JPH06162612A - カセットプレーヤー - Google Patents

カセットプレーヤー

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JPH06162612A
JPH06162612A JP4333640A JP33364092A JPH06162612A JP H06162612 A JPH06162612 A JP H06162612A JP 4333640 A JP4333640 A JP 4333640A JP 33364092 A JP33364092 A JP 33364092A JP H06162612 A JPH06162612 A JP H06162612A
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cam
hub shaft
moving
cam gear
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Kazuhito Kurita
和仁 栗田
Koji Doi
弘二 土井
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 モーター30によるメインギヤ33の回転を
巻取側ハブ軸ギヤ34及び供給側ハブ軸ギヤ35に伝え
る第1の移動ギヤ38と第2の移動ギヤ64を有し、F
WD及びREV時にはカムギヤ45の動作によって第1
の移動ギヤ38が巻取側ハブ軸ギヤ34と供給側ハブ軸
ギヤ35とに選択的に噛合して巻取側ハブ軸ギヤ34ま
たは供給側ハブ軸ギヤ35を回転させ、FF及びREW
時にはメインギヤの回転方向に従って第2の移動ギヤ6
4が巻取側ハブ軸ギヤ34と供給側ハブ軸ギヤ35とに
選択的に噛合して巻取側ハブ軸ギヤ34または供給側ハ
ブ軸ギヤ35を回転させるようにしたカセットプレーヤ
ーにおいて、FWD及びREV時に第2の移動ギヤ64
をメインギヤ33から外した状態で保持するための機構
を簡単な構成で実現する。 【構成】 第1の移動ギヤ38を移動させるためのカム
ギヤ45を利用して第2の移動ギヤ64をメインギヤ3
3から外れた状態で保持させる機構とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカセットプレーヤー、特
にいわゆるオートリバース機能を備えたカセットプレー
ヤーに関し、その駆動機構部におけるギヤ機構に係るも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にオートリバース機能を備えたカセ
ットプレーヤーは、テープの通常走行(フォワードプレ
イ、以下FWDと記す)、反転走行(リバースプレイ、
以下REVと記す)、早送り(ファストフォワード、以
下FFと記す)、巻戻し(リワインド、以下REWと記
す)の各動作が行われ、プレーヤー内部に構成されるギ
ヤ機構によって、テープカセットの巻取側ハブと供給側
ハブに係合される一対のハブ軸即ち巻取側ハブ軸と供給
側ハブ軸の回転が切換えられるようになっている。
【0003】従来のこのオートリバース機におけるハブ
軸の回転切換機構の構成の一例を簡単に説明する。先ず
巻取側ハブ軸と供給側ハブ軸との間には、FWD/RE
V切換用の第1の移動ギヤが配されており、この第1の
移動ギヤはモーターによって回転されるメインギヤに常
時噛合されていると共に、FWDモードでは巻取側ハブ
軸側に移動してメインギヤの回転を巻取側ハブ軸に伝
え、REVモードでは供給側ハブ軸側に移動してメイン
ギヤの回転を供給側ハブ軸側に伝え、夫々巻取側ハブ
軸、供給側ハブ軸を回転させる。この第1の移動ギヤ
は、モーターによって回転されるカムギヤによって移動
動作される。
【0004】さらに巻取側ハブ軸と供給側ハブ軸との間
にはFF/REW切換用の第2の移動ギヤが配されてお
り、この第2の移動ギヤは通常時メインギヤに噛合され
ていると共に、FFモードでは巻取側ハブ軸側に移動し
てメインギヤの回転を巻取側ハブ軸に伝え、REWモー
ドでは供給側ハブ軸側に移動してメインギヤの回転を供
給側ハブ軸に伝え、夫々巻取側ハブ軸、供給側ハブ軸を
回転させる。
【0005】この第2の移動ギヤは、メインギヤの回転
力を利用して移動される構造となっており、即ちFF時
にはメインギヤの正方向回転によって巻取側ハブ軸側に
振られ、REW時にはメインギヤの逆方向回転によって
供給側ハブ軸側に振られ、夫々巻取側ハブ軸、供給側ハ
ブ軸にメインギヤの回転を伝える。
【0006】このようなFWD/REV切換用の第1の
移動ギヤとFF/REW切換用の第2の移動ギヤとを有
する機構においては、FWD及びREV時には第2の移
動ギヤをメインギヤから外し、その状態で保持させてお
く必要があるが、従来のこの種の機構においては、上記
第2の移動ギヤをメインギヤから外した状態で保持する
ための専用の機構を特別に設けていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このため従来は構成が
複雑であり、部品点数が多くコスト高となると共に、特
に携帯用のカセットプレーヤーにおいては機構配置スペ
ースの点で問題があり小型薄型化の妨げとなっていた。
【0008】本発明は上記の問題点を解消することを目
的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のカセットプレーヤーは、テープカセットの
巻取側ハブ及び供給側ハブに夫々係合される巻取側ハブ
軸及び供給側ハブ軸と、モーターによって正逆方向に回
転されるメインギヤと、FWDモードとREVモードと
