JPH06171261A - 平版印刷版用支持体及びその製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びその製造方法

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JPH06171261A
JPH06171261A JP35137692A JP35137692A JPH06171261A JP H06171261 A JPH06171261 A JP H06171261A JP 35137692 A JP35137692 A JP 35137692A JP 35137692 A JP35137692 A JP 35137692A JP H06171261 A JPH06171261 A JP H06171261A
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Akio Uesugi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹凸の深さが揃い、凹部の平均直径が揃った
良好な平版印刷版用支持体及びその製造方法を提供する 【構成】 SCM鋼製ロール表面をサンドブラストによ
り粗面化後、Ni,Alにより結合層を形成させ、その
上に溶射法によりセラミックス層を形成させ、研磨によ
り鏡面仕上げされたローラ表面に定格出力400WのC
2 レーザ加工装置により直径50μmの独立した複数
個の凸部を形成させる。この方法で得られた転写ローラ
は溶融した金属粒子の飛散がなく、これを上ローラと
し、SCM鋼製の境面仕上げローラを下ローラとした装
置において、上下ローラの間に厚さ0.24mmのアル
ミニウム板(JIS1050材)を通す。このとき上下
ローラの隙間は該アルミニウム板の厚みよりも10μm
ほど小さくしておく。該アルミニウム板は1回だけでな
く5回転写する。転写後の該アルミニウム板の中心線平
均粗さRaは0.82μmであった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム板を用いた
平版印刷版用支持体及びその製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】従来より平版印刷版用支持体としてアル
ミニウム板がひろく用いられているが、その上に設けら
れる感光層との密着性を良好にして、且つこれを用いて
形成される平版印刷版の非画像部(印刷時に使用される
湿し水を受容し油性インクを反発する領域)の保水性を
改善することを目的としてアルミニウム板の表面は粗面
化されているのが通例である。この粗面化の処理は砂目
立てと称され、平版印刷版用支持体には不可欠のもので
ある。この砂目立てはボールグレイニング、ワイヤーグ
レイニング、ブラシグレイニング、などの機械的粗面化
方法、酸または中性の水溶液中で電気化学的にエッチン
グを行う電解粗面化方法、または特殊なアルミニウム合
金を用いて酸またはアルカリにより化学的にエッチング
を行う化学的粗面化方法などが知られている。
【0003】しかしながら、これらの方法には次のよう
な問題点がある。すなわち、機械的砂目立てを行う場合
は機械や研磨材の調整に熟練を要すること、粗面化され
たアルミニウム板の表面に食い込んだ研磨材やアルミニ
ウム屑などを取り除く作業を要することである。化学的
砂目立て法の問題点は液温度、電解条件、液組成などを
細かく調整し狭い範囲に合わせる必要があり、電気化学
的砂目立て法の場合は先の化学的砂目立て法に加え電力
消費が大きく原価に占める割合が相当大きくなるという
点である。このような欠点を解消しうる方法として、粗
面化したローラによりアルミニウム板を圧延転写するこ
とでローラの粗面模様を転写しておこなう砂目製造方法
が特開昭55−74898号、特公平4−30358号
公報、特開昭61−162351号公報などに記載され
ている。これら公知資料に記載されているローラの粗面
化方法はサンドブラスト、グリッド噴射、放電加工等を
用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の粗
面化したローラをアルミニウム板に圧延転写する方法
は、平版印刷版用支持体の性能を決定する重要な要素の
ひとつである、砂目の凹凸の形が成り行きになってしま
い、砂目を制御できる範囲が非常に狭い、ないしは困難
となる欠点をもっている。これはサンドブラスト、グリ
ッド噴射が微小な粒子をローラ表面にランダムに当てる
ため、ローラ表面に形成される凹凸の頂点の高さが揃わ
ない。このため、被転写物、例えばアルミニウム合金板
の表面に均一に砂目を転写させるには、圧下量または圧
下率を高めることが必須となり、この結果、既に形成さ
