JPH06166277A - 熱転写シート、リボンカセットおよび熱転写プリンタ - Google Patents

熱転写シート、リボンカセットおよび熱転写プリンタ

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JPH06166277A
JPH06166277A JP4320313A JP32031392A JPH06166277A JP H06166277 A JPH06166277 A JP H06166277A JP 4320313 A JP4320313 A JP 4320313A JP 32031392 A JP32031392 A JP 32031392A JP H06166277 A JPH06166277 A JP H06166277A
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transfer sheet
ink layer
thickness
thermal
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Ikuo Hibino
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マルチタイムの熱転写シートを用いることな
く、長寿命化を図ることができ、高速印字および高画質
印字を行なうことのできる熱転写シートを提供する。 【構成】 厚さ寸法が1〜3μmに形成されたベースフ
ィルム2の一面側に厚さ寸法が0.1〜1.5μmに形
成された下層インク層5および厚さ寸法が0.4〜2.
0μmに形成された上層インク層6を順次形成するとと
もに、上記ベースフィルム2の他面側に厚さ寸法が0.
05〜0.5μmに形成された背面層4を形成し、前記
熱転写シート1の総厚さ寸法を1.5〜7.0μmに形
成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写シート、リボンカ
セットおよび熱転写プリンタに係り、特に、長寿命化を
図ることができ、高速印字、高画質印字を行なうことを
可能とした熱転写シートおよびこの熱転写シートを用い
るためのリボンカセットおよび熱転写プリンタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、所定のインク層が形成された熱転
写シートを用い、この熱転写シートのインクをサーマル
ヘッドにより溶融して所定の記録媒体に転写することに
より所望の印字を行なう熱転写プリンタが多く用いられ
ている。
【0003】図5は従来の熱転写シート1を示したもの
で、ポリエステルフィルム等からなり3.5〜6μm程
度の厚さ寸法を有するベースフィルム2の一面側には、
顔料を分散したパラフィンワックスを主成分として3〜
5μm程度の厚さ寸法を有するインク層3が形成されて
おり、前記ベースフィルム2の他面側には、耐熱性樹脂
等からなる背面層4が形成されている。
【0004】このような熱転写シート1は、図示しない
リボンカセットの内部に巻回して収容され、このリボン
カセットを熱転写プリンタのキャリッジに装着した状態
で、前記熱転写シート1を巻取り駆動しながら、サーマ
ルヘッドを所定の印字信号に基づいて駆動することによ
り、熱転写シート1のインク層3を溶融して記録媒体に
転写して印字等を行なうようになっている。
【0005】しかし、小型の熱転写プリンタの場合、リ
ボンカセットも小型となってしまい、リボンカセットに
巻回収容される熱転写シート1の量が少ないことから、
熱転写シート1の使用期間が著しく短くなってしまい、
リボンカセットを頻繁に交換しなければならなかった。
一方、大型のリボンカセットを使用すれば、熱転写シー
ト1の収容量を多く確保することができるが、リボンカ
セットを大型化すると、熱転写プリンタ自体も大型にな
ってしまう。
【0006】そのため、従来から、何度も繰り返して使
用することのできるいわゆるマルチタイムの熱転写シー
ト1が用いられているが、この場合の熱転写シート1
