JPH06166083A - 内部デッケルを有した押出加工装置 - Google Patents

内部デッケルを有した押出加工装置

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JPH06166083A
JPH06166083A JP5176887A JP17688793A JPH06166083A JP H06166083 A JPH06166083 A JP H06166083A JP 5176887 A JP5176887 A JP 5176887A JP 17688793 A JP17688793 A JP 17688793A JP H06166083 A JPH06166083 A JP H06166083A
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deckle
groove
manifold
extrusion
preland
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JP5176887A
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Peter F Cloeren
エフ. クローレン ピーター
Rolf P Schulz
ピー. シュルツ ロルフ
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Cloeren Co
Original Assignee
Cloeren Co
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Publication date
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    • B29C48/30Extrusion nozzles or dies
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 内部デッケルシステムを有する改良された押
出加工装置であって、該装置は、装置の端部を貫通しマ
ニホールド内で凹形状に湾曲する上部デッケル部材と、
装置内の流路のプレランド溝にまで延びるデッケル刃
と、該デッケル刃に隣接するデッケルロッドとを有して
おり、これら3つのデッケル部材は、夫々単独で調節可
能とされている。 【効果】 他のデッケル部材に伴って発生する曲げや歪
みを減少させることができ、流体圧によるエンドプレー
トからの材料漏れを防止することができる。また、デッ
ケル部材の挿入具合を調節することにより、装置内の空
間で溶融した材料が停滞するのを防止し、押出されるウ
ェブ形状を一定にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部デッケルシステム
(internal deckle system)を有する改良された押出加工
装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】ウェブ幅を制限するデッ
ケルを有する押出加工装置は公知である。デッケルは、
内部、外部又は内部デッケル部材を有する外部ボートデ
ッケルのように内部/外部の組合わせがある。ペンロッ
ドの米国特許第3870454号明細書に、流体を冷却
するための外部供給管と、開口を通過してランド溝に入
り、さらに上流の流路へと上方に突出するフィンとを有
するデッケルシステムが例示されている。フィンは冷気
供給管と結合され熱交換される。キャストフィルムの押
出加工において、外部デッケル部材は、開口と冷却管と
の間に比較的大きな間隙を形成し、それらの相対的な位
置を制限することになるという難点がある。
【0003】矢崎らの米国特許第4057385号明細
書に示されるように、マニホールドの内壁と摺動接触し
て移動する冷却用管と、下流に突出しているフィンとを
有する内部デッケルシステムは公知である。ペンロッド
や矢崎らの米国特許は、樹脂の粘度を増加させ漏出を減
少させるために流体を冷却することの有用性を教示して
る。
【0004】スネドンの米国特許第3018515号明
細書には、2つの構成部材を有する外部調節を行える内
部デッケルが記載されている。1つの構成部材は、マニ
ホールド内で正確に摺動する円柱状のヘッド又はマニホ
ールドプラグと、マニホールドプラグから下方に延びる
フィンとが形成されている。下方の密閉ワイヤは、第2
の構成部材としての役割をなす。
【0005】前島の米国特許第4248579号明細書
には、2つの構成部材を有する歯車により外部調節を行
