JPH06165984A - 電解イオン水生成器 - Google Patents

電解イオン水生成器

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水道水等を電気分解してアルカリイオン水及
び酸性水を連続的に生成する電解イオン水生成器を提供
する。 【構成】 給水される用水を電極1a,1b間に流して
電解イオン水を生成する電解槽1と、電極間に給水を信
号として電解電流を通電する電源2,4,5と、電極間
の通電極性を切換えて洗浄する極性切換器9を設け、電
極間に流れる電解電流の電気量、給水の流量、もしくは
電解時間の積算値又はこれらの組合せ信号が設定値に達
する毎に極性切換器に切換信号を加える制御回路10
と、給水される水のカルシウム等の濃度を測定するセン
サ14とを設け、センサの測定信号によって制御回路の
基準設定値を変更制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水道水等を電気分解し
てアルカリイオン水及び酸性水を連続的に生成する電解
イオン水生成器に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的に電解イオン水を生成するには、
密閉された電解槽内に水道水等の飲料水を供給し、電解
槽内の陰陽極間に直流電圧を通電し、前記給水飲料水を
電気分解して陰極側に集まる陽イオンを多く含んだ飲料
水と、陽極側に集まる陰イオンを含んだ化粧用水を得る
ようにしたものである。
【0003】このように電解イオン水を連続して利用す
る場合、整水器の使用量が多くなると陰極表面に不純物
(スケ−ル)が析出して堆積するようになり、このため
飲料水の電気分解能力が次第に低下する欠点がある。
【0004】この電気分解によって極板に付着するスケ
−ルを除去するためには、電極に印加する直流電圧の極
性を逆転することが知られている。即ち、通電極性の逆
転によって電極には付着したスケ−ルが溶出するのであ
る。
【0005】この原理を利用して従来は、手動によりス
イッチを作動させ電極間の印加電圧極性を逆転させて所
定時間の洗浄をするとか、給水の積算時間が所定に達し
た時に前記電極間の印加電圧の極性を反転させ自動洗浄
させるようにしたもの等が提案されている。
【0006】しかしながら、手動制御する場合は、電極
にスケ−ルが付着することにより電解能力が低下したと
き、その電解能力を始めの状態に戻すための逆洗時期を
最適に制御することができない。この電解能力の低下す
る過程の末期で極性を逆転させて洗浄を行う場合は、ス
ケ−ル溶解除去の時間を長く必要とする。電極は通常、
白金、白金被覆電極、チタン、フェライト等の耐食性の
ものを用いるが、極性切換により長時間の電解をした場
合陽極消耗があり得る。
【0007】又、後者の給水の積算時間により自動洗浄
する場合は、積算時間が必ずしも使用水量の大小に比例
せず、このため極性を逆転して洗浄する時期が最適には
設定できるとは言えない。したがって、電極に付着する
スケ−ル量に対して洗浄時間が短かければ電解能力が充
分に回復しないし、洗浄時間が長すぎれば多少でも電極
が消耗する欠点がある。
【0008】又、原水の水質は地域によって異なり、例
えば沖縄の水はカルシウムイオン及びマグネシウムイオ
ンを比較的多量に含み、その全硬度は約300ppm 程度
であるが、東京近郊のそれは約80〜100ppm であ
る。したがって東京と沖縄では、整水器により電解イオ
ン水を生成する場合、電解時間及び洗浄時間を同一に設
定して処理したのでは、電解能力に相違が生じて同一の
イオン水を得られないことになる。当然のことながら、
沖縄で使用する場合は東京の場合よりも電解時間を短く
し頻繁に逆極性洗浄しなければならない。例えば、流量
4リットル/min、電流密度1〜2A/dm2 、電圧
15〜20Vで電解するとき、東京では10分の電解で
1回30秒程度の洗浄でよいが、沖縄では3分の電解で
1回程度の頻度で洗浄する必要がある。また、10〜2
0分/日の使用で東京では3〜4カ月の使用ができる
が、沖縄では2週間〜1ケ月で使用できなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は極性を
逆転して洗浄する時期を常に最適時期を検出して行い、
