JPH06159209A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents
エンジンの点火時期制御装置Info
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- JPH06159209A JPH06159209A JP31072592A JP31072592A JPH06159209A JP H06159209 A JPH06159209 A JP H06159209A JP 31072592 A JP31072592 A JP 31072592A JP 31072592 A JP31072592 A JP 31072592A JP H06159209 A JPH06159209 A JP H06159209A
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- engine
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- temperature
- ignition timing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】エンジンの低回転高負荷の運転域において異常
燃焼を確実に防止しながら、他の運転域において高いエ
ンジントルクを得ることができるようにする。 【構成】低回転高負荷運転域において、エンジン回転数
とエンジン負荷とに基づき、異常燃焼進角値を目標進角
値として求める異常燃焼進角値演算手段15と、他の運
転域において、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づ
き、ベストトルク進角値を目標進角値として求めるベス
トトルク進角値演算手段16とを設け、エンジン温度、
吸気温に基づいて上記異常燃焼進角値及びベストトルク
進角値を異なる基準で別個独立に補正するようにする。
燃焼を確実に防止しながら、他の運転域において高いエ
ンジントルクを得ることができるようにする。 【構成】低回転高負荷運転域において、エンジン回転数
とエンジン負荷とに基づき、異常燃焼進角値を目標進角
値として求める異常燃焼進角値演算手段15と、他の運
転域において、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づ
き、ベストトルク進角値を目標進角値として求めるベス
トトルク進角値演算手段16とを設け、エンジン温度、
吸気温に基づいて上記異常燃焼進角値及びベストトルク
進角値を異なる基準で別個独立に補正するようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの点火時期制御
装置に関する。
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの点火時期制御装置として、そ
の進角制御をコンピュータによって行なう電子式進角制
御装置は一般に知られている。例えば、特開平2−21
1382号公報参照には、エンジンの運転状態に応じた
基準となる点火時期を予めコンビュータに記憶させてお
くとともに、エンジンのノッキングを検出して基準点火
時期を遅角補正し、ノッキングが終息した際にはその時
点から所定時間待機して上記補正を解除するようにな
し、さらに、エンジン温度が低いほど上記待機時間を長
くするようにしたものが記載されている。すなわち、こ
のものは、点火時期のコールドアドバンスが設定されて
いるときには、エンジンの暖機中においてノッキングが
一旦終息しても暖機の進行によってノッキングが再発す
る可能性が高いために、上記待機時間を長くしているも
のである。
の進角制御をコンピュータによって行なう電子式進角制
御装置は一般に知られている。例えば、特開平2−21
1382号公報参照には、エンジンの運転状態に応じた
基準となる点火時期を予めコンビュータに記憶させてお
くとともに、エンジンのノッキングを検出して基準点火
時期を遅角補正し、ノッキングが終息した際にはその時
点から所定時間待機して上記補正を解除するようにな
し、さらに、エンジン温度が低いほど上記待機時間を長
くするようにしたものが記載されている。すなわち、こ
のものは、点火時期のコールドアドバンスが設定されて
いるときには、エンジンの暖機中においてノッキングが
一旦終息しても暖機の進行によってノッキングが再発す
る可能性が高いために、上記待機時間を長くしているも
のである。
【0003】上記電子式進角制御装置の基本的内容は例
えば次のようなものである。すなわち、基準となる点火
時期は、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータ
として予め設定された図7のような基本進角マップに基
づいて設定される。この基本進角マップは、完全暖機状
態を前提としてエンジンの運転域が異常燃焼(ノッキン
グを含む)が発生し易い領域(破線の左上の領域)とそ
うでない領域とに区分けされ、異常燃焼発生領域に異常
燃焼が発生しないように設定された異常燃焼進角値が与
えられ、他の領域に略最大の出力が得られるベストトル
ク進角値が与えられている。
えば次のようなものである。すなわち、基準となる点火
時期は、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータ
として予め設定された図7のような基本進角マップに基
づいて設定される。この基本進角マップは、完全暖機状
態を前提としてエンジンの運転域が異常燃焼(ノッキン
グを含む)が発生し易い領域(破線の左上の領域)とそ
うでない領域とに区分けされ、異常燃焼発生領域に異常
燃焼が発生しないように設定された異常燃焼進角値が与
えられ、他の領域に略最大の出力が得られるベストトル
ク進角値が与えられている。
【0004】そうして、エンジン温度が低いほど上記ベ
ストトルク進角値は進角側へ変化するため、点火時期は
図8に示すような特性で進角補正がなされる。また、エ
ンジン温度が高くなるほど上記異常燃焼進角値は遅角側
に変化するため、点火時期は図9に示すような特性で遅
角補正がなされる。さらに、エンジン吸気温が高くなる
ほど上記異常燃焼進角値は遅角側に変化するため、点火
時期は図10に示すような特性で遅角補正がなされる。
ストトルク進角値は進角側へ変化するため、点火時期は
図8に示すような特性で進角補正がなされる。また、エ
ンジン温度が高くなるほど上記異常燃焼進角値は遅角側
に変化するため、点火時期は図9に示すような特性で遅
角補正がなされる。さらに、エンジン吸気温が高くなる
ほど上記異常燃焼進角値は遅角側に変化するため、点火
時期は図10に示すような特性で遅角補正がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如き点
火時期の設定手段では次の問題がある。
火時期の設定手段では次の問題がある。
