JPH0616955A - 液晶添加用二色性色素 - Google Patents

液晶添加用二色性色素

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JPH0616955A
JPH0616955A JP15675691A JP15675691A JPH0616955A JP H0616955 A JPH0616955 A JP H0616955A JP 15675691 A JP15675691 A JP 15675691A JP 15675691 A JP15675691 A JP 15675691A JP H0616955 A JPH0616955 A JP H0616955A
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JP
Japan
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liquid crystal
group
dye
formula
dichroic
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Application number
JP15675691A
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English (en)
Inventor
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Shinya Okubo
慎也 大久保
Yoshihiro Irisato
義広 入里
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(1)で表される液晶添加用二色性色
素。 【効果】樹脂フィルムに対する染着性が低く、大きな二
色性比、及び高耐久性を有しているため実用上極めて価
値ある色素である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶に添加する青色系
の新規二色性色素に関する。 特に、高分子分散型液晶
表示(以後、PDLCと略す)に高性能を示す二色性色
素を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーおよび小型化の観点
から液晶表示素子が広く使用されるようになった。
【0003】現在使用されている液晶表示素子の大部分
は、ツイステッド・ネマチック型液晶の電気光学効果を
利用したもので、2枚の偏光板と組み合わせることを必
須条件として表示がなされ、使用に際して多くの制限を
受けているのが実情である。これに代わる液晶表示方式
として二色性色素をネマチック液晶に溶解した着色液晶
組成物の電気光学効果を利用する、いわゆるゲスト−ホ
スト方式の液晶表示が検討され、すでにその一部は時
計、家電製品、産業用計器等における表示素子として利
用されている。
【0004】このゲスト−ホスト型液晶表示方式の原理
は、ゲストである二色色素分子がホストである液晶分子
の配列にしたがって配向して配置することによる。すな
わち、通常は電界である外部刺激を印加することによ
り、液晶分子は「オフ」状態から「オン」状態に配向方
向を変化するが、これと同時に二色性色素分子も配向方
向を変化する結果、両状態における色素分子による光の
吸収程度が変化し、表示がなされるという原理に基づい
ている。
【0005】最近、この液晶表示方式をPDLC、つま
り高分子マトリックス中に液晶層を封じ込め、電極付き
のプラスチックシートの間に挟んで表示に用いる方式に
応用した素子が実用化され始めている。ここで用いる液
晶組成物の中に二色性色素を添加して使用する方法が、
コントラストを高める目的には非常に有利な方法である
ことが確められている。
【0006】PDLCは従来のガラス・セルを用いる素
子に比較して、大面積で軽量化が可能である等の優れた
特性を有しているため、非常に注目されている表示方法
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで使用される二色
性色素は、少量で十分な着色能力があること、大き
なコントラストを示すこと、液晶に対し十分な相溶性
を有すること、耐久性に優れ、安定であり、長時間使
用しても装置の性能を劣化させないこと、等の条件を従
来のゲスト−ホスト用二色性色素と同じように最低限必
要とするが、PDLCの場合はさらに、高分子マトリ
ックスである樹脂層に染着色しない、という条件が加わ
る。
【0008】染着色部分は電圧印加時も配向方向を変化
できないために残色し、コントラストを低下させる原因
になり、表示上の決定的欠陥になる。特に青色系二色性
色素としてこれまで開発された化合物の中には、〜
すべての条件を兼ね備えた性能を満足できる色素がない
ために、これらの改良が強く望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況を踏まえ鋭意検討した結果、PDLCにおいてゲ
スト−ホスト用二色性色素に要求される〜の条件を
満足する耐久性に優れ、大きな二色比を有し、かつマト
