JPH06171203A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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Publication number
JPH06171203A
JPH06171203A JP43A JP32435592A JPH06171203A JP H06171203 A JPH06171203 A JP H06171203A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 32435592 A JP32435592 A JP 32435592A JP H06171203 A JPH06171203 A JP H06171203A
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JP
Japan
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ink
support
recording sheet
density
receiving layer
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Application number
JP43A
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English (en)
Inventor
Susumu Ogawa
進 小川
Sueaki Senoo
季明 妹尾
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字前及び印字後のシート表面のうねりの発
生がなく、インク吸収性に優れ、重色部でのインク滲み
出しの少ない良好な画像再現性を有するコートタイプの
インクジェット記録シートを提供する。 【構成】 木材パルプと顔料を主成分とする支持体上
に、少なくとも1層以上のインク受理層が設けられたイ
ンクジェット記録シートに於いて、該支持体が金属ロー
ルと金属ロールから成るカレンダー装置でカレンダー処
理されたものであり、且つ該支持体の密度(Dt)と該
支持体厚さ方向に於ける中心部の密度(Dc)の密度比
(Dc/Dt)が0.35〜0.95であることを特徴
するインクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを用いて記録す
るインクジェット記録シートに関するものであり、特
に、表面にうねりが少なく、インクの吸収性に優れ、重
色部でのニジミ出しを著しく減少させたインクジェット
記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、
漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として
種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、
遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数
が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力が成されてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該
記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の
高い画像再現性が要求される。
【0004】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案がなされてきた。例えば、支持体表面にシリカ
系顔料を主成分とした空隙層となるインク受理層を設け
て、インク吸収性を向上させる工夫がなされてきた(特
開昭52-9074号公報、同58-72495号公報等)。このイン
ク受理層によってインク吸収性を上げ、高い印字ドット
濃度やインク滲みがない印字ドットを得るために、特開
昭55-51583号公報及び特開昭56-157号公報には、非膠質
シリカ粉末を配合する提案がある。また、色彩性や鮮明
性はインク中の染料のインク受理層に於ける分布状態に
あることに着目し、染料成分を吸着する特定の剤を用い
る提案(特開昭55-144172号公報)もなされてきた。
【0005】しかし、インク受理層が1〜10g/m2
度の低塗工量の場合は、印字されたインクは、インク受
理層のみで受容することが出来ず、支持体にもインク吸
収性が必要となる。このことから、支持体は低サイズの
特性が必要となるが、低サイズ度の支持体を用いるとイ
ンク吸収性は良いものの、インクが支持体の厚さ方向に
深く浸透して裏抜けの問題が生じる。さらには、インク
が支持体の面方向に拡散して鳥の羽状にギザギザしたフ
ェザリング(Feathering)と呼ばれるドット形状の悪化
が生じる。
【0005】一方、インクの浸透をインク受理層で抑え
る目的で、塗工量を増やしてインク吸収性を高めると、
裏抜けやフェザリングの発生は抑制できるが、インク受
理層の接着性低下や粉落ちが生じやすくなる。さらに吸
水性を有する支持体表面にインク受理層を設ける塗工工
程に於いて、インク受理層塗被組成物中のバインダーや
溶媒(主に水)が支持体中に浸透したり、乾燥工程に於
