JPH0616450A - 燐酸塩光学ガラス - Google Patents

燐酸塩光学ガラス

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JPH0616450A
JPH0616450A JP17087092A JP17087092A JPH0616450A JP H0616450 A JPH0616450 A JP H0616450A JP 17087092 A JP17087092 A JP 17087092A JP 17087092 A JP17087092 A JP 17087092A JP H0616450 A JPH0616450 A JP H0616450A
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JP
Japan
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glass
optical glass
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phosphate
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JP17087092A
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Kazuo Tatewana
一雄 立和名
Koichi Sato
浩一 佐藤
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Hoya Corp
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低屈折率、高分散特性を有するとともに、耐
失透性を有し、安定であり、かつ成形性に優れた光学ガ
ラスを提供する。 【構成】 重量%で、 P2 5 40〜55% TiO2 8〜19% Na2 O 12〜30% K2 O 0.5〜12% SrO 0.5〜10% Al2 3 0.1〜 2%未満 を含むことを特徴とする燐酸塩光学ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燐酸塩光学ガラスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の光学ガラスの中で、低屈折率高分
散領域のガラスとしてはフリント系のSiO2 −R2
−PbO系(R2 Oはアルカリ金属酸化物である)のガ
ラスが用いられてきた。
【0003】しかし近年レンズ設計者より色収差を除去
するために、異常分散性をもったガラス、つまり従来の
屈折率(nd)1.55〜1.65、アッベ数(νd)
35〜50のフリント系ガラスよりも、屈折率は1.5
5〜1.65のままでさらに高分散特性(νd≦35)
を有するガラスの開発が求められている。
【0004】特公昭46−3462号公報に示されてい
るP2 5 −TiO2 −Al2 3−アルカリ金属酸化
物系のガラスや、特公昭62−41186号公報に示さ
れているP2 5 −TiO2 −WO3 −アルカリ金属酸
化物系のガラスは、そのガラス形成酸化物成分であるP
2 5 が、前記のSiO2 −R2 O−PbO系のガラス
におけるガラス形成酸化物であるSiO2 に比べて高分
散側に位置する成分のため、低屈折率で高分散特性を具
備させることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
特許公報に記載のガラスはいくつかの問題点がある。例
えば特公昭46−3462号公報に記載のガラスにおい
ては、ガラス構造を安定にするためにAl2 3 をガラ
ス中に2〜15%の範囲で含まれている。このAl2
3 は低分散性を持った成分のためAl2 3 が多いと十
分に高分散とはなりにくい。また屈折率が1.65以下
でアッベ数が33以下のレンズ設計者が色収差解消のた
めに最も必要としている低屈折率、高分散特性をもった
組成領域に関しては失透性が強いために不安定なガラス
になるという欠点を有している。
【0006】また、特公昭62−41186号公報に記
載のガラスも失透性が強く、かつWO3 を1〜12%含
んでいるためガラスの粘性が低く、液相温度における粘
性は5ポイズ以下となり、ガラスを成形することは困難
であり、製造には適さないという欠点がある。
【0007】本発明の目的は、低屈折率、高分散特性を
有するとともに、耐失透性を有し、安定であり、かつ成
形性に優れた光学ガラスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光学ガラスは、重量%で、 P2 5 40〜55% TiO2 8〜19% Na2 O 12〜30% K2 O 0.5〜12% SrO 0.5〜10% Al2 3 0.1〜 2%未満 を含むことを特徴とする燐酸塩光学ガラスである。
【0009】本発明の一態様によれば、前記燐酸塩光学
ガラスは、更にB2 3 、SiO2、Li2 O、Pb
O、MgO、CaO、BaO、Nb2 5 、Ta
2 5 、La2 3 、Y2 3 、Bi2 3 、As2
3 およびSb2 3 のうちの少なくとも1種を含むこと
ができ、これらの含量は重量%で、B2 3 0〜5
%、SiO2 0〜2%、Li2 O 0〜5%、PbO
