JPH06169559A - ステッピングモータ用ロータ - Google Patents

ステッピングモータ用ロータ

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JPH06169559A
JPH06169559A JP4320440A JP32044092A JPH06169559A JP H06169559 A JPH06169559 A JP H06169559A JP 4320440 A JP4320440 A JP 4320440A JP 32044092 A JP32044092 A JP 32044092A JP H06169559 A JPH06169559 A JP H06169559A
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JP
Japan
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rotor
magnetic
pole unit
magnetic pole
circumferential direction
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JP4320440A
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English (en)
Inventor
Hideji Watanabe
秀次 渡辺
Tsunao Yura
綱雄 由良
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Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で高出力を得ることができるステ
ッピングモータ用ロータを提供する。 【構成】 周方向に間隔をあけて配置された複数のN磁
極を有するN磁極ユニット11と周方向に間隔をあけて
配置された複数のS磁極を有するS磁極ユニット12と
を軸線方向に並べて回転軸14に取り付ける。N磁極ユ
ニット11の磁極ピッチとS磁極ユニット12の磁極ピ
ッチとを周方向に所定ピッチずらす。N磁極ユニット1
1及びS磁極ユニット12を、それぞれパウダー磁石粉
を主たる原材料として粉体成形技術またはモールド成形
技術により一体成形し、外周側に一方の極性の磁極が現
れるように着磁した成形マグネットから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステッピングモータのロ
ータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9(A)は従来のハイブリッドPM形
ステッピングモータの概略構成を示す断面図である。な
おこの図においては、磁束の流れの図示の関係上から断
面部分を示すハッチングは省略してある。従来のステッ
ピングモータのロータは、円筒状の永久磁石1の両端に
鋼板を積層して形成したカップ状のロータヨーク2及び
3を嵌合し、これらの軸中心に回転軸4を貫通させた構
造を有している。ロータヨーク2及び3の外周部には、
それぞれ周方向に間隔をあけて複数の極歯2a,3aが
設けられており、各極歯がN磁極とS磁極とを構成して
いる。このロータはエアギャップを介して図示しないス
テータの内周面と対向する。従来のロータにおいて、永
久磁石1からステータ側に流れて戻ってくる磁束φの分
布は図に示す通りであり、永久磁石1に近い部分ほど磁
束密度が高く、永久磁石1から離れるに従って磁束密度
が低くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な磁束分布であ
るため、ロータヨーク2及び3の軸線方向の寸法L1を
長くしても、ステッピングモータの出力を増加させるこ
とはできなかった。またいくら保持力の大きな永久磁石
を用いても、ロータヨークを構成する鉄や珪素鋼板等の
磁性材料の磁気特性で磁束密度の飽和が生じるため、従
来の構造では磁束密度を高めることに限界があった。そ
こで従来は、高出力を得るために、図9(B)に示すよ
うに、図9(A)に示すロータ構造を1単位としてこれ
をスペーサ5を介して複数単位軸方向に並べたロータを
採用していたが、このロータは構造が複雑で且つ軸線方
向の長さが長くなる上、価格が非常に高価になるという
問題があった。
【0004】また従来のロータで用いるロータヨーク
2,3は鉄材や珪素鋼板を用いて構成されているため、
ロータヨークの外周面の錆を防ぐ必要があった。そのた
めに従来は、ロータヨークの外周面に防錆塗料やその他
