JPH06157733A - 液晶性ポリエステル - Google Patents

液晶性ポリエステル

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JPH06157733A
JPH06157733A JP33510792A JP33510792A JPH06157733A JP H06157733 A JPH06157733 A JP H06157733A JP 33510792 A JP33510792 A JP 33510792A JP 33510792 A JP33510792 A JP 33510792A JP H06157733 A JPH06157733 A JP H06157733A
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JP
Japan
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liquid crystalline
crystalline polyester
structural unit
polyester
cooh
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Application number
JP33510792A
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English (en)
Inventor
Osamu Kidai
修 木代
Rie Shirahama
理恵 白浜
Hideko Akai
日出子 赤井
Masatoshi Kimura
昌敏 木村
Toshiyuki Hamano
俊之 浜野
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流動性、耐熱性に優れ、耐バリ性や離型性など
の成形性にも優れ、そして、ハンダ耐熱性と優れた力学
特性(特に高弾性率化とIzod衝撃強度の向上)、耐
加水分解性および電気特性を有し、且つ、芳香族系のガ
スの発生が極端に少ない射出成形品を与えることの出来
る液晶ポリエステルを提供する。 【構成】下記の化学式(1)〜(5)で示される構造単
位から成り(但し、化学式(1)中のR1 は1,4−フ
ェニレン基および/または2,6−ナフチレン基を示
す)、これらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表し
た場合、各構造単位のモル分率が一定の範囲を満足し、
且つ、末端基が主としてCH3 COO−基と−COOH
基より成り、各末端基の濃度をそれぞれ[CH3 COO
−]及び[−COOH]で表した場合、末端基の濃度差
が一定の範囲を満足し、そして、温度320℃、剪断速
度1000sec-1の条件下で測定した溶融粘度が30
ポイズ以上である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性ポリエステルに
関するものであり、詳しくは、流動性、耐熱性に優れ、
耐バリ性や離型性などの成形性にも優れ、そして、ハン
ダ耐熱性と優れた力学特性、耐加水分解性および電気特
性を有し、且つ、芳香族系のガスの発生が極端に少ない
射出成形品を与えることの出来る液晶性ポリエステルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐熱性の高い液晶性ポリエス
テルとして、全芳香族系ポリエステルが数多く開発され
ている。しかしながら、従来の全芳香族系ポリエステル
は、高い成形温度を必要とし、しかも、流動性が十分で
はなく、そればかりか、原料的にコストが高く、また、
従来の装置では製造出来ないと言う問題がある。一方、
特公昭56−18016号公報には、構造単位として、
−OCH2 CH2 O−鎖のような脂肪鎖を含む液晶性ポ
リエステルが提案されているが、斯かる液晶性ポリエス
テルは、耐熱性が十分ではない。
【0003】これに対し、例えば、特開昭51−839
5号公報、同63−30523号公報、同64−331
23号公報、特開平1−174524号公報には、上記
の構造単位と共に−O−Ar・O−(Arは芳香環)を
含有する液晶性ポリエステルが提案されている。
【0004】しかしながら、特開昭51−8395号公
報にて提案された組成比の液晶性ポリエステルは、依然
として耐熱性が不足しており、また、特開昭63−30
523号公報および同64−33123号公報の提案で
は、液晶性ポリエステルの耐加水分解性や離型性につい
ては何ら考慮されておらず、しかも、液晶性ポリエステ
ルの力学特性が芳しくない(例えば、弾性率やIzod
衝撃強度が十分に高くない)。特開平1−174524
号公報の提案においても、液晶性ポリエステルの耐加水
