JP2892239B2 - 熱転写プリンタ、リボンカセットおよび熱転写シート - Google Patents

熱転写プリンタ、リボンカセットおよび熱転写シート

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JP2892239B2 JP4320313A JP32031392A JP2892239B2 JP 2892239 B2 JP2892239 B2 JP 2892239B2 JP 4320313 A JP4320313 A JP 4320313A JP 32031392 A JP32031392 A JP 32031392A JP 2892239 B2 JP2892239 B2 JP 2892239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写プリンタ、リボン
カセットおよび熱転写シートに係り、特に、熱転写シー
トの長寿命化を図ることができるとともに、高速印字、
高画質印字を行なうことを可能とした熱転写プリンタ、
この熱転写プリンタに使用されるリボンカセットおよび
熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定のインク層が形成された熱転
写シートを用い、この熱転写シートのインクをサーマル
ヘッドにより溶融して所定の記録媒体に転写することに
より所望の印字を行なう熱転写プリンタが多く用いられ
ている。
【0003】図5は従来の熱転写シート1を示したもの
で、ポリエステルフィルム等からなり3.5〜6μm程
度の厚さ寸法を有するベースフィルム2の一面側には、
顔料を分散したパラフィンワックスを主成分として3〜
5μm程度の厚さ寸法を有するインク層3が形成されて
おり、前記ベースフィルム2の他面側には、耐熱性樹脂
等からなる背面層4が形成されている。
【0004】このような熱転写シート1は、図示しない
リボンカセットの内部に巻回して収容され、このリボン
カセットを熱転写プリンタのキャリッジに装着した状態
で、前記熱転写シート1を巻取り駆動しながら、サーマ
ルヘッドを所定の印字信号に基づいて駆動することによ
り、熱転写シート1のインク層3を溶融して記録媒体に
転写して印字等を行なうようになっている。
【0005】しかし、小型の熱転写プリンタの場合、リ
ボンカセットも小型となってしまい、リボンカセットに
巻回収容される熱転写シート1の量が少ないことから、
熱転写シート1の使用期間が著しく短くなってしまい、
リボンカセットを頻繁に交換しなければならなかった。
一方、大型のリボンカセットを使用すれば、熱転写シー
ト1の収容量を多く確保することができるが、リボンカ
セットを大型化すると、熱転写プリンタ自体も大型にな
ってしまう。
【0006】そのため、従来から、何度も繰り返して使
用することのできるいわゆるマルチタイムの熱転写シー
ト1が用いられているが、この場合の熱転写シート1
は、図6に示すように、ベースフィルム2に形成される
インク層3の厚さ寸法を大きく形成するようになされて
いる。
【0007】そして、前記熱転写シート1をサーマルヘ
ッドにより加熱することにより、このインク層3の表層
側から順次剥離しながら使用するようになっており、こ
のインク層3がなくなるまで繰り返して使用することが
できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のマ
ルチタイムの熱転写シートにおいては、インク層3が厚
く形成されているので、このインク層3のインクを溶融
するためには、サーマルヘッドの通電時間を長くする
か、サーマルヘッドの出力を高くする必要があり、通電
時間を長くした場合は、インクの溶融に時間がかかるた
め、印字速度を下げなければならず、熱転写シート1の
長寿命化を図りつつ、高速印字を行なうことができない
という問題を有している。また、サーマルヘッドの出力
を高くすると、サーマルヘッドの発熱体の温度が極めて
