JP3180981B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP3180981B2
JP3180981B2 JP33013292A JP33013292A JP3180981B2 JP 3180981 B2 JP3180981 B2 JP 3180981B2 JP 33013292 A JP33013292 A JP 33013292A JP 33013292 A JP33013292 A JP 33013292A JP 3180981 B2 JP3180981 B2 JP 3180981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、インクを用いて記録するインク
ジェット記録シートに関するものであり、特に、温度や
湿度の変化に影響され難いカール適性を確保したインク
ジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、
漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として
種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、
遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数
が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力が成されてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該
記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の
高い画像再現性が要求される。
【0004】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案がなされてきた。例えば、支持体表面にシリカ
系顔料を主成分とした空隙層となるインク受理層を設け
て、インク吸収性を向上させる工夫がなされてきた(特
開昭52-9074号公報、同58-72495号公報等)。このイン
ク受理層によってインク吸収性を上げ、高い印字ドット
濃度やインク滲みがない印字ドットを得るために、特開
昭55-51583号公報及び特開昭56-157号公報には、非膠質
シリカ粉末を配合する提案がある。また、色彩性や鮮明
性はインク中の染料のインク受理層に於ける分布状態に
あることに着目し、染料成分を吸着する特定の剤を用い
る提案(特開昭55-144172号公報)もなされてきた。
【0005】また、インクジェット記録後の問題とし
て、支持体に原紙や塗工紙を用いたインクジェット記録
シートに於いては、水性インクで印字後のシートにうね
りの発生がある。印字後の記録シートにうねりが存在す
ると、画像再現性に優れても官能的に評価される美観の
低下となる。このうねりは、浸透してきたインクによっ
て、支持体層の木材パルプの伸縮に起因した凹凸の発生
である。従って、支持体層へのインクの浸透を防止する
ことがうねりを回避する対策となるが、このことは、イ
ンク受理層で多量のインクを吸収することと同意であ
り、インク受理層を増やすと、塗層の剥離(粉落ち)が
発生しやすくなる。
【0006】しかし、インク受理層を増やさずに、水性
インクの浸透を抑えることは、インク受理層や支持体の
空隙量を減らすことや溌水性を増す方法が考えられる
が、その結果、インク受理層や支持体へのインクの浸透
が遅れ、インクが未乾燥となり、インクを重ねてドット
印字される重色部では、ドット周辺にインクが溢れた
り、インクジェット記録装置内でのシートの搬送中に、
搬送装置周辺の機器と接触して、印字部分が擦れ、地汚
れと呼ばれる印字部分の擦れ汚れが発生する。この擦れ
汚れが広範囲に発生すると非画線部が汚れて美観を損な
うばかりか、極めて狭い範囲であると隣合うドットが接
触し合い、ドット径の肥大化に伴う鮮明性の低下や混色
による色彩性の悪化が生じて、画像再現性を大きく劣る
ことになる。
【0007】インクジェット記録シートには、インク受
理層やバックコート層及び支持体が、温度や湿度の影響
を受けて伸縮するために、インクジェット記録装置の普
及に伴って、如何なる温度や湿度の条件下でもカールの
発生しない特性(カール適性)が要求される。該記録シ
ートに於けるカールの発生は、温度や湿度の変化に対し
て、該記録シートの表面と裏面の伸縮の違いによって生
じるものであり、例えば、低湿度の環境下に於いて、表
面が裏面の収縮よりも大きいと、表面側に該記録シート
のエッジが反ることになる。
【0008】カール適性の欠如は、インクジェット記録
装置内で給紙や排紙が出来ないといった問題ばかりでな
く、カールによりインクジェット記録装置内で、上記し
た地汚れといった問題も併発させる。このことから、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムを支持体として、カ
ール適性を確保する試みが、特開昭61-235184や特開昭6
2-282967に開示されたが、近年に要求される、如何なる
温度や湿度の条件下におけるカール適性レベルを得るこ
とは難しく、さらには、支持体が、原紙や塗工紙等の木
材パルプと顔料を主成分とするものに対しては、その効
果を得ることは殆どできないのが現状である。
【0009】近年のインクジェット記録装置の普及に伴
って、使用される環境が低温低湿から高温高湿にまで渡
るため、如何なる温度や湿度の条件下でもカール適性を
確保する必要性が高まっている。さらに、該記録装置の
高速化に伴って、容認されるカール適性レベルも厳しく
なっているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、温度や湿度の変化に影響され難いカール
適性を確保したインクジェット記録シートを得ることに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、バックコ
ート層が塗設されないインクジェット記録シートでは、
インク受理層面側に該記録シートのエッジがカールする
ことから、このカールを発生させる力をバックコート層
や支持体で強固に抑制するのではなく、バックコート層
面側にカールする力を発生させて、カール適性を回避す
ることを考え、該記録シートについての種々の検討を重
ねた結果、バックコート層に含有される顔料を特定する
ことによって、上記の本発明の目的が達せられることを
見い出した。即ち、本発明は、支持体表面に少なくとも
1層以上のインク受理層、該支持体裏面に少なくとも1
層以上のバックコート層が設けられたインクジェット記
録シートにおいて、該バックコート層が、顔料とバイン
ダーを主成分とするものであり、且つ下記数2で算出さ
れる該顔料の平均平衡水分Mが、1.9〜5.5重量%
であることを特徴とするインクジェット記録シートを提
供するものである。
【0012】