の防錆剤を用いて防錆膜を形成していた。しかしながら
ステッピングモータは、他のモータと比べてロータとス
テータとの間のエアギャップの寸法が小さいため、防錆
膜の膜厚の制御管理に多大の労力を費していた。
【0005】さらに従来のロータで用いるロータヨーク
2,3では、機械加工を必要とするため、機械加工で生
じたバリを刃先表面から取除く作業が必要であった。前
述のように、ステッピングモータは、他のモータと比べ
てロータとステータとの間のエアギャップの寸法が小さ
いため、もしバリが残っていて、このバリが動きやすい
状態にあると、エアギャップに発生する磁束にこのバリ
が吸引されてギャップ内にバリが入り込み、ロータの外
周部とステータの内周部とが当たって、回転不良を発生
させたり、角度誤差を大きくすることがあった。
【0006】本発明の目的は、簡単でしかも小形な構造
で高出力を得ることができるステッピングモータ用ロー
タを提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、防錆処理が不要なス
テッピングモータ用ロータを提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、バリが発生する
ような機械加工が不要なステッピングモータ用ロータを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、周方向に間隔
をあけて配置された複数のN磁極を有するN磁極ユニッ
トと周方向に間隔をあけて配置された複数のS磁極を有
するS磁極ユニットとが、軸線方向に並び且つ複数のN
磁極のピッチと複数のS磁極のピッチが所定ピッチずれ
るようにして回転軸に取り付けられてなるステッピング
モータ用ロータを対象にする。
【0010】請求項1の発明では、N磁極ユニット及び
S磁極ユニットを、それぞれパウダー磁石粉を主たる原
材料として粉体成形技術またはモールド成形技術により
一体成形して外周側に一方の極性の磁極が現れるように
着磁した成形マグネットから構成する。この成形マグネ
ットは、請求項2の発明のように外周側に極歯を備えた
形状としてもよい。またN磁極ユニット及びS磁極ユニ
ットを構成する二つの成形マグネットは、請求項3の発
明のようにそれぞれ共通のロータボスを介して回転軸に
取り付けることができる。
【0011】請求項4の発明では、ロータボスに重量バ
ランスを崩さないようにして内部に空洞部を形成する。
【0012】請求項5の発明では、N磁極ユニットを回
転軸に固定された筒状のロータヨークの半部と該半部の
外周部に周方向に所定の間隔をあけて且つN極が外側に
現れるように植設した複数のマグネットピースとから構
成する。またS磁極ユニットを回転軸に固定されたロー
タヨークの残りの半部と該残りの半部の外周部に周方向
に所定の間隔をあけて且つS極が外側に現れるように植
設した複数のマグネットピースとから構成する。そして
複数のマグネットピースとして、パウダー磁石粉を主た
る原材料として粉体成形技術またはモールド成形技術に
より成形して着磁した成形マグネットである。
【0013】請求項6の発明では、N磁極ユニットを回
転軸にロータボスを介して固定した筒状磁性体の半部を
周方向に所定の間隔で複数のN磁極が現れるように着磁
して構成する。またS磁極ユニットを筒状磁性体の残り
の半部を周方向に所定の間隔で複数のS磁極が現れるよ
うに着磁して構成する。筒状磁性体はパウダー磁石粉を
主たる原材料として粉体成形技術またはモールド成形技
術により成形した成形マグネットである。
【0014】請求項7の発明では、回転軸にロータボス
を介して固定され一方の半部が径方向外側にN極が現れ
るように着磁され他方の半部が径方向外側にS極が現れ
るように着磁された筒状磁性体と、径方向外側に複数の
極歯を有し且つ筒状磁性体の一方の半部の外側に嵌合さ
れた第1のロータヨークと、径方向外側に複数の極歯を
有し且つ筒状磁性体の前記他方の半部の外側に嵌合され
た第2のロータヨークとを用意して、N磁極ユニットを
筒状磁性体の一方の半部と第1のロータヨークとから構
成し、S磁極ユニットを筒状磁性体の他方の半部と第2
のロータヨークとから構成する。そして筒状磁性体はパ
ウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術または
モールド成形技術により成形した成形マグネットを用い
る。
【0015】
【作用】請求項1,5及び6の発明のように成形マグネ
ットを利用して、N磁極ユニットとS磁極ユニットの各
磁極を構成すると、ロータの磁極を直接マグネットで構
