JPH06172660A - 被覆微粒子 - Google Patents

被覆微粒子

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JPH06172660A
JPH06172660A JP32390492A JP32390492A JPH06172660A JP H06172660 A JPH06172660 A JP H06172660A JP 32390492 A JP32390492 A JP 32390492A JP 32390492 A JP32390492 A JP 32390492A JP H06172660 A JPH06172660 A JP H06172660A
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Yukio Otsuka
有喜男 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置のスペーサ、各種用途のフィル
ム間のスペーサなどに利用可能であり、基板上に固定さ
れ得、かつ、例えば液晶表示装置のスペーサとして利用
した際に液晶の機能を阻害しない、被覆微粒子を提供す
る。 【構成】 有機材料または無機材料でなるコア微粒子お
よび該コア微粒子の表面に設けられた被覆層を有する被
覆微粒子である。この被覆層は、側鎖に二重結合を有す
るビニル系重合体からなる。この重合体が、側鎖に反応
性基を有するビニル系重合体と、該反応性基と反応し得
る基および二重結合を有する化合物との反応により得ら
れた重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆微粒子に関し、液
晶表示セル用ギャップ材、エレクトロクロミック表示セ
ル用ギャップ材、電極版用導電性または絶縁性スペー
サ、または上記以外の用途のフィルム、シート、ブロッ
ク間の間隙保持のためのスペーサ等として有用な微粒
子、さらに光学測定機器その他の用途のための平面また
は凹面上に微細突起物を形成するための被覆微粒子に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子に用いられる液晶スペー
サ、生化学分野のフローサイトメトリーに用いられる蛍
光微粒子などの標識材、電子顕微鏡による粒子の粒径測
定の際などに用いられる標準微粒子、免疫学的診断試薬
に用いられる診断用担体として、均一な粒径を有する無
機または有機の微粒子が用いられている。例えば、これ
らの微粒子を液晶表示素子用のスペーサとして用いる場
合は、2枚の透過性ガラスまたはプラスチック基板の間
隙に、これらの微粒子が所定の間隙を置いて配置され、
この2枚の基板の間隔が一定に保たれる。これらのスペ
ーサーは、例えば、特開昭57−189117号公報、
特開昭59−24829号公報、特開平1−14402
1号公報に開示されている。
【0003】しかし、このような従来の液晶表示素子に
おいては、微粒子が基板に固定されていないために、以
下のような問題があった。
【0004】(1)液晶表示素子を組み立てる工程にお
いて、基板上への空気の吹き付けまたは基板上からの空
気の吸引の際に、基板上に配置されたスペーサが飛散し
て消失する。
【0005】(2)液晶表示素子に液晶を注入する工程
において、スペーサが基板上を移動し、スペーサの配置
に偏りが生じる。
【0006】(3)液晶表示素子を駆動するとき、電気
的、液体力学的な力によりスペーサが移動する。
【0007】(4)カラーフィルターを装備したカラー
液晶表示素子では、カラーフィルターが存在する部分と
しない部分との段差が大きいため、スペーサは凹部に容
易に落ち込み、その結果、スペーサとしての機能を果た
さなくなる。
【0008】このような欠点を解消するため、スペーサ
を基板に固定するための様々な試みがなされているが、
具体的な方法は確立されていない。
【0009】例えば、特開平1―247155号公報で
は、有機または無機の微粒子にオレフィン系の樹脂をコ
ートして接着性の微粒子を製造する方法が開示されてい
る。しかし、オレフィン系の樹脂は常温でも粘着性を示
すため、この接着性の微粒子を長時間放置しておくと次
第にブロック化する傾向があり、長期保存に耐えられな
い。