【数2】 ここで、Mは平均平衡水分[重量%]、iは顔料の種類
を示す変数、nは含有する顔料の種類の数(n≧1)、
Miは顔料iの平衡水分[重量%]、Wiは全顔料に対
して顔料iが含有される重量比(0<Wi≦1)であ
る。なお、平衡水分Miは、下記数3に定義する湿量基
準含水率で求める。
【0013】
【数3】Mi={(Si−Di)/Si}×100 ここで、Siは温度20℃・65RH%の条件下で24
時間放置した顔料iの質量であり、Diは温度105℃
の条件下で3時間放置した質量である。平衡水分Miの
測定は、まず顔料iのDiを求めて、次にSiを求める
手順で行う。
【0014】本発明に用いられるインク受理層及びバッ
クコート層が塗設される支持体は、LBKP、NBKP
等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CT
MP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙
パルプ、等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分とし
て、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上
剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以
上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイ
ヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙、さらに原紙
に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスや
アンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート
層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の
塗工紙も含まれる。このような原紙及び塗工紙に、その
ままインク受理層を設けても良いし、平坦化をコントロ
ールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、
ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良
い。
【0015】また、支持体としては、上記の原紙上にポ
リオレフィン樹脂層を設けても良いし、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、
ポリウレタン等の合成樹脂やこれらの混合物のフィルム
材や、該合成樹脂を繊維化して成型したシートも含まれ
る。
【0016】本発明に用いられる原紙及びインク受理層
やバックコート層には、公知の白色顔料を1種以上用い
ることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベー
マイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼ
オライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチ
ックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、
ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン
樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0017】上記の中でもインク受理層中に主体成分と
して含有する白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ま
しく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウ
ム、多孔性アルミナ等があげられ、特に細孔容積の大き
い多孔性合成非晶質シリカが好ましい。また、バックコ
ート層には、本発明に係る配合される顔料の平均平衡水
分が満足される範囲に有れば、どのような組み合わせで
顔料を配合しても良い。
【0018】本発明に係るインク受理層及びバックコー
ト層に含有されるバインダーには、ポリビニルアルコー
ル、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シ
リル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイン酸樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラ
テックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸
の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基
等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテック
ス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の
水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂
等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用され
る。
【0019】本発明に係るインク受理層は、上記の顔料
とバインダーを主成分として形成される。バインダーの
総量は、目的とするインクジェット記録シートの特性に
合わせて、適宜調整することが出来るが、一般には、顔
料100重量%に対して、5〜60重量%である。さら
に、インク受理層には、その他の添加剤として、顔料分
散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐
水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合
することもできる。
【0020】本発明に係るバックコート層は、上記した
顔料の中から、上記の数2で得られる平均平衡水分が
1.9〜5.5重量%の特定範囲に入るように、該顔料
を単独もしくは併用して配合する必要がある。バインダ
ーとしては、上記したバインダーが配合できる。バイン
ダーの総量は、顔料100重量部に対して、5〜60重
量部であり、好ましくは、10〜50重量部である。バ
インダー量が5部未満では、接着強度が低くなるし、6
0重量部を超えると、カール適性に対して、バインダー
による伸縮の影響が大きく、本発明の効果を得ることが
出来ない。
【0021】また、バックコート層の塗工量WBは、イ
ンク受理層の塗工量WIと対比させて設ける必要があ
る。WBが3g/m2以上であり、且つ(WB−WI)値が
−10〜25g/m2であることが好ましい。WBが3g