れた凹部が潰され、重なりあった砂目となり、転写ロー
ラの表面に形成されている凹凸とは異なった形となり砂
目を制御するとは言いがたい。たとえば特公平4−30
358号公報にはプレスによる凹部が一部重なり合って
波状模様をなすと記載されている。また、平版印刷版の
性能としても、一部が重なり合い、波状になった凹部で
は感光層と支持体とのあいだに充分なアンカー効果が得
られず印刷性能が良好でないという欠点をもつ。
【0005】本発明の目的は上記問題点を解消し、凹凸
の深さが揃い、凹部の平均直径が揃った良好な平版印刷
版用支持体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的はアル
ミニウム板を用いる平版印刷版用支持体において、該ア
ルミニウム板表面がレーザにより粗面化された転写ロー
ラをプレスすることにより均一に粗面化された砂目を有
することを特徴とする平版印刷版用支持体、又は前記レ
ーザにより粗面化された転写ローラの最大高さが5〜3
0μm、転写ローラ表面の凸部の平均直径が2〜50μ
mである転写ローラを用いて砂目立てすることを特徴と
する平版印刷版用支持体の製造方法によって達成され
る。
【0007】本発明に於て、使用されるアルミニウム板
には、純アルミニウム、アルミニウム合金が含まれる。
アルミニウム合金としては、種々の物が使用出来、例え
ば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜
鉛、鉛、ニッケル、ビスマス等の合金と、アルミニウム
の合金が用いられる。アルミニウム合金は、種々ある
が、オフセット印刷用版材として例えば、特公昭58−
6635号公報では、FeとSi成分を限定し、金属間
化合物を特定している。また、特公昭55−28874
号公報では、冷間圧延率、中間焼鈍を行い、電解粗面化
の電圧印加方法を限定している。特公昭62−4130
4、特公平1−46577、特公平−1−46578、
特公平1−47545、特公平1−35910、特公昭
63−60823、特公昭63−60824、特公平4
−13417、特公平4−19290、特公平4−19
291、特公平4−19293、特公昭62−5054
0、特開昭61−272357、特開昭62−7406
0、特開昭61−201747、特開昭73−1432
34、特開昭63−143235、特開昭63−255
338、特開平1−283350各号公報、EP272
528、米国特許4902353、同4818300、
EP394816、米国特許5019188、西ドイツ
特許3232810、米国特許4435230、EP2
39995、米国特許4822715、西ドイツ特許3
507402、米国特許4715903、西ドイツ特許
3507402、EP289844、米国特許5009
722、同4945004、西ドイツ特許371405
9、米国特許4686083、同4861396、EP
158941各号明細書等に示されているアルミニウム
合金のみならず、一般的なものもすべて含まれる。板材
の製造方法としては、熱間圧延を使用した方法とともに
連続鋳造で行なう方法も最近出願されている。例えば、
東ドイツ特許252799号明細書では、双ロール方式
で行なわれた板材が、紹介されている。EP22373
7,米国特許4802935,同4800950では、
微量合金成分を限定した形で出願されている。EP41
5238では、連鋳,連鋳+熱延を提案している。
【0008】本発明では、このようなアルミニウム板
に、各種表面処理、転写等を行い、均一な凹凸を有する
印刷原板を得ることが出来、その上に、ジアゾ化合物等
の感光層を設けることにより、優れた感光性平版印刷版
を得ることが出来る。何れにおいても、適切な材料を選
ぶことが必要である。
【0009】次に、これらのアルミニウム板の処理条件
を示す。本発明(転写による)に先だって、アルミニウ
ム表面の圧延油を除去すること、及び、清浄なアルミニ
ウム表面を露出するために、前処理を行なう場合があ
る。前者の場合は、トリクレン等の溶剤、界面活性材が
用いられている。後者では、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリエッチング剤を用いる方法が広く
用いられている。特開平2−026793号公報では、
脱脂処理について記載がされている。例えば、溶剤脱脂
方法としては、ガソリン、ケロシン、ベンジン、ソルベ
ントナフサ、ノルマルヘキサン等の石油系溶剤を用いる
方法、トルクロルエチレン、メチレンクロライド、パー
クロルエチレン、1−1−1トリクロルエタン等の塩素
系溶剤を用いる方法がある。アリカリ脱脂方法として