【0006】すなわち、エンジン温度が高い時には異常
燃焼発生領域は高回転低負荷側へ広がる。これに対し
て、異常燃焼を確実に回避するには図8に示す遅角補正
をさらに大きくすることが望ましい。しかし、そうする
と異常燃焼が発生しない他の領域にも大きな遅角補正が
実行されることになり、エンジントルクが低下し運転性
が悪化する。また、予め異常燃焼発生領域を広く設定す
ることも考えられるが、そうするとエンジン温度が高く
なく異常燃焼が発生しない場合でも当該拡大された領域
では遅角設定されているため所期のエンジントルクが得
られない不具合がある。かかる問題については、エンジ
ンの吸気温に関しても同様に言えることである。
燃焼発生領域は高回転低負荷側へ広がる。これに対し
て、異常燃焼を確実に回避するには図8に示す遅角補正
をさらに大きくすることが望ましい。しかし、そうする
と異常燃焼が発生しない他の領域にも大きな遅角補正が
実行されることになり、エンジントルクが低下し運転性
が悪化する。また、予め異常燃焼発生領域を広く設定す
ることも考えられるが、そうするとエンジン温度が高く
なく異常燃焼が発生しない場合でも当該拡大された領域
では遅角設定されているため所期のエンジントルクが得
られない不具合がある。かかる問題については、エンジ
ンの吸気温に関しても同様に言えることである。
【0007】また、エンジン温度が低い時には、低回転
高負荷の運転域でも異常燃焼は発生し難いが、基本進角
マップによって当該運転域に大きな遅角が予め施されて
いるため、図8に示すような特性で進角補正を行なって
もトルク不足は免れず、例えばエンジン低温時に自動変
速機のチェンジレバーを走行レンジにシフトすると、ト
ルク不足のためにエンジン回転数が落ち込んだままとな
る。
高負荷の運転域でも異常燃焼は発生し難いが、基本進角
マップによって当該運転域に大きな遅角が予め施されて
いるため、図8に示すような特性で進角補正を行なって
もトルク不足は免れず、例えばエンジン低温時に自動変
速機のチェンジレバーを走行レンジにシフトすると、ト
ルク不足のためにエンジン回転数が落ち込んだままとな
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、上記異常燃焼進角が低回転高負荷の運転域
のみで必要であり、且つエンジン温度あるいは吸気温に
よって変化する点に着目し、低回転高負荷の運転域のた
めの異常燃焼進角値と他の運転域のためのベストトルク
進角値とを別個独立に求めるようにし、各々にエンジン
温度等に基づく必要な補正を別個に施すようにして、当
該課題の解決を図るものである。
題に対して、上記異常燃焼進角が低回転高負荷の運転域
のみで必要であり、且つエンジン温度あるいは吸気温に
よって変化する点に着目し、低回転高負荷の運転域のた
めの異常燃焼進角値と他の運転域のためのベストトルク
進角値とを別個独立に求めるようにし、各々にエンジン
温度等に基づく必要な補正を別個に施すようにして、当
該課題の解決を図るものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する第1の手段
(請求項1に記載の発明)は、エンジンの点火時期を調
節する点火時期調節手段と、エンジン回転数を検出する
回転数検出手段と、エンジン負荷を検出する負荷検出手
段と、エンジン温度を検出するエンジン温度検出手段
と、上記回転数検出手段、負荷検出手段及びエンジン温
度検出手段の各検出信号に基づいて目標進角値を設定
し、上記点火時期調節手段を点火時期が当該目標進角値
になるように制御する点火時期制御手段とを備えたエン
ジンの点火時期制御装置であって、上記点火時期制御手
段の目標進角値設定手段が、エンジンの低回転高負荷の
運転域において、上記回転数検出手段によって検出され
たエンジン回転数と上記負荷検出手段によって検出され
たエンジン負荷とに基づき、エンジンに異常燃焼が発生
しない進角値を目標進角値として求める異常燃焼進角値
演算手段と、エンジンの上記低回転高負荷を除く他の運
転域において、上記回転数検出手段によって検出された
エンジン回転数と上記負荷検出手段によって検出された
エンジン負荷とに基づき、エンジンが略最大の出力を発
生する進角値を目標進角値として求めるベストトルク進
角値演算手段と、上記エンジン温度検出手段によって検
出されたエンジン温度に基づき、所定の高温度域におい
て上記異常燃焼進角値演算手段によって求められた目標
進角値をエンジン温度が高くなるほど大きく遅角するよ
うに補正する高温時補正手段とを備えてなることを特徴
とするものである。
(請求項1に記載の発明)は、エンジンの点火時期を調
節する点火時期調節手段と、エンジン回転数を検出する
回転数検出手段と、エンジン負荷を検出する負荷検出手
段と、エンジン温度を検出するエンジン温度検出手段
と、上記回転数検出手段、負荷検出手段及びエンジン温
度検出手段の各検出信号に基づいて目標進角値を設定
し、上記点火時期調節手段を点火時期が当該目標進角値
になるように制御する点火時期制御手段とを備えたエン
ジンの点火時期制御装置であって、上記点火時期制御手
段の目標進角値設定手段が、エンジンの低回転高負荷の
運転域において、上記回転数検出手段によって検出され
たエンジン回転数と上記負荷検出手段によって検出され
たエンジン負荷とに基づき、エンジンに異常燃焼が発生
しない進角値を目標進角値として求める異常燃焼進角値
演算手段と、エンジンの上記低回転高負荷を除く他の運
転域において、上記回転数検出手段によって検出された
エンジン回転数と上記負荷検出手段によって検出された
エンジン負荷とに基づき、エンジンが略最大の出力を発
生する進角値を目標進角値として求めるベストトルク進
角値演算手段と、上記エンジン温度検出手段によって検
出されたエンジン温度に基づき、所定の高温度域におい
て上記異常燃焼進角値演算手段によって求められた目標
進角値をエンジン温度が高くなるほど大きく遅角するよ
うに補正する高温時補正手段とを備えてなることを特徴
とするものである。
【0010】上記課題を解決する第2の手段(請求項2
に記載の発明)は、上記第1の手段において、さらに、
上記エンジン温度検出手段によって検出されたエンジン
温度に基づき、所定の低温度域において上記異常燃焼進
角値演算手段によって求められた目標進角値をエンジン
温度が低くなるほど大きく進角するように補正する低温
時補正手段を備えていることを特徴とするものである。
に記載の発明)は、上記第1の手段において、さらに、
上記エンジン温度検出手段によって検出されたエンジン
温度に基づき、所定の低温度域において上記異常燃焼進
角値演算手段によって求められた目標進角値をエンジン
温度が低くなるほど大きく進角するように補正する低温
時補正手段を備えていることを特徴とするものである。
【0011】上記課題を解決する第3の手段(請求項3
に記載の発明)は、上記第1の手段又は第2の手段にお
いて、さらに、上記エンジンの吸気温を検出する吸気温