は、図6に示すように、ベースフィルム2に形成される
インク層3の厚さ寸法を大きく形成するようになされて
いる。
【0007】そして、前記熱転写シート1をサーマルヘ
ッドにより加熱することにより、このインク層3の表層
側から順次剥離しながら使用するようになっており、こ
のインク層3がなくなるまで繰り返して使用することが
できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のマ
ルチタイムの熱転写シートにおいては、インク層3が厚
く形成されているので、このインク層3のインクを溶融
するためには、サーマルヘッドの通電時間を長くする
か、サーマルヘッドの出力を高くする必要があり、通電
時間を長くした場合は、インクの溶融に時間がかかるた
め、印字速度を下げなければならず、熱転写シート1の
長寿命化を図りつつ、高速印字を行なうことができない
という問題を有している。また、サーマルヘッドの出力
を高くすると、サーマルヘッドの発熱体の温度が極めて
高くなってしまい、発熱体の形成材料の耐熱限界を超え
るためサーマルヘッドの寿命が短くなってしまうという
問題を有しており、さらに、前記のようにサーマルヘッ
ドの通電時間あるいは出力を制御する手段では、いずれ
の場合も、消費電力が多くなり、マルチタイムの熱転写
シート1を用いた場合に省電力を図ることができなかっ
た。
【0009】また、インク層3が厚くなると、熱拡散に
より印字の輪郭が不鮮明になり、しかも、熱転写シート
1を繰り返し使用すると、インク層3の厚さが不均一に
なってしまうため、鮮明な印字を得るための熱制御が極
めて困難であり、その結果、高品質な画像の印字を行な
うことが極めて困難であるという問題を有している。
【0010】本発明は前記した点に鑑みなされたもの
で、マルチタイムの熱転写シートを用いることなく、長
寿命化を図ることができ、高速印字および高画質印字を
行なうことのできる熱転写シート、この熱転写シートを
用いたリボンカセットおよびこの熱転写シートが適用さ
れる熱転写プリンタをそれぞれ提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載の発明に係る熱転写シートは、ベースフ
ィルムの一面側にインク層を形成するとともに、他面側
に背面層を形成してなる熱転写シートにおいて、前記熱
転写シートの総厚さ寸法を1.5〜7.0μmに形成し
たことを特徴とするものである。また、本発明は、前記
ベースフィルムの厚さ寸法を1〜3μmに形成し、前記
背面層の厚さ寸法を0.05〜0.5μmに形成し、前
記インク層の厚さ寸法を0.5〜3.5μmに形成し、
前記インク層に10〜50%の顔料を混入するようにな
されている。さらに、好ましくは、前記インク層は上層
インク層および下層インク層からなる複数層により形成
され、前記下層インク層の厚さ寸法は上層インク層の厚
さ寸法より薄く形成されており、前記下層インク層の厚
さ寸法を0.1〜1.5μmに形成し、前記上層インク
層の厚さ寸法を0.4〜2.0μmに形成し、また、前
記下層インク層の融点は、上層インク層の融点より高く
形成され、前記下層インク層の融点を70〜120℃と
したことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項12に記載の発明に係るリボ
ンカセットは、キャリッジの上面に着脱自在に装着され
るカセットケースの内部に一対のリールに端部が保持さ
れて巻回された熱転写シートを収納してなるリボンカセ
ットにおいて、前記カセットケースの内部に総厚さ寸法
が1.5〜7.0μmに形成された熱転写シートを案内
するとともに、所定の回転力が付与されて前記熱転写シ
ートに対して一定の張力を付加する一対のピンチローラ
を配設したことを特徴とするものである。
【0013】さらに、請求項13に記載の発明に係る熱
転写プリンタは、プラテンに沿ってキャリッジを往復動
自在に配設するとともに、前記キャリッジに多数の発熱
体が形成されたサーマルヘッドを搭載してなる熱転写プ