高くなってしまい、発熱体の形成材料の耐熱限界を超え
るためサーマルヘッドの寿命が短くなってしまうという
問題を有しており、さらに、前記のようにサーマルヘッ
ドの通電時間あるいは出力を制御する手段では、いずれ
の場合も、消費電力が多くなり、マルチタイムの熱転写
シート1を用いた場合に省電力を図ることができなかっ
た。
【0009】また、インク層3が厚くなると、熱拡散に
より印字の輪郭が不鮮明になり、しかも、熱転写シート
1を繰り返し使用すると、インク層3の厚さが不均一に
なってしまうため、鮮明な印字を得るための熱制御が極
めて困難であり、その結果、高品質な画像の印字を行な
うことが極めて困難であるという問題を有している。
【0010】本発明は前記した点に鑑みなされたもの
で、マルチタイムの熱転写シートを用いることなく、長
寿命化を図ることができ、高速印字および高画質印字を
行なうことのできる熱転写シート、この熱転写シートを
用いたリボンカセットおよびこの熱転写シートが適用さ
れる熱転写プリンタをそれぞれ提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係る本発明の熱転写プリンタは、プラテンに
沿ってキャリッジを往復動自在に配設するとともに、前
記キャリッジに多数の発熱体が形成されたサーマルヘッ
ドを搭載してなる熱転写プリンタにおいて、前記リボン
カセットの内部に総厚さ寸法が2.65〜5.7μmに
形成された熱転写シートを巻回する一対のリールを配設
するとともに、前記熱転写シートを案内する一対のピン
チローラを配設し、前記キャリッジに前記各リールに係
合して巻取り駆動する一対のボビンを回転自在に配設す
るとともに、前記各ピンチローラに係合して前記熱転写
シートに対して一定の張力を付加する第2ボビンを回転
自在に配設し、前記サーマルヘッドの発熱体から一側縁
までのエッジ距離を40〜130μmに形成したことを
特徴とするものである。
【0012】また、請求項2に係る本発明のリボンカセ
ットは、キャリッジの上面に着脱自在に装着されるカセ
ットケースの内部に一対のリールに端部が保持されて巻
回された熱転写シートを収納してなり、プラテンに沿っ
て往復動自在に配設されている請求項1に記載の熱転写
プリンタのキャリッジにサーマルヘッドとともに搭載さ
れるリボンカセットにおいて、前記カセットケースの内
部に総厚さ寸法が2.65〜5.7μmに形成された熱
転写シートを案内するとともに、所定の回転力が付与さ
れて前記熱転写シートに対して一定の張力を付加する一
対のピンチローラを配設したことを特徴とするものであ
る。
【0013】さらに、請求項3に係る本発明の熱転写シ
ートは、請求項2に記載のリボンカセット内に収納され
る熱転写シートであって、ベースフィルムの一面側にイ
ンク層を形成するとともに、他面側に背面層を形成して
なる熱転写シートにおいて、前記熱転写シートの総厚さ
寸法を2.65〜5.7μm、前記ベースフィルムの厚
さ寸法を1〜3μmにそれぞれ形成し、前記インク層を
上層インク層および下層インク層からなる複数層により
形成し、下層インク層の厚さ寸法を0.5〜0.9μ
m、前記上層インク層の厚さ寸法を1.0〜1.8μm
にそれぞれ形成し、前記下層インク層の融点を70〜1
20℃としたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明のリボンカセットおよび熱転写プリンタ
によれば、リボンカセットにリールの他にピンチローラ
を配設するとともに、キャリッジに前記ピンチローラを
駆動する第2ボビンを配設し、この第2ボビンによりピ
ンチローラを駆動することにより熱転写シートに対して
均一に張力を付与することができるので、熱転写シート
を安定して走行させることができ、熱転写シートの性能
を十分に発揮させて良好な印字を行なうことができる。
さらに、サーマルヘッドのエッジ距離を40〜130μ
mに形成しているので、熱転写シートのインクをサーマ
