JPH06159764A - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の運転制御装置

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Publication number
JPH06159764A
JPH06159764A JP4320694A JP32069492A JPH06159764A JP H06159764 A JPH06159764 A JP H06159764A JP 4320694 A JP4320694 A JP 4320694A JP 32069492 A JP32069492 A JP 32069492A JP H06159764 A JPH06159764 A JP H06159764A
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JP
Japan
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thermal sensation
air
air flow
sensation
air conditioner
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Application number
JP4320694A
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English (en)
Inventor
Susumu Tatsuno
晋 辰野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】空気調和装置の吹出し気流を制御することによ
り、制御の収束性を向上させると共に、居住者の気流感
を満足させる。 【構成】空気調和装置(2) と、部屋(11)の環境物理量を
測定する環境状態検出部(13)とが設けられている。そし
て、ユーザ(12)の真温冷感が入力される温冷感申告入力
部(61)と、該ユーザ(12)の気流感が入力される気流感申
告入力部(62)とが設けられている。更に、上記ユーザ(1
2)が感ずる温冷感を予測する温冷感指標を演算すると共
に、該温冷感指標と上記真温冷感との温冷感差が小さく
なるように少なくとも1つのパラメータを評価して変更
する適応制御系(4) と、該適応制御系(4)の温冷感指標
に基づいて上記空気調和装置(2) の圧縮機を制御するP
IDコントローラ(51)とが設けられている。加えて、上
記気流感申告入力部(62)より入力された気流感に基づい
て空気調和装置(2) の吹出し気流を変更する気流制御手
段(52)が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の運転制
御装置に関し、特に、居住者個人の温冷感に適応するよ
うにした制御装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の空気調和装置の運転制御装置に
は、個人差学習適応制御を用いた先願がある(米国出願
第799086号、米国出願日1991年11月27
日)。この運転制御装置は、室内温度などの室内の環境
物理量と、複数のパラメータとの関数である予測温冷感
の温冷感指標を演算する一方、居住者より真温冷感を申
告してもらい、上記パラメータを学習させ、このパラメ
ータと上記室内温度などより温冷感指標を演算し、この
温冷感指標に基づいて圧縮機の周波数を制御して、居住
者の快適感を満足させるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置
の運転制御装置においては、1入力1出力、つまり、圧
縮機の周波数を制御入力とし、温冷感指標を出力として
おり、この温冷感指標を演算する際、気流速度を変化さ
せると、温冷感指標が線形とならないことから、該気流
速度を一定として演算していた。この結果、上記運転制
御装置においては、気流感から生ずる不快感が温冷感指
標に直接反映されず、居住者がドラフト感を感じたりし
て該居住者の快適感を充分に満足させることができない
という問題があった。また、気流速度が変動すると、温
冷感指標が安定せず、制御の収束が悪くなるという問題