リンタおいて、前記リボンカセットの内部に総厚さ寸法
が1.5〜7.0μmに形成された熱転写シートを巻回
する一対のリールを配設するとともに、前記熱転写シー
トを案内する一対のピンチローラを配設し、前記キャリ
ッジに前記各リールに係合して巻取り駆動する一対のボ
ビンを回転自在に配設するとともに、前記各ピンチロー
ラに係合して前記熱転写シートに対して一定の張力を付
加する第2ボビンを回転自在に配設したことを特徴とす
るものであり、好ましくは、前記サーマルヘッドの発熱
体から一側縁までのエッジ距離を40〜130μmに形
成したことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明の熱転写シートによれば、ベースフィル
ム、インク層、背面層の各厚さ寸法を薄く形成すること
により、熱転写シート全体の厚さ寸法を薄く形成するよ
うにしているので、この熱転写シートをリボンカセット
の内部に巻回して収容させる場合に、巻回量を多く確保
することができ、従来の熱転写シートに比較して長尺の
熱転写シートを収容することが可能となる。その結果、
熱転写シートを繰り返し使用することなく長期間にわた
って連続使用することができ、熱転写シートの著しい長
寿命化を図ることができる。また、熱転写シートの厚さ
が薄いことから、サーマルヘッドの出力を高めたり、サ
ーマルヘッドの通電時間を長く設定することなく、イン
ク層を溶融転写することができ、その結果、高速印字を
行なうことができ、しかも、インク層に対してサーマル
ヘッドの熱を効率よく伝達することができるので、輪郭
の鮮明な印字を行なうことができ、画質の良好な印字を
行なうことができ、さらに、サーマルヘッドの出力を高
める等の制御が不要であるので、サーマルヘッドの消費
電力を著しく低減させることができるものである。
【0015】また、本発明のリボンカセットおよび熱転
写プリンタによれば、リボンカセットにリールの他にピ
ンチローラを配設するとともに、キャリッジに前記ピン
チローラを駆動する第2ボビンを配設し、この第2ボビ
ンによりピンチローラを駆動することにより熱転写シー
トに対して均一に張力を付与することができるので、熱
転写シートを安定して走行させることができ、熱転写シ
ートの性能を十分に発揮させて良好な印字を行なうこと
ができる。さらに、サーマルヘッドのエッジ距離を40
〜130μmに形成するようにしているので、適正に熱
転写シートのインクを転写することができるものであ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図4を参
照して説明する。
【0017】図1は本発明に係る熱転写シートの一実施
例を示したもので、1〜3μm程度の厚さ寸法を有する
ベースフィルム2の一面側には、0.1〜1.5μm程
度の厚さ寸法を有する下層インク層5が形成されてお
り、この下層インク層5の表面側には、0.4〜2.0
μm程度の厚さ寸法を有する上層インク層6が形成され
ている。また、前記ベースフィルム2の他面側には、
0.05〜0.5μm程度の厚さ寸法を有する背面層4
が形成されている。これにより、前記熱転写シート1の
総厚さ寸法は、約1.5〜7.0μm程度に形成される
ようになされている。
【0018】本実施例においては、前記ベースフィルム
2としては、サーマルヘッドの加熱温度より軟質化、可
塑化しない耐熱強度が必要であり、さらに、ベースフィ
ルム2上のインクが良好な転写率を示すのに十分な高い
平滑性が必要とされる。そのため、前記ベースフィルム
2の材質としては、ポリエステルフィルム、PENフィ
ルム、アラミドフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂
フィルムが好適であり、特に、ポリエステルフィルムお
よびPENフィルムが、加工性耐切り裂き性、価格の点
で好ましい。
【0019】また、ベースフィルム2の厚さ寸法は、1
〜3μm程度としているが、1.5〜2.5μm程度が
より好ましい。このベースフィルム2の厚さ寸法が3.