ルヘッドの発熱体の発熱により十分に加熱することがで
きるし、熱転写シートの溶融インクの温度がそれほど低
下しないうちに熱転写シートのベースフィルムから剥離
されるので、適正に熱転写シートのインクを転写するこ
とができる。
【0015】また、本発明の熱転写シートによれば、ベ
ースフィルム、インク層、背面層の各厚さ寸法を薄く形
成することにより、熱転写シート全体の厚さ寸法を薄く
形成するようにしているので、この熱転写シートをリボ
ンカセットの内部に巻回して収容させる場合に、巻回量
を多く確保することができ、従来の熱転写シートに比較
して長尺の熱転写シートを収容することが可能となる。
その結果、熱転写シートを繰り返し使用することなく長
期間にわたって連続使用することができ、熱転写シート
の著しい長寿命化を図ることができる。さらに、熱転写
シートの厚さが薄いことから、サーマルヘッドの出力を
高めたり、サーマルヘッドの通電時間を長く設定するこ
となく、インク層を溶融転写することができ、その結
果、高速印字を行なうことができ、しかも、インク層に
対してサーマルヘッドの熱を効率よく伝達することがで
きるので、輪郭の鮮明な印字を行なうことができ、画質
の良好な印字を行なうことができ、さらに、サーマルヘ
ッドの出力を高める等の制御が不要であるので、サーマ
ルヘッドの消費電力を著しく低減させることができる。
また、ピンチローラを有するリボンカセット内に前記熱
転写シートを収納し、サーマルヘッドのエッジ距離が4
0〜130μmとされた熱転写プリンタに使用すること
により熱転写シートの安定走行と熱転写シートの溶融さ
れたインクのベースフィルムからの良好な剥離が行われ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図4を参
照して説明する。
【0017】図1は本発明に係る熱転写シートの一実施
例を示したもので、1〜3μm程度の厚さ寸法を有する
ベースフィルム2の一面側には、0.1〜1.5μm程
度の厚さ寸法を有する下層インク層5が形成されてお
り、この下層インク層5の表面側には、0.4〜2.0
μm程度の厚さ寸法を有する上層インク層6が形成され
ている。また、前記ベースフィルム2の他面側には、
0.05〜0.5μm程度の厚さ寸法を有する背面層4
が形成されている。これにより、前記熱転写シート1の
総厚さ寸法は、約1.5〜7.0μm程度に形成される
ようになされている。
【0018】本実施例においては、前記ベースフィルム
2としては、サーマルヘッドの加熱温度より軟質化、可
塑化しない耐熱強度が必要であり、さらに、ベースフィ
ルム2上のインクが良好な転写率を示すのに十分な高い
平滑性が必要とされる。そのため、前記ベースフィルム
2の材質としては、ポリエステルフィルム、PENフィ
ルム、アラミドフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂
フィルムが好適であり、特に、ポリエステルフィルムお
よびPENフィルムが、加工性耐切り裂き性、価格の点
で好ましい。
【0019】また、ベースフィルム2の厚さ寸法は、1
〜3μm程度としているが、1.5〜2.5μm程度が
より好ましい。このベースフィルム2の厚さ寸法が3.
5μm以上では、従来から用いられていて厚くなりすぎ
るし、1μm以下では、インクの剥離時におけるインク
強度とベースフィルム2の強度とが近くなるため、伸び
しわ等の変形が大きくなり、使用に適さなくなる。
【0020】また、ベースフィルム2の平滑性を示す表
面粗さは、Ra0.05〜1.0μm程度が好ましく、
Ra0.1〜0.5μmがより好ましい。前記表面粗さ
がRa0.05μmより小さいと、サーマルヘッドおよ
びリボンカセットの摺動負荷が大きくなるとともに、リ
ボンカセットの内部に配設されたガイドローラに対して
密着しやすくなりベースフィルム2の走行性が低下して
しまう。また、表面粗さがRa1.0μmより大きくな
ると、サーマルヘッドからの熱伝達効率が低下してしま