しかもそれを水質に応じて変更しながら制御し、電解能
力を元の状態に再生復元しながら、常に一定な最良状態
に維持させて連続処理ができるようにし、又逆洗時間を
短くして電極寿命を高めるようにすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】電解槽の電極間に流れる
電解電流の電気量、給水の流量、もしくは電解時間又は
これらの信号の組合せが設定値に達する毎に極性切換器
に切換信号を加える制御回路と、給水される水の硬度を
測定するセンサを設け、該センサの測定信号によって前
記制御回路の基準設定値を変更制御し、電解能力が低下
する最適時期、時間間隔で通電極性の切換えによって洗
浄を繰返すようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明は前記のように、制御回路により電解電
流の電気量、給水の流量、もしくは電解時間またはこれ
らの組合せ信号が設定値に達する毎に通電極性を切換え
て洗浄するようにしたから、電極に付着するスケ−ルが
洗浄することによって溶解除去し、洗浄毎に電解能力を
再生復元することができ、しかもセンサによる供給水の
カルシウム濃度等の測定により前記制御回路の基準測定
値を変更制御するようにしたから水質に応じて逆洗時期
を最適に定めることができ、これにより電解能力を常に
一定に最良状態に維持して連続使用ができ、安定したイ
オン水生成ができる。又毎回の逆洗時間は短い時間で処
理でき、電極寿命を高めることができる。
【0012】
【実施例】以下図面の一実施例により本発明を説明す
る。図1において、1は密閉された電解槽で、内部の給
水通路に陰極1a及び陽極1bが隔膜(図示せず)を介
して挿入配設されている。又この電解槽1には水道蛇口
等から飲料水の給水ができるように配管され、他方に陰
極水取出口及び陽極水取出口が設けられている。
【0013】2は交流電源であり、電源スイッチ3を介
してトランス4に接続され、15〜30V程度に変圧し
た交流を整流器5によって直流に変換し、−極を陰極電
極1aに、+極を陽極電極1bに接続して電解電流を通
電する。6は整流器5の出力を平滑する平滑コンデン
サ、7は交流電源の入力に接続した発光ダイオ−ドで、
スイッチ3の投入によって発光表示する。
【0014】8はトランス4の入力側に電源スイッチ3
と直列に挿入した給水スイッチで、電解槽1に給水され
たことを圧力センサもしくは流水センサによって信号検
出したときスイッチオンして陰陽極1a,1b間に電解
電流を通電する。9は整流器5の直流出力の極性切換器
で、常時は図示状態のa接点に切換り、リレ−コイルを
励磁したときb接点に切換り、電極1a,1bへの通電
極性を逆転制御する。
【0015】10は前記極性切換器9に切換信号を供給
する制御回路で、電源回路に挿入した電流計11の検出
する電解電流の電気量を積算し、それが切換器19で設
定した設定値に達したとき切換信号を出力するように構
成されている。電気量の積算には例えば電流計11の検
出信号をデジタルパルス変換し、変換パルスを計数回路
でカウントするとか、電流計11のアナログ信号を積算
用モ−タに加え、モ−タの回転数を積算することによっ
て、電気量の検出設定ができる。
【0016】12は切換器9により通電極性を切換えて
電極1a,1b間に逆極性通電をして洗浄するときの洗
浄時間を設定するタイマ回路で、制御回路10の出力切
換信号によってタイマ作動し、設定時間を完了したとき
切換器9にリセット信号を出力する。13は前記制御回
路9とタイマ回路12の信号によって反転するフリップ
フロップで、この出力を切換器9に加えて制御する。
【0017】14は電解槽1に供給される飲料水の給水
通路に挿入されたイオン濃度センサである。このセンサ
にはカルシウムイオン、マグネシウムイオン等を測定す
るイオン電極が用いられ、マグネシウムに比較して多量
に含まれるカルシウムイオンを測定するか、イオン電極
の組合せによって多種類の濃度の測定を行ない、測定濃
度に応じて制御回路10の電気量の基準設定値の変更制
御を行う。15はタイマ回路12の設定値を切換える切
換器であり、任意に所望する設定値に切換えることがで
きる。16及び17は発光ダイオ−ドで、16がフリッ
プフロップ13のリセット信号により電解イオン水を生