える内部デッケルが記載されている。マニホールド内で
可動に配置された支持ロッド及び該支持ロッドの端部か
らプレランド溝に延びる旗状部材は、1つの構成部材と
しての役割をなし、下流のデッケルロッドは、第2の構
成部材の役割をなす。調節は支持ロッドの内部に捩子を
施された穴と螺合する回転式シャフトにより行われる。
このシステムにより、エッジビード(押出物の縁に発生
する紐状の肉厚部)が減少し、ウェブ幅の制御が行え
る。
【0006】前島の英国特許出願第2092512号明
細書に、類似の2つの構成部材を有する内部デッケルシ
ステムが記載されている。マニホールド内で密着して摺
動する支持ロッド又はマニホールドプラグと、凹形状の
後方縁を有する垂れ下がった旗状部材とを有している点
が変更されている。
【0007】前島の特願昭60−28537号公報の図
3や米国特許第4659302号明細書に、前島の米国
特許第4248579号明細書の記載事項に類似する3
つの構成部材を有する内部デッケルが記載されている。
上部デッケル部と、独立したロッドにより支持され制御
される単独で可動な下部デッケル部と、上部デッケル部
の傾斜面とを有している点が他のものと相異する。単独
で可動な下部デッケル部により、エッジビード(edge be
ad)が減少するという利点がある。
【0008】下流のデッケルロッドは、この型の装置の
第3のデッケル構成部材としての役割をなす。米国特許
第4659302号明細書に記載の装置において、舌状
の突起部は、エッジビードの形成防止のためデッケルロ
ッドの先端から下方に延び、流路と正確に嵌合するにも
かかわらず上部デッケル部及び下部デッケル部の後方で
漏出する樹脂を除去するために、排出口が形成されてい
る。
【0009】この型の装置の単独で可動な下部デッケル
が有する欠点は、一般的に締付け操作を必要とする支持
ロッドの曲がりに伴って、調節の際に歪みを生じ易いと
いうことであり、多くの場合、操業の一部停止を必要と
する。さらに、下部デッケル部の端面の流体圧により又
は支持ロッドに作用する樹脂の漏出圧力により曲げが生
じる可能性もある。
【0010】デッケルロッドも、歪みを生じ易い。デッ
ケルロッドの曲がりにより、デッケルロッドにより形成
される幅制御用のシールが破損し、開口から樹脂が漏出
する可能性がある。
【0011】さらなる欠点は、ロッドの移動を妨害する
支持ロッドやデッケルロッドにおいて又はその付近にお
いて存する樹脂が堆積した状態で、上部デッケル部材及
び下部デッケル部材の後方で漏出する樹脂が停滞し堆積
する傾向にある点である。樹脂の望ましくない変質と付
着により、さらにウェブ表面に美観上に許容できない縞
模様が発生し得る。
【0012】エンドプレートや支持ロッド付近からのデ
ッケル部材に対する樹脂の漏出は、より良く抑制される
必要がある。また、不規則な幅のウェブの押出加工、特
に、波状の又は扇状の縁を有するウェブの押出加工が克
服される必要がある。
【0013】このように、内部デッケルシステムを有す
る改良された押出加工装置が必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、内部デッケルシステムを有する改良された押出
加工装置を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、歪みや曲げを防止で
きエッジビードを減少させ得る内部デッケル部材を有し
た押出加工装置を提供することにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、内部デッケル
ロッドの歪みや曲げを減少させる押出加工装置を提供す
ることにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、流路の空間内
で溶融した材料の望ましくない停滞や堆積を減少させる
押出加工装置を提供することにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、内部デッケル
や支持部材のためのエンドプレートに設けられた開口か
らポリマーの漏出を減少させる押出加工装置を提供する
ことにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、波状や扇状の
縁を有するウェブの不経済な押出加工を克服する押出加
工装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的を
達成するため、流路を備えた本体を有する押出加工装置
が提供される。流路は、主たる流れ方法に配置され横方
向の流れを形成するマニホールドと、押出加工装置の幅
方向に拡がる間隙を有する溝状の開口で終止するランド
