JP2628960B2 - ラップフイルムの収納箱およびその製造方法 - Google Patents

ラップフイルムの収納箱およびその製造方法

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JP2628960B2 JP4204710A JP20471092A JP2628960B2 JP 2628960 B2 JP2628960 B2 JP 2628960B2 JP 4204710 A JP4204710 A JP 4204710A JP 20471092 A JP20471092 A JP 20471092A JP 2628960 B2 JP2628960 B2 JP 2628960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭等で汎用され
ているラップフイルムの収納箱の改良技術に関し、特
に、切断性能を低下させないで、廃棄時に鋸刃の取り外
しを安全且つ容易に行なえるラップフイルムの収納箱お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2(A),(B)に示す様な前
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11である板紙製の部位板
面が、各々の折り線の部分でほぼ直角に折り曲げられ形
成している長方形の箱体であって、内部に収納したラッ
プフイルムFの必要量を引き出し箱体に固定された金属
製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納箱にお
いて、後述するP,Qのないものは周知である。この種
の収納箱では金属製鋸刃Kの取り付いている位置は多様
で、中でも例えば、底板2と前板1との間の稜線の近
傍、前板1の上側縁部、掩蓋片5の先端縁部の各々いず
れか部位板紙に、刃先が他方縁部からはみ出す状態に取
り付いているのが一般的である。そして切断具として用
いる刃先が描く全体の形状にも様々なものがあり、刃先
を結ぶ仮想線の形状で例えば、直状のもの、凹形弧状の
もの、凸形弧状のもの、V形突形状のもの、台形突形状
のもの等の存在が知られている。図2はその内で、先端
部形状が直状の掩蓋片5の先端に、刃先を結ぶ仮想線の
形状が直状である金属製鋸刃Kが取り付いている場合の
ものを例示したものである。また、この図2(A),
(B)に示す様な収納箱は、例えば図3(A),(B)に
示す様な板紙(台紙)を、各々の折線の部分でほぼ直角
に折曲げて脇板8と各々の補助脇板7、及び脇掩蓋片1
1と補助脇掩蓋片13とを貼合することで得られるもで
あることも広く知られている。そして金属製鋸刃Kの取
り付け方は、一般にこの板紙(台紙)の段階で行なわれ
る。例えば図3の場合、一定幅に切り揃えてロール状に
巻回した長尺の金属薄板を、先端小口から順次金型で切
口を鋸刃状に切断加工すると同時に、切断した金属薄板
の長手方向の数ヶ所の局部に小さな切れ目を入れ、入れ
た切り目を起立させてカシメ爪12を形成してカシメ爪
を持つ金属製鋸刃を作成する。一方、予め用意したラッ
プフイルムの収納箱になる平坦な板紙を裏向けに供給
し、その掩蓋片5の先端縁部に刃先が開封片6側にはみ
だす位置に、カシメ爪を持つ金属製鋸刃Kを当てがって
押圧してカシメ爪を板紙に挿入し、挿入したカシメ爪1
2を横向きに倒してカシメ固定すると金属製鋸刃付きの
板紙が完成する。
【0003】近来この種の収納箱に対する市場要求の一
つに、空箱としての廃棄時には金属製鋸刃は、安全に且
つ容易に除去できることが挙げられる。例えば、実開平
4−62619号公報には、切断具の取り付いた部位板
紙に、切断具の形状に沿ってミシン目を切断具を囲む形
状に設けておき、廃棄時の切断具は、このミシン目から
板紙と一緒に切除方法が提案されている。実開平4−4
8120公報では、ミシン目で囲った上記の切除部に加
えて切除部の上縁に折り返しが可能な押片を設け、押片
の折り返しで切断具の刃先を覆い、押片と切除部の間で
切断具を挟み持つ状態にして、切断具を押片と切除部の
板紙と共に切除すれば、安全に容易に切断具が除去でき
ることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
4−62619号公報及び実開平4−48120公報で
提案のものは、共に切断性能が低下するので実用に供せ
