JPH06171533A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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Publication number
JPH06171533A
JPH06171533A JP33196892A JP33196892A JPH06171533A JP H06171533 A JPH06171533 A JP H06171533A JP 33196892 A JP33196892 A JP 33196892A JP 33196892 A JP33196892 A JP 33196892A JP H06171533 A JPH06171533 A JP H06171533A
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JP
Japan
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wheel
control
steering
vehicle speed
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP33196892A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Omura
博志 大村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Publication of JPH06171533A publication Critical patent/JPH06171533A/ja
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の車輪が異径状態になった場合でも、安
全運転において全く支障が無い場合は、制御部での制御
をフェイルセイフ等の状態に切り替えることなく、通常
の操舵制御を続行する。 【構成】 左側車輪速センサ32と右側車輪速センサ3
3と、これらセンサからの信号により車輪外径を判断す
る車輪外径判別手段35と、この判定により異径車輪が
有る場合はしきい値を緩和するしきい値緩和手段37
と、緩和されたしきい値に応じて通常の操舵制御を規制
する操舵制御規制手段38とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の車輪速を検出し、
それに応じて転舵装置を制御する車両の操舵装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭60−193771
号公報で示されるように、ステアリングハンドルの操作
に応じて転舵される前輪の舵角と、予め設定された転舵
特性に応じて後輪の舵角を設定し、これに応じて後輪を
転舵させるように構成した車両の後輪操舵装置が知られ
ている。そして、この車両の従動輪に車輪速センサ等を
設置することにより、安定した正確な車両速度の検出を
行ない、この検出信号に応じて各種の制御、例えば前輪
に対する後輪の転舵比を設定する等の制御を行なってい
た。また、この車輪速センサ等に故障等が発生し、これ
らの車輪速センサによる2つの車両速度に所定値以上の
差が生じる等の異常時には、前記制御部で後輪操舵を中
止するなどの規制を行なうフェイルセイフ状態への切り
替えなども行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従動輪
に車輪速センサを設置した構成によると、加減速時ある
いはエンジンブレーキ時等においても誤差が少なく実車
速に近い車両速度が検出できる。ところが、車輪の空気
圧が不足気味であるとか摩耗しているとか、あるいは予
備タイヤ(テンパータテイヤ)を装着した状態では、結
果として一方の車輪が小径の状態になるために、左右の
車輪速センサによる車両速度が異なることとなり、その
結果車輪速センサ等の異常状態と判断されて安全運転に
問題が無い状態であってもフェイルセイフ状態に切り替
わってしまい、車両速度に応じた操舵制御が実行されな
くなるという問題もあった。