溝と、マニホールド及びランド溝の間を流体的に連通さ
せるためマニホールド及びランド溝の間に位置するプレ
ランド溝とを有している。
【0021】本発明の第1の望ましい実施例において、
デッケル刃は本体の端部を貫通して本体内部へと延び、
プレランド溝内で可動に配置されているのが望ましい。
この実施例は、さらに流路のマニホールド内に配置され
た単独で調節可能な上部デッケルプラグと、プレランド
溝内でデッケル刃の下流にある可動に配置されたデッケ
ルロッドとを有しているのが望ましい。本装置は、本体
の端部から漏出防止のための冷間形成可能なシール部材
を有しているのが望ましい。
【0022】上記変更態様においては、上部デッケルプ
ラグは、上部デッケルを通過して生じる漏出を防止する
ために熱と圧力が加えられた状態で形成可能なシール部
材を有している。さらなる変更態様においては、十分な
幅を有する上部デッケルプラグは、本体の端部からマニ
ホールドまで延びている。これらの変更態様において
は、デッケル刃は、従来の単独で調節可能な下部デッケ
ルプラグと置き換えることもできる。
【0023】本発明の第2の望ましい実施例において
は、上部デッケルプラグは省略することもできる。変更
態様において、波状の又は扇状の縁は、ランド溝を通過
して下方に延び、開口又は開口付近で終止する旗状部材
を設けることにより形成が回避され得るという利点があ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつ
つ説明する。本発明は、内部デッケルシステムを有する
新しい押出加工装置に関するものである。該装置は高圧
の押出加工工程の作用力に耐久し得るエッジビードを減
少させる内部デッケル部材を有し、そのような条件下で
下流の内部デッケルロッドの歪みや曲げを減少させると
いう利点がある。
【0025】また、中空の流路空間及びデッケル部材或
いはそれらの支持部材において又はそれらの付近で、ポ
リマーの望ましくない変質や付着により発生するポリマ
ーの停滞や堆積が減少するという利点がある。さらに、
本装置は、エンドプレートの開口からポリマーの漏出を
減少させ得る。また、装置は波状の又は扇状の縁を有し
ないウェブを押出すことができるという利点がある。本
発明の以下の説明は、主にポリマー材料について述べら
れているが、本発明は同様に非ポリマー材料にも適用可
能である。
【0026】図1から図4は、本発明に係る押出加工装
置の望ましい実施例を示している。装置は、流路14を
備えた本体12を有し、流路14は、矢印方向に流れの
主方向を形成する。流路は、下流に向かって順に供給溝
16と、流れが幅方向に拡がるように横方向に流れを形
成するマニホールド18と、プレランド(溝と溝との隆
起した箇所)溝20と、リップ26、28により形成さ
れた出口スロット24で終止するランド溝22とを有し
ている。
【0027】マニホールドは一端30から他端32まで
実質的に一定の断面積をなす全体的に長方形の断面を有
しているのが望ましい。それに代えて、マニホールド断
面は、全体的に円形状や涙滴状(ティアドロップ)とす
ることもできる。
【0028】支持ロッド38は、本体12のエンドプレ
ート34を貫通してマニホールド内まで延び、全体的に
出口スロットに平行とされおり、調節可能な上部デッケ
ルプラグ40は、内部ロッドエンド41に固定されてい
る。上部プラグ40は、マニホールド内部に配置され、
有利にはプレランド溝20の上流部42に配置されたフ
ィン部43を有している。上部プラグは、凹形状の湾曲
面44と、全体的に出口スロット24に平行な後方縁4
6とを有しているのが望ましい。
【0029】下部デッケルプラグ50は、エンドプレー
トを貫通してプレランド溝まで延び、全体的に出口スロ
ットに平行とされ、有利には単独で調節可能なデッケル
刃状をなしている。「デッケル刃」とは全体的に刃形状
をなし、プレランド溝に配置されたデッケル部材を意味
し、該プレランド溝において実質的に該デッケル部材の
最大摺動距離に等しいか又はそれを越える断面寸法を有
する。一般的に、最大摺動距離は溝幅の約25%であ
る。
【0030】デッケル刃50は、全体的に角ばった隅
と、凸形状に湾曲した後方縁56とを備えた上流縁54
を有する端部52で終止しているのが望ましい。上流縁
54は、調節の際の摩擦接触を避けるため間隙が形成さ
れた状態で、上部デッケルプラグ40の後方縁46に隣
接している。上部プラグの凹形状の湾曲面44と、デッ
ケル刃端部の凸形状に湾曲した後方縁56とにより、薄
層の流れ条件下で、エッジの流れが薄くなるのが助長さ
れる。
【0031】単独で調節可能なデッケルロッド60は、
