッタリング装置のメンテナ
ンス性を高める。 【構成】 平行平板型スパッタリング装置のコリメータ
1 を2枚のメッシュ板12,13を平行に離間させ、
枠部で保持した構成とする。基板に対する各メッシュ板
の開孔の垂直投影が一致されているので、垂直入射する
材料粒子23aの進路は何ら阻害されない。また、隣接
するセル14同士が側面で連通しているので、斜め入射
した材料粒子23aが従来のようにセル壁に付着するこ
とがない。Ti層の成膜に適用すれば、アスペクト比の
高い微細な接続孔の内奥部にもTi層が均一に被着さ
れ、後工程において接続孔をAl−1%Si層で均一に
埋め込むことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造工程等
において用いられる物理的気相成長装置およびこれを用
いた薄膜形成方法に関し、特にコリメータ・スパッタリ
ング法においてコリメータの目詰まりを防止しながら再
現性の高い薄膜形成を可能とする装置および方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年のVLSI,ULSI等にみられる
ように、半導体装置のデザイン・ルールが高度に縮小さ
れるに伴い、下層配線と上層配線の接続を図るために層
間絶縁膜に開口される接続孔の開口径も微細化し、アス
ペクト比が1を越えるようになってきている。上層配線
は一般にスパッタリング法によりアルミニウム(Al)
系材料を被着させることにより形成されているが、かか
る高アスペクト比を有する接続孔を埋め込むにはもはや
十分な段差被覆性(ステップ・カバレッジ)が達成され
にくく、断線を生ずる原因ともなっている。
【0003】そこで、段差被覆性の不足を改善するため
の対策として、近年、高温バイアス・スパッタリング法
が提案されている。この技術は、たとえば月刊セミコン
ダクター・ワールド1989年12月号186〜188
ページ(プレスジャーナル社刊)、あるいはIEEE/
IRPS(1989年)210〜214ページ等に紹介
されているように、ウェハをヒータ・ブロック等を介し
て数百℃に加熱し、かつ該ヒータ・ブロックを介してR
Fバイアスを印加しながらスパッタリングを行うもので
ある。この方法によれば、高温によるAlのリフロー効
果とバイアス印加によるイオン衝撃とにより段差被覆性
を改善し、平坦な表面を有するAl系材料層を形成する
ことができる。これらの論文には、Al系材料層の下地
としてチタン(Ti)層を設けた場合に、該Ti層がA
l原子の表面移動(マイグレーション)に寄与して優れ
た段差被覆性(ステップ・カバレッジ)が達成されるこ
とが報告されている。この場合、Al系材料層はTi層
との界面で反応しながら接続孔の内部にまで徐々に引き
込まれていくものと考えられている。
【0004】ところで、Ti層をAl系材料層の下地と
して設ける場合、接続孔の埋め込み性の良否はTi層の
段差被覆性の良否に依存している。つまり、接続孔の側
壁面にもある程度の厚さにTi層が被着されていない
と、Al系材料層と十分に反応してこれを接続孔内部に
まで引き込むことができないのである。たとえば、図6
(a)に示されるようなウェハ3において、下層配線2
0上の層間絶縁膜21に開口されたアスペクト比の高い
接続孔22を埋め込む場合を考える。ここで、図6
(b)に示されるように下地となるTi層23の段差被
覆性が悪く、接続孔22の側壁面の下方や底面上でTi
層23の膜厚が薄くなっていると、たとえ高温スパッタ
リングによりAl系材料層24で接続孔22を埋め込も
うとしても、図6(c)に示されるように鬆(す)25
が発生してしまう。
【0005】しかしながら、Ti層23をアスペクト比
の高い接続孔22の内部に均一に被着させることは容易
ではない。これは、接続孔22の軸方向(ウェハ3の法
線方向)に対して比較的大きな入射角をもって斜めに入
射するTi粒子が接続孔22の開口端付近に付着してこ
の部位のTi層23の厚さを増大させ、このTi層23
による遮蔽(シャドウイング)効果により後から飛来す
るTi粒子が接続孔の内奥部にまで到達しにくくなるか
