JPH06171644A - ラップフイルムの収納箱 - Google Patents
ラップフイルムの収納箱Info
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- JPH06171644A JPH06171644A JP32185192A JP32185192A JPH06171644A JP H06171644 A JPH06171644 A JP H06171644A JP 32185192 A JP32185192 A JP 32185192A JP 32185192 A JP32185192 A JP 32185192A JP H06171644 A JPH06171644 A JP H06171644A
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- Japan
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- plate
- saw blade
- lid
- film
- thin film
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65H—HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
- B65H35/00—Delivering articles from cutting or line-perforating machines; Article or web delivery apparatus incorporating cutting or line-perforating devices, e.g. adhesive tape dispensers
- B65H35/0006—Article or web delivery apparatus incorporating cutting or line-perforating devices
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65D—CONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
- B65D83/00—Containers or packages with special means for dispensing contents
- B65D83/08—Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession
- B65D83/0847—Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession through an aperture at the junction of two walls
- B65D83/0852—Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession through an aperture at the junction of two walls with means for assisting dispensing
- B65D83/0882—Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession through an aperture at the junction of two walls with means for assisting dispensing and for cutting interconnected articles
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65H—HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
- B65H2701/00—Handled material; Storage means
- B65H2701/10—Handled articles or webs
- B65H2701/17—Nature of material
- B65H2701/175—Plastic
- B65H2701/1752—Polymer film
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Cartons (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ラップフイルムの収納箱の金属製鋸刃の除去
を容易にし、蓋体の封止性を完全なものにする。 【構成】 後板3と蓋板4との間の折り線Qには、折り
線内部で板紙が薄層に剥離した構造のものとし、かつ蓋
体の鋸刃の裏面に、強靱で柔軟な薄膜状体を鋸刃Kの脇
からはみだす様に重ね合わせて固定にする。 【効果】 ヒンジ部が従来品に比べ、蓋体の封止性が良
く、耐久性もあり、また鋸刃裏面の薄膜状体は、箱体板
紙を弱めず(鋸刃の切断性能を低下させ)に容易に安全
に鋸刃を除去、折り線は操作性、耐久性を損なわずに封
止性を確保する。
を容易にし、蓋体の封止性を完全なものにする。 【構成】 後板3と蓋板4との間の折り線Qには、折り
線内部で板紙が薄層に剥離した構造のものとし、かつ蓋
体の鋸刃の裏面に、強靱で柔軟な薄膜状体を鋸刃Kの脇
からはみだす様に重ね合わせて固定にする。 【効果】 ヒンジ部が従来品に比べ、蓋体の封止性が良
く、耐久性もあり、また鋸刃裏面の薄膜状体は、箱体板
紙を弱めず(鋸刃の切断性能を低下させ)に容易に安全
に鋸刃を除去、折り線は操作性、耐久性を損なわずに封
止性を確保する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】一般家庭や食品販売業等で汎用さ
れているラップフイルムの収納箱の改良技術に関する。
れているラップフイルムの収納箱の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図4(A),(B)に示す様な前
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11である板紙製の部位板
面が、各々の折り線の部分でほぼ直角に折り曲げられ形
成している長方形の箱体であって、内部に収納したラッ
プフイルムRの必要量を引き出し箱体に固定された金属
製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納箱は、
例えば実開昭59−28022公報に記載されていて公
知である。この種の収納箱での金属製鋸刃Kは、掩蓋片
5の先端縁部の裏面にカシメ爪12でカシメ固定されて
いる。図4(B)において、この種の収納箱でのフイル
ム切断操作は、例えば引き出したフイルムFの他方は前
板1と掩蓋片5との間に挾んで保持し、引き出したフイ
ルムF端は、フイルムが掩蓋片の先の刃先に当接して鋭
角に屈曲する方向に手に持って誘導して、張力を与えた
状態でフイルム及び箱体の相互を斜め上下に対向回動さ
せることで、刃先に当接したフイルムはその一側端から
他側端に向けて順次に鋭利な刃先に食い込む形で押圧切
断されるのが一般的である。この際の掩蓋片5は、刃先
からの垂直方向の押圧と刃先を引っ張って掩蓋片を外側
に引き倒す方向の応力とを同時に受ける。従って掩蓋片
は切断操作の度に、フイルムで前方に引っ張られた形の
湾曲変形を繰り返して受けることになる。
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11である板紙製の部位板
面が、各々の折り線の部分でほぼ直角に折り曲げられ形
成している長方形の箱体であって、内部に収納したラッ
プフイルムRの必要量を引き出し箱体に固定された金属
製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納箱は、
例えば実開昭59−28022公報に記載されていて公
知である。この種の収納箱での金属製鋸刃Kは、掩蓋片
5の先端縁部の裏面にカシメ爪12でカシメ固定されて
いる。図4(B)において、この種の収納箱でのフイル
ム切断操作は、例えば引き出したフイルムFの他方は前
板1と掩蓋片5との間に挾んで保持し、引き出したフイ
ルムF端は、フイルムが掩蓋片の先の刃先に当接して鋭
角に屈曲する方向に手に持って誘導して、張力を与えた
状態でフイルム及び箱体の相互を斜め上下に対向回動さ
せることで、刃先に当接したフイルムはその一側端から
他側端に向けて順次に鋭利な刃先に食い込む形で押圧切
断されるのが一般的である。この際の掩蓋片5は、刃先
からの垂直方向の押圧と刃先を引っ張って掩蓋片を外側
に引き倒す方向の応力とを同時に受ける。従って掩蓋片
は切断操作の度に、フイルムで前方に引っ張られた形の