リックス樹脂層に染色しない新規の二色性色素を見い出
すに至った。即ち、本発明は液晶用色素として、一般式
(1) (化1)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、R1は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、
ハロゲン原子または水素原子を示し、R2およびR3は、
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、メトキ
シ基またはエトキシ基を示し、互いに同一あるいは異な
っていてもよい。〕で表される液晶添加用二色性色素を
提供するものである。
【0012】本発明の二色性色素の特徴は、アントラキ
ノン骨格の2位、6位もしくは3位、7位にP−置換ア
ゾベンゼンを導入したところにあり、これにより類似の
公知アントラキノン系二色性色素に比べ、二色性、耐久
性及び樹脂への着色性が著しく向上するものである。
【0013】前記、本発明に係わる液晶用色素は一般式
(1)で表され、この一般式(1)におけるR1の具体
例としては、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、シクロヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル
基、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、シクロヘキシルオキシ基、イソブチルオキシ基、ヘ
プチルオキシ基、ドデシルオキシ基、ハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が
挙げられる。
【0014】R2およびR3の具体例としては、水素原
子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メ
チル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が挙げられ
る。本発明の一般式(1)の二色性色素は、常法を用い
れば容易に合成することができる。
【0015】即ち、例えば一般式(2)(化2)、
(3)(化3)で表されるハロゲン置換1,5−ジアミ
ノ−4,8−ジヒドロキシアントラキノン化合物と一般
式(4)(化4)で表される4−ヒドロキシアゾベンゼ
ン化合物を、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、スルホランなどの極性有機溶媒中で炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基存在下、反応させることに
より一般式(1)の化合物を得ることができる。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】 〔式中、R1、R2およびR3は一般式(1)中のR1、R
2およびR3と同じ置換基を示す。〕
【0019】こうして得られた一般式(1)の粗製色素
は、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により精製し
て、高純度の色素を得ることができる。
【0020】本発明の二色性色素は、液晶に含有させて
カラー表示用液晶組成物として通常用いられている表示
装置で使用できる。
【0021】使用する液晶としては例えば、4−シアノ
−4’−n−ペンチルビフェニル、4−シアノ−4’−
n−プロポキシビフェニル、4−シアノ−4’−n−ペ
ントキシビフェニル、4−シアノ−4’−n−オクトキ
シビフェニル、4−シアノ−4’−n−ペンチルターフ
ェニルなどのシアノ−ビフェニル系液晶混合物(例え
ば、メルク社商品記号E−8)、あるいはトランス−4
−n−プロピル−(4−シアノフェニル)−シクロヘキ
サン、トランス−4−n−ペンチル−(4−シアノフェ
ニル)−シクロヘキサン、トランス−4−n−ヘプチル
−(4−シアノフェニル)−シクロヘキサン、トランス
−4−n−ペンチル−(4’−シアノビフェニル)−シ
クロヘキサンなどのシクロヘキサン系液晶混合物(例え
ば、メルク社商品記号ZLI−1132、ZLI−18
40)などをあげることができる。
【0022】さらに、液晶混合体にコレステリルノナノ
エート又は施光性4−シアノ−4’−イソペンチルビフ
ェニルなどの光学活性物質を加えた電界無印加状態で
は、コレステリック相状態であり、電界印加状態でネマ
チック相状態に相転換する、いわゆるカイラルネマチッ
ク液晶混合物を使用することも出来る。
【0023】液晶としては、上記の例に限定されるもの
でなく、その他のビフェニル系液晶、フェニルシクロヘ
キサン系液晶、シッフベース系液晶、エステル系液晶、
ピリミジン系液晶、テトラジン系液晶、その他の液晶が
単体または混合物として使用できる。
【0024】本発明にかかる色素の使用は一種のみでも
よく、二種以上混合して使用することも出来る。使用す
る色素濃度は、色素が液晶に溶解する限度内であって、
且つ色素分子が液晶分子の配向によって充分配向統制さ
れ得る範囲内であればよいが、一般には液晶に対し0.