らである。スパッタリングの場合、ターゲットからスパ
ッタ・アウトされる粒子は電気的に中性なので、粒子の
運動方向を電界により制御することはできない。しか
も、Tiは融点が1660℃と高いため、これをリフロ
ーさせ得る温度域にまでウェハを加熱する高温スパッタ
リングは到底行うことができない。
【0006】そこで、スパッタリングにおける高融点金
属の段差被覆性を改善する技術として、コリメータ・ス
パッタリング法が提案されている。これは、ターゲット
とウェハの間にコリメータと呼ばれるスノコ状の治具を
介在させ、ウェハの法線方向を中心としたある一定の立
体角の範囲内で入射する粒子のみを通過させてウェハへ
到達させる技術である。
【0007】たとえば、本願出願人は先に特開昭62−
109232号公報において、垂直磁気記録媒体の磁性
薄膜の初期成膜にコリメータ・スパッタリングを適用
し、ベース・フィルム上におけるCo−Cr合金薄膜の
結晶配向性を改善する技術を開示した。
【0008】また、同じく本願出願人は先に特願平3−
309633号明細書において、接続孔を被覆するTi
層の成膜にコリメータ・スパッタリングを適用し、Ti
膜の段差被覆性を改善し、その結果としてAl系材料層
による良好な接続孔の埋め込みを達成する技術を提案し
ている。ここで、上記コリメータ・スパッタリングに用
いられる平行平板型スパッタリング装置の一構成例を図
4に示す。図4(a)はこの装置の概略断面図であり、
図4(b)はコリメータの概略平面図である。
【0009】図4(a)に示されるこの装置において、
クライオポンプ2により高真空排気されるチャンバ1の
内部には、上部に成膜材料であるターゲット5が、底部
に該ターゲット5と平行に対向するごとくサセプタ6が
配され、該サセプタ6上にクランプ7によりウェハ3が
固定されている。チャンバ1の外部でサセプタ6の裏面
側にはヒータ・ブロック8が接触配置され、ウェハ3を
サセプタ6を介して所定の温度に加熱できるようになさ
れている。また、このヒータ・ブロック8による加熱効
率を向上させるために、サセプタ6の裏面側からは加熱
ガス導入管9を介して矢印B方向から加熱用ガスが導入
され、サセプタ6に埋設される配管を通じてウェハ3の
裏面に向けて放出されるようになされている。この加熱
用ガスとしては、通常Ar等の不活性ガスが使用され
る。また、ターゲット5にはDCバイアスを印加するた
めのDC電源10が接続されており、これにより矢印A
方向から上部ガス導入管4を通じて導入されるスパッタ
リング・ガスをターゲット5に衝突させる。このスパッ
タリング・ガスとしても、通常Ar等の不活性ガスが使
用される。
【0010】上記ターゲット5と上記ウェハ3の中間に
は、図4(b)に示されるようなコリメータC3 が、双
方に対して平行となるように設置されている。このコリ
メータC3 は円形のメッシュ状部材であり、メッシュ隔
壁11により相互に隔離されるメッシュの目、つまり個
々の開口部はセル11aと呼ばれる。コリメータC3
外形寸法はターゲット5とウェハ3のいずれよりも大き
く設定されている。
【0011】このコリメータC3 による材料粒子の選別
機構は、図5(a)のように説明される。ここでは、材
料粒子がTi粒子である場合について考える。この図
は、コリメータC3 の一部を拡大し、メッシュ隔壁11
とセル11aの断面を模式的に表したものである。この
ように個々のセル11aの断面形状が矩形の場合、この
セル11aを通過し得るTi粒子23aの最大入射角θ
とセル11aのアスペクト比L/W(ただし、Lはセル
11aの長さ,Wは幅を表す。)との間には、tanθ
=(L/W)-1の関係が成り立つ。たとえば、アスペク
ト比が1.73であれば、約30°以内の入射角を有す
るTi粒子23aのみが通過可能であり、アスペクト比
が5.67であれば約10°以内となる。このように、
Ti粒子23aの入射角を所定の範囲内に制御すること
により、シャドウイング効果を抑制し、アスペクト比の
高い接続孔の側壁面の下方や底面上にも十分量のTi粒
子23aを到達させることができるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コリメータ