成できるため、各磁極から出る磁束の分布を軸線方向に
沿ってほぼ均一にすることができ、磁極の軸線方向の長
さを増加させるだけで簡単に高出力用のロータを得るこ
とができる。またパウダー磁石粉を主たる原材料として
粉体成形技術またはモールド成形技術により成形した成
形マグネットを用いると、複雑な切削加工を必要とする
ことなく、複雑な形状のマグネットを安価に得ることが
でき、ロータの価格を下げることができる。
【0016】特に請求項1及び6の発明のように、N磁
極ユニットとS磁極ユニットを成形マグネットから構成
すると、ロータの防錆処理が不要であり、しかもロータ
外形の機械的な二次加工が不要になる。
【0017】また請求項4の発明のように、ロータボス
に重量バランスを崩さないようにして内部に空洞部を形
成すると、ロータのイナーシャを小さくすることがで
き、高速応答性を改善できる。
【0018】請求項7の発明によっても、各磁極から出
る磁束の分布を軸線方向に沿ってほぼ均一にすることが
でき、磁極の軸線方向の長さを増加させるだけで簡単に
高出力用のロータを得ることができる。
【0019】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。図1(A)は本発明のステッピングモータ用
ロータの斜視図を示して、図1(B)は磁束の流れを示
すための断面図である。これらの図において、11はN
磁極ユニット、12はS磁極ユニット、13は磁性材料
または非磁性材料からなる円筒状のロータボスであり、
14は回転軸である。N磁極ユニット11及びS磁極ユ
ニット12は、ロータボス13に嵌合される円筒状基部
11a及び12aを有しており、円筒状基部11a及び
12aの外周側には一体に複数の極歯11b…及び12
b…が設けられている。N磁極ユニット11及びS磁極
ユニット12は、それぞれ径方向に着磁されており、N
磁極ユニット11の複数の極歯11b…は複数のN磁極
を構成しており、S磁極ユニット12の複数の極歯12
b…は複数のS磁極を構成している。そしてN磁極ユニ
ット11とS磁極ユニット12は、それぞれ複数のN磁
極のピッチと複数のS磁極のピッチが約1/4ピッチ〜
3/4ピッチだけ周方向にずれるようにして回転軸14
に取り付けられている。
【0020】図1(B)から判るように、このロータの
磁束φの分布は軸線方向に沿ってほぼ均一であり、磁極
ユニット11及び12の外周からは軸線方向の全長に亘
ってほぼ均一な磁束が出ている。したがって磁極ユニッ
トの軸線方向の長さ寸法Lを長くすることにより高出力
を得ることができる。
【0021】両磁極ユニット11及び12は、粉体成形
技術またはモールド成形技術を利用して一体成形されて
着磁された成形マグネットから構成される。粉体成形技
術を用いる場合には、パウダー磁石粉とバインダとを混
合した原材料を磁極ユニットの型の中にインジェクショ
ンして成形品を作り、この成形品を乾燥した後に、所定
の温度の加熱炉内で焼き上げて磁極ユニットを製造す
る。モールド成形技術を用いる場合には、プラスチック
樹脂中にパウダー磁石粉を混練し、磁極ユニットの型の
中にインジェクションし、プラスチック樹脂を硬化させ
ることにより磁極ユニットを製造する。なおバインダま
たはプラスッチク樹脂は、できるだけ磁石性能を低下さ
せないものを選ぶ必要があるが、もしバインダまたはプ
ラスチック樹脂として磁石性能に多少影響を与えざるを
得ないものを用いる場合には、高性能材料を用いればよ
い。特にモールド成形技術を用いる場合には、パウダー
磁石粉の材料として希土類磁石や、ネオジウム材等の高
性能材料を用いることができる。
【0022】ロータボス13の回転軸14への結合及び
両磁極ユニット11及び12のロータボス13への結合
は、接着剤を用いてもよいが、ロータの中心に配置され
る回転軸14に一対の締付部品を取付けて、一対の締付
部品を軸線方向内側に向かって締め付けることにより、
各部材を相互に結合させるようにしてもよい。
【0023】上記実施例のロータボス13は、両磁極ユ
ニット11及び12と回転軸14との間を完全に埋める
構造を有しているが、ロータのイナーシャを小さくして
高速応答性能を高めるためには、ロータボスの重量を低
減させる構造を採用すればよい。例えば、図2に示すロ
ータボス13´のように軸線方向の両端部分に円筒状の
空洞部13a´,13a´を形成する。これらの空洞部
13a´,13a´は、直径がD2で高さがL2の円筒
形状を有している。空洞部を設けてイナーシャを小さく
するといっても、ロータボス13´の重量バランスを崩
さないようにするのが好ましい。そのためにはロータボ
