JPH0615799U

JPH0615799U - 越流堰の水平調整装置

Info

Publication number: JPH0615799U
Application number: JP5359292U
Authority: JP
Inventors: 一男高坂; 正也大沼; 淳日比野
Original assignee: Hitachi Chemical Co Ltd; Showa Denko Materials Co Ltd
Current assignee: Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date: 1992-07-30
Filing date: 1992-07-30
Publication date: 1994-03-01
Anticipated expiration: 2007-07-30
Also published as: JP2591816Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】浄化槽の据付時における水平不良において
も、越流堰全域で均等に処理水を移流させることが可能
な越流堰の水平調整装置を安価に提供する。【構成】消毒槽３を浄化槽本体１の外壁１ａと本体内
部仕切壁２により仕切られた沈殿槽の上方に設置し、沈
殿槽からの処理水を消毒槽３の越流堰４から越流させる
ようにした浄化槽において、消毒槽３の一端を固定する
取付穴を水平方向の長穴９ａと垂直方向の長穴９ｂとの
組合せからなるものとし、そのいずれか一方の取付穴を
消毒槽３における越流堰４両端の直角な立上り壁面３ｂ
に設け、他方の取付穴を消毒槽３と本体内部仕切壁２に
わたって取り付けるスカムバッフル５に設けた越流堰４
の水平調整装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、浄化槽の消毒槽における越流堰の水平調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、浄化槽の沈殿槽から消毒槽へ流入する上澄液を越流堰全域で均等に移流させるための調整方法としては、越流堰の堰板部分を別体として越流堰本体に取り付け可能とした上、本体との重合部分に縦方向の長穴を設け、上下に調整してビス止めするか、堰の越流部分にシリコン等のコーキング材及び樹脂を盛りつけたり、高い部分を削り取る方法が行われている。このほか、実開昭５５−４３５４５号公報や実公昭５７−５３６７４号公報に示される方法がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、堰板部分を越流堰本体と別体とする方法は、堰板部分と堰本体とのシールが難しく、また、コーキング材等を盛りつけたり、堰上部を削り取る方法では、現地での作業が非常に困難になるなどの問題があった。一方、実開昭５５−４３５４５号公報に示されるものは、現地においての上下の調整は容易であるが、堰の幅方向の水平調整を行う場合は非常に困難である。更に、実公昭５７−５３６７４号公報に示される方法は越流堰本体と消毒槽本体とのシール性が難しいこと、消毒槽の構成が２ピースとなること等から、製作費が高価になるという問題点があった。また上記の例において、消毒槽本体及び浄化槽の仕切板がスカムバッフルを介して固定されている場合等、浄化槽製作時に生ずる仕切板と消毒槽取り付け時の前後の寸法誤差を吸収しきれないという問題点があった。

【０００４】本考案は、上記した問題点を解消し、浄化槽本体の据付時における水平不良においても、越流堰全域で均等に処理水を移流させることが可能な越流堰の水平調整装置を安価に提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、消毒槽を浄化槽本体外壁と本体内部仕切壁により仕切られた沈殿槽の上方に設置し、沈殿槽からの処理水を消毒槽の越流堰から越流させるようにした浄化槽において、消毒槽の一端を固定する取付穴を水平方向の長穴と垂直方向の長穴との組合せからなるものとし、そのいずれか一方の取付穴を消毒槽における越流堰両端の直角な立上り壁面に設け、他方の取付穴を消毒槽と本体内部仕切壁にわたって取り付けるスカムバッフルに設けた越流堰の水平調整装置に関するものである。

【０００６】本考案において、消毒槽は、一方を浄化槽本体外壁に取り付け、他方はその越流堰の部分でスカムバッフルを介して本体内部仕切壁に取り付けて浄化槽に固定される。後者の仕切壁側に固定するための取付穴は水平方向の長穴と垂直方向の長穴との組合せからなるものとし、垂直方向の長穴は越流堰の水平調整を兼ね、水平方向の長穴は浄化槽本体と消毒槽との位置がずれた場合等にその位置調整を兼ねるものである。そして、図２に示すように水平方向の長穴を越流堰４両端の直角な立上り壁面３ｂに設け、垂直方向の長穴をスカムバッフル５の前記越流堰両端との取付部に設ける組合せが好ましい。しかしながら、これとは逆にして、水平方向の長穴をスカムバッフルの越流堰両端との取付部に設け、垂直方向の長穴を越流堰両端の直角な立上り壁面に設ける組合せでもよい。いずれの場合も、図２に示すように２種類の長穴９ａ、９ｂを重ね、固定ボルト８を通して越流堰をスカムバッフルに取り付け、スカムバッフルの他端１１を仕切壁２に取り付けて消毒槽を浄化槽本体に固定する。このようにして越流堰を垂直方向の長穴に沿って上下させることにより水平調整を行うことができる。また、上記のように２種類の穴を重ねないで、水平方向の長穴を越流堰両端の直角な立上り壁面に設けた場合に、垂直方向の長穴を仕切壁２と接するスカムバッフル５の端面１１又は仕切壁２側に設けてもよい。

【０００７】消毒槽における越流堰と消毒槽本体壁面との間の処理水移流水路の板厚を消毒槽本体及び越流堰樋よりも薄肉にすれば、処理水移流水路が曲がり易くなって越流堰の傾斜角度及び上下の調整が容易になり、好ましい。また、消毒槽の本体、越流堰、越流堰樋、処理水移流水路等を一体成形品で製作すれば、安価で見映えが良く、寸法精度が良く特に越流堰の均一なものが得られ、好ましい。