3 は上述のようにTi粒子23aの入射を物理的に制
限する治具であるから、セル11aの側壁面には必然的
にこれを通過できなかったTi粒子23aが付着する。
ここで、入射角が最大入射角θよりたとえ小さくても、
メッシュ隔壁11の上端部に斜め入射したTi粒子23
aは当然のことながらセル11aを通過することはでき
ない。この結果、メッシュ隔壁11の上端部にはTi粒
子23aが蓄積されて堆積層23bが形成され、開孔断
面積が次第に減少していわゆる目詰まりが発生する。す
ると、セル11aを通過可能なTi粒子23aの入射角
は次第に狭小化し、アスペクト比の高い接続孔22の側
壁面上に十分な膜厚を有するTi層23を形成すること
ができなくなる。このことは、コリメータ・スパッタリ
ングの再現性を著しく低下させる原因となる。また、こ
の目詰まりにより成膜速度が低下してスループットが低
下し、メンテナンス頻度も増大するという問題が生ず
る。
【0013】そこで本発明は、コリメータ・スパッタリ
ング法を採用した場合でも再現性が高く、しかも高いス
ループットと優れたメンテナンス性が保証できる物理的
気相成長装置およびこれを用いた薄膜形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の物理的気相成長
装置は、上述の目的を達成するために提案されるもので
あり、高真空チャンバ内に基板に対する材料粒子の入射
角を所定範囲内に制御するためのコリメータを備えた装
置であって、前記コリメータは所定距離をもって平行に
離間された複数のメッシュ板より構成され、各メッシュ
板の開孔の前記基板に対する垂直投影は互いに略一致さ
れてなることを特徴とする。
【0015】また、本発明の物理的気相成長装置は、前
記材料粒子をターゲットをスパッタリングすることによ
り生成させることを特徴とする。
【0016】さらに本発明の薄膜形成方法は、上記の装
置を用いてTi粒子および/またはTi化合物粒子を前
記基板上に堆積させることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明者は、コリメータを用いた場合にもスル
ープットを低下させずに再現性の高い成膜を行うには、
コリメータのメッシュ隔壁の一部を除去して斜め入射す
る材料粒子がある程度通過できるようにすれば、材料粒
子の付着が軽減できるものと考えた。
【0018】このために、本発明の物理的気相成長装置
では、コリメータを従来のように各セルがメッシュ隔壁
に区分された構造とするのではなく、薄い複数のメッシ
ュ板を平行に離間保持し、隣接するセル同士を連通させ
た構造とした。このとき、各メッシュ板の開孔の前記基
板に対する垂直投影は互いに略一致させる。これは、基
板に対してほぼ垂直に入射する材料粒子の進路を妨害し
ないためである。
【0019】たとえば、最も単純な構造は2枚のメッシ
ュ板で実現される。この場合、材料粒子の入射角は入射
端と出射端のメッシュ板の開孔の幅、開孔のピッチ、2
枚のメッシュ板の離間距離等により決まるが、材料粒子
が付着できるバルク部を有しないために、目詰まりは極
めて少なくなる。
【0020】また、これまでの説明からも推測できるよ
うに、本発明はスパッタリングによる薄膜形成を想定し
た場合に特に有効な技術である。
【0021】さらに、上記の物理的気相成長装置を利用
した薄膜形成方法として最も実用性が高いと考えられる
プロセスは、高温スパッタリングによる段差被覆性の改
善が望めない高融点金属の薄膜形成であり、より具体的
にはチタンもしくはチタン化合物の薄膜形成である。こ
れらは、アルミニウム系配線層のバリヤメタルとして広
く知られている材料である。チタン層、チタン化合物層
の成膜が良好に行われることで、後工程のアルミニウム
系材料による微細な接続孔の埋め込み等が、高い信頼性
をもって行えるようになる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0023】実施例1 本実施例は、平行平板型スパッタリング装置のコリメー