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム等のソーダ塩を用いる方法、オル
トケイイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケ
イ酸ナトリウム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩の
水溶液を用いる方法、第一燐酸ナトリウム、第三燐酸ナ
トリウム、第二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム等の燐酸塩水溶液を用いる方法等がある。アリカリ
脱脂方法を用いる場合、処理時間、処理温度によって、
アルミニウム表面が溶解する可能性があり得るので、脱
脂処理については、溶解現象が伴わないようにする必要
がある。界面活性剤による脱脂処理としては、アニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン型界面活性
剤、及び両性活性剤の水溶液が用いられ、各種の市販品
等を用いることが出来る。脱脂方法としては、浸漬法、
吹き付け法、液を布等に含ませて擦る方法等用いること
が出来る。また、浸漬や吹き漬け法には、超音波を用い
てもよい。
【0010】レーザによる転写ローラの粗面化は、フレ
キソ印刷に用いるアニロックスローラなどに用いられて
いる。このため、転写ローラ表面には微細な凹部が存在
している。したがってこのローラを用いて転写をおこな
っても、被転写物(例えばアルミニウム板など)の表面
には凸部が出来るだけで平版印刷版用支持体には適さな
い。そこで本発明においては、図1に示すようにレーザ
を照射するときに発生する溶解成分の盛り上がりを合成
してローラ表面に凸部12を形成し、それによって被転
写物には凹部を形成させる。使用するレーザはCO2
ーザが望ましくYAGレーザ,エキシマレーザでもよ
い。また図2において21を縦溝、22を横溝とし、こ
の縦溝、横溝をレーザ照射により形成する。縦溝、横溝
は直交ないしはある角度をもって配置される。この縦
溝,横溝によって切りとられた互に独立した凸部23に
より非転写物の粗面化をおこなう。また第4高調波を用
いたYAGレーザも同様な範囲をもつ。YAGレーザ
(波長1.06μm)は10μm以上の溝幅に用いられ
る。CO2 レーザは波長が長い(10.63μm)ため
40μm程度以上の溝幅に用いられる。
【0011】このような粗面化ローラ(以下、転写ロー
ラと記す)を用いて被転写物に転写をおこなう。ローラ
の材質はSUS304,SUS316,SCM鋼,SS
41などの金属が、強度、コスト、耐薬品性などの点か
ら用いるのが望ましい。これらの金属に直接にレーザを
照射すると、2度目に照射したレーザによる溶融金属成
分により、1度目に照射したレーザにより形成した溝を
潰してしまう。このため独立した凸部がきれいに得られ
ず、レーザによる精度のよい凸部の形成が困難になる。
これは金属の融点が一般的に低いのに対し、レーザのエ
ネルギー密度が高いことに起因する。本発明ではこれを
防ぐために、金属ロールの表層部に、金属よりも融点の
高いセラミックスを、溶射法により形成させ、この層に
レーザを照射することで、独立した凸部を精度よく得る
ものである。なお、金属表面とセラミックスの結合を良
くするために金属表面とセラミックス層との間にNi、
Alなどで構成される結合層を設けることもある。
【0012】溶射厚みは0.1mmから0.6mmが望
ましい。また、溶射方法はプラズマ溶射が望ましく、溶
射に用いるセラミックス粉体は細かいものの方が望まし
い。また、セラミックスを焼結し、ロール状にした上で
研磨後、レーザ照射することもできる。使用するセラミ
ックスとしては、白アルミナ、グレイアルミナ、白アル
ミナと二酸化チタンの混合物、グレイアルミナと二酸化
チタンの混合物、酸化クロム、酸化クロムと二酸化チタ
ンの混合物、酸化クロムとシリカの混合物、ジルコニ
ア、二酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなど
の窒化物、炭化物などがある。また転写を行う際の圧下
量は5μm〜100μmの極低圧下量領域が望ましい。
このような極低圧下量領域で転写をおこなうことによ
り、被転写物の平面性の悪化を防ぐことができる。転写
は1パスだけでなく複数回パスおこなうことができる。
転写ローラの表面の最大高さは5〜30μm、ローラ
の凸部の平均直径は2〜50μmであることが望まし
い。
【0013】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を説明するが、
本発明はその要旨を越えない限りその実施例によって限
定されるものではない。 (実施例−1)SCM鋼製ロール表面をサンドブラスト