検出手段と、上記吸気温検出手段によって検出された吸
気温に基づき、上記異常燃焼進角値演算手段によって求
められた目標進角値を吸気温が高くなるほど大きく遅角
するように補正する吸気温補正手段とを備えていること
を特徴とするものである。
に記載の発明)は、上記第1の手段又は第2の手段にお
いて、さらに、上記エンジンの吸気温を検出する吸気温
検出手段と、上記吸気温検出手段によって検出された吸
気温に基づき、上記異常燃焼進角値演算手段によって求
められた目標進角値を吸気温が高くなるほど大きく遅角
するように補正する吸気温補正手段とを備えていること
を特徴とするものである。
【0012】上記課題を解決する第4の手段(請求項4
に記載の発明)は、上記第1乃至第3の各手段におい
て、さらに、上記エンジン温度検出手段によって検出さ
れたエンジン温度に基づき、上記ベストトルク進角値演
算手段によって求められた目標進角値をエンジン温度が
低くなるほど大きく進角するように補正する温度補正手
段を備えていることを特徴とするものである。
に記載の発明)は、上記第1乃至第3の各手段におい
て、さらに、上記エンジン温度検出手段によって検出さ
れたエンジン温度に基づき、上記ベストトルク進角値演
算手段によって求められた目標進角値をエンジン温度が
低くなるほど大きく進角するように補正する温度補正手
段を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】上記第1の手段においては、エンジンの低回転
高負荷の運転域では異常燃焼進角値演算手段によって求
められた異常燃焼進角値が目標進角値として設定され、
その際、エンジン温度が所定の高温時であれば、当該目
標進角値は高温時補正手段によって遅角補正がなされ
る。一方、エンジンの他の運転域では、ベストトルク進
角値演算手段によって求められたベストトルク進角値が
目標進角値として設定される。
高負荷の運転域では異常燃焼進角値演算手段によって求
められた異常燃焼進角値が目標進角値として設定され、
その際、エンジン温度が所定の高温時であれば、当該目
標進角値は高温時補正手段によって遅角補正がなされ
る。一方、エンジンの他の運転域では、ベストトルク進
角値演算手段によって求められたベストトルク進角値が
目標進角値として設定される。
【0014】すなわち、異常燃焼進角値を目標進角値と
する場合にはエンジン温度に基づく遅角補正が実行され
るが、ベストトルク進角値を目標進角値とする場合には
当該遅角補正は実行されない。よって、エンジン温度に
基づく遅角補正を大きくしても、他の運転域のベストト
ルク進角値は影響を受けないから、低回転高負荷の運転
域でのエンジン高温時における異常燃焼の発生を確実に
防止しながら、他の運転域では所期のベストトルク進角
値でもって点火時期を設定し高いエンジントルクを得る
ことができることになる。
する場合にはエンジン温度に基づく遅角補正が実行され
るが、ベストトルク進角値を目標進角値とする場合には
当該遅角補正は実行されない。よって、エンジン温度に
基づく遅角補正を大きくしても、他の運転域のベストト
ルク進角値は影響を受けないから、低回転高負荷の運転
域でのエンジン高温時における異常燃焼の発生を確実に
防止しながら、他の運転域では所期のベストトルク進角
値でもって点火時期を設定し高いエンジントルクを得る
ことができることになる。
【0015】上記第2の手段においては、さらに、低回
転高負荷の運転域において、エンジン温度が所定の低温
時であれば、上記異常燃焼進角値演算手段によって求め
られた目標進角値が低温時補正手段によって進角補正さ
れる。よって、エンジン温度が低く異常燃焼が発生する
懸念がないにも拘らず、大きく遅角された異常燃焼進角
値のままで点火時期が設定されることを防止し、比較的
高いエンジントルクを得ることが可能になる。
転高負荷の運転域において、エンジン温度が所定の低温
時であれば、上記異常燃焼進角値演算手段によって求め
られた目標進角値が低温時補正手段によって進角補正さ
れる。よって、エンジン温度が低く異常燃焼が発生する
懸念がないにも拘らず、大きく遅角された異常燃焼進角
値のままで点火時期が設定されることを防止し、比較的
高いエンジントルクを得ることが可能になる。
【0016】そうして、この場合の進角補正も他の運転
域のベストトルク進角値には何の影響を与えるものでも
ない、つまり、ベストトルク進角値が余分に進角補正さ
れることはないから、当該進角補正を大きなものにする
ことができ、よって、エンジン温度が低い場合には、低
回転高負荷運転域であっても高いエンジントルクを得る
ことができるものである。
域のベストトルク進角値には何の影響を与えるものでも
ない、つまり、ベストトルク進角値が余分に進角補正さ
れることはないから、当該進角補正を大きなものにする
ことができ、よって、エンジン温度が低い場合には、低
回転高負荷運転域であっても高いエンジントルクを得る
ことができるものである。
【0017】第3の手段においては、さらに、低回転高
負荷の運転域において吸気温が高くなると、上記異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値が吸気
温補正手段によって遅角補正される。この場合も、当該
遅角補正は他の運転域のベストトルク進角値には何の影
響も与えない。よって、吸気温が高い場合でも低回転高
負荷の運転域での異常燃焼の発生を確実に防止しなが
ら、他の運転域では所期のベストトルク進角値でもって
点火時期を設定し高いエンジントルクを得ることができ
る。
負荷の運転域において吸気温が高くなると、上記異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値が吸気
温補正手段によって遅角補正される。この場合も、当該
遅角補正は他の運転域のベストトルク進角値には何の影
響も与えない。よって、吸気温が高い場合でも低回転高
負荷の運転域での異常燃焼の発生を確実に防止しなが
ら、他の運転域では所期のベストトルク進角値でもって
点火時期を設定し高いエンジントルクを得ることができ
る。
【0018】第4の手段においては、さらに、上記他の
運転域においてエンジン低温時には上記ベストトルク進
角値演算手段によって求められた目標進角値が温度補正
手段によって進角補正される。低回転高負荷運転域でも
エンジン温度が低い場合には目標進角値(異常燃焼進角
値)が進角補正されるが、この第4の手段は異常燃焼進
角値の進角補正とは別個に行なわれるものであり、よっ
て、ベストトルク進角値に適した進角補正を行なうこと
ができ、エンジントルクを高める上で有利になる。
運転域においてエンジン低温時には上記ベストトルク進
角値演算手段によって求められた目標進角値が温度補正
手段によって進角補正される。低回転高負荷運転域でも
エンジン温度が低い場合には目標進角値(異常燃焼進角
値)が進角補正されるが、この第4の手段は異常燃焼進
角値の進角補正とは別個に行なわれるものであり、よっ
