JPH0616597A - ジフェノキシベンゼン誘導体及びその製造法 - Google Patents

ジフェノキシベンゼン誘導体及びその製造法

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JPH0616597A
JPH0616597A JP6272193A JP6272193A JPH0616597A JP H0616597 A JPH0616597 A JP H0616597A JP 6272193 A JP6272193 A JP 6272193A JP 6272193 A JP6272193 A JP 6272193A JP H0616597 A JPH0616597 A JP H0616597A
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group
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formula
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JP6272193A
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English (en)
Inventor
Shigeo Nozoe
重男 野副
Akira Takahashi
昭 高橋
Tetsuji Nunosawa
哲二 布沢
Takeshi Endo
武 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Fuji Chemical Industries Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【式1】 (式中、Xは同一又は異なって水素原子又はハロゲン原
子を表し、R1、R2は同一又は異なって水素原子、アル
キル基、アシル基を表し、R3、R4は同一又は異なって
ニトロ基、アミノ基又はアルキル置換基を有するアミノ
基を表す。)で表されるジフェノキシベンゼン誘導体、
製法及びその中間体化合物。 【効果】 新規な抗腫瘍作用を有するジフェノキシベン
ゼン誘導体、製造法及び有用な中間体化合物を提供でき
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍作用を有する新
規なジフェノキシベンゼン誘導体及びその製造に用いる
ことができる有用な中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、優れた抗腫瘍作用を有す
るジフェノキシベンゼン誘導体及びその製法を見い出
し、既に特許出願している(平成4年2月4日の特許出
願)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗腫瘍作用
のより改良された新規なジフェノキシベンゼン誘導体及
びその製造法を提供することを目的とする。また本発明
は当該化合物の製造に用いられる有用な中間体化合物及
びその製造法を提供することも目的とする。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、上記目
的を達成するため鋭意研究を行ったところ新規なジフェ
ノキシベンゼン誘導体及びその製造法を供することがで
きた。また本発明者らは当該化合物の製造法において出
発原料として用いることができる有用な新規なアニリン
誘導体及びその製造法を提供することもできた。当該製
造法は3,4,5−トリベンジルオキシニトロベンゼン
を塩基の存在下処理すると、ニトロ基のパラ位に位置す
るベンジル基が選択的に除去され、3,5−ジベンジル
オキシ−4−ヒドロキシニトロベンゼンが収率よく得ら
れるという本発明者らの知見に基づいてなされたもので
ある。上記製法で得られた化合物、例えば3,5−ジベ
ンジルオキシ−4−ヒドロキシニトロベンゼンは、さら
に分子中に有する置換基を常法に従って、適宜保護又は
その保護基を除去するなどの操作を行うことにより、目
的とする有用なアニリン誘導体に容易にかつ収率よく導
くことができるなど工業上極めて有用な化合物である。
【0005】本発明は、一般式
【0006】
【化6】
【0007】(式中、Xは同一又は異なって水素原子又
はハロゲン原子を表し、R1、R2は同一又は異なって水
素原子、アルキル基、アシル基を表し、R3、R4は同一
又は異なってニトロ基、アミノ基又はアルキル置換基を
有するアミノ基を表す。)で表されるジフェノキシベン
ゼン誘導体、製造法及びその中間体化合物に関する。
【0008】一般式(I)中のハロゲン原子は、ヨウ素