分解性や離型性については何ら考慮されておらず、力学
特性が芳しくない(例えば、曲げ強度や伸度およびIz
od衝撃強度が十分に高くない)。
【0005】液晶性ポリエステルの耐加水分解性の改良
のために、一官能性化合物で末端を封止する方法も提案
されているが、斯かる方法では、重合速度が大幅に低下
し、一官能性化合物がガスとなって発生するという問題
があり、しかも、液晶性ポリエステルの金属との密着性
がよくないと言う問題がある。更に、ビスオキサゾリン
やカルボジイミドを用いて鎖延長する方法もあるが、斯
かる方法では、液晶性ポリエステルの耐熱性の低下を招
いたり、液晶性ポリエステル中の未反応物がガス発生の
原因になると言う問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、流動性、耐熱性
に優れ、耐バリ性や離型性などの成形性にも優れ、そし
て、ハンダ耐熱性と優れた力学特性(特に高弾性率化と
Izod衝撃強度の向上)、耐加水分解性および電気特
性を有し、且つ、芳香族系のガスの発生が極端に少ない
射出成形品を与えることの出来る液晶性ポリエステルを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、下記の化学式(1)〜(5)で示される構造単位か
ら成り(但し、化学式(1)中のR1 は1,4−フェニ
レン基および/または2,6−ナフチレン基を示す)、
これらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表した場
合、各構造単位のモル分率が下記の(I )〜(VII)の数
式を満足し、且つ、末端基が主としてCH3 COO−基
と−COOH基より成り、各末端基の濃度をそれぞれ
[CH3 COO−]及び[−COOH]で表した場合、
末端基の濃度差が下記の(VIII)の数式を満足し、そし
て、温度320℃、剪断速度1000sec-1の条件下
で測定した溶融粘度が30ポイズ以上であることを特徴
とする液晶性ポリエステルに存する。
【0008】
【化2】
【0009】
【数2】 [CH3 COO−]−[−COOH]≧30(eq/106 g) (VIII)
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明の液晶性ポリエステルの構造単位について説明す
る。本発明の液晶性ポリエステルは、前記の化学式
(1)〜(5)で示される構造単位から成る。化学式
(1)で示される構造単位において、R1 は1,4−フ
ェニレン基および/または2,6−ナフチレン基を示
す。そして、特に、耐熱性および弾性率の優れた液晶性
ポリエステルを目的とする場合は、R1 として1,4−
フェニレン基が好適であり、また、特に、耐加水分解性
および力学強度の優れた液晶性ポリエステルを目的とす
る場合は、R1 として2,6−ナフチレン基が好適であ
る。
【0011】本発明の液晶性ポリエステルにおいては、
化学式(1)で示される構造単位として、R1 が1,4
−フェニレン基である構造単位とR1 が2,6−ナフチ
レン基である構造単位の両者を含有していてもよい。し
かしながら、上記の2つの構造単位を含有する液晶性ポ
リエステルよりも、何れか一方の構造単位を含有する液
晶性ポリエステルの方が耐熱性および重合安定性の点で
優れる。そして、コストの点からは、化学式(1)で示
される構造単位として、R1 が1,4−フェニレン基で
ある構造単位を含有する液晶性ポリエステルが有利であ
る。
【0012】本発明の液晶性ポリエステルの特徴は、化
学式(3)で示される構造単位と化学式(4)で示され
る構造単位を含有している点にある。化学式(3)で示
される構造単位を含有しない液晶性ポリエステルは、弾
性率やIzod衝撃強度が低く、また、化学式(4)で
示される構造単位を含有しない液晶性ポリエステルは、
曲げ強度や伸度のみならずIzod衝撃強度が低く、更
に、溶融重合終了時に行われる釜の底からの抜き出しが
困難となる。
【0013】本発明の液晶性ポリエステルは、化学式
(3)で示される構造単位と化学式(4)で示される構
造単位を含有していることにより、弾性率、曲げ及び引
張り強度、伸度、Izod衝撃強度の何れもが向上し、
しかも、耐熱性の低下は殆ど認められず、更に、溶融重
合終了時に行われる釜の底からの抜き出しも容易であ
る。
【0014】化学式(3)で示される構造単位におい
て、メチル置換基は重要であり、フェニル環にメチル基
以外の大きな置換基が結合した構造単位またはメチル基
が2個以上結合した構造単位を含有する液晶性ポリエス
テルは、耐熱性が低い。本発明の液晶性ポリエステルに
おいては、前記の化学式(1)〜(5)で示される構造
単位は、これらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表
した場合、以下に説明するように一定のモル分率である
