JPH06167712A - 有機溶媒可溶性のポリアミドとそれを用いた電子部品 - Google Patents

有機溶媒可溶性のポリアミドとそれを用いた電子部品

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JPH06167712A
JPH06167712A JP31971692A JP31971692A JPH06167712A JP H06167712 A JPH06167712 A JP H06167712A JP 31971692 A JP31971692 A JP 31971692A JP 31971692 A JP31971692 A JP 31971692A JP H06167712 A JPH06167712 A JP H06167712A
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JP
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liquid crystal
polyamide
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diamine
polymer
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JP31971692A
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English (en)
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Hisao Yokokura
久男 横倉
Shuichi Ohara
周一 大原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各種電子部品用の有機溶媒可溶性ポリアミドの
提供。 【構成】一般式〔1〕 【化3】 (式中、nは1〜18の整数、Xは炭素数1〜4のアル
キル基、a,bは0,1又は2を示す)で表される芳香
族ジアミンの組成物の重合体からなる有機溶媒可溶性の
ポリアミド。 【効果】本発明のポリアミドは、各種電子部品に用いた
場合、輝度むらの発生,ストレスマイグレーション等の
発生を抑えられ、各種基板のエッチング,再溶解性が著
しく容易となり、製品の歩留まりを向上することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶媒可溶性の高い
ビス−安息香酸アルキル型のポリアミドとそれを用いた
電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の電子部品の絶縁層,バッフ
ァコート膜等に主にテトラカルボン酸とジアミンを重縮
合して得られる耐熱性の優れたポリイミドやポリアミド
が用いられている。
【0003】また、液晶表示素子の配向膜として、例え
ば、ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル縮合のポリイミド(特公昭55−1018号公
報)膜をはじめ、表示素子の透明性あるいは液晶の高プ
レチルト角の要求から、これを目的とするポリイミドや
ポリアミドが提案されている(特開昭63ー259515号,特
開昭64−25126号,特開昭59−200217号,特開昭61−611
30号公報)。また、半導体素子等の多層配線用絶縁膜に
も同様に種々のポリイミド,ポリアミドが提案されてい
る(特開昭50−8469号,特開昭50−6279号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、各種の電子部品
の絶縁膜等には、電子部品生産時の歩留まり向上のた
め、低温焼成が可能で、更にエッチング,再溶解性の容
易なポリイミド,ポリアミドが要求されている。しか
し、ポリイミド膜ではイミド閉環の高温の加熱処理が必
要なため、その反応に伴う種々の問題(密着性,クラッ
ク,断線等)がある。また、硬化後のポリイミドは一般
に不融不溶のため、一旦形成された皮膜は極性溶媒,ア
ルカリ溶液等を用いてエッチング,再溶解が容易でな
く、高価な基板の再使用に問題が見られる。一方、ポリ
アミドについても溶媒に対する溶解性が低いため、膜の
成膜時に白濁化する問題がある。
【0005】例えば、液晶表示素子では大画面,高密度
化に伴い、該素子の基板が大型化,高精細となり高価な
基板が用いられている。そのため、各々、特性の向上と
共に該基板の配向膜の塗布膜の不良や表示素子のギャツ