原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子を表す。
【0009】一般式(I)中のR1、R2は同一又は異な
って水素原子、アルキル基、アシル基を表す。
【0010】ここでアルキル基は、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基などをあげることができる。
【0011】アシル基は、例えば、ホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、
バレリル基、イソバレリル基などをあげることができ
る。
【0012】一般式(I)中、R3、R4は同一又は異な
ってニトロ基、アミノ基又はアルキル置換基を有するア
ミノ基を表す。ここでR3及びR4のアルキル置換基を有
するアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペン
チルアミノ基又はヘキシルアミノ基などをあげることが
できる。
【0013】本発明の一般式(I)の化合物は
【0014】一般式
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R1、R2は、上記に同じ。)
【0017】で表される新規なアニリン誘導体に、一般
【0018】
【化8】
【0019】(式中、Xは同一又は異なって水素原子又
はハロゲン原子を表し、Yはハロゲン原子を表す。)
【0020】で表される化合物を反応させることにより
得ることができる。式中のYのハロゲン原子としては、
ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子のいずれ
でもよいが、好ましくは臭素原子である。一般式(II
I)で表される化合物、例えば、1−ブロモ−2,6−
ジクロロ−4−ニトロベンゼンなどは公知の方法又は本
発明者らの特許出願(平成4年2月4日の特許出願)に
記載された方法に従って得ることができる。
【0021】すなわち一般式(I)の化合物でR1及び
2がニトロ基である一般式(I−a)の化合物は、一
般式(II−c)で表される化合物、ヨウ化銅、硫化水
素テトラ−n−ブチルアンモニウムおよび水素化ナトリ
ウムに窒素雰囲気下でジメチルスルホキシド(DMS
O)を加え、約30分間攪拌し、泡が出なくなるのを確
認した反応液にDMSOに溶解させた一般式(III)
の化合物を加え、室温から100℃までの適宜な温度で
30分から6時間反応させることにより得られる。
【0022】この反応は下記反応式で表される。
【0023】
【化9】
【0024】一般式(I−b)で表されるR3、R4がア
ミノ基を表す化合物は、一般式(I−a)の化合物のR
3、R4のニトロ基を酸化白金などを用いる常法に従って
還元することにより得られる。すなわち、一般式(I−
a)の化合物を還元するには、一般式(I−a)の化合
物をエタノ−ルなどの溶媒に溶解又は懸濁させ、次いで
酸化白金を加えて、水素気流下30分から6時間攪拌す
ると還元が終了する。その後、常法に従って後処理する
ことによって一般式(I−b)の化合物が得られる。
【0025】この反応は以下の反応式で表される。
【0026】
【化10】
【0027】一般式(I−b)の化合物のR2の置換基
がアシル基の場合、このアシル基は常法により塩基と反
応させることにより容易に除去することができる。すな
わち、一般式(I−b)の化合物のR2のアシル基は当
該化合物をテトラヒドロフラン−メタノ−ル混液などに
溶解し、例えば水酸化ナトリウム水溶液を加え、80℃
で30分から8時間攪拌することにより除去される。そ
の後、常法に従って後処理することにより一般式(I−
c)の化合物が得られる。
【0028】この反応は下記反応式で表される。
【化11】
【0029】一般式(I)の化合物で、R3、R4のアミ
ノ基がアルキル化された一般式(I−d)の化合物は、
一般式(I−b)の化合物を常法に従って、アルキル化
することにより得られる。例えば、一般式(I−b)の
化合物に、溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基の存在
下、一般式 RX (式中、Rはアルキル基を表し、Xは脱離基を表す。)
で表されるハロゲン化アルキル、例えば臭化n−ブチル
の1〜2モルを80℃で30分から2時間攪拌しながら
反応させることにより得られる。この場合に一般式(I
−b)の化合物の1モルに対しハロゲン化アルキルを1
モル用いるとR3又はR4の一方のアミノ基が置換された
一置換体を得ることができる。
【0030】この反応は下記反応式で表される。
【0031】
【化12】
【0032】このようにして得られた一般式(I−d)