られない問題点がある。この原因は、切断具を囲むミシ
ン目の設置が部位板紙の剛性・強度を低下させてしまう
ことである。現象内容を図2(B)に示す収納箱でのフ
イルム切断操作の事例で説明すると、引き出したフイル
ムの他方は前板1と掩蓋片5との間に挾んで保持し、引
き出したフイルム端はフイルムが掩蓋片の先の刃先に当
接して鋭角に屈曲する方向に手に持って誘導して、張力
を与えた状態でフイルム及び箱体の相互を斜め上下に対
向回動させることで、刃先に当接したフイルムはその一
側端から他側端に向けて順次に鋭利な刃先に食い込む形
で押圧切断される。この際の掩蓋片は、刃先からの垂直
方向の押圧と刃先を引っ張って掩蓋片を外側に引き倒す
方向の応力とを同時に受けるが、通常の掩蓋片では前方
に突出した湾曲変形をする程度にとどまる。しかし掩蓋
片にミシン目、殊に切断具に沿った長尺のミシン目が入
ったりして板紙が弱められると、切断操作時の掩蓋片の
上記変形にミシン目から前方に折れ曲る変形が加わるこ
とになる。この折れ曲る変形は刃先をフイルム面に直角
に当接する確度を悪化させるので、切断具(金属製鋸
刃)の切断性能が低下するのである。この折れ曲る変形
は切断操作を繰り返すほどに大きくなり、折れ曲りの大
きさに伴なってフイルムの切断はできないという段階に
至ってしまう。一方、上記の折れ曲る変形が生じない程
度のミシン目では、板紙の切り取りで行なう切断具の除
去が容易には行なえない問題がある。
【0005】本発明の目的は、切断具の切断性能を低下
させない、輸送時や実用時に切断具が外れたり脱落した
りしない、安全且つ容易に切断具を取り外せる、製作が
容易で経済的に供給出来る、といった上記の条件を満た
す鋸刃付のラップフイルムの収納箱を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためのもので、収納箱としての構成は、前板1、
底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前板1を
覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を覆う方
向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とする長方形の箱
体であって、内部に収納したラップフイルムの必要量を
引き出し箱体に固定してある金属製鋸刃Kで切断して用
いるラップフイルムの収納箱において、上記金属製鋸刃
Kは掩蓋片5の先端縁部の裏面側に、薄膜状体Pを介在
させてカシメ爪12でカシメ固定されてあり、その薄膜
状体Pは、金属製鋸刃Kの長手方向の少なくとも片方脇
部からはみだした状態に配置されていることを特徴とす
る。また、その製造方法の構成は、長尺の金属薄板を鋸
刃状に切断加工すると共に金属薄板の局部に入れた切れ
目を起立させてカシメ爪として得たカシメ爪を持つ金属
製鋸刃を、ラップフイルムの収納箱にする板紙の所定の
部位面に押圧して、カシメ爪を板紙に挿入し、挿入した
該カシメ爪を横方向に倒すことで鋸刃をカシメ固定して
金属製鋸刃付きの板紙となし、次いで該板紙を予め設け
てある折線部で折曲げて箱体に組み立てる収納箱の製造
方法において、上記のカシメ爪を持つ金属製鋸刃に加工
する上記長尺の金属薄板は、薄膜状体を金属薄板の裏面
に重ねて配した状態にして用いることを特徴とする。
【0007】本発明の収納箱は、以下の点を除いて上述
した公知の製造方法によって製造される。従来方法との
相違点は、鋸刃に切断加工する処の金属薄板は、長尺の
金属薄板である段階から、金属薄板の裏面に薄膜状体P
を重ねて配した積層の状態にして用いることである。従
って以降は鋸刃になった時はもとより、板紙(台紙)に
固定されて収納箱に組み立てられた後も、鋸刃の裏面に
は薄膜状体Pが存在するのである。つまり金属製鋸刃K
は、収納箱の所定の部位の板紙に、薄膜状体Pを介在さ
せた状態でカシメ爪12でカシメ固定されることにな
る。この場合の積層は、接着剤等で貼合しても良いが、
単に金属薄板の裏面に薄膜状体を重ねただけのものでも
よい。本発明における薄膜状体Pの役割は、或る厚みの
ものを介在させることでカシメ爪12の折曲げ長さを相
対的に短くし、そのことでカシメ固定強度を適度に弱く
調節すること、鋸刃を引き剥がす時の取っ手となり、引
き剥がす力をカシメ部に集中させる伝達薄膜であるこ
と、更には引き剥がしの開始場所を消費者に教える標識