い、印字特性が悪くなる。
【0021】また、前記各インク層5,6のうち、上層
インク層6は、所定の用紙等の記録媒体に転写されて画
像を形成するための層であり、下層インク層5は、主と
してサーマルヘッドによる加熱時おける上層インク層6
の転写性を促進するための層である。前記下層インク層
5および上層インク層6は、それぞれバインダ剤および
着色剤を主成分とし、必要に応じて、熱伝導物質、柔軟
剤、平滑化剤、分散剤、融点調節剤、可撓剤等からなる
組成物をホットメルトコーティングして形成するか、あ
るいは、前記組成物を適宜の溶媒に分散せしめてなる塗
布液をソルベントコーティングして形成するようになさ
れている。
【0022】また、各インク層5,6は、ワイヤバー塗
布、ロール塗布およびグラビアロール塗布等の塗布手段
により形成することもでき、さらに、トルエン、キシレ
ン等の溶剤に溶解し、同様の塗布手段で塗布することも
できる。
【0023】なお、本実施例においては、下層インク層
5には着色剤を加えていないが、加えるようにしてもよ
いことはもちろんである。
【0024】また、前記下層インク層5の厚さ寸法は、
0.1〜1.5μm程度とされており、好ましくは、
0.5〜1.0μm程度に形成される。この下層インク
層5の厚さ寸法が0.1μmより薄くなると、サーマル
ヘッドによる加熱時に下層インク層5が破壊され上層イ
ンク層6がベースフィルム2と接触してしまい、上層イ
ンク層6の離脱性が低下して印字特性が劣化してしま
う。また、下層インク層5の厚さ寸法が1.5μmより
厚くなると、硬質の記録媒体に印刷する際に、インクリ
ボンの走行が不安定になる。
【0025】また、上層インク層6の厚さ寸法は、良好
な画像を得るために0.4〜2.0μm程度に形成され
ており、特に、1.0〜1.8μm程度が好適である。
上層インク層6の厚さ寸法が0.4μmより薄くなる
と、印字濃度が低下し、さらに、インクと記録媒体との
間で多少の滑りが生じた場合、印字画質が著しく低下し
てしまう。また、上層インク層6の厚さが2.0μmよ
り厚くなると、加熱部と非加熱部との間の切り離しが困
難となり、良好な画質を得ることができず、さらに、記
録媒体との接着力が低下してしまいインクの定着性が悪
化してしまう。
【0026】前記下層インク層5の融点は、70〜12
0℃が好ましく、より好ましくは、80〜90℃とされ
る。また、上層インク層6の融点は、60〜120℃が
好ましく、より好ましくは70〜80℃とされ、さら
に、上層インク層6の顔料含有率は、10〜50%が好
ましく、特に20〜30%が好適である。着色剤含有率
が10%より低いと印字濃度が不十分となり、50%を
超えると特に顔料の場合、強靱な皮膜ができにくくな
る。
【0027】また、前記各インク層5,6に用いられる
バインダ剤としては、パラフィンワックス、酸化ワック
ス、カルナバワックス、低分子量ポリエチレン、エステ
ルワックス等のワックスや、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が好適であり、これら
各ワックスや樹脂から目的に応じてその溶融度を考慮し
て適宜決定するようになっている。
【0028】また、前記上層インク層6に用いられる着
色剤としては、溶解性のものでも粒子状分散系のもので
も適用することができ、例えば、従来のインク層に使用
される顔料や染料が好適に使用されるものであり、例え
ば、黒色の染料やカーボンブラック、黒鉛、オイルブラ
ック、ニグロシンベース等の顔料が用いられる。
【0029】さらにまた、前記背面層4に使用される耐
熱性樹脂は、その融点が170℃以上とされ、より好ま
しくは200℃以上とされるものであり、この背面層4
は、サーマルヘッドに対するスティッキングが発生せ
ず、しかも、熱転写シート1を使用する際に、リボンカ
セットの内部にロール状に収容させるものであるため、
上層インク層6に対して融着しないような材料が用いら