で巻取側ハブ軸側と供給側ハブ軸側とに選択的に移動
し、メインギヤの回転を巻取側ハブ軸または供給側ハブ
軸に伝達する第1の移動ギヤと、モーターによって回転
され、第1の移動ギヤを移動させるカムギヤと、FFモ
ードとREWモードとでメインギヤの回転によって巻取
側ハブ軸側と供給側ハブ軸側とに選択的に移動し、メイ
ンギヤの回転を巻取側ハブ軸または供給側ハブ軸に伝達
する第2の移動ギヤと、FWDモード及びREVモード
において第2の移動ギヤをメインギヤから外すギヤ外し
機構とを備え、上記カムギヤに第2の移動ギヤをメイン
ギヤから外れた状態で保持させるためのカム部が設けら
れてなるものである。
【0010】
【作用】上記の如く構成される本発明のカセットプレー
ヤーは、メインギヤから外された第2の移動ギヤの保持
を第1の移動ギヤを移動させるためのカムギヤによって
行なうようにした構成であるため、従来に比して構成が
簡素化し、その結果部品点数が少なく抑えられコストダ
ウンに繋がると共に小型薄型化に有利となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。
【0012】ここに例示するカセットプレーヤーは、い
わゆるオートリバース機で、図には表われていない操作
ボタンの操作によってFWD,REV,FF,REWの
各動作が行われる。
【0013】図1はカセットプレーヤーの全体を示して
おり、図において1はプレーヤー本体、2はこのプレー
ヤー本体1のカセット装着部3を開閉するカセット蓋で
ある。このカセット蓋2は、プレーヤー本体1のメカシ
ャーシ4に枢軸5を介して起状回動可能に枢着されてい
るカセットホルダー6に一体的に取り付けてあり、テー
プカセットをプレーヤー本体1のカセット装着部3に装
着するときにはカセット蓋2の内面側に沿わせるように
してテープカセットをカセットホルダー6の左右両側の
保持部6aと6bの間に挿入し、この状態でカセット蓋
2を閉じることによりテープカセットがカセット装着部
3に装着されるようになっている。尚、テープカセット
はその前面開口部(テープ露出部)を前方にした状態で
カセットホルダー6に挿入される。またカセットホルダ
ー6の左右に設けられている7a,7bはテープカセッ
トのガタ防止用の押えばねである。
【0014】またカセット蓋2が完全に閉じられた状態
では、プレーヤー本体1側に設けられた係止爪8がカセ
ット蓋2の係着部9に係着されることによってカセット
蓋2は開かないようにロックされる。10はこのカセッ
ト蓋2のロックを解除するための解除ボタンである。
【0015】カセット装着部3はメカシャーシ4の表面
側に構成され、このメカシャーシ4の表面側には図2か
らも明らかなようにテープカセットの巻取側ハブと供給
側ハブに夫々係合される一対のハブ軸、即ち巻取側ハブ
軸11と供給側ハブ軸12が突出され、さらにテープを
定速走行させるためのキャプスタン13が突出されてい
る。尚、本例のカセットプレーヤーは、いわゆるシング
ルキャプスタン方式のオートリバース機で、即ち1本の
キャプスタン13を正逆両方向に回転駆動させることに
よってFWDとREV動作が行なわれる機構となってい
る。14はテープカセットの位置決め用の基準ピンであ
る。
【0016】また15はキャプスタン13に圧着される
ピンチローラー、16及び17は磁気ヘッド(本例では
再生専用)で、このうちの一方の磁気ヘッド16はFW
D用、他方の磁気ヘッド17はREV用である。これら
ピンチローラー13と磁気ヘッド16,17は何れもカ
セット蓋2と一体のカセットホルダー6に取り付けられ
ており、即ちカセットホルダー6にテープカセットが挿
入されると同時にこれらピンチローラー13と磁気ヘッ
ド16,17がテープカセットの前面開口部に挿入さ
れ、テープと対応される如くなされている。尚、このと
きREV用の磁気ヘッド17はテープカセット内に配さ
れる圧着パッドと対向されるが、FWD用の磁気ヘッド
16に対してはテープカセット内にはこれに相当するも
のがないので、本例のカセットプレーヤーにおいてはメ
カシャーシ4の表面側のカセット装着部3に、FWD用
の磁気ヘッド16と対向して先端部に圧着パッド18a
を取り付けてなる圧着パッド取付柱18が突出されてい
る。
【0017】カセットホルダーにおけるピンチローラー
と磁気ヘッドの取付部の構造を図10〜図12において
更に詳しく説明すると、先ずカセットホルダー6の中央
板部6cに支軸19が立設され、この支軸にレバー20
が、カセットホルダーに挿入保持されるテープカセット
に対し進退する方向に回動可能に軸支されており、この
レバー20の遊端部にピンチローラー15が回転自在に
枢支されている。さらに、このレバー20(以下ピンチ
ローラーレバーという)におけるピンチローラー枢支部
の下方には突起20aが突出され、この突起20aが後
述する押圧レバーで押圧されることによってピンチロー
ラー15の移動動作が行なわれる。
【0018】さらにカセットホルダー6の中央板部6c
には支軸21が立設され、この支軸21に一対のレバー
22及び23がテープカセットに対し進退する方向に回
動可能に軸支されており、このレバー22,23に夫々
磁気ヘッド16,17が支持されている。またこの磁気
ヘッド16,17の両側には夫々テープガイド24,2
5を有し、その上下の突起24aと24b,25aと2
5bの間に磁気テープを通してこれを磁気ヘッドに正確
にガイドする。
【0019】上記レバー(以下磁気ヘッド支持レバーと
いう)22,23の軸支部にはばね部材26が嵌合装着
され、このばね部材26の一端末部を一方の磁気ヘッド
支持レバー22に突設された係止片27に係着し、他端
末部を他方の磁気ヘッド支持レバー23に突設された係
