JP3212499B2 - 脱穀機の扱室 - Google Patents

脱穀機の扱室

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JP3212499B2
JP3212499B2 JP25794695A JP25794695A JP3212499B2 JP 3212499 B2 JP3212499 B2 JP 3212499B2 JP 25794695 A JP25794695 A JP 25794695A JP 25794695 A JP25794695 A JP 25794695A JP 3212499 B2 JP3212499 B2 JP 3212499B2
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昇 伊藤
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MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前後方向に複数に
分割された扱胴を回転差をもって駆動するように軸支し
た脱穀機の扱室の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、扱室内に軸支した扱胴を低速回転
側の前扱胴と、高速回転側の後扱胴とに分割形成した、
いわゆる差率回転型の扱胴を設けた脱穀機は既に提案さ
れている。そして前記前扱胴と後扱胴の対向する接合端
はできるだけ近接した接合間隙を設け、その内部に脱穀
物の巻付きや侵入を防止するスクレーパー等を設けるよ
うに配慮している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の構
成からなる差率回転型扱胴を有する脱穀機は、穀稈から
脱穀された脱穀物が低速回転する前扱胴から高速回転す
る後扱胴の接合部における扱室内での移送が速やかに行
われ難い欠点がある。そして両者の接合間隙内に切藁や
塵埃等の屑が侵入し易く、この屑等が接合間隙内に侵入
すると両扱胴の相対的回転速度に基づく抵抗が大きくな
ると云う問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明に係る脱穀
機の扱室は、扱室2内で前後方向に分割された前扱胴1
aと後扱胴1bとを回転差を有するように同軸で回転可
能に軸支するとともに、前記両扱胴1a,1bの周囲に
植立した扱歯1cの外周に沿わせて受網3を張設してな
る脱穀機Aにおいて、前記前扱胴1aと後扱胴1bの接
合部の対向部位であって、受網3の内面に前扱胴1aか
ら後扱胴1bに脱穀物を誘導案内するガイド部材30を
立設して構成している。
【0005】また、前記ガイド部材30に対向する前扱
胴1a又は後扱胴1bの扱歯1dを他の扱歯1cより短
く形成し、このガイド部材30に近接して設置してい
る。ガイド部材30は一種のガイド板状であって、扱胴
軸に対して斜めに受網上に支持されている。従って、扱
胴の扱歯1cによって脱穀された脱穀物はこの扱胴と共
に回転しながら前記ガイド部材30に接触して強制的に
後方に移送され、両扱胴1aと1bとの接合部を簡単に
越えることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
ながら説明する。Aはコンバイン等の収穫機に搭載され
る脱穀機であり、低速で回転する前扱胴1aと高速で回
転する後扱胴1bからなる差率型の扱胴1を、扱室2内
に軸支するとともに、この扱胴1の周囲に多数植設した
扱歯1cの外周に沿うように受網3を設けている。
【0007】そしてこの受網3の下方で送風ファン4a
と排塵フ4bとで形成される選別風路4間にチャフシー
ブ5a、一番物網5b、2番物ストローラック5c等か
らなる揺動選別体5を前後方向に揺動可能に設置し、選
別された一番物を一番樋6からグレンタンク6a内に回
収するとともに、2番物を二番樋6cから前記揺動選別
体5の始端部に還元させ、排塵物を排塵ファン4bによ
って機外に排出するように構成している。
【0008】20は扱室2の扱口に沿設した穀稈挟持搬
送用のフィードチェンであり、その終端部位にはカッタ
21に向けて脱穀済の排稈を搬送する排藁搬送体22を
連接している。前記扱胴1は、図2に示すように機体側
から入力駆動される伝動ケース7aの駆動軸7に軸着し
た大径プーリ70と小径プーリ71から、後扱胴1bの
回転軸10に軸着した小径プーリ10aにベルト10v
を巻掛けし、更に前記回転軸10を遊転可能に軸支する
筒軸11に軸着した大径プーリ11aにベルト11vを
巻掛けて伝動することにより前扱胴1aを低速回転で後
扱胴1bを高速回転で差率回転させるようにしている。
なお、前記回転軸10の前端は扱室2の前側板2に、ま
た回転軸10の後端は後側板2bに軸支させている。
【0009】そして、前記両扱胴1a、1bが対向する
接合部には「接合空間k」が形成され、前扱胴1aの後
面板12の外周縁は後方に向けて円錐リング状に拡開し
たガイド面12aを突設している。一方、後扱胴1bの
前面板13の外周縁には上記ガイド面12a内に近接し
た状態で嵌入する円錐部13aを膨出形成しており、前
記接合空間kの外周部に開口している間隙を小さくする
ことにより、この接合空間kの内部への脱穀物の侵入を
抑制するように構成している。
【0010】一方、前記扱胴1の接合空間kに対向する
所定範囲において、受網3の内面に板状のガイド部材3
0を突出して固定しており、このガイド部材は扱胴1の
回転方向側で後方に向けて傾斜させ、所定間隔をおいて
回転方向に適当枚数設置している。このガイド部材30
は、扱胴1と共に回転する脱穀物を案内する部材であっ
て、回転差を有する前扱胴1aから後扱胴1bに至る接
合部において脱穀物が扱室2内を円滑に後方に移送され
る。
【0011】更に、このガイド部材30に対向する両扱
胴1a,1bに植設された扱歯列を他のものより短い扱
歯1d,1dに形成しておくことによって、他の扱歯1
cと受網3を必要以上に離間させることなく、且つ短い
扱歯1c,1cとガイド部材30とを接近させることが
できて、脱穀物の引き継ぎ移送を良好に行わせることが