の化合物は、前述と同様の方法により脱アシル化するこ
とができる。すなわち、一般式(I−d)の化合物をテ
トラヒドロフラン−メタノ−ル混液に溶解し、水酸化ナ
トリウム水溶液を加え、80℃で30分から6時間攪拌
することにより脱アシル化できる。その後、常法により
後処理することにより一般式(I)で表される化合物が
得られる。
【0033】本発明は、また一般式
【0034】
【化13】
【0035】(式中、R1、R2、R5は上記に同じ。)
【0036】で表される新規なアニリン誘導体及びその
製造法に関する。
【0037】上記一般式(II)の化合物は本発明の出
発原料化合物の製造に用いられる有用な化合物である。
すなわち、一般式
【0038】
【化14】
【0039】(式中、R1、R2は、上記に同じ。)
【0040】で表される化合物は、一般式
【0041】
【化15】
【0042】(式中、R5は、ベンジル基又は置換され
ていてもよいベンジル基を表す。)
【0043】で表される化合物を溶媒中、塩基の存在
下、選択的に脱ベンジル化し、一般式
【0044】
【化16】
【0045】(式中、R5は上記に同じ。)
【0046】で表される化合物とし、次いで、一般式
(IV−b)の化合物のヒドロキシ基をアルキル化し一
般式(IV−c)の化合物とし、次いでニトロ基を還元
し一般式(II−a)の化合物とし、次いで得られたア
ミノ誘導体をアシル化し一般式(II−b)とし、次い
で還元にてベンジル基又は置換されていてもよいベンジ
ル基を除去することにより得られる。
【0047】この反応は下記反応式で表される。
【0048】
【化17】
【0049】より詳細には、上記一般式(IV−b)の
化合物は、一般式(IV−a)の化合物を溶媒中、塩基
の存在下、選択的に脱ベンジル化し、その後、常法に従
って後処理することにより得ることができる。
【0050】上記選択的な脱ベンジル化反応に用いるこ
とができる溶媒の例としてはジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミドなどをあげることができる。
【0051】塩基としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属の水酸化物又は炭酸塩などであり、例えば水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はこ
れらのリチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウ
ム塩などがあげられる。
【0052】これらの塩基は0.1〜6N、好ましくは
3〜4Nの水溶液として前述の溶媒と混合して使用す
る。
【0053】塩基の使用量は、使用する溶媒の種類また
は組合わせにより異なるが、一般式(IV−a)の化合
物の1モルに対し塩基が0.1から6モルの範囲であ
る。
【0054】反応温度は、原料の種類、使用する溶媒、
塩基の種類により異なるが室温から150℃の間の適宜
な温度であり、好ましくは60℃から140℃の間の温
度である。
【0055】反応時間については、原料の種類、反応温
度、塩基の種類、溶媒の種類その他の条件により異なる
が、通常は、数10分から数時間である。その後、常法
に従って後処理することにより、一般式(IV−b)の
化合物が得られる。
【0056】一般式(II)中のR5は、ベンジル基又
は置換されていてもよいベンジル基であり、例えば、メ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ハロゲノベンジ
ル基、ニトロベンジル基などがあげられる。
【0057】上記反応に用いられる一般式(IV−a)
の化合物、例えば、3,4,5−トリベンジルオキシニ
トロベンゼンは、公知の方法に従って1,2,3−トリ
ベンジルオキシベンゼンに溶媒中で硝酸を反応させるこ
とにより得られる(J.Org.Chem.,15巻,
844頁,1950年)。
【0058】一般式(IV−c)の化合物は、一般式
(IV−b)の化合物のヒドロキシ基を常法に従ってア
ルキル化することにより得られる。
【0059】すなわち、一般式(IV−c)の化合物
は、一般式(IV−b)の化合物のヒドロキシ基を常法
に従って溶媒中、塩基の存在下、ハロゲン化アルキル又
は硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどと反応させアルキル
化し、その後、常法により後処理することにより得るこ
とができる。
【0060】一般式(IV−c)の化合物のニトロ基の
還元反応は、一般式(IV−c)の化合物を酢酸とエタ
ノ−ルの混液に溶解し、鉄粉を加え、120℃で数分か
ら1時間攪拌すると終了する。その後、常法により後処