【0010】さらに、特開昭63−94224号公報で
は、微粒子にアクリル系樹脂微粒子を機械的な方法(メ
カノヒュージョン法)により接着せしめ、接着性微粒子
を得る方法が開示されている。しかし、この方法により
得られた接着性微粒子は接着性に乏しく、かつ微粒子を
被覆した樹脂微粒子が液晶中に溶解する。従って、この
ような接着性微粒子をスペーサーとして液晶表示素子に
用いた場合、液晶注入したセル中でスペーサーを固定す
ることは困難であった。
【0011】さらに、有機または無機の微粒子表面をエ
ポキシ樹脂で被覆し、この被覆層を接着層とすることが
提案されている。エポキシ樹脂の使用は、熱硬化させた
場合に接着性を得ることを目的としている。エポキシ樹
脂を硬化するためにはアミン系の化合物が必要である
が、アミン系の化合物は、液晶の作動に悪影響を及ぼす
恐れがあり、液晶表示素子に使用することは好ましくな
い。また接着層の寿命は短く、長期保存に際しては、低
温で保存しなければならないという欠点がある。
【0012】このように、液晶表示素子などに使用され
る接着可能なスペーサは、スペーサとしての役割を有す
るだけではなく、異常配向、デスクリネーションなどの
悪影響を液晶に与えないものでなくてはならない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするものであり、その目的は、例えば液
晶表示セル用スペーサとして用いた場合に、基板に対し
て所望の接着性を有して基板に固定され得、かつ液晶に
悪影響を及ぼさない微粒子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の被覆微粒
子は、有機材料または無機材料でなるコア微粒子および
該コア微粒子の表面に設けられた被覆層を有する被覆微
粒子であって、該被覆層は、側鎖に二重結合を有するビ
ニル系重合体からなり、該重合体は、側鎖に反応性基を
有するビニル系重合体と、該反応性基と反応し得る基お
よび二重結合を有する化合物との反応により得られたも
のであることを特徴とし、そのことにより上記課題が達
成される。
【0015】本発明の第2の被覆微粒子は、有機材料ま
たは無機材料でなるコア微粒子および該コア微粒子の表
面に設けられた被覆層を有する被覆微粒子であって、該
被覆層が、側鎖に二重結合を有するビニル系重合体、お
よび重合開始剤を含有し、該重合体が、側鎖に反応性基
を有するビニル系重合体と、該反応性基と反応し得る基
および二重結合を有する化合物との反応により得られた
ものであることを特徴とし、そのことにより上記課題が
達成される。
【0016】次に本発明を詳しく説明する。
【0017】本発明の第1の被覆微粒子は、コア微粒子
および該コア微粒子の表面に設けられた被覆層を有する
被覆微粒子である。
【0018】上記コア微粒子は有機または無機材料から
なる。前記有機材料として以下の樹脂が挙げられる:ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポ
リ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセ
タールなどの熱可塑性樹脂;2個以上の2重結合を分子
内に持ったモノマーの単独重合体または共重合体、例え
ば、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチ
レン共重合体、ジビニルベンゼン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、ジビニルベンゼン−アクリロニトリル共重
合体、トリアリルイソシアヌレート重合体;およびエポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化
性樹脂。上記の有機材料中、メラミン樹脂、ジビニルベ
ンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、
ジビニルベンゼン−メタクリル酸エステル共重合体、ジ
ビニルベンゼン−アクリロニトリル共重合体およびトリ
アリルイソシアヌレート重合体が特に好ましい。
【0019】上記無機材料としては、ケイ酸ガラス、ホ
ウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミ
ナ、アルミシリケートなどが挙げられる。上記無機材料
中、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスが特に好ましい。
【0020】上記コア微粒子の形状は限定されないが、
以下に示す寸法の真球状、楕円球状、円柱状が好まし
い。真球状の場合には、直径は、好ましくは0.1〜1
000μm、特に好ましくは、1μm〜100μmであ
る。楕円球状の場合には、短径は、好ましくは0.1〜
1000μm、特に好ましくは、1μm〜100μmで
あり、短径に対する長径は、好ましくは1〜10であ
り、特に好ましくは、1〜5である。円柱状の場合に
は、直径は、好ましくは0.5〜1000μmであり、
特に好ましくは3〜100μmである。
【0021】上記コア微粒子は、無色または適切な方法
で着色されたものであり得る。上記コア微粒子が着色さ
れている場合、以下のように得ることができる。上記コ
ア微粒子が有機材料からなる場合、カーボンブラック、
分散染料、酸性染料、塩基性染料、金属酸化物などで該
コア微粒子を処理することにより得る。上記コア微粒子
が無機材料からなる場合は、はじめに該コア微粒子の表
面に有機材料からなる被覆層を形成し、次にこの被覆層
を高温で分解または炭化して得る。あるいは上記コア微
粒子を形成する無機材料自体に発色性の成分を含有させ
て得る。
【0022】本発明の被覆微粒子の被覆層は、側鎖に二
重結合を有するビニル系重合体;または該重合体および
重合開始剤を含有する。
【0023】上記側鎖に二重結合を有するビニル系重合
体は、側鎖に反応性基を有するビニル系重合体と、該反
応性基と反応し得る基および二重結合を有する化合物と
の反応により得られる。
【0024】上記側鎖に反応性基を有するビニル系重合
体は、通常、反応性基を有するビニル系単量体と反応性
基を有しないビニル系単量体との反応により得られる。
ここで反応性基とは、ビニル基以外の反応性基、例え
ば、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、グリシジル
基等をいう。反応性基を有するビニル系単量体は、例え
ば、下記一般式(I)または(II)で表される。
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
表し、Xはヒドロキシルエチル基、ヒドロキシルプロピ
ル基またはグリシジル基を表す)。
【0027】
【化2】
【0028】(式中、R2またはR3はそれぞれ独立して
水素原子またはメチル基を表す)。
【0029】上記の反応性基を有しないビニル系単量体
としては、下記一般式(III)で表される単量体が挙
げられ、具体的には、スチレン、アクリロニトリル、メ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ベンジルメタトリレート、酢酸ビニ
ルが挙げられる。
【0030】
【化3】
【0031】(式中、R4およびR5は、それぞれ独立し
て水素原子、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、フェニ
ル基、ハロゲン原子、カルボン酸エステル基またはニト
リル基を表す)。
【0032】上記ビニル系単量体の反応性基と反応し得
る基および二重結合を有する化合物としては、以下の化
合物が挙げられる。
【0033】1)上記反応性基を有するビニル系単量体
が水酸基を有するビニル系単量体である場合、二重結合
を有する酸クロライド、二重結合を有するイソシアネー
ト、二重結合を有するシラン化合物、二重結合を有する
酸無水物等が挙げられる。
【0034】2)上記反応性基を有するビニル系単量体
がグリシジル基を有するビニル系単量体である場合、二
重結合を有するカルボン酸、二重結合を有するイソシア
ネート、二重結合を有するシラン化合物等が挙げられ
る。
【0035】3)上記反応性基を有するビニル系単量体
が酸無水物基を有するビニル系単量体である場合、二重
結合を有するアルコール等が挙げられる。
【0036】上記の側鎖に二重結合を有するビニル系重
合体中の、反応性基と反応し得る基および二重結合を有
する化合物の含有量は、少なすぎると液晶表示素子用ス
ペーサー等に用いた場合に液晶中で膨潤または液晶中に
溶解する恐れがある。一方、上記化合物の含有量が多す