ことが必要である。
【0015】構造単位(5)のモル分率は、前記の数式
(I)を満足する範囲であることが必要である。構造単位
(5)のモル分率が0.60未満の液晶性ポリエステル
は、耐熱性および耐加水分解性が低く、0.77を超え
る液晶性ポリエステルは、流動性および力学特性が低
い。構造単位(5)のモル分率は、前記の数式(I)で規
定するモル分率において、0.63〜0.75の範囲が
好ましく、0.66〜0.72の範囲が更に好ましい。
【0016】構造単位(2)のモル分率は、前記の数式
(II) を満足する範囲であることが必要である。構造単
位(2)のモル分率が0.05未満の液晶性ポリエステ
ルは、流動性および力学特性が低く、0.15を超える
液晶性ポリエステルは、耐熱性が低い。構造単位(2)
のモル分率は、前記の数式(II) で規定するモル分率に
おいて、0.07〜0.12の範囲が好ましい。
【0017】構造単位(1)のモル分率は、前記の数式
(III) を満足する範囲であることが必要である。構造単
位(1)のモル分率が0.10未満の液晶性ポリエステ
ルは、流動性および力学特性が低く、0.20を超える
液晶性ポリエステルは、耐熱性が低い。構造単位(1)
のモル分率は、前記の数式(III) で規定するモル分率に
おいて、0.12〜0.18の範囲が好ましい。
【0018】構造単位(3)、(4)及び(5)の合計
モル分率は、前記の数式(IV)を満足する範囲であること
が必要である。上記の合計モル分率が0.80未満の液
晶性ポリエステルは、耐熱性が低く、0.96を超える
液晶性ポリエステルは、流動性および力学特性が低い。
上記の合計モル分率は、前記の数式(IV)で規定するモル
分率において、0.83〜0.94の範囲が好ましく、
0.85〜0.92の範囲が更に好ましい。
【0019】構造単位(1)のモル分率は、前記の数式
(III) の他、前記の数式(V) を満足する範囲であること
が必要である。斯かるモル分率の規定は、本発明の液晶
性ポリエステルの末端基との関係において重要な意義を
有する。すなわち、本発明の液晶性ポリエステルは、後
述するように、末端基が主としてアセトキシ基(CH3
COO−基)とカルボキシル基(−COOH基)から成
り、しかも、アセトキシ基の方が多くなければならな
い。前記の数式(V) において、構造単位(1)のモル分
率が1以上の液晶性ポリエステルでは、カルボキシル基
の方がアセトキシ基よりも多くなり、0.80未満の液
晶性ポリエステルでは、重合度が低いため、力学特性が
低い。構造単位(1)のモル分率は、前記の数式(V) に
おいて、0.85〜0.98の範囲が好ましく、0.8
8〜0.96の範囲が更に好ましい。
【0020】構造単位(3)及び(4)の合計モル分率
は、前記の数式(VI)を満足する範囲であることが必要で
ある。上記の合計モル分率が0.20未満の液晶性ポリ
エステルは、耐熱性および耐加水分解性が低く、0.8
0を超える液晶性ポリエステルは、流動性が低い。上記
の合計モル分率は、前記の数式(VI)で規定するモル分率
において、0.25〜0.75の範囲が好ましく、0.
30〜0.75の範囲が更に好ましい。
【0021】構造単位(3)及び(4)に対する構造単
位(3)のモル分率は、前記の数式(VII) を満足する範
囲であることが必要である。上記のモル分率が0.30
未満の液晶性ポリエステルは、弾性率が低く、異方性が
大きく、しかも、Izod衝撃強度が低い。上記のモル
分率が0.80を超える液晶性ポリエステルは、強度お
よび伸度が低い。上記のモル分率は、前記の数式(VII)
で規定するモル分率において、0.50〜0.75の範
囲が好ましく、0.60〜0.70の範囲が更に好まし
い。
【0022】次に、本発明の液晶性ポリエステルの末端
基について説明する。本発明の液晶性ポリエステルの特
徴は、末端基が主としてアセトキシ基(CH3 COO−
基)とカルボキシル基(−COOH基)より成る点にあ
る。そして、これらの末端基の濃度差が前記の(VIII)の
数式に従って、アセトキシ基の濃度がカルボキシル基の
濃度よりも30(eq/106 g)以上多いことが特に
重要である。斯かる条件を満足しない液晶性ポリエステ
ルは、耐加水分解性および成形時の離型性が十分ではな
い。また、高周波特性、体積固有抵抗、絶縁破壊強さ等
の電気特性も不十分である。
【0023】アセトキシ基とカルボキシル基の濃度差
([CH3 COO−]−[−COOH])は、好ましく
は50(eq/106 g)以上、更に好ましくは70
(eq/106 g)以上、最も好ましくは100(eq
/106 g)以上である。そして、カルボキシル基の濃
度([−COOH])それ自体は、50(eq/106
g)未満であることが好ましく、30(eq/10
6 g)未満であることが更に好ましい。
【0024】本発明の液晶性ポリエステルの溶融粘度
