JP2006247640A - 液体の帯電物質の濃度調節装置、溶液の液質制御装置、溶液の液質制御方法 - Google Patents

液体の帯電物質の濃度調節装置、溶液の液質制御装置、溶液の液質制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体中に存在するイオンの濃度や存在比率等を比較的簡単な装置で高精度に調節できる液体のイオン濃度調節装置を提供する。
【解決手段】イオン濃度調節対象とする液体中に存在させる陽極6および陰極7と、上記陽極6および陰極7に直流電圧を印加する直流電源装置4とを備え、上記陽極6と陰極7をイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとすることにより、上記液体中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着して液体のイオン濃度を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体中に存在するイオン等の帯電物質の濃度や存在比率等の液質を、電気的な制御のみで液体を直接的に調節することにより、液体の帯電物質の濃度等の液質を比較的簡単な装置で高精度に調節できる液体の帯電物質の濃度調節装置、溶液の液質制御装置、溶液の液質制御方法に関するものである。
従来から、さまざまな産業分野において各種の特性を有する液体が用いられている。このような液体は、pH,電気抵抗,濃度,密度,粘度,色,味覚等の各種の液質を、用途に応じて最も適切な特性となるように調整して使用される。このような液質の制御は、主としてイオン濃度を制御することにより行うことが可能であり、特にpH,電気抵抗等は主としてイオン濃度を制御することにより行われる。
上記のようなイオン濃度の制御方法として、例えば下記の特許文献1に示すように、制御対象の液体のイオン濃度を検知して、そのイオン濃度が目標のレベルとなるように所定の薬品を補充することにより行うものが開示されている。
また、下記の特許文献2に示すように、液体を電気分解しながらイオン透過性膜を透過させることにより、酸性水とアルカリ性水に分離してpHセンサが設けられた塩水タンクに導入し、上記pHセンサの検出信号に基づいて酸性水とアルカリ性水の導入量を調節することにより塩水のpHを所望の値に制御するものが開示されている。
さらに、下記の特許文献3に示すように、カソードの面積をアノードの面積よりも大きくすることにより、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物を分解除去するものが開示されている。
さらに、下記の特許文献4および5に示すように、液体中に存在させた2枚の電極に直流電流を印加して液体中のイオンを除去・回収するものが開示されている。
特開2001−103855号公報 特開平7−299457号公報 特開2002−248474号公報 特開平6−325983号公報 特表平11−505463号公報
しかしながら、上記特許文献1のような方法では、制御対象とする溶液のタンク以外に、補充用の薬品タンクおよびその薬品を補充するためのポンプおよび配管が、必要とする薬品の種類の数だけ必要となり、設備が大掛かりなものとなってしまう。また、上記特許文献2の方法でも、導入する酸性水とアルカリ性水をタンクに貯めておくのではなく電気分解で生成するに過ぎず、制御対象とする溶液のタンク(塩水タンク)以外に電気分解装置や配管が必要になり、設備が大掛かりなものとなってしまう。このため、上記いずれの方法でも、設備が複雑かつ大掛かりで、設備コストやメンテナンスコストがかかるという問題がある。しかも、上記特許文献2の方法では、イオン透過性膜を必要とすることから、その交換や再生等のメンテナンスが必要となり、設備維持のために多大なコストがかかっているのが実情である。
また、特許文献1および特許文献2のいずれの方法でも、イオン濃度やpHが目標レベルとなるように調整用の液体を補充するものに過ぎず、制御対象の溶液自体を直接制御するのではない。このような調整用液体を補充する場合、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じやすかったりするという問題もあった。また、イオン濃度やpHを微調整しようとすると、少量の調整用液体を投入して制御することになるのであるが、少量の調整用液体の投入がタンク内で十分に混ざり、イオン濃度やpHの検出値に反映してから、再度少量の調整用液体を投入することを繰り返す必要があることから、微調整作業には時間と手間がかかるという問題があった。
さらに、上記特許文献3に示す方法は、カソードの面積をアノードの面積よりも大きくすることにより、カソードで生じる還元反応を促進させて窒素化合物を分解・除去するものに過ぎず、溶液の液質が任意の目標値になるようにコントロールし、制御できるものではない。また、上記特許文献4および5に示す方法も、単に溶液中のイオン性物質を除去するだけのものに過ぎず、溶液の液質が任意の目標値になるようにコントロールし、制御できるものではない。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、溶液等の液体中に存在するイオン等の帯電物質の濃度や存在比率等の液質を、電気的な制御で直接的に溶液等の液体を制御することにより、比較的簡単な装置で高精度に調節できる液体の帯電物質の濃度調節装置、溶液の液質制御装置、溶液の液質制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液体の帯電物質の濃度調節装置は、濃度調節対象とする液体中に存在させる陽極および陰極と、上記陽極および陰極に直流電圧を印加する電圧供給手段とを備え、上記陽極と陰極を帯電物質の静電吸着能力が相対的に異なるものとすることにより、上記液体中に存在するプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着して液体の帯電物質の濃度を調節することを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の溶液の液質制御装置は、液質制御対象とする溶液を貯留する貯留槽と、上記溶液中に存在して直流電圧が印加されるとともに静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極と、上記両電極間に印加する電位差および/または電流値を制御する制御手段とを備え、上記制御手段で両電極に印加する電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御することを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の溶液の液質制御方法は、液質制御対象とする溶液中に直流電圧が印加されるとともに、静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極を存在させ、上記両電極間の電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御することを要旨とする。
すなわち、本発明の液体の帯電物質の濃度調節装置は、陽極と陰極を帯電物質の静電吸着能力が相対的に異なるものとすることにより、上記液体中に存在するプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着して液体の帯電物質の濃度を調節する。これにより、調節対象とする液体中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の存在比率すなわち濃度バランスを調節することが可能となる。例えば、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるように設定すると、液体中に元々存在していたマイナス帯電物質の吸着量がプラス帯電物質よりも多くなる。その結果、(液体中に新たなマイナス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたプラス帯電物質の存在比率が、元々存在していたマイナス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。反対に、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるように設定すると、液体中に元々存在していたプラス帯電物質の吸着量がマイナス帯電物質よりも多くなる。その結果、(液体中に新たなプラス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたマイナス帯電物質の存在比率が、元々存在していたプラス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。このように、液体中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の濃度バランスを制御できるようになる。
このように、制御対象とする液体中に存在する帯電物質の濃度や存在比率を、電気的な制御で直接的に液体の制御を行うことができるため、従来のように、調整用液を蓄えるタンクや調整用液をつくるための電気分解装置、それにともなう複雑な配管等を必要とせず、装置が大幅に簡素化小型化し、設備コストやメンテナンスコストの大幅な節減が可能となった。また、従来のようなイオン交換膜を必要としないことから、イオン交換膜のメンテナンスも不要となる。しかも、従来のように、調整用液体を補充するのではなく、制御対象の溶液自体を直接制御することから、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じたりするという問題も完全に解消する。
本発明において、上記陽極と陰極に対して直流電圧を印加して液体中のプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記陽極と陰極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで陽極と陰極にそれぞれ吸着していた帯電物質を放出する放出モードとを切り替える切替手段を備えている場合には、吸着モードでは、液体中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の濃度バランスを調節するが、そのまま吸着を続けると、吸着能力の限界に達する。そこで、このような場合には、上記切替手段を切り換えて放出モードにし、上記陽極と陰極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで陽極と陰極にそれぞれそれまで吸着していた帯電物質を放出することにより、陽極および陰極を再生することができるのである。
本発明において、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるよう設定されている場合には、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるように設定すると、静電吸着能力の大きな陽極に対して元々液体中に存在していたマイナス帯電物質の吸着量が、静電吸着能力の小さな陰極へのプラス帯電物質の吸着量よりも多くなる。その結果、(液体中に新たなマイナス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたプラス帯電物質の存在比率が、元々存在していたマイナス帯電物質よりも高くなる状態に制御することが可能となる。
本発明において、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるよう設定されている場合には、静電吸着能力の大きな陰極に対して元々液体中に存在していたプラス帯電物質の吸着量が、静電吸着能力の小さな陽極へのマイナス帯電物質の吸着量よりも多くなる。その結果、(液体中に新たなプラス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたマイナス帯電物質の存在比率が、元々存在していたプラス帯電物質よりも高くなる状態に制御することが可能となる。
本発明において、上記陽極と陰極は、表面積を異ならせることにより帯電物質の静電吸着能力が相対的に異なるものとなっている場合には、表面積が大きな電極には、表面積が小さい電極よりも多くの帯電物質が吸着されることから、電極の材質を適宜選定したり大きさや枚数を適宜設定したりすることにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
本発明の溶液の液質制御装置は、液質制御対象とする溶液中に静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極を存在させて直流電圧を印加し、上記両電極間の電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御する。このため、溶液中に元々存在していた帯電物質の静電吸着能力が大きな側の電極への吸着量を増大させ、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。例えば、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質の吸着量がプラス帯電物質よりも多くなる。その結果、(溶液中に新たなマイナス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたプラス帯電物質の存在比率が、元々存在していたマイナス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。反対に、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質の吸着量がマイナス帯電物質よりも多くなる。その結果、(溶液中に新たなプラス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたマイナス帯電物質の存在比率が、元々存在していたプラス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。このように、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の濃度バランスを制御できるようになる。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記制御手段は、両電極に印加した直流電圧の極性を切り換えることにより、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換えるよう制御する場合には、
溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換えることにより、上記溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の吸着と放出を可逆的に制御し、溶液中の帯電物質の濃度や存在比率を目標値に制御して、溶液の液質を目標の特性に制御することができる。
本発明の溶液の液質制御装置において、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるよう設定された第1電極組と、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるよう設定された第2電極組とを備えている場合には、
第1電極組と第2電極組のそれぞれで、静電吸着能力の大きな側の電極への帯電物質の吸着量を増大させ、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラス帯電物質と元々存在していたマイナス帯電物質の存在比率すなわち濃度バランスを任意の状態に制御することが可能となる。すなわち、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きい第1電極組では、元々存在していたマイナス帯電物質の吸着量を増やし、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きい第2電極組では、元々存在していたプラス帯電物質の吸着量を増やすことができる。その結果、元々溶液中に存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の濃度バランスを任意の状態に制御できるようになる。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記貯留槽には、液質制御対象とする溶液を導入する導入路と、液質が制御された溶液を排出する排出路とを備え、目標液質の溶液を連続的に生成するように構成されている場合には、
制御対象の溶液を貯留槽に導入しながら、貯留槽において電極への帯電物質の吸着と放出を制御して液質の制御を行い、液質が制御された溶液は連続的に排出路から排出される。このように、連続的に溶液を流しながら溶液の液質制御を行えることから、極めて良好な処理効率での運転が可能である。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記排出路もしくはその近傍において溶液中の帯電物質を検知する帯電物質検知手段を備え、上記制御手段は、帯電物質検知手段による溶液中の帯電物質の検知結果に応じて電極に印加する電位差および/または電流値を制御する場合には、
帯電物質検知手段による帯電物質の検知結果に応じて電極に印加する電位差および/または電流値を制御することにより、連続的に流れる溶液を常に目標の液質となるように制御することが可能となる。このように、目標とする液質への制御を連続的に行い、目標液質の溶液を連続的に生成することができるようになる。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記導入路または排出路には、導入もしくは排出される溶液の流量を調節する流量調節弁が設けられ、上記制御手段は、帯電物質検知手段による溶液中の帯電物質の検知結果に応じて上記流量調節弁を制御する場合には、
連続的に溶液を流しながら帯電物質の吸着と放出を制御するときに、帯電物質検知手段による帯電物質の検知結果に応じて流量を適切に制御することにより、流量が制御精度に与える影響をなくし、常に目標液質の溶液を連続的に生成することができるようになる。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記電極は、溶液と通電する導電体からなり、上記制御手段は、上記帯電物質の吸着および放出が、実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なわれるよう、上記電極に印加する電位を制御する場合には、
溶液を電気分解させてしまうと、それだけで帯電物質の濃度等の液質が変化するが、帯電物質の吸着および放出を実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なうことにより、帯電物質の吸着および放出によってのみ液質の制御を行い、電極に印加する電位の制御だけを液質に反映させて他の要因を排除し、常に正確な液質制御を実現し、液質制御の精度を確保できる。
本発明の溶液の液質制御装置において、静電吸着能力が異なる電極は、比表面積が異なる電極である場合には、
比表面積が大きな電極には、比表面積が小さい電極よりも多くの帯電物質が吸着されることから、電極の材質を適宜選定することにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
本発明の溶液の液質制御装置において、上記静電吸着能力が異なる電極は、実質の表面積が異なる電極である場合には、実質の表面積が大きな電極には、実質の表面積が小さい電極よりも多くの帯電物質が吸着されることから、電極を適宜選定することにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
本発明の溶液の液質制御方法は、液質制御対象とする溶液中に静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極を存在させて直流電圧を印加し、上記両電極間の電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御する。このため、溶液中に元々存在していた帯電物質の静電吸着能力が大きな側の電極への吸着量を増大させ、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。例えば、陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質の吸着量がプラス帯電物質よりも多くなる。その結果、(溶液中に新たなマイナス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたプラス帯電物質の存在比率が、元々存在していたマイナス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。反対に、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質の吸着量がマイナス帯電物質よりも多くなる。その結果、(溶液中に新たなプラス帯電物質が生成したとしても)元々存在していたマイナス帯電物質の存在比率が、元々存在していたプラス帯電物質よりも高い状態に制御することが可能となる。このように、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の濃度バランスを制御できるようになる。
本発明の溶液の液質制御方法において、両電極に印加した直流電圧の極性を切り換えることにより、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換える場合には、
溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換えることにより、上記溶液中に元々存在していたプラス帯電物質とマイナス帯電物質の吸着と放出を可逆的に制御し、溶液中の帯電物質の濃度や存在比率を目標値に制御して、溶液の液質を目標の特性に制御することができる。
本発明の溶液の液質制御方法において、上記帯電物質の吸着を、実質的に溶液の電気分解を生じない電位差で行なうよう制御する場合には、
溶液を電気分解させてしまうと、それだけで帯電物質の濃度等の液質が変化するが、帯電物質の吸着を実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なうことにより、帯電物質の吸着および放出によってのみ液質の制御を行い、電極に印加する電位の制御だけを液質に反映させて他の要因を排除し、常に正確な液質制御を実現し、液質制御の精度を確保できる。
本発明の溶液の液質制御方法において、上記静電吸着能力が異なる電極は、実質の表面積が異なる電極である場合には、実質の表面積が大きな電極には、実質の表面積が小さい電極よりも多くの帯電物質が吸着されることから、電極を適宜選定することにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明が適用されたイオン濃度調節装置の第1実施形態を示す図である。
上記イオン濃度調節装置は、貯留槽1に貯留されたイオン濃度調節対象とする液体中に存在させる陽極6および陰極7と、上記陽極6および陰極7に直流電圧を印加する直流電源装置(電圧供給手段)4とを備え、上記陽極6と陰極7をイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとしている。これにより、上記液体中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着して液体のイオン濃度を調節するようになっている。
この例では、上記陽極6の静電吸着能力が陰極7よりも大きくなるよう設定されている。具体的には、上記陽極6と陰極7は、表面積を異ならせることによりイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとなっており。上記陽極6の表面積が陰極7の表面積よりも大きくなっている。
上記陽極6と陰極7の表面積を異ならせるために、陽極6と陰極7を異なる材質にしたり、あるいは、陽極6と陰極7の枚数や大きさを異ならせたりすることを行うことができる。
陽極6と陰極7を異なる材質の組み合わせにする場合、相対的に表面積が異なる陽極6と陰極7の組み合わせとして、例えば、相対的に表面積が大きい陽極6に、金属粉末の焼結体,板状活性炭,活性炭不織布,炭化ケイ素等の導電性セラミックス,カーボンエアロゲル(BET比表面積を500〜2500m/gに調整した孔径2〜50nmのメソポア主体のカーボンシート)等の多孔質体を用い、相対的に表面積が小さい陰極7に、ステンレス,チタン,ニッケル,銅,白金,金等各種の金属材料や、カーボン等の導電材料を用いることにより、比表面積や実質の表面積を異ならせ、静電吸着能力を異ならせることができるのである。
また、図示していないが、陽極6と陰極7を同じ材質のものとし、陽極6の枚数を陰極7よりも多くしたり、陽極6の大きさを陰極7よりも大きくしたりすることにより、表面積を異ならせ、静電吸着能力を異ならせることができる。
上記陽極6,陰極7は、板状とするのが好ましく、厚みは、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。陽極6と陰極7の間隔は、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。なお、陽極6と陰極7の間隔は、液体が通過してイオンの吸着や放出を妨げなければ、0.1mm以下とすることを妨げるものではない。
上記電極として金属板を用いる場合、金属板にめっきや表面改質を施したものを用いることができる。例えば、ステンレス板の表層部に、フッ化処理の後低温浸炭処理を施すことにより、クロム炭化物が実質的に析出していない炭素の拡散浸透層を形成したものを用いることができる。また、チタン板に白金をめっきしたものを用いることもできる。これらは極めて耐食性に優れることから、好適に用いられる。
ここで、上記陽極6と陰極7の表面積が異なる組み合わせとは、(1)見かけの面積が同じで陽極6と陰極7に比表面積が異なる材料を用いた場合、(2)陽極6と陰極7に比表面積が同じ材料を用いて見かけの面積が異なる場合、(3)陽極6と陰極7に比表面積が異なる材料を用いてさらに見かけの面積も異なる場合、等があげられる。すなわち、静電吸着能力が異なるとは、これらいずれの場合も含む趣旨である。
なお、比表面積とは、電極を構成する物質1gあたりの真の表面積の総和をいう。ここでは、BET比表面積のことをいい、単位はm/gである。これに対し、見かけの面積とは、板形状の電極の場合の最大投影面積をいう。表面の面積と裏面の面積の合算は、してもしなくてもよいが、ここでは表裏の合算をしない最大投影面積を扱うことにする。そして、実質の表面積とは、上記比表面積とから算出した表面積の総和をいい、下記の関係式が成り立つ。
T=S×V×G
T:実質の表面積(m) S:比表面積(m/g)
V:電極の体積(m) G:電極の比重(g/m
また、上記イオン濃度調節装置は、上記陽極6と陰極7に対して直流電圧を印加して液体中のマイナスイオンを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記陽極6と陰極7間を短絡させてそれまで陽極6と陰極7にそれぞれ吸着していたイオンを放出する放出モードとを切り替えるスイッチング装置(切替手段)5を備えている。
また、上記イオン濃度調節装置は、吸着モードのときに、陽極6と陰極7間に流れる電流を検知する電流計12を備えている。また、上記イオン濃度調節装置は、吸着モードのときに、液体のpHを測定するpH計10を備えている。
吸着モードの際に陽極6と陰極7間に流れる電流は、初期は吸着速度が早く、それに伴い電流計12で検知される電流値も大きいが、電極6,7への吸着量が次第に増えるにつれ、徐々に吸着速度が遅くなるに伴い、電流計12で検知される電流値も小さくなってきて、やがて限界吸着量に達する。したがって、吸着モードのときに電流計12で陽極6と陰極7間の電流値を検知することにより、電極6,7の吸着限界を検知することが可能となる。また、上記電流値を検知することにより、吸着イオン量すなわち液体がどの程度アルカリ化したかを検知することも可能である。また、上記pH計10は、液体がどの程度アルカリ化したかを液体のpHを直接測定することによって検知する。