成時に発光表示し、17がセット信号により切換器9を
作動して通電極性を逆転することにより洗浄処理中を表
示する。18はトランス4の二次側電圧を切換えて通電
電圧を調節する切換器である。
【0018】以上に於いて、電源スイッチ3をオンして
電源表示ダイオ−ド7を発光させて後、水道の蛇口を開
くなどして電解槽1に給水を行と、給水センサの感知に
より給水スイッチ8がオンし電解槽1への通電が開始す
る。切換器9の接点は励磁制御が行われない間はa接点
側に接触しており、図示極性で陰陽極1a,1b間に電
解電流が流れ、電解槽1内に供給された飲料水が電気分
解され、陰極1a側に陽イオンを多量に含んだアルカリ
イオン水が、又陽極1b側には陰イオンを多量に含んだ
酸性イオン水が得られる。アルカリイオン水は飲料用
に、酸性イオン水は化粧用等として利用できる。
【0019】電解イオン水の生成中は発光ダイオ−ド1
6が発光して電解中であることを表示する。電源から電
解槽1に流れる電解電流は電流計11に測定され制御回
路10によって積算される。その積算電気量が設定値に
達するまでは連続した電気分解が続けられ、電気量が設
定値に達すると極性切換信号を出力し、フリップフロッ
プ13をセットして信号を極性切換器9に加え、通電極
性を切換えて槽内電極1a,1b間に逆極性通電を行
う。この逆極性通電時には発光ダイオ−ド16が消え、
発光ダイオ−ド17が発光して洗浄中であることを知ら
せる。
【0020】この逆極性通電によって電解イオン水の生
成中に電極1a,1bに付着堆積したスケ−ルの除去が
行われ、又同時に電解槽1内の殺菌処理等が行われる。
制御回路10から出力する切換信号はタイマ回路12に
も加わり、タイマの作動により洗浄時間を設定すること
ができる。この時間設定は切換器15によって設定さ
れ、電極に付着したスケ−ル除去リセット信号が出力
し、フリップフロップ13をリセットして極性切換器9
への信号を遮断して切換接点をa接点に切換え、再び電
解イオン水の生成を行う。このとき発光ダイオ−ド17
は消え、ダイオ−ド16が発光して電解中を表示する。
又リセット信号は制御回路10に加わり積算電気量をク
リアし、始めから電解電流の電気量の積算を行う。
【0021】
【表1】
【0022】ところで、電解槽1に供給される飲料水の
カルシウム等の濃度は表1のように東京近郊で80〜1
00ppm 、沖縄で300ppm 程度であり、これをセンサ
14で測定し、測定値に対応して制御回路10の基準値
の変更制御を行う。即ち東京に比べてカルシウムイオン
及びマグネシウムイオンを多量に含む沖縄の飲料水の処
理の場合は電極1a,1bに付着堆積するスケ−ルの量
が多くなるから基準値を低下させるよう設定し、積算電
気量が設定値に達したとき極性切換信号を出力して逆洗
を行うようにするから、洗浄回数は多くなり、東京の飲
料水に処理においては基準値を上げて洗浄回数を低下さ
せる。通常沖縄の場合は東京の約3倍程度以上の高頻度
とする。いずれの場合もこの水質に対応した制御によっ
て電解能力を低下させることなく一定に維持した状態で
安定した電解イオン水の生成が可能となる。
【0023】このように電気分解される水は流れる電流
と時間の積、即ち通電した電気量に比例し、電解電極に
付着するスケ−ル量も電気量に比例するが、水質によっ
てカルシウムイオン等を多く含む水を電解する場合には
同一電気量による処理でもスケ−ルの付着量が増加する
から、この場合は電気量の基準値を下げて逆洗信号を短
時間に出力するようにし、常に最良に洗浄することがで
き、逆洗の繰返しにより安定した電解能力を維持してイ
オン水の生成を行うことができるのである。
【0024】なお、給水の停止によってスイッチ8がオ
フすれば電解槽1への電解電流が遮断され、電流計11
による電流測定は中断するが、制御回路10の積算電気
量は電源スイッチ3をオフしない限り保持され、再び給
水スイッチ8が投入されれば、前の保持された積算値に
プラスして電気量を積算し、極性切換信号は常に所定の
電気分解を行ってスケ−ル等が所定に付着したときに、
逆極性通電による洗浄が行われ、電解能力を安定に維持
させるようにする。又、図において20は給水路に設け
た流量計であり、検出測定の流量信号を制御回路10に
加え、必要により積算電気量に加えて積算流量を組み合