着片28に係着してあり、これによって両側の磁気ヘッ
ド支持レバー22,23に対し常に戻し方向即ちテープ
カセットから離れる方向の回動力を付与している。
【0020】また磁気ヘッド支持レバー22,23は夫
々その後側縁が傾斜カム縁22a,23aとなされてお
り、この傾斜カム縁が後述する押圧ピンで押圧されるこ
とによって磁気ヘッド支持レバー22,23はばね部材
26の力に抗して前方へ回動され、即ち磁気ヘッド1
6,17がテープカセットの磁気テープに接する方向に
突出されるようになっている。
【0021】一方、メカシャーシ4の裏面側には、FW
D,REV,FF,REWの各モードに応じてハブ軸1
1,12とキャプスタン13の回転駆動、ピンチローラ
ー15及び磁気ヘッド16,17の移動動作を行なうた
めの駆動機構が構成されている(図3参照)。
【0022】30は駆動源としてのモーターで、このモ
ーター30は正逆両方向の回転が可能であり、このモー
ター30の回転駆動軸に取り付けられたプーリー30a
とフライホイール31との間にはベルト32が張架され
ている。フライホイール31はメカシャーシ4の表面側
に突出されるキャプスタン13と一体に回転されるもの
で、即ちモーター30の回転がベルト32を介してフラ
イホイール31に伝達され、キャプスタン13が回転駆
動される如くなされている。またフライホイール31に
はその下面側にギヤ31aが一体に形成されており、こ
のギヤ31aにはメカシャーシ4の中央部に枢支された
メインギヤ33が噛合されている。
【0023】34及び35は夫々メカシャーシ4の表面
側に突出される巻取側ハブ軸11及び供給側ハブ軸12
と一体に回転されるハブ軸駆動ギヤで、このハブ軸駆動
ギヤ34,35は夫々伝達ギヤ36,37の下面側に一
体に形成された小径ギヤ36a,37aと噛合してい
る。
【0024】そしてこの伝達ギヤ36,37とメインギ
ヤ33との間には第1の移動ギヤ38及び第2の移動ギ
ヤ64が配されており、FWDまたはREV時には第1
の移動ギヤ38が伝達ギヤ36または37に噛合してメ
インギヤ33の回転を巻取側ハブ軸駆動ギヤ34または
供給側ハブ軸駆動ギヤ35に伝え、FFまたはREW時
には第2の移動ギヤ64が伝達ギヤ36または37に噛
合してメインギヤ33の回転を巻取側ハブ軸駆動ギヤ3
4または供給側ハブ軸駆動ギヤ35に伝えるようになっ
ている。
【0025】先ず、第1の移動ギヤ38を伝達ギヤ36
または37に選択的に噛合させるための移動機構につい
て説明する。メインギヤ33の下にはメインギヤ33と
同軸に揺動板39が回動自在に枢支されており、この揺
動板39上に第1の移動ギヤ38が回転自在に枢支され
ている。メインギヤ33にはその下面側に小径ギヤ33
aが設けられ、この小径ギヤ33aに第1の移動ギヤ3
8が常時噛合している。尚、メインギヤ33においては
図には表われていないが小径ギヤ部33aとの間にトル
クリミッター機構(スリップ機構)が内蔵されている。
【0026】第1の移動ギヤ38が枢支される揺動板3
9に対応してメカシャーシ4の中央部には第1のスライ
ド板40が横方向にスライド可能に配されており、この
第1のスライド板40の一部には凹部41が形成され、
この凹部41の左右両側の傾斜縁41a,41bに上記
揺動板39の左右に突出形成された接片部39a,39
bが対接している。
【0027】そしてこの第1のスライド板40が図にお
いて左方にスライドされると右側の傾斜縁41bが揺動
板39の右側の接片部39bを押し上げ、これによって
揺動板39は左方へ傾倒回動されて第1の移動ギヤ38
が巻取側ハブ軸側の伝達ギヤ36に噛合し、またこれと
は反対に第1のスライド板40が右方にスライドされた
場合には左側の傾斜縁41aが揺動板39の左側の接片
部39aを押し上げ、これによって揺動板39は右方へ
傾倒回動されて第1の移動ギヤ38が供給側ハブ軸側の
伝達ギヤ37に噛合する如く動作される。
【0028】またこの第1のスライド板40は、メカシ
ャーシ4に立設された固定柱42に取り付けられるばね
部材43によって常に中立位置、即ち第1の移動ギヤ3
8が伝達ギヤ36と37の何れも噛合されないスライド
位置に復帰されるように偏倚されている。即ちこのばね
部材43はねじりコイルばねによりなり、そのコイル部
において固定柱42に嵌合して取り付けられ、左右の両
腕部がメカシャーシ4に立設されたストッパー突起44
を両側から挟んでいる。そしてこのばね部材43の両腕
部の先端部間に第1のスライド板40の端部に起立形成
された突片40aが挟まれており、第1のスライド板4
0が図において左方にスライドされたときにはばね部材
43の左側の腕部が傾斜変形し、その弾性復元力によっ
て第1のスライド板40は中立位置に復帰され、またこ
れとは逆に第1のスライド板40が右方にスライドされ
た場合にはばね部材43の右側の腕部が傾斜変形し、そ
の弾性復元力によって第1のスライド板40が中立位置
に復帰されるようになっている。
【0029】45はこの第1のスライド板40を左右に
スライドさせて第1の移動ギヤ38を選択的に移動させ
るカムギヤである。このカムギヤ45は、その下面側に
図7に示すようなカム部46が形成されており、即ちこ
のカム部46は、内側カム面47と外側カム面48とを
有し、カムギヤ45が時計方向に回転されたときには第
1のスライド板40の端部に立設されたピン40bが上
記外側カム面48で連続的に押圧されることによって第
1のスライド板40は右方にスライドし、カムギヤ45
が反時計方向に回転されたときにはピン40bが内側カ
ム面47で連続的に押圧されることによって第1のスラ
イド板40は左方にスライドされる。