/m2未満または(WB−WI)値が−10g/m2未満で
は、インク受理層面側への著しいカールを抑制すること
は難しく、(WB−WI)値が25g/m2を超えても、カ
ール抑制に対する効果はあまり変わらず、生産性が低下
し、不経済になるだけである。
【0022】また、バックコート層には、その他の添加
剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色
顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増
強剤等も適宜配合することもできる。
【0023】インク受理層またはバックコート層を塗工
及び含浸する方法は、各種ブレードコータ、ロールコー
タ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレード
コータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各
種装置をオンマシンあるいはオフマシンで用いることが
できる。また、塗工又は含浸後には、マシンカレンダ
ー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレ
ンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0024】本発明で云う水性インクとは、下記の着色
剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反
応性染料或は食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0025】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等
の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコ
ール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリ
コール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の
多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テルが好ましい。その他の添加剤としては、例えば、P
H調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が挙げら
れる。
【0026】本発明におけるインクジェット記録シート
は、インクジェット記録シートとしての使用に留まら
ず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いてもかまわない。例えば、熱溶融性
物質、染顔料などを主成分とする熱溶融性インクを樹脂
フィルム、高密度紙、合成紙などの薄い支持体上に塗布
したインクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶
融させて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性イ
ンクを加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジ
ェット記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインク
を用いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー
及び無色または有色の染顔料を内包したマイクロカプセ
ルを用いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シー
トなどが挙げられる。
【0027】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら
構わない。更に、複写機・プリンター等に広く使用され
ている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録シ
ートとして、本発明におけるインクジェット記録シート
を使用しても構わない。
【0028】
【作用】カールの発生は、温度や湿度の変化によって、
インクジェット記録シート表裏の伸縮の差異が原因であ
る。該記録シートを製造する過程に於いては、カール適
性を考慮して、支持体、インク受理層、バックコート層
の配合及び製造条件を設定し、一般には、該記録シート
の平衡水分が3〜8重量%として製造している。しか
し、該記録シートを使用する環境下での平衡水分は、製
造時の平衡水分とは異なり、3重量%以下や8重量%以
上となる環境条件でも使用されるから、該記録シートは
伸縮し、カールを発生させることになる。
【0029】例えば、低温低湿の環境下に於いて、該記
録シートの平衡水分は、製造時よりも低くなるから、該
シートは収縮し、該シート表裏の収縮力の大きい方にカ
ールしやすくなる。この該シート表裏の収縮力の違い
は、該支持体を構成する支持体、インク受理層、バック
コート層等に固有の収縮力に起因しており、製造時に
は、支持体、インク受理層、バックコート層等の収縮力
をバランスさせて、カール適性を確保しているが、平衡
水分が変化するとこのバランスがくずれ、カールが発生
することになる。同様に、高温高湿の環境下では、製造
時よりも該記録シートの平衡水分は高くなるので、該記
録シートの伸張力の差異でカールが発生すると考えられ
る。従って、該記録シートがインク受理層面側に収縮
し、カールする場合は、バックコート層側にその収縮に
耐える塗層またはバックコート層面側に収縮する塗層を
設けることによって、カール適性を回避することが可能
と考えられる。
【0030】本発明者等は、支持体の片面に塗層を設け
てカールの評価をしたところ、塗層に配合した顔料によ
って、カールの程度の異なることを発見し、平衡水分の
高い顔料を含有した塗層ほど、低温低湿の条件下で、カ
ールの著しいことが判った。これは、平衡水分の高い顔
料を配合した塗層の伸縮が大きいことを示しており、片
面にインク受理層が塗設された面の反対面に、平衡水分
の高い顔料を配合した塗層を塗設するとカール適性に優
れたインクジェット記録シートの得られることが判っ
た。この現象の理由は定かでないが、低温低湿の環境下
では、インク受理層面側への該記録シートの収縮力と釣
り合うバックコート層面側への収縮力がバックコート層
に発現し、結果として、インク受理層面側へのカールと
バックコート層側へのカールが相殺し合って、カールの
発生を防止するためと考えられる。また、高温高湿の環
境下では、インク受理層面側からの伸張力をバックコー
ト層が抑制するためと考えられる。
【0031】バックコート層の顔料は、単独或いは複数
で配合して、それらの顔料に固有の平衡水分の平均値
(平均平衡水分)が高ければ、上記のカールに対する現
象が同様に得られる。この平均平衡水分が1.9〜5.