になることである。従って薄膜状体Pとしては、金属薄
板と一緒に金型で鋸刃状に容易に切断が出来、その鋸刃
状切口がフイルム切断の妨げにはならない状態に切れ揃
い、引き剥がしの力に耐える強靱さがあるものであれば
特には制限はない。具体的には例えば、一般の強化紙、
バルカナイズド硬化紙、プラスチックフイルム・シー
ト、繊維の編・織物、繊維の不織布等である。中でも縦
横の方向性を持たない、熱収縮性の小さいプラスチック
フイルム・シートは、強靱で且つ取り扱いが容易である
ので望ましい。厚みは薄膜状体に採用する材質特性と対
象にする鋸刃のカシメ爪の長さに応じて選択することに
なるが、一般には約0.05〜1.5mmの範囲、望まし
くは約0.2〜0.8mmの範囲から選ばれる。そしてこ
の積層で大事なことは、金属薄板の少なくとも片脇から
はみだす状態にすることで、このはみだした部分Qが標
識を兼ねた引き剥がし時の取っ手部となる。従ってこの
はみだし(幅)長さは5〜20mmもあれば十分なので、
むしろ金属薄板の鋸刃加工時に金型の脇残余部分で、こ
のはみだし部も鋸刃と一緒に切断出来る寸法に留めるこ
とが望ましい。
【0008】一方薄膜状体の積層は、金属薄体の少なく
とも片脇から10〜3mmも金属薄板の裏面に重なる
状態であれば、引き剥がす効果は十分発揮される。それ
は鋸刃になった時の脇部に位置する2〜3個のカシメ固
定部を、引き剥がすに十分な寸法に当るからで、他の部
分は鋸刃を直接に引き捲くる形の引き剥がしとなる。但
しこの場合、引き剥がされた後の鋸刃の形状は、鋸刃自
体で直接に引き捲くったカシメ固定部で屈曲した形にな
る。これに対し金属薄板の裏面全面に薄捲状体を積層し
たものは、引き剥がされた後の鋸刃の形状に凹凸が少な
く、無理のない状態で引き剥がされるので望ましい。ま
た取っ手となるはみだし部Qは、金属薄板の両脇にあっ
た方が引き剥がしの方向を制限しなくて済むので便利で
ある。
【0009】上記説明で明らかなように、本発明の製造
方法の効果は、鋸刃のカシメ固定強度を弱く調節し、引
き剥がす時の取っ手となり且つ引き剥が力をカシメ部に
集中させる手段である処の薄膜状体の形成と取り付け
を、従来の工程設備をそのまま活用して、鋸刃の形成・
取り付けの操作能率を損ねることなく、経済的に達成出
来ることである。そしてその事によって鋸刃の除去が安
全に容易に出来る収納箱を、切断性能を低下させない形
で得ることが出来たことにである。以上の通り本発明の
基本的な技術思想は、箱体板紙に切断性能の低下の原因
になるミシン目や大きな切れ目を入れずに、金属製鋸刃
を容易に除去することを可能にする点にある。しかし、
本発明は、板紙の強度低下(つまり切断性能の低下)を
きたさない切れ目、ミシン切目をも排除するものではな
い。何故なら、同じ切れ目の中にも、その深さや大きさ
や部位位置等で板紙の強度低下の程度が少ないものもあ
ることによる。例えば鋸刃の付いている位置が底板2と
前板1との間の稜線の近傍である場合の収納箱は、比較
的切れ目、ミシン切目による切断性能の低下の影響が少
ないので、小さな切れ目が入っていたからといって本発
明の効果かたちまち得られなくなるものでもない。また
他方、同じ切れ目でも例えば、鋸刃をカシメ固定してい
るカシメ爪が位置する部分やその近傍のみの板紙に、カ
シメ爪の抜き取りを容易にするだけの小さな寸法(例え
ば2〜5mm程度)の切れ目を点在させたものもある。こ
の切れ目は鋸刃と重なりあう結果、鋸刃の剛性に支えら
れ実質的に板紙の強度低下には関係しない。その反面で
本発明でいうカシメ固定強度を弱くする調節には有効に
作用するこになる。よってこの種の切れ目は、鋸刃の取
り付け位置とは無関係に、本発明での薄膜状体の採用と
併用することが望ましいことになる。
【0010】次いで本発明のラップフイルムの収納箱に
ついて説明する。図2(A),(B)及び図3(A),
(B)は共に本発明の実施例を示す図である。図3は、
組み立て前の板紙(台紙)段階のもので、(A)は表面
からの模式図、(B)は裏面からの模式図、図2(A)
は、箱体に組み立てたた後に開封片を除去しつつ開封し
ようとする時の斜視模式図、(B)は、開封してフイル
ムFを少し引き出した時の斜視模式図である。
【0011】図2(A),(B)及び図3(A),
(B)に示す通り、本発明の収納箱及びその板紙は、主
体部位の形状構造やその配置上では従来品のものと何ら
変わる処はない。つまり本発明も従来品と同じ様に、前