により粗面化後、Ni、Alにより結合層を形成後、酸
化クロムとシリカの混合物をプラズマ溶射により該SU
Sコーラに対し、厚み0.2mmの溶射を行う。溶射後
最大粗さ(Rmax)が0.2μmの鏡面仕上げされた
ローラ表面に、境面仕上げされたロール表面に定格出力
400WのCO2 レーザ加工装置により、直径約50μ
mの凹部を形成し、同時に発生する溶解成分により凸部
を形成させる。この方法で凸部を1mmあたり200ラ
イン形成させて転写ローラを製作した。これを上ローラ
とし、SCM鋼製の境面仕上げローラを下ローラとした
装置において、上下ローラの間に厚さ0.24mmのア
ルミニウム板(JIS1050材)を通す。このとき上
下ローラの隙間は該アルミニウム板の厚みよりも10μ
mほど小さくしておく。該アルミニウム板は1回だけで
なく5回転写する。転写後の該アルミニウム板の中心線
平均粗さRaは0.85μmであった。
【0014】このアルミニウム板を苛性ソーダ5%を含
有する水溶液中60℃でアルミニウム板の表面を1g/
2 研磨した後に水洗し、さらに硫酸25%を含有する
水溶液中60℃に浸漬してアルミニウム板表面の水酸化
物を除去し、水洗した。このきアルミニウム板をさらに
硫酸を10%含有する水溶液中33℃でアルミニウムを
陽極にして、連続直流電源を用いて、電流密度2A/d
2 で陽極酸化処理をおこない水洗、乾燥した。このと
き、中心線平均粗さRaは、0.55μmであった。以
上にして得られた支持体に感光液を塗布し乾燥して感光
層を設けた。感光層の塗布後の塗布重量は2.0g/m
2 であった。このようにして得られた平版印刷版は良好
な性能を持つ印刷版であった。
【0015】(実施例−2)実施例−1と同様にして得
られた支持体にネガ型の感光液を塗布して乾燥して感光
層を設けた。このようにして得られた印刷版は良好な性
能をもつ印刷版であった。
【0016】(実施例−3)SUS製ローラ表面をサン
ドブラストにより粗面化後、Ni、Alにより結合層を
形成後、酸化クロムとシリカの混合物をプラズマ溶射に
より、該SUSローラに対し、厚み0.2mm溶射を行
う。溶射後、最大粗さ(Rmax)が0.2μmの鏡面
仕上を行い、定格出力50Wのエキシマレーザ加工装置
により縦溝幅10μm、横溝幅10μm、溝間隔30μ
mの溝加工を行い、15μm四方の独立した複数個の凸
部をもつ転写ローラを製作した。このようにして得られ
た転写ローラは溶融した金属粒子の飛散がなく、平滑な
凸部表面を持ち、かつ凹凸の高さのバラツキが±0.5
μm以下に揃ったローラであった。
【0017】
【発明の効果】レーザにより粗面化したローラにより転
写された砂目をもつ平版印刷版用支持体は印刷版として
適した表面を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる転写ローラのレーザによる
溶融成分によって合成されたローラの表面の凹凸の説明
図、(A)は平面図、(B)は斜視図
【図2】本発明に用いられるレーザにより作られた転写
ローラの溝と凸部の関係図
【図3】実施例−1で得られたCO2 レーザにより粗面
化されたローラ表面のレプリカ写真(倍率×1000)
【図4】実施例−1で得られた粗面化されたローラによ
り転写されたアルミニウム板の表面写真(倍率×34
0)
【図5】実施例−1で得られた転写後に化学および電気
化学的表面処理を施したアルミニウム板の表面の走査形
電子顕微鏡写真(倍率×1000)
【符号の説明】
12 凸部 20 転写ローラ 21 縦溝 22 横溝 23 凸部
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】レーザによる転写ローラの粗面化は、フレ
キソ印刷に用いるアニロックスローラなどに用いられて
いる。このため、転写ローラ表面には微細な凹部が存在
している。したがってこのローラを用いて転写をおこな
っても、被転写物(例えばアルミニウム板など)の表面
には凸部が出来るだけで平版印刷版用支持体には適さな
い。そこで本発明においては、図1に示すようにレーザ
を照射するときに発生する溶解成分の盛り上がりを合成
してローラ表面に凸部12を形成し、それによって被転
写物には凹部を形成させる。使用するレーザはCO2
ーザが望ましくYAGレーザ,エキシマレーザでもよ
い。また図2において21を縦溝、22を横溝とし、こ
の縦溝、横溝をレーザ照射により形成する。縦溝、横溝
は直交ないしはある角度をもって配置される。この縦
溝,横溝によって切りとられた互に独立した凸部23に
より非転写物の粗面化をおこなう。使用するレーザーは
エキシマレーザが望ましく、溝幅が2〜20μm程度に
用いられる。また第4高調波を用いたYAGレーザも同