【0004】以上の事情に鑑みて、本発明は結果として
外径が小さい車輪が装着された状態となっても、安全運
転に全く支障が無い場合にはフェイルセイフ状態に切り
替えることなく操舵制御を継続し、その車両が備えてい
る機能を最大限に発揮させるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1では、車輪速を
検出する車輪速検出手段と、この車輪速検出手段からの
信号に応じて操舵装置を制御する制御部と、前記車輪速
検出手段に基づいて求められた車両速度のデータと前記
制御部内のしきい値とを比較することにより、制御部を
含む制御系統に故障等が発生したか否かを判定し、この
判定結果に応じて制御部による操舵制御を規制してフェ
イルセイフ状態とする操舵制御規制手段とを有する操舵
装置において、車輪速検出手段からの信号を基に車輪の
外径状態を判別する車輪外径判別手段を設け、この車輪
外径判別手段において異径車輪の装着有りと判定された
場合に、前記フェイルセイフ状態に切り替えるか否かの
判断基準となるしきい値を緩和する、しきい値緩和手段
とを設けたものである。
【0006】請求項2では、前記の車輪外径判別手段に
おいて、異径車輪の装着有りと判定された場合には、小
径車輪側の前記車輪速センサによる車両速度を、前記制
御部内で使用される制御車速として設定する制御車速設
定手段を設けたものである。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明によれば、前記の車輪速検
出手段からの信号を基に、車輪外径判別手段が装着車輪
の外径を判別し、その結果異径車輪の装着有りと判定さ
れた場合に、しきい値緩和手段によってフェイルセイフ
状態に切り替えるか否かの判定基準となるしきい値が大
きな値に設定され、これによってフェイルセイフ状態へ
の切り替え頻度が減少される。
【0008】請求項2記載の発明によれば、前記車輪外
径判別手段にて装着車輪の外径を判別した結果、異径車
輪の装着有りと判定された場合には、小径車輪側の車輪
速センサによる車両速度が、前記制御部内で使用される
制御車速として設定され、その後前記制御部における車
速として上記制御車速を使用して操舵制御が行なわれ
る。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係る車両の操舵装置の一実
施例を示している。この車両には従動輪である左右の前
輪1,2を転舵する前輪転舵機構3と前輪1,2の転舵
に応じて駆動輪である後輪4,5を転舵する後輪転舵機
構6とを有している。
【0010】上記前輪転舵機構3には一対のナックルア
ーム機構7,8およびタイロッド9,10と両タイロッ
ド9,10を互いに連結するリレーロッド11と、上記
リレーロッド11に形成されたラック(図示せず)に噛
合するピニオン12が下端部に設けられたステアリング
シャフト13を有するステアリング機構14とが設けら
れている。そして、上記前輪転舵機構3は、ステアリン
グハンドルの操作変位量、つまりハンドル舵角に応じて
上記リレーロッド11を車幅方向にスライド変位させる
ことにより、左右の前輪1,2を転舵するように構成さ
れている。
【0011】上記後輪転舵機構6は、一対のナックルア
ーム15,16およびタイロッド17,18と、両タイ
ロッド17,18を互いに連結するリレーロッド19
と、左右の後輪4,5を転舵させる駆動部となるサーボ
モータ20と、このサーボモータ20の駆動力を上記リ
レーロッド19に伝達する減速歯車機構21とを有して
いる。そして、上記後輪転舵機構6は、上記サーボモー
タ20の駆動力に応じて上記リレーロッド19を車幅方
向にスライド変位させることにより、左右の後輪4,5
を転舵するように構成されている。
【0012】また、上記後輪転舵機構6には、減速歯車
機構21に設けられたクラッチ22と、上記リレーロッ
ド19を中立位置に付勢するスプリング23からなる中
立付勢手段とを備えたフェイルセイフ機構24が設けら
れている。このフェイルセイフ機構24は、上記サーボ
モータ20等に故障が生じた場合のフェイル時に、上記
クラッチ22を離間状態として上記サーボモータ20か
らリレーロッド19に対する駆動力の伝達を遮断するこ