があった。
【0004】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、空気調和装置の吹出し気流をも制御することによ
り、制御の収束性を向上させると共に、居住者の気流感
を満足させるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、居住者より気流感を申告
してもらい、該申告に基いて吹出し気流を制御するよう
にしたものである。
【0006】具体的に、図1に示すように、請求項1に
係る発明が講じた手段は、先ず、圧縮機及びファンを備
えて空調空間(11)を空気調和する空気調和装置(2) と、
上記空調空間(11)における所定の環境物理量を測定して
測定信号を出力する環境測定手段(13)とが設けられてい
る。そして、上記空調空間(11)の居住者(12)の申告に基
づき該居住者(12)の真の温冷感が入力される温冷感入力
手段(61)と、上記居住者(12)の申告に基づき該居住者(1
2)の気流感が入力される気流感入力手段(62)とが設けら
れている。更に、上記環境物理量と複数のパラメータと
の関数であって、空調空間(11)の居住者(12)が感ずる温
冷感を予測する温冷感指標を演算すると共に、演算した
温冷感指標の予想温冷感と上記温冷感入力手段(61)より
入力された真温冷感との温冷感差が小さくなるように少
なくとも1つのパラメータを評価して変更する適応制御
手段(4) と、上記適応制御手段(4) の温冷感指標に基づ
いて該温冷感指標が快適値になるように上記空気調和装
置(2) の圧縮機の容量を制御する圧縮機制御手段(51)と
が設けられている。加えて、上記空気調和装置(2)の吹
出し気流による気流感が上記気流感入力手段(62)より入
力された気流感から導出される快適気流感に一致するよ
うに該空気調和装置(2) の吹出し気流を制御する気流制
御手段(52)が設けられた構成としている。
【0007】また、上記請求項1の発明において、請求
項2に係る発明が講じた手段は、気流制御手段(52)が、
室内ファンの回転数を制御するように構成され、また、
請求項3に係る発明が講じた手段は、気流制御手段(52)
が、ルーバの角度を制御するように構成されたものであ
る。
【0008】
【作用】上記の構成により、請求項1〜3に係る発明で
は、先ず、適応制御手段(4) により個人差学習適応制御
等の制御を行う。つまり、例えば、環境測定手段(13)が
検出した室内温度などの環境物理量に基づいて温冷感指
標を演算し、この温冷感指標が零(快適状態)になるよ
うに圧縮機制御手段(51)により圧縮機の容量(運転周波
数)が制御されている。そして、上記温冷感入力手段(6
1)から真温冷感が入力されると、この真温冷感と温冷感
指標である予想温冷感とが比較され、予想温冷感が真温
冷感に一致するように温冷感指標のパラメータが変更さ
れ、この変更された新たなパラメータに基づいて温冷感
指標が学習演算されることになる。この新たな温冷感指
標が零になるように圧縮機制御手段(51)により圧縮機の
運転周波数が制御されている。
【0009】一方、居住者(12)が気流感入力手段(62)よ
り気流感を入力すると、気流制御手段(52)により空気調
和装置(2) よりの吹出し気流による気流感が居住者(12)
の気流感から導出される快適気流感に一致するように空
気調和装置(2) の吹出し気流、例えば、気流速度、又は
ルーバ角度が制御されることになる。例えば、暖房運転
時では、空気調和装置(2) の吸込温度に基づいた制御テ
ーブルを選択し、居住者(12)の気流感に対応して空気調
和装置(2) の室内ファン回転数を低下させるか、又はル
ーバ角度を上向きに制御して、気流を上方に逃がするこ
とになる。この上述した動作を繰返して空気調和装置
(2) を制御しており、居住者(12)の温冷感と気流感とを
満足させるように空調制御が行われることになる。
【0010】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によれば、
適応制御手段(4) によって圧縮機を制御すると共に、居
住者(12)の気流感に基づいて空気調和装置(2) の吹出し
気流を変更するようにしたために、居住者(12)の気流感