様な範囲をもつ。YAGレーザ(波長1.06μm)は
10μm以上の溝幅に用いられる。CO2 レーザは波長
が長い(10.63μm)ため40μm程度以上の溝幅
に用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】このような粗面化ローラ(以下、転写ロー
ラと記す)を用いて被転写物に転写をおこなう。ローラ
の材質はSUS304,SUS316,SCM鋼,SS
41などの金属が、強度、コスト、耐薬品性などの点か
ら用いるのが望ましい。これらの金属に直接にレーザを
照射すると、2度目に照射したレーザによる溶融金属成
分により、1度目に照射したレーザにより形成した溝を
潰してしまう。このため独立した凸部がきれいに得られ
ず、レーザによる精度のよい凸部の形成が困難になる。
これは金属の融点が一般的に低いのに対し、レーザのエ
ネルギー密度が高いことに起因する。本発明ではこれを
防ぐために、金属ロールの表層部に、金属よりも融点の
高いセラミックスを、溶射法により形成させ、この層に
レーザを照射することで、独立した凸部を精度よく得る
ものである。なお、金属表面とセラミックスの結合を良
くするために金属表面とセラミックス層との間にNi、
Alなどで構成される結合層を設けることもある。また
は1度目に照射した溝を、2度目に照射した溝よりも深
くすることで精度の良い凸部を得ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】溶射厚みは0.1mmから0.6mmが望
ましい。また、溶射方法はプラズマ溶射が望ましく、溶
射に用いるセラミックス粉体は細かいものの方が望まし
い。また、セラミックスを焼結し、ロール状にした上で
研磨後、レーザ照射することもできる。使用するセラミ
ックスとしては、白アルミナ、グレイアルミナ、白アル
ミナと二酸化チタンの混合物、グレイアルミナと二酸化
チタンの混合物、酸化クロム、酸化クロムと二酸化チタ
ンの混合物、酸化クロムとシリカの混合物、ジルコニ
ア、二酸化チタン、および窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ムなどの窒化物、または炭化物などがある。また転写を
行う際の圧下量は5μm〜100μmの極低圧下量領域
が望ましい。このような極低圧下量領域で転写をおこな
うことにより、被転写物の平面性の悪化を防ぐことがで
きる。転写は1パスだけでなく複数回パスおこなうこと
ができる。 転写ローラの表面の最大高さは5〜30μ
m、ローラの凸部の平均直径は2〜50μmであること
が望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を説明するが、
本発明はその要旨を越えない限りその実施例によって限
定されるものではない。 (実施例−1)SCM鋼製ロール表面をサンドブラスト
により粗面化後、Ni、Alにより結合層を形成後、酸
化クロムとシリカの混合物をプラズマ溶射により該SU
Sコーラに対し、厚み0.2mmの溶射を行う。溶射後
最大粗さ(Rmax)が0.2μmの鏡面仕上げされた
ローラ表面に、境面仕上げされたロール表面に定格出力
400WのCO2 レーザ加工装置により、直径約50μ
mの凹部を形成し、同時に発生する溶解成分により凸部
を形成させる。この方法で凸部を1mmあたり200ラ
イン形成させて転写ローラを製作した。これを上ローラ
とし、SCM鋼製の境面仕上げローラを下ローラとした
装置において、上下ローラの間に厚さ0.24mmのア
ルミニウム板(JIS1050材)を通す。このとき上
下ローラの隙間は該アルミニウム板の厚みよりも10μ
mほど小さくしておく。該アルミニウム板は1回だけで
なく5回転写する。転写後の該アルミニウム板の中心線
平均粗さRaは0.82μmであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】実施例−3で得られるエキシマレーザにより粗
面化されたローラ表面写真(倍率×1090)
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板を用いる平版印刷版用支
    持体において、該アルミニウム板表面はレーザにより粗
    面化された転写ローラをプレスすることにより均一に粗
    面化された砂目を有することを特徴とする平版印刷版用
    支持体
  2. 【請求項2】 レーザにより粗面化され、最大高さが5
    〜30μm、凸部の平均直径が2〜50μmである転写
    ローラを用いて砂目立てすることを特徴とする平版印刷
    版用支持体の製造方法。
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