5μm以上では、従来から用いられていて厚くなりすぎ
るし、1μm以下では、インクの剥離時におけるインク
強度とベースフィルム2の強度とが近くなるため、伸び
しわ等の変形が大きくなり、使用に適さなくなる。
【0020】また、ベースフィルム2の平滑性を示す表
面粗さは、Ra0.05〜1.0μm程度が好ましく、
Ra0.1〜0.5μmがより好ましい。前記表面粗さ
がRa0.05μmより小さいと、サーマルヘッドおよ
びリボンカセットの摺動負荷が大きくなるとともに、リ
ボンカセットの内部に配設されたガイドローラに対して
密着しやすくなりベースフィルム2の走行性が低下して
しまう。また、表面粗さがRa1.0μmより大きくな
ると、サーマルヘッドからの熱伝達効率が低下してしま
い、印字特性が悪くなる。
【0021】また、前記各インク層5,6のうち、上層
インク層6は、所定の用紙等の記録媒体に転写されて画
像を形成するための層であり、下層インク層5は、主と
してサーマルヘッドによる加熱時おける上層インク層6
の転写性を促進するための層である。前記下層インク層
5および上層インク層6は、それぞれバインダ剤および
着色剤を主成分とし、必要に応じて、熱伝導物質、柔軟
剤、平滑化剤、分散剤、融点調節剤、可撓剤等からなる
組成物をホットメルトコーティングして形成するか、あ
るいは、前記組成物を適宜の溶媒に分散せしめてなる塗
布液をソルベントコーティングして形成するようになさ
れている。
【0022】また、各インク層5,6は、ワイヤバー塗
布、ロール塗布およびグラビアロール塗布等の塗布手段
により形成することもでき、さらに、トルエン、キシレ
ン等の溶剤に溶解し、同様の塗布手段で塗布することも
できる。
【0023】なお、本実施例においては、下層インク層
5には着色剤を加えていないが、加えるようにしてもよ
いことはもちろんである。
【0024】また、前記下層インク層5の厚さ寸法は、
0.1〜1.5μm程度とされており、好ましくは、
0.5〜1.0μm程度に形成される。この下層インク
層5の厚さ寸法が0.1μmより薄くなると、サーマル
ヘッドによる加熱時に下層インク層5が破壊され上層イ
ンク層6がベースフィルム2と接触してしまい、上層イ
ンク層6の離脱性が低下して印字特性が劣化してしま
う。また、下層インク層5の厚さ寸法が1.5μmより
厚くなると、硬質の記録媒体に印刷する際に、インクリ
ボンの走行が不安定になる。
【0025】また、上層インク層6の厚さ寸法は、良好
な画像を得るために0.4〜2.0μm程度に形成され
ており、特に、1.0〜1.8μm程度が好適である。
上層インク層6の厚さ寸法が0.4μmより薄くなる
と、印字濃度が低下し、さらに、インクと記録媒体との
間で多少の滑りが生じた場合、印字画質が著しく低下し
てしまう。また、上層インク層6の厚さが2.0μmよ
り厚くなると、加熱部と非加熱部との間の切り離しが困
難となり、良好な画質を得ることができず、さらに、記
録媒体との接着力が低下してしまいインクの定着性が悪
化してしまう。
【0026】前記下層インク層5の融点は、70〜12
0℃が好ましく、より好ましくは、80〜90℃とされ
る。また、上層インク層6の融点は、60〜120℃が
好ましく、より好ましくは70〜80℃とされ、さら
に、上層インク層6の顔料含有率は、10〜50%が好
ましく、特に20〜30%が好適である。着色剤含有率
が10%より低いと印字濃度が不十分となり、50%を
超えると特に顔料の場合、強靱な皮膜ができにくくな
る。
【0027】また、前記各インク層5,6に用いられる
バインダ剤としては、パラフィンワックス、酸化ワック
ス、カルナバワックス、低分子量ポリエチレン、エステ
ルワックス等のワックスや、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が好適であり、これら
各ワックスや樹脂から目的に応じてその溶融度を考慮し
て適宜決定するようになっている。
【0028】また、前記上層インク層6に用いられる着
色剤としては、溶解性のものでも粒子状分散系のもので
も適用することができ、例えば、従来のインク層に使用
される顔料や染料が好適に使用されるものであり、例え
ば、黒色の染料やカーボンブラック、黒鉛、オイルブラ
ック、ニグロシンベース等の顔料が用いられる。
【0029】さらにまた、前記背面層4に使用される耐
熱性樹脂は、その融点が170℃以上とされ、より好ま
しくは200℃以上とされるものであり、この背面層4
は、サーマルヘッドに対するスティッキングが発生せ
ず、しかも、熱転写シート1を使用する際に、リボンカ