でき、扱胴1の円滑な回転を促進し、効率的な脱穀をす
ることができるようにしている。
【0012】前記のように構成した脱穀機による脱穀作
業は、フィードチェン20で扱室2内に送り込まれる穀
稈を前扱胴1aによって穀粒に損傷等を防止した状態の
緩やかな初期の脱穀を、扱胴負荷を少なくして良好に行
うことができる。そして前記のようにして初期脱穀され
た穀稈は、搬送されるに伴い高速回転する後扱胴1bに
よって扱残し等を防止した状態の良好な後処理脱穀をす
ることができる。
【0013】このように二段階処理で脱穀された穀粒及
び切藁並びに塵埃からなる脱穀物は、受網3を漏下する
とともに、この受網3上を前方から後方に向けて持ち回
り移送されてその終端部から揺動選別体5上に放出さ
れ、この揺動選別体5において揺動選別される。このと
き扱室2内で前扱胴1aによって持ち回しされる脱穀物
は、その終端部位でガイド部材30の傾斜面によって後
扱胴1bの始端側に積極的に案内されて送り込まれるの
で、従来の差率回転型の扱胴を持つ脱穀機のようにこの
部位で滞留することなく、後扱胴1bの短い扱歯1dが
案内された脱穀物を速やかに掻き取って後方に向けて持
ち回り移送する。
【0014】従って、大量の穀稈を脱穀する際にも脱穀
物を長時間にわたって扱室2内に滞動させたり、あるい
は詰まりを生じさせることなく、能率のよい円滑な脱穀
作業を行うことができる。また両扱胴1a,1bの速度
差のある接合空間kにおいても、脱穀物は速やかに継送
されるので、この接合空間k内への脱穀物の侵入を良好
に防止することができる。
【0015】また脱穀選別された排塵物は排塵ファン4
bに吸われその排出口40から地面に排出される。この
排出口40には放出ガイド板41をコンバイン作業時に
おいて図3に示すように排塵物の放出方向を、実線で示
す通常刈取作業時の放出姿勢と、点線で示す中割刈取作
業時の放出姿勢とに切換可能に構成されている。
【0016】図4において放出ガイド板41は、ファン
ケース43の開口上端部にヒンジ軸44で連結枢支する
とともにバネ座金45を介してナット46で締着してい
る。この構成により放出ガイド板41を上記実線で示す
姿勢に維持しながら排塵物を右方の既刈地側に向けて放
出することができる。そして点線示す姿勢に切換維持さ
せることにより、排塵物を機体の中央に放出落下させる
ことができるので、排塵物を植立穀稈の株元に吹きかけ
ることなく中割刈取作業を円滑に行うことができる。な
お、前記放出ガイド板41の取付調節構造は上記のもの
に限られることなく、例えば長孔と止めネジによる調節
方式にする等、任意な構成によって行うとよい。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明により、脱穀物は前扱胴
1aの終端で持ち回り回動されるとき、ガイド部材30
によって後扱胴1bの始端部内に誘導案内され、その扱
歯によって速やかに後方に移送されるので、回転差を有
する両扱胴1a,1bの接合部における脱穀物の継送を
円滑に行うことができ、扱室1内の詰まりを防止し、良
好な脱穀作業を高性能に行うことができる。また両扱胴
の接合部内への脱穀物の侵入を抑制することができる。
【0018】請求項2の発明により、前記両扱胴の接合
部における扱歯1dを他の扱歯1cより短く形成して受
網3上にガイド部材30を立設したので、この扱歯1c
と受網3とを必要以上に離間させることなく、近接する
ことができる。そしてガイド部材30で誘導案内される
脱穀物を後扱胴1bの短い扱歯1dでもって良好に継送
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀機の要部を示す側断面図である。
【図2】扱室の要部を示す側断面図である。
【図3】排塵ファンの背面図である。
【図4】(A)は放出ガイド板の背面図、(B)は
(A)の側面図である。
【符号の説明】
1 扱胴 1a 前扱
胴 1b 後扱胴 1c 扱歯 1d 短い扱歯 2 扱室 3 受網 30 ガイ
ド部材 A 脱穀機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室2内で前後方向に分割された前扱胴
    1aと後扱胴1bとを回転差を有するように同軸で回転
    可能に軸支するとともに、前記両扱胴1a,1bの周囲
    に植立した扱歯1cの外周に沿わせて受網3を張設して
    なる脱穀機Aにおいて、 前記前扱胴1aと後扱胴1bの接合部の対向部位であっ
    て、受網3の内面に前扱胴1aから後扱胴1bに脱穀物
    を誘導案内するガイド部材30を立設したことを特徴と
    する脱穀機の扱室。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部材30に対向する前扱胴1
    a又は後扱胴1bの扱歯1dを他の扱歯1cより短く形
    成し、前記ガイド部材30に近接するように設置した請
    求項1記載の脱穀機の扱室。
JP25794695A 1995-10-04 1995-10-04 脱穀機の扱室 Expired - Lifetime JP3212499B2 (ja)

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JPH0998649A JPH0998649A (ja) 1997-04-15
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087314A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd 脱穀装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014087314A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd 脱穀装置

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JPH0998649A (ja) 1997-04-15

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