JPH06168821A - 軟磁性薄膜 - Google Patents

軟磁性薄膜

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JPH06168821A
JPH06168821A JP34316692A JP34316692A JPH06168821A JP H06168821 A JPH06168821 A JP H06168821A JP 34316692 A JP34316692 A JP 34316692A JP 34316692 A JP34316692 A JP 34316692A JP H06168821 A JPH06168821 A JP H06168821A
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JP
Japan
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thin film
alloy
substrate
plane
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP34316692A
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English (en)
Inventor
Seiji Yaegashi
誠司 八重樫
Toshiya Kurihara
敏也 栗原
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Fe又はFe基合金を使用して形成され、透
磁率が高く磁性特性に優れた軟磁性薄膜を提供すること
である。 【構成】 基板又は下地膜を有する基板の場合にはその
下地膜にその表面の結晶面が(111)面であって、そ
の配向性がロッキングカーブ測定による半値幅で2.0
°以下である半導体材料を用い、体心立方晶のFe又は
Fe基合金薄膜の表面の結晶面が(111)面となるよ
うにした。 【効果】 薄膜は(111)面が高い配向性で配向した
結晶からなるので、高透磁率で保持力が小さく、磁性特
性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気ヘッドなど
に用いられる軟磁性薄膜に関し、特に体心立方晶構造の
強磁性物質であるFe又はFe基合金薄膜の結晶面を特
定方向に配向させた軟磁性薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
信号の高密度化に伴い、高い保持力と残留磁束密度とを
有するメタル系の磁気記録媒体が使用されてるようにな
って来ており、このため磁気記録及び/又は再生を行な
う磁気ヘッドのコア材料には、高い飽和磁束密度及び透
磁率を有することが要求されている。
【0003】しかし、コア材料として最も広く使用され
ている強磁性酸化物であるフェライトは、満足の行く特
性を得にくいので、最近ではFe−Si−Al系合金の
磁性薄膜やFe基の高飽和磁束密度を有する合金薄膜
が、積層薄膜型磁気ヘッド用コア材料として急速に注目
を浴びている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のFe−Si−A
l系合金は、飽和磁歪λf と結晶磁気異方性K1 が共に
ゼロに近く理想的な性質を持つ材料であり、高透磁率で
保持力が小さいという軟磁気特性に優れている。しか
し、その理想的な組成においては飽和磁束密度は10〜
11kガウス程度であり、その値は必ずしも十分とは言
えない。
【0005】そのため上記Fe−Si−Al系合金に代
わり、高周波領域での透磁率の低下が少なく、高い飽和
磁束密度を有するCo系非晶質磁性合金材料(アモルフ
ァス磁性合金材料)も開発されているが、この非晶質磁
性合金材料にあっても飽和磁束密度は14kガウス程度
であり、十分とは言えない。
【0006】このようなことから、本発明者等は、高透
磁率で保持力が小さい磁性特性に優れた軟磁性薄膜を得
るべく、体心立方晶構造を備えるFe又はFe基合金に
ついて薄膜を作成して鋭意研究を重ねた。
【0007】その結果、Fe又はFe基合金の薄膜を形
成する基板又は下地膜が形成された基板ではその下地膜
に、表面の結晶面が(111)面であってその配向性の
良い半導体材料を使用して、基板上にFe又はFe基合
金の薄膜を、その薄膜の(111)面が基板又は下地膜
表面の結晶面と平行に配向するように形成すれば、スパ
ッタリング法により目的の軟磁性薄膜を得ることがで