は、温度320℃、剪断速度1000sec-1の条件下
で測定した場合、30ポイズ以上であることが必要であ
る。しかしながら、液晶性により、本発明のポリエステ
ルは、通常のポリエステルに比して溶融粘度を低くする
ことが出来る。例えば、上記の条件下で測定した溶融粘
度は、5000ポイズ以下で十分である。従って、本発
明の液晶性ポリエステルの溶融粘度は、好ましくは50
〜3000ポイズ、更に好ましくは100〜2500ポ
イズ、最も好ましくは100〜1500ポイズの範囲で
ある。
【0025】次に、本発明の液晶性ポリエステルの製造
法について説明する。本発明の液晶性ポリエステルの製
造においては、重合形式は特に限定されず、例えば、界
面重合法、溶液重合法、溶融重合法等を適宜採用し得
る。しかしながら、界面重合法や溶液重合法では原料成
分の溶解性が悪いため高重合度の液晶性ポリエステルは
得られ難い。従って、特に、溶融重合法が推奨される。
【0026】本発明において好適な製造法としては、溶
融重合法による次の(A)〜(C)の方法が挙げられ
る。 (A)アセテート化合物と酸化合物から脱酢酸重縮合反
応により製造する方法。 (B)フェノール性化合物と酸化合物に無水酢酸を加え
て反応させた後脱酢酸重縮合反応により製造する方法。 (C)フェノール性化合物と酸とのフェニルエステル化
合物から脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0027】上記の各溶融重合法の中、(C)法は、フ
ェノール末端が生成し易く、そのためフェノールガスの
発生が起こり易い。フェノールガスの発生は、液晶性ポ
リエステルの電子部品材料としての使用において接点不
良を惹起させる。従って、上記のような観点からして、
(C)法よりも(A)又は(B)法が好適であり、特
に、原料のコスト面からして(B)の方法が推奨され
る。
【0028】上記の(B)法においては、典型的には次
の(a)〜(f)に記載の原料が使用される。 (a)テレフタル酸および/または2,6−ナフタレン
ジカルボン酸 (b)ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチ
レンナフタレート (c)メチルハイドロキノン (d)4,4′−ジヒドロキシビフェニル (e)p−ヒドロキシ安息香酸 (f)無水酢酸
【0029】上記の各原料の使用モル数をそれぞれ
[a]〜[f]で表した場合、重合の際の原料仕込み条
件は、[a]/([c]+[d])<1.0の範囲とす
るのが好ましい。斯かる条件により、本発明の液晶性ポ
リエステルの末端基条件([CH3 COO−]>[−C
OOH])を達成することが出来る。上記の原料仕込み
条件は、0.80≦[a]/([c]+[d])<1.
0の範囲が特に好ましい。斯かる条件により、高い重合
度の液晶性ポリエステルを得ることが出来る。そして、
一層好ましい原料仕込み条件は、0.85≦[a]/
([c]+[d])≦0.98の範囲であり、なお一層
好ましい原料仕込み条件は、0.88≦[a]/
([c]+[d])≦0.96の範囲である。
【0030】上記の原料(b)としては、ポリエチレン
テレフタレートの他にオリゴエチレンテレフタレートを
使用することも出来、また、ポリエチレンナフタレート
の他にオリゴエチレンナフタレートを使用することも出
来る。ポリエチレンテレフタレート及びオリゴエチレン
テレフタレートは、主として、エチレングリコール残基
とテレフタル酸残基から成るものを意味し、また、ポリ
エチレンナフタレート及びオリゴエチレンナフタレート
は、主として、エチレングリコール残基2,6ナフタレ
ンジカルボン酸残基から成るものを意味する。
【0031】そして、ポリエチレンテレフタレート及び
ポリエチレンナフタレートとしては、重合度が25以上
で溶液粘度(ηinh ) 0.25以上、好ましくは0.4
0以上のものが好適に使用され、また、オリゴエチレン
テレフタレート及びオリゴエチレンナフタレートとして
は、重合度が25未満、好ましくは平均値として3以上
15未満のものが好適に使用される。これらは、いわゆ
る直接重縮合法(テレフタル酸または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を使用法)又はエステル交換法(ジメチ
ルテレフタレート又は2,6−ジメチルナフタレートを
使用法)の何れの方法によって得られたものであっても
よい。また、主鎖中に若干の−OCH2CH2 OCH2
CH2 O−鎖が含まれるが、何ら差支えない。
【0032】上記の(B)法は、次の二段階に分けて行
われる。先ず、原料(a)〜(f)を100〜170℃
で反応させる。この際、前述の原料仕込み条件を満足さ
せる。反応時間は、通常5分ないし3時間、好ましくは
20分ないしは1.5時間である。
【0033】原料(f)の無水酢酸の量は、1.0≦
