JPH06169632A - 回転受網付き脱穀装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本件発明は、扱胴の外周に設けた受網が回転
する構成において、該受網を確実に支持して安定した回
転をさせ、脱穀能率の向上をはからんとするものであ
る。 【構成】本件発明は、選別室１の上方に一方側に穀稈供
給口２を他方側に排塵口３をそれぞれ形成した扱室４を
構成し、該扱室４には穀稈供給口２側の一定部分と排塵
口３側の一定部分とに固定の受枠５、５’を設け、該両
方の受枠５、５’に設けた支持部材６に筒状の受網７を
伝動回転可能に支持させて設け、該受網７には扱室４の
両壁８、８’に軸受支持させた扱胴９を内装して構成し
た回転受網付き脱穀装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転受網付き脱穀装置
に関し、高能率型の脱穀装置としてコンバイン等に利用
できる。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種装置、例えば実開昭３−６
１８３６号公報に記載された考案は、扱胴を内装軸架さ
せた円筒状の受網を、回転ロ−ラに回転自由に支持して
駆動できる構成としている。そして、その回転ロ−ラ
は、脱穀機の左右両側壁に軸架させて中空部に掛け渡し
た回転軸に軸着して構成している。

【０００３】そして、円筒状の受網は、内装している扱
胴に対して周速に差をつけて同方向に回転させるたり、
扱胴とは逆方向に回転させて供給された穀稈の脱穀作用
を行う構成になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の如く、脱穀作
用を高能率に行うために受網を円筒型にして回転する構
成にした場合、回転受網の振動を少なくし、安定した回
転を行うことが要求されるものである。特に、上述した
従来型のように、回転受網を支持する回転ロ−ラは、こ
れを受ける回転軸が機体の両壁に軸受支持された長い構
成になると撓み等が発生して振動が起こり安定性に欠け
るものであった。

【０００５】そこで、本発明は、以下に述べる構成を採
用することによって、上述の如き従来型の課題を解決
し、回転受網を安定よく駆動できるようにせんとするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、次の如き技術手段を講ずるものであ
る。すなわち、選別室１の上方に一方側に穀稈供給口２
を他方側に排塵口３をそれぞれ形成した扱室４を構成
し、該扱室４には穀稈供給口２側の一定部分と排塵口３
側の一定部分とに固定の受枠５、５’を設け、該両方の
受枠５、５’に設けた支持部材６に筒状の受網７を伝動
回転可能に支持させて設け、該受網７には扱室４の両壁
８、８’に軸受支持させた扱胴９を内装して構成した回
転受網付き脱穀装置である。

【０００７】

【実施例】まず、その構成について述べる。脱穀装置１
０は、クロ−ラ１１を有する車台１２に穀稈供給口２を
前側に排塵口３を後側にして搭載している。そして、脱
穀装置１０は、穀稈供給口２側の一定部分と、排塵口３
側の一定部分とに固定の受枠５、５’を構成している。
そして、穀稈供給口２側の受枠５は選別網１３を有する
構成とし、他方の受枠５’には排塵口３を構成してい
る。

【０００８】なお、受枠５、５’は、図１に示すよう
に、無孔の板によって案内できる構成にしてもよい。そ
して、受網７は、脱穀穀粒を選別漏下できる大きさの目
合に形成し、円筒状に構成している。この円筒状の受網
７は、両端縁部分を受枠５、５’に取り付けた支持部材
６、すなわち、支持ロ−ラ１４に回転自由に受けさせ、
中間部分には機体１５から突出された中間ロ−ラ１６を
設けて支持させて構成している。

【０００９】そして、円筒状の受網７は、機体１５に装
備したモ−タ１７の駆動によって前述の中間ロ−ラ１６
を伝動して回転駆動できる構成としている。なお、この
円筒状の受網７は、回転方向を正逆変更調節ができると
ともに、回転速度も所定範囲において自由に選択するこ
とができる構成としている。また、受網７は、円筒形状
にこだわることはなく、多角形状、例えば、８角形状等
にすることも考えられる。

【００１０】しかし、通常、受網７は、円筒形状の方が
後述する円筒状の扱胴９との関係で脱穀効率が優れてい
る。そして、扱胴９は、螺旋式の移送兼扱ぎ作用を行う
扱歯１８を有する構成とし機体１５の両壁８、８’に回
転自由に軸受し、前記円筒状の受網７に内装して構成し
ている。