板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板8、蓋板4から前
板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋板4から脇板8を
覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主体部位とする板紙
から形成された長方形の箱体である。そしてこの箱体
は、開封片6の裏面と前板1の表面とを貼合している局
部接合部9を引き捲りながら切取り線10から開封片6
を除去することで開封でき、内部に収納した巻回フイル
ムRの必要量を引き出して、箱体の所定の部位(例示は
掩蓋片5の先端部)にカシメ爪12でカシメ固定してあ
る金属製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納
箱である。
【0012】本発明が従来品と相違する点は、箱体の所
定の部位(掩蓋片5の先端縁部の裏面側)に「薄膜状体
Pを介在させて金属製鋸刃Kがカシメ爪12でカシメ固
定されてあり、その薄膜状体Pは、金属製鋸刃Kの長手
方向の少なくとも片方脇部からはみだした状態に配置さ
れている」ことである。この発明部分は、図2(A)で
は示すことが出来ず、図2(B)と図3(A),(B)
において薄膜状体のはみだし部Qが、切断具の脇に僅か
に示されているに留まる。 図1は、図2(B)の掩蓋
片5の先端縁部をカシメ爪12の部分(X−X)で切断
し、その切断面を拡大して示す部分模式図である。図1
によると、掩蓋片5の裏面側にあって、薄膜状体Pは金
属製鋸刃Kの裏面に位置し、金属製鋸刃と共にそのカシ
メ爪12によって板紙にカシメ固定されており、金属製
鋸刃Kは薄膜状体Pを介在して板紙にカシメ固定されて
いる状態になっている。そして切断具(鋸刃)の両脇に
はみ出している薄膜状体のはみだし部Qは、補助脇掩蓋
片13の裏面に添って屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘
み易い取っ手を形成している様子が良く分かる。
【0013】本発明の収納箱の特筆すべき点は、鋸刃の
持つ切断性能が全く低下しない処の実用性の高い鋸刃の
除去手段が採用されていることである。この効果は、掩
蓋片の先端部に切断具を配した場合の収納箱では顕著で
ある。この内容は発明の課題の項で述べた通り、掩蓋片
の先端部に切断具を配した場合の収納箱は、フイルム切
断時に生じる応力が掩蓋片の先端部に集中するので、掩
蓋片の板紙の剛性・強度を低下させる原因になる切れ目
やミシン目の採用は極めて困難となる。殊に特公平4−
19092号公報に記載されている様な、掩蓋片の先端
に全体の形状がV字形をした金属製鋸刃を取り付けた収
納箱で、フィルムを中央部から切る切断法では上記問題
の回避は深刻なものになる。こうした問題に対して本発
明は、鋸刃の裏面に介在させる薄膜状体Pの厚みで金属
製鋸刃のカシメ爪12によるカシメ固定の強さを適度に
弱め、薄膜状体を引き剥がす力のカシメ部への伝達薄膜
にしようとするものであるから、掩蓋片板紙の剛性・強
度は低下には関与しない。従って鋸刃の切断性能の低下
は皆無であり、しかも鋸刃を安全確実に、容易に取り外
すことが出来ることになるので実用性が高い。
【0014】
【実施例】従来汎用されていて公知の金属製鋸刃の加工
・取り付け装置を用い、従来と同等の方法で、掩蓋片の
先端部の裏面に鋸刃がカシメ固定された収納箱用の台紙
を作成した。この場合従来方法と相違するところは、一
定幅に切り揃えてロール状に巻回された長尺の金属薄板
(厚み0.17mm、ブリキ製)は、その裏面側全面に金
属薄板の両脇に10mmずつはみだす状態に、ポリエチレ
ンテレフタレート製のキヤステングシート(薄膜状体P
=厚み0.2mm、赤色着色品)が重ね合わせた形態のも
のになっていることである。従って以降の鋸刃やカシメ
爪の形成、鋸刃の固定等の作業はこの薄膜状体が裏面に
存在するままで進行したが、作業上には全く支障はな
く、鋸刃そのものの形状や切れ味も従来品と同じであっ
た。
【0015】得られた鋸刃付の板紙の表裏を、各々図3
(A),(B)に示した。図3(A),(B)では、金
属薄板の両脇にはみだした状態にあった薄膜状体は、薄
膜状体みだし部Qとして鋸刃の両脇に示されてある部分
にあたる。このはみだし部が鋸刃形状をしているのは、
この部分も鋸刃加工時に金型両脇の残余部で同時に切断