[f]/{2([c]+[d])+[e]}≦1.5の
範囲、好ましくは、1.1≦[f]/{2([c]+
[d])+[e]}≦1.4の範囲である。反応は無触
媒でも可能であるが、必要に応じて触媒を添加してもよ
い。重合温度までの昇温は、1〜7時間かけて行うのが
よい。そして、必要に応じ、反応途中で熟成を行うこと
も出来る。特に、250〜280℃の範囲の一定の温度
で0.5〜2時間ほどの熟成を行うのが好ましい。
【0034】次に、重合反応を行う。重合温度は270
〜350℃、好ましくは290〜320℃、更に好まし
くは295〜305℃の範囲である。重合反応を減圧下
に行う場合、昇温の途中で減圧を開始してもよいし、昇
温終了後に減圧を開始してもよい。そして、760mm
Hgから10mmHgまで徐々に減圧するのに要する時
間は30分以上、好ましくは60分以上とするのがよ
く、特に、10mmHgから0.3mmHg程度までの
高真空化への減圧は徐々に行うことが重要である。
【0035】重合反応は、無触媒でも可能であるが、必
要に応じ触媒の存在下で実施してもよい。触媒として
は、エステル交換触媒、重縮合触媒、アシル化触媒が使
用され、これらは混合して使用してもよい。好ましい触
媒としては、Ti(OBu)4、BuSnOOH、Sn
(OAc)2 、Sb2 3 、Fe(acac)3 、Zn
(OAc)2 、Co(OAc)2 、Mn(OAc)2
NaOAc、KOAc等が挙げられる。特に、Fe(a
cac)2 が好ましい。
【0036】触媒の使用量は、生成する液晶性ポリエス
テルに対し、5000ppm以下、好ましくは1000
ppm以下、更に好ましくは300ppm以下の範囲で
ある。一般に、触媒を用いない方法で得られる液晶性ポ
リエステルは、電気特性等が良好であるが、触媒を用い
ることにより、重合速度を向上させることが出来る。ま
た、本発明においては、必要に応じて固相重合を行って
重合度を高めることが可能であり、横型混練重合機を用
いて重合度を高めることも可能である。
【0037】本発明の液晶性ポリエステルは、ガラス繊
維、炭素繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸カルシ
ウム等のフィラー類、核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、
その他の安定剤、難燃剤等の充てん剤や添加剤、熱可塑
性樹脂等を添加することにより、成形品に所望の特性を
付与することが出来る。また、他のポリマーとのブレン
ドやアロイ化を行なうことにより、本発明の液晶性ポリ
エステルと他のポリマーとの両者の長所を合わせ持つ組
成物にすることも出来る。特に、本発明の液晶性ポリエ
ステルにガラス繊維等の繊維類を20〜50重量部添加
して成る組成物は、優れた寸法精度を発揮し得る。
【0038】本発明の液晶性ポリエステルは、高流動性
を含む各種の特徴を有するため、成形性が良好であり、
押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般的な溶融成形を
行なうことが可能である。従って、成形品、フィルム、
繊維等に容易に加工することが出来る。特に、射出成形
においては、芳香族系のガスの発生が少ないという特徴
が発揮される。また、本発明の液晶性ポリエステルは、
耐加水分解性に優れ、しかも、バリの発生が少なく、且
つ、寸法精度が優れるため、薄肉成形品や精密成形品に
適しており、例えば、表面実装技術(SMT)対応の電
子部品材料、特に、リレー部品、コネクター部品、コイ
ルボビンに好適であり、また、半導体封止の用途やハイ
ブリッドIC部品等にも好適である。更に、本発明の液
晶性ポリエステルは、高周波特性、体積固有抵抗、絶縁
破壊強さ等の電気特性にも優れている。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の諸例におい
て、物性測定および成形は、次の方法により行った。
【0040】(1)溶液粘度(ηinh ) ペンタフルオロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合
溶媒を使用し、温度30℃、濃度0.1g/dlの条件
で測定した。 (2)溶融粘度 島津製作所製フローテスター(シリンダーノズルの長さ
/直径=20)を用い、温度320℃、剪断速度100
0sec-1の条件で測定した。 (3)光学的異方性(液晶性) ホットステージ付き偏光顕微鏡を用いて観察した。
【0041】(4)成形と成形時の評価 <成形>日本製鋼所社製0.1oz射出成形機と東芝機
械社製2.5oz射出成形機を用いて成形した。 <離形性>2.5oz成形機で成形した1/2”IZO
D片を用い、標準条件で成形した際の突き出しピンの跡
の長さを測定した。評価は、0.1mm以下(◎)0.