を満足させることができるので、気流速度の変動を減少
することができると共に、ドラフト感を解消することが
でき、快適性に優れた空気調和を行うことができる。特
に、上記適応制御手段(4) の温冷感指標に気流感を付加
させることができるので、従来、気流速度を一定として
温冷感指標を演算していた場合に比し、気流感を加味し
た温冷感指標を演算することができ、より快適な空調制
御を行うことができる。また、上記気流速度の変動を少
なくすることができることから、温冷感指標を速やかに
安定させることができ、制御の収束性を向上させること
ができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図2に示すように、 (1)は、本発明が適用
されるHVAC(熱(heating) と、換気(ventilaring) と、
空気調和(air-coditioning) )システムであって、空調
空間である閉空間の部屋(11)に壁掛型の空気調和装置
(2) が設置されて成り、該空気調和装置(2) が居住者で
あるユーザ(12)の快適感を充足するように室内を空気調
和している。図3は、上記空気調和装置(2) の概略制御
ブロックを示しており、HVACシステム(1) からの制御情
報をシステム制御系(3) における適応制御手段である適
応制御系(4) が受取り、該適応制御系(4) が出力する出
力信号をコントローラ系(5)が受けて該コントローラ系
(5) がHVACシステム(1) に制御信号を出力するように構
成されている。
【0012】また、図4は、上記空気調和装置(2) の詳
細な制御ブロックを示しており、上記HVACシステム(1)
と、上記適応制御系(4) 及びコントローラ系(5) を有す
るシステム制御系(3) と、入力系(6) とを備えて構成さ
れ、該HVACシステム(1) は、室内温度などが空気調和装
置(2) によって制御されている。該空気調和装置(2)
は、図示しないが、圧縮機と室外熱交換器と電動膨脹弁
と室内熱交換器とを備えて冷房サイクルと暖房サイクル
とに可逆運転可能に構成され、該圧縮機は、運転周波数
を変更して運転容量が可変に構成される一方、上記空気
調和装置(2) は、吹出し風速、つまり、気流速度の可変
な室内ファンを備えると共に、角度可変なルーバを備え
て、吹出し気流方向が可変に構成されている。一方、上
記部屋(11)には、環境測定手段である環境状態検出部(1
3)が設けられており、該環境状態検出部(13)は、室内温
度を検出する室温センサ、室内湿度を検出する湿度セン
サ、及び輻射温度を検出する輻射温度センサ(壁面温度
センサ)などで構成され、各室内温度などの検出信号
(測定信号)が上記適応制御系(4) に入力されいる。上
記入力系(6) は、温冷感入力手段である温冷感申告入力
部(61)を備え、居住者であるユーザ(12)が感じる真温冷
感が入力されるように構成されており、例えば、図5に
示すように、リモコン(21)に設けられたスライド式の温
冷感スイッチで構成され、“暑い”から“寒い”を7段
階(+3,+2,+1,0,−1,−2,−3)に区分
し、“0”を“快適状態”として真温冷感である温冷感
情報が入力され、該温冷感情報を適応制御系(4) に出力
している。
【0013】上記システム制御系(3) は、適応制御系
(4) が演算する温冷感指標Vhat に基づいてコントロー
ラ系(5) の圧縮機制御手段であるPIDコントローラ(5
1)が圧縮機の運転周波数をPID制御するように構成さ
れている。そして、この温冷感指標Vhat は、ユーザ(1
2)が感じる温冷感の予測値である予測温冷感であって、
適応制御系(4) は、ユーザ(12)が感じる真温冷感とこの
予想温冷感が一致するように温冷感指標Vhat を学習制
御し、この学習した温冷感指標Vhat を基にPIDコン
トローラ(51)が圧縮機を制御している。
【0014】そこで、上記空調制御の基本的原理となる
適応制御系(4) における個人差学習適応制御の概略につ
いて説明する。先ず、予想平均申告PMV を本制御に適用
するため、ファンガ(Fanger)が採用した諸式の一部を次