【0030】また内側カム面47と外側カム面48には
夫々中途部に傾斜段差部47aと48aが形成されてお
り、後述するようにカムギヤ45が初期状態から180
°回転されてロックされた状態ではこの傾斜段差部47
aまたは48aに第1のスライド板40のピン40bが
対応されるようになっている。
【0031】続いてこのカムギヤ45を回転駆動させる
ための機構を説明する。カムギヤ45とメインギヤ33
の間にはカムギヤ駆動用ギヤ50が配されており、この
カムギヤ駆動用ギヤ50はメインギヤ33の上面側に一
体に形成されたギヤ33bと噛合している。また、この
カムギヤ駆動用ギヤ50の下面側にはカムギヤと噛合さ
れる小径ギヤ50aが一体に形成され、さらにこの小径
ギヤ50aの下方には図14に示すようにこの小径ギヤ
50aと同径のサブギヤ51を有している。このサブギ
ヤ51はカムギヤ駆動用ギヤ50とは独立して回転可能
であるも、サブギヤ51とカムギヤ駆動用ギヤ50との
間には図には表われていないがフリクション部材が介在
されており、このためサブギヤ51はカムギヤ駆動用ギ
ヤ50の回転の影響を大きく受ける構造となっている。
【0032】一方カムギヤ45は図13に示すようにそ
の周面の歯の一部に欠歯部52を有し、さらにこの欠歯
部52と180°対向する位置には段違い歯部53が形
成されている。即ちこの段違い歯部53は、歯の一部を
下方にずらせて形成したもので、この段違い歯部53に
上記カムギヤ駆動用ギヤ50のサブギヤ51が噛合され
ている。
【0033】またカムギヤ45はロック機構によって所
定の回転位置でロックされる構造となされている。この
カムギヤのロック機構について説明すると、先ずカムギ
ヤ45の上面側には楕円状のガイド溝54が形成されて
おり、このガイド溝54には互いに180°対向して内
側に第1及び第2の凹部55a及び55bが設けられて
いる。またこれに対応してカムギヤ45の近傍部に立設
された支軸56にはロックレバー57が回動自在に軸支
されており、このロックレバー57の先端部にはカムギ
ヤ45のガイド溝54に係合される係合ピン57aが設
けられている。またこのロックレバー57は、ばね部材
58によって常に係合ピン57aがガイド溝54の凹部
55aまたは55bに係合される方向に回動偏倚されて
いる。
【0034】さらに支軸56にはロック解除レバー59
が軸支されており、このロック解除レバー59がソレノ
イド60によって回動されることにより、これと連動し
てロックレバー57が回動し、カムギヤ45のロックが
解除されるようになっている。即ちロック解除レバー5
9は、メカシャーシに固定されたソレノイド60に嵌挿
されるプランジャ61に連結されており、ソレノイド6
0に通電されるとプランジャ61がソレノイド60から
抜け出る方向に動き、これに伴ってロック解除レバー5
9がばね部材62の力を補助としてソレノイド60から
離れる方向に回動され、このときロック解除レバー59
がロックレバー57の一部縁面57bに当接係合される
ことによってロックレバー57はロック解除レバー59
と一体に回動し、係合ピン57aがカムギヤ45のガイ
ド溝54の第1の凹部55aから外れてカムギヤ45の
ロックが解除される如く動作する。
【0035】次に第2の移動ギヤ64の支持構造につい
て説明する。第2の移動ギヤ64は図15により明らか
な如く支持板65の一端部に枢軸66によって枢支され
ているもので、この支持板65の他端部及び中央部には
凹部67及び穴部68を有し、夫々がメカシャーシ4に
設けられた突起69,70と係合している。穴部68は
支持板65が自由に動くに充分な大きさを有し、即ち第
2の移動ギヤ64は穴部68の大きさの範囲内で突起6
9を支点として伝達ギ36,37とメインギヤ33の間
を自由に動くことができるようになっている。
【0036】そしてこの第2の移動ギヤ64はアーム板
71によってメインギヤ33に対し接離する方向に移動
される如くなされており、即ちこのアーム板71はメカ
シャーシ4に枢軸72を支点として回動可能に枢着さ
れ、その一端部には横方向に長い長穴73を有し、この
長穴73に第2の移動ギヤ64の枢軸66が挿通係合さ
れており、これによってアーム板71の回動に伴って第
2の移動ギヤ64が移動される構造となされている。ま
たアーム板71はばね部材74の力によって常に第2の
移動ギヤ64がメインギヤ33に噛合する方向に偏倚さ
れている。
【0037】またアーム板71の一部には被押圧片部7
1aが形成されており、前述したようにカムギヤ45の
ロックが解除されたときにはこの被押圧片部71aがロ
ックレバー57の一部に設けられた押圧ピン57cによ
って押圧されることによりアーム板71はばね部材74
の力に抗して回動され、第2の移動ギヤ64がメインギ
ヤ33から外れる如く動作する。
【0038】そしてこの第2の移動ギヤ64がメインギ
ヤ33から外れた状態では、この状態がカムギヤ45に
よって保持されるように構成されている。即ち、カムギ
ヤ45の下面側には図7に示すようにカムギヤ45の回
転中心部を中心とする内周カム面49が略全周にわたっ
て形成されており、その一部には抜き凹部49aが設け
られている。そして初期状態ではこの抜き凹部49aに
アーム板71の端部に立設されたピン71bが位置し、
カムギヤ45が回転された状態では上記内周カム面49
にピン71bが当接係止されることによってアーム板7
1は第2の移動ギヤ64がメインギヤ33から外れた状
態で保持される如くなされている。
【0039】またメカシャーシ4の中央部には左右の伝
達ギヤ36と37の中間に位置して山形の穴部75が形
成され、この穴部75にも第2の移動ギヤ64の枢軸6
