JPH06158341A - 打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板 - Google Patents

打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板

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JPH06158341A
JPH06158341A JP32014792A JP32014792A JPH06158341A JP H06158341 A JPH06158341 A JP H06158341A JP 32014792 A JP32014792 A JP 32014792A JP 32014792 A JP32014792 A JP 32014792A JP H06158341 A JPH06158341 A JP H06158341A
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JP
Japan
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corrosion resistance
weight
iron plate
resin
relief annealing
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JP32014792A
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English (en)
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Minoru Takashima
島 稔 高
Hideo Kobayashi
林 秀 夫 小
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】表面に電気絶縁性の被膜を有する電気鉄板であ
って、該被膜はリン酸塩の1種または2種以上を含む溶
液にリン酸イオン10重量部に対して水性アミドイミド
樹脂を不揮発分で0.1〜50重量部添加した処理液を
基地鉄板の表面に塗布し、焼付工程を経て得たものであ
ることを特徴とする打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた
電気絶縁被膜を有する電気鉄板。処理液はさらにクロム
酸塩を含むのがよく、被膜付着量は0.2〜6g/m2とす
る。 【効果】本発明は、リン酸塩−有機樹脂系の絶縁被膜に
おいて樹脂成分を水性アミドイミド樹脂とすることによ
り打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気鉄板を製造で
きるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、打抜性、歪取焼鈍後耐
食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気鉄板の絶縁被膜は、電気絶縁性だけ
でなく溶接性、打抜性、耐食性などが優れていることが
必要である。従来、これらの要請を満足すべく種々の絶
縁被膜が考案されてきた。その主なものは、(1)クロ
ム酸塩やリン酸塩を主成分とする処理液を使用した無機
系被膜、(2)(1)の処理液に打抜性向上のため、潤
滑剤として、有機樹脂を配合した半有機系被膜である。
【0003】クロム酸塩を主成分とする処理液に有機樹
脂を配合するものとして、例えば、特公昭53−202
59号公報や特公昭60−3647号公報に開示の方法
がある。前者は、処理液中の無水クロム酸100重量部
に対して酢酸ビニル系樹脂10〜50重量%、アクリル
系樹脂20〜87重量%、およびスチレン系樹脂3〜3
0重量%の比率になるエマルジョン樹脂を3〜150重
量部の割合で配合した処理液を用いて絶縁被膜を形成す
る方法であり、後者は、処理液中の無水クロム酸100
重量部に対して酢酸ビニル/ベオバ比が90/10〜6
0/40の比率になる樹脂エマルジョンを樹脂固形分と
して5〜120重量部、配合したものを利用する方法で
ある。
【0004】リン酸塩を主成分とする処理液に有機樹脂
を配合するものとして、例えば、特開昭50−1034
38公報や特開昭60−169567公報に開示の方法
がある。前者は、リン酸イオン10重量部に対して0.
1〜50重量部のポリビニールアルコール、ポリアクリ
ル酸、アクリルエステルエマルジョンなどの酸可溶性有
機樹脂を配合した処理液を用いて、絶縁被膜を形成する
方法であり、後者は、リン酸塩を含む処理液にアクリル
系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱硬化性エポキ
シ樹脂エマルジョンを配合したものを利用する方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロム
酸塩を主成分とする処理液に有機樹脂を配合した処理液
を用いた被膜では、歪取焼鈍により被膜表面に微小な亀
裂が発生し、耐食性が劣化するという問題点があった。
【0006】また、リン酸塩を主成分とする処理液に前
記のような有機樹脂を配合した処理液を用いる方法で
は、被膜を不溶化するため300℃以上の高温で焼付け
ねばならず、焼付時に樹脂が熱分解し、十分な耐食性、
打抜性が得られないという問題点があった。
【0007】本発明は、前記問題点を解決した打抜性、