湾曲変形を繰り返して受けることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近来、この種の収納箱
に寄せられる市場(消費者)要求は多項目に渡り、しか
もその個々の要求水準は高度化している。中でもこの種
の収納箱で達成させ難い市場要求は、実用時、蓋板と掩
蓋片と脇掩蓋片とでなる蓋体の箱体に対する封止性を、
フイルムの引き出し性を阻害しない状態にして高めるこ
と、実用時には鋸刃の切断性能(切れ味とその持続性)
を十分に維持し、空箱廃棄時には、安全且つ容易に鋸刃
を取り外せる状態にすることの要求である。この困難な
理由は、蓋体のヒンジ部は蓋板と後板との間の折り線で
司どるが、従前の封止性を高めるヒンジ部構造のもの
は、蓋板の裏面と前板の上部との押圧を高める或いは蓋
体を持ち上げる操作を困難にする現象が生じて、いずれ
も次のフイルムの引き出し性を悪化させる原因になる
し、一方この種の箱の鋸刃の切断性能の確保は、鋸刃が
付いた掩蓋片及び蓋体の組立構造を、歪変形の少ないも
のにし切断時の刃先は常にフイルム面に垂直に当接する
状態に保つことにあると考えるが、その条件を満して鋸
刃の除去を容易にする方策が見当たらないことによる。
本発明の第一の目的は、上記の課題を解決した収納箱を
提供することであり、第二の目的は、要求水準の高まっ
た市場要求をも満たす収納箱を必要に応じて提供出来る
ようにすることである。
に寄せられる市場(消費者)要求は多項目に渡り、しか
もその個々の要求水準は高度化している。中でもこの種
の収納箱で達成させ難い市場要求は、実用時、蓋板と掩
蓋片と脇掩蓋片とでなる蓋体の箱体に対する封止性を、
フイルムの引き出し性を阻害しない状態にして高めるこ
と、実用時には鋸刃の切断性能(切れ味とその持続性)
を十分に維持し、空箱廃棄時には、安全且つ容易に鋸刃
を取り外せる状態にすることの要求である。この困難な
理由は、蓋体のヒンジ部は蓋板と後板との間の折り線で
司どるが、従前の封止性を高めるヒンジ部構造のもの
は、蓋板の裏面と前板の上部との押圧を高める或いは蓋
体を持ち上げる操作を困難にする現象が生じて、いずれ
も次のフイルムの引き出し性を悪化させる原因になる
し、一方この種の箱の鋸刃の切断性能の確保は、鋸刃が
付いた掩蓋片及び蓋体の組立構造を、歪変形の少ないも
のにし切断時の刃先は常にフイルム面に垂直に当接する
状態に保つことにあると考えるが、その条件を満して鋸
刃の除去を容易にする方策が見当たらないことによる。
本発明の第一の目的は、上記の課題を解決した収納箱を
提供することであり、第二の目的は、要求水準の高まっ
た市場要求をも満たす収納箱を必要に応じて提供出来る
ようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第一の目
的を達成するためのもので、収納箱としての構成は、前
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とする長方
形の箱体であって、内部に収納した巻回フイルムRの必
要量を引き出して箱体に固定してある金属製鋸刃Kで切
断して用いるラップフイルムの収納箱において、上記後
板3と蓋板4との間の折り線は、折り線の内部で板紙が
複数枚の薄層に剥離している折り線Qでなり、上記金属
製鋸刃Kは掩蓋片5の先端縁部の裏面側に、薄膜状体P
を介在させてカシメ爪12でカシメ固定されてあり、そ
の薄膜状体Pは、金属製鋸刃Kの長手方向の少なくとも
片方脇部からはみだした状態に配置されていることを特
徴とする。
的を達成するためのもので、収納箱としての構成は、前
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とする長方
形の箱体であって、内部に収納した巻回フイルムRの必
要量を引き出して箱体に固定してある金属製鋸刃Kで切
断して用いるラップフイルムの収納箱において、上記後
板3と蓋板4との間の折り線は、折り線の内部で板紙が
複数枚の薄層に剥離している折り線Qでなり、上記金属
製鋸刃Kは掩蓋片5の先端縁部の裏面側に、薄膜状体P
を介在させてカシメ爪12でカシメ固定されてあり、そ
の薄膜状体Pは、金属製鋸刃Kの長手方向の少なくとも
片方脇部からはみだした状態に配置されていることを特
徴とする。
【0005】以下図面を用いて本発明の内容を説明す
る。図1、図2及び図3は本発明の実施例を示すもの
で、図1(A)は収納箱の斜視図、図1(B)は、図1
(A)の収納箱となる板紙の構造を示す展開平面図、図
2は、図1(A)の折り線Q(後板と蓋板との間の折り
線)近傍の断面構造を示す拡大模式図、図3は、図1
(A)の鋸刃のカシメ爪12の部分(X−X)で切断
し、その切断面を拡大して示す部分模式図である。
る。図1、図2及び図3は本発明の実施例を示すもの
で、図1(A)は収納箱の斜視図、図1(B)は、図1
(A)の収納箱となる板紙の構造を示す展開平面図、図
2は、図1(A)の折り線Q(後板と蓋板との間の折り
線)近傍の断面構造を示す拡大模式図、図3は、図1
(A)の鋸刃のカシメ爪12の部分(X−X)で切断
し、その切断面を拡大して示す部分模式図である。
【0006】本発明の収納箱を示す図1(A)におい
て、前板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4
から前板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇
板8を覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とす
る長方形の箱体であり、上記掩蓋片5の先端縁部の裏面
側に、金属製鋸刃Kがカシメ爪12でカシメ固定された
収納箱であることは、図4(A)に示す従来品と共通す
る部分である。そして図1(A)の収納箱は、図4
(A)、(B)に示す従来品と同様に、開封片6の裏面
と前板1の表面とを貼合している局部接合部9を引き捲
りながら切取り線10から開封片6を除去することで開
封したものであり、従って当然、内部に収納した巻回フ
イルムRの必要量を引き出して、掩蓋片に固定してある
金属製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムFの収納
箱であることも、従来品と共通する部分である。
て、前板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4
から前板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇
板8を覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とす
る長方形の箱体であり、上記掩蓋片5の先端縁部の裏面
側に、金属製鋸刃Kがカシメ爪12でカシメ固定された
収納箱であることは、図4(A)に示す従来品と共通す
る部分である。そして図1(A)の収納箱は、図4
(A)、(B)に示す従来品と同様に、開封片6の裏面
と前板1の表面とを貼合している局部接合部9を引き捲
りながら切取り線10から開封片6を除去することで開
封したものであり、従って当然、内部に収納した巻回フ
イルムRの必要量を引き出して、掩蓋片に固定してある
金属製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムFの収納
箱であることも、従来品と共通する部分である。
【0007】本発明が従来品と相違するところは、後板
3と蓋板4との間の折り線は、折り線の内部で板紙が複
数枚の薄層に剥離している折り線Qでなり、更に掩蓋片
5の先端縁部の裏面側の鋸刃は、薄膜状体Pを介在させ
て金属製鋸刃Kがカシメ爪12でカシメ固定されてあ
り、その薄膜状体Pは、金属製鋸刃Kの長手方向の少な
くとも片方脇部からはみだした状態に配置されているこ
とである。本発明の折り線Qについては、図1(A)、
(B)では具体的に示すことが出来ず、また本発明の薄
膜体Pについても図1(A)、(B)において薄膜状体
のはみだし部Sが、切断具の脇に僅かに示されているに
留まる。そこで、図2及び図3により、この説明の不備
を補うものである。
3と蓋板4との間の折り線は、折り線の内部で板紙が複
数枚の薄層に剥離している折り線Qでなり、更に掩蓋片
5の先端縁部の裏面側の鋸刃は、薄膜状体Pを介在させ
て金属製鋸刃Kがカシメ爪12でカシメ固定されてあ
り、その薄膜状体Pは、金属製鋸刃Kの長手方向の少な
くとも片方脇部からはみだした状態に配置されているこ
とである。本発明の折り線Qについては、図1(A)、
(B)では具体的に示すことが出来ず、また本発明の薄
膜体Pについても図1(A)、(B)において薄膜状体
のはみだし部Sが、切断具の脇に僅かに示されているに
留まる。そこで、図2及び図3により、この説明の不備
を補うものである。
【0008】先ず図2は、図1(A)の折り線Q(後板