1〜10重量%の濃度、好ましくは0.1〜5重量%の
濃度で使用するのが良い。
【0025】また、本発明にかかる二色性色素と他の二
色性色素、あるいは二色性のない色素とを混合し所望の
色相として使用することも可能であり、何ら限定されな
い。二色性色素の液晶への溶解は、所定量の色素を液晶
と混合し、長時間かきまぜるかもしくは液晶が等方性液
体となる温度以上に加熱しかきまぜることによって行わ
れ、所望のカラー表示用液晶組成物とすることができ
る。
【0026】
【発明の効果】従来のPDLCに用いられている二色性
色素は種々提案されているが、基盤となる樹脂フィルム
層を染着し、コントラストの低下を引き起こしたり、二
色比が低いために実用的に鮮明な表示ができない、また
耐久性に欠ける等の欠点を有している。しかし一般式
(1)で示される本発明の二色性色素は樹脂フィルムに
対する染着性が低く、大きな二色比、および高耐久性を
有しているため該色素は実用上極めて価値ある色素であ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の二色性色素の合成例を示し、
次いで表1に代表的な色素の構造、メルク社製液晶E−
44中での二色比および最大吸収波長を示す。
【0028】表1に示す二色比は、各色素2.0重量%
を代表的ネマチック液晶であるメルク社製液晶(商品番
号E−44)に溶解し、あらかじめホモジニアス配向す
べく処理した厚さ10μmの液晶セル中に封入したの
ち、分光光度計の光路におき、液晶配列と平行な直線偏
光をあてて測定した吸光度(A‖)および液晶配列と直
角な直線偏光をあて測定した吸光度(A⊥)を測定し、
次式(数1)
【数1】 より算出したものである。
【0029】本発明の二色性色素はいずれも極めて高い
二色比を示し、PDLCにおいてはマトリックス樹脂染
色性のない化合物であった。なお、実施例中の「部」は
重量部を示す。
【0030】実施例1 4−ヘキシル−4’−ヒドロキシアゾベンゼン8.7
部、1,5−ジアミノ−2,6−ジブロモ−4,8−ジ
ヒドロキシアントラキノン5.0部、炭酸カリウム4.
5部をDMF50部中に入れ、窒素雰囲気下、120℃
で8時間反応した。冷却後、水30部中に排出し、濾
過、水洗、乾燥して10.2部の粗生成物を得た。これ
をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(トルエン展
開)により精製し、次式(5)(化5)(表1の色素番
号2)の色素3.32部(収率32%)を得た。
【0031】
【化5】
【0032】次に、小ビーカーにメルク社製液晶E−4
4 100部に対し、上記の色素1.5部を加え約80
℃にて加熱撹拌して完全に清澄な溶液とした。次いで内
容物を放置冷却した後、液晶表示素子内にこの着色液晶
を減圧下封入した。この表示装置は、電圧無印加時に青
色を示し、電圧印加時には電極部分のみが無色となり、
良好なコントラストを示した。
【0033】また、この精製色素の二色比は極大吸収波
長639nmにおいて12.8を示した。また、サンシ
ャインウェザーメーターにより200時間の耐光テスト
では吸収スペクトルおよび二色比の変化は1%以内で良
好な結果を示した。
【0034】また、この染料2%を溶解した液晶E−4
4 40部、水16部、PVA20/30(エアコ社製
商品名)3.7部、ガントレス169(GAF社製ポリ
メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物共重合体)
0.2部、グリセリン0.1部を混合し、ホモジナイザ
ーにて激しく攪拌しエマルジョン化した。
【0035】生成したエマルジョンを予めインジウム・
スズ酸化物(ITO)を蒸着しておいたマイラー膜上に
0.5ミリの厚さでコートした。こうして得られたフィ
ルムをITOをコートした別のマイラー膜に重ね、10
0℃の乾燥機に1時間放置した。さらに、室温まで冷却
後100V直流電圧で活性化し、不透明な青色の液晶フ
ィルムが得られた。
【0036】この液晶フィルムに60Hz,100Vの
交流電圧を印加すると、青色から無色へ変化し、良好な
コントラストが得られた。さらに、本フィルム表示板を
2週間室温で放置後、アセトン中に入れ、液晶層を抽出
してマトリックス樹脂フィルムのみにして、色素による
樹脂の染色性を調べたところ、まったく着色が見られ
ず、良好な結果を示した。
【0037】実施例2 実施例1において用いた1,5−ジアミノ−2,6−ジ
ブロモ−4,8−ジヒドロキシアントラキノンの代わり
に1,5−ジアミノ−3,7−ジブロモ−4,8−ジヒ
ドロキシアントラキノンを用い、全く同様にして反応を
行い、精製し、次式(6)(化6)(表2の色素番号2
5)の色素を得た。本色素の二色比は極大吸収波長63
5nmにおいて13.2と良好な値を示し、PDLCに
おいても前記同様、良好な結果を得た。
【0038】
【化6】
【0039】実施例3〜43 上記と同様にして得られた色素(表1〜3中の色素番号
3〜43の化合物)の構造と、二色比をまとめて表1〜
3に示す。
【0040】なお、表1〜3にはPDLCにおけるマト
リックス樹脂染色性を実施例1と同様にしして観測した
結果もあわせて示している。また、表中の置換基の位置
は次の一般式(7)(化7)に準じて表した。