ぎると被覆層を形成する側鎖に二重結合を有する重合体
の合成が困難となり、かつ被覆層の接着性が悪くなる恐
れがある。
【0037】従って、上記該反応性基と反応し得る基お
よび二重結合を有する化合物は、下記式で表される、得
られる側鎖に二重結合を有する重合体における、二重結
合の占める割合Kが0.027〜8.1となるように含
有されることが好ましい。
【0038】
【数1】
【0039】本発明の被覆微粒子が有する被覆層の厚み
は、該コア微粒子の直径の2〜10%が好ましい。被覆
層の厚みがコア微粒子の直径の2%未満の場合、コア微
粒子と被覆層の接着力が不十分である、一方、被覆層の
厚みがコア微粒子の直径の10%を超える場合、得られ
る被覆微粒子を液晶表示素子用のスペーサーに用いた場
合に、該被覆微粒子を加熱して基板に接着させる工程
で、接着力を発揮する必要のない部分にまで被覆層が溶
融して広がり、この部分が液晶の動作の悪影響を与え、
その結果、画像表示が悪くなる恐れがある。
【0040】上記被覆層には、必要に応じて重合開始剤
が含有される。この重合開始剤は、その半減期が100
時間である温度が80℃以上であることが好ましい。半
減期が100時間である温度が80℃未満の場合、被覆
層を形成する工程において、重合開示剤の分解が顕著に
進行するため、接着工程での接着が容易でなくなる恐れ
がある。さらに保管中の性能の変化が著しくなり、得ら
れる被覆微粒子の品質が悪くなる場合がある。上記重合
開示剤としては、パーオキシケタール(PK)、ジアル
キルパーオキサイド(DAP)、パーオキシジカーボネ
ート(PDC)、パーオキシエステル(POE)等が挙
げられ、具体的には、表1で示される化合物が挙げられ
る。
【0041】
【表1】
【0042】本発明の被覆微粒子を得るには、例えば、
まず、上述のコア微粒子を共存させながら反応性基を有
するビニル系単量体と反応性基を有しないビニル系単量
体とを重合させて側鎖に反応性基を有する重合体を得
る。上記単量体を重合させる方法としては、溶液重合、
塊状重合およびエマルジョン重合などの方法がある。後
の工程で重合体に二重結合を導入することを考慮する
と、上記重合方法は、溶液重合がより好ましい。
【0043】ついで、該重合体の側鎖の反応性基に、該
反応性基と反応し得る基および二重結合を有する化合物
を反応させて、側鎖に二重結合を有する重合体を得る。
まず上記側鎖に反応性基を有する重合体で被覆されたコ
ア微粒子に、上記の反応性基と反応し得る基および二重
結合を有する化合物を加えて、該重合体と該化合物を反
応させる。これにより、側鎖に二重結合を有する重合体
が形成され、該重合体で被覆されたコア微粒子が得られ
る。
【0044】被覆層に重合開始剤を含有する被覆微粒子
を得る場合には、通常、上記の反応性基と反応し得る基
および二重結合を有する化合物との反応が終了した、反
応液に上記重合開始剤を加える。このようにして得られ
た被覆微粒子を乾燥、粉砕することにより、所望の粒径
の被覆微粒子が得られる。
【0045】さらに本発明の被覆微粒子を液晶表示素子
等のスペーサーとして用いる場合には、この被覆微粒子
を基板上に散布し、加熱処理により被覆層を溶融させた
後、この基板と他の基板とを張り合わせ、ついで液晶を
注入する。上記加熱処理は、150〜200℃の温度範
囲が好ましく、このことにより、側鎖に二重結合を有す
る重合体の二重結合が重合して該重合体が架橋構造を形
成し、被覆層が硬化する。重合開始剤が含有される場合
には、この反応が促進される。硬化した被覆層は基板の
と接着性が良好であり、かつ被覆層を構成する成分が液
晶中へ溶解することがなくなる。
【0046】
【作用】本発明の被覆微粒子は、表面に設けた接着性樹
脂である被覆層が、通常の作業温度(40℃以下)では
接着性を全く示さない。しかし基板上に配置した被覆微
粒子に加熱処理を行うと、被覆層は流動状態となり基板
上に十分に接着し得るだけの接触面積が確保される。さ
らに加熱されると、被覆層に含有される側鎖に二重結合
を有する重合体が重合して該重合体が架橋構造を形成
し、その結果、被覆層が硬化する。従って、本発明の被
覆微粒子を液晶表示素子用スペーサーとして用いた場
合、基板に対し十分な接着性を有し、かつ液晶中への溶
出がなくなる。
【0047】