6が挿通されており、上記のように第2の移動ギヤ64
がメインギヤ33から外れた状態ではこの山形の穴部7
5の頂部に枢軸66が位置される状態となり、これによ
って第2の移動ギヤ64は左右の伝達ギヤ36と37の
何れにも噛合されないようにその移動範囲が規制される
構造となっている。
【0040】次にピンチローラー15及び磁気ヘッド1
6,17の移動動作を行なう機構について説明する。メ
カシャーシ4には表側のピンチローラー15及び磁気ヘ
ッド16,17の取付部と対応する位置に第2のスライ
ド板77が上記第1のスライド板40と平行に横方向に
スライド可能に配されている。この第2のスライド板7
7と第1のスライド板40との間に位置してメカシャー
シ4には連動板78が枢軸86を支点として回動可能に
枢着されており、この連動板78を介して第2のスライ
ド板77は第1のスライド板40と連動してスライド動
作される如くなされている。
【0041】即ち、連動板78はその両端部に係合凹部
78a,78bを有し、一方の係合凹部78aが第1の
スライド板40に突設された突片79と係合され、他方
の係合凹部78bが第2のスライド板77に突設された
ピン80と係合されており、前述したようにカムギヤ4
5の回転によって第1のスライド板40がスライドされ
ると、これと同時に連動板78が回動されて第2のスラ
イド板77に駆動力を伝え、第2のスライド板77が第
1のスライド板40と逆方向にスライドされる。
【0042】この第2のスライド板77にはピンチロー
ラーレバー20を押圧する押圧レバー81が取り付けら
れていると共に、磁気ヘッド支持レバー22,23を押
圧する押圧ピン82,83が植設されており、これら押
圧レバー81と押圧ピン82,83とは穴部84を介し
てメカシャーシ4の表面側に表出されている。
【0043】押圧レバー81はその前側縁部に両側を傾
斜面とした凹部81aを有し、カセット蓋2を閉じた状
態ではこの凹部81aにピンチローラーレバー20の突
起20aが対応されるようになっている。また押圧レバ
ー81はピンチローラーレバー20の突起20aから逃
げる方向に後退移動可能に第2のスライド板77に取り
付けられているも、ばね部材85によって常に復帰方向
の力を付与されている。また押圧ピン82,83はカセ
ット蓋2を閉じた状態で夫々磁気ヘッド支持レバー2
2,23の後方に対応されるようになっている。
【0044】続いて以上の如く構成される本例のカセッ
トプレーヤーの動作について説明する。
【0045】a.ストップ(停止)時の状態 はじめに、本例のカセットプレーヤーのストップ時の状
態を説明すると、先ずカムギヤ45はロックレバー57
の係合ピン57aがガイド溝54の第1の凹部55aに
係合されてロックされており、この状態ではカムギヤ4
5の段違い歯部53がカムギヤ駆動用ギヤ50のサブギ
ヤ51と噛合されている。
【0046】この状態では第1のスライド板40はばね
部材43によって中立位置に保持されており、従って第
1の移動ギヤ38は巻取側ハブ軸側の伝達ギヤ36と供
給側ハブ軸側の伝達ギヤ37の何れにも噛合しない状態
に位置している。
【0047】またこの状態では第2の移動ギヤ64はば
ね部材74の力によってメインギヤ33に押し付けられ
るように噛合されている。尚、このときアーム板71の
端部のピン71bはカムギヤ45の内周カム面49の抜
き凹部49aに位置している。
【0048】さらにこの状態では第2のスライド板77
も中立位置にあり、このためピンチローラー15及び磁
気ヘッド16,17は何れもテープカセットのテープに
対し引込んだ状態にある。
【0049】b.FF(早送り)動作 上記のストップ状態から図示しない操作部のFFボタン
を操作すると、モーター30が時計方向に回転駆動し、
これに伴ってメインギヤ33が反時計方向に回転され
る。するとこのメインギヤ33の回転力によってその回
転方向に従って第2の移動ギヤ64が左方に移動し、そ
の下面側に一体に形成された小径ギヤ64aが巻取側ハ
ブ軸側の伝達ギヤ36に噛合される。従ってモーター3
0の駆動によるメインギヤ33の回転力がメインギヤ3
3→第2の移動ギヤ64→伝達ギヤ36→巻取側ハブ軸
駆動ギヤ34と伝達され、これによって巻取側ハブ軸1
1がテープ巻取り方向に高速回転されてテープの早送り
動作が行なわれる(図3の状態)。
【0050】尚、このFF動作時には、メインギヤ33
の回転に伴ってカムギヤ駆動用ギヤ50は回転される
が、カムギヤ45はロックレバー57によってロックさ
れているため、回転されることがない。即ちこの状態で
はカムギヤ45は段違い歯部53においてカムギヤ駆動
用ギヤ50のサブギヤ51と噛合され、前述したように
このサブギヤ51とカムギヤ駆動用ギヤ50とは別個に
回転可能であるため、ロック状態にあるカムギヤ45の
段違い歯部53と噛合しているサブギヤ51は回転せ
ず、カムギヤ駆動用ギヤ50だけが空回り状に回転され
る状態となる。
【0051】従って、第1の移動ギヤ38は伝達ギヤ3
6と37の何れにも噛合しない中立位置に保持され、ま
たピンチローラー15及び磁気ヘッド16,17は引込
状態に保持されている。
【0052】c.REW(巻戻し)動作 また操作部のREWボタンを操作すると、以上とは逆に
モーター30が反時計方向に回転駆動し、これに伴って
メインギヤ33が時計方向に回転される。するとこのメ
インギヤ33の回転力によってその回転方向に従って第
2の移動ギヤ64が右方に移動し、その小径ギヤ64a
が供給側ハブ軸側の伝達ギヤ37に噛合される。従って
モーター30の駆動によるメインギヤ33の回転力がメ
インギヤ33→第2の移動ギヤ64→伝達ギヤ37→供