【0041】
【化7】
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶に添加する青色系
の新規二色性色素に関する。特に、高分子分散型液晶表
示(以後、PDLCと略す)に高性能を示す二色性色素
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーおよび小型化の観点
から液晶表示素子が広く使用されるようになった。
【0003】現在使用されている液晶表示素子の大部分
は、ツイステッド・ネマチック型液晶の電気光学効果を
利用したもので、2枚の偏光板と組み合わせることを必
須条件として表示がなされ、使用に際して多くの制限を
受けているのが実情である。これに代わる液晶表示方式
として二色性色素をネマチック液晶に溶解した着色液晶
組成物の電気光学効果を利用する、いわゆるゲスト−ホ
スト方式の液晶表示が検討され、すでにその一部は時
計、家電製品、産業用計器等における表示素子として利
用されている。
【0004】このゲスト−ホスト型液晶表示方式の原理
は、ゲストである二色色素分子がホストである液晶分子
の配列にしたがって配向して配置することによる。すな
わち、通常は電界である外部刺激を印加することによ
り、液晶分子は「オフ」状態から「オン」状態に配向方
向を変化するが、これと同時に二色性色素分子も配向方
向を変化する結果、両状態における色素分子による光の
吸収程度が変化し、表示がなされるという原理に基づい
ている。
【0005】最近、この液晶表示方式をPDLC、つま
り高分子マトリックス中に液晶層を封じ込め、電極付き
のプラスチックシートの間に挟んで表示に用いる方式に
応用した素子が実用化され始めている。ここで用いる液
晶組成物の中に二色性色素を添加して使用する方法が、
コントラストを高める目的には非常に有利な方法である
ことが確められている。
【0006】PDLCは従来のガラス・セルを用いる素
子に比較して、大面積で軽量化が可能である等の優れた
特性を有しているため、非常に注目されている表示方法
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで使用される二色
性色素は、少量で十分な着色能力があること、大き
なコントラストを示すこと、液晶に対し十分な相溶性
を有すること、耐久性に優れ、安定であり、長時間使
用しても装置の性能を劣化させないこと、等の条件を従
来のゲスト−ホスト用二色性色素と同じように最低限必
要とするが、PDLCの場合はさらに、高分子マトリ
ックスである樹脂層に染着色しない、という条件が加わ
る。
【0008】染着色部分は電圧印加時も配向方向を変化
できないために残色し、コントラストを低下させる原因
になり、表示上の決定的欠陥になる。特に青色系二色性
色素としてこれまで開発された化合物の中には、〜
すべての条件を兼ね備えた性能を満足できる色素がない
ために、これらの改良が強く望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況を踏まえ鋭意検討した結果、PDLCにおいてゲ
スト−ホスト用二色性色素に要求される〜の条件を
満足する耐久性に優れ、大きな二色比を有し、かつマト
リックス樹脂層に染色しない新規の二色性色素を見い出
すに至った。即ち、本発明は液晶用色素として、一般式
(1) (化1)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、R1は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、
ハロゲン原子または水素原子を示し、R2およびR3は、
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、メトキ
シ基またはエトキシ基を示し、互いに同一あるいは異な
っていてもよい。〕で表される液晶添加用二色性色素を
提供するものである。
【0012】本発明の二色性色素の特徴は、アントラキ
ノン骨格の2位、6位もしくは3位、7位にP−置換ア
ゾベンゼンを導入したところにあり、これにより類似の
公知アントラキノン系二色性色素に比べ、二色性、耐久
性及び樹脂への着色性が著しく向上するものである。
【0013】前記、本発明に係わる液晶用色素は一般式
(1)で表され、この一般式(1)におけるR1の具体
例としては、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、シクロヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル
基、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、シクロヘキシルオキシ基、イソブチルオキシ基、ヘ
プチルオキシ基、ドデシルオキシ基、ハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が
挙げられる。
【0014】R2およびR3の具体例としては、水素原
子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メ