そして、上記イオン濃度調節装置は、上記電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になったときに、報知手段としてのシグナルランプ13を点灯させて報知する制御回路8を備えている。上記シグナルランプ13が点灯することにより、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、陽極6と陰極7が吸着限界となったことを検知したり、吸着イオン量を検知したり、あるいは、すなわち液体がどの程度アルカリ化したかを検知したりすることが可能となる。
また、上記制御回路8は、上記pH計10で検知されたpHが所定の閾値以上になったときに、報知手段としてのシグナルランプ13を点灯させて報知するようにすることもできる。上記シグナルランプ13が点灯することにより、pH計10で検知されたpHが所定の閾値以上すなわち液体のアルカリ化の程度を検知することが可能となる。
また、吸着イオン量すなわち液体がどの程度アルカリ化したかや吸着限界を図示しないタイマによって検知するようにすることもできる。例えば、貯留槽1に貯留されている液体の性質と液量がある程度わかっており、その液体をイオン制御する目標値もあらかじめある程度決まっている場合、装置が備える電極6,7数等に応じて、上記目標値に達する時間もある程度決まってくる。したがって、タイマのカウント時間が所定時間経過したときにシグナルランプ13を点灯させ、吸着イオン量すなわち液体のアルカリ化の程度や吸着限界を報知するようにできる。
図1(a)に示すように、上記の構成で、上記陽極6と陰極7に対して直流電圧を印加することにより、陽極6には液体中に存在するマイナスイオンが吸着され、陰極7には液体中に存在するプラスイオンが吸着される。そして、陽極6の方が陰極7よりも表面積が大きく、マイナスイオンの静電吸着能力が大きいことから、液体中のマイナスイオンが選択的に多く吸着されるのである。その結果、制御対象とする液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを調節することが可能となる。
すなわち、図示したものは、陽極6として表面積の大きな多孔質電極を使用し、陰極7として表面積の小さい板状電極を使用している。このように、陽極6の表面積を陰極7よりも大きくなるように設定すると、マイナスイオンの吸着量をプラスイオンよりも増やすことができる。その結果、液体中に元々存在していたマイナスイオン等の陽極6への吸着量が増大し、結果として制御対象とする液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
例えば、制御対象となる液体がNaCl水溶液である場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、陽極6にClの方を多く吸着すると、液体全体として電気的な中性を保つために陰極7側で水が電極反応を起こし、残ったNaに対応するOHが生成する。その結果、液体全体としてはNaとOHが存在することとなり、アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液が生成することとなると考えられる。
上記の説明は、わかりやすくするためにNaCl水溶液の場合で説明したが、それ以外の液体でも、元々の液体中にはプラスイオンとマイナスイオンが等しく存在し、その状態で、陽極6にマイナスイオンの方を多く吸着すると、液体全体として電気的な中性を保つために陰極7側で水が電極反応を起こしてOHが生成する。その結果、液体全体としてアルカリ化することとなると考えられる。
すなわち、この例のように、相対的に表面積が大きく静電吸着能力が大きな陽極6と、相対的に表面積が小さく静電吸着能力が小さな陰極7を液体中に存在させて直流電圧を印加することにより、液体をアルカリ化することが可能となるのである。
そして、図1(b)に示すように、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、陽極6と陰極7が吸着限界となったり、pH計10で検知されたpHが所定の閾値以上となって液体がアルカリ化したりすると、両電極6,7を調節済みの液体から取出して他の液体に浸漬し、スイッチング装置5を切り換えて、上記陽極6と陰極7間を短絡させて放出モードに切り替え、それまでに陽極6と陰極7に吸着されたイオンを放出して陽極6と陰極7を再生するようになっている。
図2は、本発明が適用されたイオン濃度調節装置の第2実施形態を示す図である。
この例では、図1の第1実施形態とは反対に、上記陰極7の静電吸着能力が陽極6よりも大きくなるよう設定されている。それ以外は図1の第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
具体的には、上記陽極6と陰極7は、表面積を異ならせることによりイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとなっており、上記陰極7の表面積が陽極6の表面積よりも大きくなっている。相対的に表面積が異なる電極6,7の組み合わせの具体例は上述したとおりである。
したがって、吸着モードでは、上記陽極6と陰極7に対して直流電圧を印加して液体中のプラスイオンを選択的に多く吸着し、電流計12で陽極6と陰極7間の電流値を検知したりpH計10で液体のpHを直接検知したりあるいはタイマで時間計測したりしてシグナルランプ13を点灯させることにより、陽極6と陰極7が吸着限界となったことを検知したり、吸着イオン量を検知したり、あるいは、すなわち液体がどの程度酸性化したかを検知したりするようになっている。
図2(a)に示すように、上記の構成で、上記陽極6と陰極7に対して直流電圧を印加することにより、陰極7には液体中に存在するプラスイオンが吸着され、陽極6には液体中に存在するマイナスイオンが吸着される。そして、陰極7の方が陽極6よりも表面積が大きく、プラスイオンの静電吸着能力が大きい。すなわち、図示したものは、陰極7として表面積の大きな多孔質電極を使用し、陽極6として表面積の小さい板状電極を使用している。
このように、陰極7の表面積を陽極6よりも大きくなるように設定すると、プラスイオンの吸着量をマイナスイオンよりも増やすことができる。その結果、液体中に元々存在していたプラスイオン等の陰極7への吸着量が増大し、結果として制御対象とする液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
例えば、上述した例のように、制御対象となる液体がNaCl水溶液である場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、陰極7にNaの方を多く吸着すると、液体全体として電気的な中性を保つために陽極6側で水が電極反応を起こし、Hが生成する。その結果、液体全体としてはHとClが存在することとなり、酸性の塩化水素水溶液が生成することとなると考えられる。
上記の説明は、わかりやすくするためにNaCl水溶液の場合で説明したが、それ以外の液体でも、元々の液体中にはプラスイオンとマイナスイオンが等しく存在し、その状態で、陰極7にプラスイオンの方を多く吸着すると、液体全体として電気的な中性を保つために陽極6側で水が電極反応を起こしてHが生成する。その結果、液体全体として酸性化することとなると考えられる。
すなわち、この例のように、相対的に表面積が大きく静電吸着能力が大きな陰極7と、相対的に表面積が小さく静電吸着能力が小さな陽極6を液体中に存在させて直流電圧を印加することにより、液体を酸性化することが可能となるのである。
そして、図2(b)に示すように、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、陽極6と陰極7が吸着限界となったり、pH計10で検知されたpHが所定の閾値以下となって液体が酸性化したりすると、両電極6,7を調節済みの液体から取出して他の液体に浸漬し、スイッチング装置5を切り換えて、上記陽極6と陰極7間を短絡させて放出モードに切り替え、それまでに陽極6と陰極7に吸着されたイオンを放出して陽極6と陰極7を再生するようになっている。
上記説明では、図1および図2に示した第1および第2の実施態様は、それぞれ両電極6,7に印加した直流電圧の極性を固定した状態を説明したが、第1の実施態様(図1)の装置において、直流電源装置4の両電極6,7に印加する極性を切り換えることにより、第2の実施態様(図2)が実現し、第2の実施態様(図2)の装置において、直流電源装置4の両電極6,7に印加する極性を切り換えることにより、第1の実施態様(図1)が実現する。
すなわち、上記装置において、上記制御回路8あるいはスイッチング装置5により、直流電源装置4の両電極6,7に印加する極性を切り換えるように制御することにより、液体中に元々存在していたプラスイオンを多く吸着するプラスイオン吸着モード(第2の実施態様(図2))と、液体中に元々存在していたマイナスイオンを多く吸着するマイナスイオン吸着モード第1の実施態様(図1)とを切り換えるようにすることもできる。
そして、目的に応じてスイッチング装置5を切り換えて、プラスイオン吸着モードやマイナスイオン吸着モードで運転することが行われる。例えば、除菌を目的として液体を酸性化させる場合は、プラスイオン吸着モードで運転し、浸透力の向上や健康志向のために液体をアルカリ化させる場合は、マイナスイオン吸着モードで運転することが行われる。
さらに、プラスイオン吸着モードとマイナスイオン吸着モードとを可逆的に切り換えることにより、プラスイオンとマイナスイオンの吸着と放出を可逆的に制御し、液体中のイオン濃度や存在比率を目標値に向かって制御して、液体の液質を目標の特性に制御するようにしてもよい。この場合、プラスイオン吸着モードとマイナスイオン吸着モードとの切り替えは、pH計10で検知したpHに基づいて、pHが目標値よりも低ければpHを上げてアルカリ化するようマイナスイオン吸着モードで運転し、pHが目標値よりも高ければpHを下げて酸性化するようプラスイオン吸着モードで運転することが行われる。
このようにすることにより、上記液体中に存在させた電極6,7へのイオン吸着と放出の双方を可逆的に制御し、液体中のイオン等の濃度や存在比率を目標値に制御することができるようになる。
以上の構成により、陽極6と陰極7をイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとすることにより、上記液体中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着して液体のイオン濃度を調節する。これにより、調節対象とする液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを調節することが可能となる。
陽極6の静電吸着能力が陰極7よりも大きくなるように設定すると、液体中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる。その結果、(液体中に新たなマイナスイオンが生成したとしても)元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高い状態に制御することが可能となる。
反対に、陰極7の静電吸着能力が陽極6よりも大きくなるように設定すると、液体中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる。その結果、(液体中に新たなプラスイオンが生成したとしても)元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高い状態に制御することが可能となる。
このように、制御対象とする液体中に存在するイオンの濃度や存在比率を、電気的な制御で直接的に液体の制御を行うことができるため、従来のように、調整用液を蓄えるタンクや調整用液をつくるための電気分解装置、それにともなう複雑な配管等を必要とせず、装置が大幅に簡素化小型化し、設備コストやメンテナンスコストの大幅な節減が可能となった。また、従来のようなイオン交換膜を必要としないことから、イオン交換膜のメンテナンスも不要となる。しかも、従来のように、調整用液体を補充するのではなく、制御対象の液体自体を直接制御することから、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じたりするという問題も完全に解消する。
また、吸着モードと放出モードとを切り替えるスイッチング装置5を備えているため、吸着モードでは、液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの濃度バランスを調節するが、そのまま吸着を続けると、吸着能力の限界に達する。そこで、このような場合には、上記スイッチング装置5を切り換えて、上記陽極6と陰極7を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで陽極6と陰極7にそれぞれそれまで吸着していたイオンを放出することにより、陽極6および陰極7を再生することができるのである。
また、上記陽極6と陰極7は、表面積を異ならせることによりイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとしたため、表面積が大きな電極には、表面積が小さい電極よりも多くのイオンが吸着されることから、電極の材質を適宜選定したり大きさや枚数を適宜設定したりすることにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
上述した説明では、放出モードにおいて、上記陽極6と陰極7を短絡させるようにしたが、これに限定するものではなく、上記スイッチング装置5は、単に電源を切って陽極6と陰極7への直流電圧の印加を解除するよう切り替えたり、あるいは、陽極6にマイナス電圧を印加するとともに陰極7にプラス電圧を印加して逆極性にする接続に切り替えたりしてもよい。
なお、上記陽極6と陰極7に印加する電圧としては、特に限定するものではないが、0.5〜5V程度に設定するのが好ましく、液体を電気分解させない範囲が好ましい。具体的には、液体の種類に応じて適宜設定されるが、水を主体とする液体の場合には、2V以下が好ましく、より好適なのは1.5V以下である。