プ不良が発生した場合、容易に剥離して再使用(repair)
が可能な材料が望まれている。基板を再使用(repair)す
る方法には、紫外線照射,プラズマ照射,アルカリ洗浄
等の組合せで一般に処理されているが、処理条件によっ
ては、配向膜下部の透明電極の抵抗が高くなる問題等も
発生する。また、半導体部品の分野でも大型化,配線の
微細化に伴い高価になると共に、絶縁層として使用する
ポリイミドの高温硬化で発生しやすい配線のストレスマ
イグレーション(材料の熱膨張係数の差によって生ずる
熱応力に基づくクラックや断線等)の問題がある。
【0006】本発明の目的は、低温焼成で特性が向上し
エッチング,再溶解性が容易な可溶性の高いポリアミド
を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、前記ポリアミドを用
いた電子部品を提供することにある
【0008】。
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、ジアミン成分の分子内の中央連結基に、親和性
の高いエステル基とフレキシブルチェーンを有するアル
キル基の両者を導入したビス−安息香酸アルキル型のジ
アミンを用いることにより前記課題を解決できることを
見出し、本発明に到達した。本発明の要旨は次のとおり
である。
【0009】(1)一般式〔1〕
【0010】
【化2】
【0011】(式中、nは1〜18の整数、Xは炭素数
1〜4のアルキル基、a,bは0,1又は2を示す)で
表される芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸もしくは
その反応性酸誘導体の重合体であるポリアミド。
【0012】(2)ジアミンが前記一般式〔1〕で示さ
れるジアミン10〜90モルと他のジアミン90〜10
モル含むものである。
【0013】前記の重合体を各種電子部品、例えば、液
晶表示素子の配向膜に用いることにより、塗布膜の不良
や表示素子のギャツプ不良が発生した基板を容易に剥離
して再生することができ、特性の点でも輝度ムラが改良
される。
【0014】また、半導体素子の絶縁膜等に使用して
も、焼成温度が低いのでアルミ配線層に加わる熱応力の
発生が小さいため、ストレスマイグレーション等を抑制
できる。更に、基板の再生,エッチングも著しく容易に
なる。
【0015】前記の一般式〔1〕で示されるビス−安息
香酸アルキル型のジアミンとしては、ビス(p−アミノ
ベンゾイルオキシ)プロパン、ビス(p−アミノベンゾ
イルオキシ)ブタン、ビス(p−アミノベンゾイルオキ
シ)ペンタン、ビス(p−アミノベンゾイルオキシ)ヘ
キサン、ビス(p−アミノベンゾイルオキシ)ヘプタ
ン、ビス(p−アミノベンゾイルオキシ)オクタン、ビ
ス(p−アミノベンゾイルオキシ)ノナン、ビス(p−
アミノベンゾイルオキシ)デカン、ビス(p−アミノベ
ンゾイルオキシ)ドデカン、ビス(p−アミノベンゾイ
ルオキシ)ペンタデカン、ビス(p−アミノベンゾイル
オキシ)ヘキサデカン、ビス(p−アミノベンゾイルオ
キシ)オクタデカン、ビス(m−アミノベンゾイルオキ
シ)プロパン、ビス(m−アミノベンゾイルオキシ)ペ
ンタン、ビス(m−アミノベンゾイルオキシ)オクタ
ン、ビス(m−アミノベンゾイルオキシ)デカン、ビス
〔3,5−ジメチル−(p−アミノベンゾイルオキシ)
プロパン、ビス〔3,5−ジエチル−(p−アミノベン
ゾイルオキシ)プロパン等のジアミンがある。これら
は、上記、ビス−安息香酸アルキル型以外のジアミンを
モル比で10〜90配合して使用するのがよい。90モ
ルより多くなると重合度が上がりにくいと云う問題があ
る。
【0016】前記ビス−安息香酸アルキル型以外のジア
ミンとしては、2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス〔4−(p−
アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、2,2−ビス
〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕エステル、
2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルホン、2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ビフェニル、2,2−ビス〔4−(p
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕ペンタ
ン、2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕オクタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス〔4−(4ーアミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−
ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン等がある。
【0017】また、前記以外のジアミン例えば、フェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジア
ミノジフェニルスルホン、ジアミノナフタレン、ジアミ
ノシクロヘキサン、1,6−ジアミノヘキサン、ジアミ
ノシロキサン、ジアミノシラン等も併用することが可能
である。
【0018】本発明における芳香族ジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸,イソフタル酸,ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸,ジフェニルスルホンジカルボン
酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェニルメタンジカル
ボン酸,ナフタレンジカルボン酸等がある。なお、その
反応性酸誘導体とは、前記芳香族ジカルボン酸のジクロ
ライド,ジブロマイド及びジエステル等を意味する。
【0019】本発明において、反応方法は、該に公知の
アミンと酸またはその反応性酸誘導体の反応に用いられ
る方法であり、諸条件についても特に限定されるもので
はない。例えば界面重縮合法,溶液重縮合法等によって
達成することができる。界面重縮合反応に際しては水溶
性中和剤が用いられ、溶液重合法にはトリエチルアミ
ン,ピリジン,トリブチルアミン等の公知の第3級アミ
ンからなる中和剤が使用される。また、使用可能な反応
溶媒としては、例えばシクロヘキサノン,塩化メチレ
ン,二塩化エタン,クロロホルム,四塩化炭素,ジイソ
ブチルケトン,アセトフェノン,メチルセロソルブアセ
テート,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド,ジエチルホルムアミド,ジエチルアセトアミド,ジ
メチルメトキシアセトアミド,ジメチルスルホキシド,
N−メチル−2−ピロリドン,ピリジン,ジメチルスル
ホン,ヘキサメチルホスホルアミド,テトラメチレンス
ルホン等が使用され、更にシランカップリング剤,チタ
ネートカップリング剤,アルミニウムアルコレート,ア
ルミニウムキレート,ジルコニウムキレート,アルミニ
ウムアセチルアセトン等の表面処理剤を混合、反応する
こともできる。
【0020】該ポリアミド膜の形成は、一般的なスピン
コート,印刷等により行うことができる。
【0021】
【作用】本発明の有機溶媒可溶性の高いポリアミドは、
ジアミン成分の分子内の中央連結基に、エステル基とア
ルキル基からなるフレキシブルチェーンの両者を導入し
たビス−安息香酸アルキル型のジアミンを用いることに
よって、溶媒に対する親和性が一層高まり、低温焼成で
エッチング性,再溶解性が向上するものと考える。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0023】〔実施例1〕フラスコに撹拌棒,温度計,
滴下漏斗をセットして、NaOH17.2g を水80m
lに溶解してフラスコに入れた。その後、ビス(p−ア
ミノベンゾイルオキシ)プロパン56.5g をシクロヘ
キサノン340gに溶解し、上記フラスコ中に注入し、
−2℃まで冷却した。一方、テレフタル酸ジクロライド
18.2g及びイソフタル酸ジクロライド18.2g を
シクロヘキサノン240gに溶解し、この酸クロライド
溶液を滴下漏斗からフラスコ中に注入し、反応温度が1
0℃を超えないようにして5時間反応させた。反応液を
メタノール中に投入して重合体を単離させた。これを乾
燥後、再びジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタ
ノール中に投入してポリアミド重合体を精製した。この
重合体の還元粘度(ηsp/c)(ジメチルホルムアミ
ド0.2重量%溶液,30℃で測定)は、0.89dl/
gであった。
【0024】前記ポリアミドワニスの濃度4重量%に希
釈後、基板の透明電極上にSiO2−TiO2 無機膜を
形成した面上にスピンコートし、200℃,30分間熱
処理して500Åのポリアミド膜を形成した。該基板に