と蓋板との間のヒンジ部)近傍の断面拡大図で、後板3
と蓋板4との面がほぼ水平になる状態に置いた時の、板
紙厚み方向の断面をしめしている。図2において折り線
Q部の断面構造は、折り線(もと罫線であった部分)H
とその近傍部分で、板紙が複数の薄層t1,t2,t
3,t4,t5,t6・・・に内部剥離したものである
ことがよく分かる。そしてこの剥離した薄層t1,t
2,t3,t4,t5,t6・・・は屈曲して、その薄
層間に複数の空隙部m,n,o,p,q,r・・・を持
つ結果として、元の板紙部分の厚みTよりも大きく膨ら
んだ部分T’を持つ形状になっている。この剥離構造
は、断面幅Mが1.5〜3mm程度、厳密には1.8〜
2.5mmの狭い寸法範囲で長さ方向にほぼ同じ状態で
分布し折り線Qを形成している。
と蓋板との間のヒンジ部)近傍の断面拡大図で、後板3
と蓋板4との面がほぼ水平になる状態に置いた時の、板
紙厚み方向の断面をしめしている。図2において折り線
Q部の断面構造は、折り線(もと罫線であった部分)H
とその近傍部分で、板紙が複数の薄層t1,t2,t
3,t4,t5,t6・・・に内部剥離したものである
ことがよく分かる。そしてこの剥離した薄層t1,t
2,t3,t4,t5,t6・・・は屈曲して、その薄
層間に複数の空隙部m,n,o,p,q,r・・・を持
つ結果として、元の板紙部分の厚みTよりも大きく膨ら
んだ部分T’を持つ形状になっている。この剥離構造
は、断面幅Mが1.5〜3mm程度、厳密には1.8〜
2.5mmの狭い寸法範囲で長さ方向にほぼ同じ状態で
分布し折り線Qを形成している。
【0009】本発明では、図2に例示した様な、折り線
の内部で板紙が複数枚の薄層に剥離している折り線Qを
蓋体のヒンジ部にすることで、蓋体の封止性をフイルム
の引き出し性を阻害しない状態にして高めることに成功
したものである。発明者等の知見によると、折り線Qの
上記膨らみ構造は、板紙の厚み中央の仮想線の両側にほ
ぼ同じ形状、同じ大きさの膨らみである場合のものが望
ましいが、膨らみの大きさが片方に片寄ったものでも効
果があって使用できる。そしてこの膨らみの大きさは、
上記TとT’との関係(T’/T)の値で1.8〜3の
範囲にあることが望ましく、2〜2.8の範囲のものが
最も望ましい。この(T’/T)の値は、折り線内部に
於ける薄層への剥離状態と、その薄層間に空隙を持つた
めの薄層の屈曲の仕方の状態とが総合された構造指標で
ある。
の内部で板紙が複数枚の薄層に剥離している折り線Qを
蓋体のヒンジ部にすることで、蓋体の封止性をフイルム
の引き出し性を阻害しない状態にして高めることに成功
したものである。発明者等の知見によると、折り線Qの
上記膨らみ構造は、板紙の厚み中央の仮想線の両側にほ
ぼ同じ形状、同じ大きさの膨らみである場合のものが望
ましいが、膨らみの大きさが片方に片寄ったものでも効
果があって使用できる。そしてこの膨らみの大きさは、
上記TとT’との関係(T’/T)の値で1.8〜3の
範囲にあることが望ましく、2〜2.8の範囲のものが
最も望ましい。この(T’/T)の値は、折り線内部に
於ける薄層への剥離状態と、その薄層間に空隙を持つた
めの薄層の屈曲の仕方の状態とが総合された構造指標で
ある。
【0010】つまり(T’/T)の値が1.8未満のも
のは、判別できる薄層は厚くその数も3〜4枚程度と少
ない剥離状態で、薄層の屈曲状態も相対的に小さく緩や
かである。この様な内部構造のものをヒンジ部とする
と、手を放した時に蓋体が跳ね上がり、蓋体の封止性が
悪化する傾向にある。反面、(T’/T)の値が3を超
えて大きいものは、判別できる薄層は薄くその数も10
枚以上と多くて屈曲状態も大きい。この様なもののヒン
ジ部は、箱体の封止性は満たされても、繰り返しの開封
操作で屈曲した薄層部の材料破壊が急速に進み、ヒンジ
部の板紙表面が破れだしたりしてヒンジ部としての耐久
性が悪化する傾向がある。
のは、判別できる薄層は厚くその数も3〜4枚程度と少
ない剥離状態で、薄層の屈曲状態も相対的に小さく緩や
かである。この様な内部構造のものをヒンジ部とする
と、手を放した時に蓋体が跳ね上がり、蓋体の封止性が
悪化する傾向にある。反面、(T’/T)の値が3を超
えて大きいものは、判別できる薄層は薄くその数も10
枚以上と多くて屈曲状態も大きい。この様なもののヒン
ジ部は、箱体の封止性は満たされても、繰り返しの開封
操作で屈曲した薄層部の材料破壊が急速に進み、ヒンジ
部の板紙表面が破れだしたりしてヒンジ部としての耐久
性が悪化する傾向がある。
【0011】次に図3は、図1(A)の掩蓋片5の先端
縁部をカシメ爪12の部分(X−X)で切断した切断面
を拡大して示す部分模式図である。図3によると、掩蓋
片5の裏面側にあって、薄膜状体Pは金属製鋸刃Kの裏
面に位置し、金属製鋸刃と共にそのカシメ爪12によっ
て板紙にカシメ固定されており、金属製鋸刃Kは薄膜状
体Pを介在して板紙にカシメ固定されている状態になっ
ている。そして切断具(鋸刃)の両脇にはみ出している
薄膜状体のはみだし部Sは、補助脇掩蓋片13の裏面に
添って屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘み易い取っ手を
形成している様子が良く分かる。
縁部をカシメ爪12の部分(X−X)で切断した切断面
を拡大して示す部分模式図である。図3によると、掩蓋
片5の裏面側にあって、薄膜状体Pは金属製鋸刃Kの裏
面に位置し、金属製鋸刃と共にそのカシメ爪12によっ
て板紙にカシメ固定されており、金属製鋸刃Kは薄膜状
体Pを介在して板紙にカシメ固定されている状態になっ
ている。そして切断具(鋸刃)の両脇にはみ出している
薄膜状体のはみだし部Sは、補助脇掩蓋片13の裏面に
添って屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘み易い取っ手を
形成している様子が良く分かる。
【0012】本発明における薄膜状体Pの役割は、或る
厚みのものを介在させることでカシメ爪12の折曲げ長
さを相対的に短くし、そのことでカシメ固定強度を適度
に弱く調節すること、鋸刃を引き剥がす時の取っ手とな
り、引き剥がす力をカシメ部に集中させる伝達薄膜であ
ること、更には引き剥がしの開始場所を消費者に教える
標識になることである。従って薄膜状体Pとしては、金
属薄板と一緒に金型で鋸刃状に容易に切断が出来、その
鋸刃状切口がフイルム切断の妨げにはならない状態に切
れ揃い、引き剥がしの力に耐える強靱さがあるものであ
れば特には制限はない。
厚みのものを介在させることでカシメ爪12の折曲げ長
さを相対的に短くし、そのことでカシメ固定強度を適度
に弱く調節すること、鋸刃を引き剥がす時の取っ手とな
り、引き剥がす力をカシメ部に集中させる伝達薄膜であ
ること、更には引き剥がしの開始場所を消費者に教える
標識になることである。従って薄膜状体Pとしては、金
属薄板と一緒に金型で鋸刃状に容易に切断が出来、その
鋸刃状切口がフイルム切断の妨げにはならない状態に切
れ揃い、引き剥がしの力に耐える強靱さがあるものであ
れば特には制限はない。
【0013】具体的には例えば、一般の強化紙、バルカ
ナイズド硬化紙、プラスチックフイルム・シート、繊維
の編・織物、繊維の不織布等である。中でも縦横に配向
されているが熱収縮性は小さく押えられているプラスチ
ックフイルム・シートは、強靱で且つ取り扱いが容易で
あるので望ましい。厚みは薄膜状体に採用する材質特性
と対象にする鋸刃のカシメ爪の長さに応じて選択するこ
とになるが、一般には約0.05〜1.5mmの範囲、
望ましくは約0.08〜0.25mmの範囲から選ばれ
る。そしてこの積層で大事なことは、金属薄板の少なく
とも片脇からはみだす状態にすることで、このはみだし
た部分Sが標識を兼ねた引き剥がし時の取っ手部とな
る。従ってこのはみだし(幅)長さは5〜20mmもあ
れば十分なので、むしろ金属薄板の鋸刃加工時に金型の
脇残余部分で、このはみだし部も鋸刃と一緒に切断出来
る寸法に留めることが望ましい。
ナイズド硬化紙、プラスチックフイルム・シート、繊維
の編・織物、繊維の不織布等である。中でも縦横に配向
されているが熱収縮性は小さく押えられているプラスチ
ックフイルム・シートは、強靱で且つ取り扱いが容易で
あるので望ましい。厚みは薄膜状体に採用する材質特性
と対象にする鋸刃のカシメ爪の長さに応じて選択するこ
とになるが、一般には約0.05〜1.5mmの範囲、
望ましくは約0.08〜0.25mmの範囲から選ばれ
る。そしてこの積層で大事なことは、金属薄板の少なく
とも片脇からはみだす状態にすることで、このはみだし
た部分Sが標識を兼ねた引き剥がし時の取っ手部とな
る。従ってこのはみだし(幅)長さは5〜20mmもあ
れば十分なので、むしろ金属薄板の鋸刃加工時に金型の
脇残余部分で、このはみだし部も鋸刃と一緒に切断出来
る寸法に留めることが望ましい。
【0014】一方薄膜状体の積層は、金属薄板の少なく
とも片脇から10〜30mmの幅で金属薄板の裏面に重