【実施例】次に実施例および比較例を用いて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0048】実施例1 粒径が8.00μmのジビニルベンゼン共重合体微粒子
100g(コア微粒子)をフラスコに入れ、メチルエチ
ルケトン300gを加え、十分に撹拌した。このフラス
コ内を窒素で置換し、80℃まで加熱した。続いて、メ
チルメタクリレート25g、イソブチルアクリレート1
7g、ヒドロキシルアクリレート8g、およびアゾビス
イソブチロニトリル1.5gからなる単量体の混合物
を、フラスコ中に1時間にわたって滴下した。滴下終了
後、2時間加熱して単量体の重合を完了させ、重合体で
被覆されたコア微粒子を含有する溶液を得た。
【0049】これとは別に、トリレンジイソシアネート
1mol(174g)とヒドロキシエチルアクリレート
1mol(116g)とを反応させて未反応のイソシア
ネート基を有するウレタンアクリレートを調製した。
【0050】上記被覆されたコア微粒子を含有する溶液
に、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.2gを加え、ついで上記ウレタンアクリレート2
0gを加えて、80℃4時間反応させた。反応終了後こ
の混合物にジクミルパーオキサイド0.16gを加え、
ポリエチレンフィルムの上に流し、薄い板状にして乾燥
した。これを、粗粉砕してからボールミルに入れてさら
に粉砕し、篩を用いて塊と所定の粒径を下回る微粒子を
除去し、所望する被覆微粒子を得た。
【0051】接着試験:得られた被覆微粒子を、スペー
サ散布機を用いてガラス基板上に散布した。これを10
0倍の倍率の拡大鏡で測定した。散布された被覆微粒子
の個数は、145/mm2であった。
【0052】次に、これを加熱装置に入れ、180℃で
1時間加熱してガラス基板上に固定した。これをアセト
ン中に5分間浸漬した後、水洗いして乾燥した。これを
100倍の倍率の拡大鏡で測定すると、ガラス基板上の
被覆微粒子の個数は144/mm2であった。これによ
り、基板上に散布された微粒子は加熱処理により実質的
に個数が減少することなく基板上に接着して残留するこ
とがわかる。
【0053】上記のアセトン浸漬に代えて、同じくスペ
ーサーが散布されて加熱処理されたガラス基板を、液晶
中に浸漬し、1時間放置した。上記と同じ拡大鏡で測定
した結果、基板上に残留した被覆微粒子の個数は、14
0/mm2であった。これにより、接着した被覆微粒子
は、ほとんど残留していることがわかる。
【0054】この被覆微粒子を用いて液晶セルを作成
し、評価した結果、被覆微粒子の周辺部に粒径5%程度
の液晶に配向異常があったこと以外は異常はなく、極め
て優れた液晶素子が得られた。
【0055】比較例1 未反応のイソシアネート基を有するウレタンアクリレー
トのかわりに、反応性基を有しないウレタンアクリレー
トを用いたこと以外は実施例1と同様にして被覆微粒子
を得た。
【0056】接着試験:得られた被覆微粒子を、スペー
サ散布機を用いてガラス基板上に散布した。これを10
0倍の倍率の拡大鏡で測定した。散布された被覆微粒子
の個数は、127/mm2であった。
【0057】次に、これを加熱装置に入れ、180℃で
1時間加熱した。これをアセトン中に5分間浸漬した
後、水洗いして乾燥した。これを100倍の倍率の拡大
鏡で測定すると、ガラス基板上の被覆微粒子の個数は1
8/mm2であった。これにより、基板上に散布された
微粒子は加熱処理を行っても架橋反応が進行しないため
アセトンに溶解しその結果、基板上には残留していない
ことがわかる。
【0058】上記のアセトン浸漬に代えて、同じくスペ
ーサーが散布されて加熱処理されたガラス基板を、液晶
中に浸漬し、1時間放置した。上記と同じ拡大鏡で測定
した結果、基板上に残留した被覆微粒子の個数は、48
/mm2であった。これにより、接着した被覆微粒子
は、ほとんど残留していないことがわかる。
【0059】実施例2 粒径が8.00μmのジビニルベンゼン共重合体微粒子
100gをフラスコに入れ、メチルエチルケトン300
gを加え、十分に撹拌した。このフラスコ内を窒素で置
換し、80℃まで加熱した。続いて、メチルメタクリレ
ート25g、イソブチルアクリレート20g、無水マレ
イン酸5g、およびアゾビスイソブチロニトリル1.5