チル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が挙げられ
る。本発明の一般式(1)の二色性色素は、常法を用い
れば容易に合成することができる。
【0015】即ち、例えば一般式(2)(化2)、
(3)(化3)で表されるハロゲン置換1,5−ジアミ
ノ−4,8−ジヒドロキシアントラキノン化合物と一般
式(4)(化4)で表される4−ヒドロキシアゾベンゼ
ン化合物を、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、スルホランなどの極性有機溶媒中で炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基存在下、反応させることに
より一般式(1)の化合物を得ることができる。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】 〔式中、R1、R2およびR3は一般式(1)中のR1、R
2およびR3と同じ置換基を示す。〕
【0019】こうして得られた一般式(1)の粗製色素
は、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により精製し
て、高純度の色素を得ることができる。
【0020】本発明の二色性色素は、液晶に含有させて
カラー表示用液晶組成物として通常用いられている表示
装置で使用できる。
【0021】使用する液晶としては例えば、4−シアノ
−4’−n−ペンチルビフェニル、4−シアノ−4’−
n−プロポキシビフェニル、4−シアノ−4’−n−ペ
ントキシビフェニル、4−シアノ−4’−n−オクトキ
シビフェニル、4−シアノ−4’−n−ペンチルターフ
ェニルなどのシアノ−ビフェニル系液晶混合物(例え
ば、メルク社商品記号E−8)、あるいはトランス−4
−n−プロピル−(4−シアノフェニル)−シクロヘキ
サン、トランス−4−n−ペンチル−(4−シアノフェ
ニル)−シクロヘキサン、トランス−4−n−ヘプチル
−(4−シアノフェニル)−シクロヘキサン、トランス
−4−n−ペンチル−(4’−シアノビフェニル)−シ
クロヘキサンなどのシクロヘキサン系液晶混合物(例え
ば、メルク社商品記号ZLI−1132、ZLI−18
40)などをあげることができる。
【0022】さらに、液晶混合体にコレステリルノナノ
エート又は施光性4−シアノ−4’−イソペンチルビフ
ェニルなどの光学活性物質を加えた電界無印加状態で
は、コレステリック相状態であり、電界印加状態でネマ
チック相状態に相転換する、いわゆるカイラルネマチッ
ク液晶混合物を使用することも出来る。
【0023】液晶としては、上記の例に限定されるもの
でなく、その他のビフェニル系液晶、フェニルシクロヘ
キサン系液晶、シッフベース系液晶、エステル系液晶、
ピリミジン系液晶、テトラジン系液晶、その他の液晶が
単体または混合物として使用できる。
【0024】本発明にかかる色素の使用は一種のみでも
よく、二種以上混合して使用することも出来る。使用す
る色素濃度は、色素が液晶に溶解する限度内であって、
且つ色素分子が液晶分子の配向によって充分配向統制さ
れ得る範囲内であればよいが、一般には液晶に対し0.
1〜10重量%の濃度、好ましくは0.1〜5重量%の
濃度で使用するのが良い。
【0025】また、本発明にかかる二色性色素と他の二
色性色素、あるいは二色性のない色素とを混合し所望の
色相として使用することも可能であり、何ら限定されな
い。二色性色素の液晶への溶解は、所定量の色素を液晶
と混合し、長時間かきまぜるかもしくは液晶が等方性液
体となる温度以上に加熱しかきまぜることによって行わ
れ、所望のカラー表示用液晶組成物とすることができ
る。
【0026】
【発明の効果】従来のPDLCに用いられている二色性
色素は種々提案されているが、基盤となる樹脂フィルム
層を染着し、コントラストの低下を引き起こしたり、二
色比が低いために実用的に鮮明な表示ができない、また
耐久性に欠ける等の欠点を有している。しかし一般式
(1)で示される本発明の二色性色素は樹脂フィルムに
対する染着性が低く、大きな二色比、および高耐久性を
有しているため該色素は実用上極めて価値ある色素であ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の二色性色素の合成例を示し、
次いで表1に代表的な色素の構造、メルク社製液晶E−
44中での二色比および最大吸収波長を示す。
【0028】表1に示す二色比は、各色素2.0重量%
を代表的ネマチック液晶であるメルク社製液晶(商品番
号E−44)に溶解し、あらかじめホモジニアス配向す
べく処理した厚さ10μmの液晶セル中に封入したの
ち、分光光度計の光路におき、液晶配列と平行な直線偏
光をあてて測定した吸光度(A‖)および液晶配列と直
角な直線偏光をあて測定した吸光度(A⊥)を測定し、
次式(数1)
【数1】 より算出したものである。
【0029】本発明の二色性色素はいずれも極めて高い
二色比を示し、PDLCにおいてはマトリックス樹脂染
色性のない化合物であった。なお、実施例中の「部」は
重量部を示す。
【0030】実施例1 4−ヘキシル−4’−ヒドロキシアゾベンゼン8.7
部、1,5−ジアミノ−2,6−ジブロモ−4,8−ジ
ヒドロキシアントラキノン5.0部、炭酸カリウム4.