【０００８】

【実施例】

次に本考案の実施例を説明する。図１は本考案の実施例になる浄化槽の中央断面図、図２は図１の浄化槽中の消毒槽の斜視図、図３は図２の消毒槽の平面図、図４は図３の消毒槽のＡ−Ａ断面図、図５は越流堰水平調整部分の拡大斜視図及び図６は図４の消毒槽のＢ−Ｂ断面図を示す。前記消毒槽３は、図１に示すように浄化槽本体１の外壁１ａ及び仕切壁２で構成される沈殿槽の上部位置に配設され、図４に示すソケット１２及び下記するようにスカムバッフル５を介して浄化槽本体１に固定される。図２及び図３に示すように、消毒槽３は消毒槽本体３ａ、越流堰４、越流堰樋６、処理水移流水路７から構成される一体形成形品とした。越流堰４の側壁は上縁がＶ字状の山形が連なる鋸歯状に形成されており、その両端の直角の立上り壁面３ｂの上部には消毒槽固定用の取付穴９ａが水平方向に長く開口している。また、消毒槽３と本体内部の仕切壁２にわたって取り付けるスカムバッフル５は、消毒槽側が立上り壁面３ｂに接して取り付けられるが、その消毒槽固定用の取付穴９ｂが前記の取付穴９ａに対して垂直方向に長く開口している。図５にも示すように、この取付穴９ａ及び９ｂに固定ボルト８を通して締結して越流堰４の両端で消毒槽３をスカムバッフル５に取り付け、スカムバッフル５の他端の端面１１の部分をボルトにより仕切壁２に取り付けることにより消毒槽３を浄化槽本体１に固定する。なお、１０は消毒筒である。

【０００９】図３及び図４に示す前記消毒槽３の構成部分である越流堰樋６と消毒槽本体３ａの壁面とを結ぶ処理水移流水路７の板厚は、消毒槽本体３ａ及び越流堰樋６の肉厚に対して肉薄となっている。図５及び図６において、越流堰４の水平を調整する場合即ち越流堰４を傾斜させる場合には、固定ボルト８を外して、立上り壁面３ｂをスカムバッフル５の取付穴９ｂに沿って上下させることによって可能である。この取付穴９ｂは、実際の現場での施工不良による水平の狂いに対処できる長さを十分に有している。また、越流堰樋６と消毒槽本体３ａの壁面とを結ぶ処理水移流水路７の板厚が肉薄で曲がり易くなっているため、上記固定ボルト８による越流堰４の上下の調整を容易に行うことが出来る。

【００１０】次に、浄化槽本体を製作中、仕切壁２と浄化槽本体１の外壁１ａとの間隔に誤差が生じた場合には、消毒槽３における取付位置の前後の調整の必要が生ずる。この場合は、消毒槽３をスカムバッフル５に取り付ける際に、立上り壁面３ｂの取付穴９ａを前後させて固定ボルト８を締結することにより、消毒槽３は正確に固定される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、浄化槽本体が水平に据え付けられなかった場合においても、現地で越流堰の水平調整が容易にかつ正確に行うことが出来るので、沈殿槽から消毒槽への移流水は越流堰の全域を均等に流れることになり、浄化槽は正常な浄化機能を発揮すると共に、消毒用薬剤と汚水との十分な接触が可能となることから滅菌効果も安定したものとなる。また、浄化槽本体の製作時に取付位置の誤差が生じても、容易に対処できるほか、水張り試験時に正確な水平調整が出来るので、信頼性の高い浄化槽を供給できる。更に、消毒槽を一体成形品で製作すれば、安価で製品精度の高い浄化槽を供給することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例になる浄化槽の中央断面図であ
る。

【図２】図１の浄化槽中の消毒槽の斜視図である。

【図３】図２の消毒槽の平面図である。

【図４】図３の消毒槽のＡ−Ａ断面図である。

【図５】越流堰水平調整部分の拡大斜視図である。

【図６】図４の消毒槽のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１…浄化槽本体、１ａ…外壁、２…仕切壁、３…消毒
槽、３ａ…消毒槽本体、３ｂ…立上り壁面、４…越流
堰、５…スカムバッフル、６…越流堰樋、７…処理水移
流水路、８…固定ボルト、９ａ、９ｂ…取付穴、１０…
消毒筒、１１…端面、１２…ソケット

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】消毒槽を浄化槽本体外壁と本体内部仕切
壁により仕切られた沈殿槽の上方に設置し、沈殿槽から
の処理水を消毒槽の越流堰から越流させるようにした浄
化槽において、消毒槽の一端を固定する取付穴を水平方
向の長穴と垂直方向の長穴との組合せからなるものと
し、そのいずれか一方の取付穴を消毒槽における越流堰
両端の直角な立上り壁面に設け、他方の取付穴を消毒槽
と本体内部仕切壁にわたって取り付けるスカムバッフル
に設けた越流堰の水平調整装置。
【請求項２】消毒槽における越流堰両端の直角な立上
り壁面に水平方向の長穴を設け、スカムバッフルの前記
越流堰両端との取付部に垂直方向の長穴を設けた取付穴
の組合せからなる請求項１記載の越流堰の水平調整装
置。
【請求項３】消毒槽における越流堰と消毒槽本体壁面
との間の処理水移流水路の板厚を、消毒槽本体及び越流
堰樋よりも薄肉とした請求項１記載の越流堰の水平調整
装置。