とにより、上記スプリング23の付勢力によってリレー
ロッド19を中立位置に保持して後輪4,5をフェイル
セイフ状態とするように構成されている。
【0013】上記車両には、車輪速検出手段としての2
つの車輪速センサ、つまり前輪1の車輪速を検出する左
側車輪速センサ32および前輪2の車輪速を検出する右
側車輪速センサ33と、ハンドル舵角を検出する舵角セ
ンサ25と、ブレーキの操作状態を検出するブレーキス
イッチ34と、サーボモータ20の回転位置を検出する
エンコーダ27と、後輪用のリレーロッド19の変位量
を検出する後輪舵角センサ28と、これらの検出信号に
応じてサーボモータ20の回転を制御する制御信号を出
力するコントローラ29とが設けられている。
【0014】この制御部としてのコントローラ29は、
予め設定された転舵特性と、車輪速センサ32,33か
らの信号に基づいて求められた車速とに応じて前輪1,
2に対する後輪4,5の転舵比を設定するとともに、こ
の後輪転舵比と、上記舵角センサ25によって検出され
たハンドル舵角とに基づいて後輪4,5の目標転舵角を
設定し、この目標転舵角に対応する制御信号をサーボモ
ータ20に出力するような機能を有している。そして、
上記エンコーダ27によってサーボモータ20の回転位
置を検出するとともに、上記後輪舵角センサ28によっ
てリレーロッド19の変位量を検出しつつ、後輪4,5
を転舵させるように構成されている。
【0015】上記転舵特性は、図3に示すように、低速
走行時に車両の回頭性を高めるために前輪1,2に対す
る後輪4,5の転舵比ΘR/ΘFが負の値に設定され、
後輪4,5が前輪1,2と逆位相方向に転舵されるよう
になっている。また、車速の増大に伴って上記転舵比Θ
R/ΘFが正の値に変化して、高速走行時に後輪4,5
が前輪1,2と同位相方向に転舵されるように設定され
ている。
【0016】また、制御部としての上記コントローラ2
9には、図2に示すように車輪速検出手段としての2個
の車輪速センサ32,33からの信号により車輪の外径
状態を判定する車輪外径判別手段35と、この車輪外径
判別手段35の判定結果により、異径車輪が装着されて
いると判定された場合には、フェイルセイフ状態に切り
替えるか否かの判断基準となるしきい値を緩和するしき
い値緩和手段37が備えられている。
【0017】さらに、上記コントローラ29は、上記緩
和されたしきい値を基に、規制が必要と判断された場合
に、フェイルセイフ等の規制を実施させる信号を出力す
る操舵制御規制手段38と、この操舵制御規制手段38
からの信号出力、および上記車輪外径判別手段35の判
定結果に応じて、後輪操舵機構6のサーボモータ20を
制御する操舵制御手段36等とを備えている。そして、
この操舵制御手段36の出力により、サーボモータ20
が制御され、減速歯車機構21などが、後輪転舵機構6
を動作させる。
【0018】上記の車輪外径判別手段35は、車輪速検
出手段としての2つの車輪速センサ32,33の信号に
より前輪1,2の各車輪速に対応した車速を計算により
求め、さらに後述する比較基準値と、2つの車速の差と
を想定される車輪の各種状態で比較し、異径車輪の有無
を判定する。具体的に説明すると、車輪速センサ32,
33は車輪の回転数を検出するものが一般的であり、こ
のセンサにて車両の車速を求めるには、車速をVとする
と、車輪の外径Dと車輪速センサで検出された単位時間
当りの回転数Nを用いて次に示す(1)式で求められ
る。
【0019】 V=πD×N π:円周率 (1) もし、車両が直進走行状態であれば、左右2つの車輪速
センサ32,33の出力を用いて計算された車速Vは、
通常同一でなければならない。しかしながら、実際には
同種の車輪であっても空気圧や摩耗状態やタイヤの扁平
率や路面の状況などの諸条件により回転数に差が生じ
て、僅少ではあるがこの2つの車速に差が生じることが
多い。つまり、少しでも小径状態となっている車輪の回
転数Nは、小径となった割合に逆比例して大きくなる。
車速の算出時においては、事前に設定されている車輪外
径Dをどちらの車速の計算においても用いるため、結果
的に外径の小さい方で求めた車速Vは、回転数が増加し
た割合だけ大きくなる。