わせて切換信号を発生させるようにしたものである。こ
の場合は流量変化に対しても最適な信号を発生できる。
【0025】以上は本発明を一実施例によって説明した
が、電解電流の検出測定は給水される飲料水その他の用
水の電導度に比例して電解電流が流れるから、電導度の
測定により電気量を算出し洗浄信号を出力することがで
きる。又、洗浄信号は飲料水の流量を積算して信号出力
しても、電解時間の積算値によって信号出力する方式で
もよく、又はそれらの組合せにより信号を出力でき、そ
の積算設定値を濃度センサによる水質測定により変更し
て洗浄信号を出力することにより洗浄時期を最適に制御
することができる。又、センサの測定信号を洗浄時間を
定めるタイマ回路に加えて洗浄時間の変更制御をするこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明は、電解電流の電気
量、給水の流量、もしくは電解時間の積算値又はその組
合せ信号が設定した値に達する毎に通電極性を切換えて
洗浄するようにしたから、電極に付着するスケ−ル等を
除去し再生しながら電気分解することができる。しかも
前記逆洗信号を出力する設定基準値を水質硬度に応じて
変更制御するようにしたから、洗浄時期を最適に制御し
て洗浄でき、電解能力を常に一定に維持して連続した電
解イオン水生成をすることができる。又、毎回の通電極
性を反転して洗浄する際に洗浄時間を最小に一定の短時
間に制御でき、電極の腐食消耗を少なくし、寿命を長く
して長期の連続使用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【符号の説明】
1 電解槽 1a 陰極電極 1b 陽極電極 2 交流電源 3 電源スイッチ 4 トランス 5 整流器 8 給水スイッチ 9 極性切換器 10 制御回路 11 電流計 12 タイマ回路 13 フリップフトップ 14 センサ 15、19 切換器 7,16,17 発光ダイオ−ド 20 流量計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水される飲料用その他の用水を電極間
    に流して電解イオン水を生成する電解槽と、前記電極間
    に給水を信号として電解電流を通電する電源と、前記電
    極間の通電極性を切換えて洗浄する極性切換器を設けた
    電解イオン水生成器において、 前記電極間に流れる電解電流の電気量、給水の流量、も
    しくは電解時間の積算値又はこれらの組合せ信号が設定
    値に達する毎に前記極性切換器に切換信号を加える制御
    回路と、前記給水される水のカルシウム等の濃度を測定
    するセンサとを設け、該センサの測定信号によって前記
    制御回路の基準設定値を変更制御するようにしたことを
    特徴とする電解イオン水生成器。
  2. 【請求項2】 制御回路の設定値を切換える切換器を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の電解イオン水生成
    器。
  3. 【請求項3】 給水される飲料用その他の用水を電極間
    に流して電解イオン水を生成する電解槽と、前記電極間
    に給水を信号として電解主流を通電する電源と、前記電
    極間の通電極性を切換えて洗浄する極性切換器を設けた
    電解イオン水生成器において、 前記電極間に流れる電解電流の電気量、給水の流量、も
    しくは電解時間の積算値又はこれらの組合信号が設定値
    に達する毎に前記極性切換器に切換信号を加える制御回
    路と、前記極性切換器の極性切換えによる洗浄時間が設
    定値に達したとき前記極性切換器にリセット信号を加え
    るタイマ回路と、前記給水される水のカルシウム等の濃
    度を測定するセンサとを設け、該センサの測定信号によ
    って前記制御回路の基準設定値あるいは前記タイマ回路
    の遅延時間を変更制御するようにしたことを特徴とする
    電解イオン水生成器。
  4. 【請求項4】 請求項3において、洗浄時間の設定値を
    切換える切換器を設けたことを特徴とする電解イオン水
    生成器。
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