れる。この背面層4の形成材料としては、具体的には、
シリコン樹脂、フッソ樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、
ニトロセルロース等が用いられる。また、前記背面層4
の厚さ寸法は、0.05〜0.5μm程度が好ましい。
背面層4の厚さ寸法が0.05μmより薄くなると、サ
ーマルヘッドでの印字加熱時に層が破壊されやすくな
り、ベースフィルム2とサーマルヘッドとの融着が起こ
りベースフィルム2の走行が困難となり、また、0.5
μmより厚くなると、塗工形成が不安定となってしま
う。
【0030】前記構成の本実施例による熱転写シート1
においては、この熱転写シート1をリボンカセットの内
部に巻回して収容し、このリボンカセットを所定の熱転
写プリンタのキャリッジに装着し、前記熱転写プリンタ
のサーマルヘッドを駆動することにより、前記熱転写シ
ート1の上層インク層6を溶融させて用紙等の所定の記
録媒体に転写し、所望の印字を行なうようになってい
る。
【0031】この場合に、本実施例においては、前記ベ
ースフィルム2、下層インク層5、上層インク層6、背
面層4の各厚さ寸法を薄く形成することにより、熱転写
シート1全体の厚さ寸法を薄く形成するようにしている
ので、従来の熱転写シート1の総厚さ寸法は6.0〜
9.0μm程度であったものが、本実施例における熱転
写シート1の総厚さ寸法を約1.5〜7.0μm程度に
形成することが可能となる。
【0032】したがって、本実施例においては、熱転写
シート1の厚さ寸法を薄く形成することができるので、
この熱転写シート1をリボンカセットの内部に巻回して
収容させる場合に、巻回量を多く確保することができ、
従来の熱転写シート1に比較して長尺の熱転写シート1
を収容することが可能となる。その結果、熱転写シート
1を繰り返し使用することなく長期間にわたって連続使
用することができ、熱転写シート1の著しい長寿命化を
図ることができる。
【0033】また、ベースフィルム2の厚さが薄く、し
かも、上層インク層6および下層インク層5の厚さも薄
いことから、サーマルヘッドの出力を高めたり、サーマ
ルヘッドの通電時間を長く設定することなく、上層イン
ク層6を溶融転写することができ、その結果、高速印字
を行なうことができ、しかも、上層インク層6に対して
サーマルヘッドの熱を効率よく伝達することができるの
で、輪郭の鮮明な印字を行なうことができ、画質の良好
な印字を行なうことができる。さらに、サーマルヘッド
の出力を高める等の制御が不要であるので、サーマルヘ
ッドの消費電力を著しく低減させることができる。
【0034】また、図2は前記熱転写シート1を用いた
リボンカセットの一実施例を示したもので、リボンカセ
ット7のカセットケース8の内部には、熱転写シート1
が巻回され熱転写プリンタのキャリッジに形成された一
対のボビン(図示せず)にそれぞれ係合される一対のリ
ール9,9がそれぞれ収納されており、前記リボンカセ
ット7の内部両側部分には、前記キャリッジに形成され
た一対の第2ボビン(図示せず)に係合され前記熱転写
シート1を案内する一対のピンチローラ10,10が配
設されている。
【0035】また、前記カセットケース8の一側中央部
には、前記キャリッジに装着された状態でサーマルヘッ
ドが挿入される凹部11が形成されており、前記カセッ
トケース8の前記凹部11の両側対称位置には、切欠き
部12,12がそれぞれ形成されている。
【0036】さらに、前記カセットケース8の内部の前
記各リール9と各ピンチローラ10との間部分および前
記凹部11、各切欠き部12の先端部分には、それぞれ
複数のガイドローラ13,13が配設されている。
【0037】また、本実施例においては、前記リール9
に使用される材料としては、PC、ABS、POM等が
好適であり、このリール9には、カセットケース8との
摩擦抵抗を軽減するため、潤滑剤を添加するとよい。
【0038】さらに、前記リール9に巻回される熱転写