【0020】従って、もし車両にテンパータイヤなどの
小径タイヤが装着されている場合、前記2つの車速の差
は顕著に現れ、この車速差を判定すれば、装着車輪の異
径判別や車輪の状況を推定することが可能である。
【0021】実際の例として、例えば図1における前輪
にノーマルタイヤより若干小径であるテンパータイヤ
と、ノーマルタイヤとが装着されている場合に、このテ
ンパータイヤを判別するものと仮定する。そのために
は、まず上記各車輪の車輪速センサ32,33の検出出
力により、上記(1)式を使って各車輪速に対応する車
速を求める。そして、左側車輪速センサ32による車速
をVL、右側車輪速センサ33による車速をVRとし、こ
れらの2つの車速を比較してその小さい方の車速を見出
す。一般的に、走行中において車輪外径が大きくなるよ
うな状態は想定する必要が無いため、この小さい方の車
速がノーマルタイヤ側であると判断することができ、以
後この小さいほうの車速を、テンパータイヤ判定のため
の基準車速VSとして設定する。
【0022】そして、他方の車輪がノーマルタイヤかテ
ンパータイヤであるかを判定するために、上記2つの車
速VL,VRの差の絶対値|VL−VR|を求め、この絶対
値|VL−VR|が基準車速VSに対してどのくらいの比
率であるかを比較判定する。そのためにノーマルタイヤ
で有るか否かの判定に用いるノーマルタイヤ判定係数B
1と,テンパータイヤであるか否かの判定に用いるテンパ
ータイヤ判定係数B2とを用意し、これらの係数と上記
基準車速VSとの積を求める。ただし、これらの係数に
は、次の(2)式で表される関係がある。
【0023】B1 < B2 (2) 従って、これら係数と基準車速VSとの積で求められた
比較基準値も、図4で示すように上記係数の場合と同様
の大小関係となり、これらの基準値と上記の絶対値|V
L−VR|を比較して、車輪の外径状態を判定するもので
ある。
【0024】まず、上記絶対値|VL−VR|の値が、次
の(3)式で示される状態の場合、つまり図4の領域a
に属する状態では、ノーマルタイヤであると推定され
る。この領域aは、上記2つの車速の差が非常に小さ
く、ノーマルタイヤと判定可能な範囲を示している。そ
して、ノーマルタイヤ判定係数B1は、この範囲の上限
値を決定するものである。
【0025】 |VL−VR| ≦ VS×B1 (3) また、絶対値|VL−VR|の値が次の(4)式で示す状
態(図4では領域b)の場合、ノーマルタイヤかテンパ
ータイヤかの判定を保留すべき状態であると推定され
る。
【0026】 VS×B1 < |VL−VR| < VS×B2 (4) この状態は、例えば特殊な走行状態の場合などが想定さ
れ、このような状況下では判定のタイミングを延期し、
保留するのが適当である。
【0027】また、上記の絶対値|VL−VR|の値が次
の(5)式で示される状態の場合、つまり図4の領域c
に属する状態では、テンパータイヤであると推定され
る。この領域cは上記2つの車速に顕著な差が見られ、
テンパータイヤであると判定可能な範囲を示している。
そして、テンパータイヤ判定係数B2はこの範囲の下限
値を決定するものである。
【0028】 VS×B2 ≦ |VL−VR| (5) ただし、車速の差の絶対値|VL−VR|が、VS×B2の
値に比較して極端に大きい場合には、なんらかの異常状
態であり、この異常に対しては後述する方法にて対処す
るものである。
【0029】以上のようにして、車輪の外径状態の推定
ができるが、ノーマルタイヤあるいはテンパータイヤで
あるという確定を行なうには、その絶対値|VL−VR|
の値が連続して所定時間以上経過する事というタイマー
機能の条件を付加すると、電気的ノイズや車両の特殊な
状況による誤判定を減少させることができ、正しい判定
の確度を大いに向上させることができる。
【0030】また、実際には上記の比較判定に用いる係
数類は、ノーマルタイヤより若干小径であるテンパータ
イヤを判定するのであれば、ノーマルタイヤ判定係数B
1については約0.02、テンパータイヤ判定係数B2につい
ては約0.08位に選定されるものであるが、これらの係数
はノーマルタイヤの種類やその他の諸条件により、適宜
選定することができ、特定の数値に限定されるものでは