式に示すような関係に置き換える。輻射熱伝達の式は、 R=hr・(Tc1−Tr) ……(1) R:単位面積当りの熱輻射 hr:輻射熱伝達係数 Tc1 :着衣温度 Tr:輻射温度、18.0℃<Tr<30.0℃ となる。また、対流熱伝達の式は、 hc= hcn+hcf =constant+κ・V0.67 ……(2) hc:対流熱伝達係数 hcn :強制対流熱伝達係数 hcf :自然対流熱伝達係数 κ:定数 V:気流速度 となる。上記(1), (2)式より、温冷感指標Vhat が陽的
な形式に展開された次式が導き出される。 Vhat =θhat0+θhat1・Pv+θhat2・Ta+θhat3・Tr+θhat4・V2/3 +θhat5・Pv・V2/3 +θhat6・Ta・V2/3 ……(3) θhat0〜θhat6:パラメータ Ta:室内温度 Pv:室内蒸気圧 また、上記気流速度Vを一定(V=constant)とし、輻
射温度Trを壁面温度Twと等しい(Tr=Tw)とすると、
(3)式から線形化された次式が得られる。 Vhat =Chat0+Chat1・Pv+Chat2・Ta+Chat3・Tw ……(4) Chat0〜Chat3:パラメータ そして、上記(3) 式又は(4) 式を温冷感モデル、つま
り、ユーザモデルとし、ユーザ(12)の申告した真温冷感
によりパラメータθhat0〜θhat6又はChat0〜Chat3を
チューニングすることにより、ユーザ(12)個々の温冷感
を学習し、予想温冷感である温冷感指標Vhat を真温冷
感に一致させるようにし、ユーザ(12)にとって最適な目
標を決定することができる。
【0015】一方、熱入力qが圧縮機周波数に比例する
単純なHVACシステム(1)(図2参照)をエネルギと蒸気圧
との保存式からモデル化すると、次式の状態方程式を導
き出すことができる。 X=A・+b・q ……(5) この(5) 式において、状態変数、部屋(11)の熱収支を
示す熱定数A、及び空気調和装置(2) の室内熱交換器の
熱定数bは、次の通りである。
【0016】
【式1】 Tm:室内熱交換器温度 To:室外温度 Po:室外蒸気圧 また、上記温冷感指標Vhat は、状態変数を用いる
と、HVACシステム(1) の出力誤差に他ならず、次の通り
となる。 Vhat =y−r ……(7) y=c・ ……(8) ここで、yは、上記状態変数(室内外の温度差及び湿度
差)に関係する項で、rは、室外条件に関係する項であ
り、次の通りとなる。 r=−Chat0−Chat2・Po−(Chat1+Chat3)・To ……(9) y=[0, Chat2,Chat3,Chat1] ……(10) 従って、熱入力q(圧縮機周波数)から温冷感指標Vha
t への開ループ伝達関数は、
【0017】
【式2】 となる。
【0018】一方、上記パラメータθhat0〜θhat6又は
Chat0〜Chat3の学習法としては、制約付再帰的最小二
乗法を用いる。これは、m次元空間Rmにおいて、閉じ且
つ凸な部分空間C(室内)に存在することが保証された
パラメータベクトルにθ* を収束させるものである。こ
の時、θ* (n) =φT (n) ・θ* であり、部分空間Cの
内部でパラメータベクトルθ* を収束させるアルゴリズ
ムは、以下のような漸化式となる。(尚、詳細は、Grah
am C. Goodwin とKwai Sang Sin による“Adaptive Fil
tering,Prediction,and Contol”Prentice-Hall,Englew
ood Cliffs,NewJersey,1984. 参照) e(n)=V* (n) −φT (n) ・θhat(n) ……(12) (n) =P(n-1)・φ(n)/{(1+φT (n) ・P(n-1)・φ(n)} ……(13) θhat(n)=θhat(n-1)+(n) ・e(n) ……(14) P(n)={I−(n) ・φT (n)}・P(n-1) ……(15) そこで、今、コントローラにPID制御を用いると、伝
達関数は、 Gc(s) = {K1・(s+K2) ・(s+K3)}/s ……(16) となる。この伝達関数に上記熱入力q(圧縮機周波数)
から温冷感指標Vhat への開ループ伝達関数である(11)
式を乗ずると、システム全体の閉ループ伝達関数が、次
式のように求まることになる。
【0019】
【式3】 これにより、制御ゲインが求まることになる。以上の原
理から、ユーザ(12)の申告からパラメータθhat0〜θha