ス13´の中央部13b´の軸線方向両側にそれぞれ位
置する部分の重量が等しくなるように空洞部を形成する
必要がある。
【0024】ロータボスの重量を少なくしてロータのイ
ナーシャを小さくするための具体的な構造は、図2の構
造に限定されるものではない。図3は、イナーシャの小
さいロータの他の例を示すステッピングモータの半部断
面図を示している。この図において15はステータ鉄心
であり、16はステータ鉄心の各磁極に巻装されたステ
ータコイルである。ステータ鉄心15は筒状のハウジン
グ17の内周面に固定されており、ハウンジグ17の一
端にはインナーヨーク18のフランジ部18aが嵌合固
定され、ハウンジング17の他端にはエンドプレート1
9が嵌合固定されている。インナーヨーク18の筒状部
18bの内側にはボールベリング20及び21の一方の
ハウジング20a及び21aが嵌合されて固定されてお
り、ボールベリング20及び21の他方のハウジング2
0b及び21bは回転軸14に嵌合されて固定されてい
る。なお23はスナップリングである。ロータボス22
は、中央に回転軸が嵌合される貫通孔を備えて径方向に
延びる円板状の支持部22aと、支持部22aの端部近
傍から軸線方向に回転軸14に沿って延びる円筒部22
bとから構成される。円筒部22bは支持部22aの径
方向外側の端面から径方向内側に下がった位置から延び
ているため、支持部22aと円筒部22bとの間に形成
される段部22cが、N磁極ユニット11のストッパと
して機能している。この実施例における磁束φの流れ
は、図に矢印で示す通りである。本実施例のようにロー
タを構成すると、ロータのイナーシャを大幅に小さくで
きる。
【0025】図4(A)は、請求項5の発明に直接的に
対応するロータの実施例の斜視図であり、図4(B)は
ロータの一部断面図である。本実施例のロータは、想像
線で示した回転軸14に嵌合される導磁性材料から形成
されたロータヨーク24と、ロータヨークに植設された
複数のマグネットピース25…及び26…とから構成さ
れる。ロータヨーク24の中央部から軸線方向の一方の
方向に位置する第1の半部24Aの外周部には周方向に
所定の間隔をあけ且つ軸線方向に延びる複数の溝部24
a…が形成されている。またロータヨーク24の中央部
から軸線方向の他方の方向に位置する第2の半部24B
にも同様の複数の溝部24b(図示していないが説明の
都合上符号を付す。)が形成されている。なおこれらの
溝部24a…及び24b…はそれぞれ、第1の半部24
A及び第2の半部24Bの全長に亘って延びているが、
溝部24a…と溝部24b…は、周方向の位置関係が約
1/4ピッチ〜3/4ピッチだけ周方向にずれるように
して形成されている。そしてこれらの溝部24a…及び
24b…に、マグネットピース25…及び26…が嵌合
されて適宜の接合手段を用いて固定されている。なおロ
ータヨーク24は、鋳造又は射出成形技術を用いて製造
するのが好ましいが、機械加工によって各溝部を形成し
てもよいのは勿論である。
【0026】マグネットピース25…及び26…は、パ
ウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術または
モールド成形技術により一体成形した成形品を着磁して
なる成形マグネットである。したがってマグネットピー
ス25…及び26…は、形状が多少複雑になっても安価
に大量生産が可能である。なお本実施例では、マグネッ
トピース25…及び26…は、軸線方向と直交する方向
の断面形状が矩形状になる直方体形状を有している。マ
グネットピース25…は溝部24b…に嵌合された状態
で径方向外側にN極が現れるようにして固定されてお
り、マグネットピース26…は溝部24a…に嵌合され
た状態で径方向外側にS極が現れるようにして固定され
ている。
【0027】上記実施例において、第1の半部24Aと
マグネットピース26…とによってS磁極ユニットが構
成され、第2の半部24Bとマグネットピース25…と
によってN磁極ユニットが構成されている。上記実施例
においては、ロータヨーク24に溝部を形成してこの溝
部にマグネットピースを嵌合させることによりマグネッ
トピースをロータヨークに植設したが、その他の嵌合構
造を用いたり、ロータヨークを鋳造又は射出成形技術に
より形成する際に複数のマグネットピースをロータヨー
クと一体化させるようにしてマグネットピースをロータ
ヨークに植設してもよい。
【0028】図5(A)は、請求項6に記載の発明に直
接的に対応するロータの実施例の斜視図であり、図5
(B)はロータの一部断面図である。本実施例において
は、パウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術