なる状態であれば、引き剥がす効果は十分発揮される。
それは鋸刃になった時の脇部に位置する2〜3個のカシ
メ固定部を、引き剥がすに十分な寸法に当るからで、他
の部分は鋸刃を直接に引き捲くる形の引き剥がしとな
る。但しこの場合、引き剥がされた後の鋸刃の形状は、
鋸刃自体で直接に引き捲くったカシメ固定部で屈曲した
形になる。これに対し金属薄板の裏面全面に薄膜状体を
積層したものは、引き剥がされた後の鋸刃の形状に凹凸
か少なく、無理のない状態で引き剥がされていることを
実証していて望ましい。また、取っ手となるはみだし部
Sは、金属薄板の両脇にあった方が引き剥がしの方向を
制限しなくて済むので便利である。
とも片脇から10〜30mmの幅で金属薄板の裏面に重
なる状態であれば、引き剥がす効果は十分発揮される。
それは鋸刃になった時の脇部に位置する2〜3個のカシ
メ固定部を、引き剥がすに十分な寸法に当るからで、他
の部分は鋸刃を直接に引き捲くる形の引き剥がしとな
る。但しこの場合、引き剥がされた後の鋸刃の形状は、
鋸刃自体で直接に引き捲くったカシメ固定部で屈曲した
形になる。これに対し金属薄板の裏面全面に薄膜状体を
積層したものは、引き剥がされた後の鋸刃の形状に凹凸
か少なく、無理のない状態で引き剥がされていることを
実証していて望ましい。また、取っ手となるはみだし部
Sは、金属薄板の両脇にあった方が引き剥がしの方向を
制限しなくて済むので便利である。
【0015】更に、図1(A)、(B)に符号14で示
される切れ目は、鋸刃を固定しているカシメ爪が位置す
る部分やその近傍の板紙に、点在させて設けた小さな寸
法の(例えば2〜5mm程度)切れ目である。この切れ
目は、カシメ爪の抜き取りを容易にするための切れ目で
あるので、切れ目の形状や位置はカシメ爪(例えば二本
爪、四本爪)の配置に応じて適宜変更することが望まし
い。また、切れ目の数は、対をなすカシメ爪の数だけ或
いは対をなすカシメ爪の幾つかの分だけあれば良い。こ
の切れ目は鋸刃と重なりあう結果、鋸刃の剛性に支えら
れ実質的に板紙の強度低下には関係しない。その反面で
本発明でいうカシメ固定強度を弱くする調節には有効に
作用するので、上述した薄膜状体Pと併用すると鋸刃の
引き剥がしを容易に且つ確実にするのに効果的で望まし
い。また、図1(A)、(B)では、鋸刃の全体形状
(刃先を結ぶ仮想線の形状)が直線をしたものを例示し
たが、鋸刃には例えば、凹形弧状のもの、凸形弧状のも
の、V形突形状のもの、台形突形状のもの等の存在が知
られている。本発明で言う「鋸刃を引き剥がす」機構
は、上述した鋸刃の全体形状には制限されずに広く応用
できる利点がある。
される切れ目は、鋸刃を固定しているカシメ爪が位置す
る部分やその近傍の板紙に、点在させて設けた小さな寸
法の(例えば2〜5mm程度)切れ目である。この切れ
目は、カシメ爪の抜き取りを容易にするための切れ目で
あるので、切れ目の形状や位置はカシメ爪(例えば二本
爪、四本爪)の配置に応じて適宜変更することが望まし
い。また、切れ目の数は、対をなすカシメ爪の数だけ或
いは対をなすカシメ爪の幾つかの分だけあれば良い。こ
の切れ目は鋸刃と重なりあう結果、鋸刃の剛性に支えら
れ実質的に板紙の強度低下には関係しない。その反面で
本発明でいうカシメ固定強度を弱くする調節には有効に
作用するので、上述した薄膜状体Pと併用すると鋸刃の
引き剥がしを容易に且つ確実にするのに効果的で望まし
い。また、図1(A)、(B)では、鋸刃の全体形状
(刃先を結ぶ仮想線の形状)が直線をしたものを例示し
たが、鋸刃には例えば、凹形弧状のもの、凸形弧状のも
の、V形突形状のもの、台形突形状のもの等の存在が知
られている。本発明で言う「鋸刃を引き剥がす」機構
は、上述した鋸刃の全体形状には制限されずに広く応用
できる利点がある。
【0016】次いで、本発明の第二の目的の達成、即ち
要求水準の高まった市場要求をも満たす収納箱を、必要
に応じて提供出来るようにすることについて説明する。
この達成手段は、上述した本発明の構成に次に示す要件
の幾つかを加え、その組合せの相乗効果を発揮させるこ
とである。 (イ)補助脇掩蓋片13の表面を粗面化(図1(B)で
は多数の非貫通穴18で例示した)をしておくことと、
鋸刃には歯山部裏面側(蓋板4を閉じたとき前板1に面
する側)に返り部が生じている金属鋸刃[図示なし]を
用いることとの組合せ。
要求水準の高まった市場要求をも満たす収納箱を、必要
に応じて提供出来るようにすることについて説明する。
この達成手段は、上述した本発明の構成に次に示す要件
の幾つかを加え、その組合せの相乗効果を発揮させるこ
とである。 (イ)補助脇掩蓋片13の表面を粗面化(図1(B)で
は多数の非貫通穴18で例示した)をしておくことと、
鋸刃には歯山部裏面側(蓋板4を閉じたとき前板1に面
する側)に返り部が生じている金属鋸刃[図示なし]を
用いることとの組合せ。
【0017】(ロ)補助脇板7,7’の表面を粗面化
(図1(B)では多数の非貫通穴18で例示した)をし
ておくことと、脇板8と補助脇板7に半円状の切れ目1
5と上記半円の線端を結ぶ折り線15’を入れること、
及び前板1の上端は折り返し片16を箱内側に折り返し
た状態にしておくこととの組合せ。 (ハ)前板1と底板2の間の折り線は、半切り部を持つ
折り線Nであることと、前板1の、上端近傍(掩蓋片で
覆われる部分)で前板長手中央部に、表面が平滑な樹脂
層17を配すること、及び面の大部分が粗面化[図示な
し]された金属鋸刃Kを採用することとの組合せ。
(図1(B)では多数の非貫通穴18で例示した)をし
ておくことと、脇板8と補助脇板7に半円状の切れ目1
5と上記半円の線端を結ぶ折り線15’を入れること、
及び前板1の上端は折り返し片16を箱内側に折り返し
た状態にしておくこととの組合せ。 (ハ)前板1と底板2の間の折り線は、半切り部を持つ
折り線Nであることと、前板1の、上端近傍(掩蓋片で
覆われる部分)で前板長手中央部に、表面が平滑な樹脂
層17を配すること、及び面の大部分が粗面化[図示な
し]された金属鋸刃Kを採用することとの組合せ。
【0018】すなわち、上記(イ)、(ロ)及び(ハ)
の全部、或いはいずれかとの併用である。これらの利点
を個々に説明する。まず、(イ)の相乗効果は、切断具
付き収納箱としての切断性能をより高い水準のものに高
められることである。その理由は、補助脇掩蓋片13の
表面を粗面化は、面を荒らしておくことで接着剤の浸透
と接着部の錨効果を高めることで結果的に蓋体接合部の
構造強度を向上させ、フイルム切断時に受ける歪変形に
抗する剛性を付与するもので、このことによって切断時
の鋸刃の刃先はフイルム面に垂直に当接する確度が高め
られる。
の全部、或いはいずれかとの併用である。これらの利点
を個々に説明する。まず、(イ)の相乗効果は、切断具
付き収納箱としての切断性能をより高い水準のものに高
められることである。その理由は、補助脇掩蓋片13の
表面を粗面化は、面を荒らしておくことで接着剤の浸透
と接着部の錨効果を高めることで結果的に蓋体接合部の
構造強度を向上させ、フイルム切断時に受ける歪変形に
抗する剛性を付与するもので、このことによって切断時
の鋸刃の刃先はフイルム面に垂直に当接する確度が高め
られる。
【0019】一方、鋸刃の歯山裏面側(蓋板4を閉じた
とき前板1に面する側)への返り部は、切断時に歯山裏
面に沿って接するフイルムを保持して、切断を仕始める
フイルムが鋸刃に沿っていざったり、たぐし寄せられた
りしてしまうことを防ぐことになる。その結果、切断し
ようとする力は常に歯山の刃先に集中し、鋸刃の優れた
切断性能が引き出されることになる。そのために、切断
時に生じた掩蓋片の歪変形でフイルム面に垂直に刃先が
当接する確度が幾分低下した場合でも、切断しようとす
る力は歯山の刃先に集中して鋸刃の切断性能が維持され
る利点が付加されるのである。この歯山裏面側への返り
部は、歯山を打ち抜き加工する時に歯山の輪郭に沿って
生じる金属の塑性変形で形成される微小隆起であるが、
打ち抜き金型の寸法精度を調節することでフイルム切断
に有益な返り部とすることに本発明の意義がある。即ち
フイルム切断に有益な返り部となる微小隆起の突出方向
の寸法は、0.1mm以下が好ましく、最も好ましく
0.02〜0.07mmの範囲の値のものである。この
理由は、0.1mmを超えて大きな微小隆起は、その微
小隆起に切断したフイルム端面が食い込んで鋸刃に付着
するので、次のフイルム引き出し操作の際、蓋体と一緒
にフイルムが持ち上がり、後述する「フイルム端が巻回
フイルム側に巻き戻って取り出し口が見出せなくなる現
象」が発生しやすくなるし、逆に0.02mm未満の微
小隆起では、上述したフイルムの保持性能が低下する傾
向にあるからである。
とき前板1に面する側)への返り部は、切断時に歯山裏
面に沿って接するフイルムを保持して、切断を仕始める
フイルムが鋸刃に沿っていざったり、たぐし寄せられた
りしてしまうことを防ぐことになる。その結果、切断し