エンドプレートを貫通してプレランド溝まで延び、全体
的に出口スロットに平行とされている。ロッド60は、
ランド溝からプレランド溝を分離する移行壁58に近接
され、移行壁58、隣接するプレランド溝壁及びデッケ
ル刃50の後方縁から構造的に支持されているのが望ま
しい。したがって、デッケルロッドは、デッケル刃の後
方縁に隣接し、各部材の調節の際、摩擦接触を避けるた
め間隙が形成されているのが望ましい。
【0032】デッケル部材40、50、60は、流路1
4において正確に摺動可能なように係合するという利点
がある。さらに、デッケルプラグ40は、マニホールド
とプレランド溝の上流部と正確な摺動関係をなす形状と
されている。デッケル刃の摺動は、必要な機械的間隙を
除いて夫々の溝部の完全な閉鎖部を形成する平坦面をな
すようになされる。
【0033】デッケル刃50は、前島の米国特許第46
59302号明細書に記載された単独で調節可能な下部
デッケル部のための支持ロッドに関連する歪み感度や曲
げを克服するという利点がある。さらに、デッケル刃5
0は、マニホールドとプレランドデッケルプラグの後方
で漏出し得るポリマーで満たされた容積領域を減少さ
せ、ポリマーの停滞や堆積を減少させるという利点があ
る。その結果、デッケル刃及び下流のデッケルロッドの
調節性の簡易さが維持され、ポリマーの望ましくない変
質や付着が減少する。さらに、デッケル刃50は、上部
プラグ40の後方で漏出するポリマーの流体圧が、逆に
デッケルロッド60を歪ませたり曲げたりすることを防
止する。
【0034】特に、図3及び図4を参照すると、流路内
のデッケル部材の挿入具合を機械的に調節するための調
節機構62は、デッケル部材40、50、60を支持し
結合している。調節機構は、一端に本体12に強固に固
定された支持シャフト64、66と、他端に固定され結
合された不規則な形状をなす結合部材68とを有してい
る。回転式シャフト72の内方端70は、支持ロッド3
8の内部に捩子を施された穴と螺合し、外方端74は、
結合部材68より外方へ延び、結合部材により支持され
ている。
【0035】シャフト回転装置76は、ハンドホイール
の形状をなし、回転式シャフトの外方端74に結合され
ているのが望ましい。シャフトの回転は、空気圧による
駆動装置や、電力による駆動装置により生じさせること
も可能である。
【0036】支持ロッド38は、上下に結合されて延び
る方向決め部材78に略垂直である。部材78の上端8
0は、デッケルに対する相対的な位置を示すため支持シ
ャフト64のスリーブ84に設けられた指示目盛82と
係合するポインタで終止している。制止部材85は、部
材78に固定されているのが望ましい。
【0037】部材78の下部86は固定され、本体12
の外側に位置するデッケル刃87の外方端とデッケルロ
ッドの外方端88とを支持している。このために、デッ
ケル刃87の外方端は、支持部材78と結合するため溝
が設けられ、支持部材78の下部86は、デッケルロッ
ド部の外方端88が貫通して延びるための溝が形成され
ている。締付け機構89、90は、夫々デッケル刃とデ
ッケルロッドを所定位置に固定する。
【0038】したがって、デッケル部材40、50は、
相互に独立して、また、デッケルロッド60は必要に応
じて調節され得る。シャフト回転装置76は、3つのデ
ッケルを同時に移動させるために使用され得る。
【0039】特に、図4に示すように、デッケル刃50
付近のサイドプレート34からの漏出を防止するため、
圧力下で冷却可能なリテイナー部材91とシーリングガ
スケット92とが使用されるのが有利であり、さもなく
ば、それらの寸法や形状によっては先行技術と同様に材
料の漏出を発生させるであろう。この目的のため、ガー
ロック社の登録商標ガイロンとして商業的に入手可能な
変性されたポリエチレンテレフタレート(modified PTF
E)製のシーリングガスケット、特にガイロン3500シ
リーズから選択されたシーリングガスケットを使用する
のが望ましい。他の望ましい冷却可能なガスケット部材
も使用可能である。
【0040】図5に示される変更態様において、熱と圧
力下で圧縮可能に形成できるシーリング部材93は、上
部デッケルプラグの端部94と支持部材95との間に配
置されているのが望ましい。シーリング部材93は、上
部デッケルプラグを通過する漏出を防止し、調節の際、
マニホールド内のポリマーを拭い取るポリマーの望まし
くない堆積を防止する。したがって、上部デッケルプラ
グが流路と正確な摺動関係にあるとき、先行技術におけ
る厄介な漏出問題は、本発明により克服され得る。この
目的のために、ガイロンシーリングガスケットに類似の
構造をなすシーリング部材93が使用され得る。選択さ