ない。
【0031】このようにして、車輪外径判別手段35が
テンパータイヤの装着を確認すると、この結果により、
しきい値緩和手段37は次の(6)式に示すように、初
期のしきい値V0にしきい値緩和量αを加算して、新た
なしきい値V1を設定する。
【0032】V1=V0+α (6) 操舵制御規制手段38は、この緩和されたしきい値V1
と、再度その時点での2車速の差の絶対値|VL−VR|
とを比較し、この絶対値|VL−VR|の値の方が小さけ
れば最終的にテンパータイヤであると確定して操舵制御
をフェイルセイフ状態等になるのを規制して、操舵制御
手段36に通常の制御を行なわせる。
【0033】一方、この絶対値|VL−VR|の値が緩和
されたしきい値V1よりも大きい場合は、操舵制御手段
36にフェイルセイフ状態等の規制された制御を行なわ
せるものである。
【0034】以上のような機能と各種手段を備えた上記
コントローラ29の制御動作を、図5に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。この制御動作がスタートする
と、ステップS1にて従動輪の車輪速センサ32,33
のデータを読み込み、これらのデータを基に前記(1)
式にて車速を計算し、左側車輪による車速VL,右側車
輪による車速VRを求める。次に、車速の差の有無を判
定するステップS2で車速差無しと判定されるとスター
トへ戻り、車速差有りと判定されるとステップS3へ移
行する。そして、このステップS3では車輪速センサの
異常等をチェックするために2つの車速のどちらかが0
であるか否かが判定され、いずれの車速も0でなく正常
であればステップS4へ移行する。
【0035】そして、テンパータイヤと判定済か否かの
判断をするステップS4で、テンパータイヤと判定され
た場合に1、これ以外の場合に0という値に設定される
テンパータイヤ判定フラグF1が1であるか否かが判定
され、0であると判定されるとステップS5へ移行す
る。通常、この制御動作がスタートした直後は、このフ
ラグF1は0に設定されているため、このフローチャー
トの機能が開始した初回は、ステップS4からノーマル
タイヤと判定済みか否かを判断するステップS5へ移行
する。
【0036】このステップS5では、初期の値が0に設
定され、ノーマルタイヤと判定されれば1に設定される
ノーマルタイヤ判定フラグF2が1であるか否かが判定
される。制御動作の初期においてこのフラグF2は0で
あるため、NOと判定されてステップS6へ移行する。
【0037】このステップS6は、図6に示すテンパー
タイヤ判定を行なうサブルーチンであり、左右輪のテン
パータイヤの判定を行なう。そして、この判定の結果、
左右輪のいずれか一方がテンパータイヤであると判定さ
れると、上記サブルーチン内でテンパータイヤ判定フラ
グF1が1に設定されたあと、このフローチャートでは
リターンしてスタートに戻る。
【0038】そして、テンパータイヤ判定フラグF1が
1に設定された場合、その後このフローチャートでは、
上記と同様にステップS4でテンパータイヤ判定フラグ
F1が1であるか判定されるためステップS10へ移行
し、ここで前回にも上記フラグF1が1であったかが判
定される。ところが、この場合前回のフラグF1は0で
あったため、しきい値緩和手段37としてのステップS
11へ移行し、(6)式で示すように初期のしきい値V
0に緩和幅αを加算して、緩和された新しいしきい値V1
を求め、その後ステップS12へ移行する。ステップS
12では緩和された新しいしきい値V1と前記絶対値|
VL−VR|とを比較し、この絶対値|VL−VR|の方が
このしきい値V1より小さい場合は、テンパータイヤと
して最終的に確定し、ステップS13へ移行する。
【0039】そして、ステップS13では高速走行時に
一層安定した転舵制御を得るべく、高い方の車速を制御
車速として設定するために、ステップS1で求めた2つ
の車速VL,VRを比較し、大きい方の車速を判別する。
そして、もし左側車輪速センサから求めた車速VLが大
きい場合は、制御車速設定手段としてのステップS14
にて、この車速VLをコントローラ29の処理判断のた
めの制御車速VCとして設定する。また、逆に右側車輪