ようとする力は常に歯山の刃先に集中し、鋸刃の優れた
切断性能が引き出されることになる。そのために、切断
時に生じた掩蓋片の歪変形でフイルム面に垂直に刃先が
当接する確度が幾分低下した場合でも、切断しようとす
る力は歯山の刃先に集中して鋸刃の切断性能が維持され
る利点が付加されるのである。この歯山裏面側への返り
部は、歯山を打ち抜き加工する時に歯山の輪郭に沿って
生じる金属の塑性変形で形成される微小隆起であるが、
打ち抜き金型の寸法精度を調節することでフイルム切断
に有益な返り部とすることに本発明の意義がある。即ち
フイルム切断に有益な返り部となる微小隆起の突出方向
の寸法は、0.1mm以下が好ましく、最も好ましく
0.02〜0.07mmの範囲の値のものである。この
理由は、0.1mmを超えて大きな微小隆起は、その微
小隆起に切断したフイルム端面が食い込んで鋸刃に付着
するので、次のフイルム引き出し操作の際、蓋体と一緒
にフイルムが持ち上がり、後述する「フイルム端が巻回
フイルム側に巻き戻って取り出し口が見出せなくなる現
象」が発生しやすくなるし、逆に0.02mm未満の微
小隆起では、上述したフイルムの保持性能が低下する傾
向にあるからである。
【0020】次に(ロ)の相乗効果は、全体として収納
されている巻回フイルムRからフイルムFの引きだしを
平滑に容易に行なわせるためのものである。つまり図1
(B)の場合の脇板8、補助脇板7、7’相互の貼合
は、例えば補助脇板7と7’とが折曲げられ、補助脇板
7の表面と補助脇板7’の裏面が貼合され、補助脇板7
と7’との表面に脇板8の裏面が重なる様に、脇板8が
折曲げられて貼合する。従って補助脇板7、7’表面の
粗面化部分(多数の非貫通穴18の部分)は、一体的に
脇板8の裏面と強固に貼合するので接合部の構造強度を
保持する。
されている巻回フイルムRからフイルムFの引きだしを
平滑に容易に行なわせるためのものである。つまり図1
(B)の場合の脇板8、補助脇板7、7’相互の貼合
は、例えば補助脇板7と7’とが折曲げられ、補助脇板
7の表面と補助脇板7’の裏面が貼合され、補助脇板7
と7’との表面に脇板8の裏面が重なる様に、脇板8が
折曲げられて貼合する。従って補助脇板7、7’表面の
粗面化部分(多数の非貫通穴18の部分)は、一体的に
脇板8の裏面と強固に貼合するので接合部の構造強度を
保持する。
【0021】この折り重ねの貼合によって、補助脇板7
にある大きい半月状切れ目15と脇板8にある小さい半
月状切れ目とが、各々の半月状切れ目の線端を結ぶ折り
線15’上で重なり合い、実用の際は、脇板8の半月状
切れ目の紙片中程を押せば二枚の半月状紙片は重なった
状態で折り線15’で箱体内側に折れ曲がり、巻回フイ
ルムRの紙管内に挿入されて、紙管を回転可能に箱体か
ら飛び出さない様に保持する役割を果たすことになる。
にある大きい半月状切れ目15と脇板8にある小さい半
月状切れ目とが、各々の半月状切れ目の線端を結ぶ折り
線15’上で重なり合い、実用の際は、脇板8の半月状
切れ目の紙片中程を押せば二枚の半月状紙片は重なった
状態で折り線15’で箱体内側に折れ曲がり、巻回フイ
ルムRの紙管内に挿入されて、紙管を回転可能に箱体か
ら飛び出さない様に保持する役割を果たすことになる。
【0022】また、一方、前板1の上端で箱内側に折り
返し貼合された折り返し片16は、箱長手方向のリブ効
果を発揮してフイルム引き出し時に生じる前板1のたわ
み変形を抑制すると共に、フイルムの走行抵抗を低減す
る役割を果たす。従ってこの三者が相乗されて、収納さ
れている巻回フイルムRからのフイルムFの引きだしが
極めて容易に行なわれるようになるのである。尚この際
に採用される折り返し片16は、前板1の高さが後板よ
り2〜15mm程度低くなる様な位置で折り返す方が、
フイルムの走行抵抗を低減する効果が大きくなる場合が
ある。この際、折返した板紙の背近傍には、印刷面やオ
バーコート面が来ないように板紙上に配慮をしておくこ
とが望ましい。
返し貼合された折り返し片16は、箱長手方向のリブ効
果を発揮してフイルム引き出し時に生じる前板1のたわ
み変形を抑制すると共に、フイルムの走行抵抗を低減す
る役割を果たす。従ってこの三者が相乗されて、収納さ
れている巻回フイルムRからのフイルムFの引きだしが
極めて容易に行なわれるようになるのである。尚この際
に採用される折り返し片16は、前板1の高さが後板よ
り2〜15mm程度低くなる様な位置で折り返す方が、
フイルムの走行抵抗を低減する効果が大きくなる場合が
ある。この際、折返した板紙の背近傍には、印刷面やオ
バーコート面が来ないように板紙上に配慮をしておくこ
とが望ましい。
【0023】次いで、(ハ)の相乗効果は、この種の箱
体に生じ易い「フイルム端が巻回フイルム側に巻き戻っ
て取り出し口が見出せなくなる現象」を抑制するための
ものである。即ち、この種の箱体は、蓋体の掩蓋片先端
に鋸刃があるために掩蓋片5の裏面と前板1の表面の間
に残る次のフイルム引き出し端は比較的短い。しかも、
蓋体を開ける操作は残存フイルム端を箱体内側に持ち上
げる動作に近い。従って「フイルム端の巻き戻り現象」
は生じ易いのである。これを防ぐ手段として前板1の上
端近傍(掩蓋片で覆われる部分)で前板長手中央部に、
表面が平滑な樹脂層17を配することを行ない、この平
滑な樹脂層17とフイルムとの自己密着能を利用してフ
イルム端を前板1の表面に保持させようとするものであ
る。この際、より大きくて確実な自己密着能を得るため
に、或いは経済的に表面平滑な樹脂層を形成させるため
に、樹脂層には紫外線架橋性硬化型樹脂を用いることが
知られているが、そのままでは不十分であることが多
い。
体に生じ易い「フイルム端が巻回フイルム側に巻き戻っ
て取り出し口が見出せなくなる現象」を抑制するための
ものである。即ち、この種の箱体は、蓋体の掩蓋片先端
に鋸刃があるために掩蓋片5の裏面と前板1の表面の間
に残る次のフイルム引き出し端は比較的短い。しかも、
蓋体を開ける操作は残存フイルム端を箱体内側に持ち上
げる動作に近い。従って「フイルム端の巻き戻り現象」
は生じ易いのである。これを防ぐ手段として前板1の上
端近傍(掩蓋片で覆われる部分)で前板長手中央部に、
表面が平滑な樹脂層17を配することを行ない、この平
滑な樹脂層17とフイルムとの自己密着能を利用してフ
イルム端を前板1の表面に保持させようとするものであ
る。この際、より大きくて確実な自己密着能を得るため
に、或いは経済的に表面平滑な樹脂層を形成させるため
に、樹脂層には紫外線架橋性硬化型樹脂を用いることが
知られているが、そのままでは不十分であることが多
い。
【0024】この対策として種々の要件を組合せること
になる。先ずその一つは、平滑な樹脂層17を前板長手
中央部に前板長手方向の広範囲に帯状に配置することで
ある。この寸法は幅10〜25mm(最適値13〜20
mm)、長さは10mm以上から前板長手寸法の70%
の範囲の広領域に配置することが望ましい。
になる。先ずその一つは、平滑な樹脂層17を前板長手
中央部に前板長手方向の広範囲に帯状に配置することで
ある。この寸法は幅10〜25mm(最適値13〜20
mm)、長さは10mm以上から前板長手寸法の70%
の範囲の広領域に配置することが望ましい。
【0025】その二つ目は、前板1と底板2の間の折り
線を、半切り部を持つ折り線Nとすることである。この
狙いは稜線を直角に近づけることで前板1の平面性を確
保し、そのことによって平滑な樹脂層17のフイルムと
の自己密着能を高める。この場合の半切り部は、板紙の
厚みのほぼ半分の切り込み線を意味するが、この種の切
り込み線は、折り線の長さ寸法全体に占め割合が高まる
と稜線の直角度は向上する反面、箱体の耐久性が低下す
るので、折り線の両脇には半切り部が来ないように2〜
4箇所程度に分配した形で、折り線の長さ寸法に占める
半切り部の割合が35〜55%の範囲になるように配置
することが望ましい。
線を、半切り部を持つ折り線Nとすることである。この
狙いは稜線を直角に近づけることで前板1の平面性を確
保し、そのことによって平滑な樹脂層17のフイルムと
の自己密着能を高める。この場合の半切り部は、板紙の
厚みのほぼ半分の切り込み線を意味するが、この種の切
り込み線は、折り線の長さ寸法全体に占め割合が高まる
と稜線の直角度は向上する反面、箱体の耐久性が低下す
るので、折り線の両脇には半切り部が来ないように2〜
4箇所程度に分配した形で、折り線の長さ寸法に占める
半切り部の割合が35〜55%の範囲になるように配置
することが望ましい。
【0026】その三つ目は、掩蓋片に配する鋸刃には、
露出面の大部分が粗面化された金属鋸刃Kを採用するこ
とである。このものの狙いは、鋸刃の露出面のフイルム
との自己密着能を消去し、鋸刃に密着して蓋体と共にフ
イルム端が持ち上げられることを防ぐためのものであ
る。この場合の粗面化の程度は、JIS−B0601に
規定の「十点平均粗さ測定法」による表面粗さで、0.