0〜15%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、
BaO 0〜5%、Nb2 5 0〜5%、Ta2 5
0〜5%、La2 3 0〜2%、Y2 3 0〜2
%、Bi2 3 0〜5%、As2 3 0〜2%、S
2 3 0〜2%である。
【0010】先ず、本発明の燐酸塩光学ガラスにおける
各成分およびその含量の限定理由を説明する。P2 5
は燐酸塩ガラスにおいてガラス形成成分として欠かせな
い成分であり、燐酸塩ガラスは珪酸塩ガラスと比べて低
い温度でガラスを溶融することができ、可視域の透過率
が高いという特徴をもつ。また珪酸塩ガラスのガラス形
成酸化物であるSiO2 に比べてP2 5 は高分散側に
位置する成分のため屈折率1.65以下、アッベ数35
以下の光学特性を得るにはP2 5 は少なくとも40%
は必要である。逆に55%を超えると失透性が強くな
り、化学的耐久性も悪化するため、P2 5 の含量は4
0〜55%に限定される。好ましいP2 5 の含量は4
4〜52%の範囲である。
【0011】TiO2 は目的とする高分散特性を得るた
めに不可欠な成分であり、また耐久性を上げる効果のあ
る成分である。TiO2 が8%未満であると目的とする
高分散特性が得られなくなり、19%を超えると耐失透
性が悪くなる。このためTiO2 は8〜19%に限定さ
れる。好ましいTiO2 の含量は10〜17%である。
【0012】アルカリ金属酸化物、特にNa2 OとK2
Oは燐酸塩光学ガラスにおいて低屈折率を与え、ガラス
化領域を広げ液相温度を下げることができる。またガラ
スの粘性を下げることができるので低温で溶解が可能と
なり、白金るつぼの侵食による着色をおさえることがで
きる。そのためNa2 O,K2 Oは本発明のガラスにお
いて必須成分である。Na2 Oは12%未満では失透性
が強く上記の効果が得られない。また30%を超える
と、耐失透性、化学的耐久性が悪くなる。従ってNa2
Oの含量は12〜30%に限定され、特に好ましくは1
8〜28%である。K2 Oは0.5%未満では失透性が
強く、12%を超えると耐失透性、化学的耐久性が悪く
なる。従ってK2 Oの含量は0.5〜12%に限定さ
れ、特に好ましくは1〜10%である。また任意成分と
してLi2 Oも0〜5%の範囲で添加可能であるが、5
%以上の添加は耐失透性を悪化させる。好ましいLi2
Oの含量は0〜3%である。
【0013】アルカリ土類金属酸化物であるSrOは液
相温度を下げガラスの安定性を増す効果が非常に大きい
成分であるが、0.5%未満ではこの効果がなく10%
を超えると目的とする高分散特性が得られなくなる。こ
のためSrOの含量は0.5〜10%に限定されるが、
好ましくは1〜7%である。その他のアルカリ土類金属
酸化物のBaO、CaO、MgOも任意成分として添加
可能であるが、それぞれ5%を超えると耐失透性が悪く
なる。このためBaO、CaO、MgOの含量はそれぞ
れ0〜5%に限定され、好ましくは0〜3%である。
【0014】Al2 3 は少量の添加により耐失透性の
良化及び化学的耐久性の良化に効果があるが、0.1%
未満では効果なく、2%以上では高分散特性が得られな
い。このためAl2 3 の含量は0.1〜2%未満に限
定される。
【0015】B2 3 は耐失透性を損わずに少量添加に
より屈折率の調整をすることが可能であるが、5%を超
えると、耐失透性、化学的耐久性が悪化するため0〜5
%に限定され、好ましくは0〜3%である。SiO2
任意成分として少量添加で成形温度域での粘性を高め安
定性を上げる効果があるが、2%を超えると、目標とす
る高分散特性が得られないので0〜2%に限定される。
【0016】任意成分であるNb2 5 、Ta2 5
ガラスの安定性を上げる効果が非常に大きな成分である
が、それぞれを5%を超えて添加すると、目標とする低
屈折率、高分散特性が得られない。このためNb
2 5 、Ta2 5 の含量はそれぞれ0〜5%に限定さ
れ、好ましくは0〜3%である。
【0017】任意成分としてのPbO、Bi2 3 の添
加はガラスに高分散性を持たせることが可能となるが、
PbOの含量が15%を超え、Bi2 3 の含量が5%
を超えると、耐失透性が悪くなりガラスも着色しやすく
なる。このためPbOの含量は0〜15%、Bi2 3
の含量は0〜5%に限定される。PbOは0〜5%、B
2 3 は0〜2%であるのが好ましい。
【0018】任意成分であるLa2 3 、Y2 3 は耐
失透性を損わずに少量添加により、屈折率の調整をする
ことが可能であるが、それぞれが2%を超えると、屈折
率が上昇し、目標とする光学特性からはずれる。このた
めそれぞれの含量は0〜2%に限定される。
【0019】任意成分であるAs2 3 、Sb2 3
消色剤および清澄剤として有効であるが2%を超える量
の添加は耐失透性を悪くするので、As2 3 、Sb2
3の含量はそれぞれ0〜2%に限定される。
【0020】本発明の燐酸塩光学ガラスを製造するため
の原料としてはP2 5 は正燐酸(H3 PO4 )、メタ
リン酸塩、五酸化燐等、他の成分については炭酸塩、硝
酸塩、酸化物等を適宜用いることが可能である。これら
の原料を所望の割合に秤取し、混合して調合原料とな
し、これを1000〜1200℃に加熱した溶解炉に投
入し、溶融、清澄後、撹拌し、均一化してから鋳型に鋳
込み、徐冷することにより、本発明の燐酸塩光学ガラス
を得ることができる。