れるシーリングガスケットの構造は、押出の動作条件に
依存するが、この場合は、一般的に約50%以下の圧縮
率とクリープ弛緩値(creep relaxation values)とを有
するのが望ましい。
【0041】図6に示されるように他の変更態様の場合
において、十分な幅を有する上部デッケルプラグ40A
は、エンドプレートを貫通し流路まで延びている。この
「十分な幅を有する」とは上部デッケルプラグの断面寸
法が断面の流れを形成するマニホールドにおけるプラグ
の最大摺動距離に等しいか又はそれを超える断面寸法で
あることを意味している。一般的に、最大摺動距離は、
マニホールド幅の約25%である。この変更はさらに、
ポリマーが望ましくない付着により堆積した状態で漏出
し得る空間を減少させるという利点がある。その結果、
ポリマーの排出口は、省略され得る。
【0042】十分な幅の周囲からエンドプレートを通じ
て漏出を防止するために、デッケルプラグ40A、リテ
イナー及びガスケット92に類似のシーリングガスケッ
トを使用するのが望ましい。さらに、シーリングガスケ
ット93に類似の流路シーリング部材も使用され得、こ
の場合、上部デッケルプラグは、支持部材の役割をなす
第2部材と共に2つの部材により形成され得るという利
点がある。
【0043】図5及び図6の例においては、図1から図
4の例と同じ部材には同じ数字が付されて図示されてい
る。同様に、内部デッケル部材と、図1の押出加工装置
のマニホールドエンド32のための調節機構の構成要素
とは、マニホールドエンド30のための部材と構成要素
に一致する数字が付されて示されている。
【0044】理解され得るように、本発明の第1の実施
態様による望ましい装置は、プレランド溝内まで延びる
デッケル刃とデッケルロッドとにより下流方向に形成さ
れた内部デッケルシステムを有している。このように、
進歩性を有する装置は、前島の米国特許第465930
2号明細書に記載された単独で調節可能な下部デッケル
部のための支持ロッドに関係する歪み易さと曲がりとを
克服し、ポリマーの停滞や堆積が発生し得る中空領域を
減少させ、デッケルロッドの歪みを減少させる。
【0045】いくつかの適用のために、図5及び図6の
修正された上部デッケルプラグは、前島の米国特許第4
659302号明細書により示されるように単独で調節
可能な下部デッケルプラグ及び支持ロッドと共に使用可
能である。この形態では、本発明に係る修正された上部
デッケルプラグは、該上部デッケルプラグがない場合
に、漏出樹脂の流体圧により発生する下部デッケル部材
の歪みを、減少させるであろう。
【0046】押出加工装置10の作動の際、シャフト回
転装置は、3つのデッケル部材を同時に移動させるのに
使用され、このとき支持部材78のエンド80の指示部
は、指示目盛82上の選択された固定位置を示す。その
後、装置10を樹脂の流れが通過し始める。もし必要で
あるならば、デッケルプラグ40及びデッケル刃50
は、エッジビードを減少させるためにさらに単独で調節
することもできる。
【0047】図7から図9に、本発明に係る押出加工装
置の第2の望ましい実施例を示されている。この実施例
の装置110は、上部デッケルプラグが省略されている
が、他の点では、同じ部材を示すために対応する数字を
使用して示された装置10と多くの点で一致している。
簡潔のために前述の詳細な説明は繰り返さない。
【0048】第1の実施例に示す装置は、キャストフィ
ルムの押出加工や、比較的低い粘度の材料の押出加工に
より適しているが、この第2の実施例は、比較的高い粘
度の材料を均一な厚さのウェブに押出加工するのに適し
ている。キャストフィルム押出加工においては、一般的
にいくらかのウェブエッジの切取り除去を行い、除去物
を再利用するので、ビードの発生しない押出加工が必ず
しも必要ではなく、この点でキャストフィルム押出加工
の適性が保たれている。しかし、この実施例のいくつか
の適用において、エッジビードは形成され得ない。この
実施例は、従来のコートハンガー型の押出加工ダイに改
装され得るという利点がある。
【0049】高粘度材料を加工する場合の利点は、上部
デッケルプラグの省略により得られ、これにより、断面
積が漸減するマニホールドを圧力降下補償領域に結合し
て使用し得る。したがって、図7から図9に示すよう
に、装置110の本体112内のマニホールド118
は、流れ分散位置117からマニホールドの各端部13
0、132まで断面積が漸減する全体的に長方形の断面
を有しているのが望ましく、直線状の出口縁119を有
しているのが望ましい。それ以外に、マニホールド断面
は、全体的に円形状や涙滴状としてもよい。
【0050】圧力降下を補償するプレランド溝120