5重量%であるとインクジェット記録シートに要求され
るカール適性を確保することが可能になる。特に、低温
低湿の環境下で、優れたカール適性を得ることができ
る。該顔料の平均平衡水分が2重量%未満であると、バ
ックコート層が収縮するよりもインク受理層面の収縮が
大きく、インク受理層面側へのカールが発生する。ま
た、5.5重量%を超えるとバックコート層面側へのカ
ールが発生しやすくなる。一方、高温高湿の環境下で
は、本発明に係る平均平衡水分が1.9〜5.5重量%
にあるとカールの変化は殆どない。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例に於いて示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0033】実施例1 支持体は、LBKP(濾水度400mlcsf)80部
とNBKP(濾水度450mlcsf)20部から成る
木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重
質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の
顔料25部、市販アルキルケテンダイマー0.10部、
市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオ
ン化澱粉0.8部、硫酸バンド0.4部を調成後、長網
抄紙機を用いて坪量90g/m2で抄造した。
【0034】抄造した支持体表面にインク受理層を設け
た。インク受理層組成物として、合成非晶質シリカ(フ
ァンシールX37B:徳山曹達社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(PVA117:クラレ社製)50部、
カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001:住
友化学工業社製)20部を用い、これを調液し、固形分
濃度13%とした。調整したインク受理層塗液を用い
て、エアーナイフコータにより塗工量10g/m2となる
ように支持体表面に塗工した。
【0035】さらに、インク受理層の設けられた反対面
に、バックコート層を設けた。バックコート層組成物と
して、平衡水分が4.9重量%の顔料(加水ハロイサイ
ト;KAプレス:大春化学工業所社製)100部を市販
のポリアクリル酸ソーダ0.4部で分散後、スチレン・
ブタジエン系ラテックス(0623:日本合成ゴム社
製)15部を添加して、固形分濃度35%のバックコー
ト層塗液を調液した。調液したバックコート層塗液を用
いて、エアーナイフコータにより塗工量8g/m2となる
ようにインク受理層の反対面に塗工し、カレンダー処理
してインクジェット記録シートを得た。この実施例1の
バックコート層に配合された顔料の平均平衡水分(単一
の顔料配合のため平衡水分と同じ値)は、4.9重量%
であった。
【0036】実施例2 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、実施例1
で用いた顔料50部と平衡水分が1.2重量%の顔料
(デラミネーテッドクレー;Nuclay:Engel
hard社製)50部を併用した以外、バインダー配
合、調液条件、塗工条件を実施例1と同様にして塗工
し、カレンダー処理して、インクジェット記録シートを
得た。この実施例2のバックコート層に配合された顔料
の平均平衡水分は、3.1重量%であった。
【0037】実施例3 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、実施例1
の顔料20部と平衡水分が1.2重量%の顔料(No.