タを2枚のメッシュ板にて構成した例である。まず、本
実施例で使用する平行平板型スパッタリング装置を図1
に示す。なお、図1の参照符号は前述の図4と一部共通
であり、共通部分の説明は重複を避けるために省略す
る。ここでは、図4とは異なるコリメータについての
み、説明する。
【0024】この装置で使用するコリメータC1 は、図
1(a)に示されるように、SUS鋼製の2枚のメッシ
ュ板12,13が所定距離だけ平行に離間された状態で
同じくSUS鋼製の枠部16にそれぞれ固定されてなる
ものである。このコリメータC1 の上面図を図1(b)
に示す。ここではメッシュ板12,13の目(開孔)を
便宜上、正方形とした。ただし、一般にはスポット溶接
による製造上の理由から、開孔が6角形とされているも
のが多く、このようなメッシュ板を用いても一向に差し
支えない。上記2枚のメッシュ板12,13の開孔の垂
直投影は一致され、垂直入射する材料粒子の進路を妨げ
ないようになされている。
【0025】上記コリメータC1 の要部を拡大した断面
図を、図2(a)に示す。ここでは便宜上、破線で囲ん
だ矩形部分をセル14と称するが、このセル14はたと
えば前出の図5(a)に示したコリメータC3 のセル1
1aのように孤立した空間ではなく、隣接する者同士で
相互に連通している。したがって、メッシュ板12のあ
る開孔からあるセル14に入射した材料粒子23aが、
隣りのセル14を通ってメッシュ板13の開孔から出射
したり、さらに離れたセル14を通って出射するといっ
たことも起こり得る。このような材料粒子23aは、従
来のコリメータでは直ちにメッシュ隔壁に付着して目詰
まりの原因となっていたものである。
【0026】ただし、材料粒子が余り離れた場所のセル
14を通過できるようでは、入射角を一定の立体角の範
囲内に規制するというコリメータ本来の意味が無くなる
ので、開孔の幅、開孔のピッチ、2枚のメッシュ板1
2,13の離間距離等のパラメータを相互間で最適化す
ることが必要である。
【0027】なお、上記のコリメータC1 は、2枚のメ
ッシュ板12,13の断面形状がそれぞれ矩形であった
が、さらに目詰まりの軽減を図るために、図2(b)に
示されるようなコリメータC2 を構成することもでき
る。このコリメータC2 は、入射端側のメッシュ板15
の断面形状が三角形とされている。したがって、前述の
コリメータC1 とメッシュ板間の距離が同じ場合には材
料粒子23aの最大入射角は大きくなるが、その付着量
は減少する。
【0028】実施例2 本実施例では、上述のコリメータC1 を装着した平行平
板型スパッタリング装置を用いて、実際にTi層の成膜
を行った。このプロセスを、図3も併せて参照しながら
説明する。図3の参照符号は、前述の図6と一部共通で
ある。上記スパッタリング装置にセットしたウェハ3
は、図3(a)に示されるように、下層配線20上の層
間絶縁膜21にアスペクト比の高い接続孔22が形成さ
れたものである。ここで、下層配線20はたとえばSi
基板中に形成された不純物拡散領域であり、層間絶縁膜
21はたとえばCVD法により堆積された厚さ約0.8
μmのSiO2 膜である。また、接続孔22の開口径は
約0.25μmであり、アスペクト比は3.2である。
【0029】ターゲット5としてはTiターゲットをセ
ットし、上部ガス導入管4からはArガスを導入した。
また、ヒート・ブロック8に通電すると共に加熱ガス導
入管9からもArガスを導入し、ウェハ3を加熱可能な
状態とした。
【0030】この状態で、一例として下記の条件でTi
層23を被着形成した。 Ar流量 100SCCM ガス圧 0.4Pa DC電力 4kW ウェハ温度 150℃ このスパッタリングにより、図3(b)に示されるよう
に、ウェハ3の全面にTi層23を成膜した。このとき
の成膜時間は、接続孔22の側壁面上において5nm以
上となるように決定した。成膜速度は基本的にはコリメ
ータC1 のセル14のアスペクト比に依存するが、本実
施例ではおおよそ0.03〜0.1μm/分であった。
コリメータC1 の目詰まりは従来よりも遙かに少なく、