またはモールド成形技術により成形した筒状の成形マグ
ネットからなる筒状磁性体27を用いる。この筒状磁性
体27の中央部から軸線方向の一方の方向に位置する第
1の半部27Aが周方向に所定の間隔で複数のS磁極が
現れるように着磁されて、S磁極ユニットが構成されて
いる。また筒状磁性体27の中央部から軸線方向の他方
の方向に位置する第2の半部27Bが周方向に所定の間
隔で複数のN磁極が現れるように着磁されて、N磁極ユ
ニットが構成されている。本実施例においてもN磁極の
着磁ピッチとS磁極の着磁ピッチは、周方向の位置関係
が約1/4ピッチ〜3/4ピッチだけ周方向にずれるよ
うにしてある。筒状磁性体27は、図1の実施例と同様
に導磁性のロータボス13を介して回転軸14に対して
固定されている。この実施例の磁束φの流れは図5
(B)に示す通りである。なお、図5(A)において文
字「S」はS磁極、文字「N」はN磁極、文字「X」は
未着磁部分を意味している。
【0029】図6(A)及び(B)は、それぞれ図5の
ロータの回転角度θに対するS磁極ユニット及びN磁極
ユニットから発生する磁束の磁束密度分布を示してい
る。図6(A)及び(B)において、実線で示した曲線
は対応する磁極ユニットから発生する磁束による磁束密
度の分布であり、文字「X」で示した部分は未着磁部分
に対応しており、破線で示した曲線は漏洩磁束の影響で
変化する未着磁部分の磁束密度の変化範囲である。
【0030】図7(A)は、請求項7に記載の発明に直
接的に対応するロータの実施例の斜視図であり、図7
(B)はロータの一部断面図である。本実施例において
は、パウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術
またはモールド成形技術により成形した筒状の成形マグ
ネットからなる筒状磁性体28と、第1及び第2のロー
タヨーク29A及び29Bとを用いる。筒状磁性体28
は、回転軸14にロータボス13を介して固定され一方
の半部28Bが径方向外側にN極が現れるように着磁さ
れ他方の半部28Aが径方向外側にS極が現れるように
着磁されている。そして径方向外側に複数の極歯を有す
る第2のロータヨーク29Bは筒状磁性体28の一方の
半部28Bの外側に嵌合され、径方向外側に複数の極歯
を有する第1のロータヨーク29Aは筒状磁性体28の
他方の半部28Aの外側に嵌合される。第1及び第2の
ロータヨーク29A及び29Bは、それぞれの極歯が一
方のロータヨークの極歯に対して約1/4ピッチ〜3/
4ピッチだけ周方向にずれるように嵌合されている。第
1及び第2のロータヨーク29A及び29Bは磁性材料
によって形成されているのは勿論であるが、これらのロ
ータヨークも筒状磁性体28と同様に粉体成形技術また
はモールド成形技術により成形すれば、機械加工が不要
になる。
【0031】ここで上記各実施例のロータを用いた場合
と従来のロータを用いた場合とにおいてロータとステー
タ鉄心との間のギャップに発生する磁束の磁束密度Bg
の状態について説明する。図8(A)は図9に示した従
来のロータを用いた場合のギャップに発生する磁束の磁
束密度Bgの状態を示しており、図8(B)は図1〜図
5に示した実施例のロータを用いた場合のギャップに発
生する磁束の磁束密度Bgの状態を示しており、図8
(C)は図7の実施例のロータを用いた場合のギャップ
に発生する磁束の磁束密度Bgの状態を示している。図
8(A)の図においてS1 の部分の面積は磁束量に相当
する。S1 の面積が大きくなればなるほど、それだけト
ルクを増大させることができる。図8(B)を見ると、
ロータに軸線方向の端部付近まで磁束密度が高く、しか
もS2 の部分の面積は大きい。従って従来のロータと比
べてトルクが大幅に改善される。ステッピングモータの
応用では、必ずしも高速応答性能のみが要求されるわけ
ではない。回転むらや、振動等が小さいことも要求され
る。これらの特性の改善の一方策として、回転子後軸に
慣性体を付加し、イナーシャダンパによって特性の改善
を行うことも提案されている。この様なことから図8
(C)に示すようにロータを軸線方向にステータ鉄心か
ら食み出す程度に長くしても不利にはならない。この場
合には、ロータの軸線方向の両端から食み出した部分の
磁束が集められてステータに流れるため、ステータ端部
の磁束密度が高くなり、それによりS3 の部分の面積が
大きくなってトルクの増大につながる。
【0032】
【発明の効果】請求項1,5,6及び7の発明によれ
ば、成形マグネットを利用してN磁極ユニットとS磁極
ユニットの各磁極を構成するため、各磁極から出る磁束