給側ハブ軸駆動ギヤ35と伝達され、これによって供給
側ハブ軸12がテープ巻取り方向に高速回転されてテー
プの巻取り動作が行われる。
【0053】またこのREW動作時においても上記FF
動作時と同様にカムギヤ45は回転されることがなく、
従って第1の移動ギヤ38は伝達ギヤ36と37の何れ
にも噛合しない中立位置に保持され、またピンチローラ
ー15及び磁気ヘッド16,17は引込状態に保持され
ている。
【0054】尚、以上のFF動作及びREW動作から操
作部のストップボタンを操作すると、モーター30が直
ちに止まり、その状態で動作が停止される。
【0055】d.FWD(通常走行)動作 操作部のFWDボタンを操作すると、モーター30が時
計方向に回転駆動されると共に、ソレノイド60に通電
され、これによって図4に示す如くプランジャ61がソ
レノイド60から抜け出る方向に動き、これに伴ってロ
ック解除レバー59がばね部材62の力を補助としてソ
レノイド60から離れる方向に回動され、このときロッ
ク解除レバー59がロックレバー57の一部縁面57b
に当接係合されることによってロックレバー57はばね
部材58の力に抗してロック解除レバー59と一体に回
動し、係合ピン57aがカムギヤ45の第1の凹部55
aから外れてカムギヤ45のロックが解除される。
【0056】またこれと同時にロックレバー57の押圧
ピン57aがアーム板71の被押圧片部71aに当たっ
てこれを押圧し、これによってアーム板71はばね部材
74の力に抗して回動されて第2の移動ギヤ64がメイ
ンギヤ33から外れた状態となる。
【0057】そして上記のようにしてカムギヤ45のロ
ックが解除されると、カムギヤ45はカムギヤ駆動用ギ
ヤ50から伝わる回動力によって回転される。即ち、カ
ムギヤ45のロックが解除されると、カムギヤ駆動用ギ
ヤ50からサブギヤ51にその間に配されるフリクショ
ン部材を介して伝わる回動力によってカムギヤ45が送
り出されるように回転し、こうしてカムギヤ45が少し
送り出されるとカムギヤ駆動用ギヤの小径ギヤ50aに
カムギヤ45の通常の歯部(段違い歯部53以外の歯
部)が噛合し、これによってカムギヤ45が回転され
る。
【0058】このFWDモードでは前述の如くモーター
30が時計方向に回転されることにより、カムギヤ45
は反時計方向に回転し、これによって第1のスライド板
40のピン40bがカムギヤ45の内側カム面47で連
続的に押圧されることにより、第1のスライド板40は
ばね部材43の力に抗して左方にスライドされる。
【0059】このようにして第1のスライド板40が左
方にスライドされると揺動板39が左方に傾倒して第1
の移動ギヤ38が巻取側ハブ軸側の伝達ギヤ36に噛合
される。
【0060】そして以上の如くカムギヤ45の回転によ
って第1の移動ギヤ38が巻取側ハブ軸側の伝達ギヤ3
6に噛合されると、ロックレバー57の係合ピン57a
がカムギヤ45のガイド溝54の第2の凹部55bに係
合し、これによってカムギヤ45は再びロックされる
(図5の状態)。このロック状態ではカムギヤ45の欠
歯部52がカムギヤ駆動用ギヤ50の小径ギヤ50aと
対応し、このためカムギヤ駆動用ギヤ50は空回り状に
回転される状態となる。またこの状態においては、図8
により明らかなようにカムギヤ45は内側カム面47の
傾斜段差部47aに第1のスライド板40のピン40b
が当たっている状態でロックされている。
【0061】さらにこの状態においては、第2の移動ギ
ヤ64はカムギヤ45によってメインギヤ33から外れ
た状態を保持されている。即ち、前述したカムギヤ45
のロック解除時にロックレバー57の押圧ピン57cで
押圧され、ばね部材74の力に抗して第2の移動ギヤ6
4がメインギヤ33から外れる方向に回動されたアーム
板71は、カムギヤ45が回転された状態ではピン71
bがカムギヤ45の内周カム面49に当接されることに
よってロックレバー57の押圧ピン57cによる押圧解
除後もその状態を保持され、従って第2の移動ギヤ64
はメインギヤ33から外れた状態に保持されることにな
る。
【0062】そして以上のようにして第1の移動ギヤ3
8が巻取側ハブ軸側の伝達ギヤ36に噛合すると共に第
2の移動ギヤ64がメインギヤ33から外された状態で
は、モーター30の駆動によるメインギヤ33の回転力
がメインギヤ33→第1の移動ギヤ38→伝達ギヤ36
→巻取側ハブ軸駆動ギヤ34と伝達され、これによって
巻取側ハブ軸11がテープ巻取り方向に回転されてテー
プの正方向の走行動作が行なわれる。
【0063】また、上記の如くカムギヤ45の反時計方
向の回転によって第1のスライド板40が左方へスライ
ドされると、これと連動して第2のスライド板77が第
1のスライド板40と逆方向の右方にスライドされ、こ
れによってピンチローラー15及び磁気ヘッド16,1
7の移動動作が行なわれる。
【0064】即ち、第2のスライド板77右方にスライ
ドされると、押圧レバー81の凹部81aの左側の傾斜
面がピンチローラーレバー20の突起20aを押圧する
ことによってピンチローラーレバー20は前方へ回動さ
れ、このためピンチローラー15はキャプスタン13に
圧着される。
【0065】尚、このピンチローラー15の圧着状態で
は押圧レバー81はばね部材85の力に抗して僅かに後
退移動される状態となり、このためばね部材85の力が
押圧レバー81を介してピンチローラーレバー20に伝
わり、ピンチローラー15はキャプスタン13に対し確
実に圧着される。
【0066】また第2のスライド板77が右方にスライ
ドされることにより、図11に示す如く一方の押圧ピン
82が一方の磁気ヘッド支持レバー22の後側縁の傾斜
カム縁22aに当接してこれを押圧し、このため磁気ヘ