メンテナンスの所要時間を大幅に短縮することができ
た。
【0031】次に、接続孔22をAl系配線層で埋め込
むため、上記ウェハ3をAl−1%Siターゲットをセ
ットした別チャンバへ真空搬送し、一例として下記の条
件で高温スパッタリングを行った。なお、この別チャン
バにはコリメータは不要である。 Ar流量 100SCCM ガス圧 0.4Pa DC電力 10kW ウェハ温度 500℃ この結果、図3(c)に示されるように、Al−1%S
i層24はTi層23と反応しながら微細な接続孔22
の内部にも均一に引き込まれ、信頼性の高いコンタクト
を形成することができた。
【0032】実施例3 本実施例は、同じ平行平板型スパッタリング装置を用い
てTiN層を成膜した例である。まず、図3(a)に示
されるウェハ3を図1(a)に示される状態の平行平板
型スパッタリング装置にセットし、反応性スパッタリン
グを行うために上部ガス導入管4からAr/N2 混合ガ
スを供給した。スパッタリング条件は、一例として下記
のとおりである。
【0033】 Ar流量 40SCCM N2 流量 70SCCM ガス圧 0.4Pa DC電力 5kW ウェハ温度 150℃ このスパッタリングにより、図3(b)に示されるよう
に、ウェハ3の全面にTiN層26が形成された。この
ときの成膜速度は、おおよそ0.01〜0.04μm/
分であった。コリメータC1 の目詰まりは、従来よりも
遙かに少なかった。
【0034】以上、本発明を3例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、上記Ti層,TiN層は、い
ずれもバリヤメタルとして設けられる層であるが、Ti
層はオーミック性に優れ、TiN層にはバリヤ性に優れ
るという異なる長所を有している。そこで、両層をこの
順に積層した2層構造のバリヤメタルが知られており、
かかる2層を連続成膜するプロセスにも本発明を適用す
れば良好な結果が得られる。また、TiN層の成膜時に
雰囲気中にO2 を導入してTiON層としても良い。さ
らには、チタン化合物としてTiW合金等を使用するこ
ともできる。
【0035】また、上述の実施例ではコリメータを構成
するメッシュ板が2枚である場合について説明したが、
3枚以上のメッシュ板を使用しても良い。メッシュ板の
枚数が増えれば、材料粒子の入射角の規制効果はそれだ
け高くなるが、付着する材料粒子もまた増えるので、メ
ッシュ板の枚数は成膜速度やメンテナンスの頻度等を実
用的なレベルに維持できる範囲で選択することが望まし
い。
【0036】その他、ウェハの構成、コリメータの形
状、スパッタリング条件、使用するスパッタリング装置
の構成等は適宜変更可能であることは、言うまでもな
い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、高温スパッタリングにより段差被覆性
を改善することができない高融点金属等をコリメータを
介してスパッタリングする際に、コリメータの目詰まり
を軽減し、アスペクト比の高い微細な接続孔の内壁面等
にも再現性の高い薄膜形成を行うことができる。
【0038】また、コリメータの交換作業は一般には装
置を大気開放して行わなければならないが、本発明を適
用すればこの交換作業の頻度を大幅に低減することがで
きるので、生産性を著しく向上させることができる。本
発明は、微細なデザイン・ルールにもとづいて設計さ
れ、高性能、高集積度、高信頼性を要求される半導体装
置の製造等において極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した平行平板型スパッタリング装
置の構成例を示す図であり、(a)は装置全体の概略断
面図、(b)はコリメータの概略平面図をそれぞれ表
す。
【図2】コリメータの要部拡大断面図であり、(a)は
図1(b)に示した上記のコリメータ、(b)は他のコ
リメータの構成例をそれぞれ表す。
【図3】本発明を接続孔の埋め込みに適用したプロセス
例をその工程順にしたがって示す模式的断面図であり、
(a)は下層配線上の層間絶縁膜に接続孔が開口された
状態、(b)はウェハの全面にTi層またはTiN層が