て、ベストトルク進角値に適した進角補正を行なうこと
ができ、エンジントルクを高める上で有利になる。
【0019】
【発明の効果】従って、第1の手段(請求項1に記載の
発明)によれば、低回転高負荷の運転域のための異常燃
焼進角値と他の運転域のためのベストトルク進角値とを
別個独立に求めるようにし、エンジン温度に基づいて所
定の高温度域において上記異常燃焼進角値のみを遅角補
正できるようにしたから、低回転高負荷の運転域でのエ
ンジン高温時における異常燃焼の発生を確実に防止しな
がら、他の運転域でベストトルク進角値が遅角補正され
ることを避けて所期のエンジントルクを確保することが
できるようになる。
発明)によれば、低回転高負荷の運転域のための異常燃
焼進角値と他の運転域のためのベストトルク進角値とを
別個独立に求めるようにし、エンジン温度に基づいて所
定の高温度域において上記異常燃焼進角値のみを遅角補
正できるようにしたから、低回転高負荷の運転域でのエ
ンジン高温時における異常燃焼の発生を確実に防止しな
がら、他の運転域でベストトルク進角値が遅角補正され
ることを避けて所期のエンジントルクを確保することが
できるようになる。
【0020】第2の手段(請求項2に記載の発明)によ
れば、さらに、低回転高負荷の運転域において、異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値をエン
ジン低温時に進角補正する低温時補正手段を備えている
から、他の運転域でベストトルク進角値が余分に進角補
正されることを避けながら、エンジン温度が低い場合に
は、低回転高負荷運転域であっても高いエンジントルク
を得ることができるようになる。
れば、さらに、低回転高負荷の運転域において、異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値をエン
ジン低温時に進角補正する低温時補正手段を備えている
から、他の運転域でベストトルク進角値が余分に進角補
正されることを避けながら、エンジン温度が低い場合に
は、低回転高負荷運転域であっても高いエンジントルク
を得ることができるようになる。
【0021】第3の手段(請求項3に記載の発明)によ
れば、さらに、低回転高負荷の運転域において、異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値を吸気
温が高い時に遅角補正する吸気温補正手段を備えている
から、低回転高負荷の運転域での吸気温が高い時におけ
る異常燃焼の発生を確実に防止しながら、他の運転域で
ベストトルク進角値が遅角補正されることを避けて所期
のエンジントルクを得ることができるようになる。
れば、さらに、低回転高負荷の運転域において、異常燃
焼進角値演算手段によって求められた目標進角値を吸気
温が高い時に遅角補正する吸気温補正手段を備えている
から、低回転高負荷の運転域での吸気温が高い時におけ
る異常燃焼の発生を確実に防止しながら、他の運転域で
ベストトルク進角値が遅角補正されることを避けて所期
のエンジントルクを得ることができるようになる。
【0022】第4の手段(請求項4に記載の発明)によ
れば、さらに、上記他の運転域においてベストトルク進
角値演算手段によって求められた目標進角値をエンジン
低温時に進角補正する温度補正手段を備えているから、
低回転高負荷運転域での進角補正とは別個にベストトル
ク進角値に適した進角補正を行なうことができ、エンジ
ントルクを高める上で有利になる。
れば、さらに、上記他の運転域においてベストトルク進
角値演算手段によって求められた目標進角値をエンジン
低温時に進角補正する温度補正手段を備えているから、
低回転高負荷運転域での進角補正とは別個にベストトル
ク進角値に適した進角補正を行なうことができ、エンジ
ントルクを高める上で有利になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0024】図1において、1は自動車のエンジン、2
は同エンジンの吸気通路、3は同排気通路である。吸気
通路2にはその上流側から順にエアクリーナ4、エアフ
ローセンサ5、スロットル弁6、サージタンク7及び燃
料噴射弁8が設けられているとともに、エアクリーナ4
のフィルタエレメントの下流側に吸気温を検出する吸気
温センサ9が配設されている。上記エンジン1にはエン
ジン温度を代表する温度としてのエンジン冷却水温度を
検出するエンジン温度センサ11が取付けられている。
上記燃料噴射弁8は上記エアフローセンサ5と後述の回
転数検出手段12の出力に基づいて燃料噴射量が制御さ
れる。また、上記スロットル弁6には当該弁の全閉を検
出してオンとなるアイドルスイッチ10が付設されてい
る。
は同エンジンの吸気通路、3は同排気通路である。吸気
通路2にはその上流側から順にエアクリーナ4、エアフ
ローセンサ5、スロットル弁6、サージタンク7及び燃
料噴射弁8が設けられているとともに、エアクリーナ4
のフィルタエレメントの下流側に吸気温を検出する吸気
温センサ9が配設されている。上記エンジン1にはエン
ジン温度を代表する温度としてのエンジン冷却水温度を
検出するエンジン温度センサ11が取付けられている。
上記燃料噴射弁8は上記エアフローセンサ5と後述の回
転数検出手段12の出力に基づいて燃料噴射量が制御さ
れる。また、上記スロットル弁6には当該弁の全閉を検
出してオンとなるアイドルスイッチ10が付設されてい
る。
【0025】上記エアフローセンサ5、吸気温センサ9
及びエンジン温度センサ11は、エンジン回転数を検出
する回転数検出手段12と共に、上記エンジン1の点火
時期を調節する点火時期調節手段としてのディストリビ
ュータ13の進角を制御するために用いられるものであ
り、そのために点火時期制御手段14が設けられてい
る。
及びエンジン温度センサ11は、エンジン回転数を検出
する回転数検出手段12と共に、上記エンジン1の点火
時期を調節する点火時期調節手段としてのディストリビ
ュータ13の進角を制御するために用いられるものであ
り、そのために点火時期制御手段14が設けられてい
る。
【0026】上記点火時期制御手段14は、上記各種の
検出手段の信号に基づいて目標進角値を設定し、上記デ
ィストリビュータ13を点火時期が当該目標進角値にな
るように制御するものであり、目標進角値設定手段とし
て、異常燃焼進角値演算手段15と、ベストトルク進角
値演算手段16と、進角値選択手段17とを備えている
とともに、異常燃焼進角値の補正のために高温時補正手
段、低温時補正手段及び吸気温補正手段としての第1補
正手段18を備え、ベストトルク進角値の補正のために
温度補正手段としての第2補正手段19を備えている。
また、上記点火時期制御手段14は、アイドル進角ゾー
ン判定手段及びアイドル進角値演算手段をも備えてい
る。さらに、エンジン負荷を検出するための負荷検出手
段20が別に設けられている。以下、具体的に説明す
る。
検出手段の信号に基づいて目標進角値を設定し、上記デ