ッド支持レバー22はばね部材26の力に抗して前方へ
回動され、即ちFWD用の磁気ヘッド16が突出されて
テープカセットのテープと接し、いわゆるA面側の再生
が行なわれる。
【0067】このFWD動作状態(図5)から操作部の
ストップボタンが操作されると、再びソレノイド60に
通電されてプランジャ61が動作し、ロックレバー57
の係合ピン57aが第2の凹部55bから外れてカムギ
ヤ45のロックが解除される。
【0068】このようにカムギヤ45のロックが解除さ
れると、それまで欠歯部52がカムギヤ駆動用ギヤ50
の小径ギヤ50aに対応していたカムギヤ45は、僅か
に送り出されるように回転して直ちにカムギヤ駆動用ギ
ヤ50の小径ギヤ50aと噛合され、再び反時計方向に
回動される。
【0069】このカムギヤ45の送り出し動作さらに詳
しく説明すると、前述したようにカムギヤ45は、図8
に示す如く内側カム面47の傾斜段差部47aに第1の
スライド板40のピン40bが当接した状態でロックさ
れていたため、ロックが解除されるとばね部材43によ
る第1のスライド板40の復帰力によってピン40bが
傾斜段差部47aの傾斜面を押圧し、これによってカム
ギヤ45は送り出し方向に若干回転されることになり、
直ちにカムギヤ駆動用ギヤ50の小径ギヤ50aと噛合
して回転される。
【0070】そして再びロックレバー57の係合ピン5
7aがカムギヤ45の第1の凹部55aに係合してカム
ギヤ45がロックされると、初期状態に戻り、即ち第1
のスライド板40はピン40bが内側カム面47から離
れてばね部材43の力によって中立位置に復帰し、また
第2の移動ギヤ64はアーム板71のピン71bがカム
ギヤ45の内周カム面49の抜き凹部49aに位置され
る状態となってばね部材43の力で再びメインギヤ33
に噛合し、さらにピンチローラー15及び磁気ヘッド1
6,17はテープカセットのテープに対し引込んだ状態
に戻り、この初期状態に戻ったところでモーター30が
止まり、その状態で動作が停止される。
【0071】e.REV(反転走行)動作 また操作部のREVボタンを操作すると、モーター30
が反時計方向に回転駆動されると共に、ソレノイド60
に通電されることによってカムギヤ45のロックが解除
される。このカムギヤ45のロック解除動作及びこれに
伴う第2の移動ギヤ64の移動動作(メインギヤ33か
ら外れる動作)は前述したFWD動作の場合と同様であ
る。
【0072】そしてカムギヤ45のロックが解除される
と、前述した如くしてカムギヤ駆動用ギヤ50から回転
力が伝わってカムギヤ45が時計方向に回転し、これに
よって第1のスライド板40のピン40bがカムギヤ4
5の外側カム面48で連続的に押圧されることにより、
第1のスライド板40はばね部材43の力に抗して右方
にスライドされる。
【0073】このようにして第1のスライド板40が右
方にスライドされると、揺動板39が右方に傾倒して第
1の移動ギヤ38が供給側ハブ軸側の伝達ギヤ37に噛
合される。
【0074】そして以上のようにカムギヤ45の回転に
よって第1の移動ギヤ38が供給側ハブ軸側の伝達ギヤ
37に噛合されると、ロックレバー57の係合ピン57
aがカムギヤ45の第2の凹部55bに係合し、これに
よってカムギヤ45は再びロックされる(図6の状
態)。このロック状態では、前述したFWD動作時と同
様るカムギヤ45の欠歯部52がカムギヤ駆動用ギヤ5
0の小径ギヤ50aと対応し、このためカムギヤ駆動用
ギヤ50は空回り状に回転される状態となる。またこの
状態においては、図9により明らかなようにカムギヤ4
5は外側カム面48の傾斜段差部48aに第1のスライ
ド板40のピン40bが当たっている状態でロックされ
ている。
【0075】さらにこの状態では、前述したFWD動作
時と同様に、第2の移動ギヤ64はアーム板71のピン
71bがカムギヤ45の内周カム面49に当接されるこ
とによってメインギヤ33から外れた状態を保持されて
いる。
【0076】そして以上の如くして第1の移動ギヤ38
が供給側ハブ軸側の伝達ギヤ37に噛合すると共に第2
の移動ギヤ64がメインギヤ33から外された状態で
は、モーター30の駆動によるメインギヤ33の回転力
がメインギヤ33→第1の移動ギヤ38→伝達ギヤ37
→供給側ハブ軸駆動ギヤ35と伝達され、これによって
供給側ハブ軸12がテープ巻取り方向に回転されてテー
プの反転方向の走行動作が行なわれる。
【0077】また、上記の如くカムギヤ45の時計方向
の回転によって第1のスライド板40が右方へスライド
されると、これと連動して第2のスライド板77が第1
のスライド板40と逆方向の左方へスライドされ、これ
によってピンチローラー15及び磁気ヘッド16,17
の移動動作が行なわれる。
【0078】即ち、第2のスライド板77が左方にスラ
イドされると、押圧レバー81の凹部81aの右側の傾
斜面がピンチローラーレバー20の突起20aを押圧す
ることによってピンチローラーレバー20は前方へ回動
され、このためピンチローラー15はキャプスタン13
に圧着される。
【0079】また第2のスライド板77が左方にスライ
ドされることにより、図12に示す如く押圧ピン83が
磁気ヘッド支持レバー23の後側縁の傾斜カム縁23a
に当接してこれを押圧し、このため磁気ヘッド支持レバ
ー23はばね部材26の力に抗して前方へ回動され、即
ちREV用の磁気ヘッド17が突出されてテープカセッ
トのテープと接し、いわゆるB面側の再生が行われる。
【0080】このREV動作状態(図6)から操作部の
ストップボタンが操作されると、前述したFWD動作時
と同様に、再びソレノイド60に通電されてプランジャ