t6又はChat0〜Chat3を学習させる一方、この学習した
パラメータChat0〜Chat3と、ユーザ(12)の周辺の室内
温度Ta、室内湿度Pv及び輻射温度Trから、温冷感指標V
hat を演算し、該温冷感指標Vhat が0になるようにP
ID制御により圧縮機の周波数を変化させる。そして、
20分が経過した後に再びパラメータChat0〜Chat3の
学習を行う。この制御を繰返し(3,4回)、個々のユ
ーザ(12)の快適感を満足させていくようにしている。
【0020】そこで、上記適応制御系(4) は、上述した
原理に基づいて、パラメータ評価部(41)と、パラメータ
記憶部(42)と、温冷感指標演算部(43)と、温冷感指標判
定部(44)とより構成されている。該パラメータ評価部(4
1)は、上記温冷感申告入力部(61)からのユーザ(12)の真
温冷感信号を受け、上記(12)〜(15)式に基づたアルゴリ
ズムによりパラメータChat0〜Chat3を算出するように
構成されている。つまり、該パラメータ評価部(41)は、
上記ユーザ(12)が申告した真温冷感と予想温冷感である
温冷感指標Vhatとを比較し、該真温冷感と予想温冷感
との温冷感差が零になるように少なくとも1つのパラメ
ータChat0〜Chat3を評価して変更し、該パラメータC
hat0〜Chat3を算出している。上記パラメータ記憶部(4
2)は、パラメータ評価部(41)が算出したパラメータCha
t0〜Chat3を記憶するように構成されている。また、上
記温冷感指標演算部(43)は、パラメータ記憶部(42)が記
憶したパラメータChat0〜Chat3のパラメータ信号を受
けると共に、環境状態検出部(13)からの室内温度などの
検出信号を受けて、温冷感指標Vhat を演算するように
構成されている。つまり、該温冷感指標演算部(43)は、
現在の室内が厚いか又は寒いかを示す指標を演算し、ユ
ーザモデルとなっている。更に、上記温冷感指標判定部
(44)は、温冷感指標演算部(43)が演算した温冷感指標V
hat の温冷感信号を受け、該温冷感指標Vhat が0にな
ったか否か、及び該温冷感指標Vhat の微分値である変
化量ΔVhat が0になったか否か(温冷感指標Vhat が
0に安定したか否か)、つまり、室内が快適な状態にな
ったか否かをを判定している。そして、該温冷感指標判
定部(44)の判定信号を上記PIDコントローラ(51)が受
け、該PIDコントローラ(51)は、温冷感指標Vhat が
0になるように圧縮機の運転周波数をPID制御するよ
うに構成されている。
【0021】一方、本発明の特徴として、上記入力系
(6) には、気流感申告入力部(62)が設けられると共に、
上記コントローラ系(5) には、気流コントローラ(52)が
設けられて空気調和装置(2) の気流を制御するようにし
ている。該気流感申告入力部(62)は、居住者であるユー
ザ(12)が感じる真気流感、つまり、ドラフト感が入力さ
れる気流感入力手段を構成しており、例えば、図5に示
すように、リモコン(21)に設けられたスライド式の気流
感スイッチで構成され、“強く感じる”から“感じな
い”までの気流感情報が入力されるようになっている。
一方、上記気流コントローラ(52)は、気流感申告入力部
(62)からの気流感情報を受け、上記空気調和装置(2) の
吹出し気流による気流感が上記気流感申告入力部(62)よ
りの気流感から導出される快適気流感に一致するように
該空気調和装置(2) の吹出し気流、例えば、室内ファン
回転数及びルーバ角度を制御する気流制御手段を構成し
ている。具体的に、該気流コントローラ(52)は、例え
ば、図7〜図9に示すように、暖房運転時における3つ
の制御テーブルを備えており、上記空気調和装置(2) の
吸込温度に基づいて各制御テーブルを選択することにな
る。つまり、上記ユーザ(12)が感じる室内温度より吸込
温度は5℃程度高いとし、吸込温度が30℃以下である
と、図7の第1の制御テーブルを、吸込温度が30℃よ
り高く35℃より低いと、図8の第2の制御テーブル
を、吸込温度が35℃以上であると、図9の第3の制御
テーブルをそれぞれ選択するように構成されている。更
に、上記気流感申告入力部(62)からの気流感情報を5段
階に区分し、例えば、“感じない”では、気流速度を0.