液体を電気分解させてしまうと、それだけでイオン濃度等の液質が変化するが、イオンの吸着および放出を実質的に液体の電気分解を生じない範囲で行なうことにより、イオンの吸着や放出によってのみ液質の制御を行い、電極6,7に印加する電気的制御だけを液質に反映させて他の要因を排除し、常に正確な液質制御を実現し、液質制御の精度を確保できる。このような電圧範囲で制御するのは、特に、上記電極6,7が、金属やカーボン等の液体と通電する導電体からなる場合に有効である。また、液体の電気分解が生じた場合、電極の消耗が加速されてメンテナンスコストがかかったり、スラッジの除去設備が必要になったりするという不都合も生じるからである。
図3は、上記第1および第2実施形態を適用した第1実施例を示す。
この装置は、上記陽極6,陰極7,直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,pH計10,シグナルランプ13が一体的な筐体にまとめられたものである。図における装置の下側は、複数組の陽極6と陰極7が所定隙間を隔てて対面した状態で露出した電極部23であり、液体内に浸漬するようになっている。図における装置の上側は、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13が設けられた制御部(電源部)24である。pH計10は液体に浸漬される電極部23の先端近傍に配置されている。
この装置は、陽極6と陰極7が露出した電極部23を、容器20内に満たされた液体に浸漬し、その状態で陽極6と陰極7間に直流電圧をかけることにより、容器20内の液体のイオン濃度を調節するものである。
図1の第1実施形態のように、陽極6の静電吸着能力が陰極7よりも高い装置であれば、液体をアルカリ化し、図2の第2実施形態のように陰極7の静電吸着能力が陽極6よりも高い装置であれば、液体を酸性化する。したがって、目的に応じて、図1の第1実施形態の装置を用いるか、図2の第2実施形態の装置を用いるかを使い分けることが行われる。
例えば、水道水をアルカリ化してアルカリイオン水とする場合、図1の第1実施形態を適用する。また、水道水等の液体を酸性化して酸性水として除菌効果を得る場合には、図2の第2実施形態を適用する。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりする。
この装置は、比較的小型として容器20内の液体を卓上でそのまま手軽に処理でき、卓上型アルカリイオン水精製装置等に適用できる。
図4は、上記第1および第2実施形態を適用した第2実施例を示す。
この装置は、上記陽極6,陰極7,pH計10が一体的な筐体にまとめられた電極ユニット25と、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13が一体的な筐体にまとめられた制御ユニット(電源ユニット)26とを備えたものである。上記電極ユニット25と制御ユニット26は通電ケーブルで接続されている。
この装置は、陽極6と陰極7が露出した電極ユニット25を、貯留槽21内に満たされた液体に浸漬し、その状態で陽極6と陰極7間に直流電圧をかけることにより、貯留槽21内の液体のイオン濃度を調節するものである。
図1の第1実施形態のように、陽極6の静電吸着能力が陰極7よりも高い装置であれば、液体をアルカリ化し、図2の第2実施形態のように陰極7の静電吸着能力が陽極6よりも高い装置であれば、液体を酸性化する。したがって、目的に応じて、図1の第1実施形態を適用するか、図2の第2実施形態を適用するかを使い分けることが行われる。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりする。
この装置は、比較的大型なプラント内の貯留槽21内の液体をイオン調節する際に用いる投げ込み型のイオン濃度調節装置として適用できる。
図5は、上記第1および第2実施形態を適用した第3実施例を示す。
この装置は、上記陽極6,陰極7,直流電源装置4,スイッチング装置5が一体的な小型のスティック状の筐体にまとめられたものである。
図5(a)における装置の下側と、図5(b)における装置の左側は、陽極6と陰極7が所定隙間を隔てて露出した電極部23であり、液体内に浸漬するようになっている。
図5(a)における装置の上側と、図5(b)における装置の右側は、直流電源装置4,スイッチング装置5が設けられた制御部(電源部)24である。この制御部24には、必要に応じて制御回路8,電流計12,シグナルランプ13を設けても良い。また、電極部23の先端近傍にpH計10を設けるようにしてもよい。
図5(a)の装置は、例えば、本発明をマドラーに適用した例であり、電極部23をコップ内に満たされた飲み物に浸漬し、その状態で陽極6と陰極7間に直流電圧をかけることにより、飲み物のイオン濃度を調節するものである。例えば、水道水をアルカリ化してアルカリイオン水とする場合は図1の第1実施形態を適用し、水道水を酸性化して酸性水として除菌効果を得る場合は図2の第2実施形態を適用する。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりする。
図5(b)の装置は、例えば、本発明をハブラシに適用した例であり、ブラシが設けられた電極部23を口中にいれた状態で陽極6と陰極7間に直流電圧をかけることにより、口中のイオン濃度を調節するものである。例えば、水道水をアルカリ化してアルカリイオン水とし、高い浸透力で歯垢の除去効果を向上させる場合は図1の第1実施形態を適用し、水道水を酸性化して酸性水として除菌効果を得る場合は図2の第2実施形態を適用する。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりする。
図6は、上記第1および第2実施形態を適用した第4実施例を示す。
これらの例は、なべ27、湯沸しポット28、コーヒーサーバ29等の容器類に本発明を適用した例を示す。いずれも、上記陽極6,陰極7,pH計10が一体的な筐体にまとめられた電極ユニット25と、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13が一体的な筐体にまとめられた制御ユニット(電源ユニット)26とを備えている。上記電極ユニット25は容器類の内部に配置され、制御ユニット26は容器類の外側に配置されている。
図6(a)は本発明をなべ27に適用した例であり、図6(b)は本発明を湯沸しポット28に適用した例であり、図6(c)は本発明をコーヒーメーカーのコーヒーサーバ29に適用した例である。いずれも内部に貯めた水やお湯、コーヒー等のイオン濃度調節が可能である。例えば、水道水をアルカリ化してアルカリイオン水とする場合は図1の第1実施形態を適用し、水道水を酸性化して酸性水として除菌効果を得る場合は図2の第2実施形態を適用する。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりする。
図6には、第4実施例として、本発明をなべ27、湯沸しポット28、コーヒーサーバ29に適用した例を示したが、これに限定するものではなく、容器類に電極ユニット25と制御ユニット26を取り付けて内部に貯留した液体をイオン濃度調節しうるものであれば、各種のものに適用することができる。例えば、ピッチャー、炊飯器、やかん、哺乳瓶等に適用して内部の水等をアルカリイオン水とすること等が可能である。
図7は、本発明が適用されたイオン濃度調節装置の第3実施形態を示す。
この例は、密閉型の貯留槽1の内部に電極6,7を配置し、上記貯留槽1に処理対象の液体を導入してイオン調節処理を行い、処理済の液体を貯留槽1から排出するようにしたものである。それ以外は、図1および図2の第1および第2実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記貯留槽1には、貯留槽1に液体を導入する導入路2と、貯留槽で液質が調整された調整済みの液体を排出する排出路3とが設けられている。上記排出路3には、貯留槽1から排出される調整済み液体のイオン濃度を検知する帯電物質検知手段としてのpH計10が設けられている。また、上記導入路2には、貯留槽1に導入する液体の流量を調節する流量調節弁11と、上記流量調節弁11で調節された流量で貯留槽1に導入される液体の流量を検知する流量計9が設けられている。上記pH計10で検知されたイオン濃度および流量計9で検知された流量は、制御回路8に送られる。
上記制御回路8は、上記スイッチング装置5の切り換え制御を行って、陽極6,陰極7に直流電圧を印加する吸着モードと、陽極6,陰極7間を短絡させる放出モードとを切り換える制御を行う。
図示した装置は、図1の第1実施形態を適用したもので、陽極6の静電吸着能力が陰極7よりも高い装置であるが、目的に応じ、図2の第2実施形態を適用して陰極7の静電吸着能力が陽極6よりも高い装置とすることができる。または、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用したり、図2の第2実施形態の状態で使用したりすることができる。
そして、導入路2から導入された液体は、陽極6と陰極7が存在する貯留槽1内に導入され、吸着モードでは、陽極6と陰極7へのイオン等の吸着によりイオン濃度が調節され、調節済みの液体が排出路3から排出されるのである。また、スイッチング装置5により放出モードに切り替えられると、陽極6と陰極7にそれまで吸着されたイオンが液中に放出され、その廃液が排出路3から排出されるのである。
このように、制御対象の液体を導入路2から貯留槽1に導入しながら、貯留槽1において電極6,7へのイオン吸着を行ってイオン濃度の制御を行い、イオン濃度が制御された調整済液体は連続的に排出路3から排出される。このように、連続的に液体を流しながら液体の液質制御を行えることから、極めて良好な処理効率での運転が可能である。
上記装置において、上記制御回路8は、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、陽極6と陰極7が吸着限界となったことを検知した場合に、制御回路8によりスイッチング装置5を切り換え制御して、上記陽極6と陰極7間を短絡させて放出モードに切り替え制御するように制御することもできる。このようにすることにより、陽極6と陰極7が吸着限界に達したときに、自動的に陽極6と陰極7再生する放出モードに切り換えることができる。このとき、上記制御回路8は、必要な弁操作も制御する。
そして、図7に示した装置を2槽併設し、一方の吸着能力が低下したら他方の装置による吸着を行うよう、2槽の装置を切り換え制御するようにしてもよい。
なお、図3では、貯留槽1の中に陽極6と陰極7がそれぞれ1枚ずつの例を模式的に表したいわゆるビーカーモデルを示したが、工業的には、複数の集電極(両面電極)を内部に配設したセルとすることができる。
また、上記制御回路8により、イオン濃度検出手段としてのpH計10による液体中の帯電物質の検知結果に応じて電極6,7に印加する直流電源装置4の極性を切り換え制御するようにしてもよい。すなわち、例えば、pH計10において調整済液体のpHが目標値よりも高くアルカリ側になったときに、図2の第2実施形態の状態に極性を切り替え制御して液体を酸性化し、反対に、調整済液体のpHが目標値よりも低く酸性側になったときに、図1の第1実施形態の状態に極性を切り替え制御して液体をアルカリ化する。なお、イオン濃度検出手段としては、イオン濃度に対応する物理量を検出するものであれば、pH計10に限らず、各種のものを適用することができる。
このように、pH計10によるイオン濃度等の検知結果に応じて電極6,7に印加する極性を切り替え制御することにより、連続的に流れる液体を常に目標のイオン濃度となるように制御することが可能となる。このように、目標とする液質への制御を連続的に行い、目標液質の液体を連続的に生成することができるようになる。
また、上記制御回路8により、pH計10による液体中のイオン濃度等の検知結果に応じて上記流量調節弁11を制御するようにしてもよい。すなわち、連続的に液体を流しながらイオンの吸着や放出を制御するときに、流量が大きすぎると、電極6,7へのイオンの吸着や放出による液体の液質変化が十分に反映しない状態で液体が排出路3から排出されてしまい、反対に流量が小さすぎると処理効率が低下する。したがって、連続的に液体を流しながらイオンの吸着や放出を制御するときに、pH計10によるpHの検知結果に応じて流量を適切に制御することにより、流量が制御精度に与える影響をなくし、常に目標液質の液体を連続的に生成することができるようになる。
さらに、上記制御回路8は、pH計10において調整済液体のイオン濃度等が目標値よりも高くなったときに、スイッチング装置5を電極6,7に電圧を印加するよう切り換えて液体中のイオンを電極6,7に吸着させるのであるが、この場合において、あらかじめ設定された所定時間が経過しても目標値に達しないときには、流量調節弁11を流量が小さくなるように制御することができる。このような場合に流量を小さくすることにより、液体が貯留槽1内に滞留する時間が長くなり、より多くのイオン等を電極6,7に吸着させて液質を目標値まで制御することができるようになる。反対に、目標値に達するまでの時間が、あらかじめ設定された所定時間以下であるときには、流量調節弁11を流量が大きくなるように制御する。このような場合に流量を大きくすることにより、液体が貯留槽1内に滞留する時間が短くなり、短時間で液質を目標値まで制御することができて処理効率を向上させることができるようになる。
また、上記制御回路8は、pH計10において調整済液体のイオン濃度等が目標値よりも高くなったときに、スイッチング装置5を電極6,7に電圧を印加するよう切り換えて液体中のイオンを電極6,7に吸着させるのであるが、この場合において、あらかじめ設定された所定時間が経過しても目標値に達しないときには、直流電源装置4の電圧を高くするように制御することもできる。このような場合に電圧を高くすることにより、より多くのイオン等を電極6,7に吸着させて液質を目標値まで制御することができるようになる。反対に、目標値に達するまでの時間が、あらかじめ設定された所定時間以下であるときには、直流電源装置4の電圧を低くするように制御する。このような場合に電圧を低くすることにより、電力消費を少なくし、エネルギー効率を向上させることができるようになる。
図7の装置において、両電極6,7間に流れる電流値と通電時間を積算した電流積算値を算出する電流積算手段(図示せず)を備え、上記制御回路8は、上記両電極6,7間の電位差および/または電流値を、上記算出された電流積算値に基づいて制御することにより、上記電極6,7への帯電物質の吸着量や放出量を制御するようにすることができる。このようにすることにより、電流積算値という計測が容易な数値に基づいて吸着量および放出量を制御できることから、液体中のイオン濃度や存在比率の制御が行いやすい。