理することにより一般式(II−a)の化合物が得られ
る。
【0061】上記製法で得られた一般式(II−a)の
化合物のアミノ基のアシル化は、常法により、例えば、
溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下、カルボン酸の活
性誘導体、例えば無水酢酸などを反応させることにより
行うことができる。その後、常法により後処理すること
により一般式(II−b)の化合物が得られる。
【0062】一般式(II−c)の化合物は、上記反応
で得られた一般式(II−b)の化合物を常法に従って
パラジウム−炭素を用いて接触還元し、その後常法に従
って後処理することにより得ることができる。
【0063】本発明の化合物及び製造法を以下の実施例
に示す。
【0064】(参考例1)1,2,3−トリベンジルオ
キシベンゼン5.0gを酢酸100mlに溶解し、40
℃に加温し、30%硝酸6mlを滴下した。その後室温
にて結晶が析出するまで攪拌した。反応液より結晶をろ
取し、酢酸エチル−エタノ−ルより再結晶し、無色針状
晶として3,4,5−トリベンジルオキシニトロベンゼ
ン3.7g(66%)を得た。
【0065】(実施例1)3,4,5−トリベンジルオ
キシニトロベンゼン0.5gをジメチルスルホキシド8
mlに溶解し、4N水酸化ナトリウム水溶液10mlを
加え、140℃で1時間攪拌した。反応液を2N塩酸で
中和後、ベンゼンで抽出し、有機層を水洗後、乾燥(N
2SO4)し、減圧下溶媒を留去した。残分をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−に付し、ベンゼン溶出部よ
り3,5−ジベンジルオキシ−4−ヒドロキシニトロベ
ンゼン270mg(68%)を得た。 元素分析:C2017NO5として 計算値(%):C68.37;H4.88;N3.99 実測値(%):C68.50;H4.96;N3.811 H−NMR(CD3OD−CDCl3)δppm:5.2
2(4H,s),7.2 0〜7.53(10H,m),
7.57(2H,s)
【0066】(実施例2)3,4,5−トリベンジルオ
キシニトロベンゼン0.5gをジメチルスルホキシド8
mlに溶解し、3N水酸化ナトリウム水溶液10mlを
加え、100℃で30分間攪拌した。以下実施例1と同
様に後処理することにより3,5−ジベンジルオキシ−
4−ヒドロキシニトロベンゼン203mg(51%)を
得た。
【0067】(実施例3)3,4,5−トリベンジルオ
キシニトロベンゼン0.5gをジメチルスルホキシド8
mlに溶解し、4N水酸化カリウム水溶液10mlを加
え、120℃で1時間攪拌した。以下実施例1と同様に
後処理することにより3,5−ジベンジルオキシ−4−
ヒドロキシニトロベンゼン334mg(84%)を得
た。
【0068】(実施例4)3,5−ジベンジルオキシ−
4−ヒドロキシニトロベンゼン270mgをテトラヒド
ロフラン10mlおよびメタノール5mlに溶解し、硫
酸ジメチル0.5mlを加え、室温で10N水酸化ナト
リウム水溶液0.6mlを滴下し、40〜50℃で30
分間攪拌した。反応液に氷水30mlを加え、ベンゼン
で抽出し、有機層を水洗後、乾燥(Na2SO4)し、減
圧下溶媒を留去した。残分をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、3,5−ジベンジルオキシ−4−メ
トキシニトロベンゼン261mg(91%)を得た。 元素分析:C2119NO5として 計算値(%):C69.03;H5.24;N3.83 実測値(%):C69.14;H5.13;N3.891 H−NMR(CDCl3)δppm:3.97(3H,
s),5.18(4H,s),7.22〜7.54(10
H,m),7.57(2H,s)
【0069】(実施例5)3,5−ジベンジルオキシ−
4−メトキシニトロベンゼン400mgを酢酸4mlと
エタノ−ル4mlの混液に溶解させ、鉄粉250mgを
加え、120℃で40分間攪拌した。次いで反応液を吸
引ろ過し、ろ液に水50mlを加えベンゼン50mlで
2回抽出した。有機層を水洗後、乾燥(Na2SO4
し、減圧下溶媒を留去した。乾固した残分を無水ピリジ
ン2mlに溶解し、無水酢酸1mlを加え、室温で16
時間攪拌した。反応液に水30mlを加えベンゼンで抽
出し、有機層を水洗後、乾燥(Na2SO4)し、減圧下
溶媒を留去した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−に付し、ベンゼン−酢酸エチル(10:1)溶出
部より、3,5−ジベンジルオキシ−4−メトキシアセ