は、位置117からマニホールドの各端部までの流体圧
の漸減に対し、増加的に流体圧を補償するという利点が
ある。この目的のため、プレランド溝は、主方向に夫々
望ましい長さを有するアンダーカットプレランド125
及びアンダーカットプレランド127により形成された
第2及び第1の段121、123を有している。圧力降
下を補償するプレランドは、それ以外に従来のコートハ
ンガー型の押出加工装置とすることもできる。
【0051】装置110は、エッジビードを減少させる
デッケル刃150とウェブ幅を制御するデッケルロッド
160とを有する内部デッケルを有している。デッケル
刃は、外方に凸形状をなし、全体的に舌状とされ得る湾
曲した端部151で終止しているのが望ましい。したが
って、刃の端部151の前方縁154と後方縁156と
は、凸形状に湾曲され得る。
【0052】図9は、引込み位置及び突出位置にあるデ
ッケル部材を各々実線及び破線で示しており、本体11
2の穴内に配置されている。デッケル刃の引込まれた作
用端の近傍には、独立して制御可能であるカートリッジ
加熱素子等の加熱素子157がある。この加熱素子の目
的は、以下、さらに説明する。
【0053】デッケルロッドは、デッケル刃の後方縁に
隣接している。しかし、どちらか一方が調節されている
とき、デッケル部材間の摩擦接触を避けるために間隙が
形成されている。デッケル刃及びデッケルロッドは、プ
レランド溝で正確に摺動する。
【0054】調節機構162は、本体112に結合され
たリテイナー部材173に固定され拡張された内部エン
ド170を有する回転式シャフト172を有している。
軸線に沿って可動で、上下に延びる回転式シャフトは、
回転式シャフトに螺合するため内部に捩子付き穴を有す
るスリーブ179に係合された方向決め部材178に略
垂直である。
【0055】図10及び図11は、図7から図9に示さ
れた実施例を変更した例を示している。図中、同じ数字
は、同様の部材を示している。この変更態様において
は、デッケルロッドの端部161が、出口スロット12
4に向かって下流に又は通常、出口スロットから約1m
m乃至3mmの範囲である出口スロット付近に延びる後
方縁165を有する旗状部材163が形成されている点
を除いて、全体的に装置110に一致している。
【0056】本発明の押出加工装置においては、部材に
おけるポリマーの流れとの接触面の冷却が促進される畏
れがあることから、旗状部材又はデッケル部材が、出口
スロットを貫通し、下流側に延びることは一般的に望ま
しくない。そのような冷却は、エッジビードの減少やエ
ッジ形成の安定性に悪影響を及ぼすということが分かっ
た。
【0057】同様に、エッジビードを最小とするにあた
り、例えばデッケル刃が引込み位置にある場合、押出加
工装置外でのデッケル刃周辺の冷却が、ポリマー流に接
触するデッケル刃面付近のポリマー流の温度に悪影響を
及ぼさないようにすることが重要である。このために、
図8及び図9を再度参照すると、加熱素子157は、ポ
リマー温度と実質的に等しい温度において、引込み位置
にある作用端を支持するため使用されるという利点があ
る。したがって、図示されていないが加熱素子157
は、本発明の第1の望ましい実施例及び第1と第2の望
ましい実施例の変更態様として、同様に使用され得ると
いう利点があることが理解される。
【0058】図10及び図11を参照すると、旗状部材
163は、不規則な幅のウェブ、特に波状の又は扇状の
縁を有するウェブが形成されるのを防止するという利点
がある。この縁に関する問題は、キャビテーション(cav
itation)効果や最も遠い下流のデッケル部材の端部付近
において流量が一定しないことによるものと考えられて
いた。この変更は、本発明の第1の望ましい実施例に適
用されることが理解されるであろう。
【0059】図12及び図13は、図7から図9の実施
例の第2の変更態様を示している。この変更態様は、デ
ッケルロッドが省略され、デッケル刃150の後方縁1
56がプレランド溝とランド溝とを分離する移行壁15
8に近接されて配置されている点を除いて装置110と
略同じである。旗状部材163がデッケル刃エンド15
1の後方縁に固定され得ることが図示されている。図
中、同じ数字は同様の部材を示している。
【0060】図示されていないが、ある適用例において
は、デッケル刃の前方縁が、プレランド溝の前方縁に近
接することは有利である。すなわち、例えば、図12及
び図13の変更態様を参照すると、デッケル刃は、プレ
ランド溝の前方縁から移行壁158まで延びる主方向に
長さを有することも可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る押出加工装置は、エンドプ