また、上記装置において、上記直流電源装置4を電圧制御および電流制御が可能なものとし、制御回路8により上記陽極6,陰極7に印加する電圧および/または電流値を制御するようにすることもできる。
すなわち、吸着モードにおいて、陽極6,陰極7に印加する電圧や電流値を制御することにより、液体中のイオン等の帯電物質の陽極6,陰極7への吸着速度や吸着量を制御することができる。また、放出モードにおいて、陽極6,陰極7に印加する電圧や電流値を制御することにより、液体中のイオン等の帯電物質の陽極6,陰極7への放出速度や放出量を制御することができる。
そして、上述した説明では、陽極6と陰極7に直流電圧を印加させた吸着モードと短絡した放出モードを切り換え、両電極6、7間の電位差を制御してイオン等の吸着および放出を制御する例を示したが、両電極6、7間の通電のオンオフだけでなく、電位差を増減させるようにコントロールしたり、両電極6,7間に流れる電流値を増減させるようにコントロールしたりしてイオン等の吸着および放出を制御することもできる。また、上記電位差と電流値の双方を増減させるようにコントロールしてイオン等の吸着および放出を制御することも可能である。
そして、両電極6,7への直流電圧の印加と短絡を交互に行ったり、交互に極性を逆にしたり、あるいは、電位差や電流値を連続的にコントロールすることにより、プラスイオンおよびマイナスイオンの吸着と放出を可逆的に行うように制御することができる。このようにすることにより、上記液体中に存在させた電極6,7へのイオン等の帯電物質の吸着と放出の双方を可逆的に制御し、液体中のイオン等の濃度や存在比率を目標値に制御し、液体の液質を目標の特性に制御することができる。
このようにすることにより、液質の微調整を行う場合でも、電極6,7に印加する電位差や電流値を微調整して電極への帯電物質の吸着量や放出量ならびに吸着速度や放出速度を微調整することにより、容易に液質の微調整を行うことができ、従来の調整液体を補充する方法に比べて、極めて短時間で高精度の液質制御を実現することができる。
図8は、上記第3実施形態を適用した第5実施例を示す。
この例は、本発明をアルカリイオン水精製装置に適用した例である。この精製装置は、原水供給路16および精製水排出路17が接続されて内部でアルカリイオン水の精製を行う第1貯槽14と、上記第1貯槽14と上記精製水排出路17で接続されて第1貯槽14で精製されたアルカリイオン水を貯留するとともに、貯留したアルカリイオン水を供給するための精製水供給路18が接続された第2貯槽15とを備えている。
上記第1貯槽14には、陽極6,陰極7,pH計10(いずれも図示せず)を備えた電極ユニット25が内部に収容され、上記電極ユニット25は陽極6および陰極7が槽内において露出しており、導入された原水と接触するようになっている。また、上記装置は、上記電極ユニット25と電気的に接続され、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13(いずれも図示せず)が一体的な筐体にまとめられた制御ユニット26を備えている。さらに、上記第1貯槽14には、電極ユニット25の陽極6および陰極7に吸着されたイオン等が放出モードで放出された廃液を排出する廃水路19が接続されている。
上記原水供給路16、精製水排出路17、精製水供給路18、廃水路19には、それぞれ第1弁22a、第2弁22b、第3弁22c、第4弁22dが設けられている。上記制御ユニット26の制御回路8は、上述した吸着モードと放出モードの切り替え制御等のほかに、第1弁22a、第2弁22b、第4弁22dの開閉制御も行うようになっている。第1貯槽14および第2貯槽15には、図示しない液面計を備えており、上記制御回路8は、各液面計で検知した液面、pH計で検知したpH、電流計で検知した電流値等に基づいて上記第1弁22a、第2弁22b、第4弁22dの開閉制御を行う。
上記精製装置では、第1貯槽14の液面が低下したことを液面計が検知すると、制御回路8は第1弁22aを開けて原水供給路16から第1貯槽14に原水を導入する。第1貯槽14の液面計が、液面が所定以上に上がったことを検知すると、制御回路8は第1弁22aを閉じて原水の導入を停止する。
液面が上がって原水が導入されると、制御回路8は陽極6および陰極7に対する直流電流を印加して吸着モードでの運転を開始する。このときの極性は、原水をアルカリ化するのであるから、図1の第1実施形態での運転である。pHの調整は、pH計10によるフィードバック制御したり、電流の印加時間をタイマでカウントしたり、あるいは電圧を調整したりすることにより行われる。このようにして第1貯槽14で原水の精製が行われる。
第2貯槽15の液面が低下したことを液面計が検知すると、制御回路8は第2弁22bを開けて精製水排出路17から第1貯槽14で精製された精製水を第2貯槽15に導入する。第2貯槽15の液面計が、液面が所定以上に上がったことを検知すると、制御回路8は第2弁22bを閉じて精製水の導入を停止する。第2貯槽15の精製水は、適宜第3弁22cを開けることにより精製水供給路18から供給して使用に供される。
電流計12の電流値が所定の閾値以下に下がったり、もしくは第1貯槽14に導入された原水の精製(吸着モードでの運転)を所定回数繰り返した回数を図示しないカウンタでカウントして所定量の原水の精製をしたりしたタイミングで、制御回路8は、陽極6と陰極7の間を短絡させるか極性を切り換えて放出モードでの運転を行い、電極6,7の再生を行う。放出モードでの運転を所定時間したのち、制御回路8は、第4弁22dを開けて廃水路19から廃水を排出する。
図9は、上記第3実施形態を適用した第6実施例を示す。
この例は、本発明をアルカリイオン水精製装置に適用した例である。この精製装置は、原水供給路16が接続された第1貯槽14と、上記第1貯槽14と連通路31を介して連通して原水の精製を行う電極セル30と、上記電極セル30と精製水排出路17で接続されて電極セル30で精製されたアルカリイオン水を貯留するとともに、貯留したアルカリイオン水を供給するための精製水供給路18が接続された第2貯槽15とを備えている。
上記電極セル30は、陽極6,陰極7,pH計10(いずれも図示せず)を備えた電極ユニットとして機能するものであり、内部で導入された原水と陽極6、陰極7が接触するようになっている。また、上記装置は、上記電極セル30と電気的に接続され、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13(いずれも図示せず)が一体的な筐体にまとめられた制御ユニット26を備えている。さらに、上記電極セル30には、電極ユニット25の陽極6および陰極7に吸着されたイオン等が放出モードで放出された廃液を排出する廃水路19が接続されている。
上記原水供給路16、精製水排出路17、精製水供給路18、廃水路19には、それぞれ第1弁22a、第2弁22b、第3弁22c、第4弁22dが設けられている。上記制御ユニット26の制御回路8は、上述した吸着モードと放出モードの切り替え制御等のほかに、第1弁22a、第2弁22b、第4弁22dの開閉制御も行うようになっている。第1貯槽14および第2貯槽15には、図示しない液面計を備えており、上記制御回路8は、各液面計で検知した液面、pH計で検知したpH、電流計で検知した電流値等に基づいて上記第1弁22a、第2弁22b、第4弁22dの開閉制御を行う。
上記精製装置では、第1貯槽14の液面が低下したことを液面計が検知すると、制御回路8は第1弁22aを開けて原水供給路16から第1貯槽14に原水を導入する。第1貯槽14の液面計が、液面が所定以上に上がったことを検知すると、制御回路8は第1弁22aを閉じて原水の導入を停止する。
液面が上がって原水が導入されると、制御回路8は第2弁22bを開けるとともに、陽極6および陰極7に対する直流電流を印加して吸着モードでの運転を開始する。このときの極性は、原水をアルカリ化するのであるから、図1の第1実施形態での運転である。pHの調整は、pH計10によるフィードバック制御したり、電流の印加時間をタイマでカウントしたり、あるいは電圧を調整したり、もしくは流量を設定したりすることにより行われる。このようにして電極セル30内に原水を通水させながら精製することが行われる。第2貯槽15の精製水は、適宜第3弁22cを開けることにより精製水供給路18から供給して使用に供される。
電流計12の電流値が所定の閾値以下に下がったり、もしくは第2貯槽15に供給した精製水の量を図示しないカウンタでカウントして所定量の原水の精製をしたりしたタイミングで、制御回路8は、陽極6と陰極7の間を短絡させるか極性を切り換えて放出モードでの運転を行い、電極6,7の再生を開始して放出モードでの運転を行うとともに第4弁22dを開けて廃水路19から廃水を排出する。
図8および図9には、上記第5実施例および第6実施例として、本発明をアルカリイオン水の精製装置に適用したものを示したが、本発明の適用範囲はこれに限定するものではなく、原水を精製してアルカリイオン水としうるものであれば各種のものに適用することができる。例えば、冷水器や給湯器に適用してアルカリイオン水の冷水やお湯を供給するものとしたり、給茶器やコーヒーサーバ、紙コップ式の自動販売機等に適用してアルカリイオン水のお茶・コーヒー・ジュース等を提供するものとしたり、製氷機や冷蔵庫に適用してアルカリイオン水の氷を供給するものとしたりすることができる。
また、本発明は、液体を酸性化して利用する場合は、図2の第2実施形態を適用して酸性化を行えばよいし、液体をアルカリ化して利用する場合は、図1の第1実施形態を適用してアルカリ化を行えばよい。あるいは、目的に応じて直流電源装置4の極性を切り換えて、図1の第1実施形態の状態で使用して酸性化を行ったり、図2の第2実施形態の状態で使用してアルカリ化を行ったりすればよい。
このような観点から本発明は、上述したもの以外にも、例えば下記のようなものに適用して実施することができる。
加湿器に適用し、加湿器の給水カートリッジ内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して肌をしっとりさせる場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
スチームアイロンに適用し、アイロンの給水カートリッジ内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用してしわを伸びやすくさせる場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、しわとり後に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
洗濯機に適用し、洗濯機の洗濯槽内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して洗濯時に汚れ落ちをよくする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、すすぎ時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
食器洗い乾燥機に適用し、洗浄槽内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して洗浄時に汚れ落ちをよくする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、すすぎ時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
水洗トイレに適用し、給水タンク内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して水洗時に汚れ落ちをよくする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、水洗時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
入浴設備やフットバスに適用し、バスタブ内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して入浴時等の汚れ落ちをよくし、肌に水分を浸透させてすべすべにする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、おふろ洗い時や入浴時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
洗顔機や美顔機に適用し、洗顔槽内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して洗顔時等の汚れ落ちをよくし、肌に水分を浸透させてすべすべにする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、洗顔時や清掃時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
眼鏡やコンタクトレンズ用をはじめとする超音波洗浄機に適用し、洗浄槽内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して洗浄時等の汚れ落ちをよくする場合はアルカリ化するようイオン調節を行い、すすぎ時に酸性イオン水の除菌効果を利用する場合は酸性化するようイオン調節を行う。
自動車のウインドウォッシャー液タンクに適用し、タンク内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力・溶解効果を利用して洗浄時等の汚れ落ちをよくする場合はアルカリ化するようイオン調節を行う。
生花陳列棚の給水装置に適用し、タンク内の水のイオン調節を行い、アルカリイオン水の浸透力を利用して生花の寿命を延長させる場合はアルカリ化するようイオン調節を行う。
上記各実施例では、帯電物質が主としてイオンである場合を例にあげて説明したが、これに限定するものではなく、陽極6や陰極7に吸引されうる各種の帯電粒子を制御対象物質とすることができる。例えば、パイロジェンのようなゼータ電位を有する帯電性物質や、帯電した顔料,染料,高分子等を挙げることができる。
図10は、本発明の第4および第5の実施の形態において、前提となる溶液の液質制御装置を示す図である。