gからなる単量体の混合物を、フラスコ中に1時間にわ
たって滴下した。滴下終了後、2時間加熱して単量体の
重合を完了させ、重合体で被覆されたコア微粒子を含有
する溶液を得た。この溶液に、重合禁止剤としてハイド
ロキノンモノメチルエーテル0.2gを加え、ついでヒ
ドロキシエチルメタクリレート6.6gを加えて、95
℃4時間反応させた。反応終了後この混合物にジクミル
パーオキサイド0.2gを加え、ポリエチレンフィルム
の上に流し、薄い板状にして乾燥した。これを、粗粉砕
してからボールミルに入れてさらに粉砕し、篩を用いて
塊と所定の粒径を下回る微粒子を除去し、所望する被覆
微粒子を得た。
【0060】接着試験:得られた被覆微粒子を、スペー
サ散布機を用いてガラス基板上に散布した。これを10
0倍の倍率の拡大鏡で測定した。散布された被覆微粒子
の個数は、115/mm2であった。
【0061】次に、これを加熱装置に入れ、180℃で
1時間加熱してガラス基板上に固定した。これをアセト
ン中に5分間浸漬した後、水洗いして乾燥した。これを
100倍の倍率の拡大鏡で測定すると、ガラス基板上の
被覆微粒子の個数は110/mm2であった。これによ
り、基板上に散布された微粒子は加熱処理により実質的
に個数が減少することなく基板上に接着して残留するこ
とがわかる。
【0062】上記のアセトン浸漬に代えて、同じくスペ
ーサーが散布されて加熱処理されたガラス基板を、液晶
中に浸漬し、1時間放置した。上記と同じ拡大鏡で測定
した結果、基板上に残留した被覆微粒子の個数は、10
2/mm2であった。これにより、接着した被覆微粒子
は、ほとんど残留していることがわかる。
【0063】比較例2 無水マレイン酸5gの代わりに、イソブチルメタクリレ
ート5gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして被
覆微粒子を得た。
【0064】接着試験:得られた被覆微粒子を、スペー
サ散布機を用いてガラス基板上に散布した。これを10
0倍の倍率の拡大鏡で測定した。散布された被覆微粒子
の個数は、125/mm2であった。
【0065】次に、これを加熱装置に入れ、180℃で
1時間加熱した。これをアセトン中に5分間浸漬した
後、水洗いして乾燥した。これを100倍の倍率の拡大
鏡で測定すると、ガラス基板上の被覆微粒子の個数は5
8/mm2であった。これにより、基板上に散布された
微粒子は加熱処理を行っても架橋反応が進行しないため
アセトン溶解し、その結果、基板上には残留していない
ことがわかる。
【0066】上記のアセトン浸漬に代えて、同じくスペ
ーサーが散布されて加熱処理されたガラス基板を、液晶
中に浸漬し、1時間放置した。上記と同じ拡大鏡で測定
した結果、基板上に残留した被覆微粒子の個数は、28
/mm2であった。これにより、接着した被覆微粒子
は、ほとんど残留していないことがわかる。
【0067】実施例3 粒径が7.50μmのジビニルベンゼン共重合体微粒子
100gをフラスコに入れ、メチルエチルケトン300
gを加え、十分に撹拌した。このフラスコ内を窒素で置
換し、80℃まで加熱した。続いて、メチルメタクリレ
ート25g、イソブチルアクリレート17g、ヒドロキ
シエチルアクリレート8g、およびアゾビスイソバレロ
ニトリル1.4gからなる単量体の混合物を、フラスコ
中に1時間にわたって滴下した。滴下終了後、2時間加
熱して単量体の重合を完了させ、重合体で被覆されたコ
ア微粒子を含有する溶液を得た。
【0068】これとは別に、トリレンジイソシアネート
1mol(174g)とヒドロキシエチルメタクリレー
ト1mol(130g)とを反応させて未反応のイソシ
アネート基を有するウレタンアクリレートを調製した。
【0069】上記被覆されたコア微粒子を含有する溶液
に、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.2gを加え、ついで上記ウレタンアクリレート2
1gを加えて、80℃9時間反応させた。反応終了後こ
の混合物をポリエチレンフィルムの上に流し、薄い板状
にして乾燥した。これを、粗粉砕してからボールミルに
入れてさらに粉砕し、篩を用いて塊と所定の粒径を下回
る微粒子を除去し、所望する被覆微粒子を得た。
【0070】接着試験:得られた被覆微粒子を、スペー