2mm以下(○)0.2mmを越える場合(×)の3段
階によって行った。
【0042】(5)引張特性 破断伸度、引張強度および引張弾性率は、上記の成形機
にて得られた0.1oz成形品について、東洋ボールド
ウィン社製TENSILON/UTM(III)Lを用いて
測定した。 (6)Izod衝撃強度 上記の成形機で得られた2.5oz成形機で成形した1
/2”ノッチ付IZOD片を用いて東洋精器社製の試験
器で測定した。
【0043】(7)耐加水分解性 0.1oz射出成形機で成形したサンプルをプレッシャ
ークッカーテスト装置に入れ、121℃、2気圧飽和水
蒸気下、48時間処理し、処理後のサンプルについて、
溶液粘度の保持率および引張強度の保持率を測定するこ
とにより評価を行った。 (8)ハンダ耐熱性 0.1oz成形機で成形したサンプルを260℃のハン
ダ槽に10sec浸漬し、ハンダ耐熱性を評価した。評
価は、浸漬後、目視で何ら変化のない場合は○、膨れ、
反り等の何らかの変化のある場合は×とした。 (9)生成したポリマーの組成比 請求項1に示した構造単位のうち、(1)、(2)の組
成比は、液晶性ポリエステルをメタノール分解したのち
GC法によって求め、(1)、(3)、(4)、(5)
の組成比は、液晶性ポリエステルにテトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイドのメタノール溶液を添加した
のち熱分解GC法によって求めた。
【0044】(10) 末端基定量法 本発明の液晶性ポリエステルは、n−プロピルアミンを
用いて分解することが出来る。斯かる分解反応により、
主鎖からはエチレングリコール、HOAr1 OH、nC
3 7 HNOCAr2 CONHn 3 7 、HOAr3
CONHn 37 等が生成し、アセトキシ末端からは
n−プロピルアセトアミドが生成し、カルボキシル末端
からはHOOCAr2 CONHn 3 7 , HOAr3
COOHが生成する。ここで、Ar1 は1−メチル−
2,5−フェニレン基および4.4′−ビフェニル基、
Ar2 は1,4−フェニレン基および/または2,6−
ナフチレン基、Ar3 は1,4−フェニレン基を示す。
従って、液晶性ポリエステルをn−プロピルアミンを用
いて分解した後、GC法およびHPLC法により、末端
から生じた分解生成物を主鎖由来の分解生成物と分離
し、そのピーク強度より末端基の定量をすることが可能
である。
【0045】(a)先ず、本発明の液晶性ポリエステル
を粉砕し、その粉砕試料に大過剰のn−プロピルアミン
を加え、40℃で90分間処理する。 (b)アセトキシ末端の定量にはGC法を用いる。 アセトキシ末端の分解生成物(n−プロピルアセトアミ
ド)はGCにより他の成分と分離して検出される。標品
のn−プロピルアセトアミドを用いて検量線を作成し、
絶対検量法により定量した。 (c)カルボキシル末端の定量にはHPLC法を用い
る。 カルボキシル末端の分解生成物(p−ヒドロキシ安息香
酸、テレフタル酸モノn−プロピルアミド、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸モノn−プロピルアミド)はHP
LCにより他の成分と分離して検出される。標品のパラ
ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸モノn−プロピルア
ミドを用いて検量線を作成し、絶対検量法により定量し
た。
【0046】実施例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えた20Lオートクレ
ーブに下記の表1に記載の原料を仕込み、窒素ガスにて
減圧置換後に無水酢酸4927g(48.26モル)を
添加した。
【表1】 テレフタル酸 514g(3.09モル) ポリエチレンテレフタレート(IV=0.65)594g(3.09モル) メチルハイドロキノン 274g(2.21モル) 4, 4′−ジヒドロキシビフェニル 222g(1.19モル) p−ヒドロキシ安息香酸 4396g(31.81モル)
【0047】次に、窒素ガスの流通下に反応系を撹拌し
ながら昇温して140℃で1時間保持し、アセチル化を
行った。その後、4時間かけて300℃まで昇温し、そ
して、反応系を減圧にした。減圧は、最初の1時間で1
0mmHgにし、1時間経過した時点で常圧に戻し、そ
の後、ポリマーを抜き出してチップ化した。次に、チッ
プ化したポリマーを窒素雰囲気下、260℃で10時間
固相重合を行い液晶性ポリエステルを得た。得られた液
晶性ポリエステルの物性測定の結果を表6及び表7に示
した。
【0048】実施例2 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えた20Lオートクレ
ーブに下記の表2に記載の原料を仕込み、窒素ガスにて
減圧置換後に無水酢酸4696g(46.00モル)を
添加した。
【表2】 テレフタル酸 376g(2.27モル) ポリエチレンテレフタレート(IV=0.65)870g(4.53モル) メチルハイドロキノン 208g(1.68モル) 4, 4′−ジヒドロキシビフェニル 160g(0.86モル) p−ヒドロキシ安息香酸 4385g(31.73モル)
【0049】次に、窒素ガスの流通下に反応系を撹拌し
ながら昇温して140℃で1時間保持し、アセチル化を
行った。その後、4時間かけて300℃まで昇温し、そ
して、実施例1と同様に反応系を減圧にした。減圧開始
後、1時間経過した時点で常圧に戻し、その後、ポリマ
ーを抜き出してチップ化した。次に、チップ化したポリ
マーを窒素雰囲気下、260℃で5時間固相重合を行い
液晶性ポリエステルを得た。得られた液晶性ポリエステ
ルの物性測定の結果を表6及び表7に示した。