61が動作し、ロックレバー57の係合ピン57aが第
2の凹部55bから外れてカムギヤ45のロックが解除
される。
【0081】このようにカムギヤ45のロックが解除さ
れると、それまで欠歯部52がカムギヤ駆動用ギヤ50
の小径ギヤ50aに対応していたカムギヤ45は、僅か
に送り出されるように回転して直ちにカムギヤ駆動用ギ
ヤ50の小径ギヤ50aと噛合され、再び時計方向に回
転される。
【0082】即ち、前述したようにカムギヤ45は、図
9に示す如く外側カム面48の傾斜段差部48aに第1
のスライド板40のピン40bが当接した状態でロック
されていたため、ロックが解除されるとばね部材43に
よる第1のスライド板40の復帰力によってピン40b
が傾斜段差部48aの傾斜面を押圧し、これによってカ
ムギヤ45は送り出し方向に若干回転されることにな
り、直ちにカムギヤ駆動用ギヤ50の小径ギヤ50aと
噛合して回転される。
【0083】そして再びロックレバー57の係合ピン5
7aがカムギヤ45の第1の凹部55aに係合してカム
ギヤ45がロックされると、初期状態に戻り、即ち第1
のスライド板40はピン40bが外側カム面48から離
れてばね部材43の力によって中立位置に復帰し、また
第2の移動ギヤ64はアーム板71のピン71bがカム
ギヤ45の内周カム面49の抜き凹部49aに位置され
る状態となってばね部材74の力で再びメインギヤ33
に噛合し、さらにピンチローラー15及び磁気ヘッド1
6,17はテープカセットのテープに対し引込んだ状態
に戻り、この初期状態に戻ったところでモーターが止ま
り、その状態で動作が停止される。
【0084】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明は、テープカ
セットの巻取側ハブ及び供給側ハブに夫々係合される巻
取側ハブ軸及び供給側ハブ軸と、モーターによって正逆
方向に回転されるメインギヤと、テープの通常走行モー
ドと反転走行モードとで巻取側ハブ軸側と供給側ハブ軸
側とに選択的に移動し、メインギヤの回転を巻取側ハブ
軸または供給側ハブ軸に伝達する第1の移動ギヤと、モ
ーターによって回転され、第1の移動ギヤを移動させる
カムギヤと、テープの早送りモードと巻戻しモードとで
メインギヤの回転によって巻取側ハブ軸側と供給側ハブ
軸側とに選択的に移動し、メインギヤの回転を巻取側ハ
ブ軸または供給側ハブ軸に伝達する第2の移動ギヤと、
テープの通常走行モード及び反転走行モードにおいて第
2の移動ギヤをメインギヤから外すギヤ外し機構とを備
えたカセットプレーヤーにおいて、メインギヤから外さ
れた第2の移動ギヤの保持を、第1の移動ギヤを移動さ
せるためのカムギヤによって行なうように構成したの
で、従来に比して構成が簡単となり、その結果部品点数
が少なく抑えられてコストダウンに繋がると共に、カセ
ットプレーヤーの一層の小型薄型化に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カセットプレーヤーの外観を示す斜視図であ
る。
【図2】メカシャーシの表面側(カセット装着部側)の
平面図である。
【図3】メカシャーシの裏面側(駆動機構部側)の平面
図である。
【図4】同、カムギヤのロックが解除された状態であ
る。
【図5】同、FWDモードの状態である。
【図6】同、REVモードの状態である。
【図7】カムギヤの説明図である。
【図8】同、FWDモードの状態である。
【図9】同、REVモードの状態である。
【図10】ピンチローラー及び磁気ヘッドの取付部の分
解斜視図である。
【図11】磁気ヘッドの動作説明図で、FWDモードの
状態である。
【図12】同、REVモードの状態である。
【図13】カムギヤの斜視図である。
【図14】カムギヤ駆動用ギヤの下方から見た斜視図で
ある。
【図15】第2の移動ギヤの支持機構部の平面図であ
る。
【符号の説明】
11 巻取側ハブ軸 12 供給側ハブ軸 30 モーター 33 メインギヤ 34 巻取側ハブ軸駆動ギヤ 35 供給側ハブ軸駆動ギヤ 36 伝達ギヤ 37 伝達ギヤ 38 第1の移動ギヤ 40 第1のスライド板 40b ピン 45 カムギヤ 47 内側カム面 47a 傾斜段差部 48 外側カム面 48a 傾斜段差部 49 内周カム面 52 欠歯部 62 第2の移動ギヤ 71 アーム板 71b ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープカセットの巻取側ハブ及び供給側
    ハブに夫々係合される巻取側ハブ軸及び供給側ハブ軸
    と、モーターによって正逆方向に回転されるメインギヤ
    と、テープの通常走行モードと反転走行モードとで上記
    巻取側ハブ軸側と供給側ハブ軸側とに選択的に移動し、
    上記メインギヤの回転を巻取側ハブ軸または供給側ハブ
    軸に伝達する第1の移動ギヤと、上記モーターによって
    回転され、上記第1の移動ギヤを移動させるカムギヤ
    と、テープの早送りモードと巻戻しモードとで上記メイ
    ンギヤの回転によって上記巻取側ハブ軸側と供給側ハブ
    軸側とに選択的に移動し、上記メインギヤの回転を巻取
    側ハブ軸または供給側ハブ軸に伝達する第2の移動ギヤ
    と、テープの通常走行モード及び反転走行モードにおい
    て上記第2の移動ギヤを上記メインギヤから外すギヤ外
    し機構とを備え、上記カムギヤに、上記第2の移動ギヤ
    を上記メインギヤから外れた状態で保持させるためのカ
    ム部が設けられてなるカセットプレーヤー。
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