セットの内部にロール状に収容させるものであるため、
上層インク層6に対して融着しないような材料が用いら
れる。この背面層4の形成材料としては、具体的には、
シリコン樹脂、フッソ樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、
ニトロセルロース等が用いられる。また、前記背面層4
の厚さ寸法は、0.05〜0.5μm程度が好ましい。
背面層4の厚さ寸法が0.05μmより薄くなると、サ
ーマルヘッドでの印字加熱時に層が破壊されやすくな
り、ベースフィルム2とサーマルヘッドとの融着が起こ
りベースフィルム2の走行が困難となり、また、0.5
μmより厚くなると、塗工形成が不安定となってしま
う。
【0030】前記構成の本実施例による熱転写シート1
においては、この熱転写シート1をリボンカセットの内
部に巻回して収容し、このリボンカセットを所定の熱転
写プリンタのキャリッジに装着し、前記熱転写プリンタ
のサーマルヘッドを駆動することにより、前記熱転写シ
ート1の上層インク層6を溶融させて用紙等の所定の記
録媒体に転写し、所望の印字を行なうようになってい
る。
【0031】この場合に、本実施例においては、前記ベ
ースフィルム2、下層インク層5、上層インク層6、背
面層4の各厚さ寸法を薄く形成することにより、熱転写
シート1全体の厚さ寸法を薄く形成するようにしている
ので、従来の熱転写シート1の総厚さ寸法は6.0〜
9.0μm程度であったものが、本実施例における熱転
写シート1の総厚さ寸法を約1.5〜7.0μm程度に
形成することが可能となる。
【0032】したがって、本実施例においては、熱転写
シート1の厚さ寸法を薄く形成することができるので、
この熱転写シート1をリボンカセットの内部に巻回して
収容させる場合に、巻回量を多く確保することができ、
従来の熱転写シート1に比較して長尺の熱転写シート1
を収容することが可能となる。その結果、熱転写シート
1を繰り返し使用することなく長期間にわたって連続使
用することができ、熱転写シート1の著しい長寿命化を
図ることができる。
【0033】また、ベースフィルム2の厚さが薄く、し
かも、上層インク層6および下層インク層5の厚さも薄
いことから、サーマルヘッドの出力を高めたり、サーマ
ルヘッドの通電時間を長く設定することなく、上層イン
ク層6を溶融転写することができ、その結果、高速印字
を行なうことができ、しかも、上層インク層6に対して
サーマルヘッドの熱を効率よく伝達することができるの
で、輪郭の鮮明な印字を行なうことができ、画質の良好
な印字を行なうことができる。さらに、サーマルヘッド
の出力を高める等の制御が不要であるので、サーマルヘ
ッドの消費電力を著しく低減させることができる。
【0034】また、図2は前記熱転写シート1を用いた
リボンカセットの一実施例を示したもので、リボンカセ
ット7のカセットケース8の内部には、熱転写シート1
が巻回され熱転写プリンタのキャリッジに形成された一
対のボビン(図示せず)にそれぞれ係合される一対のリ
ール9,9がそれぞれ収納されており、前記リボンカセ
ット7の内部両側部分には、前記キャリッジに形成され
た一対の第2ボビン(図示せず)に係合され前記熱転写
シート1を案内する一対のピンチローラ10,10が配
設されている。
【0035】また、前記カセットケース8の一側中央部
には、前記キャリッジに装着された状態でサーマルヘッ
ドが挿入される凹部11が形成されており、前記カセッ
トケース8の前記凹部11の両側対称位置には、切欠き
部12,12がそれぞれ形成されている。
【0036】さらに、前記カセットケース8の内部の前
記各リール9と各ピンチローラ10との間部分および前
記凹部11、各切欠き部12の先端部分には、それぞれ
複数のガイドローラ13,13が配設されている。
【0037】また、本実施例においては、前記リール9
に使用される材料としては、PC、ABS、POM等が
好適であり、このリール9には、カセットケース8との
摩擦抵抗を軽減するため、潤滑剤を添加するとよい。
【0038】さらに、前記リール9に巻回される熱転写
シート1は、その両端部にリーダテープおよびエンドテ
ープがそれぞれ接続されるようになされており、前記リ
ーダテープおよびエンドテープとしては、ポリエステル
フィルム、ポリエチレンフィルム、PENフィルム、ア
ラミドフィルム、ポリイミドフィルム等が好適である。
【0039】また、前記キャリッジに搭載されるサーマ
ルヘッド14は、図3および図4に示すように、サーマ
ルヘッド14の基板15の上面一側には、縦方向に延在
するグレーズ16が形成されており、このグレーズ16