4μm以上の値を示すものであれば良く、0.6μm以
上の値のものはフイルムが密着しなくなるので最も望ま
しい。
露出面の大部分が粗面化された金属鋸刃Kを採用するこ
とである。このものの狙いは、鋸刃の露出面のフイルム
との自己密着能を消去し、鋸刃に密着して蓋体と共にフ
イルム端が持ち上げられることを防ぐためのものであ
る。この場合の粗面化の程度は、JIS−B0601に
規定の「十点平均粗さ測定法」による表面粗さで、0.
4μm以上の値を示すものであれば良く、0.6μm以
上の値のものはフイルムが密着しなくなるので最も望ま
しい。
【0027】また、上述した補助脇板7、7’及び補助
脇掩蓋片13の面上の粗面化の方は、接着剤の浸透と接
着部の錨効果を高める利点のあるものであれば良く、例
えば、金属ブラシによる擦過傷、網目状に入れた半切込
み線、非貫通の小穴の集合などが有効である。本発明に
用いる板紙は、厚さ0.35〜1.5mm程度の厚紙
で、一般に肉厚のものほど剛性、強度が高く丈夫な箱が
得られるが、折曲げ加工が困難になるので、通常は厚み
0.35〜0.8mm(秤量で310〜550g/
m2 )の範囲の内の、比較的薄い方の板紙が採用され
る。また、鋸刃は一般に、厚み約0.1〜0.2mmの
ブリキなどの金属薄板の側端を、歯山高さ0.5〜1.
5mm、ピッチ幅0.8〜2mmの範囲にある値の鋸刃
状の歯山に切断加工したものである。この取り付けは、
上記の歯山加工時に、鋸刃となる帯状薄板の幅中程の鋸
刃長手方向の数箇所に、十字形、コの字形、V字形等の
形状をした小切れ目を入れ、この切れ目の部分を起立さ
せた小突起部をカシメ爪12となし、形成したカシメ爪
12を板紙に差し込んでおいて該爪部を板紙側に倒すこ
とでカシメ固定するのである。この際、カシメ固定する
のに倒したカシメ爪12が、鋸刃が固定されている板紙
の裏面に露出して見える場合のものが一般的であるが、
カシメ爪12が板紙厚みの内部で倒れていて、板紙の裏
面に迄は露出していないものも、爪の長さを調節して製
造出来る。カシメ爪12が裏面に露出しないカシメ固定
のものは、外観が奇麗な上にカシメ爪による指の傷付き
がないので、安全上は望ましい。
脇掩蓋片13の面上の粗面化の方は、接着剤の浸透と接
着部の錨効果を高める利点のあるものであれば良く、例
えば、金属ブラシによる擦過傷、網目状に入れた半切込
み線、非貫通の小穴の集合などが有効である。本発明に
用いる板紙は、厚さ0.35〜1.5mm程度の厚紙
で、一般に肉厚のものほど剛性、強度が高く丈夫な箱が
得られるが、折曲げ加工が困難になるので、通常は厚み
0.35〜0.8mm(秤量で310〜550g/
m2 )の範囲の内の、比較的薄い方の板紙が採用され
る。また、鋸刃は一般に、厚み約0.1〜0.2mmの
ブリキなどの金属薄板の側端を、歯山高さ0.5〜1.
5mm、ピッチ幅0.8〜2mmの範囲にある値の鋸刃
状の歯山に切断加工したものである。この取り付けは、
上記の歯山加工時に、鋸刃となる帯状薄板の幅中程の鋸
刃長手方向の数箇所に、十字形、コの字形、V字形等の
形状をした小切れ目を入れ、この切れ目の部分を起立さ
せた小突起部をカシメ爪12となし、形成したカシメ爪
12を板紙に差し込んでおいて該爪部を板紙側に倒すこ
とでカシメ固定するのである。この際、カシメ固定する
のに倒したカシメ爪12が、鋸刃が固定されている板紙
の裏面に露出して見える場合のものが一般的であるが、
カシメ爪12が板紙厚みの内部で倒れていて、板紙の裏
面に迄は露出していないものも、爪の長さを調節して製
造出来る。カシメ爪12が裏面に露出しないカシメ固定
のものは、外観が奇麗な上にカシメ爪による指の傷付き
がないので、安全上は望ましい。
【0028】上述した(イ)、(ロ)及び(ハ)の要件
を組み込んだ収納箱は、その組み込んだ要件の分だけ一
段と効果が加わるので、市場要求を満たす収納箱とな
る。
を組み込んだ収納箱は、その組み込んだ要件の分だけ一
段と効果が加わるので、市場要求を満たす収納箱とな
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基いて本発明を説明する。
【0030】
【実施例1】肉厚み約0.5mm(秤量400g/
m2 )の厚紙を基材とし、従来汎用されていて公知の金
属製鋸刃の加工・取り付け装置を用い、従来と同等の方
法で、掩蓋片の先端部の裏面に鋸刃がカシメ固定された
収納箱用の板紙台紙を作成した。従来の収納箱と根本的
に相違するところは、まず一定幅に切り揃えてロール状
に巻回された長尺の金属薄板(厚み0.17mm、ブリ
キ製)は、その裏面側全面に金属薄板の両脇に15mm
ずつはみだす状態に、ポリエチレンテレフタレート製の
収縮性を除去した二軸延伸シート(薄膜状体P=厚み
0.1mm、はみだし部相当の両脇部分は赤色に着色)
が重ね合わせた形態のものになっていることである。
m2 )の厚紙を基材とし、従来汎用されていて公知の金
属製鋸刃の加工・取り付け装置を用い、従来と同等の方
法で、掩蓋片の先端部の裏面に鋸刃がカシメ固定された
収納箱用の板紙台紙を作成した。従来の収納箱と根本的
に相違するところは、まず一定幅に切り揃えてロール状
に巻回された長尺の金属薄板(厚み0.17mm、ブリ
キ製)は、その裏面側全面に金属薄板の両脇に15mm
ずつはみだす状態に、ポリエチレンテレフタレート製の
収縮性を除去した二軸延伸シート(薄膜状体P=厚み
0.1mm、はみだし部相当の両脇部分は赤色に着色)
が重ね合わせた形態のものになっていることである。
【0031】この際の鋸刃やカシメ爪の形成加工及び鋸
刃の固定等の作業は、薄膜状体Pが金属薄板の裏面に存
在するままで進行させたが、その作業上には全く支障は
なく、鋸刃そのものの形状や切れ味も従来品と同じであ
った。得られた鋸刃付の板紙の表面を図1(B)に示し
た。図1(B)では、金属薄板の両脇にはみだした薄膜
状体はみだし部Sが切取り線10の両脇に少し見える。
このはみだし部が鋸刃形状をしているのは、この部分も
鋸刃加工時に金型両脇の残余部で同時に切断したためで
ある。
刃の固定等の作業は、薄膜状体Pが金属薄板の裏面に存
在するままで進行させたが、その作業上には全く支障は
なく、鋸刃そのものの形状や切れ味も従来品と同じであ
った。得られた鋸刃付の板紙の表面を図1(B)に示し
た。図1(B)では、金属薄板の両脇にはみだした薄膜
状体はみだし部Sが切取り線10の両脇に少し見える。
このはみだし部が鋸刃形状をしているのは、この部分も
鋸刃加工時に金型両脇の残余部で同時に切断したためで
ある。
【0032】さらに、従来方法と根本的に相違するとこ
ろは、後板3と蓋板4との間の罫線折り目に次の加工を
施して折り線Qとしたことである。即ち、幅約0.5m
m深さ約0.2mmの罫線を背にして板紙を180度折
曲げて二つ折にし、その折り目部分が径80mm、幅4
0mm、ロール圧20kgのピンチロールの幅中央に位
置するように挟み込んで押圧する。次いで上記折り目を
360度折り返して二つ折にし、その折り目部分が径8
0mm、幅40mm、ロール圧20kgのピンチロール
の幅中央に位置するように挟み込んで押圧をする加工を
した後、後板3と蓋板4とが水平になる状態に開いた。
ろは、後板3と蓋板4との間の罫線折り目に次の加工を
施して折り線Qとしたことである。即ち、幅約0.5m
m深さ約0.2mmの罫線を背にして板紙を180度折
曲げて二つ折にし、その折り目部分が径80mm、幅4
0mm、ロール圧20kgのピンチロールの幅中央に位
置するように挟み込んで押圧する。次いで上記折り目を
360度折り返して二つ折にし、その折り目部分が径8
0mm、幅40mm、ロール圧20kgのピンチロール
の幅中央に位置するように挟み込んで押圧をする加工を
した後、後板3と蓋板4とが水平になる状態に開いた。
【0033】この折り線Qの外見は、加工前のそれとは
線の部分が少し膨らんだ見える他は殆ど違いはなかった
が、折り線部の断面を拡大して示したものが図2であ
る。図2によるとこの折り線Qの断面は、元の罫線跡H
と元の板紙厚み中央の仮想線とを中程にして、ほぼ楕円
形をなす状態に膨らんでおり、内部では板紙が複数枚の
薄層に剥離しており、屈曲した薄層間には空隙が存在し
ていた。そしてこの膨らみの大きさは、厚み比の関係