レートからマニホールド内で凹形状に湾曲する上部デッ
ケル部材と、マニホールドの下流側にあるプレランド溝
内で刃状の先端部を有する下部デッケル部材と、該下部
デッケル部材に隣接するデッケルロッドとが夫々独立し
て調節可能に挿入されているので、調節の際、デッケル
ロッドの曲げや歪みを減少させ、流体圧により発生する
エンドプレートからの材料漏れを防止することができ
る。また、デッケル部材の挿入具合を調節することによ
り、装置内の空間で溶融した材料が停滞するのを減少さ
せ、押出されるウェブの形状を一定にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る押出加工装置の第1の実施例を示
す平面図である。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大縦断面図である。
【図3】図2に示す装置の一部を3−3線方向から見た
状態で示す平面図である。
【図4】図3に示す装置の部材を分解して示す斜視図で
ある。
【図5】図1に示す押出加工装置を変更した図3に類似
する表示形態の平面図である。
【図6】図1に示す押出加工装置をさらに変更した図3
に類似する表示形態の平面図である。
【図7】本発明に係る押出加工装置の第2の実施例を示
す平面図である。
【図8】図7の8−8線に沿う拡大縦断面図である。
【図9】図8に示す装置の一部を9−9線方向から見た
状態で示す平面図である。
【図10】図7に示す押出加工装置を変更した図8に類
似する表示形態の断面図である。
【図11】図10に示す装置の一部を11−11線方向
から見た状態で示す平面図である。
【図12】図7に示す押出加工装置をさらに変更した図
8に類似する表示形態の断面図である。
【図13】図12に示す装置の一部を13−13線方向
から見た状態で示す平面図である。
【符号の説明】
12 本体 16 供給溝 18 マニホールド 20 プレランド溝 22 ランド溝 32 マニホールドエンド 40 上部デッケルプラグ 50 下部デッケルプラグ 60 デッケルロッド

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部デッケルシステム(internal deckle
    system)を有する押出加工装置であって、前記押出加工
    装置は、横方向の流れを形成するマニホールドを有する
    流路を備えた本体と、前記押出加工装置の幅方向に沿っ
    て拡がる間隙を有するスロット状の開口で終止するラン
    ド溝と、前記マニホールド及び前記ランド溝の間を流体
    的に連通させるための前記マニホールド及び前記ランド
    溝の間のプレランド溝とを有し、デッケル刃が、前記本
    体の端部を貫通して前記プレランド溝まで延び、前記プ
    レランド溝内に可動に配置されていることを特徴とする
    押出加工装置。
  2. 【請求項2】 前記マニホールド内に配置された単独で
    調節可能な上部デッケルプラグを有していることを特徴
    とする請求項1に記載の押出加工装置。
  3. 【請求項3】 前記デッケル刃は、外方に凸形状に湾曲
    した端部で終止していることを特徴とする請求項1に記
    載の押出加工装置。
  4. 【請求項4】 前記デッケル刃が引込まれた際にその内
    方端と熱交換を行う加熱装置を有していることを特徴と
    する請求項1に記載の押出加工装置。
  5. 【請求項5】 前記デッケル刃が貫通して延びる前記本
    体の端部の開口と、前記開口の外部で前記デッケル刃の
    周囲に配置され圧力下で冷間形成可能なシーリングガス
    ケットと、前記本体の端部に対し圧力下で前記シーリン
    グガスケットを冷間形成するためのリテイナー部とを有
    していることを特徴とする請求項1に記載の押出加工装
    置。
  6. 【請求項6】 前記プレランド溝内で前記デッケル刃の
    下流側に可動に配置されたデッケルロッドを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の押出加工装置。
  7. 【請求項7】 外部に配置されたデッケル調節機構を有
    することを特徴とする請求項1に記載の押出加工装置。
  8. 【請求項8】 内部デッケルシステムを有する押出加工
    装置であって、前記押出加工装置は、横方向の流れを形
    成するマニホールドを有する流路を備えた本体と、前記
    押出加工装置の幅方向に沿って拡がる間隙を有する溝状
    の開口で終止するランド溝と、前記マニホールド及び前