よって挾持する液晶分子のツイスト角を220度にする
ために、上記の上下基板をそれぞれ所定の角度でラビン
グを行い、該基板間にスペーサを挟んで基板ギャップ
6.0μm の液晶セルを組立てた。該セルにビフェニル
系液晶,フェニルシクロヘキサン系液晶,エステルシク
ロヘキサン系液晶,フェニルシクロヘキサンメチルエー
テル系液晶を主成分とするネマチック液晶に旋光性物質
(メルク社製:S811)を0.5 重量%添加した液晶
材料を真空封入した。作製した該液晶素子の模式断面図
を図1、しきい値電圧の周波数変化の模式図を図2に示
す。
【0025】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
95 の値を示し、輝度ムラが低減された。また、ポリ
アミド膜塗布焼成の不良基板,素子ギャツプの不良基板
については、アルカリ剥離液に5分間浸漬してポリアミ
ド膜を除去後、純水洗浄して基板を再生した。
【0026】〔実施例2〕フラスコに撹拌棒,温度計,
滴下漏斗をセットして、NaOH17.2g を水80m
lに溶解してフラスコに入れた。その後、ビス(p−ア
ミノベンゾイルオキシ)ヘキサン51.1g 及び2,2
−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン14.7g をシクロヘキサノン340gに溶解し、
上記フラスコ中に注入し、−2℃まで冷却した。一方、
テレフタル酸ジクロライド18.2g及びイソフタル酸
ジクロライド18.2g をシクロヘキサノン240gに
溶解し、この酸クロライド溶液を滴下漏斗からフラスコ
中に注入し、反応温度が10℃を超えないようにして4
時間反応させた。反応液をメタノール中に投入して重合
体を単離させた。これを乾燥後、再びジメチルホルムア
ミドに溶解し、これをメタノール中に投入してポリアミ
ド重合体を精製した。この重合体の還元粘度(ηsp/
c)(ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液,30℃で
測定)は、0.95dl/gであった。
【0027】前記ポリアミドワニス濃度4重量%に希釈
後、基板の透明電極上にSiO2−TiO2 無機膜を形
成した面上にスピンコートし、210℃,30分間熱処
理して500Åのポリアミド膜を形成した。該基板によ
って挾持する液晶分子のツイスト角を240度にするた
めに、上記の上下基板をそれぞれ所定の角度でラビング
し、該基板間にスペーサを挟んで基板ギャップ6.0μ
m の液晶セルを組立てた。該セルにビフェニル系液
晶,フェニルシクロヘキサン系液晶,エステルシクロヘ
キサン系液晶,フェニルシクロヘキサンメチルエーテル
系液晶を主成分とするネマチック液晶に旋光性物質(メ
ルク社製:S811)を0.5重量%添加した液晶材料
を真空封入した。
【0028】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
92 の値を示し、輝度ムラが低減された。また、ポリ
アミド膜塗布焼成の不良基板,素子ギャツプの不良基板
については、アルカリ剥離液に5分間浸漬してポリアミ
ド膜を除去後、純水洗浄して基板を再生した。
【0029】〔実施例3〕フラスコに撹拌棒,温度計,
滴下漏斗をセットして、NaOH17.2g を水80m
lに溶解してフラスコに入れた。その後、ビス(p−ア
ミノベンゾイルオキシ)オクタン34.5g 及び2,2
−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン36.9g をシクロヘキサノン340gに溶解し、
上記フラスコ中に注入し、−2℃まで冷却した。一方、
テレフタル酸ジクロライド18.2g及びイソフタル酸
ジクロライド18.2g をシクロヘキサノン240gに
溶解し、この酸クロライド溶液を滴下漏斗からフラスコ
中に注入し、反応温度が10℃を超えないようにして5
時間反応させた。反応液をメタノール中に投入して重合
体を単離させた。これを乾燥後、再びジメチルホルムア
ミドに溶解し、これをメタノール中に投入してポリアミ
ド重合体を精製した。この重合体の還元粘度(ηsp/
c)(ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液,30℃で
測定)は、1.05dl/gであった。
【0030】前記ポリアミドワニス濃度4重量%に希釈
後、基板の透明電極上にSiO2−TiO2無機膜を形成
した面上にスピンコートし、220℃,30分間熱処理
して500Åのポリアミド膜を形成した。該基板によっ