(T’/T)の値で2.6であり、その幅Mは約2.2
で線状にほぼ均一に揃って分布していた。
線の部分が少し膨らんだ見える他は殆ど違いはなかった
が、折り線部の断面を拡大して示したものが図2であ
る。図2によるとこの折り線Qの断面は、元の罫線跡H
と元の板紙厚み中央の仮想線とを中程にして、ほぼ楕円
形をなす状態に膨らんでおり、内部では板紙が複数枚の
薄層に剥離しており、屈曲した薄層間には空隙が存在し
ていた。そしてこの膨らみの大きさは、厚み比の関係
(T’/T)の値で2.6であり、その幅Mは約2.2
で線状にほぼ均一に揃って分布していた。
【0034】この板紙を従来品と同様に折曲げ貼合して
組み立て、巻回フイルムRを収納して密封した収納箱と
した後、開封片6の裏面と前板1の表面とを貼合してい
る局部接合部9を引き捲りながら切取り線10から開封
片6を除去し、開封状態にしたものを図1(A)に斜視
図として示した。図1(A)では薄膜状体はみだし部S
の存在が、鋸刃の脇に見ることが出来る。図3は、図1
(A)の掩蓋片5の先端縁部をカシメ爪12の部分(X
−X)で切断し、その切断面を拡大して示す部分図であ
る。図3によると、掩蓋片5の裏面側にあって薄膜状体
Pは、金属製鋸刃Kの裏面に位置し、金属製鋸刃と共に
そのカシメ爪12によって板紙にカシメ固定されてお
り、金属製鋸刃Kは薄膜状体Pを介在して板紙にカシメ
固定されている状態になっている。そして鋸刃の両脇に
は薄膜状体のはみだし部Sが、補助脇掩蓋片13の裏面
に添って屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘み易い取っ手
を形成している。
組み立て、巻回フイルムRを収納して密封した収納箱と
した後、開封片6の裏面と前板1の表面とを貼合してい
る局部接合部9を引き捲りながら切取り線10から開封
片6を除去し、開封状態にしたものを図1(A)に斜視
図として示した。図1(A)では薄膜状体はみだし部S
の存在が、鋸刃の脇に見ることが出来る。図3は、図1
(A)の掩蓋片5の先端縁部をカシメ爪12の部分(X
−X)で切断し、その切断面を拡大して示す部分図であ
る。図3によると、掩蓋片5の裏面側にあって薄膜状体
Pは、金属製鋸刃Kの裏面に位置し、金属製鋸刃と共に
そのカシメ爪12によって板紙にカシメ固定されてお
り、金属製鋸刃Kは薄膜状体Pを介在して板紙にカシメ
固定されている状態になっている。そして鋸刃の両脇に
は薄膜状体のはみだし部Sが、補助脇掩蓋片13の裏面
に添って屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘み易い取っ手
を形成している。
【0035】
【比較例1〜5】本発明品(実施例1)との比較のた
め、ヒンジ部、すなわち後板3と蓋板4との間の折り線
を種々変えて、下記に示す比較品1〜5を作成した。 比較品1:ヒンジ部が、罫線だけの折り線のもの(従来
品) 比較品2:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って板紙厚みの約
三分の二を残す切れ目を入れた折り線のもの 比較品3:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って箱長手全長の
中央部約20cmに、板紙厚みの約二分の一を残す切れ
目を入れた折り線のもの 比較品4:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って板紙厚みの約
四分の三を残す切れ目を二本、平行に入れた折り線のも
の 比較品5:ヒンジ部が、罫線を背に罫線の溝に沿って板
紙を二つ折にし、その折り目を、表面温度150℃のア
イロンで押圧処理した折り線のもの 以上、上記本発明品と比較品1〜5との比較評価を行っ
た。
め、ヒンジ部、すなわち後板3と蓋板4との間の折り線
を種々変えて、下記に示す比較品1〜5を作成した。 比較品1:ヒンジ部が、罫線だけの折り線のもの(従来
品) 比較品2:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って板紙厚みの約
三分の二を残す切れ目を入れた折り線のもの 比較品3:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って箱長手全長の
中央部約20cmに、板紙厚みの約二分の一を残す切れ
目を入れた折り線のもの 比較品4:ヒンジ部が、罫線の溝に沿って板紙厚みの約
四分の三を残す切れ目を二本、平行に入れた折り線のも
の 比較品5:ヒンジ部が、罫線を背に罫線の溝に沿って板
紙を二つ折にし、その折り目を、表面温度150℃のア
イロンで押圧処理した折り線のもの 以上、上記本発明品と比較品1〜5との比較評価を行っ
た。
【0036】なお、本発明の収納箱300箱を、従来品
と比較できるようにして、鈴鹿ー東京間の輸送を往復3
回繰り返し、(A)ヒンジ部の評価、及び(B)切断性
能の保持性への確認を含めた鋸刃の引き剥がし性の評価
を行った。 〔(A)ヒンジ部の評価〕ヒンジ部の評価は下記の評価
項目(1)、(2)及び(3)の基準に従いおこなっ
た。
と比較できるようにして、鈴鹿ー東京間の輸送を往復3
回繰り返し、(A)ヒンジ部の評価、及び(B)切断性
能の保持性への確認を含めた鋸刃の引き剥がし性の評価
を行った。 〔(A)ヒンジ部の評価〕ヒンジ部の評価は下記の評価
項目(1)、(2)及び(3)の基準に従いおこなっ
た。
【0037】(1)蓋体の封止性 掩蓋片5と蓋板4と脇掩蓋片11とが一体化してなる蓋
体を、90度上方に開いて放した時に、蓋体がどの程度
開口部を閉塞する状態に戻るかを、蓋板4と底板2とで
なす角度の小ささで評価する。 評価尺度 記号 角度の値 状態の記録 ○ 8度未満 蓋体が閉塞しているとみなせる ● 8度以上30度未満 中味は見えないが、蓋体が閉塞している感じ がしない × 30度以上 中味が見える (2)ヒンジ部としての耐久性 蓋体を約75度上方に開いてフイルムを引き出し、蓋体
を閉塞状態にして押えフイルムを切断する操作を150
回繰り返した後の、ヒンジ部の劣化状態を評価した。
体を、90度上方に開いて放した時に、蓋体がどの程度
開口部を閉塞する状態に戻るかを、蓋板4と底板2とで
なす角度の小ささで評価する。 評価尺度 記号 角度の値 状態の記録 ○ 8度未満 蓋体が閉塞しているとみなせる ● 8度以上30度未満 中味は見えないが、蓋体が閉塞している感じ がしない × 30度以上 中味が見える (2)ヒンジ部としての耐久性 蓋体を約75度上方に開いてフイルムを引き出し、蓋体
を閉塞状態にして押えフイルムを切断する操作を150
回繰り返した後の、ヒンジ部の劣化状態を評価した。
【0038】 評価尺度 記号 劣化の程度 状態の記録 ○ 劣化なし 外観上、封止機能上特に変化が見られない ● 劣化認められる 部分的に化粧印刷が剥げ又は板紙が捲れてる × 劣化大きい 部分的に板紙内部が露出している、又は切断 されそうになっている (3)封止方向のバネ強さ 箱長手中央の掩蓋片5の先を吊り上げ、蓋板4と底板2
とでなす角度が45度になるに要する抗力を、バネ計り
で測定評価した。この場合蓋体の重さは殆ど同じになる
よう調節した。
とでなす角度が45度になるに要する抗力を、バネ計り
で測定評価した。この場合蓋体の重さは殆ど同じになる
よう調節した。
【0039】 評価尺度 記号 バネ強さ フイルム取り出し操作状態の記録 ○ 25g未満 操作上に支障なし ● 25g以上55g未満 抵抗が強く操作に支障あり × 55g以上 操作が困難、押圧で指に触れる歯山が痛い ヒンジ部の評価結果は下記の通りである。
【0040】 評価項目(1) 評価項目(2) 評価項目(3) 本発明品 ○ ○ ○ 比較品1 × ○ ● 比較品2 ○ × ○ 比較品3 ○〜● × ● 比較品4 ○ ●〜× ○ 比較品5 ○ ○ × 上記の結果に示す通り、(1)蓋体の封止性、(2)ヒ
ンジ部としての耐久性、(3)封止方向のバネ強さ、の
三者全て満足させるヒンジ部は、唯一本発明品のものだ
けである。しかもこの効果を一本の折り線だけで達成で
きたのは、本発明品が初めてのものである。
ンジ部としての耐久性、(3)封止方向のバネ強さ、の
三者全て満足させるヒンジ部は、唯一本発明品のものだ