トアニリド307mg(74%)を得た。 元素分析:C2323NO4として 計算値(%):C73.19;H6.14;N3.71 実測値(%):C73.01;H6.07;N3.881 H−NMR(CDCl3)δppm:2.08(3H,
s),3.85(3H,s),5.08(4H,s),
6.85(2H,s),7.15(1H,bs),7.2
1〜7.52(10H,m)
【0070】(実施例6)3,5−ジベンジルオキシ−
4−メトキシアセトアニリド300mgをテトラヒドロ
フラン−エタノ−ル(2:1)混合溶媒10mlに溶解
し、10%パラジウム−炭素30mgを添加し、接触還
元を行った。1時間後、ろ過し、減圧下溶媒を留去し、
残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−に付し、ベ
ンゼン−酢酸エチル(1:1)溶出部より、3,5−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシアセトアニリド144mg
(92%)を得た。 元素分析:C911NO4として 計算値(%):C54.82;H5.62;N7.10 実測値(%):C54.98;H5.67;N6.951 H−NMR(CDCl3)δppm:2.06(3H,
s),3.76(3H,s),6.63(2H,s)
【0071】(実施例7)3,5−ジヒドロキシ−4−
メトキシアセトアニリド200mgをDMSO2mlに
溶解し、窒素雰囲気下、水素化ナトリウム125mg、
硫酸テトラ−n−ブチルアンモニウム200mgおよび
臭化銅20mgを加え、80℃で約30分間攪拌し、次
いで1−ブロモ−2,6−ジクロロ−4−ニトロベンゼ
ン810mgを加え100℃で3時間攪拌した。反応液
に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水の順
で洗浄し、有機層を乾燥(Na2SO4)後、減圧下溶媒
を留去した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、ベンゼン−酢酸エチル(50:1)溶出部よ
り、3,5−ビス−(2,6−ジクロロ−4−ニトロフ
ェノキシ)−4−メトキシアセトアニリド222mg
(38%)を得た。 元素分析:C211338Cl4として 計算値(%):C43.70;H2.27;N7.28 実測値(%):C43.91;H2.13;N7.111 H−NMR(CDCl3)δppm:2.00(3H,
s),4.00(3H,s),6.57(2H,s),
7.14(1H,bs),8.31(4H,s)
【0072】(実施例8)3,5−ビス−(2,6−ジ
クロロ−4−ニトロフェノキシ)−4−メトキシアセト
アニリド60mgのエタノ−ルに懸濁液に酸化白金10
mgを加え、水素気流下4時間攪拌する。反応終了後、
減圧下溶媒を留去し、残分をプレパラティブTLCに付
し、ベンゼン−アセトン(4:3)で展開し、3,5−
ビス−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−
4−メトキシアセトアニリド49mg(91%)を得
た。 元素分析:C211734Cl4として 計算値(%):C48.77;H3.31;N8.12 実測値(%):C48.68;H3.40;N7.981 H−NMR(CDCl3)δppm:1.91(3H,
s),4.05(3H,s),6.50(2H,s),
6.75(4H,s)
【0073】(実施例9)3,5−ビス−(4−アミノ
−2,6−ジクロロフェノキシ)−4−メトキシアセト
アニリド20mgをテトラヒドロフラン0.5mlおよ
びメタノ−ル1mlに溶解し、4N水酸化ナトリウム水
溶液0.2mlを加え、80℃で6時間攪拌した。反応
液を0.5N塩酸で中和後、酢酸エチルで抽出し、有機
層を水洗後、乾燥(Na2SO4)し、減圧下溶媒を留去
した。残分をシリカゲルプレパラティブTLCに付し、
ベンゼン−アセトン(4:3)にて展開し、3,5−ビ
ス−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−4
−メトキシアニリン17mg(92%)を得た。 元素分析:C191533Cl4・0.5H2Oとして 計算値(%):C47.13;H3.33;N8.68 実測値(%):C47.19;H3.37;N8.541 H−NMR(CD3OD)δppm:3.98(3H,
s),5.52(2H,s),6.74(4H,s)
【0074】(実施例10)3,5−ビス−(4−アミ
ノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−4−メトキシアセ
トアニリド60mgをアセトニトリル1mlに溶解し、
臭化n−ブチル50μlとトリエチルアミン13μlを
加え、80℃、1.5時間攪拌した。反応液に水2ml