上記液質制御装置は、液質制御対象とする溶液を貯留する貯留槽41と、上記貯留槽41に貯留された溶液中に存在して直流電圧が印加される電極46,47と、上記電極46,47に印加する電位差および/または電流値を制御する制御回路48とを備えている。
上記電極46,47は、電圧制御および電流制御が可能な直流電源44に接続されて、プラス電位が印加される陽極46と、マイナス電位が印加される陰極47とから構成されている。45は、上記電極46,47と直流電源を接続して各電極46,47に直流電圧を印加する状態と、両電極46,47間を短絡させる状態とを切り換えるスイッチである。
上記貯留槽41には、貯留槽41に溶液を導入する導入路42と、貯留槽で液質が調整された調整済みの溶液を排出する排出路43とが設けられている。上記排出路43には、貯留槽41から排出される調整済み溶液のイオン濃度を検知する帯電物質検知手段としてのイオン濃度計50が設けられている。また、上記導入路42には、貯留槽41に導入する溶液の流量を調節する流量調節弁51と、上記流量調節弁51で調節された流量で貯留槽41に導入される溶液の流量を検知する流量計49が設けられている。上記イオン濃度計50で検知されたイオン濃度および流量計で検知された流量は、制御回路48に送られる。
上記制御回路48は、上記スイッチ45の切り換え制御を行って、両電極46,47に印加する電位を制御することにより、溶液中の帯電物質であるイオンの電極46,47への吸着および電極46,47に吸着されたイオンの溶液中への放出を制御する。
すなわち、液質制御対象とする溶液中に存在させた電極46,47に印加する電位を制御することにより、溶液中のイオン等の帯電物質の電極46,47への吸着および電極46,47に吸着された帯電物質の溶液中への放出を制御する。このため、制御対象とする溶液中の帯電物質を減少させたいときには、図10(a)に示すように、スイッチ45を電極46,47に電圧を印加するよう切り換え制御して溶液中の帯電物質を電極46,47に吸着させ、反対に溶液中の帯電物質を増加させたいときには、図10(b)に示すように、スイッチ45を電極46,47を短絡させて電圧の印加を解除するよう制御して電極46,47に吸着された帯電物質を溶液中に放出させればよい。
このとき、プラス電位が印加された陽極46には溶液中のマイナスイオンが吸着され、マイナス電位が印加された陰極47にはプラスイオンが吸着され、溶液中のイオンが減少する。また、陽極46と陰極47とを短絡させて上記吸着時に印加された直流電圧を解除することにより、陽極46に吸着されたマイナスイオンは溶液中に放出され、陰極47に吸着されたプラスイオンは溶液中に放出される。このように、上記溶液中に存在させた電極46,47へのイオンや帯電粒子等の吸着と放出の双方を制御することにより、溶液中の帯電物質の濃度や存在比率を目標値に制御し、溶液の液質を制御することができるのである。
なお、上記両電極46,47に印加する電圧としては、特に限定するものではないが、0.5〜5V程度に設定するのが好ましい。
ここで、図10では、貯留槽41の中に陽極46と陰極47がそれぞれ1枚ずつの例を模式的に表したいわゆるビーカーモデルを示したが、工業的には、図11に示すように、複数の集電極(両面電極)58a,58bを配設したセルとすることができる。
このセルは、2枚の末端プレート56の間に、複数(この例では12)の両面電極58a,58bが積層状態に配置され、各両面電極58a,58b同士の間および両面電極58a,58bと末端プレート56の間には枠状スペーサ63が配置されている。57は積層状の枠状スペーサ63、末端プレート56、両面電極58a,58bを固定するボルトナットである。
一方の両面電極58aは、セパレータ52の両面に陽極46が設けられた陽電極であり、他方の両面電極58bは、セパレータ52の両面に陰極47が設けられた陰電極である。そして、陽電極58aと陰電極58bが交互に積層されることにより、隣り合う両面電極58a,58b間において陽極46と陰極47が対面するように配置されている。そして、上記両面電極58a,58b、枠状スペーサ63、末端プレート56により形成される内部空間が、溶液が貯留される貯留空間であり、セル全体が貯留槽41として機能する。上記貯留空間は、両面電極58a,58bによって複数段(この例では13段)の空間に仕切られている。
また、一方(図では上側)の末端プレート56に導入路42(図11には示していない)に連通する導入口54が形成され、他方の末端プレート56に排出路43(図11には示していない)に連通する排出口55が形成されている。また、この例では、各セパレータ52には、内部の貯留空間に導入された溶液が格段の空間をジグザグに流れるよう、千鳥状の配置で連通口53が形成されている。
そして、導入口54から導入された溶液は、陽極46と陰極47に挟まれる複数の空間を通りながら電極46,47へのイオン等の吸着と放出を受けて液質が制御され、調整済みの溶液が排出口55から排出されるのである。
このように、制御対象とする溶液中に電極46,47を存在させ、その電極に印加する電位差および/または電流値を制御することにより、制御対象とする溶液中に存在する帯電物質の濃度や存在比率等の液質を、電気的な制御のみにより、溶液に対する直接的な制御を行うことができる。したがって、従来のように、調整用液を蓄えるタンクや調整用液をつくるための電気分解装置、それにともなう複雑な配管等を必要とせず、装置が大幅に簡素化小型化し、設備コストやメンテナンスコストの大幅な節減が可能となった。また、従来のようなイオン交換膜を必要としないことから、イオン交換膜のメンテナンスも不要となる。
しかも、従来のように、調整用液体を補充するのではなく、制御対象の溶液自体を直接制御することから、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じたりするという問題も完全に解消する。しかも、液質の微調整を行う場合でも、電極に印加する電位差や電流値を微調整して電極への帯電物質の吸着量や放出量ならびに吸着速度や放出速度を微調整することにより、容易に液質の微調整を行うことができ、従来の調整溶液を補充する方法に比べて、極めて短時間で高精度の液質制御を実現することができるのである。以上のように、本発明によれば、溶液の液質を比較的簡単な装置で高精度に制御することができるようになる。
なお、以上の説明では、電極46,47に吸着したイオン等を溶液内に放出させるときに両電極46,47を短絡させるようにしたが、これに限定するものではなく、単にスイッチ45を切って電極46,47への直流電圧の印加を解除したり、あるいは、陽極46にマイナス電圧を印加するとともに陰極47にプラス電圧を印加して逆極性にする接続を行ったりしてもよい。
また、上述した説明では、陽極46と陰極47に直流電圧を印加させた状態と短絡した状態を切り換え、両電極46、47間の電位差を制御してイオン等の吸着および放出を制御する例を示したが、両電極46、47間の通電のオンオフだけでなく、電位差を増減させるようにコントロールしたり、両電極46,47間に流れる電流値を増減させるようにコントロールしたりしてイオン等の吸着および放出を制御することもできる。また、上記電位差と電流値の双方を増減させるようにコントロールしてイオン等の吸着および放出を制御することも可能である。
そして、両電極46,47への直流電圧の印加と短絡を交互に行ったり、交互に極性を逆にしたり、あるいは、電位差や電流値を連続的にコントロールすることにより、プラスイオンおよびマイナスイオンの吸着と放出を可逆的に行うように制御することができる。このようにすることにより、上記溶液中に存在させた電極46,47へのイオン等の帯電物質の吸着と放出の双方を可逆的に制御し、溶液中のイオン等の濃度や存在比率を目標値に制御し、溶液の液質を目標の特性に制御することができる。
また、上記制御回路48は、イオン濃度検出手段としてのイオン濃度計50による溶液中の帯電物質の検知結果に応じて電極46,47に印加する電位差および/または電流値を制御するようになっている。すなわち、例えば、イオン濃度計50において調整済溶液のイオン濃度等が目標値よりも高くなったときに、スイッチ45を電極46,47に電圧を印加するよう切り換えて溶液中の帯電物質を電極46,47に吸着させ、反対にイオン濃度計50における調整済溶液のイオン濃度等が目標値よりも低くなったときには、スイッチ45を電極46,47を短絡させるよう切り換えて電極46,47に吸着された帯電物質を溶液中に放出させればよい。なお、イオン濃度検出手段としては、イオン濃度に対応する物理量を検出するものであれば、イオン濃度計50に限らず、各種のものを適用することができる。
そして、制御対象の溶液を導入路42から貯留槽41に導入しながら、貯留槽41において電極46,47への帯電物質の吸着と放出を制御して液質の制御を行い、液質が制御された調整済溶液は連続的に排出路43から排出される。このように、連続的に溶液を流しながら溶液の液質制御を行えることから、極めて良好な処理効率での運転が可能である。また、イオン濃度計50によるイオン等の検知結果に応じて電極46,47に印加する電位差および/または電流値を制御することにより、連続的に流れる溶液を常に目標の液質となるように制御することが可能となる。このように、目標とする液質への制御を連続的に行い、目標液質の溶液を連続的に生成することができるようになる。
また、上記制御回路48は、イオン濃度計50による溶液中のイオン濃度等の帯電物質の検知結果に応じて上記流量調節弁51を制御する。すなわち、連続的に溶液を流しながらイオンの吸着と放出を制御するときに、流量が大きすぎると、電極46,47へのイオンの吸着や放出による溶液の液質変化が十分に反映しない状態で溶液が排出路43から排出されてしまい、反対に流量が小さすぎると処理効率が低下する。したがって、連続的に溶液を流しながら帯電物質の吸着と放出を制御するときに、イオン濃度計50によるイオン濃度の検知結果に応じて流量を適切に制御することにより、流量が制御精度に与える影響をなくし、常に目標液質の溶液を連続的に生成することができるようになる。
また、上記制御回路48は、上記直流電源44の電圧の制御を行って、両電極46,47に印加する電位差を制御することにより、溶液中の帯電物質であるイオンの電極46,47への吸着および電極46,47に吸着されたイオンの溶液中への放出を制御する。すなわち、制御対象とする溶液中の帯電物質をより減少させたいときには、直流電源44の電圧を上昇させてより多くのイオン等を電極46,47に吸着させることができる。また、直流電源44の電圧を高くすることにより、電極46,47へのイオン等の吸着速度が早くなり、逆電圧をかけたときの電極46,47からの放出速度も速くなり、より鋭敏な液質制御を行うことができる。同様に、両電極46,47に印加する電流値を制御することにより、溶液中の帯電物質であるイオンの電極46,47への吸着量や吸着速度および電極46,47に吸着されたイオンの溶液中への放出量や放出速度を制御することができる。
さらに、上記制御回路48は、イオン濃度計50において調整済溶液のイオン濃度等が目標値よりも高くなったときに、スイッチ45を電極46,47に電圧を印加するよう切り換えて溶液中の帯電物質を電極46,47に吸着させるのであるが、この場合において、あらかじめ設定された所定時間が経過しても目標値に達しないときには、流量調節弁51を流量が小さくなるように制御することができる。このような場合に流量を小さくすることにより、溶液が貯留槽41内に滞留する時間が長くなり、より多くのイオン等を電極46,47に吸着させて液質を目標値まで制御することができるようになる。反対に、目標値に達するまでの時間が、あらかじめ設定された所定時間以下であるときには、流量調節弁51を流量が大きくなるように制御する。このような場合に流量を大きくすることにより、溶液が貯留槽41内に滞留する時間が短くなり、短時間で液質を目標値まで制御することができて処理効率を向上させることができるようになる。
また、上記制御回路48は、イオン濃度計50において調整済溶液のイオン濃度等が目標値よりも高くなったときに、スイッチ45を電極46,47に電圧を印加するよう切り換えて溶液中の帯電物質を電極46,47に吸着させるのであるが、この場合において、あらかじめ設定された所定時間が経過しても目標値に達しないときには、直流電源44の電圧を高くするように制御することもできる。このような場合に電圧を高くすることにより、より多くのイオン等を電極46,47に吸着させて液質を目標値まで制御することができるようになる。反対に、目標値に達するまでの時間が、あらかじめ設定された所定時間以下であるときには、直流電源44の電圧を低くするように制御する。このような場合に電圧を低くすることにより、電力消費を少なくし、エネルギー効率を向上させることができるようになる。
また、図10や図11に示した装置を2槽併設し、一方の吸着能力が低下したら他方の装置による吸着を行うよう、2槽の装置を切り換え制御するようにしてもよい。
また、上記制御回路48は、上記帯電物質の吸着および放出が、実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なわれるよう、上記電極46,47に印加する電位差を制御する。具体的には、溶液の種類に応じて適宜設定されるが、溶媒が水である場合には、2V以下が好ましく、より好適なのは1.5V以下である。溶液を電気分解させてしまうと、それだけで帯電物質の濃度等の液質が変化するが、帯電物質の吸着および放出を実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なうことにより、帯電物質の吸着および放出によってのみ液質の制御を行い、電極46,47に印加する電位の制御だけを液質に反映させて他の要因を排除し、常に正確な液質制御を実現し、液質制御の精度を確保できる。このような電圧範囲で制御するのは、特に、上記電極46,47が、金属やカーボン等の溶液と通電する導電体からなる場合に有効である。また、溶液の電気分解が生じた場合、電極の消耗が加速されてメンテナンスコストがかかったり、スラッジの除去設備が必要になったりするという不都合も生じるからである。