の頂部には、ドットに対応した多数の発熱体17,17
が形成されている。本実施例においては、前記発熱体1
7から前記基板15の一側縁までのエッジ距離aは、4
0〜130μm程度に形成されており、好ましくは70
〜100μmに形成されるようになっている。このエッ
ジ距離aが40μmより短くなると、インクが十分に加
熱されていないうちに記録媒体から剥離されてしまうこ
とになり、インクが記録媒体に適正に転写されなくな
る。また、エッジ距離aが130μmより長くなると、
インクが溶融された後にインクの温度が低下してしま
い、ベースフィルム2から剥離しにくくなる。
【0040】さらに、前記基板15の上面の前記発熱体
17の両側には、この発熱体17に所定の印字信号に基
づいて独立して通電する個別電極18および共通電極1
9がそれぞれ形成されている。
【0041】本実施例においては、前記リボンカセット
7を熱転写プリンタのキャリッジに装着し、前記キャリ
ッジのボビンおよび第2ボビンを回転駆動させて前記リ
ボンカセット7のリール9およびピンチローラ10をそ
れぞれ回転させることにより、前記熱転写シート1を所
定速度で、かつ、熱転写シート1に対して所定の張力を
付与しながら、巻取り動作させるようになっている。そ
して、前記カセットケース8の凹部11に位置するサー
マルヘッド14を駆動して所望の発熱体17を発熱させ
ることにより、前記熱転写シート1のインクを溶融して
所定の記録媒体に転写するようになされている。
【0042】したがって、本実施例においては、リボン
カセット7にリール9の他にピンチローラ10を配設
し、このピンチローラ10により熱転写シート1に対し
て均一に張力を付与することができるので、熱転写シー
ト1を安定して走行させることができ、熱転写シート1
の性能を十分に発揮させて良好な印字を行なうことがで
きる。また、サーマルヘッド14のエッジ距離を40〜
130μmに形成するようにしているので、適正に熱転
写シート1のインクを転写することができる。
【0043】なお、本発明は前記実施例のものに限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々変更することが可
能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る熱転写シ
ート、リボンカセットおよび熱転写プリンタは、熱転写
シート全体の厚さ寸法を薄く形成したので、リボンカセ
ットの内部に長尺の熱転写シートを収容することが可能
となり、熱転写シートを繰り返し使用することなく長期
間にわたって連続使用することができ、熱転写シートの
著しい長寿命化を図ることができる。また、熱転写シー
トの厚さが薄いことから、サーマルヘッドの出力を高め
たり、サーマルヘッドの通電時間を長く設定することな
く、インク層を溶融転写することができ、その結果、高
速印字を行なうことができ、サーマルヘッドの消費電力
を著しく低減させることができ、しかも、インク層に対
してサーマルヘッドの熱を効率よく伝達することができ
るので、輪郭の鮮明な印字を行なうことができ、画質の
良好な印字を行なうことができる。
【0045】また、リボンカセットにリール9の他にピ
ンチローラ10を配設するとともに、キャリッジに前記
ピンチローラ10を駆動する第2ボビンを配設すること
により、熱転写シートに対して均一に張力を付与するこ
とができるので、熱転写シートを安定して走行させるこ
とができ、熱転写シートの性能を十分に発揮させて良好
な印字を行なうことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す縦
断面図
【図2】本発明のリボンカセットの一実施例を示す横断
面図
【図3】本発明の熱転写プリンタに適用されるサーマル
ヘッドの一実施例を示す縦断面図
【図4】図4の正面図
【図5】従来の熱転写シートを示す縦断面図
【図6】従来のマルチタイムの熱転写シートを示す縦断
面図
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 ベースフィルム 4 背面層 5 下層インク層 6 上層インク層 7 リボンカセット 8 カセットケース 9 リール 10 ピンチローラ 13 ガイドローラ 14 サーマルヘッド 15 基板 17 発熱体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの一面側にインク層を形
    成するとともに、他面側に背面層を形成してなる熱転写
    シートにおいて、前記熱転写シートの総厚さ寸法を1.