【0021】本発明の燐酸塩光学ガラスは、後記の実施
例からも明らかなように、低屈折率で高分散特性を有
し、例えば屈折率は1.55〜1.65の範囲であり、
アッベ数は35〜27の範囲である。また液相温度(L
T)を下げることができ、従来品よりも安定性に優れて
おり、成形性にも優れている。
【0022】
【実施例】本発明の燐酸塩光学ガラスの調合組成(重量
%)及び光学的性能を表1および表2に示す。実施例N
o.1〜No.13に使用した原料は、P2 5 の場
合、H3 PO4 、Al2 3 の場合Al(OH)3 、N
2 Oの場合Na2 CO3 、K2 Oの場合KNO3 、S
rOの場合Sr(NO3 2 であり、その他の成分の場
合、表1および表2に示した酸化物をそのまま使用し
た。表1および表2の実施例No.1〜13に示したガ
ラスは、定められた組成によって調合した後白金坩堝を
用いて1000℃〜1200℃で溶解し、30〜40分
保持した後金型に鋳込み徐冷することにより得ることが
できた。
【0023】表中の屈折率nd、アッベ数νdは徐冷降
温速度−30℃/hrにした場合の結果である。又液相
温度は600℃〜1100℃の温度勾配のついた失透試
験炉に30分保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の
有無を観察した結果である。実施例No.1〜13の低
屈折率、高分散燐酸塩ガラスの液相温度はすべて900
℃以下であり、いづれも大量生産可能な安定性を有する
ことが明らかである。
【0024】
【表1】
【表2】 特公昭46−3462号公報に記載の比較ガラス(a)
〜(e)の屈折率、アッベ数、液相温度を測定した結果
を表3に示す。表3より、最も液相温度が低いガラス
(d)およびガラス(e)でも液相温度が968℃とか
なり高く実用的でないことがわかる。
【0025】
【表3】 また特公昭62−41186号公報に記載の比較ガラス
(f)〜(t)の屈折率、アッベ数、液相温度を測定し
た結果を表4および表5に示すが、これらも全般的に液
相温度は高く、一番低いガラス(i)でも886℃であ
った。しかも特公昭62−41186号公報記載の比較
ガラスはWO3 を多く含んでいるため、ガラスの粘性も
かなり下がることになり、液相温度以上でのガラスの成
型は困難でいづれも実用的でないことが明らかである。
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低屈折
率、高分散特性を有するとともに、耐失透性を有し、安
定であり、かつ成形性にすぐれた燐酸塩光学ガラスが得
られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 P2 5 40〜55% TiO2 8〜19% Na2 O 12〜30% K2 O 0.5〜12% SrO 0.5〜10% Al2 3 0.1〜 2%未満 を含むことを特徴とする燐酸塩光学ガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燐酸塩光学ガラスにおい
    て、更にB2 3 、SiO2 、Li2 O、PbO、Mg
    O、CaO、BaO、Nb2 5 、Ta2 5 、La2
    3 、Y2 3 、Bi2 3 、As2 3 およびSb2
    3 のうちの少くとも1種を含み、これらの含量が重量
    %で、B2 3 0〜5%、SiO20〜2%、Li2
    O 0〜5%、PbO 0〜15%、MgO 0〜5
    %、CaO 0〜5%、BaO 0〜5%、Nb2 5
    0〜5%、Ta2 5 0〜5%、La2 3 0〜
    2%、Y2 3 0〜2%、Bi2 3 0〜5%、A
    2 3 0〜2%、Sb2 3 0〜2%であること
    を特徴とする燐酸塩系光学ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の燐酸塩光学ガラス
    において、屈折率(nd)1.58〜1.65、アッベ
    数(νd)35〜27の光学的特性を有することを特徴
    とする燐酸塩系光学ガラス。
JP17087092A 1992-06-29 1992-06-29 燐酸塩光学ガラス Withdrawn JPH0616450A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6759471B1 (en) 1999-07-01 2004-07-06 Canon Kabushiki Kaisha Optical material and optical system using it
US8120851B2 (en) 2007-01-11 2012-02-21 Canon Kabushiki Kaisha Optical material and optical element, diffraction optical element, and stacked type diffraction optical element molded thereof
JP2021050125A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 Hoya株式会社 光学ガラスおよび光学素子

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Effective date: 19990831