上記電極46,47としては、ステンレス,チタン,ニッケル,銅,白金,金等各種の金属材料や、カーボン等の導電材料を用いることができる。上記電極46,47は、板状とするのが好ましく、厚みは、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。陽極46と陰極47の間隔は、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。なお、陽極46と陰極47の間隔は、溶液が通過してイオンの吸着や放出を妨げなければ、0.1mm以下とすることを妨げるものではない。
上記電極46,47として金属を用いる場合、金属板にめっきや表面改質を施したものを用いることができる。例えば、ステンレス板の表層部に、フッ化処理の後低温浸炭処理を施すことにより、クロム炭化物が実質的に析出していない炭素の拡散浸透層を形成したものを用いることができる。また、チタン板に白金をめっきしたものを用いることもできる。これらは極めて耐食性に優れることから、好適に用いられる。
また、上記電極46,47として、金属粉末の焼結体,板状活性炭,活性炭不織布,炭化ケイ素等の導電性セラミックス,カーボンエアロゲル(BET比表面積を500〜2500m/gに調整した孔径2〜50nmのメソポア主体のカーボンシート)等の多孔質体を用いることができる。このような多孔質体を電極46,47として用いることにより、電極46,47の表面積を大幅に大きくし、イオン等の吸着量を著しく増大させることができる。
上記陽極46と陰極47は、同じ種類のものを使用することもできるし、制御対象とする溶液の種類や制御しようとする物性に応じて異なる種類のものを組み合わせて使用することもできる。
図11の装置において、両電極46,47間に流れる電流値と通電時間を積算した電流積算値を算出する電流積算手段(図示せず)を備え、上記制御回路48は、上記両電極46,47間の電位差および/または電流値を、上記算出された電流積算値に基づいて制御することにより、上記電極46,47への帯電物質の吸着量および放出量を制御するようにすることができる。
このようにすることにより、電流積算値という計測が容易な数値に基づいて吸着量および放出量を制御できることから、溶液中の帯電物質の濃度や存在比率の制御が行いやすい。
それ以外は、上記装置と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。この実施例でも上記装置と同様の作用効果を奏する。
図12は、本発明の第4の実施の形態の液質制御装置を示す。
この例は、上記電極46a,47bは、陽極46aと陰極47bが組になっており、上記陽極46aと陰極47bの比表面積が異なるものを組み合わせ、両電極46a,47bの静電吸着能力が異なる電極46a,47bを組としたものである。その結果、比表面積の大きな側の電極(この例では陽極46aである)へのイオン等の帯電物質の吸着量が選択的に増大し、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
すなわち、図示したものは、陽極46aとして比表面積の大きな多孔質電極を使用し、陰極47bとして比表面積の小さい板状電極を使用している。このように、陽極46aの比表面積を陰極47bよりも大きくなるように設定すると、マイナスイオンの吸着量をプラスイオンよりも増やすことができる。その結果、溶液中に元々存在していたマイナスイオン等の陽極46aへの吸着量が増大し、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
例えば、制御対象となる溶液がNaCl水溶液である場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、陽極46aにClの方を多く吸着すると、溶液全体として電気的な中性を保つために陰極47b側で水が電極反応を起こし、残ったNaに対応するOHが生成する。その結果、溶液全体としてはNaとOHが存在することとなり、アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液が生成することとなると考えられる。
反対に、陰極47bに多孔質電極を用い、陽極46aに平板状電極を用いて、陰極47bの比表面積を陽極46aよりも大きくなるように設定すると、プラスイオンの吸着量をマイナスイオンよりも増やすことができる。その結果、溶液中に元々存在していたプラスイオン等の陰極47bへの吸着量が増大し、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
例えば、上述した例のように、制御対象となる溶液がNaCl水溶液である場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、陰極47bにNaの方を多く吸着すると、溶液全体として電気的な中性を保つために陽極46a側で水が電極反応を起こし、Hが生成する。その結果、溶液全体としてはHとClが存在することとなり、酸性の塩化水素水溶液が生成することとなると考えられる。
このように、陽極46aの静電吸着能力が陰極47bよりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる。その結果、溶液中に新たなマイナスイオンが生成したとしても、元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高い状態に制御することが可能となる。反対に、陰極47bの静電吸着能力が陽極46aよりも大きくなるように設定すると、溶液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる。その結果、溶液中に新たなプラスイオンが生成したとしても、元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高い状態に制御することが可能となる。このように、溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの濃度バランスを制御し、液質を制御できるようになる。
図12の装置において、両電極46a,47bに印加した直流電圧の極性を切り換えることにより、溶液中に元々存在していたプラスイオンを多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナスイオンを多く吸着するモードとを切り換えるよう制御することもできる。このように、溶液中に元々存在していたプラスイオンを多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナスイオンを多く吸着するモードとを切り換えることにより、上記溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの吸着と放出を可逆的に制御し、溶液中の帯電物質の濃度や存在比率を目標値に制御して、溶液の液質を目標の特性に制御することができる。
また、この例において、すなわち、上記陽極46aと陰極47bの実質の表面積が異なるものを組み合わせ、両電極46a,47bの静電吸着能力が異なる電極46a,47bを組としたものとすることもできる。その結果、実質の表面積の大きな側の電極(この例では陽極46aである)へのイオン等の帯電物質の吸着量が選択的に増大し、結果として制御対象とする溶液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。このように、上記静電吸着能力が異なる電極は、実質の表面積が異なる電極とすることにより、実質の表面積が大きな電極には、実質の表面積が小さい電極よりも多くの帯電物質が吸着されることから、電極を適宜選定することにより、電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
ここで、比表面積とは、電極を構成する物質1gあたりの真の表面積の総和をいう。ここでは、BET比表面積のことをいい、単位はm/gである。これに対し、見かけの面積とは、板形状の電極の場合の最大投影面積をいう。表面の面積と裏面の面積の合算は、してもしなくてもよいが、ここでは表裏の合算をしない最大投影面積を扱うことにする。そして、実質の表面積とは、上記比表面積とから算出した表面積の総和をいい、下記の関係式が成り立つ。
T=S×V×G
T:実質の表面積(m) S:比表面積(m/g)
V:電極の体積(m) G:電極の比重(g/m
したがって、上記陽極46aと陰極47bの実質の表面積が異なる電極46a,47bの組み合わせとは、(1)見かけの面積が同じで陽極46aと陰極47bに比表面積が異なる材料を用いた場合、(2)陽極46aと陰極47bに比表面積が同じ材料を用いて見かけの面積が異なる場合、(3)陽極46aと陰極47bに比表面積が異なる材料を用いてさらに見かけの面積も異なる場合、等があげられる。すなわち、静電吸着能力が異なるとは、これらいずれの場合も含む趣旨である。
それ以外は、上記各実施形態と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。この実施例でも上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。
図13は、本発明の第5実施形態の液質制御装置を示す。
この例は、陰極47aよりも陽極46aの比表面積が大きくなるよう設定された第1電極組61aを備えた第1ユニット62aと、陽極46bよりも陰極47bの比表面積が大きくなるよう設定された第2電極組61bを備えた第2ユニット62bとが連結されて構成されている。
上記第1ユニット62aでは、陽極46aとして多孔質電極を使用し、陰極47aとして平板状電極を使用することにより、陰極47aよりも陽極46aの比表面積が大きくなるよう設定されている。一方、上記第2ユニット62bでは、陽極46bとして平板状電極を使用し、陰極47bとして多孔質電極を使用することにより、陽極46bよりも陰極47bの表面積が大きくなるよう設定されている。
そして、第1ユニット62aの排出路43が、第2ユニット62bの導入路42に接続され、第1ユニット62aを通過した溶液が、第2ユニット62bを通過し、2段階で液質制御を行うようになっている。
このようにすることにより、第1ユニット62aでは、陽極46の比表面積を陰極47よりも大きくなるように設定し、マイナスイオンの吸着量をプラスイオンよりも増やすことができる結果、溶液に元々存在したプラスイオンの存在比率の高い状態に制御することが可能となる。一方、第2ユニット62bでは、陰極47の比表面積を陽極46よりも大きくなるように設定し、プラスイオンの吸着量をマイナスイオンよりも増やすことができる結果、溶液に元々存在したマイナスイオンの存在比率の高い状態に制御することが可能となるのである。
このように、第1電極組61aを有する第1ユニット62aと第2電極組61bを有する第2ユニット62bのそれぞれで、比表面積の大きな側の電極への帯電物質の吸着量を増大させ、結果として制御対象とする溶液中に元々存在したプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを任意の状態に制御して液質を制御することが可能となるのである。
上記各実施例では、帯電物質が主としてイオンである場合を例にあげて説明したが、これに限定するものではなく、陽極46や陰極47に吸引されうる各種の帯電粒子を制御対象物質とすることができる。例えば、パイロジェンのようなゼータ電位を有する帯電性物質や、帯電した顔料,染料,高分子等を挙げることができる。
それ以外は、上記各実施形態と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。この実施例でも上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。
上記図11に示した装置により、溶液としてKOH水溶液を使用して液質の制御を行った。この場合のイオン濃度を変化させて所定の目標値に制御することによって、下記の表1に示すように、KOH水溶液の比重,電気抵抗,pH,粘度,沸点,凝固点等の各種の物性を制御することができる。
Figure 2006247640
化粧品の中間原料であるコラーゲン溶液(コラーゲン1.4%)を対象とし、図12に示す装置において通水を行わない状態で試験を行った。コラーゲン溶液は素肌と同じ弱酸性に調整するのが好ましいが、コラーゲンを溶かすためにクエン酸が添加されるために酸性になっている。これを弱酸性になるよう制御した。
つぎの電極をコラーゲン溶液100mlに浸漬して1.2Vの直流電圧を印加した。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積84cm;1枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積84cm;1枚
その結果、下記に示すように、化粧品として好ましい弱酸性のpH範囲(pH5.5)に調整することができた。
電圧印加時間 pH
0分 3.9
16分 4.7
44分 5.5
この例において、処理前のpHが目標値よりアルカリ側にある場合には、陽極に等方性黒鉛板、陰極に活性炭シートを使用することで、目的とする弱酸性溶液を得られる。また、陽極に活性炭シートを使用して陰極に等方性黒鉛板を使用する場合と、陽極に等方性黒鉛板を使用して陰極に活性炭シートを使用する場合、いずれの場合でも、処理中に溶液のpHが目標値よりもアルカリ側になった場合には、両電極間の極性を切り替えることにより、目標値の弱アルカリ溶液を得ることができる。
細胞を培養する際に用いる医療用培地(培養液)は、培養しようとする細胞の活動に最適なpHに調整されているが、細胞の活動によって発生する乳酸等の影響により、pHが変動し、最適な細胞の活動pH範囲から外れてしまう。このため、長期の培養を行う場合には細胞を培地から分離して新たな培地に移し変える必要があるため、その労力と培地の使用量の削減を目的としてpHの制御を行った。
図12に示す装置において通水を行わない状態で試験を行った。市販の培地(イントロゲン社;RPMI1640)に予め酢酸を添加して酸性に調整した溶液を準備して試験に供した。
つぎの電極を培地500mlに浸漬して1.2Vの直流電圧を印加した。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積84cm;6枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積84cm;6枚
その結果、下記に示すように、培地として好ましい弱アルカリのpH範囲(pH7.2)に調整することができた。
電圧印加時間 pH
0分 6.8
5分 7.1
15分 7.2
