JP2526845B2 - ポリイミドワニス組成物及びその使用法 - Google Patents

ポリイミドワニス組成物及びその使用法

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JP2526845B2
JP2526845B2 JP3279584A JP27958491A JP2526845B2 JP 2526845 B2 JP2526845 B2 JP 2526845B2 JP 3279584 A JP3279584 A JP 3279584A JP 27958491 A JP27958491 A JP 27958491A JP 2526845 B2 JP2526845 B2 JP 2526845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドワニス組成
物及びその使用方法に関するものであり、さらに詳しく
は、ポリイミド塗膜を支持基板上に形成させる際の、塗
布安定性の改良されたポリイミドワニス組成物及びその
使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドはその特徴である高い機械的
強度、耐熱性、耐溶剤性のために、電気・電子分野にお
ける保護材料、絶縁材料として広く用いられている。具
体的には、半導体用の絶縁膜として用いる場合には、配
線加工されたシリコン支持基板上に1〜10μm のポ
リイミド塗膜を形成させたり、液晶配向膜として用いる
場合には、透明電極付きの透明支持基板上に0.05〜
0.2μm のポリイミド塗膜を形成させるなど、各種
支持基板上に薄いポリイミド塗膜を形成させて用いるの
が一般的である。このようなポリイミド塗膜を形成させ
るには、ポリイミド又はポリイミド前駆体を適当な有機
溶媒に溶解させ、この溶液をスピンコート、オフセット
印刷、グラビア印刷などの方法で支持基板上に塗布し、
加熱処理を施すことが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリイミドは各種保護
材料、絶縁材料として優れた特性を有する半面、有機溶
媒に対する溶解性に乏しいという欠点を有する。そのた
めポリイミド塗膜を形成させるためにポリイミド又はポ
リイミド前駆体を有機溶媒に溶解させる場合に、用いら
れる有機溶媒が限られるという問題があった。これらと
して使用可能な有機溶媒は、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホル
アミドなどの溶解性の極めて高い有機極性溶媒である。
しかし、これらの溶媒は、溶解性は高い反面、吸湿性が
高いと欠点を有する。そのため、ポリイミド又はポリイ
ミド前駆体溶液を塗布する際に、吸湿により塗膜の白
化、表面荒れを引き起こす原因となり、酷い場合には均
一な塗膜を形成できない場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、 (1)ポリイミド及び/又はポリイミド前駆体を有機溶
媒に溶解してなるポリイミドワニスにおいて、有機溶媒
の少なくとも50重量%が、一般式[1]
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rはシクロヘキシル基を表わす)
で表されるN−シクロヘキシルピロリドンであることを
特徴とするポリイミドワニス組成物。
【0007】
【0008】
【0009】((1)に記載のポリイミドワニス組
成物を支持基板上に塗布し、加熱処理を施して、支持基
板上にポリイミド塗膜を形成させること特徴とするポ
リイミドワニスの使用方法。本発明の一般式[1]で表
されるピロリドン誘導体は、従来の有機極性溶媒同様に
ポリイミド又はポリイミド前駆体に対する溶解性が高
く、支持基板に対して均一な塗布が可能であり、更に、
吸湿による塗膜の白化、表面荒れを起こしにくく、極め
て安定に均一な塗布が可能である。
【0010】本発明のポリイミドワニスに用いられるポ
リイミド及び/又はポリイミド前駆体は特に限定されな
い。通常は、テトラカルボン酸誘導体と一級ジアミンを
反応、重合させてポリイミド前駆体とし、閉環イミド化
してポリイミドとするのが一般的である。
【0011】本発明のポリイミド及び/又はポリイミド
前駆体を得るために使用されるテトラカルボン酸誘導体
の具体例を挙げると、ピロメリット酸、2,3,6,7-ナフタ
レンテトラカルボン酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカル
ボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,
7-アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6-アントラセ
ンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカル
ボン酸、2,3,3',4- ビフェニルテトラカルボン酸,ビス
(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3',4,4'-ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキ
シフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)メタン、2,2-ビス3,4-ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2- ビス(3,4-
ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4-ジカルボ
キシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4-ジカルボキ
シフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5-ピリジンテト
ラカルボン酸、2,6-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)
ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸及びこれらの二
無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シク
ロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサン
テトラカルボン酸、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチ
ル酢酸、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4- テトラヒドロ-1-
ナフタレンコハク酸などの脂環式テトラカルボン酸及び
これらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロ
ゲン化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸などの脂肪
族テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれら
のジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0012】又、本発明のポリイミド及び/又はポリイ
ミド前駆体を得るために使用されるジアミンの具体例を
挙げれば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミ
ン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、4,
4'- ジアミノビフェニル、3,3'- ジメチル-4,4'-ジアミ
ノビフェニル、3,3'- ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェ
ニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
エーテル、2,2-ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,
5-ジエチル-4- アミノフェニル)メタン、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナ
フタレン、1,4-ビス(4- アミノフェノキシ) ベンゼン、
1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10- ビス
(4-アミノフェニル)アントラセン、1,3-ビス(4- アミ
ノフェノキシ) ベンゼン、4,4'- ビス(4- アミノフェノ
キシ) ジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェ
ノキシ) フェニル] プロパン、2,2-ビス(4- アミノフェ
ニル) ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノ
フェノキシ) フェニル] ヘキサフルオロプロパン等の芳
香族ジアミン、ビス(4- アミノシクロヘキシル) メタ
ン、ビス(4- アミノ-3- メチルシクロヘキシル) メタン
等の脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、更には
【0013】
【化3】
【0014】(式中、nは1から10の整数を表す)等
のジアミノシロキサン等が挙げられる。テトラカルボン
酸誘導体とジアミンとを反応、重合させポリイミド前駆
体とするが、この際用いるテトラカルボン酸誘導体とし
てはテトラカルボン酸二無水物を用いるのが一般的であ
る。テトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の比
は0.8 から1.2 であることが好ましい。通常の重縮合反
応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重
合度は大きくなる。
【0015】重合度が小さすぎるとポリイミド塗膜の強
度が不十分であり、又、重合度が大きすぎるとポリイミ
ド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従って本
反応における生成物の重合度は、ポリイミド前駆体溶液
の還元粘度換算で0.05〜5.0dl/g(温度30
℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)と
するのが好ましい。
【0016】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを
反応、重合させる方法は、特に限定されるものではな
く、一般にはN-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒中
にジアミンを溶解し、その溶液中にテトラカルボン酸二
無水物を添加、反応させてポリイミド前駆体を合成す
る。その際の反応温度は -20から 150℃、好ましくは-5
から 100℃の任意の温度を選択することができる。
【0017】ポリイミドは、一般にイミド化後有機溶媒
に不溶になる場合が多い。そこで、ポリイミド前駆体を
有機溶媒に溶解してワニスを調製し、このワニスを支持
基板に塗布した後、基板上で加熱処理を行いイミド化し
て、支持基板上にポリイミド塗膜を形成させる方法が一
般的である。この際、基板上で加熱イミド化させる温度
は 100〜 400℃の任意の温度を採用できるが、特に150
〜 350℃の範囲が好ましい。
【0018】一方、ポリイミドが溶媒に溶解する場合に
は、ポリイミド前駆体をイミド化し、得られたポリイミ
ドを有機溶媒に溶解してワニスを調製し、このワニスを
支持基板に塗布した後、基板を加熱処理して溶媒を揮発
させ、支持基板上にポリイミド塗膜を形成させる方法を
採ることもできる。
【0019】この際、ポリイミド前駆体をイミド化する
方法としては、溶液中で加熱により脱水閉環させる方法
が採用される。この加熱脱水による閉環温度は、100 か