を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗後、乾燥
(Na2SO4)し、減圧下溶媒を留去した。残分をシリ
カゲルプレパラティブTLCに付し、ベンゼン−アセト
ン(4:3)にて展開し、3−[4−(N−n−ブチル
アミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)]−5−(4−
アミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−4−メトキシ
アセトアニリド15mg(23%)を得た。 元素分析:C252534Cl4として 計算値(%):C52.38;H4.40;N7.33 実測値(%):C52.21;H4.51;N7.241 H−NMR(CDCl3)δppm:0.96(3H,
t,J=6.6Hz),1.20〜1.71(4H,
m),1.90(3H,s),3.04(2H,t,J=
6.6Hz),3.43〜3.90(2H,br),4.1
1(3H,s),6.36(1H,d,J=2.4H
z),6.41(1H,d,J=2.4Hz),6.55
(2H,s),6.61(2H,s),7.43(1H,
s)
【0075】(実施例11)実施例9と同様にして、3
−[4−(N−n−ブチルアミノ−2,6−ジクロロフ
ェノキシ)]−5−(4−アミノ−2,6−ジクロロフ
ェノキシ)−4−メトキシアセトアニリドより,3−
[4−(N−n−ブチルアミノ−2,6−ジクロロフェ
ノキシ)]−5−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェ
ノキシ)−4−メトキシアニリン(94%)を得た。 元素分析:C232333Cl4として 計算値(%):C52.00;H4.36;N7.91 実測値(%):C52.23;H4.30;N7.791 H−NMR(CDCl3)δppm:0.97(3H,
t,J=6.6Hz),1.22〜1.80(4H,
m),2.53〜3.50(5H,br),3.08(2
H,t,J=6.6Hz),4.07(3H,s),5.
45(2H,s),6.57(2H,s),6.68(2
H,s)
【0076】次に本発明化合物で一般式(I)で表され
るジフェノキベンゼン誘導体の抗腫瘍作用試験及び製剤
例を示す。
【0077】抗腫瘍作用試験:上記方法で得られたジフ
ェノキシベンゼン誘導体の抗腫瘍作用は、癌種としてマ
ウス白血病由来のL1210、マウス結腸癌由来のCo
lon26、ヒト結腸癌由来のDLD−1及びヒト非小
細胞肺癌由来のA549に対する細胞増殖抑制効果をイ
ン・ビトロで試験することにより確認することができ
た。
【0078】(試験例1) 浮遊性細胞であるマウス白
血病由来のL1210腫瘍細胞をRPMI1640培養
液(10%牛胎児血清(FBS)、20μM−2−メル
カプトエタノール及び100μg/mlカナマイシンか
らなるもの)で104細胞数/mlとし、その2mlを
培養試験管(Falcon No.2054)に分注
し、炭酸ガスインキュベータ(タバイ社製、モデルLN
A−122D)中、5%炭酸ガス下、37℃で5時間イ
ンキュベートしたのち、各濃度のジフェノキシベンゼン
誘導体を添加し、さらに72時間培養した。細胞浮遊液
を希釈後、細胞数をコールターカウンターで計測した。
【0079】薬剤の細胞増殖抑制効果は細胞毒性はIC
50(コントロール群を対照として、細胞の増殖を50%
阻害する濃度)で示し、数値は各濃度で行ったトリプリ
ケート(triplicate)の値より算出すること
により求めた。
【0080】(試験例2) 接着性細胞であるマウス結
腸癌由来のColon26、ヒト結腸癌由来のDLD−
1またはヒト非小細胞肺癌由来のA549の場合にはM
EM培養液(10%牛胎児血清(FBS)及び60μg
/mlカナマイシンからなる)で5×103細胞数/ml
とし、その2mlを培養皿(Coster No.35
12)に分注した。5%炭酸ガス下37℃で24時間イ
ンキュベートしたのち、各濃度のジフェノキシベンゼン
誘導体を添加し、さらに72時間培養した。細胞をトリ
プシン処理し、希釈後、細胞数をコールターカウンター
で計測した。
【0081】本発明の代表的な化合物についての試験結
果は表1に示す通りであり、本発明の化合物は優れた抗
腫瘍作用を示すことがわかる。
【0082】
【表1】
【0083】急性毒性試験:本発明の化合物(実施例1
1)の急性毒性(LD50)は、マウスに経口投与して調
べた。そのLD50は1000mg/kg以上であった。
【0084】さらに本発明は、化合物(I)の1種また
はそれ以上の化合物を含有する医薬組成物に関するもの