この例において、処理前のpHが目標値よりアルカリ側にある場合には、陽極に等方性黒鉛板、陰極に活性炭シートを使用することで、目的とする弱アルカリ溶液を得られる。また、陽極に活性炭シートを使用して陰極に等方性黒鉛板を使用する場合と、陽極に等方性黒鉛板を使用して陰極に活性炭シートを使用する場合、いずれの場合でも、処理中に溶液のpHが目標値よりもアルカリ側になった場合には、両電極間の極性を切り替えることにより、目標値の弱アルカリ溶液を得ることができる。
水耕栽培溶液は、栽培環境に適正なpHが弱酸性であり、それを目標値としてpHの制御を行った。
図11に示す装置において通水した状態で試験を行った。ベース溶液として、水耕栽培用液として、市販の溶液を水に溶解し、pHを6.3に調整した(大塚化学社製大塚ハウス1号を1500ppm、同社大塚ハウス2号を1000ppm)。
このベース溶液に水酸化ナトリウムを添加してpH10.3に調整したものを試験に供した。
500ml容量のセル内につぎの電極を積層し、溶液を50ml/分の流量で通水しながら1.2Vの直流電圧を印加した。
陽極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
陰極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
その結果、下記に示すように、栽培環境として好ましい弱酸性のpH範囲(pH6.3)に調整することができた。
入口pH 10.3
出口pH 6.3
この例において、処理中に溶液のpHが目標値よりも酸側になった場合には、両電極間の極性を切り替えることにより、目標値の弱酸性溶液を得ることができる。
また、上記ベース溶液に塩酸を添加してpH3.6に調整したものを試験に供した。
500ml容量のセル内につぎの電極を積層し、溶液を50ml/分の流量で通水しながら1.2Vの直流電圧を印加した。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
その結果、下記に示すように、栽培環境として好ましい弱酸性のpH範囲(pH6.3)に調整することができた。
入口pH 3.6
出口pH 6.3
この例において、処理中に溶液のpHが目標値よりもアルカリ側になった場合には、両電極間の極性を切り替えることにより、目標値の弱酸性溶液を得ることができる。
電圧をパラメータとしてpHの制御を行った。1000ppmのNaCl溶液(pH7)を準備して試験に供した。
図11に示す装置により、500ml容量のセル内に電極を積層し、溶液を25ml/分の流量で通水しながら0.5〜2Vの範囲で電圧を変化させながら直流電圧を印加した。
pH7の原水を、下記の電極でpH制御を行った。その結果を図14に示す。
陰極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陽極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
pH7の原水を、下記の電極でpH制御を行った。その結果を図15に示す。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
図14は、入口pH7の原水をpH調整したものの出口pHをプロットした図である。また、図15は、入口pH7の原水をpH調整したものの出口pHをプロットした図である。図からわかるように印加電圧を変化させることで出口pHが変化し、電圧を調節することによりpHを目標値に制御することができることがわかる。
このように、電圧を制御することによりpHを制御して目標値の溶液を得ることができることがわかる。
流量をパラメータとしてpHの制御を行った。1000ppmのNaCl溶液(pH7)を準備して試験に供した。
図11に示す装置により、500ml容量のセル内に電極を積層し、溶液を25ml/分の流量で通水しながら1.2Vの範囲で電圧を変化させながら直流電圧を印加した。
下記の電極でpH制御を行った。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
その結果、下記に示すように、流量が小さいほどpHの制御幅が大きくなる結果が得られた。
流量ml/分 出口pH
25 10.5
50 10.0
100 9.5
180 9.0
350 8.5
下記の電極でpH制御を行った。
陰極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陽極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
その結果、下記に示すように、流量が小さいほどpHの制御幅が大きくなる結果が得られた。
流量ml/分 出口pH
25 3.2
50 4.0
100 5.5
180 6.4
350 6.7
これらの結果からわかるように、流量を変化させることで出口pHが変化し、流量を調節することによりpHを目標値に制御できることがわかる。
このように、流量を制御することによりpHを制御して目標値の溶液を得ることができることがわかる。
流量をパラメータとしてpHの制御を行った。セル出口のpHの変化量はセルに流入した溶液中、吸着されたイオンの当量の和に比例し、吸着されるイオン量はセルの電極に流れた電流値に比例する。したがって、電極に流れる電流量をコントロールすることによってセル出口のpHを制御することが可能である。
1000ppmのNaCl溶液(pH7)を準備して試験に供し、図11に示す装置を使用し、下記の電極でpH制御を行った。
陽極 活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積135cm;6枚
陰極 等方性黒鉛板;みかけ面積135cm;6枚
図16は、上記試験の結果であり、電流値を一定にコントロールすることにより、出口pHを一定の値に制御できることがわかる。
この例において、pHが目標値からずれた場合には、電流値をコントロールしたり、両電極間の極性を切り換えることにより、目標値の溶液を得ることができる。
本発明は、アルカリイオン水の精製、水の洗浄力向上、水の殺菌力の向上、飲料の味覚調整、微小重量制御、塩分濃度の調整、浸透圧の微調整、味覚成分の微調整、液体の電気抵抗の微調整、殺菌力の調整、インクの色調や鮮明度の調整、水耕栽培の培養水の調整、食品製造工程における乳酸や酵母の活性度の調整等が行えるほか、屈折率、水頭圧、色、密度、濃度の調整等、各種の技術分野に適用が可能である。
また、本発明は、例えば下記の表2に示すように、ゴミの分別、微小重量制御、塩分濃度の調整、浸透圧の微調整、味覚成分の微調整、溶液の電気抵抗の微調整、殺菌力の調整、インクの色調や鮮明度の調整、水耕栽培の培養水の調整、食品製造工程における乳酸や酵母の活性度の調整等が行えるほか、屈折率、水頭圧、色、密度、濃度の調整等、各種の技術分野に適用が可能である。
Figure 2006247640
本発明のイオン濃度調節装置の原理と概略構成を示す図である。 上記イオン濃度調節装置の原理と概略構成を示す図である。 本発明の第1実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明の第4実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明のイオン濃度調節装置の原理と概略構成を示す図である。 本発明の第5実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明の第6実施例のイオン濃度調節装置の概略構成を示す図である。 本発明の前提となる液質制御装置の概略構成を示す図である。 上記液質制御装置の詳細を示す図である。 本発明の第4実施形態の液質制御装置の概略構成を示す図である。 本発明の第5実施形態の液質制御装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施例10の計測結果を示す図である。 本発明の実施例10の計測結果を示す図である。 本発明の実施例12の計測結果を示す図である。
符号の説明
1 貯留槽
2 導入路
3 排出路
4 直流電源装置
5 スイッチング装置
6 陽極
7 陰極
8 制御回路
9 流量計
10 pH計
11 流量調節弁
12 電流計
13 シグナルランプ
14 第1貯槽
15 第2貯槽
16 原水供給路
17 精製水排出路
18 精製水供給路
19 廃水路
20 容器
21 貯留槽
22a 第1弁
22b 第2弁
22c 第3弁
22d 第4弁
23 電極部
24 制御部
25 電極ユニット
26 制御ユニット
27 なべ
28 湯沸しポット
29 コーヒーサーバ
30 電極セル
31 連通路
41 貯留槽
42 導入路
43 排出路
44 直流電源
45 スイッチ
46 電極(陽極)
46a 電極(陽極)
46b 電極(陽極)
47 電極(陰極)
47a 電極(陰極)
47b 電極(陰極)
48 制御回路
49 流量計
50 イオン濃度計
51 流量調節弁
52 セパレータ
53 連通口
54 導入口
55 排出口
56 末端プレート
57 ボルトナット
58a 両面電極(陽電極)
58b 両面電極(陰電極)
61a 第1電極組
61b 第2電極組
62a 第1ユニット
62b 第2ユニット
63 枠状スペーサ

Claims (18)

  1. 濃度調節対象とする液体中に存在させる陽極および陰極と、上記陽極および陰極に直流電圧を印加する電圧供給手段とを備え、上記陽極と陰極を帯電物質の静電吸着能力が相対的に異なるものとすることにより、上記液体中に存在するプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着して液体の帯電物質の濃度を調節することを特徴とする液体の帯電物質の濃度調節装置。
  2. 上記陽極と陰極に対して直流電圧を印加して液体中のプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記陽極と陰極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで陽極と陰極にそれぞれ吸着していた帯電物質を放出する放出モードとを切り替える切替手段を備えている請求項1記載の液体の帯電物質の濃度調節装置。
  3. 陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるよう設定されている請求項1または2記載の液体の帯電物質の濃度調節装置。
  4. 陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるよう設定されている請求項1または2記載の液体の帯電物質の濃度調節装置。
  5. 上記陽極と陰極は、表面積を異ならせることにより帯電物質の静電吸着能力が相対的に異なるものとなっている請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体の帯電物質の濃度調節装置。
  6. 液質制御対象とする溶液を貯留する貯留槽と、上記溶液中に存在して直流電圧が印加されるとともに静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極と、上記両電極間に印加する電位差および/または電流値を制御する制御手段とを備え、上記制御手段で両電極に印加する電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御することを特徴とする溶液の液質制御装置。
  7. 上記制御手段は、両電極に印加した直流電圧の極性を切り換えることにより、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換えるよう制御する請求項6記載の液質制御装置。
  8. 陽極の静電吸着能力が陰極よりも大きくなるよう設定された第1電極組と、陰極の静電吸着能力が陽極よりも大きくなるよう設定された第2電極組とを備えている請求項6または7記載の溶液の液質制御装置。
  9. 上記貯留槽には、液質制御対象とする溶液を導入する導入路と、液質が制御された溶液を排出する排出路とを備え、目標液質の溶液を連続的に生成するように構成されている請求項6〜8のいずれか一項に記載の溶液の液質制御装置。
  10. 上記排出路もしくはその近傍において溶液中の帯電物質を検知する帯電物質検知手段を備え、上記制御手段は、帯電物質検知手段による溶液中の帯電物質の検知結果に応じて電極に印加する電位差および/または電流値を制御する請求項9記載の溶液の液質制御装置。
  11. 上記導入路または排出路には、導入もしくは排出される溶液の流量を調節する流量調節弁が設けられ、上記制御手段は、帯電物質検知手段による溶液中の帯電物質の検知結果に応じて上記流量調節弁を制御する請求項9または10記載の溶液の液質制御装置。
  12. 上記電極は、溶液と通電する導電体からなり、上記制御手段は、上記帯電物質の吸着が、実質的に溶液の電気分解を生じない範囲で行なわれるよう、上記電極に印加する電位を制御する請求項6〜11のいずれか一項に記載の溶液の液質制御装置。
  13. 静電吸着能力が異なる電極は、比表面積が異なる電極である請求項6〜12のいずれか一項に記載の溶液の液質制御装置。
  14. 上記静電吸着能力が異なる電極は、実質の表面積が異なる電極である請求項6〜12のいずれか一項に記載の溶液の液質制御装置。
  15. 液質制御対象とする溶液中に直流電圧が印加されるとともに、静電吸着能力が異なる陽極と陰極が組になった電極を存在させ、上記両電極間の電位差および/または電流値を制御して、上記溶液に元々存在したプラス帯電物質とマイナス帯電物質のいずれかを選択的に多く吸着することにより、溶液の液質を目標値に制御することを特徴とする溶液の液質制御方法。
  16. 両電極に印加した直流電圧の極性を切り換えることにより、溶液中に元々存在していたプラス帯電物質を多く吸着するモードと、溶液中に元々存在していたマイナス帯電物質を多く吸着するモードとを切り換える請求項15記載の液質制御方法。
  17. 上記帯電物質の吸着を、実質的に溶液の電気分解を生じない電位差で行なうよう制御する請求項15または16記載の溶液の液質制御方法。
  18. 上記静電吸着能力が異なる電極は、実質の表面積が異なる電極である請求項15〜16のいずれか一項に記載の溶液の液質制御方法。
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