けである。しかもこの効果を一本の折り線だけで達成で
きたのは、本発明品が初めてのものである。
【0041】〔(B)切断性能の保持性への確認を含め
た鋸刃の引き剥がし性の評価〕薄膜状体の存在による切
れ味の低下はなく、又繰り返しの切断操作によって切断
性能が低下するものは一箱も生じなかった。輸送や切断
評価時に、鋸刃のカシメが緩んだり、鋸刃が外れかかっ
たりするものは一箱もなかった。
た鋸刃の引き剥がし性の評価〕薄膜状体の存在による切
れ味の低下はなく、又繰り返しの切断操作によって切断
性能が低下するものは一箱も生じなかった。輸送や切断
評価時に、鋸刃のカシメが緩んだり、鋸刃が外れかかっ
たりするものは一箱もなかった。
【0042】空箱になって、薄膜状体のはみだし部Sを
摘んで鋸刃の引き剥がしを行なったが、薄膜状体が途中
でちぎれることはなく、全て容易に且つ安全に除去でき
た。又薄膜状体(赤色)のはみだし部Sは、引き剥がし
時の取っ手の所在を示す標識としても有効なものであっ
た。この鋸刃除去手段の形成は、従来と同じ工程や方法
で、従来方法と変わりなく達成できるので、能率的且つ
経済的である。また箱体の板紙を弱体化する要素が全く
ないことに注目できる。
摘んで鋸刃の引き剥がしを行なったが、薄膜状体が途中
でちぎれることはなく、全て容易に且つ安全に除去でき
た。又薄膜状体(赤色)のはみだし部Sは、引き剥がし
時の取っ手の所在を示す標識としても有効なものであっ
た。この鋸刃除去手段の形成は、従来と同じ工程や方法
で、従来方法と変わりなく達成できるので、能率的且つ
経済的である。また箱体の板紙を弱体化する要素が全く
ないことに注目できる。
【0043】本発明は、上述の構成を持ちこの様な効果
を発揮するので、産業界に果たす役割の大きい優れた発
明である。
を発揮するので、産業界に果たす役割の大きい優れた発
明である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ヒンジ部の板紙が複数
枚の薄層に剥離している折り線からなるため、従来品に
比べ蓋体の封止性、ヒンジ部の耐久性及び封止方向のバ
ネ強さに優れ、かつ金属性鋸刃が掩蓋片との間に薄膜状
体を介在してカシメ固定されているため、鋸刃の引き剥
がしが容易に行えるという作用効果を奏する。
枚の薄層に剥離している折り線からなるため、従来品に
比べ蓋体の封止性、ヒンジ部の耐久性及び封止方向のバ
ネ強さに優れ、かつ金属性鋸刃が掩蓋片との間に薄膜状
体を介在してカシメ固定されているため、鋸刃の引き剥
がしが容易に行えるという作用効果を奏する。
【図1】本発明の実施例の図で、(A)は収納箱になっ
た後の状態を示す斜視模式図であり、(B)は収納箱に
なる板紙の形状を示す平面模式図である。
た後の状態を示す斜視模式図であり、(B)は収納箱に
なる板紙の形状を示す平面模式図である。
【図2】本発明の実施例の図で、折り線Q(後板と蓋板
との間の折り線)近傍の断面構造を示す拡大模式図であ
る。
との間の折り線)近傍の断面構造を示す拡大模式図であ
る。
【図3】本発明の実施例を示す図で、薄膜状体の取り付
き状態を示す部分断面模式図である。
き状態を示す部分断面模式図である。
【図4】従来品収納箱の開封時の状態を示す斜視模式図
である。
である。
1 前板 2 底板 3 後板 4 蓋板 5 掩蓋片 6 開封片 7、7’補助脇板 8 脇板 9 局部接合部 10 切取り線 11 脇掩蓋片 12 カシメ爪 13 補助脇掩蓋片 14 切れ目 15 半月状切れ目 15’半月状切れ目の端を結ぶ折り線 16 折り返し片 17 平滑な樹脂層の面 18 非貫通穴群 Q 後板と蓋板との間の折り線 H 罫線の跡 M 折り線Qの幅 T、T’厚み寸法 K 金属製鋸刃 P 薄膜状体 S 薄膜状体はみだし部(取っ手) R 巻回フイルム F フイルム N 半切り部を持つ折り線
Claims (1)
- 【請求項1】 前板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板
8、蓋板4から前板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋
板4から脇板8を覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主
体部位とする長方形の箱体であって、内部に収納したラ
ップフイルムの必要量を引き出して箱体に固定してある
金属製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納箱
において、(1)上記後板3と蓋板4との間の折り線は
折り線内部で板紙が複数枚の薄層に剥離している折り線
Qでなり、(2)上記金属製鋸刃Kは掩蓋片5の先端縁
部の裏面側に、薄膜状体Pを介在させてカシメ爪12で
カシメ固定されてあり、(3)かつ該薄膜状体Pは、金
属製鋸刃Kの長手方向の少なくとも片方脇部からはみだ
した状態に配置されていることを特徴とするラップフイ
ルムの収納箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32185192A JPH06171644A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | ラップフイルムの収納箱 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32185192A JPH06171644A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | ラップフイルムの収納箱 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06171644A true JPH06171644A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18137132
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32185192A Withdrawn JPH06171644A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | ラップフイルムの収納箱 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06171644A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0752945A (ja) * | 1993-08-06 | 1995-02-28 | Yamashita Insatsu Shiki Kk | カートンブランクへのカッター取付け方法と装置 |
JP2009107049A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Kureha Corp | 包装容器用の切断刃及びそれを有する包装容器 |
JP5083852B1 (ja) * | 2012-05-08 | 2012-11-28 | 哲夫 村山 | ラップフィルム容器 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP32185192A patent/JPH06171644A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0752945A (ja) * | 1993-08-06 | 1995-02-28 | Yamashita Insatsu Shiki Kk | カートンブランクへのカッター取付け方法と装置 |
JP2009107049A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Kureha Corp | 包装容器用の切断刃及びそれを有する包装容器 |
JP5083852B1 (ja) * | 2012-05-08 | 2012-11-28 | 哲夫 村山 | ラップフィルム容器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000201 |