いてはインク受理層表面にバインダーが移動したりす
る。その結果、インク受理層の面方向と厚さ方向のバイ
ンダー分布の不均一化が進み、インク吸収も不均一とな
り、ドット形状が不揃いとなる問題が生じる。また、塗
工量が1g/m2未満では、インク受理層の効果が得にく
い。
【0006】また、該記録シート表面にうねりが存在す
ると、画像再現性に優れても官能的に評価される美観の
低下がある。このことから、カレンダー装置を用いて、
うねりの解消を図るが、カレンダー処理により、インク
受理層や支持体の空隙量が減ることによって、インク受
理層や支持体へのインクの浸透が遅れ、インクが未乾燥
となり、インクが重ねてドット印字される重色部では、
ドット周辺にインクが溢れたり、インクジェット記録装
置内でのシートの搬送中に、搬送装置周辺の機器と接触
して、ドットが擦れ、地汚れと呼ばれるドットの擦れ汚
れが発生する。この擦れ汚れが広範囲に発生すると非画
線部が汚れて美観を損なうばかりか、極めて狭い範囲で
あると隣合うドットが接触し合い、ドットの肥大化に伴
う鮮明性の低下や混色による色彩性の悪化が生じて、画
像再現性を大きく劣ることになる。さらに、印字後のイ
ンクを吸収して発生するうねり(コックリング)も美観
を損ねるため、印字前のシート表面のうねりとインク吸
収によって生じる印字後のうねりを解消する必要があ
る。
【0007】特に、近年のインクジェット記録装置の高
速化によって、インクの浸透の早い特性が要求され、イ
ンクジェット記録シートにはインク吸収性の高い特性と
うねりが少なく美観に優れた特性が必要となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、印字前及び印字後のシート表面のうねり
が少なく、インクの吸収性に優れ、重色部でのニジミ出
しを著しく減少させたコートタイプインクジェット記録
シートを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートについての種々の検討を重ねた結果、
インク吸収性が該記録シートの支持体厚さ方向の密度と
密接に関係していることを見いだした。即ち、本発明
は、 木材パルプと顔料を主成分とする支持体上に、少
なくとも1層以上のインク受理層が設けられたインクジ
ェット記録シートに於いて、支持体が金属ロールと金属
ロールから成るカレンダー装置でカレンダー処理された
ものであり、且つ該支持体の密度(Dt)と該支持体厚
さ方向に於ける中心部の密度(Dc)の比(Dc/D
t)が0.35〜0.95であることを特徴するインク
ジェット記録シートを提供するものである。
【0010】インクジェット記録装置にて印字されたイ
ンクの浸透が、インク受理層を通して支持体まで達する
ことから、インク吸収性の優れた特性を有する支持体が
必要となる。本発明者等は、主成分として木材パルプと
顔料からなる支持体に於いて、該支持体を金属ロールと
金属ロールから成るカレンダー装置を用いてカレンダー
処理し、該支持体の密度(Dt)と該支持体厚さ方向に
於ける中心部の密度(Dc)の比(Dc/Dt:以下、
密度比と略す)が0.35〜0.95にあると、印字前
と印字後のシート表面のうねりが少なく、インク吸収性
に優れ、重色部でのニジミ出しの少ない良好な画像再現
性を有する特性の得られることを見い出した。
【0011】木材パルプと顔料を主成分とする支持体の
密度は、原料を混合した後のシート化する工程(抄造工
程)における脱水や平滑化等のコントロールによって、
通常、0.75〜1.10g/cm3程度となる。本発明
に係る密度は、木材パルプや顔料及びバインダーや添加
剤等の各原料の配合量によって決まる坪量(W)と各原
料の比重や各原料間の相互作用によって決まる厚さ
(T)で表される値(W/T)であり、支持体の3次元
構造(空隙)を示す。本発明に係る密度比は、該支持体
厚さ方向の密度分布、即ち、該支持体中の空隙の厚さ方
向分布を示すパラメータとなる。インクを用いて記録を
行う際のインク浸透現象は、この空隙に大きく影響され
る。密度比1.00は、該支持体全体が均一な空隙であ
ることを示し、密度比が小さいと、中心部は大きな空隙
であり、外部は小さな空隙が多数存在して表面積の大き
な3次元構造であることを示す。また、密度比が大きい
と中心部には小さな空隙が多数存在し、外部は大きな空
隙ではあるが表面積の小さい3次元構造であることを示
す。
【0012】さらに、本発明に係る支持体を金属ロール
と金属ロールから成るカレンダー装置でカレンダー処理
し、密度比が0.35〜0.95の支持体上にインク受
理層が設けられたインクジェット記録シートは、印字前
後におけるシート表面のうねりが良好であり、インクの
ニジミ出しの少ない良好な画像再現性が得られる。
【0013】本発明は、カレンダー装置と密度比を特定
することによって、本発明の目的が達せられるのであっ
て、該密度比が0.95を超えると、支持体外部には大
きな空隙が存在することになり、大きな空隙の間隙に沿
って浸透するインクによって、印字ドット径の肥大化や
インク滲みの発生がある。また、金属ロールと金属ロー
ルから成るカレンダー装置を用いないと美観を損なう印
字前のシート表面のうねりの発生があり、密度比が0.
35未満では、印字後のうねりの発生があり、美観を損
なう。即ち、金属ロールと金属ロールから成るカレンダ
ー装置でカレンダー処理された支持体の密度比が、0.