て挾持する液晶分子のツイスト角を260度にするため
に、上記の上下基板をそれぞれ所定の角度でラビング
し、該基板間にスペーサを挟んで基板ギャップ6.0μ
m の液晶セルを組立てた。該セルにビフェニル系液
晶,フェニルシクロヘキサン系液晶,エステルシクロヘ
キサン系液晶,フェニルシクロヘキサンメチルエーテル
系液晶を主成分とするネマチック液晶に旋光性物質(メ
ルク社製:S811)を0.5重量%添加した液晶材料
を真空封入した。
【0031】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
90 の値を示し、輝度ムラが低減された。また、ポリ
アミド膜塗布焼成の不良基板,素子ギャツプの不良基板
については、アルカリ剥離液に5分間浸漬してポリアミ
ド膜を除去後、純水洗浄して基板を再生した。
【0032】〔実施例4〕フラスコに撹拌棒,温度計,
滴下漏斗をセットして、NaOH17.2g を水80m
lに溶解してフラスコに入れた。その後、ビス(p−ア
ミノベンゾイルオキシ)プロパン11.3g 及び2,2
−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン59.1g をシクロヘキサノン340gに溶解し、
上記フラスコ中に注入し、−2℃まで冷却した。一方、
テレフタル酸ジクロライド18.2g及びイソフタル酸
ジクロライド18.2g をシクロヘキサノン240gに
溶解し、この酸クロライド溶液を滴下漏斗からフラスコ
中に注入し、反応温度が10℃を超えないようにして5
時間反応させた。反応液をメタノール中に投入して重合
体を単離させた。これを乾燥後、再びジメチルホルムア
ミドに溶解し、これをメタノール中に投入してポリアミ
ド重合体を精製した。この重合体の還元粘度(ηsp/
c)(ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液,30℃で
測定)は、0.88dl/gであった。
【0033】前記ポリアミドワニス濃度5重量%に希釈
後、アクティブマトリックス電極上およびカラーフィル
タ基板上に該溶液をスピンコートし、210℃,30分
間熱処理して800Åのポリアミド膜を形成した。その
後、液晶分子のツイスト角を90度以下のラビングを行
い、該基板間にスペーサを挟んで基板ギャップ7.0μ
mの液晶セルを組立てた。該セルにビフェニル系液晶,
フェニルシクロヘキサン系液晶,エステルシクロヘキサ
ン系液晶,フェニルシクロヘキサンメチルエーテル系液
晶を主成分とするネマチック液晶に旋光性物質を含む液
晶材料を真空封入した。
【0034】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
90 の値を示し、輝度ムラが低減され、カラーフィル
タの劣化退色も発生しなかった。また、ポリアミド膜塗
布焼成の不良基板,素子ギャツプの不良基板について
は、アルカリ剥離液に5分間浸漬してポリアミド膜を除
去後、純水洗浄して基板を再生した。
【0035】〔実施例5〕前記各実施例は、液晶表示素
子に用いた場合について述べたが、各種の電子部品に適
用した場合の具体例を図面を用いて説明する。
【0036】図3は、多層配線構造を有するLSIの模
式断面図である。半導体素子6の表面にSiO2 絶縁膜
7を設け金属被膜を形成し、これをエッチング法で不要
部分の金属被膜を除去して、所望の配線パターンを有す
る第1の配線8を設ける。該配線8はSiO2 膜7の所
定の個所に設けたスルーホールを介して半導体素子6と
電気的に接続される。次に、実施例1で用いたポリアミ
ドをスピンコートし、最終温度210℃でポリアミド膜
9を形成後、金属膜からなる第2の配線8′と第1の配
線8とを電気的に接続することによって回路を形成しL
SIを得た。また、該LSIはその表面にエポキシ樹脂
10の保護層を設けた。
【0037】上記LSIは、ポリアミド膜の低温化が可
能なため、金属(アルミ)配線層に加わる熱応力が小さ
くストレスマイグレーションの発生も少なかった。
【0038】図4はα線遮蔽層を有する半導体メモリ素
子の模式断面図である。シリコンチップから成るメモリ
素子12が基板11上に固着され、メモリ素子12はボ
ンディングワイヤ13によって外部に電気的に接続され
ている。上記メモリ素子12の表面に、前記実施例2の
ポリアミドをスピンコートし、210℃で硬化してα線
遮蔽層14を形成した。その結果、ストレスマイグレー
ションの発生も少なかった。
【0039】図5はフレキシブルプリント板の模式断面
図である。銅箔に直接前記実施例3のポリアミドワニス