シート1は、その両端部にリーダテープおよびエンドテ
ープがそれぞれ接続されるようになされており、前記リ
ーダテープおよびエンドテープとしては、ポリエステル
フィルム、ポリエチレンフィルム、PENフィルム、ア
ラミドフィルム、ポリイミドフィルム等が好適である。
【0039】また、前記キャリッジに搭載されるサーマ
ルヘッド14は、図3および図4に示すように、サーマ
ルヘッド14の基板15の上面一側には、縦方向に延在
するグレーズ16が形成されており、このグレーズ16
の頂部には、ドットに対応した多数の発熱体17,17
が形成されている。本実施例においては、前記発熱体1
7から前記基板15の一側縁までのエッジ距離aは、4
0〜130μm程度に形成されており、好ましくは70
〜100μmに形成されるようになっている。このエッ
ジ距離aが40μmより短くなると、インクが十分に加
熱されていないうちに記録媒体から剥離されてしまうこ
とになり、インクが記録媒体に適正に転写されなくな
る。また、エッジ距離aが130μmより長くなると、
インクが溶融された後にインクの温度が低下してしま
い、ベースフィルム2から剥離しにくくなる。
【0040】さらに、前記基板15の上面の前記発熱体
17の両側には、この発熱体17に所定の印字信号に基
づいて独立して通電する個別電極18および共通電極1
9がそれぞれ形成されている。
【0041】本実施例においては、前記リボンカセット
7を熱転写プリンタのキャリッジに装着し、前記キャリ
ッジのボビンおよび第2ボビンを回転駆動させて前記リ
ボンカセット7のリール9およびピンチローラ10をそ
れぞれ回転させることにより、前記熱転写シート1を所
定速度で、かつ、熱転写シート1に対して所定の張力を
付与しながら、巻取り動作させるようになっている。そ
して、前記カセットケース8の凹部11に位置するサー
マルヘッド14を駆動して所望の発熱体17を発熱させ
ることにより、前記熱転写シート1のインクを溶融して
所定の記録媒体に転写するようになされている。
【0042】したがって、本実施例においては、リボン
カセット7にリール9の他にピンチローラ10を配設
し、このピンチローラ10により熱転写シート1に対し
て均一に張力を付与することができるので、熱転写シー
ト1を安定して走行させることができ、熱転写シート1
の性能を十分に発揮させて良好な印字を行なうことがで
きる。また、サーマルヘッド14のエッジ距離を40〜
130μmに形成するようにしているので、適正に熱転
写シート1のインクを転写することができる。
【0043】なお、本発明は前記実施例のものに限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々変更することが可
能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る熱転写シ
ート、リボンカセットおよび熱転写プリンタは、熱転写
シート全体の厚さ寸法を薄く形成したので、リボンカセ
ットの内部に長尺の熱転写シートを収容することが可能
となり、リボンカセットを繰り返し交換することなく長
期間にわたって連続使用することができ、リボンカセッ
の著しい長寿命化を図ることができる。また、熱転写
シートの厚さが薄いことから、サーマルヘッドの出力を
高めたり、サーマルヘッドの通電時間を長く設定するこ
となく、インク層を溶融転写することができ、その結
果、高速印字を行なうことができ、サーマルヘッドの消
費電力を著しく低減させることができ、しかも、インク
層に対してサーマルヘッドの熱を効率よく伝達すること
ができるので、輪郭の鮮明な印字を行なうことができ、
画質の良好な印字を行なうことができる。さらに、ベー
スフィルムの厚さ寸法を1〜3μmに形成したことによ
り、従来のもののように厚すぎることがなく、しかもイ
ンクの剥離時にしわなどが発生するおそれもない。さら
に、インク層を上層インク層および下層インク層からな
る複数層により形成し、下層インク層の厚さ寸法を0.