したためである。この板紙を折曲げ貼合して組み立て、
巻回フイルムRを収納して密封して得た収納箱を図2
(A),(B)に示す。図2(A)の収納箱斜視図で
は、本発明品は従来品との差異を見出すことが出来ない
が、図2(B)では薄膜状体はみだし部Qが、鋸刃の脇
に現れている。
【0016】図1は、図2(B)の掩蓋片5の先端縁部
をカシメ爪12の部分(X−X)で切断し、その切断面
を拡大して示す部分図である。図1によると、掩蓋片5
の裏面側にあって、薄膜状体Pは金属製鋸刃Kの裏面に
位置し、金属製鋸刃と共にそのカシメ爪12によって板
紙にカシメ固定されており、金属製鋸刃Kは薄膜状体P
を介在して板紙にカシメ固定されている状態になってい
る。そして切断具(鋸刃)の両脇にはみ出している薄膜
状体のはみだし部Qは、補助脇掩蓋片13の裏面に添っ
て屈曲し、鋸刃を引き剥がす時に摘み易い取っ手を形成
している。この収納箱300箱を従来品と比較できるよ
うにして、鈴鹿−東京間の輸送を往復3回繰り返し、後
にフイルムの切断性能を評価した。その評価結果の内容
を以下にまとめて示す。
【0017】
【発明の効果】薄膜状体の存在による切れ味の低下はな
く、繰り返しの切断使用によっても切断性能の低下は生
じなかった。輸送や切断評価時に、鋸刃のカシメが緩ん
だり、鋸刃が外れかかったりするものは一箱もなかっ
た。
【0018】空箱になって、薄膜状体のはみだし部Qを
摘んで鋸刃の引き剥がしを行なったが、薄膜状体が途中
でちぎれることはなく、全て容易に且つ安全に除去でき
た。又薄膜状体のはみだし部Qは、引き剥がし時の取っ
手の所在を示す標識としても有効なものであった。この
鋸刃除去手段の形成は、従来と同じ工程や方法で、従来
方法と変わりなく達成できるので、能率的且つ経済的で
ある。また箱体の板紙を弱体化する要素が全くないこと
に注目できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す本発明の収納箱をX−Xで切断した
ときの断面模式図
【図2】本発明の収納箱の模式図
【図3】本発明の収納箱を製造するための板紙の形状を
示す模式図
【符号の説明】
1 前板 2 底板 3 後板 4 蓋板 5 掩蓋片 6 開封片 7 補助脇板 8 脇板 9 局部接合部 10 切取り線 11 脇掩蓋片 12 カシメ爪 13 補助脇掩蓋片 K 金属製鋸刃(切断具) P 薄膜状体 Q 薄膜状体はみだし部(取っ手) R 巻回フイルム F フイルム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前板1、底板2、後板3、蓋板4、脇板
    8、蓋板4から前板1を覆う方向に延した掩蓋片5、蓋
    板4から脇板8を覆う方向に延出した脇掩蓋片11を主
    体部位とする長方形の箱体であって、内部に収納したラ
    ップフイルムの必要量を引き出し箱体に固定してある金
    属製鋸刃Kで切断して用いるラップフイルムの収納箱に
    おいて、上記金属製鋸刃Kは掩蓋片5の先端縁部の裏面
    側に、薄膜状体Pを介在させてカシメ爪12でカシメ固
    定されてあり、その薄膜状体Pは、少なくとも金属製鋸
    刃Kと重なり合っている部分の長尺縁部はその鋸刃と同
    じ歯山形状に加工されており、且つ金属製鋸刃Kの長手
    方向の少なくとも片方脇部からはみだした状態に配置さ
    れていることを特徴とするラップフイルムの収納箱。
  2. 【請求項2】 長尺の金属薄板を鋸刃状に切断加工する
    と共に金属薄板の局部に入れた切れ目を起立させてカシ
    メ爪として得たカシメ爪を持つ金属製鋸刃を、ラップフ
    イルムの収納箱にする板紙の所定の部位面に押圧し、カ
    シメ爪を板紙に挿入し、挿入したカシメ爪を横向きに倒
    すことで鋸刃をカシメ固定して金属製鋸刃付きの板紙と
    なし、次いで板紙を予め設けてある折線部で折曲げて箱
    体に組み立てる収納箱の製造方法において、上記のカシ
    メ爪を持つ金属製鋸刃に加工する上記長尺の金属薄板
    は、薄膜状体を金属薄板の裏面に重ねて配すると共に、
    薄膜状体は金属薄板の長手方向の少なくとも片方脇部か
    らはみだした状態に配置した状態にして用いることを特
    徴とするラップフイルムの収納箱の製造方法。
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