を塗布し、210℃でポリアミド膜の絶縁膜16を形成
後、銅箔を所定のパターン状にエッチングして配線層1
5を形成し、フレキシブルプリント板を作成した。絶縁
膜16を設けても銅箔の酸化劣化が抑制され、銅箔との
接着強度の大きなフレキシブルプリント板が得られた。
【0040】〔比較例1〕3,3′,4,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物14.8g 、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物1
6.1g および4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
10g、2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン16.1gをN−メチル−2−ピロ
リドン350g中で5℃,8時間反応させポリイミド前
駆体ワニスを作成した。
【0041】上記前駆体ワニスを濃度4重量%に希釈
後、基板の透明電極上にSiO2−TiO2 無機膜を形
成した面上にスピンコ−トし、250℃,30分間熱処
理して550Åのポリイミド膜を形成した。該基板によ
って挾持する液晶分子のツイスト角を220度にするた
めに、上記の上下基板をそれぞれ所定の角度でラビング
し、該基板間にスペ−サを挟んで基板ギャップ6.0μ
m の液晶セルを組立てた。該セルにビフェニル系液
晶,フェニルシクロヘキサン系液晶,エステルシクロヘ
キサン系液晶,フェニルシクロヘキサンメチルエーテル
系液晶を主成分とするネマチック液晶に旋光性物質(メ
ルク社製:S811)を0.5重量%添加した液晶材料
を真空封入した。
【0042】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
78 の値を示し、輝度ムラが発生した。また、ポリイ
ミド膜塗布焼成の不良基板、素子ギャツプの不良基板に
ついては、紫外線照射後アルカリ剥離液に30分間浸漬
しポリイミド膜を除去後、純水洗浄して基板を再生し
た。 〔比較例2〕フラスコ中に、NaOH17.2g を水8
0mlに溶解して入れ、その後、2,2−ビス〔4−
(p−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン44.3g
とヘキサメチレンジアミン8.4g をシクロヘキサノン
340gに溶解し、上記フラスコ中に注入し、−2℃ま
で冷却した。一方、テレフタル酸ジクロライド18.2
g及びイソフタル酸ジクロライド18.2g をシクロヘ
キサノン240gに溶解し、この酸クロライド溶液を滴
下漏斗からフラスコ中に注入し、反応温度が10℃を超
えないようにして5時間反応させた。反応液をメタノー
ル中に投入して重合体を単離させた。これを乾燥後、再
びN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、これをメタノ
ール中に投入してポリアミド重合体を精製した。
【0043】前記ポリアミドワニス濃度4重量%に希釈
後、基板の透明電極上にSiO2−TiO2 無機膜を形
成した面上にスピンコートして微細な白濁化が見られた
が、220℃,30分間熱処理して500Åのポリアミ
ド膜を形成した。該基板によって挾持する液晶分子のツ
イスト角を240度にするために、上記の上下基板をそ
れぞれ所定の角度でラビングし、該基板間にスペーサを
挟んで基板ギャップ6.0μm の液晶セルを組立てた。
該セルにビフェニル系液晶,フェニルシクロヘキサン系
液晶,エステルシクロヘキサン系液晶,フェニルシクロ
ヘキサンメチルエーテル系液晶を主成分とするネマチッ
ク液晶に旋光性物質(メルク社製:S811)を0.5
重量%添加した液晶材料を真空封入した。
【0044】該液晶素子のしきい値電圧の周波数変化
(ΔF:30Hz/1kHz)を測定したところ0.9
70 の値を示し、輝度ムラが発生した。また、ポリア
ミド膜塗布焼成の不良基板,素子ギャツプの不良基板に
ついては、アルカリ剥離液に20分間浸漬しポリアミド
膜を除去後、純水洗浄して基板を再生した。
【0045】〔比較例3〕比較例1で用いたポリイミド
前駆体ワニスを、図3のLSIの半導体素子6の層間絶
縁膜9,図4の半導体メモリ素子のα線遮蔽層14,図
5のフレキシブルプリント基板の絶縁膜16に適用し、
各々250℃で硬化した。
【0046】これらの半導体素子,半導体メモリ素子
は、アルミ配線層に加わる熱応力が大きくなりストレス
マイグレーションが発生し、フレキシブルプリント基板