    記ランド溝の間を流体的に連通させるための前記マニホ
    ールド及び前記ランド溝の間のプレランド溝とを有し、
    上部デッケルプラグが、前記マニホールド内に配置され
    前記マニホールドと正確な摺動関係にあり、前記上部デ
    ッケルプラグの一端と支持部材との間にシーリング部材
    を有し、該シーリング部材は、前記上部デッケルプラグ
    を通過して生じる漏出を防止するため熱と圧力の下で形
    成可能とされ、下部デッケルプラグが、前記プレランド
    溝内で前記上部デッケルプラグの下流側に配置され、単
    独で調節可能とされていることを特徴とする押出加工装
    置。
  9. 【請求項9】 前記下部デッケルプラグは、前記本体の
    端部を貫通して前記プレランド溝まで延びるデッケル刃
    であることを特徴とする請求項8に記載の押出加工装
    置。
  10. 【請求項10】 内部デッケルシステムを有する押出加
    工装置であって、前記押出加工装置は、横方向の流れを
    形成するマニホールドを有する流路を備えた本体と、前
    記押出加工装置の幅方向に沿って拡がる間隙を有する溝
    状の開口で終止するランド溝と、前記マニホールド及び
    前記ランド溝の間を流体的に連通させるための前記マニ
    ホールド及び前記ランド溝の間のプレランド溝とを有
    し、前記マニホールドと正確な摺動関係にある十分な幅
    を有する上部デッケルプラグが、前記本体の端部を貫通
    し、前記上部デッケルプラグの下流にある単独で調節可
    能な下部デッケルプラグが、前記プレランド溝に配置さ
    れていることを特徴とする押出加工装置。
  11. 【請求項11】 前記下部デッケルプラグは、前記本体
    の端部を貫通し、前記プレランド溝に延びるデッケル刃
    であることを特徴とする請求項10に記載の押出加工装
    置。
  12. 【請求項12】 内部デッケルシステムを有する押出加
    工装置であって、前記押出加工装置は、横方向の流れを
    形成するマニホールドを有する流路を備えた本体と、前
    記押出加工装置の幅方向に沿って拡がる間隙を有する溝
    状の開口で終止するランド溝と、前記マニホールド及び
    前記ランド溝の間を流体的に連通させるための前記マニ
    ホールド及び前記ランド溝の間のプレランド溝とを有
    し、前記プレランド溝内で単独で可動に配置されたデッ
    ケル刃及びデッケルロッドが、前記本体の端部を貫通
    し、前記開口付近または該開口において終止する部材
    が、前記デッケルロッドと接触し前記開口の方向に延び
    ていることを特徴とする押出加工装置。
  13. 【請求項13】 前記マニホールド内に配置された単独
    で調節可能な上部デッケルプラグを有していることを特
    徴とする請求項12に記載の押出加工装置。
  14. 【請求項14】 前記デッケル刃は、外方に凸形状に湾
    曲した端部で終止していることを特徴とする請求項12
    に記載の押出加工装置。
  15. 【請求項15】 内部デッケルシステムを有する押出加
    工装置であって、前記押出加工装置は、横方向の流れを
    形成するマニホールドを有する流路を備えた本体と、前
    記押出加工装置の幅方向に沿って拡がる間隙を有する溝
    状の開口で終止するランド溝と、前記マニホールド及び
    前記ランド溝の間を流体的に連通させるための前記マニ
    ホールド及び前記ランド溝の間のプレランド溝とを有
    し、流れの主方向に沿って延び前記プレランド溝と前記
    ランド溝との間を結ぶ移行壁付近で終止するデッケル刃
    が、前記本体の端部を貫通して延び前記プレランド溝内
    で可動に配置され、前記開口付近又は該開口において終
    止する部材が、前記デッケル刃の後方縁に接触し前記開
    口の方向に延びていることを特徴とする押出加工装置。
  16. 【請求項16】 マニホールド内に配置された単独で調
    節可能な上部デッケルプラグを有していることを特徴と
    する請求項15に記載の押出加工装置。
  17. 【請求項17】 前記デッケル刃は、外方に凸形状に湾
    曲した端部で終止していることを特徴とする請求項15
    に記載の押出加工装置。
JP5176887A 1992-07-17 1993-07-16 内部デッケルを有した押出加工装置 Pending JPH06166083A (ja)

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