【００１１】なお、扱歯１８は、実施例の如く処理物を
移送するために螺旋式に構成するのを通常とするが、一
部に従来の扱歯を装着してもよい。そして、刈取前処理
装置１９は、回転リ−ル２０、刈取装置２１、搬送コン
ベア２２等からなり、車台１２の前部に上下昇降自由に
支架させて設けている。搬送コンベア２２は、始端部を
刈取穀稈を受け継ぐ位置に配置し、終端部を扱室４の穀
稈供給口２に臨ませて設けている。

【００１２】なお、穀稈供給口２は、扱室４の始端部の
下側（図１参照）または上側（図２、図３参照）に形成
し、刈取穀稈を扱胴９始端部の扱歯１８に供給する構成
としている。２３は排塵機を示す。選別室１は、前述の
扱室４の下方において、選別風路２４中に揺動選別棚２
５を設けて受網７から漏下してきた彼選別物を選別でき
る構成としている。

【００１３】つぎにその作用について説明する。まず、
原動機を始動して機体の回転各部を駆動しながら刈取脱
穀作業を開始する。すると、受網７は、図４、図６に示
す矢印の方向に回転している扱胴９に対して逆方向に回
転させて脱穀処理が出来る状態になっている。そして、
車台１２は、クロ−ラ１１を駆動して前進すると、圃場
の穀稈は、前部上方で回転している回転リ−ル２０によ
って刈取装置２１側に送りこまれ株元が刈り取られる。

【００１４】このようにして刈り取られた穀稈は、多条
のものが集められて搬送コンベア２２の下方始端部に供
給され順次連続的に上方に搬送されて扱室４の穀稈供給
口２から受枠５内の扱胴９の始端部に達し扱歯１８によ
って移送と脱穀作用が開始される。このようにして、供
給された穀稈は、前述のとおり互いに逆方向に回転させ
てい扱胴９と受網７との相互作用によって脱穀処理さ
れ、穀粒と細かい塵埃等が受網７を漏下して下方の選別
室１に達して選別されるものである。

【００１５】この場合、穀稈は、受網７が回転している
から、従来の固定の受網に比較して効率よく脱穀処理作
用を受ける。一方、排塵物は、回転している受網７内を
脱穀作用を受けながら送られて終端部に達し、固定の受
枠５’に形成した排塵口３を経て駆動されている排塵機
２３によって機外に排塵されるものである。

【００１６】以上のような脱穀作業中において、受網７
は、その両端部分と中間部分とがそれぞれ支持ロ−ラ１
４および中間ロ−ラ１６によって支持されているので、
高速で回転させても大きく振動すること少なく安定した
回転で高能率のもとに脱穀することができる。

【００１７】

【発明の作用効果】以上のとおり、本発明は、選別室の
上方に一方側に穀稈供給口を他方側に排塵口をそれぞれ
形成した扱室を構成し、該扱室には穀稈供給口側の一定
部分と排塵口側の一定部分とに固定の受枠を設け、該両
方の受枠に設けた支持部材に筒状の受網を伝動回転可能
に支持させて設け、該受網には扱室の両壁に軸受支持さ
せた扱胴を内装して構成したものであるから、回転する
受網は、従来のように、扱室を供給口から排塵口まで貫
通状態に軸架させた回転軸に支持ロ−ラを軸支したもの
でなく、固定の受枠に軸架させた支持ロ−ラと機体に軸
架させた中間ロ−ラとによって振動のない状態で確実に
支持されており、高速回転させてもきわめて安定した回
転が得られ、脱穀能率を著しく高めることが出来た特有
の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すもので、一部を破断し
た側面図である。

【図２】本発明の一実施例の一部を断面にして示す平面
図である。

【図３】本発明の一実施例の一部を断面にして示す側面
図である。

【図４】本発明の一実施例の一部を断面にして示す背面
図である。

【図５】本発明の別実施例の一部を断面した概略平面図
である。

【図６】本発明の別実施例の一部を断面して示す背面図
である。

【符号の説明】

１ 選別室 ２ 穀稈供給口 ３ 排塵
口 ４ 扱室 ５、５’ 受枠 ６ 支持
部材 ７ 受網 ８、８’ 壁 ９ 扱胴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 選別室の上方に一方側に穀稈供給口を他
   方側に排塵口をそれぞれ形成した扱室を構成し、該扱室
   には穀稈供給口側の一定部分と排塵口側の一定部分とに
   固定の受枠を設け、該両方の受枠に設けた支持部材に筒
   状の受網を伝動回転可能に支持させて設け、該受網には
   扱室の両壁に軸受支持させた扱胴を内装して構成した回
   転受網付き脱穀装置