1m/sec以下とし、“少し感じる”では、気流速度を0.3m
/secとしている。一方、室内ファンの回転数を“強風”
から“微風”までを5段階(H,HM,M,LM,L)
に制御するように設定している。そして、例えば、吸込
温度が30℃以下の図7の第1の制御テーブルにおい
て、現在のファン回転数が“H”である状態の場合、気
流感申告入力部(62)からの気流感情報が“2”であれ
ば、ファン回転数を“HM”に低下し、また、気流感申
告入力部(62)からの気流感情報が“5”であれば、ファ
ン回転数を“L”に低下することになる。更にまた、現
在のファン回転数が“L”である状態の場合、気流感申
告入力部(62)からの気流感情報が“2”であれば、ファ
ン回転数を低下することができないので、“L”のまゝ
としてルーバ角度を“6度アップ”とし、図2矢符Aに
示すように、気流を上方に逃がし、また、気流感申告入
力部(62)からの気流感情報が“5”であれば、ファン回
転数を“L”のまゝとしてルーバ角度を“24度アッ
プ”とし、気流を上方に逃がすることになる。
【0022】次に、上記HVACシステム(1) の制御動作に
ついて、図6の制御フローに基づき説明する。先ず、空
気調和装置(2) の制御動作を開始すると、ステップST1
において、ユーザ(12)が気流感申告入力部(62)より気流
感が入力されたか否かを判定し、該気流感が入力された
場合には、該ステップST1の判定がYESとなり、ステ
ップST2に移る一方、上記気流感が入力されていない場
合には、上記ステップST1の判定がNOとなってステッ
プST3に移ることになる。そして、上記ステップST2に
おいて、例えば、暖房運転時では、図7乃至図9に示す
ように、空気調和装置(2) の吸込温度に基づき各制御テ
ーブルを選択し、ユーザ(12)の気流感に対応して空気調
和装置(2) の室内ファン回転数又はルーバ角度を制御す
ることになる。具体的に、吸込温度が30℃から35℃
までの場合、図8の第2の制御テーブルが選択され、現
在のファン回転数が“M”である状態においては、気流
感申告入力部(62)からの気流感情報が“4”であれば、
ファン回転数を“L”に低下することになる。また、吸
込温度が35℃以上の場合、図9の第3の制御テーブル
が選択され、現在のファン回転数が“LM”である状態
においては、ファン回転数を“L”に低下すると共に、
ルーバ角度を“6度アップ”とし、気流を上方に逃がす
ることになる。
【0023】一方、上記ステップST2の制御を行った
後、また、上記ステップST1の判定がNOの場合、ステ
ップST3に移り、ユーザ(12)が温冷感申告入力部(61)よ
り真温冷感が入力されたか否かを判定し、該真温冷感が
入力された場合には、該ステップST3の判定がYESと
なり、ステップST4に移る一方、上記気流感が入力され
ていない場合には、上記ステップST3の判定がNOとな
って上記ステップST1に戻ることになる。このステップ
ST4において、個人差学習適応制御が行われており、つ
まり、環境状態検出部(13)が検出した室内温度などの環
境物理量が温冷感指標演算部(43)に入力されており、該
温冷感指標演算部(43)が温冷感指標Vhat を(4) 式に基
づいて演算し、この温冷感指標Vhat が零(快適状態)
になるようにPIDコントローラ(51)が制御信号を空気
調和装置(2) に出力して圧縮機の運転周波数を制御して
いる。一方、上記温冷感申告入力部(61)からの真温冷感
をパラメータ評価部(41)が受けてパラメータChat0〜C
hat3を評価し、つまり、予想温冷感である温冷感指標V
hat と真温冷感とを比較し、温冷感指標Vhat が真温冷
感に一致するように上記(12)〜(15)式のアルゴリズムに
基づいてパラメータChat0〜Chat3を変更して設定す
る。そして、この設定されたパラメータChat0〜Chat3
は、パラメータ記憶部(42)に記憶されると共に、上記温
冷感指標演算部(43)に入力され、新たなパラメータCha
t0〜Chat3に基づいて温冷感指標Vhat が演算されるこ
とになり、この新たな温冷感指標Vhat が零になるよう
にPIDコントローラ(51)が圧縮機の運転周波数をPI
D制御している。上述したステップST1からステップST
4までの動作を繰返して空気調和装置(2) を制御してお
り、上記ステップST2の気流感制御は10分毎に、ま
た、上記ステップST4におけるパラメータChat0〜Cha
t3の学習制御は、20分毎に行われ、予想温冷感である
温冷感指標Vhat は3,4回の学習でユーザ(12)の真温
冷感に一致することになり、以後、この温冷感指標Vha
t に基づいてユーザ(12)に合致した空調制御が行われる
ことになる。特に、上記室内ファンの回転数等を変更す
ることにより、室内温度などが変化すると共に、ユーザ
(12)の温冷感の申告も変化することになり、この室内温
度等が変化した後の状態でパラメータChat0〜Chat3を
算出することから、気流速度が間接的に温冷感指標Vha
t に反映されることになっている。
【0024】従って、本実施例によれば、適応制御系
(4) によって圧縮機の運転周波数を制御すると共に、ユ
ーザ(12)の気流感に基づいて空気調和装置(2) の吹出し