被着された状態、(c)は接続孔がAl−1%Si層で
埋め込まれた状態をそれぞれ表す。
【図4】従来の平行平板型スパッタリング装置の構成例
を示す図であり、(a)は装置全体の概略断面図、
(b)はコリメータの概略平面図をそれぞれ表す。
【図5】従来のコリメータ・スパッタリングにおける問
題点を説明するための上記コリメータの要部拡大断面図
であり、(a)はコリメータへの材料粒子の入射状態、
(b)は堆積層の形成によりセルの開孔断面積が減少し
た状態をそれぞれ表す。
【図6】従来の接続孔の埋め込みにおける問題点を説明
するための模式的断面図であり(a)は下層配線上の層
間絶縁膜に接続孔が開口された状態、(b)は接続孔の
内部でTi層の段差被覆性が劣化した状態、(c)は接
続孔がAl−1%Si層で完全に埋め込まれず鬆が発生
した状態をそれぞれ表す。
【符号の説明】
3 ・・・ウェハ 5 ・・・ターゲット C1 ,C2 ・・・コリメータ 10 ・・・DC電源 12,13,15・・・メッシュ板 14 ・・・セル 16 ・・・枠部 20 ・・・下層配線 21 ・・・層間絶縁膜 22 ・・・接続孔 23 ・・・Ti層 24 ・・・Al−1%Si層 26 ・・・TiN層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した平行平板型スパッタリング装
置の構成例を示す図である。
【図2】コリメータの要部拡大断面図であり、(a)は
図1(b)に示した上記のコリメータ、(b)は他のコ
リメータの構成例をそれぞれ表す。
【図3】本発明を接続孔の埋め込みに適用したプロセス
例をその工程順にしたがって示す模式的断面図であり、
(a)は下層配線上の層間絶縁膜に接続孔が開口された
状態、(b)はウェハの全面にTi層またはTiN層が
被着された状態、(c)は接続孔がAl−1%Si層で
埋め込まれた状態をそれぞれ表す。
【図4】従来の平行平板型スパッタリング装置の構成例
を示す図である。
【図5】従来のコリメータ・スパッタリングにおける問
題点を説明するための上記コリメータの要部拡大断面図
であり、(a)はコリメータへの材料粒子の入射状態、
(b)は堆積層の形成によりセルの開孔断面積が減少し
た状態をそれぞれ表す。
【図6】従来の接続孔の埋め込みにおける問題点を説明
するための模式的断面図であり(a)は下層配線上の層
間絶縁膜に接続孔が開口された状態、(b)は接続孔の
内部でTi層の段差被覆性が劣化した状態、(c)は接
続孔がAl−1%Si層で完全に埋め込まれず鬆が発生
した状態をそれぞれ表す。
【符号の説明】 3 ・・・ウェハ 5 ・・・ターゲット C,C ・・・コリメータ 10 ・・・DC電源 12,13,15・・・メッシュ板 14 ・・・セル 16 ・・・枠部 20 ・・・下層配線 21 ・・・層間絶縁膜 22 ・・・接続孔 23 ・・・Ti層 24 ・・・Al−1%Si層 26 ・・・TiN層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高真空チャンバ内に基板に対する材料粒
    子の入射角を所定範囲内に制御するためのコリメータを
    備えた物理的気相成長装置において、 前記コリメータは所定距離をもって平行に離間された複
    数のメッシュ板より構成され、各メッシュ板の開孔の前
    記基板に対する垂直投影は互いに略一致されてなること
    を特徴とする物理的気相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記材料粒子は、ターゲットをスパッタ
    リングすることにより生成することを特徴とする請求項
    1記載の物理的気相成長装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の物理的気
    相成長装置を用いてTi粒子および/またはTi化合物
    粒子を前記基板上に堆積させることを特徴とする薄膜形
    成方法。
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