ィストリビュータ13を点火時期が当該目標進角値にな
るように制御するものであり、目標進角値設定手段とし
て、異常燃焼進角値演算手段15と、ベストトルク進角
値演算手段16と、進角値選択手段17とを備えている
とともに、異常燃焼進角値の補正のために高温時補正手
段、低温時補正手段及び吸気温補正手段としての第1補
正手段18を備え、ベストトルク進角値の補正のために
温度補正手段としての第2補正手段19を備えている。
また、上記点火時期制御手段14は、アイドル進角ゾー
ン判定手段及びアイドル進角値演算手段をも備えてい
る。さらに、エンジン負荷を検出するための負荷検出手
段20が別に設けられている。以下、具体的に説明す
る。
【0027】先に、負荷検出手段20について説明する
と、これは上記エアフローセンサ5によって検出された
吸入空気量と上記吸気温センサ9によって求められた吸
気温とに基づいて当該エンジン1の吸気充填効率をエン
ジン負荷として求める。
と、これは上記エアフローセンサ5によって検出された
吸入空気量と上記吸気温センサ9によって求められた吸
気温とに基づいて当該エンジン1の吸気充填効率をエン
ジン負荷として求める。
【0028】上記異常燃焼進角値演算手段15は、上記
回転数検出手段12によって検出されたエンジン回転数
Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸気充
填効率Ceとに基づき、エンジンに異常燃焼が発生しな
い進角値thtkg を所定の異常燃焼進角値マップから求め
る。
回転数検出手段12によって検出されたエンジン回転数
Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸気充
填効率Ceとに基づき、エンジンに異常燃焼が発生しな
い進角値thtkg を所定の異常燃焼進角値マップから求め
る。
【0029】上記異常燃焼進角値マップは、図2に示さ
れており、上記エンジン回転数Neと吸気充填効率Ce
とをパラメータとして異常燃焼進角値thtkg を定めたも
のである。すなわち、同マップは、エンジン回転数Ne
が低くなるほど、また吸気充填効率Ceが高くなるほど
進角値thtkg が小さくなる(遅角する)ように定められ
ている。同図の曲線は等進角値線である。また、低回転
高負荷を除く他の運転域ではデータとしてとり得る最大
の進角値thtkg になるように設定されており、このた
め、上記異常燃焼進角値演算手段15は実質的にはエン
ジンの低回転高負荷の運転域においてのみ異常燃焼進角
値thtkg を求めることになるものである。この点は後述
する。
れており、上記エンジン回転数Neと吸気充填効率Ce
とをパラメータとして異常燃焼進角値thtkg を定めたも
のである。すなわち、同マップは、エンジン回転数Ne
が低くなるほど、また吸気充填効率Ceが高くなるほど
進角値thtkg が小さくなる(遅角する)ように定められ
ている。同図の曲線は等進角値線である。また、低回転
高負荷を除く他の運転域ではデータとしてとり得る最大
の進角値thtkg になるように設定されており、このた
め、上記異常燃焼進角値演算手段15は実質的にはエン
ジンの低回転高負荷の運転域においてのみ異常燃焼進角
値thtkg を求めることになるものである。この点は後述
する。
【0030】上記ベストトルク進角値演算手段16は、
上記回転数検出手段12によって検出されたエンジン回
転数Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸
気充填効率Ceとに基づき、当該エンジン1が略最大の
出力を発生するベストトルク進角値thtbseを所定のベス
トトルク進角値マップから求める。
上記回転数検出手段12によって検出されたエンジン回
転数Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸
気充填効率Ceとに基づき、当該エンジン1が略最大の
出力を発生するベストトルク進角値thtbseを所定のベス
トトルク進角値マップから求める。
【0031】上記ベストトルク進角値マップは、図3に
示されており、上記エンジン回転数Neと吸気充填効率
Ceとをパラメータとしてベストトルク進角値thtbseを
エンジン1の全運転域において定めたものである。すな
わち、同マップは、エンジン回転数Neが高くなるほ
ど、また吸気充填効率Ceが低くなるほど進角値thtbse
が大きくなる(進角する)ように定められている。同図
の曲線は等進角値線である。
示されており、上記エンジン回転数Neと吸気充填効率
Ceとをパラメータとしてベストトルク進角値thtbseを
エンジン1の全運転域において定めたものである。すな
わち、同マップは、エンジン回転数Neが高くなるほ
ど、また吸気充填効率Ceが低くなるほど進角値thtbse
が大きくなる(進角する)ように定められている。同図
の曲線は等進角値線である。
【0032】上記進角値選択手段17は、上記異常燃焼
進角値演算手段15によって求められた異常燃焼進角値
thtkg と上記ベストトルク進角値演算手段16によって
求められたベストトルク進角値thtbseとのうち遅角側の
進角値を目標進角値として選択する一方、アイドル進角
ゾーンにあるときには、上記異常燃焼進角値thtkg と上
記アイドル進角値演算手段によって求められたアイドル
進角値thtidlとのうち遅角側の進角値を目標進角値とし
て選択するものである。
進角値演算手段15によって求められた異常燃焼進角値
thtkg と上記ベストトルク進角値演算手段16によって
求められたベストトルク進角値thtbseとのうち遅角側の
進角値を目標進角値として選択する一方、アイドル進角
ゾーンにあるときには、上記異常燃焼進角値thtkg と上
記アイドル進角値演算手段によって求められたアイドル
進角値thtidlとのうち遅角側の進角値を目標進角値とし
て選択するものである。
【0033】上記第1補正手段18は、上記エンジン温
度センサ11によって検出されたエンジン温度thw と、
上記吸気温センサ9によって検出された吸気温thaaとに
基づき、上記進角値選択手段17の選択に供される異常
燃焼進角値thtkg を、所定のエンジン高温度域において
はエンジン温度thw が高くなるほど、また吸気温thaaが
高くなるほど大きく遅角するように補正し、所定のエン
ジン低温度域においてはエンジン温度thw が低くなるほ
ど大きく進角するように補正する。
度センサ11によって検出されたエンジン温度thw と、
上記吸気温センサ9によって検出された吸気温thaaとに
基づき、上記進角値選択手段17の選択に供される異常
燃焼進角値thtkg を、所定のエンジン高温度域において
はエンジン温度thw が高くなるほど、また吸気温thaaが
高くなるほど大きく遅角するように補正し、所定のエン
ジン低温度域においてはエンジン温度thw が低くなるほ
ど大きく進角するように補正する。
【0034】上記異常燃焼進角値thtkg の補正の内容は