35〜0.95、好ましくは、0.40〜0.93の特
定の範囲にあると、印字前と印字後のシート表面のうね
りが少なく、インク吸収性に優れ、重色部でのニジミ出
しの少ない良好な画像再現性を有するインクジェット記
録シートを見いだし、本発明の完成に至ったのである。
【0014】コートタイプインクジェット記録シートに
於いては、インク受理層から支持体までインクの溶媒が
浸透するために、支持体中に顔料が存在すると、インク
受理層を通して浸透するインク溶媒が支持体中の顔料表
面に吸着されたり、木材パルプと顔料で構成される空隙
に吸収されるため、インク吸収容量が大きくなり、印字
濃度が高く、インク吸収性に優れ、重色部でのニジミ出
しの少ない良好な画像再現性を有するインクジェット記
録シートが得られる。特に顔料含有量が10重量%以
上、さらに好ましくは20重量%以上であると本発明の
効果は確実となる。
【0015】インク受理層の塗工量は特に限定されるも
のではないが、あまり少ないとノンコートタイプインク
ジェット記録シートと同様にインクの吸収性は良いもの
の、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、フェザリングが
発生する。また、あまり塗工量が多いと塗工又は含浸後
の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速
度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での
乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバイ
ンダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動
して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に
地汚れなどの発生がある。塗工量の多いインク受理層で
生じる問題は、塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影
響されるが、望ましくは、1〜10g/m2である。ま
た、本発明においては、バックコート層を設けても構わ
ない。バックコート層の塗工量は特に限定されるもので
はなく、塗工又は含浸する装置や乾燥工程の能力に合わ
せた選択が望ましい。
【0016】本発明に係る金属ロールと金属ロールから
なるカレンダー装置は、2本の金属ロールのみから成る
1ニップ方式や複数のロールを組み合わせてなる多ニッ
プ方式を示すが、少なくとも1ニップ以上の金属ロール
と金属ロールのニップを通したカレンダー処理が必要で
ある。また、インク受理層が設けられる支持体表面をカ
レンダー処理する際には、金属ロール表面の温度は高い
方が良いが、表面温度が300℃を超えるとブラックニ
ングと呼ばれる支持体が焼けて白さを失う現象が生じる
ために、外観を損ねることから、好ましくは、50〜3
00℃である。金属ロールには、炭素鋼材質が多く使用
されるが、特に限定されるものでない。さらには、セラ
ミックやクロム等を溶射して、ロール表面を保護しても
構わない。
【0017】本発明に用いられる支持体は、木材パルプ
と顔料を主成分として構成される。木材パルプとして
は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PG
W、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機
械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必
要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や
定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等
の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円
網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の
製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造でき
る。また、該支持体にそのままインク受理層を設けても
良いし、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレ
スやアンカーコート層を設けた後にインク受理層を設け
ても良い。また、該支持体は、本発明に係る金属ロール
と金属ロールから成るカレンダー装置の後に、マシンカ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等で
さらに平坦性をコントロールしても良いが、カレンダー
処理後の支持体の密度比は0.35〜0.95、好まし
くは、0.40〜0.93にあることが望ましい。
【0018】本発明に用いられる支持体及びインク受理
層やバックコート層には、公知の白色顔料を1種以上用
いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質
炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭
酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベー
マイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼ
オライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチ
ックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、
ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン
樹脂等の有機顔料等が挙げられる。上記の中でもインク
受理層中に主体成分として含有する白色顔料としては多
孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多
孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等があげられ、
特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好まし
い。
【0019】また、接着剤としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マ
レイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメ
タクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体
ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系
重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボ
キシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体
ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹
脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリ
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキ
ッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で
使用される。
【0020】さらに、その他の添加剤として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合する
こともできる。
【0021】本発明の支持体に、インク受理層またはバ
ックコート層を塗工及び含浸する方法は、各種ブレード
コータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコー
タ、ロッドブレードコータ、ショートドウェルコータ、
サイズプレス等の各種装置をオンマシンあるいはオフマ
シンで用いることができる。また、塗工又は含浸後に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上
げても良い。
【0022】本発明で云うインクとは、下記の着色剤、
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。着色
剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性
染料或は食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0023】インクの溶媒としては、水及び水溶性の各
種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコール、
tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭
素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、
ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チオジ
グリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコ
ール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコー
ル類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テルが好ましい。その他の添加剤としては、例えば、P
H調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が挙げら
れる。
【0024】本発明におけるインクジェット記録シート
は、インクジェット記録シートとしての使用に留まら
ず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いてもかまわない。例えば、熱溶融性
物質、染顔料などを主成分とする熱溶融性インクを樹脂
フィルム、高密度紙、合成紙などの薄い支持体上に塗布
したインクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶
融させて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性イ
ンクを加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジ
ェット記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインク
を用いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー
及び無色または有色の染顔料を内包したマイクロカプセ
ルを用いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シー
トなどが挙げられる。
【0025】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら
構わない。更に、複写機・プリンター等に広く使用され
ている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録シ
ートとして、本発明におけるインクジェット記録シート
を使用しても構わない。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例に於いて示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0027】1)支持体の密度比 支持体の密度(Dt)は、JIS P8118に則った
測定を行った。支持体中心部の密度(Dc)は、支持体
をその平面に沿って3層(上層、中層、下層)に剥離し
た時の中層の密度を指し、支持体の一方の面の位置を
0、反対面の位置をTとした時にT/3〜2T/3にあ
るJIS P8118に準拠して測定した密度である。
密度比(R)は数1で求める。
【0028】
【数1】R=Dc/Dt
【0029】2)支持体中の顔料含有量 支持体の絶乾重量W0を秤量し、ルツボに秤量した支持
体を入れ温度550℃で燃焼させて、ルツボ中の残物の
重量Wを秤量後、下記数2で顔料含有量Pを算出した。
単位は[%]である。
【0030】
【数2】P=(W/W0)×100 [%]
【0031】3)印字ドット径 印字ドット径は、シャープ製(IO−720)インクジ
ェットプリンターによりシアンインク単色、マゼンタイ
ンク単色、及びシアンインク+マゼンタインク重色で網
点を印字して得たドットについて、画像解析装置を用い
て、下記数3で示される計算式にしたがってドットの円
相当径について算出した。
【0032】
【数3】HD={(4/π)×A}1/2 なお、HDは、円相当径(Heywood Diameter:単位μ
m)、Aは、実測面積(単位:μm2)を示す。
【0033】4)重色にじみ率 重色にじみ率は、マゼンタインク単色ドット径(M)
と、シアンインクとマゼンタインクの重色ドット径(C
M)の比(CM/M)で、良否を判定した。CM/M値
は1.0以上となり、1.0に近い値が、単色ドットと
重色ドット径のがより等しく、画像品位が良好になるこ