5〜0.9μmに形成したので、サーマルヘッドによる
加熱時に下層インク層が破壊され上層インク層がベース
フィルムと接触してしまい、上層インク層6の離脱性が
低下して印字特性が劣化してしまうおそれがないし、ま
た、硬質の記録媒体に印刷する際に、インクリボンの走
行が不安定になるおそれもない。さらにまた、インク層
を上層インク層および下層インク層からなる複数層によ
り形成し、上層インク層の厚さ寸法を1.0〜1.8μ
mに形成したので、印字画質が低下してしまうおそれが
ない。また、下層インク層の融点を70〜120℃とし
たので、70℃以下とした場合に転写シートとしての保
存性が低下して保存寿命が短くなり、印字の際に加熱さ
れない部分のインクの脱落が顕著となり、用紙が汚れ、
印字品質の劣化を招来するという事態の発生を防止でき
るし、さらに、120℃以上とした場合に印字時にイン
クの転写に必要な温度にするために、ベースフィルムが
耐熱限度を超えてしまうという事態の発生も防止するこ
とができる。
【0045】また、リボンカセットにリールの他にピン
チローラを配設するとともに、キャリッジに前記ピンチ
ローラを駆動する第2ボビンを配設することにより、熱
転写シートに対して均一に張力を付与することができる
ので、全体の厚さの薄い熱転写シートを安定して走行さ
せることができ、厚さの薄い熱転写シートの性能を十分
に発揮させて良好な印字を行なうことができる。さら
に、サーマルヘッドの発熱体から一側縁までのエッジ距
離を40〜130μmに形成したので、インクが記録媒
体に適正に転写されるし、インクの記録媒体からの剥離
も良好に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す縦
断面図
【図2】本発明のリボンカセットの一実施例を示す横断
面図
【図3】本発明の熱転写プリンタに適用されるサーマル
ヘッドの一実施例を示す縦断面図
【図4】図4の正面図
【図5】従来の熱転写シートを示す縦断面図
【図6】従来のマルチタイムの熱転写シートを示す縦断
面図
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 ベースフィルム 4 背面層 5 下層インク層 6 上層インク層 7 リボンカセット 8 カセットケース 9 リール 10 ピンチローラ 13 ガイドローラ 14 サーマルヘッド 15 基板 17 発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40 B41J 33/26 B41J 32/00 B41J 2/345

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテンに沿ってキャリッジを往復動自
    在に配設するとともに、前記キャリッジに多数の発熱体
    が形成されたサーマルヘッドを搭載してなる熱転写プリ
    ンタにおいて、前記リボンカセットの内部に総厚さ寸法
    が2.65〜5.7μmに形成された熱転写シートを巻
    回する一対のリールを配設するとともに、前記熱転写シ
    ートを案内する一対のピンチローラを配設し、前記キャ
    リッジに前記各リールに係合して巻取り駆動する一対の
    ボビンを回転自在に配設するとともに、前記各ピンチロ
    ーラに係合して前記熱転写シートに対して一定の張力を
    付加する第2ボビンを回転自在に配設し、前記サーマル
    ヘッドの発熱体から一側縁までのエッジ距離を40〜1
    30μmに形成したことを特徴とする熱転写プリンタ。
  2. 【請求項2】 キャリッジの上面に着脱自在に装着され
    るカセットケースの内部に一対のリールに端部が保持さ
    れて巻回された熱転写シートを収納してなり、プラテン
    に沿って往復動自在に配設されている請求項1に記載の
    熱転写プリンタのキャリッジにサーマルヘッドとともに
    搭載されるリボンカセットにおいて、前記カセットケー
    スの内部に総厚さ寸法が2.65〜5.7μmに形成さ
    れた熱転写シートを案内するとともに、所定の回転力が
    付与されて前記熱転写シートに対して一定の張力を付加
    する一対のピンチローラを配設したことを特徴とするリ
    ボンカセット。
  3. 【請求項3】 求項2に記載のリボンカセット内に収
    納される熱転写シートであって、ベースフィルムの一面
    側にインク層を形成するとともに、他面側に背面層を形
    成してなる熱転写シートにおいて、前記熱転写シートの
    総厚さ寸法を2.65〜5.7μm、前記ベースフィル
    ムの厚さ寸法を1〜3μmにそれぞれ形成し、前記イン
    ク層を上層インク層および下層インク層からなる複数層
    により形成し、下層インク層の厚さ寸法を0.5〜0.
    9μm、前記上層インク層の厚さ寸法を1.0〜1.8
    μmにそれぞれ形成し、前記下層インク層の融点を70
    〜120℃としたことを特徴とする熱転写シート。
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