図4に具体的に示されている。すなわち、上記第1補正
手段18は、エンジン温度thw と吸気温thaaとをパラメ
ータとして設定された図4に示す異常燃焼進角値補正マ
ップを備えていて、該マップから補正値thtkgrを演算す
る。この場合、エンジン温度thw が中間温度域thw1〜th
w2にあるときには何の補正もされない。そして、上記補
正値thtkgrは、上記thw2以上の高温度域になると、エン
ジン温度thw が高くなるほど、また吸気温thaaが高くな
るほど大きく遅角するようにマイナスの値をとり、上記
thw1以下の低温度域になると、エンジン温度thw が低く
なるほど大きく進角するようにプラスの値をとる。
図4に具体的に示されている。すなわち、上記第1補正
手段18は、エンジン温度thw と吸気温thaaとをパラメ
ータとして設定された図4に示す異常燃焼進角値補正マ
ップを備えていて、該マップから補正値thtkgrを演算す
る。この場合、エンジン温度thw が中間温度域thw1〜th
w2にあるときには何の補正もされない。そして、上記補
正値thtkgrは、上記thw2以上の高温度域になると、エン
ジン温度thw が高くなるほど、また吸気温thaaが高くな
るほど大きく遅角するようにマイナスの値をとり、上記
thw1以下の低温度域になると、エンジン温度thw が低く
なるほど大きく進角するようにプラスの値をとる。
【0035】上記ベストトルク進角値の補正のために第
2補正手段19は、上記エンジン温度センサ11によっ
て検出されたエンジン温度thw に基づき、上記進角値選
択手段17の選択に供されるベストトルク進角値thtbse
をエンジン温度thw が低くなるほど大きく進角するよう
に補正する。すなわち、当該補正手段19は、図5に示
されるベストトルク進角値補正テーブルによって補正値
thtthwを演算する。この場合、実質的にはエンジン冷間
時において進角補正がなされる。
2補正手段19は、上記エンジン温度センサ11によっ
て検出されたエンジン温度thw に基づき、上記進角値選
択手段17の選択に供されるベストトルク進角値thtbse
をエンジン温度thw が低くなるほど大きく進角するよう
に補正する。すなわち、当該補正手段19は、図5に示
されるベストトルク進角値補正テーブルによって補正値
thtthwを演算する。この場合、実質的にはエンジン冷間
時において進角補正がなされる。
【0036】上記アイドル進角ゾーン判定手段は、上記
アイドルスイッチ10によってスロットル弁6の全閉が
検出され、且つ上記回転数検出手段12によってエンジ
ン回転数Neが所定値以下であることが検出されている
ときに、当該エンジン1はアイドル進角ゾーンにあると
判定するものである。
アイドルスイッチ10によってスロットル弁6の全閉が
検出され、且つ上記回転数検出手段12によってエンジ
ン回転数Neが所定値以下であることが検出されている
ときに、当該エンジン1はアイドル進角ゾーンにあると
判定するものである。
【0037】さらに、アイドル進角値演算手段は、上記
回転数検出手段12によって検出されたエンジン回転数
Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸気充
填効率Ceとに基づき、アイドル運転時に適したアイド
ル進角値thtidlを所定のアイドル進角値マップから求め
る。
回転数検出手段12によって検出されたエンジン回転数
Neと上記負荷検出手段20によって検出された吸気充
填効率Ceとに基づき、アイドル運転時に適したアイド
ル進角値thtidlを所定のアイドル進角値マップから求め
る。
【0038】上記点火時期制御装置14による点火時期
制御の流れは図6に示されている。上記異常燃焼進角値
演算手段15によって当該エンジン運転状態での異常燃
焼進角値thtkg が異常燃焼進角値マップから演算される
とともに、上記第1補正手段18によって補正値thtkgr
が演算されて上記異常燃焼進角値thtkg が補正される
(ステップS1)。次にアイドル進角ゾーン判定手段に
よってエンジンが当該ゾーンにないことが判定される
と、ベストトルク進角値演算手段16によって当該運転
状態でのベストトルク進角値thtbseがベストトルク進角
値マップから演算されるとともに、上記第2補正手段1
9によって補正値thtthwが演算されて上記ベストトルク
進角値thtbseが補正される(ステップS2〜S4)。
制御の流れは図6に示されている。上記異常燃焼進角値
演算手段15によって当該エンジン運転状態での異常燃
焼進角値thtkg が異常燃焼進角値マップから演算される
とともに、上記第1補正手段18によって補正値thtkgr
が演算されて上記異常燃焼進角値thtkg が補正される
(ステップS1)。次にアイドル進角ゾーン判定手段に
よってエンジンが当該ゾーンにないことが判定される
と、ベストトルク進角値演算手段16によって当該運転
状態でのベストトルク進角値thtbseがベストトルク進角
値マップから演算されるとともに、上記第2補正手段1
9によって補正値thtthwが演算されて上記ベストトルク
進角値thtbseが補正される(ステップS2〜S4)。
【0039】そして、各々補正された上記異常燃焼進角
値thtkg とベストトルク進角値thtbseとのうちから、遅
角側のものが目標進角値として上記進角値選択手段17
によって選択されて目標進角値が設定され、当該目標進
角値でもって上記ディストリビュータ13の進角が制御
される(ステップS5〜S7)。
値thtkg とベストトルク進角値thtbseとのうちから、遅
角側のものが目標進角値として上記進角値選択手段17
によって選択されて目標進角値が設定され、当該目標進
角値でもって上記ディストリビュータ13の進角が制御
される(ステップS5〜S7)。
【0040】また、上記アイドル進角ゾーンにある場合
には、上記アイドル進角値演算手段によって当該運転状
態でのアイドル進角値thtidlがアイドル進角値マップか
ら求められるとともに、上記第2補正手段19による補
正がなされる(ステップS8,S9)。そして、各々補
正された上記異常燃焼進角値thtkg とアイドル進角値th
tidlとのうちから、遅角側のものが目標進角値として上
記進角値選択手段17によって選択される(ステップS
10)。そうして、当該選択された目標進角値から点火
時期フィードバック制御(アイドル回転数制御)のため
の余裕進角値を減算した値が目標進角値として設定され
る(ステップS11,S6)。
には、上記アイドル進角値演算手段によって当該運転状
態でのアイドル進角値thtidlがアイドル進角値マップか
ら求められるとともに、上記第2補正手段19による補
正がなされる(ステップS8,S9)。そして、各々補
正された上記異常燃焼進角値thtkg とアイドル進角値th
tidlとのうちから、遅角側のものが目標進角値として上
記進角値選択手段17によって選択される(ステップS