き、その製造方法も容易であることを見出した。
【0008】同様の技術としては、特開平3−1610
5号公報に、ガラス基板上にZnSe膜をスパッタリン
グし、更にその上にFeをスパッタリングしたものがあ
るが、このようにガラス基板上にスパッタリングしたZ
nSe膜では、その配向性はロッキングカーブ測定によ
る半値幅で5°前後と悪く、得られる軟磁性薄膜も同公
報中の第1図に示されるように、配向性の悪いものとな
っていた。
【0009】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、本発明の目的は、半導体基板又は半導体下地膜が形
成された基板上にFe又はFe基合金を用いて形成さ
れ、透磁率が高く磁性特性に優れた軟磁性薄膜を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
軟磁性薄膜にて達成される。要約すれば本発明は、基板
又は下地膜を有する基板上にスパッタリング法によって
形成される体心立方晶構造を有するFe又はFe基合金
の薄膜であって、前記基板又は下地膜にSi、Ge、G
aP合金、AlP合金、GaAs合金、ZnSe合金、
AlAs合金、CdS合金及びInP合金の中から選択
された半導体材料が用いられ、前記基板又は下地膜表面
の結晶面が(111)面であって、その配向性がロッキ
ングカーブ測定による半値幅で2.0°以下であり、前
記薄膜表面の結晶面が(111)面であることを特徴と
する軟磁性薄膜である。
【0011】本発明の軟磁性薄膜によれば、基板又は下
地膜を有する基板ではその下地膜に配向性の良い(11
1)面半導体材料を使用するので、基板上に形成された
体心立方晶構造を備えるFe及びFe基合金の薄膜は、
結晶面が(111)面に良好に配向した結晶から構成さ
れ、磁化が(111)面内で回転しても面内で磁化の結
晶方位の依存性がなく、つまり(111)面内における
磁気モーメントの回転が結晶磁気異方性K1 に束縛され
ず、等方磁歪を示す。従って良好な軟磁性膜を得るにあ
たっても、結晶磁気異方性K1 をゼロにする必要がない
ため、膜の組成は飽和磁歪λf と飽和磁束密度のみを考
慮して決定することができる。又特別に膜面に対して垂
直方向に向き易い垂直磁気異方性を付与しない限り、薄
膜の磁化は(111)面内に向き、高透磁率の軟磁性薄
膜が得られる。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の軟磁性薄膜を構成するFe又はFe基合金薄膜
は、基板又は下地膜を有する基板上にスパッタリング法
によりFe又はFe基合金を成膜して得られる。
【0013】このFe基合金は、Feと同様、体心立方
晶の結晶構造を有する種類とされる。例えばFe−S
i、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Si−Al、Fe
−Co等、体心立方晶の結晶構造を有する合金である。
このような体心立方晶構造を有するFe又はFe基合金
の薄膜によれば、軟磁性膜としての好ましい特性を得易
いからである。
【0014】本発明において使用する基板は、Si、G
e、GaP合金、AlP合金、GaAs合金、ZnSe
合金、AlAs合金、CdS合金、InP合金の立方晶
構造を有する単結晶からなる(111)面の半導体基
板、或いはこのSi、Ge、GaP合金、AlP合金、
GaAs合金、ZnSe合金、AlAs合金、CdS合
金、InP合金の単結晶からなる(111)面の半導体
下地膜を有する基板である。これらの半導体基板又は半
導体下地膜のうち(111)面の配向性が良いものを使
用するので、これら半導体基板又は半導体下地膜を有す
る基板上に、エピタキシャル成長により良好な配向性を
有する(111)面の薄膜を得易くなる。
【0015】上記の薄膜は、その表面が薄膜を形成する
基板(基板に下地膜が形成されているときにはその下地
膜)表面の結晶面と同じく、(111)面になっている
ことを要する。薄膜の表面が(111)面になっていれ
ば、(111)面内で磁化が回転しても面内で結晶方位
の依存性がなく、等方磁歪を示すからである。従って特
別に膜面に対して垂直方向に向き易い垂直磁気異方性を
付与しない限り磁化は面内に向き、高透磁率の軟磁性膜
が得られるようになる。
【0016】配向性は、その結晶面のロッキングカーブ
測定による半値幅が薄膜の結晶性を反映しているので、
この半値幅を用いて配向性を評価することができる。本
発明によれば、半値幅が2.0°以下、好ましくは1.