【0050】実施例3 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えた20Lオートクレ
ーブに下記の表3に記載の原料を仕込み、窒素ガスにて
減圧置換後に窒素ガスの流通によって無水酢酸4573
g(44.80モル)を添加した。
【表3】 テレフタル酸 422g(2.54モル) ポリエチレンテレフタレート(IV=0.65)975g(5.08モル) メチルハイドロキノン 218g(1.75モル) 4, 4′−ジヒドロキシビフェニル 172g(0.92モル) p−ヒドロキシ安息香酸 4213g(30.48モル)
【0051】次に、窒素ガスの流通下に反応系を撹拌し
ながら昇温して140℃で1時間保持し、アセチル化を
行った。その後、4時間かけて300℃まで昇温し、そ
して、反応系を減圧にした。減圧は、最初の1時間で1
0mmHgにし、以後1.5時間かけて10mmHgか
ら0.3mmHgにしたが、減圧開始後2時間で充分ト
ルクが上がったので重合を終了した。得られた液晶性ポ
リエステルの物性測定の結果を表6及び表7に示した。
【0052】比較例1 実施例3において、原料を下記の表4に記載の通りに変
更した他は、実施例3と同様に反応および重合を行い、
減圧開始後、1.5時間で重合を終了した。
【表4】 テレフタル酸 416g(2.51モル) ポリエチレンテレフタレート(IV=0.65)962g(5.01モル) 4, 4′−ジヒドロキシビフェニル 467g(2.51モル) p−ヒドロキシ安息香酸 4155g(30.06モル) 無水酢酸 4476g(43.84モル) 得られた液晶性ポリエステルの物性測定の結果を表6及
び表7に示した。
【0053】比較例2 実施例1において、原料を下記の表5に記載の通りに変
更した他は、実施例1と同様に反応および重合を行って
液晶性ポリエステルを得た。
【表5】 テレフタル酸 516g(3.11モル) ポリエチレンテレフタレート(IV=0.65)597g(3.11モル) メチルハイドロキノン 144g(1.16モル) 4, 4′−ジヒドロキシビフェニル 339g(1.82モル) p−ヒドロキシ安息香酸 4418g(31.97モル) 無水酢酸 4839g(47.40モル) 得られた液晶性ポリエステルの物性測定の結果を表6及
び表7に示した。
【0054】
【表6】 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 <各構造単位のモル数> [1] 14.0 15.0 16.5 16.5 14.0 [2] 7.0 10.0 11.0 11.0 7.0 [3] 5.0 3.7 3.8 0 2.6 [4] 2.7 1.9 2.0 5.5 4.1 [5] 72.0 70.0 66.0 66.0 72.0 <構造単位のモル分率> (I )式 0.71 0.70 0.66 0.67 0.72 (II)式 0.07 0.10 0.11 0.11 0.07 (III)式 0.14 0.15 0.17 0.17 0.14 (IV)式 0.92 0.88 0.87 0.87 0.92 (V )式 0.95 0.96 0.98 1.00 1.02 (VI)式 0.52 0.36 0.35 0.33 0.49 (VII)式 0.65 0.65 0.66 0 0.39 (VIII)式 116 102 52 -16 -50
【0055】
【表7】 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 溶液粘度ηinh (dl/g) 1.530 1.427 1.390 1.330 1.550 溶融粘度(103 sec -1) 360 390 280 1000 480 <引張特性> 伸度(%) 3.1 2.8 2.8 2.5 2.8 強度(kg /cm2 ) 2200 1950 1930 1500 1800 弾性率(×104 kg /cm2 ) 10.5 10.2 9.8 6.8 8.5 <加水分解試験後> 溶液粘度ηinh (dl/g) 1.346 1.213 1.056 0.665 0.525 溶液粘度の保持率(%) 88 85 76 50 35 強度(kg /cm2 ) 2100 1810 1740 1200 1130 強度の保持率(%) 95 93 90 80 63 <末端基数(eq / 106 g)> [CH3 COO-] 141 130 110 103 71 [-COOH ] 25 28 58 119 121 [CH3 COO-]−[-COOH ] 116 102 52 -16 -50 液晶性 有 有 有 有 有 ハンダ耐熱性 ○ ○ ○ × ○ 離型性 ◎ ◎ ○ × ×Izod衝撃強度(kg・cm /cm ) 45.2 48.3 50.0 22.3 34.3 (注)溶融粘度は、実施例1及び比較例2においては3
50℃、その他の例においては320℃にて測定した。
ハンダ耐熱性は、260℃×10secの条件下に測定
した。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、流動性、
耐熱性に優れ、耐バリ性や離型性などの成形性にも優
れ、そして、ハンダ耐熱性と優れた力学特性(特に高弾
性率化とIzod衝撃強度の向上)、耐加水分解性およ
び電気特性を有し、且つ、芳香族系のガスの発生が極端
に少ない射出成形品を与えることの出来る液晶性ポリエ
ステルが提供される。斯かる液晶性ポリエステルは、薄
肉成形品や精密成形品に適しており、例えば、SMT対
応の電子部品材料、特に、リレー部品、コネクター部
品、コイルボビンに好適であり、また、半導体封止の用
途やハイブリッドIC部品等にも好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】これに対し、例えば、特開昭51−839