10)。そうして、当該選択された目標進角値から点火
時期フィードバック制御(アイドル回転数制御)のため
の余裕進角値を減算した値が目標進角値として設定され
る(ステップS11,S6)。
【0041】従って、以上から明らかなように、アイド
ル進角ゾーン以外の運転領域では、異常燃焼進角値thtk
g とベストトルク進角値thtbseとの比較により、遅角側
のものが目標進角値として設定されるが、低回転高負荷
の運転域では異常燃焼進角値thtkg の方が遅角側にある
ため当該異常燃焼進角値thtkg が目標進角値として設定
される。一方、他の運転域では異常燃焼進角値thtkg に
データとしてとり得る最大値が与えられるため、ベスト
トルク進角値thtbseが目標進角値として設定されること
になる。
ル進角ゾーン以外の運転領域では、異常燃焼進角値thtk
g とベストトルク進角値thtbseとの比較により、遅角側
のものが目標進角値として設定されるが、低回転高負荷
の運転域では異常燃焼進角値thtkg の方が遅角側にある
ため当該異常燃焼進角値thtkg が目標進角値として設定
される。一方、他の運転域では異常燃焼進角値thtkg に
データとしてとり得る最大値が与えられるため、ベスト
トルク進角値thtbseが目標進角値として設定されること
になる。
【0042】しかして、異常燃焼進角値thtkg のエンジ
ン温度thw 及び吸気温thaaによる補正と、ベストトルク
進角値thtbseのエンジン温度thw による補正とは、異な
る基準で別個独立に行なわれ互いに影響を与えないか
ら、低回転高負荷の運転域での異常燃焼を確実に防止し
ながら、全運転域において可能な限り最大のエンジント
ルクを得ることができるものである。
ン温度thw 及び吸気温thaaによる補正と、ベストトルク
進角値thtbseのエンジン温度thw による補正とは、異な
る基準で別個独立に行なわれ互いに影響を与えないか
ら、低回転高負荷の運転域での異常燃焼を確実に防止し
ながら、全運転域において可能な限り最大のエンジント
ルクを得ることができるものである。
【0043】具体的には、低回転高負荷運転域において
高温度域でのエンジン温度thw に基づく異常燃焼進角値
thtkg の遅角補正を大きくすることができ、これによ
り、当運転域での異常燃焼を確実に防止することができ
る。そして、このようにしても他の運転域のベストトル
ク進角値thtbseは影響を受けないから、当該他の運転域
では遅角のないベストトルク進角値thtbseでもって点火
時期を設定し高いエンジントルクを得ることができるこ
とになる。このことは、吸気温thaaによる異常燃焼進角
値thtkg の遅角補正に関しても同様に当てはまる。
高温度域でのエンジン温度thw に基づく異常燃焼進角値
thtkg の遅角補正を大きくすることができ、これによ
り、当運転域での異常燃焼を確実に防止することができ
る。そして、このようにしても他の運転域のベストトル
ク進角値thtbseは影響を受けないから、当該他の運転域
では遅角のないベストトルク進角値thtbseでもって点火
時期を設定し高いエンジントルクを得ることができるこ
とになる。このことは、吸気温thaaによる異常燃焼進角
値thtkg の遅角補正に関しても同様に当てはまる。
【0044】また、低回転高負荷の運転域において低温
度域でのエンジン温度thw に基づく異常燃焼進角値thtk
g の進角補正を大きくすることができ、これにより、エ
ンジン温度thw が低いにも拘らず、点火時期が大きく遅
角されたままになることを防止して高いエンジントルク
を得ることが可能になる。よって、エンジン冷間時に自
動変速機のチェンジレバーを走行レンジにシフトした際
でも、エンジン出力の増大を期待することができ、トル
ク不足によるエンジン回転数の落ち込みを防ぐことがで
きる。
度域でのエンジン温度thw に基づく異常燃焼進角値thtk
g の進角補正を大きくすることができ、これにより、エ
ンジン温度thw が低いにも拘らず、点火時期が大きく遅
角されたままになることを防止して高いエンジントルク
を得ることが可能になる。よって、エンジン冷間時に自
動変速機のチェンジレバーを走行レンジにシフトした際
でも、エンジン出力の増大を期待することができ、トル
ク不足によるエンジン回転数の落ち込みを防ぐことがで
きる。
【0045】そうして、このようにしても、他の運転域
のベストトルク進角値thtbseが余分に進角補正されるこ
とはないから、当該他の運転域では所期のベストトルク
進角値thtbseによってエンジンの燃焼を行なわせること
ができ、高いエンジントルクを得ることに支障はない。
のベストトルク進角値thtbseが余分に進角補正されるこ
とはないから、当該他の運転域では所期のベストトルク
進角値thtbseによってエンジンの燃焼を行なわせること
ができ、高いエンジントルクを得ることに支障はない。
【0046】さらに、上記他の運転域において低温度域
でのエンジン温度thw に基づくベストトルク進角値thtb
seの進角補正は、ベストトルク進角値に適した進角補正
とすることができるから、エンジントルクを高める上で
有利になる。
でのエンジン温度thw に基づくベストトルク進角値thtb
seの進角補正は、ベストトルク進角値に適した進角補正
とすることができるから、エンジントルクを高める上で
有利になる。
【0047】また、上述の如く、異常燃焼進角値thtkg
とベストトルク進角値thtbseとを別個に求めて、遅角側
のものを目標進角値として設定する構成であるから、低
回転高負荷運転域と他の運転域との境界領域において
も、そのときの運転状態に適した進角値を得ることがで
き、運転性の向上が図れる。
とベストトルク進角値thtbseとを別個に求めて、遅角側
のものを目標進角値として設定する構成であるから、低
回転高負荷運転域と他の運転域との境界領域において
も、そのときの運転状態に適した進角値を得ることがで
き、運転性の向上が図れる。
【図1】エンジンの点火時期制御装置の全体構成図
【図2】異常燃焼進角値マップ図
【図3】ベストトルク進角値マップ図
【図4】異常燃焼進角値補正マップ図
【図5】ベストトルク進角値補正テーブル図
【図6】点火時期制御のフロー図
【図7】従来の基本進角マップ図
【図8】エンジン低温度域進角値補正テーブル図
【図9】エンジン高温度域進角値補正テーブル図
【図10】吸気温進角値補正テーブル図
1 エンジン 2 吸気通路 5 エアフローセンサ 9 吸気温センサ 11 エンジン温度センサ 12 回転数検出手段 13 ディストリビュータ(点火時期調節手段) 14 点火時期制御手段 15 異常燃焼進角値演算手段 16 ベストトルク進角値演算手段 17 進角値選択手段 18 第1補正手段(高温時補正手段,低温時補正手
段,吸気温補正手段) 19 第2補正手段(温度補正手段) 20 負荷検出手段
段,吸気温補正手段) 19 第2補正手段(温度補正手段) 20 負荷検出手段
Claims (4)