気流を変更するようにしたために、ユーザ(12)の気流感
を満足させることができるので、気流速度の変動を減少
することができると共に、ドラフト感を解消することが
でき、快適性に優れた空気調和を行うことができる。特
に、上記適応制御系(4) の温冷感指標に気流感を付加さ
せることができるので、従来、気流速度を一定として温
冷感指標を演算していた場合に比し、気流感を加味した
温冷感指標を演算することができ、より快適な空調制御
を行うことができる。また、上記気流速度の変動を少な
くすることができることから、温冷感指標を速やかに安
定させることができ、制御の収束性を向上させることが
できる。
【0025】尚、本実施例において、気流コントローラ
(52)は、圧縮機の室内ファン回転数とルーバ角度とを共
に制御するようにしたが、本発明では、室内ファン回転
数又はルーバ角度の何れかを制御するものであってもよ
い。また、上記気流コントローラ(52)は、冷房運転時の
制御テーブルを備えていてもよいことは勿論であり、ま
た、制御テーブルに限られるものではない。また、上記
温冷感申告入力部(61)及び気流感申告入力部(62)は、リ
モコン(21)に限られず、専用の入力手段であってもよ
い。また、適応制御系(4) は、実施例に限られるもので
はなく、空気調和装置(2)も壁掛型に限られるないこと
は勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】HVACシステムを示す概略図である。
【図3】空気調和装置の制御系統を示す概略制御ブロッ
ク図である。
【図4】空気調和装置の制御系統を示す詳細な制御ブロ
ック図である。
【図5】リモコンの平面図である。
【図6】空気調和装置の制御フロー図である。
【図7】気流コントローラの第1の制御テーブルを示す
構成図である。
【図8】気流コントローラの第2の制御テーブルを示す
構成図である。
【図9】気流コントローラの第3の制御テーブルを示す
構成図である。
【符号の説明】
1 HVACシステム 2 空気調和装置 4 適応制御系(適応制御手段) 11 部屋(空調空間) 12 ユーザ(居住者) 13 環境状態検出部(環境測定手段) 41 パラメータ評価部 43 温冷感指標演算部 51 PIDコントローラ(圧縮機制御手段) 52 気流コントローラ(気流制御手段) 61 温冷感申告入力部(温冷感入力手段) 62 気流感申告入力部(気流感入力手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機及びファンを備えて空調空間(11)
    を空気調和する空気調和装置(2) と、 上記空調空間(11)における所定の環境物理量を測定して
    測定信号を出力する環境測定手段(13)と、 上記空調空間(11)の居住者(12)の申告に基づき該居住者
    (12)の真の温冷感が入力される温冷感入力手段(61)と、 上記居住者(12)の申告に基づき該居住者(12)の気流感が
    入力される気流感入力手段(62)と、 上記環境物理量と複数のパラメータとの関数であって、
    空調空間(11)の居住者(12)が感ずる温冷感を予測する温
    冷感指標を演算すると共に、演算した温冷感指標の予想
    温冷感と上記温冷感入力手段(61)より入力された真温冷
    感との温冷感差が小さくなるように少なくとも1つのパ
    ラメータを評価して変更する適応制御手段(4) と、 上記適応制御手段(4) の温冷感指標に基づいて該温冷感
    指標が快適値になるように上記空気調和装置(2) の圧縮
    機の容量を制御する圧縮機制御手段(51)と、 上記空気調和装置(2) の吹出し気流による気流感が上記
    気流感入力手段(62)より入力された気流感から導出され
    る快適気流感に一致するように該空気調和装置(2) の吹
    出し気流を制御する気流制御手段(52)とを備えているこ
    とを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、気流制御手段(52)は、室内ファンの回転
    数を制御するように構成されていることを特徴とする空
    気調和装置の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、気流制御手段(52)は、ルーバの角度を制
    御するように構成されていることを特徴とする空気調和
    装置の運転制御装置。
JP4320694A 1992-11-30 1992-11-30 空気調和装置の運転制御装置 Withdrawn JPH06159764A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015017767A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 大和ハウス工業株式会社 空調システム及び空調方法
JP2015516562A (ja) * 2012-05-15 2015-06-11 ダイキン アプライド アメリカズ インコーポレィティッド クラウドベースのビルオートメーションシステム

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