ら 350℃、好ましくは 120から 250℃の任意の温度を選
択できる。又、ポリイミド前駆体をポリイミドに転化す
る他の方法としては、公知の脱水閉環触媒を使用して化
学的に閉環することもできる。
【0020】本発明のポリイミドワニス組成物は、上記
のポリイミド及び/又はポリイミド前駆体を有機溶媒に
溶解したワニスよりなり、更に、このワニスを構成する
有機溶媒の少なくとも50重量%は、一般式[1]で表
されるN−シクロヘキシルピロリドンでなければならな
い。
【0021】これらのピロリドン誘導体は、本発明のポ
リイミドワニス組成物を構成する全溶媒量の50重量%
以上なければ、ポリイミドワニス塗布時の吸湿による白
化、表面荒れを抑制する効果が十分でなく、本発明の目
的である塗布時の安定性を得ることが出来ない。また、
本発明のポリイミドワニス組成物を構成する全溶媒の
内、上記のピロリドン誘導体以外の溶媒は、ポリイミド
及び/又はポリイミド前駆体を溶解するものであれば、
特に限定されない。
【0022】その例としては2-ピロリドン、N-メチルピ
ロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホス
ホルアミド、γ- ブチロラクトン等が挙げられる。
【0023】その他、単独ではこのポリイミド及び/又
はポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても溶解
性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えても構わな
い。その例としてはエチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチル
カルビトールアセテート、エチレングリコール等が挙げ
られる。
【0024】これらのポリイミド及び/又はポリイミド
前駆体を上記溶媒に溶解してポリイミドワニス組成物と
する方法は、特に限定されない。例えば、上記のポリイ
ミド及び/又はポリイミド前駆体の反応・重合溶液をそ
のまま用いても良く、又、生成したポリイミド及び/又
はポリイミド前駆体を大過剰の水、メタノールのごとき
貧溶媒中に投入し、沈殿回収した後、上記溶媒に再溶解
して用いてもよい。 更に、本発明の必須成分である一
般式[1]で表されるピロリドン誘導体は、ポリイミド
及び/又はポリイミド前駆体に対する溶解性が高く、ポ
リイミド及び/又はポリイミド前駆体を反応・重合する
際に例示した有機極性溶媒と同等の溶解性を持つことが
特徴である。そこで、このピロリドン誘導体をポリイミ
ド及び/又はポリイミド前駆体を反応・重合する際の溶
媒として用いることも可能である。
【0025】又、最終的に形成されたポリイミド塗膜と
支持基板の密着性を更に向上させる目的で、本発明のポ
リイミドワニス組成物の成分の一つとして、カップリン
グ剤等の添加剤を加えることも可能である。
【0026】本発明のポリイミドワニス組成物は、支持
基板上に塗布し、加熱処理をすることにより、支持基板
上に均一膜厚のポリイミド塗膜を形成し、電気・電子素
子の絶縁膜、保護膜、更には液晶表示素子の配向膜とし
て使用することが出来る。この際の塗布方法は、特に限
定されるものではないが、スピンコート、ロールコー
ト、オフセット印刷、グラビア印刷などが一般的であ
る。
【0027】ポリイミド塗膜を形成させるための加熱処
理温度は、ポリイミドワニス組成物がポリイミド前駆体
溶液である場合は、ポリイミド前駆体をポリイミドに転
化させるための温度が必要であり、100 から 350℃、好
ましくは 120から 250℃の任意の温度を選択できる。ま
た、ポリイミドワニス組成物がポリイミド溶液である場
合の加熱処理温度は、溶媒が蒸発すればよく、通常は80
から 150℃で充分である。
【0028】ポリイミド塗膜を形成させるための支持基
板は、ポリイミド塗膜を使用する用途に応じて適宜選択
することができる。例えば、半導体素子用絶縁膜、保護
膜の場合には各種配線加工されたシリコン基板であり、
液晶配向膜の場合には、透明電極付きのガラス、又は、
プラスチックフィルムなどである。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例 1 2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ) フェニル]プロパ
ン(以下、BAPPと略す) 41.0 g(0.1 モル) 、及
び3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4- テトラヒドロ-1- ナフタ
レンコハク酸二無水物(以下、TDAと略す) 29.9 g
(0.0995 モル)をN-メチルピロリドン(以下NMPと略
称する) 400g 中、室温で 10 時間反応させポリアミッ
ク酸中間体溶液を調製した。得られたポリアミック酸中
間体の環元粘度ηsp/Cは 1.14dl/g (0.5 重量%N
MP溶液、30℃)であった。
【0031】得られたポリアミック酸中間体溶液 50 g
に、イミド化触媒として無水酢酸 10.8 g ,ピリジン
5.0g を加え、50℃で 3時間反応させ、ポリイミド溶液
を調製した。この溶液を 500mlのメタノール中に投入
し、得られた白色沈殿をろ別し、乾燥し、白色のポリイ
ミド粉末を得た。得られたポリイミドの環元粘度ηsp/
Cは 1.04dl/g (0.5 重量%NMP溶液、30℃)であっ
た。
【0032】この粉末 6g をN−シクロヘキシルピロリ
ドン(以下、NCPと略す) 69 gに溶解し、総固形分
を8 %として透明電極付ガラス基板に3500rpm でスピン
コートし、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下で10分間
放置したが、塗膜の表面の白化、表面荒れなどは全く見
られず、均一な塗布状態が保たれていた。この塗膜を基
板ごと170 ℃で60分間熱処理してポリイミド膜を形成さ
せたところ、膜厚0.10μm の均一な塗膜が形成され
た。
【0033】