- 【請求項1】エンジンの点火時期を調節する点火時期調
節手段と、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、 エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、 エンジン温度を検出するエンジン温度検出手段と、 上記回転数検出手段、負荷検出手段及びエンジン温度検
出手段の各検出信号に基づいて目標進角値を設定し、上
記点火時期調節手段を点火時期が当該目標進角値になる
ように制御する点火時期制御手段とを備えていて、 上記点火時期制御手段の目標進角値設定手段が、 エンジンの低回転高負荷の運転域において、上記回転数
検出手段によって検出されたエンジン回転数と上記負荷
検出手段によって検出されたエンジン負荷とに基づき、
エンジンに異常燃焼が発生しない進角値を目標進角値と
して求める異常燃焼進角値演算手段と、 エンジンの上記低回転高負荷運転域を除く他の運転域に
おいて、上記回転数検出手段によって検出されたエンジ
ン回転数と上記負荷検出手段によって検出されたエンジ
ン負荷とに基づき、エンジンが略最大の出力を発生する
進角値を目標進角値として求めるベストトルク進角値演
算手段と、 上記エンジン温度検出手段によって検出されたエンジン
温度に基づき、所定の高温度域において上記異常燃焼進
角値演算手段によって求められた目標進角値をエンジン
温度が高くなるほど大きく遅角するように補正する高温
時補正手段とを備えてなることを特徴とするエンジンの
点火時期制御装置。 - 【請求項2】上記エンジン温度検出手段によって検出さ
れたエンジン温度に基づき、所定の低温度域において上
記異常燃焼進角値演算手段によって求められた目標進角
値をエンジン温度が低くなるほど大きく進角するように
補正する低温時補正手段を備えている請求項1に記載の
エンジンの点火時期制御装置。 - 【請求項3】上記エンジンの吸気温を検出する吸気温検
出手段と、 上記吸気温検出手段によって検出された吸気温に基づ
き、上記異常燃焼進角値演算手段によって求められた目
標進角値を吸気温が高くなるほど大きく遅角するように
補正する吸気温補正手段とを備えている請求項1又は請
求項2に記載のエンジンの点火時期制御装置。 - 【請求項4】上記エンジン温度検出手段によって検出さ
れたエンジン温度に基づき、上記ベストトルク進角値演
算手段によって求められた目標進角値をエンジン温度が
低くなるほど大きく進角するように補正する温度補正手
段を備えている請求項1乃至請求項3のいずれか一つに
記載のエンジンの点火時期制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04310725A JP3095554B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | エンジンの点火時期制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04310725A JP3095554B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | エンジンの点火時期制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06159209A true JPH06159209A (ja) | 1994-06-07 |
JP3095554B2 JP3095554B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=18008728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04310725A Expired - Fee Related JP3095554B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | エンジンの点火時期制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095554B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014199037A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関 |
WO2015128972A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-03 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
-
1992
- 1992-11-20 JP JP04310725A patent/JP3095554B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014199037A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関 |
WO2015128972A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-03 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
CN106030084A (zh) * | 2014-02-26 | 2016-10-12 | 日产自动车株式会社 | 内燃机的控制装置以及控制方法 |
EP3112644A4 (en) * | 2014-02-26 | 2017-03-22 | Nissan Motor Co., Ltd | Internal combustion engine control device and control method |
JPWO2015128972A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2017-03-30 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置及び制御方法 |
CN106030084B (zh) * | 2014-02-26 | 2020-03-27 | 日产自动车株式会社 | 内燃机的控制装置以及控制方法 |
US10731585B2 (en) | 2014-02-26 | 2020-08-04 | Nissan Motor Co., Ltd. | Control device of an internal combustion engine and a control method thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3095554B2 (ja) | 2000-10-03 |
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