5部をDMF50部中に入れ、窒素雰囲気下、120℃
で8時間反応した。冷却後、水30部中に排出し、濾
過、水洗、乾燥して10.2部の粗生成物を得た。これ
をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(トルエン展
開)により精製し、次式(5)(化5)(表1の色素番
号2)の色素3.32部(収率32%)を得た。
【0031】
【化5】
【0032】次に、小ビーカーにメルク社製液晶E−4
4 100部に対し、上記の色素1.5部を加え約80
℃にて加熱撹拌して完全に清澄な溶液とした。次いで内
容物を放置冷却した後、液晶表示素子内にこの着色液晶
を減圧下封入した。この表示装置は、電圧無印加時に青
色を示し、電圧印加時には電極部分のみが無色となり、
良好なコントラストを示した。
【0033】また、この精製色素の二色比は極大吸収波
長639nmにおいて12.8を示した。また、サンシ
ャインウェザーメーターにより200時間の耐光テスト
では吸収スペクトルおよび二色比の変化は1%以内で良
好な結果を示した。
【0034】また、この染料2%を溶解した液晶E−4
4 40部、水16部、PVA20/30(エアコ社製
商品名)3.7部、ガントレス169(GAF社製ポリ
メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物共重合体)
0.2部、グリセリン0.1部を混合し、ホモジナイザ
ーにて激しく攪拌しエマルジョン化した。
【0035】生成したエマルジョンを予めインジウム・
スズ酸化物(ITO)を蒸着しておいたマイラー膜上に
0.5ミリの厚さでコートした。こうして得られたフィ
ルムをITOをコートした別のマイラー膜に重ね、10
0℃の乾燥機に1時間放置した。さらに、室温まで冷却
後100V直流電圧で活性化し、不透明な青色の液晶フ
ィルムが得られた。
【0036】この液晶フィルムに60Hz,100Vの
交流電圧を印加すると、青色から無色へ変化し、良好な
コントラストが得られた。さらに、本フィルム表示板を
2週間室温で放置後、アセトン中に入れ、液晶層を抽出
してマトリックス樹脂フィルムのみにして、色素による
樹脂の染色性を調べたところ、まったく着色が見られ
ず、良好な結果を示した。
【0037】実施例2 実施例1において用いた1,5−ジアミノ−2,6−ジ
ブロモ−4,8−ジヒドロキシアントラキノンの代わり
に1,5−ジアミノ−3,7−ジブロモ−4,8−ジヒ
ドロキシアントラキノンを用い、全く同様にして反応を
行い、精製し、次式(6)(化6)(表2の色素番号2
5)の色素を得た。本色素の二色比は極大吸収波長63
5nmにおいて13.2と良好な値を示し、PDLCに
おいても前記同様、良好な結果を得た。
【0038】
【化6】
【0039】実施例3〜43 上記と同様にして得られた色素(表1〜3中の色素番号
3〜43の化合物)の構造と、二色比をまとめて表1〜
3に示す。
【0040】なお、表1〜3にはPDLCにおけるマト
リックス樹脂染色性を実施例1と同様にしして観測した
結果もあわせて示している。また、表中の置換基の位置
は次の一般式(7)(化7)に準じて表した。
【0041】
【化7】
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 〔式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子
    または水素原子を示し、R2およびR3は、水素原子、ハ
    ロゲン原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエ
    トキシ基を示し、互いに同一あるいは異なっていてもよ
    い。〕で表される液晶添加用二色性色素。
JP15675691A 1991-06-27 1991-06-27 液晶添加用二色性色素 Pending JPH0616955A (ja)

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