とを示す。
【0034】5)うねり うねりは印字前及び印字後のシート面を目視で判定し
た。品質上問題とならないのは、A及びBの評価であ
る。 A:うねりは判らず、美観を損なわない。 B:うねりは小さく、美観を損なうことはない。 C:うねりは大きく、美観が損なわれる。
【0035】実施例1〜4及び比較例1〜2 支持体は、LBKP(濾水度400mlcsf)80部
とNBKP(濾水度480mlcsf)20部から成る
木材パルプ100部に対して、表1の如き配合比率にな
るように、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/
タルクの比率が30/35/35の顔料、市販アルキル
ケテンダイマー、市販カチオン系アクリルアミド、市販
カチオン化澱粉、硫酸バンドを調成後、長網抄紙機また
はツインワイヤ抄紙機で抄造し、表1に示す坪量の支持
体を得た。抄造後、金属ロールと金属ロールから成るカ
レンダー装置を用いて、インク受理層が設けられる支持
体面を表1に示す表面温度の金属ロールと接触させ、表
1の如き線圧とニップ数でカレンダー処理を行った。
【0036】インク受理層は、合成非晶質シリカ(ファ
ンシールX37B:徳山曹達社製)100部とポリビニ
ルアルコール(PVA117:クラレ社製)50部を調
液し、固形分濃度13%で、エアーナイフコータにより
塗工量8g/m2となるように支持体表面に塗工した。さ
らに、インク受理層の設けられた反対面に、バックコー
ト層を設けた。バックコート層は、カオリン(ハイドラ
スパース:Huber社製)100部とポリビニルアル
コール(Rポリマー1130:クラレ社製)5部及びス
チレン・ブタジエン系ラテックス(0617:日本合成
ゴム社製)15部を調液し、固形分濃度35%で、エア
ーナイフコータにより塗工量6g/m2となるようにイン
ク受理層の反対面に塗工した。乾燥後、カレンダー処理
を行い実施例1〜4及び比較例1、2のインクジェット
記録シートを得た。
【0037】比較例3 支持体は実施例3と同じ配合及び条件で抄造されたもの
を用いたが、抄造後にカレンダー処理をせず、実施例3
と同じ配合及び条件でインク受理層とバックコート層を
設けて、実施例3と同じ条件でカレンダー処理を行ない
比較例3のインクジェット記録シートを得た。
【0038】比較例4 支持体は実施例3と同じ配合及び条件で抄造されたもの
を用いたが、抄造後に金属ロールとコットンロールから
なるカレンダー装置を用いて、表1に示すインク受理層
が設けられる支持体面側の金属ロール表面温度とニップ
数でカレンダー処理を行った。その後、実施例3と同じ
配合及び条件でインク受理層とバックコート層を設け
て、実施例3と同じ条件でカレンダー処理を行ない比較
例4のインクジェット記録シートを得た。
【0039】なお、表1における*1〜*3の注意書き
を以下に説明する。 *1:市販のアルキルケテンダイマーを指す。 *2:市販のカチオン系アクリルアミドを指し、実施例
1及び比較例1は分子量200万、実施例2〜4及び比
較例4は分子量700万のものを配合した。 *3:コットンロールと金属ロールから成るカレンダー
装置を指す。
【0040】
【表1】
【0041】表2に、実施例1〜4及び比較例1〜4の
特性評価値を示す。
【0042】
【表2】
【0043】比較例1より、密度比が0.30以下で
は、印字ドット径や重色にじみ率は良好であるが、印字
後、シート表面にうねりが発生することが判る。また、
実施例1より、印字後のシート表面のうねりは、密度比
0.35程度から実用上問題となることが判る。実施例
3及び比較例2より、密度比が0.95を超える領域で
は、印字前及び印字後のうねりは良好であるが、インク
吸収性低下に伴った印字ドット径の肥大化による鮮明性
の低下と、重色にじみ率増大に伴う色彩性の低下が生
じ、画像再現性の劣ることが判る。
【0044】一方、支持体のカレンダー処理に於いて、
金属ロールと金属ロールを使用しない比較例3、4は、
インク吸収性には優れ、印字ドット径や重色にじみ率の
悪化は見られないが、印字前及び印字後のうねりは悪く
美観を損なうシートとなっていることが判る。
【0045】密度比が0.35〜0.95の範囲に入る
ように、金属ロールと金属ロールから成るカレンダー装
置でカレンダー処理した実施例1〜4が、印字前及び印
字後のうねりが良好であり、印字ドット径の肥大化や重
色にじみ率の小さいインクジェット記録シートであるこ
とがわかる。また、金属ロールの表面温度を高くしてカ
レンダー処理すること、さらには、顔料含有量を高くす
ることによって、印字ドット径の肥大が少なく、重色に
じみ率も良好なインクジェット記録シートの得られるこ
とが判る。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、印字前及び印字後のシ
ート表面のうねりの発生がなく、インク吸収性に優れ、
重色部でのニジミ出しの少ない良好な画像再現性を有す
るインクジェット記録シートを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプと顔料を主成分とする支持体
    上に、少なくとも1層以上のインク受理層が設けられた
    インクジェット記録シートに於いて、該支持体が金属ロ
    ールと金属ロールから成るカレンダー装置でカレンダー
    処理されたものであり、且つ該支持体の密度(Dt)と
    該支持体厚さ方向に於ける中心部の密度(Dc)の密度
    比(Dc/Dt)が、0.35〜0.95であることを
    特徴するインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 支持体の密度(Dt)と該支持体厚さ方
    向に於ける中心部密度(Dc)の密度比(Dc/Dt)
    が、0.40〜0.93であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 支持体中の顔料含有量が、10重量%以
    上であることを特徴とする請求項1又は2記載のインク
    ジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 インク受理層の塗工量が、1〜10g/
    m2であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のイ
    ンクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 支持体が、インク受理層の塗設される側
    の支持体面を表面温度50〜300℃の金属ロールでカ
    レンダー処理してなるものであることを特徴とする請求
    項1、2、3又は4記載のインクジェット記録シート。
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