【0034】実施例 実施例 1においてTDAの代わりに1,2,3,4-ブタンテ
トラカルボン酸二無水物(以下、BDAと略す) 19.8
g を用いた他は、同様にしてポリアミック酸中間体溶液
を調製した。得られたポリアミック酸中間体の環元粘度
ηsp/Cは 0.44 dl/g (0.5 重量%NMP溶液、30
℃)であった。
【0035】得られたポリアミック酸中間体溶液を実施
例 1と同様にしてイミド化し、白色のポリイミド粉末
を得た。得られたポリイミドの環元粘度ηsp/Cは 0.4
2 dl/g(0.5 重量%NMP溶液、30℃)であった。この
粉末 6g をNCP 69 g に溶解し、総固形分を8 %とし
て透明電極付ガラス基板に3500rpm でスピンコートし、
温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下で10分間放置した
が、塗膜の表面の白化、表面荒れなどは全く見られず、
均一な塗布状態が保たれていた。この塗膜を基板ごと17
0 ℃で60分間熱処理してポリイミド膜を形成させたとこ
ろ、膜厚0.10μm の均一な塗膜が形成された。
【0036】実施例 実施例 で得られたポリイミド粉末 6g をNCP 41
g に溶解し、更にブチルセロソルブ28 gを添加し、実施
例 1と同様にスピンコートし、温度25℃、相対湿度60
%の雰囲気下で10分間放置したが、塗膜の表面の白化、
表面荒れなどは全く見られず、均一な塗布状態が保たれ
ていた。この塗膜を基板ごと170 ℃で60分間熱処理して
ポリイミド膜を形成させたところ、膜厚0.10μm の均
一な塗膜が形成された。
【0037】実施例 実施例 1においてTDAの代わりに1,2,3,4-シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物(以下、CBDAと略
す)を18.6 g(0.0995 mol)、NMPの代わりにNCPを
338 g を用いた他は、同様にしてポリアミック酸中間体
溶液を調製した。得られたポリアミック酸中間体の環元
粘度ηsp/Cは 2.10 dl/g (0.5 重量%NCP溶液、
30℃)であった。
【0038】このポリアミック酸中間体溶液にNCPを
更に加え、総固形分を8 %として透明電極付ガラス基板
に3500rpm でスピンコートし、温度25℃、相対湿度60%
の雰囲気下で10分間放置したが、塗膜の表面の白化、表
面荒れなどは全く見られず、均一な塗布状態が保たれて
いた。この塗膜を基板ごと250 ℃で60分間熱処理してポ
リイミド膜を形成させたところ、膜厚0.22μm の均一
な塗膜が形成された。
【0039】比較例 1 実施例 1で得られたポリイミド粉末 6g をNMP 69
g に溶解し、総固形分を8 %として透明電極付ガラス基
板に3500rpmでスピンコートし、温度25℃、相対湿度60
%の雰囲気下で10分間放置したが、塗膜の表面が白化
し、均一な塗布状態が得られなかった。この塗膜を基板
ごと170 ℃で60分間熱処理してポリイミド膜を形成させ
たところ表面荒れを生じた膜厚が不均一な塗膜が形成さ
れた。
【0040】比較例 2 実施例 で得られたポリイミド粉末 6g をNMP 69
g に溶解し、総固形分を8 %として透明電極付ガラス基
板に3500rpm でスピンコートし、温度25℃、相対湿度60
%の雰囲気下で10分間放置したが、塗膜の表面が白化
し、均一な塗布状態が得られなかった。この塗膜を基板
ごと170 ℃で60分間熱処理してポリイミド膜を形成させ
たところ表面荒れを生じた膜厚が不均一な塗膜が形成さ
れた。
【0041】比較例 3 実施例 で得られたポリイミド粉末 6g を2-ピロリド
ン 41 g に溶解し、更にブチルセロソルブ28 gを添加
し、実施例 1と同様にスピンコートし、温度25℃、相
対湿度60%の雰囲気下で10分間放置したが、塗膜の表面
が白化し、均一な塗布状態が得られなかった。この塗膜
を基板ごと170 ℃で60分間熱処理してポリイミド膜を形
成させたところ表面荒れを生じた膜厚が不均一な塗膜が
形成された。
【0042】比較例 4 実施例 において、NCPの代わりにNMPを用いた
他は同様にしてポリアミック酸中間体溶液を調製した。
得られたポリアミック酸中間体の環元粘度ηsp/Cは
1.10 dl/g (0.5 重量%NMP溶液、30℃)であった。
このポリアミック酸中間体溶液にNMPを更に加え、総
固形分を8 %として透明電極付ガラス基板に3500rpm で
スピンコートし、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下で
10分間放置したが、塗膜の表面が白化し、均一な塗布状
態が得られなかった。この塗膜を基板ごと250 ℃で60分
間熱処理してポリイミド膜を形成させたところ表面荒れ
を生じた膜厚が不均一な塗膜が形成された。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリイミドワニス組成物は、各
種支持基板上に塗布、加熱処理を施すことによりポリイ
ミド塗膜を形成させ、電気・電子素子用の絶縁膜・保護
膜として使用する物であり、塗布時の吸湿による塗膜の
白化、表面荒れなどを起こし憎く、均一な塗膜を形成す
ることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド及び/又はポリイミド前駆体
    を有機溶媒に溶解してなるポリイミドワニスにおいて、
    有機溶媒の少なくとも50重量%が、一般式[1] 【化1】 (式中、Rはシクロヘキシル基を表わす)で表される
    −シクロヘキシルピロリドンであることを特徴とするポ
    リイミドワニス組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1のポリイミドワニス組成物を支
    持基板上に塗布し、加熱処理を施して、支持基板上にポ
    リイミド塗膜を形成させるこを特徴とするポリイミドワ
    ニスの使用方法。
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