の分布を軸線方向に沿ってほぼ均一にすることができ
て、磁極の軸線方向の長さを増加させるだけで簡単に高
出力用のロータを得ることができる利点がある。またパ
ウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術または
モールド成形技術により成形した成形マグネットを用い
ると、複雑な切削加工を必要とすることなく、複雑な形
状のマグネットを安価に得ることができ、ロータの価格
を下げることができる利点がある。
【0033】また請求項1及び6の発明によれば、N磁
極ユニットとS磁極ユニットを成形マグネットから構成
するため、ロータの防錆処理が不要になる上、ロータ外
形の機械的な二次加工が不要になる利点がある。
【0034】更に請求項4の発明によれば、ロータボス
に重量バランスを崩さないようにして内部に空洞部を形
成するため、ロータのイナーシャを小さくすることがで
きて高速応答性を改善できる利点がある。
【0035】請求項7の発明によっても、各磁極から出
る磁束の分布を軸線方向に沿ってほぼ均一にすることが
でき、磁極の軸線方向の長さを増加させるだけで簡単に
高出力用のロータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のロータの一実施例の斜視図で
あり、(B)は図1(A)のロータの磁束の流れを示す
ための概略断面図である。
【図2】本発明のロータの他の実施例の半部の断面を示
す断面図である。
【図3】本発明のロータの更に他の実施例を適用したス
テッピングモータの半部の断面図である。
【図4】(A)は本発明のロータの更に他の実施例の斜
視図であり、(B)は図4(A)のロータの磁束の流れ
を示すための概略部分断面図である。
【図5】(A)は本発明のロータの他の実施例の斜視図
であり、(B)は図5(A)のロータの磁束の流れを示
すための概略部分断面図である。
【図6】(A)及び(B)は、それぞれ図5のロータの
回転角度θに対するS磁極ユニット及びN磁極ユニット
から発生する磁束の磁束密度分布を示している。
【図7】(A)は本発明のロータの他の実施例の斜視図
であり、(B)は図7(A)のロータの磁束の流れを示
すための概略部分断面図である。
【図8】(A)は従来のロータを用いた場合のロータと
ステータとの間に発生する磁束の磁束密度の状態を示す
図、(B)及び(C)は本発明の実施例のロータを用い
た場合のロータとステータとの間に発生する磁束の磁束
密度の状態を示す図である。
【図9】(A)及び(B)は、それぞれ従来のロータの
構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 永久磁石 2,3 ロータヨーク 4 回転軸 11 N磁極ユニット 12 S磁極ユニット 13 ロータボス 14 回転軸 15 ステータ鉄心 16 巻線 17 ハウジング 18 インナーヨーク 19 エンドプレート 20,21 ボールベアリング 22 ロータボス 24 ロータヨーク 25,26 マグネットピース 27,28 筒状磁性体 29A,29B ロータヨーク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に間隔をあけて配置された複数の
    N磁極を有するN磁極ユニットと周方向に間隔をあけて
    配置された複数のS磁極を有するS磁極ユニットとが、
    軸線方向に並び且つ前記複数のN磁極のピッチと前記複
    数のS磁極のピッチが所定ピッチずれるようにして回転
    軸に取り付けられてなるステッピングモータ用ロータで
    あって、 前記N磁極ユニット及びS磁極ユニットは、それぞれパ
    ウダー磁石粉を主たる原材料として粉体成形技術または
    モールド成形技術により一体成形されて外周側に一方の
    極性の磁極が現れるように着磁された成形マグネットか
    らなるステッピングモータ用ロータ。
  2. 【請求項2】 前記成形マグネットは外周側に極歯を備
    えた形状を有する請求項1に記載のステッピングモータ
    用ロータ。
  3. 【請求項3】 前記N磁極ユニット及びS磁極ユニット
    を構成する二つの前記成形マグネットは、それぞれ共通
    のロータボスを介して前記回転軸に取り付けられている
    請求項1または2に記載のステッピングモータ用ロー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記ロータボスには重量バランスを崩さ
    ないようにして内部に空洞部が形成されている請求項3
    に記載のステッピングモータ用ロータ。