速センサから求めた車速VRの方が大きい場合、制御車
速設定手段としてのステップS15にて、この車速VR
を前記同様に制御車速VCとして設定する。そして、こ
れらのステップS14,S15の動作が完了すると、再
びこのフローチャートの先頭に戻り、今回はステップS
10でYESと判定されてステップS12へ移行し、以
後は上記同様にテンパータイヤ判定フラグF1が1の場
合の制御動作を繰り返す。
【0040】ところが、このあと例えば走行中何かの状
況が発生し、2つの車速VL,VRの差がさらに大きくな
った場合には、このステップS12の判定において緩和
されたしきい値V1よりも、車速差の絶対値|VL−VR
|の方が大きいと判定され、ステップS16へ移行し、
車速関連の異常に関するフェイルセイフ状態である4輪
操舵(4WS)の制御を中止する。フローチャート上に
おけるこの機能は、一旦各種判定条件を満たしてテンパ
ータイヤと判定したが、その後状況が変化して4輪操舵
の制御を中止する場合である。この具体例を示せば、例
えば走行中にタイヤの空気圧が徐々に減少した場合、あ
るいはテンパータイヤと判定したあと車輪速センサがノ
イズ等で、2つの車速差が大きくなる方向に誤検出した
場合等である。
【0041】以上はテンパータイヤが装着されている場
合の判定とそれに関する処置を示したものであるが、通
常は全てノーマルタイヤで走行するものであり、この場
合はステップS6でノーマルタイヤ判定フラグF2が1
に設定され、次回からはステップS5からステップS1
7へ移行し、両方共ノーマルタイヤであるために初期の
しきい値V0より前記絶対値|VL−VR|の方が小さい
状態となり、ステップS17ではNOと判定されてこの
制御動作が終わり、リターンしてスタートへ戻る。
【0042】また、前記したステップS3での判定の結
果、いずれかの車速が0であるため車輪速センサに異常
有りと判定された場合、あるいはノーマルタイヤと確定
されたあとでステップS17にて初期のしきい値V0よ
り前記絶対値|VL−VR|が大きいと判定された場合に
は、ステップS18にて車速に関するフェイルセイフ状
態としての4輪操舵(4WS)制御の中止を行なう。
【0043】以上のようにして、図5に示すフローチャ
ートが機能することにより、テンパータイヤの判定を行
ない、その結果テンパータイヤであると判定された場合
には、前記しきい値を緩和することによりフェイルセイ
フ状態等に移行することを一時的に保留することができ
る。
【0044】ところが、実際にはテンパータイヤの判定
を行なっているのはステップS6のサブルーチンであ
り、このサブルーチンの制御動作を図6に示すフローチ
ャートに従って説明する。
【0045】まず、初めにテンパー判定が可能であるか
否かを、ステップS21からステップS25において各
項目ごとに判定する。
【0046】そのために、ステップS21では車速に関
する異常の有無を判別して、前記2つの車輪速センサか
らの車速にもとづき、ノイズ等のために異常な車速でな
いか、あるいは2つの車速の差が極端に大きくないか等
のチェックをする。そして、その結果正常であれば、次
のステップS22にて舵角センサ25に異常が無いかを
チェックし、正常であればステップS23へ移行する。
このステップS23では、ハンドル14によるその時点
での舵角を、舵角センサ25で読み込み、テンパー判定
禁止舵角より小さいか否かを判定する。
【0047】このように所定舵角以内であることをテン
パータイヤ判定の要件とするのは、コーナリングにおい
ては左右の車輪速に差が発生し、車速の差が車輪の外径
の差によるものか、あるいはコーナリング時の車輪速の
差によるものかの判別が不可能となるからである。
【0048】そして、舵角が上記のテンパー判定禁止舵
角内であればステップS24へ移行し、ブレーキスイッ
チ34にて車両のブレーキが操作中で無いことを確認す
る。これは、減速中に生じる誤判定の可能性を無くすた
めである。そして、ブレーキ操作中で無い場合、ステッ
プS25に移行して、車速がテンパー判定禁止車速以上
であるか否かが判定される。この判定により、車速が低
すぎる場合に路面の影響が強く出て、テンパー判定にお
いて誤判定されることが防止される。