0°以下の半導体基板又は半導体下地膜を有する基板上
にFe又はFe基合金薄膜を形成しているので、薄膜に
半値幅が2°以下の高い配向性を容易に得ることができ
る。後述の半値幅が0.1°以下のSi(111)基板
を用いた実施例では、半値幅1.0°以下の(111)
高配向性のFe薄膜が得られている。
【0017】Fe又はFe基合金薄膜の成膜法として
は、マグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、イオンビ
ームスパッタ及び対向ターゲット式スパッタなど、各種
のスパッタ法が使用できる。
【0018】薄膜を形成する前に、基板の表面(下地膜
が設けられた基板ではその下地膜の表面)を清浄化する
ために、フッ化水素水、フッ化アンモニウム水などによ
る水素終端化処理、或いはArイオンによるボンバード
メントなどの前処理を行なう必要がある。
【0019】本発明の軟磁性薄膜の成膜法の一例を示せ
ば、次の通りである。Fe−Si(99.9%)、直径
100mmの対向ターゲットを用いたスパッタ装置によ
り、Ar雰囲気でDCスパッタを行ない、鏡面研磨され
たSi(111)基板上に薄膜を形成する。この成膜に
先立ってSi基板に10〜130WのRF電力を印加し
たArイオンのボンバートメントを5〜20分間行な
い、清浄化する。
【0020】スパッタ条件は、陰極電力が200〜10
00W、ガス圧が0.5〜5mmTorr、成膜時の基
板温度が200〜400℃である。ターゲットの中心か
ら基板までの距離は120〜180mmとする。このよ
うな条件の下で成膜を行ない、厚さ0.1〜1μmの薄
膜を得る。成膜時、基板に大きさ−45〜−60V程度
のDCバイアスを印加すると、膜の配向性が変化して好
ましい配向になり易い。
【0021】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0022】実施例 陰極電力を200W、Arガス圧を1mmTorr、基
板温度を350℃とし、Fe−Siターゲットの中心か
ら基板までの距離を150mmとして、DCスパッタに
よりSi(111)半導体基板に成膜して、基板上にF
e薄膜を得た。成膜時、基板にDCバイアスを0〜−7
0Vの範囲で選択して印加した。得られた薄膜は厚さ
0.3μmで、X線回折により(111)面に配向して
いる薄膜であることが確かめられた。
【0023】上記Fe薄膜の代表例としてDCバイアス
が−40Vのときの薄膜のX線回折図形を図1に示す。
図1に示されるように、回折線は、基板として用いたS
iのピーク(111)(2次)、(333)の他は、F
e(222)ピークのみが検出されており、Fe薄膜は
(111)面配向の結晶のみからなっていることが分
る。
【0024】このようにして作成したFe薄膜の磁性特
性値を測定したところ、飽和磁束密度が1.8T、透磁
率が2000であり、磁性特性に優れた軟磁性薄膜が得
られた。
【0025】図2は、上記薄膜のFe(222)ピーク
のロッキングカーブ測定における半値幅(FWHM)及
びピークの強度と基板に印加したDCバイアスとの関係
を示したグラフである。
【0026】図2に示されるように、成膜時に基板に印
加したDCバイアスが−50Vの場合、(222)ピー
クの半値幅が最低値、X線回折強度が最高値をとってお
り、Fe薄膜の(111)面配向性が最も良くなってい
ることが分る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の軟磁性薄
膜によれば、ロッキングカーブ測定による半値幅が2°
以下の半導体基板又は半導体下地膜を有する基板上に体
心立方晶のFe又はFe基合金薄膜を形成したので、そ
の薄膜の(111)面の配向性が良くなり、高透磁率で
保持力が小さく、磁性特性に優れる。従って磁気ヘッド
のコア材料など磁性材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるFe薄膜の代表的な薄
膜のX線回折図形を示す図である。
【図2】上記Fe薄膜のFe(222)ピークのロッキ
ングカーブ測定における半値幅及びピークの全強度と基
板に印加したDCバイアスとの関係を示したグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板又は下地膜を有する基板上にスパッ
    タリング法によって形成される体心立方晶構造を有する
    Fe又はFe基合金の薄膜であって、前記基板又は下地
    膜にSi、Ge、GaP合金、AlP合金、GaAs合
    金、ZnSe合金、AlAs合金、CdS合金及びIn
    P合金の中から選択された半導体材料が用いられ、前記
    基板又は下地膜表面の結晶面が(111)面であって、
    その配向性がロッキングカーブ測定による半値幅で2.
    0°以下であり、前記薄膜表面の結晶面が(111)面
    であることを特徴とする軟磁性薄膜。
JP34316692A 1992-11-30 1992-11-30 軟磁性薄膜 Pending JPH06168821A (ja)

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