は銅箔の劣化と接着性が低下した。
【0047】
【発明の効果】本発明のポリアミドは、成膜時に白濁化
することなく200℃付近の温度で膜形成が可能であ
る。また、該ポリアミド被膜は容易にエッチングするこ
とができるので、不用な被膜の除去等も容易である。従
って、膜不良基板の再生が容易となり、製品の歩留りを
向上することができる。
【0048】また、各種の電子部品の配向膜に用いた場
合は、輝度むらの発生が少なく付設されるカラーフィル
タの劣化退色を防止し、絶縁膜,バッファコート膜等に
用いた場合は、ストレスマイグレーション等の発生を抑
制するため、品質の高い電子部品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】配向膜を有する液晶素子の模式断面図である。
【図2】しきい値電圧の周波数変化の模式図。
【図3】多層配線構造を有するLSIの模式断面図であ
る。
【図4】α線遮蔽層を有する半導体メモリ素子の模式断
面図である。
【図5】フレキシブルプリント板の模式断面図である。
【符号の説明】 1…ガラス基板、2…透明電極、3,7…SiO2 膜、
4…配向膜、5…液晶、6,11…基板、8,15…配
線層、9…ポリアミド膜、10…エポキシ樹脂、12…
メモリ素子、13…ボンディングワイヤ、14…α線遮
蔽層、16…絶縁膜。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸もしくはその反応性酸
    誘導体と一般式〔1〕 【化1】 (式中、nは1〜18の整数、Xは炭素数1〜4のアル
    キル基、a,bは0,1又は2を示す)で表される芳香
    族ジアミンの組成物の重合体であることを特徴とする有
    機溶媒可溶性のポリアミド。
  2. 【請求項2】芳香族ジアミンが、前記一般式〔1〕で示
    されるジアミン10〜90モルに対し他のジアミン90
    〜10モル含むことを特徴とする請求項1に記載の有機
    溶媒可溶性のポリアミド。
  3. 【請求項3】透明電極を有し少なくとも一方が透明な一
    対の基板間に、旋光性物質が添加され正の誘電異方性を
    示すネマチック液晶がねじれた螺旋構造を有する液晶を
    挾持した液晶表示素子において、該電極と液晶層の間に
    前記一般式〔1〕で示されるポリアミドの配向膜である
    ことを特徴とする液晶表示部品。
  4. 【請求項4】透明電極を有し少なくとも一方が透明な一
    対の基板間に、旋光性物質が添加され正の誘電異方性を
    示すネマチック液晶が200度以上ねじれた螺旋構造を
    有する液晶を挾持した液晶表示素子において、該電極と
    液晶層の間に前記一般式〔1〕で示されるポリアミドの
    配向膜であることを特徴とするスーパーツイスト液晶表
    示部品。
  5. 【請求項5】アクティブマトリックス型電極を有する一
    対の基板間に、旋光性物質が添加され正の誘電異方性を
    示すネマチック液晶がねじれた螺旋構造を有する液晶を
    挾持した液晶表示素子において、該電極と液晶層の間に
    前記一般式〔1〕で示されるポリアミドの配向膜である
    ことを特徴とするアクティブマトリックス液晶表示部
    品。
  6. 【請求項6】半導体素子とその表面に絶縁層を介して配
    線が設けられた半導体素子に、前記素子の絶縁膜が前記
    一般式〔1〕で示されるポリアミドであることを特徴と
    する半導体部品。
  7. 【請求項7】半導体素子の表面に設けられたα線遮蔽層
    が設けられた半導体メモリ素子に、前記素子の薄膜絶縁
    層が前記一般式〔1〕で示されるポリアミドであること
    を特徴とする半導体部品。
  8. 【請求項8】フレキシブル基板とその上に金属配線が設
    けられたフレキシブルプリント板であって、前記基板が
    前記一般式〔1〕で示されるポリアミドであることを特
    徴とするフレキシブルプリント板部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103509563A (zh) * 2012-06-29 2014-01-15 Jsr株式会社 光配向用液晶配向剂、液晶配向膜及其制造方法、液晶显示元件、化合物、以及聚合物
CN115025627A (zh) * 2022-07-07 2022-09-09 湖南澳维科技股份有限公司 一种废旧反渗透膜元件的修复试剂、修复方法和应用

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