【0049】上記のように、テンパー判定開始のための
各条件を満たした場合、このフローチャートはステップ
S26へ移行し、ステップS1で作成された2つの車速
VL,VRの大小関係が比較され、2つの車速が同一であ
るか若しくは車速VRの方が小さいときにはこの車速VR
をテンパータイヤ判定用車速VSとして設定し、一方車
速VLの方が小さいときはこの車速VLを上記車速VSと
して設定する。これらのステップS26,S27,S2
8は、前記したようにノーマルタイヤ側の車速がテンパ
ータイヤ側の車速より小さくなることを利用して、ノー
マルタイヤ側の車速を特定し、その車速を判定のための
基準となるテンパータイヤ判定用車速VSとして設定す
るものである。
【0050】ステップS30では、こうして設定された
テンパータイヤ判定用車速VSにノーマルタイヤ判定係
数B1を乗じた比較基準値1と、2車速の差の絶対値|
VL−VR|とを比較して、これらの値が等しいか、ある
いはこの絶対値|VL−VR|の方が小さい場合(図4に
おける領域aの場合)はノーマルタイヤと推定されてス
テップS41へ移行する 一方、もし上記絶対値|VL−VR|の方が大きい場合、
テンパータイヤの可能性が有るため、ステップS31へ
進み、ノットテンパータイヤ判定タイマTNTを初期値で
ある0に戻し、その後ステップS32へ移行する。そし
て、このステップS32では、上記絶対値|VL−VR|
が図4における領域bか領域cのいずれに属するかを判
定するために、上記車速VSにテンパー判定係数B2を乗
じた比較基準値2と、前記絶対値|VL−VR|とを比較
する。もし、この絶対値|VL−VR|の方が小さけれ
ば、この絶対値は図4の領域bの状態であり、テンパー
タイヤの判定を保留して、ステップS33へ移行してテ
ンパー判定タイマTTを初期値の0に戻して今回のサブ
ルーチンの制御が終了する。
【0051】もし、ステップS32においてこの絶対値
|VL−VR|と上記比較基準値2が等しい場合、あるい
はこの絶対値|VL−VR|の方が大きい場合には(図4
における領域c)、ステップS34へ移行してテンパー
タイヤ判定タイマTTが時間のカウントを開始する。そ
して、図4における領域cの状態が、連続してテンパー
判定確定時間KT以上継続した場合には、ステップS3
5にてこのタイムアップが確認されてテンパータイヤで
あると判定され、ステップS36にてテンパータイヤ判
定フラグF1が1に設定され、テンパー判定が終了す
る。
【0052】もし、上記絶対値|VL−VR|の図4にお
ける領域cの状態が、上記テンパータイヤ判定確定時間
KTに到達しないうちに他の領域の値になってしまった
場合、ステップS35にてNOと判定されてテンパー判
定を中止してリターンする。
【0053】また、前記したようにステップS30にて
上記絶対値|VL−VR|が図4で示す領域aの状態であ
ると判定された場合、ステップS41へ移行してノット
テンパー判定確定タイマーTNTで、この状態での連続経
過時間をカウントする。そして、ステップS42でこの
時間がノットテンパー判定確定時間KNTと同一かそれ以
上になった場合はテンパータイヤでない、即ちノーマル
タイヤと判定され、ステップS43でノーマルタイヤ判
定フラグF2が1に設定されてこの判定を終了する。
【0054】もし、ステップS42でノットテンパー判
定確定時間KNTに到達しないうちに上記絶対値|VL−
VR|が図4の領域aの状態から他の状態になった場
合、ノットテンパータイヤの判定を中止し、リターンす
る。
【0055】テンパー判定を行なう図6のサブルーチン
は以上のように動作するが、実際には上記ステップS2
1からステップS25までの各判定条件のほかに、例え
ば上下加速度センサ等が備えられている車両において
は、このセンサを利用して悪路走行中でないと言う条
件、あるいはアンチスキッド装置が装備されている車両
においては、この装置が作動中で無いと言う条件等を付
加すると一層確実なテンパー判定を行なうことができ
る。
【0056】また、このサブルーチン内の各定数など
は、実際には事前に最適な数値を設定するものであり、
例えば上記のテンパー判定禁止舵角は約10度位に、テ
ンパー判定禁止車速は約10km/h位に設定し、テン