サ散布機を用いてガラス基板上に散布した。これを10
0倍の倍率の拡大鏡で測定した。散布された被覆微粒子
の個数は、140/mm2であった。
【0071】次に、これを加熱装置に入れ、180℃で
1時間加熱してガラス基板上に固定した。これをアセト
ン中に5分間浸漬した後、水洗いして乾燥した。これを
100倍の倍率の拡大鏡で測定すると、ガラス基板上の
被覆微粒子の個数は134/mm2であった。これによ
り、基板上に散布された微粒子は加熱処理により実質的
に個数が減少することなく基板上に接着して残留するこ
とがわかる。
【0072】上記のアセトン浸漬に代えて、同じくスペ
ーサーが散布されて加熱処理されたガラス基板を、液晶
中に浸漬し、1時間放置した。上記と同じ拡大鏡で測定
した結果、基板上に残留した被覆微粒子の個数は、12
8/mm2であった。これにより、接着した被覆微粒子
は、ほとんど残留していることがわかる。
【0073】この被覆微粒子を用いて液晶セルを作成
し、評価した結果、被覆微粒子の周辺部に粒径3%程度
の液晶に配向異常があったこと以外は異常はなく、極め
て優れた液晶素子が得られた。
【0074】
【発明の効果】本発明の被覆微粒子は、本発明の被覆微
粒子を液晶表示素子用スペーサーとして用いた場合、通
常の作業温度(40℃以下)では接着性を全く示さな
い。しかし基板上に配置した被覆微粒子に加熱処理を行
うと、基板に対し十分な接着性を有し、かつ液晶中への
溶出がなくなる。従って、表示素子としての作動に異常
を与えず、スペーサとして優れた効果を発揮する。
【0075】本発明の微粒子は、液晶表示セル用ギャッ
プ材、エレクトロクロミック表示セル用ギャップ材、電
極版用スペーサ、または上記以外の用途のフィルム、シ
ート、ブロック間の間隙保持のためのスペーサなどとし
て有用であり、さらに、光学的またはその他の用途のた
めに平面または凹面上に微細突起物を形成するためなど
にも用いられ得る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機材料または無機材料でなるコア微粒子
    および該コア微粒子の表面に設けられた被覆層を有する
    被覆微粒子であって、 該被覆層が、側鎖に二重結合を有するビニル系重合体か
    らなり、 該重合体が、側鎖に反応性基を有するビニル系重合体
    と、該反応性基と反応し得る基および二重結合を有する
    化合物との反応により得られたものであることを特徴と
    する被覆微粒子。
  2. 【請求項2】有機材料または無機材料でなるコア微粒子
    および該コア微粒子の表面に設けられた被覆層を有する
    被覆微粒子であって、 該被覆層が、側鎖に二重結合を有するビニル系重合体、
    および重合開始剤を含有し、 該重合体が、側鎖に反応性基を有するビニル系重合体
    と、該反応性基と反応し得る基および二重結合を有する
    化合物との反応により得られたものであることを特徴と
    する被覆微粒子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4888059A (en) * 1986-12-25 1989-12-19 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Cement dispersing agent
JP2004502000A (ja) * 2000-06-27 2004-01-22 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 硬化性の水性ポリウレタン分散液
JP2009206482A (ja) * 2008-01-28 2009-09-10 Renesas Technology Corp 半導体装置およびその製造方法
KR101028317B1 (ko) * 2002-03-26 2011-04-12 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 액정 표시 장치의 제조 방법, 액정 표시 장치용 기판, 액정 표시 장치용 기판의 제조 방법 및 스페이서 입자 분산액

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