5号公報、同63−30523号公報、同64−331
23号公報、特開平1−174524号公報には、上記
の構造単位と共に−O−Ar−O−(Arは芳香環)を
含有する液晶性ポリエステルが提案されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】(10) 末端基定量法 本発明の液晶性ポリエステルは、n−プロピルアミンを
用いて分解することが出来る。斯かる分解反応により、
主鎖からはエチレングリコール、HOAr1 OH、nC
37 HNOCAr2 CONHnC37 HOAr3
CONHnC37 等が生成し、アセトキシ末端からは
n−プロピルアセトアミドが生成し、カルボキシル末端
からはHOOCAr2 CONHnC37HOAr3
COOHが生成する。ここで、Ar1 は1−メチル−
2,5−フェニレン基および4.4′−ビフェニル基、
Ar2 は1,4−フェニレン基および/または2,6−
ナフチレン基、Ar3 は1,4−フェニレン基を示す。
従って、液晶性ポリエステルをn−プロピルアミンを用
いて分解した後、GC法およびHPLC法により、末端
から生じた分解生成物を主鎖由来の分解生成物と分離
し、そのピーク強度より末端基の定量をすることが可能
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】(a)先ず、本発明の液晶性ポリエステル
を粉砕し、その粉砕試料に大過剰のn−プロピルアミン
を加え、室温で24時間処理する。 (b)アセトキシ末端の定量にはGC法を用いる。 アセトキシ末端の分解生成物(n−プロピルアセトアミ
ド)はGCにより他の成分と分離して検出される。標品
のn−プロピルアセトアミドを用いて検量線を作成し、
絶対検量法により定量した。 (c)カルボキシル末端の定量にはHPLC法を用い
る。 カルボキシル末端の分解生成物(p−ヒドロキシ安息香
酸、テレフタル酸モノn−プロピルアミド、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸モノn−プロピルアミド)はHP
LCにより他の成分と分離して検出される。標品のパラ
ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸モノn−プロピルア
ミドを用いて検量線を作成し、絶対検量法により定量し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 昌敏 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 浜野 俊之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化成株 式会社四日市工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学式(1)〜(5)で示される
    構造単位から成り(但し、化学式(1)中のR1 は1,
    4−フェニレン基および/または2,6−ナフチレン基
    を示す)、これらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で
    表した場合、各構造単位のモル分率が下記の(I )〜
    (VII)の数式を満足し、且つ、末端基が主としてCH3
    COO−基と−COOH基より成り、各末端基の濃度を
    それぞれ[CH3 COO−]及び[−COOH]で表し
    た場合、末端基の濃度差が下記の(VIII)の数式を満足
    し、そして、温度320℃、剪断速度1000sec-1
    の条件下で測定した溶融粘度が30ポイズ以上であるこ
    とを特徴とする液晶性ポリエステル。 【化1】 【数1】 [CH3 COO−]−[−COOH]≧30(eq/106 g) (VIII)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶性ポリエステルか
    ら成る射出成形品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000159957A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物および成形品
US11926779B2 (en) 2022-03-16 2024-03-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Liquid crystal polyester and film comprising the same
US12077705B2 (en) 2022-03-16 2024-09-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Liquid crystal polyester and film comprising the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000159957A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物および成形品
US11926779B2 (en) 2022-03-16 2024-03-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Liquid crystal polyester and film comprising the same
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