パー判定確定時間KTあるいはノットテンパー判定確定
時間KNTは、4秒位の時間を設定するが、装着車輪の種
類やその車両の使用状況に応じて、これらの数値は適宜
変更されるものであり、特定の数値に限定されるもので
はない。
【0057】図5,図6に示すフローチャートが上記し
たように機能することにより、テンパータイヤと判定さ
れた場合、フェイルセイフ状態等に移行することが一時
的に保留され、安全運転に支障が無い場合には通常の操
舵制御を継続して、その車両の有する機能を最大限に発
揮させるものである。また、図5においては、制御車速
設定手段としてのステップS13,14,15が、車速
の高い方を制御車速として設定することにより、後輪が
同相方向に補正され、高速走行時に一層安定した制御を
実現するものである。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は車輪の外
径を判別する車輪外径判別手段を設け、この車輪外径判
別手段が異径状態の車輪の装着有りと判定した場合、し
きい値緩和手段がしきい値を緩和することにより、前記
したような各条件を満たせばフェイルセイフ状態等に切
り替えるのを一時的に保留するように構成したため、安
全運転に全く支障が無い場合、例えばテンパータイヤ等
を装着しているような場合には通常の操舵制御を継続し
て、その車両が備えている機能を無駄なく発揮させるも
のである。
【0059】また、制御車速設定手段を設けることによ
り、異径状態の車輪が有る場合は前記制御部の処理判断
に必要な制御車速として、車速の高い方を設定すること
により、後輪が同相方向に補正され、安定した制御を実
施する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の操舵装置の実施例を示す概
略説明図である。
【図2】上記操舵装置のコントローラの構成を示すブロ
ック図である。
【図3】後輪の転舵特性を示すグラフである。
【図4】タイヤの判定基準の説明図である。
【図5】上記コントローラの制御動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】上記コントローラ内テンパー判定部のサブルー
チンのフローチャートである。
【符号の説明】
20 サーボモータ(駆動部) 29 コントローラ(制御部) 32 左側車輪速センサ 33 右側車輪速センサ 35 車輪外径判別手段 36 操舵制御手段 37 しきい値緩和手段 38 操舵制御規制手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速を検出する車輪速検出手段と、こ
    の車輪速検出手段からの信号に応じて操舵装置を制御す
    る制御部と、前記車輪速検出手段に基づいて求められた
    車両速度のデータと前記制御部内のしきい値とを比較す
    ることにより、制御部を含む制御系統に故障等が発生し
    たか否かを判定し、この判定結果に応じて制御部による
    操舵制御を規制してフェイルセイフ状態とする操舵制御
    規制手段とを有する操舵装置において、車輪速検出手段
    からの信号を基に車輪の外径状態を判別する車輪外径判
    別手段を設け、この車輪外径判別手段にて異径車輪の装
    着有りと判定された場合に、前記フェイルセイフ状態に
    切り替えるか否かの判断基準となるしきい値を緩和する
    しきい値緩和手段とを設けたことを特徴とする車両の操
    舵装置。
  2. 【請求項2】 前記の車輪外径判別手段において、異径
    車輪の装着有りと判定された場合には、小径車輪側の前
    記車輪速センサによる車両速度を、前記制御部内で使用
    される制御車速として設定する制御車速設定手段を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の車両の操舵装置。
JP33196892A 1992-12-11 1992-12-11 車両の操舵装置 Pending JPH06171533A (ja)

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