2クレー;Hydrasperse:Huber社製)
80部を併用した以外、バインダー配合、調液条件、塗
工条件を実施例1と同様にして塗工し、カレンダー処理
して、インクジェット記録シートを得た。この実施例3
のバックコート層に配合された顔料の平均平衡水分は、
1.9重量%であった。
【0038】実施例4 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、実施例1
の顔料90部と平衡水分が0.3重量%の顔料(重質炭
酸カルシウム;ソフトン2200:備北粉化工業社製)
10部を併用した以外、バインダー配合、調液条件、塗
工条件を実施例1と同様にして塗工し、カレンダー処理
して、インクジェット記録シートを得た。この実施例4
のバックコート層に配合された顔料の平均平衡水分は、
4.4重量%であった。
【0039】実施例5 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、平衡水分
5.9重量%の顔料(加水ハロイサイト;NAG:信州
カオリン社製)90部と平衡水分が0.3重量%の顔料
(重質炭酸カルシウム;ソフトン2200:備北粉化工
業社製)10部を併用した以外、バインダー配合、調液
条件、塗工条件を実施例1と同様にして塗工し、カレン
ダー処理して、インクジェット記録シートを得た。この
実施例5のバックコート層に配合された顔料の平均平衡
水分は、5.3重量%であった。
【0040】比較例1 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、平衡水分
5.9重量%の顔料(加水ハロイサイト;NAG:信州
カオリン社製)100部を配合した以外、バインダー配
合、調液条件、塗工条件を実施例1と同様にして塗工
し、カレンダー処理して、インクジェット記録シートを
得た。この比較例1のバックコート層に配合された顔料
の平均平衡水分(単一の顔料配合のため平衡水分と同じ
値)は、5.9重量%であった。
【0041】比較例2 支持体及びインク受理層は、実施例1と同様にして製造
した。バックコート層組成物は、顔料として、平衡水分
5.9重量%の顔料(加水ハロイサイト;NAG:信州
カオリン社製)10部と平衡水分が0.3重量%の顔料
(重質炭酸カルシウム;ソフトン2200:備北粉化工
業社製)90部を顔料として配合した以外、バインダー
配合、調液条件、塗工条件を実施例1と同様にして塗工
し、カレンダー処理してインクジェット記録シートを得
た。この比較例2のバックコート層に配合された顔料の
平均平衡水分は、0.9重量%であった。
【0042】実施例1〜5及び比較例1、2で得たイン
クジェット記録シートについて、下記のカール適性評価
に従って、カール高さを測定した。その結果を表1に示
す。
【0043】<カール適性評価>カール適性は、5℃・
10%RH、20℃・65%RH、40℃・90%RH
の各環境条件下で実施例及び比較例のサンプル(A4サ
イズ)を放置した後、卓上にサンプルを置き、サンプル
1枚の四隅のカール高さを測定した。評価基準は、20
℃・65%RHにおけるカール高さ(HM)を基準にし
て、各環境条件下でのカール高さの差を測定し、5℃・
10%RHにおける相対カール高さHLと40℃・90
%RHでの相対カール高さHHとした。インク受理層面
側へのカールの変化にプラス符号を、バックコート層面
側へのカールの変化にマイナス符号を付けると、問題と
なるカール適性の欠如は、HL、HH、HHからHLを引い
た値が、±10[mm]の範囲にない場合である。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1から5及び比較例1、2につい
て、それらの顔料の平均平衡水分に対する相対カール高
さHH、HL及びHHからHLを引いた値の変化を図1及び
図2に示す。図1から明らかなように、低温低湿の環境
下では、バックコート層に平均平衡水分の高い顔料を配
合すると、インクジェット記録シートはバックコート層
側面にカールしやすくなること、高温高湿の条件下で
は、比較的カールの変化が抑えられることも判る。一
方、図1及び図2からは、該平均平衡水分が1.9〜
5.5重量%の範囲にあると環境の変化によるカールの
変化が容認できる範囲にあることが判る。
【0046】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、平衡水分の高い顔料をバックコート層に配合するこ
とによって、温度や湿度の変化に影響され難いカール適
性を確保したインクジェット記録シートを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックコート層に配合される顔料の平均平衡水
分と相対カール高さの関係を示す図。
【図2】バックコート層に配合される顔料の平均平衡水
分と相対カール高さの差の関係を示す図。
【符号の説明】
1 5℃・10%RHの相対カール高さ(HL)の変化
を示す曲線。 2 40℃・90%RHの相対カール高さ(HH)の変
化を示す曲線。 3 HH曲線とHL曲線の差(HH−HL)を示す曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−162586(JP,A) 特開 昭61−235184(JP,A) 特開 昭62−282967(JP,A) 特開 平2−270588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に少なくとも1層以上のイン
    ク受理層、該裏面に少なくとも1層以上のバックコート
    層が設けられたインクジェット記録シートにおいて、該
    バックコート層が、顔料とバインダーを主成分とするも
    のであり、且つ下記数1で算出される該顔料の平均平衡
    水分Mが、1.9〜5.5重量%であることを特徴とす
    るインクジェット記録シート。 【数1】 ここで、Mは平均平衡水分[重量%]、iは顔料の種類
    を示す変数、nは含有する顔料の種類の数(n≧1)、
    Miは顔料iの平衡水分[重量%]、Wiは全顔料に対
    して顔料iが含有される重量比(0<Wi≦1)であ
    る。
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