である。本発明の化合物は、種々の通常の投与法によ
り、ヒトに経口または非経口的に投与可能である。本発
明の上記化合物(I)の投与形態としては、例えば、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又はシロップ剤等による
経口投与又は注射剤若しくは坐剤等による非経口投与を
あげることができる。これらの製剤は、賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、きょう味きょう臭剤など
の添加剤を用いて、周知の方法で製造される。その使用
量は、症状、年令などにより異なるが、通常成人に対
し、1日当たり0.5〜1000mgを1日1回又は数
回に分けて投与することができる。
【0085】(製剤例1)次の成分を含む錠剤をそれ自
体公知の方法で製造した。 化合物(実施例11) 100mg ラクトース 25mg コーンスターチ 20mg ハイドロキシプロピルメチルセルロース 4mg ステアリン酸マグネシウム 1mg PEG6000 2mg ──────── 152mg
【0086】
【発明の効果】本発明により、優れた抗腫瘍作用を有す
るジフェノキシベンゼン誘導体、及びその製造に用いる
ことができる新規なアニリン誘導体及び当該化合物を製
造するための新規な簡便かつ収率の良い製造法を提供す
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 217/90 7457−4H 219/34 7457−4H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Xは同一又は異なって水素原子又はハロゲン原
    子を表し、R1、R2は同一又は異なって水素原子、アル
    キル基、アシル基を表し、R3、R4は同一又は異なって
    ニトロ基、アミノ基又はアルキル置換基を有するアミノ
    基を表す。)で表されるジフェノキシベンゼン誘導体。
  2. 【請求項2】 アルキル置換基を有するアミノ基がブチ
    ルアミノ基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 一般式 【化2】 (式中、R1は、水素原子又はアルキル基を表し、R
    2は、水素原子又はアシル基を表し、R5は、水素原子、
    ベンジル基又は置換されていてもよいベンジル基を表
    す。)で表される化合物。
  4. 【請求項4】 一般式 【化3】 (式中、R5は、ベンジル基又は置換されていてもよい
    ベンジル基を表す。)の化合物を、塩基の存在下、選択
    的に脱ベンジル化することを特徴とする一般式 【化4】 (式中、R5は上記に同じ。)で表される化合物の製造
    法。
  5. 【請求項5】 一般式 【化5】 (式中、R1は、水素原子又はアルキル基、R5は水素原
    子、ベンジル基又は置換されていてもよいベンジル基を
    表す。)で表される化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の化合物(一般式(I))
    を有効成分とする抗腫瘍剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001002466A1 (fr) * 1999-06-30 2001-01-11 Nissan Chemical Industries, Ltd. Derive diaminobenzene, polyimide obtenu a partir dudit derive, et film d'orientation pour cristaux liquides

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001002466A1 (fr) * 1999-06-30 2001-01-11 Nissan Chemical Industries, Ltd. Derive diaminobenzene, polyimide obtenu a partir dudit derive, et film d'orientation pour cristaux liquides
US6740371B1 (en) 1999-06-30 2004-05-25 Nissan Chemical Industries, Ltd. Diaminobenzene derivative, polyimide obtained therefrom, and liquid-crystal alignment film

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