歪取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄
板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するため、ポリビニルアルコール、アクリル系
樹脂などより熱分解温度の高いアミドイミド樹脂に着目
し、鋭意研究を重ねた結果、リン酸塩を主成分とする処
理液に水性アミドイミド樹脂を添加することにより、打
抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた絶縁被膜を形成できる
ことを新しく見いだし本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は表面に電気絶縁性の被
膜を有する電気鉄板であって、該被膜はリン酸塩の1種
または2種以上を含む溶液にリン酸イオン10重量部に
対して水性アミドイミド樹脂を不揮発分で0.1〜50
重量部添加した処理液を基地鉄板の表面に塗布し、焼付
工程を経て得たものであることを特徴とする打抜性、歪
取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板
を提供する。
【0010】処理液はクロム酸塩を含むのが好ましく、
被膜付着量は0.2〜6g/m2にするのがよい。
【0011】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
によれば、少なくとも1種のリン酸塩を含む溶液に、リ
ン酸イオン10重量部に対して、水性アミドイミド樹脂
を不揮発分で0.1〜50重量部添加した処理液を基地
鉄板の表面に塗布し、常法による焼付工程を経て該基地
鉄板の表面に有機樹脂を含む絶縁被膜を被成することに
より上記目的を達成する。該被膜の付着量としては単位
面積1m2 当り、0.2〜6gが好適である。
【0012】本発明で用いる基地鉄板としては、軟鉄板
やけい素鋼板など、電磁材料として通常用いられるもの
いずれもが適合する。
【0013】本発明において使用するリン酸塩系水溶液
とは、例えばMg、Ca、Zn、Al等のリン酸塩の1
種または2種以上の混合溶液が用いられ、これらのリン
酸塩はリン酸の水溶液にMg、Ca、Zn、Al等の酸
化物、水酸化物、炭酸塩の1種または2種以上を溶解す
ることによって得ることができる。
【0014】また、上記リン酸系水溶液に添加されるア
ミドイミド樹脂は、アミド基(−NHCO−)とイミド
基(−N(CO)2 =)を有し、たとえば、
【化1】 なる構造を有し、芳香族直鎖状耐熱高分子化合物として
知られているものであるが、本発明に使用するためには
水溶化の必要がある。アミドイミド樹脂の水溶化は分岐
成分としてトリメシン酸を導入し、塩基性化合物を加え
る方法(特公昭60−6366号)、トリカルボン酸を
導入しカルボキシル基の一部をアンモニウム塩に変換す
る方法(特開昭56−139532号)など、親水基を
導入することにより可能である。更に、水溶化のかわり
に水性エマルジョン化したものを使用してもよい。
【0015】アミドイミド樹脂のリン酸系水溶液への添
加量に関しては、リン酸塩水溶液中のリン酸イオン10
重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.1
重量部未満では、打抜性が改善されず、一方、50重量
部超では歪取焼鈍後の密着性、耐食性が悪くなるため好
ましくない。
【0016】なお、上記処理液には被膜の耐食性、耐熱
性を向上させるため重クロム酸カリウムなど若干のクロ
ム酸塩を配合することもできる。
【0017】また、被膜を吸湿性がなく不溶性のものと
するために硝酸アルミニウム、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレ
ンノニルフェノールエーテルなどを反応促進剤として添
加することができる。
【0018】さらに、電気絶縁性を一層増大させるため
には、上記処理液にコロイダルシリカ、コロイダルアル
ミナなどを配合すると効果的である。
【0019】以上よりなる処理液を常法に従って、例え
ばロールコーター等で鋼板に塗布し、300℃〜800
℃の乾燥炉で焼きつけることによって目的とする良好な
電気絶縁被膜を形成することができる。
【0020】このとき、被膜付着量は0.2〜6g/m2
好ましい。0.2g/m2の被膜付着量では、打抜性向上の
効果が少なく、6g/m2超では、被膜の密着性が劣るから
である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0022】(実施例1)0.5mm厚電気鉄板(JI
S−S60相当)表面に、処理液塗付条件(a)による
電気絶縁被膜を形成した本発明電気鉄板(A)および処
理液塗付条件(b)による被膜を有する電気鉄板(B)
(従来例)について打抜性試験、歪取焼鈍後耐食性試験
等を行った。
【0023】(1)使用素材、電気鉄板(JIS−S6
0相当)板厚0.5mm (2)処理液組成、塗布焼付 (a)第1リン酸マグネシウムMg(H2 PO42
30%水溶液中のPO4 3- 10重量部に対して 水性アミドイミド樹脂 10重量部、 重クロ酸カリウムK2 Cr27 20重量部、 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル 1重量部、 を配合した処理液を、上記電気鉄板に塗布し、450℃
の熱風炉にて60秒焼付けた。 (b)重クロム酸マグネシウムMgCr27 30%