  5. 【請求項5】 周方向に間隔をあけて配置された複数の
    N磁極を有するN磁極ユニットと周方向に間隔をあけて
    配置された複数のS磁極を有するS磁極ユニットとが、
    軸線方向に並び且つ前記複数のN磁極のピッチと前記複
    数のS磁極のピッチが所定ピッチずれるようにして回転
    軸に取り付けられてなるステッピングモータ用ロータで
    あって、 前記N磁極ユニットは前記回転軸に固定された筒状のロ
    ータヨークの半部と前記半部の外周部に周方向に所定の
    間隔をあけて且つN極が外側に現れるように植設された
    複数のマグネットピースとからなり、 前記S磁極ユニットは前記回転軸に固定されたロータヨ
    ークの残りの半部と前記残りの半部の外周部に周方向に
    所定の間隔をあけて且つS極が外側に現れるように植設
    された複数のマグネットピースとからなり、 前記複数のマグネットピースはパウダー磁石粉を主たる
    原材料として粉体成形技術またはモールド成形技術によ
    り一体成形されて着磁された成形マグネットからなるス
    テッピングモータ用ロータ。
  6. 【請求項6】 周方向に間隔をあけて配置された複数の
    N磁極を有するN磁極ユニットと周方向に間隔をあけて
    配置された複数のS磁極を有するS磁極ユニットとが、
    軸線方向に並び且つ前記複数のN磁極のピッチと前記複
    数のS磁極のピッチが所定ピッチずれるようにして回転
    軸に取り付けられてなるステッピングモータ用ロータで
    あって、 前記N磁極ユニットは前記回転軸にロータボスを介して
    固定された筒状磁性体の半部が周方向に所定の間隔で複
    数のN磁極が現れるように着磁されて構成されており、 前記S磁極ユニットは前記筒状磁性体の残りの半部が周
    方向に所定の間隔で複数のS磁極が現れるように着磁さ
    れて構成されており、 前記筒状磁性体がパウダー磁石粉を主たる原材料として
    粉体成形技術またはモールド成形技術により成形された
    成形マグネットからなるステッピングモータ用ロータ。
  7. 【請求項7】 周方向に間隔をあけて配置された複数の
    N磁極を有するN磁極ユニットと周方向に間隔をあけて
    配置された複数のS磁極を有するS磁極ユニットとが、
    軸線方向に並び且つ前記複数のN磁極のピッチと前記複
    数のS磁極のピッチが所定ピッチずれるようにして回転
    軸に取り付けられてなるステッピングモータ用ロータで
    あって、 前記回転軸にロータボスを介して固定され一方の半部が
    径方向外側にN極が現れるように着磁され他方の半部が
    径方向外側にS極が現れるように着磁された筒状磁性体
    と、 径方向外側に複数の極歯を有し且つ前記筒状磁性体の前
    記一方の半部の外側に嵌合された第1のロータヨーク
    と、 径方向外側に複数の極歯を有し且つ前記筒状磁性体の前
    記他方の半部の外側に嵌合された第2のロータヨークと
    を具備し、 前記N磁極ユニットは前記筒状磁性体の前記一方の半部
    と前記第1のロータヨークとから構成され、 前記S磁極ユニットは前記筒状磁性体の前記他方の半部
    と前記第2のロータヨークとから構成され、 前記筒状磁性体がパウダー磁石粉を主たる原材料として
    粉体成形技術またはモールド成形技術により成形された
    成形マグネットからなるステッピングモータ用ロータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7569953B2 (en) 2004-12-15 2009-08-04 Sanyo Denki Co., Ltd. Rotor for hybrid type stepping motor and manufacturing method thereof
JP2015056984A (ja) * 2013-09-12 2015-03-23 三菱電機株式会社 回転電機及びそれを備えた空調機器

Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6450749A (en) * 1987-08-20 1989-02-27 Seiko Epson Corp Rotor
JPH02229404A (ja) * 1990-01-10 1990-09-12 Seiko Epson Corp ステッピングモータ

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