    5〜7.0μmに形成したことを特徴とする熱転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記ベースフィルムの厚さ寸法を1〜3
    μmに形成したことを特徴とする請求項1に記載の熱転
    写シート。
  3. 【請求項3】 前記背面層の厚さ寸法を0.05〜0.
    5μmに形成したことを特徴とする請求項1に記載の熱
    転写シート。
  4. 【請求項4】 前記インク層の厚さ寸法を0.5〜3.
    5μmに形成したことを特徴とする請求項1に記載の熱
    転写シート。
  5. 【請求項5】 前記インク層は10〜50%の顔料が混
    入されていることを特徴とする請求項4に記載の熱転写
    シート。
  6. 【請求項6】 前記インク層は上層インク層および下層
    インク層からなる複数層により形成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の熱転写シート。
  7. 【請求項7】 前記下層インク層の厚さ寸法は上層イン
    ク層の厚さ寸法より薄く形成されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の熱転写シート。
  8. 【請求項8】 前記下層インク層の厚さ寸法を0.1〜
    1.5μmに形成したことを特徴とする請求項6に記載
    の熱転写シート。
  9. 【請求項9】 前記上層インク層の厚さ寸法を0.4〜
    2.0μmに形成したことを特徴とする請求項6に記載
    の熱転写シート。
  10. 【請求項10】 前記下層インク層の融点は、上層イン
    ク層の融点より高く形成されていることを特徴とする請
    求項6に記載の熱転写シート。
  11. 【請求項11】 前記下層インク層の融点を70〜12
    0℃としたことを特徴とする請求項10に記載の熱転写
    シート。
  12. 【請求項12】 キャリッジの上面に着脱自在に装着さ
    れるカセットケースの内部に一対のリールに端部が保持
    されて巻回された熱転写シートを収納してなるリボンカ
    セットにおいて、前記カセットケースの内部に総厚さ寸
    法が1.5〜7.0μmに形成された熱転写シートを案
    内するとともに、所定の回転力が付与されて前記熱転写
    シートに対して一定の張力を付加する一対のピンチロー
    ラを配設したことを特徴とするリボンカセット。
  13. 【請求項13】 プラテンに沿ってキャリッジを往復動
    自在に配設するとともに、前記キャリッジに多数の発熱
    体が形成されたサーマルヘッドを搭載してなる熱転写プ
    リンタおいて、前記リボンカセットの内部に総厚さ寸法
    が1.5〜7.0μmに形成された熱転写シートを巻回
    する一対のリールを配設するとともに、前記熱転写シー
    トを案内する一対のピンチローラを配設し、前記キャリ
    ッジに前記各リールに係合して巻取り駆動する一対のボ
    ビンを回転自在に配設するとともに、前記各ピンチロー
    ラに係合して前記熱転写シートに対して一定の張力を付
    加する第2ボビンを回転自在に配設したことを特徴とす
    る熱転写プリンタ。
  14. 【請求項14】 前記サーマルヘッドの発熱体から一側
    縁までのエッジ距離を40〜130μmに形成したこと
    を特徴とする請求項13に記載の熱転写プリンタ。
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