水溶液中のCrO3 10重量部に対して アクリル−酢酸ビニル樹脂 10重量部、 エチレングリコール 3重量部、 ほう酸 3重量部、 を配合した処理液を上記電気鉄板に塗布し、450℃の
熱風炉にて40秒焼付けた。 (3)結果 表1に示すように、(A)(B)ともに、打抜性、密着
性、耐冷媒性などは非常に優れているが、歪取焼鈍後耐
食性については、クロム酸塩−樹脂系被膜(B)より本
発明による被膜(A)が優れている。
【0024】(実施例2)リン酸塩水溶液に水性アミド
イミド樹脂を配合した本発明例(C)およびリン酸塩水
溶液にポリビニルアルコールを配合した従来例(D)に
ついて、打抜性試験等を行った。
【0025】 (1)使用素材 電気鉄板(JIS−S60相当) 板厚 0.5mm (2)処理液組成 (c)第1リン酸マグネシウム Mg(H2 PO42
30%水溶液中のPO4 3- 10重量部に対して 水性アミドイミド樹脂 10重量部、 重クロム酸カリウム K2 Cr27 20重量部、 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル 1重量部 (d)第1リン酸マグネシウム Mg(H2 PO42
30%水溶液中のPO4 3- 10重量部に対して、 ポリビニルアルコール 10重量部、 重クロム酸カリウムK2 Cr27 20重量部、 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル 1重量部 (3)塗布焼付 上記電気鉄板に処理液(c)(d)を塗布した後、45
0℃の熱風炉にて60秒焼きつけた。 (4)結果 (C)(D)の被膜の諸特性を表2に示す。(C)
(D)ともに電気絶縁性、密着性などは優れているが、
打抜性、耐食性についてはポリビニルアルコールを配合
した従来例(D)より水性アミドイミドを配合した本発
明による被膜(C)の方が優れている。
【0026】(実施例3)次に、リン酸塩水溶液に、水
性アミドイミド樹脂を種々の配合量添加した処理液を電
気鉄板に塗布し、焼付けた場合の諸特性について調べ
た。
【0027】(1)使用素材 電気鉄板(JIS−S
60相当) 板厚 0.5mm (2)処理液組成 第1リン酸マグネシウムMg(H2 PO42 30%
水溶液中のPO4 3- 10重量部に対して、 水性アミドイミド樹脂 0.05〜100重量部、 重クロム酸カリウムK2 Cr27 20重量部、 硝酸アルミニウム 20重量部 (3)塗布焼付 上記電気鉄板に上記処理液を塗布した後、450℃の熱
風炉にて60秒焼付けた。被膜付着量は1.6g/m2であ
った。 (4)結果 打抜性試験、歪取焼鈍後耐食性の結果を図1に示す。P
4 3- 10重量部に対して水性アミドイミド樹脂0.
1重量部未満では、打抜性に劣り、50重量部超では歪
取焼鈍後耐食性に劣る。
【0028】なお、試験条件は下記の通りである。 (1)電気絶縁性:JIS第2法 (2)密着性 as coated :10mmφ屈曲後テープ剥離 歪取焼鈍後:750℃×2時間 N2 ガス中にて焼鈍後
平板をテープ剥離 (3)耐食性 :塩水噴霧試験7時間後の発錆率
(%) (4)耐冷媒性 :フロン22:冷凍機油=9:1 80℃×10日間浸漬前後の重量減少 (5)耐溶剤性 :沸騰キシレン 140℃×6hr浸
漬前後の重量減少 (6)歪取焼鈍後耐食性:750℃×2時間 N2 ガス
中にて焼鈍後恒温恒湿槽(50℃ 80%)にて20日
間放置後の発錆率(%) (7)打抜性 :15mmφスチールダイスでかえり
高さが50μm に達するまでの打抜数
【0029】
【0030】
【0031】
【発明の効果】本発明は、リン酸塩−有機樹脂系の絶縁
被膜において樹脂成分を水性アミドイミド樹脂とするこ
とにより打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気鉄板を
製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性アミドイミド樹脂の配合量と打抜性、歪取
焼鈍後耐食性との関係を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に電気絶縁性の被膜を有する電気鉄板
    であって、該被膜はリン酸塩の1種または2種以上を含
    む溶液にリン酸イオン10重量部に対して水性アミドイ
    ミド樹脂を不揮発分で0.1〜50重量部添加した処理
    液を基地鉄板の表面に塗布し、焼付工程を経て得たもの
    であることを特徴とする打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優
    れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板。
  2. 【請求項2】前記処理液は、クロム酸塩を含む請求項1
    に記載の打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被
    膜を有する電気鉄板。
  3. 【請求項3】前記被膜の付着量が0.2〜6g/cm3 であ
    る請求項1または2に記載の打抜性、歪取焼鈍後耐食性
    に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板。
JP32014792A 1992-11-30 1992-11-30 打抜性、歪取焼鈍後耐食性に優れた電気絶縁被膜を有する電気鉄板 Withdrawn JPH06158341A (ja)

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