JPH0615737Y2 - ノック式筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は１本の外軸にボールペンリフィール又はノック
式シャープペンシルユニットを交換自在に収納して外軸
に装着したノック体の操作により夫々の筆記部を外軸先
端口から突出可能としたノック式筆記具に関する。

（従来の技術） 従来、ノック式ボールペンの外軸内のリフィール収納部
にボールペンリフィールの代わりにノック式シャープペ
ンシルユニットを収納可能とし、更に、そのシャープペ
ンシルユニットの先端筆記部を不使用時に外軸内に没入
できるようにダブルノック機構を採用した筆記具が実開
昭６２−５９８６号公報、実開昭６１−１０７５９０号
公報等によって公知である。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記公知例に記載された筆記具は、シャ
ープペンシルユニットを収納した場合はシャープペンシ
ルユニットの後端に備えられたノック部を外軸から突出
させ、又、ボールペンリフィールを収納した場合は別の
ノック体を外軸に装着するようにしているので、シャー
プペンシルユニットを収納する場合にボールペンリフィ
ール用のノック体は邪魔になるので取り外して保管しな
ければならないという面倒があった。更に、その取り外
したノック体が保管中に紛失する虞もあった。また、ボ
ールペンリフィールとシャープペンシルユニットを交換
する際に、ボールペンリフィール用のノック体の着脱が
やっかいであるという問題もある。

そこで本考案は、シャープペンシルユニットを外軸内に
収納した場合も、ボールペンリフィールを収納した場合
に使用するノック体を取り外す必要がなくてそのまま装
着して利用でき保管の面倒がなく、又、シャープペンシ
ルユニットとボールペンリフィールの交換時のノック体
の着脱が容易なノック式筆記具の提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のノック式筆記具
は、前端内部にリターンスプリング(18)を収納する外軸
(12)と、前端から後端近傍まで中心部に軸方向の割り(1
3)を設けて側面部を半径方向に弾性変形可能となしその
側面部の前端に外軸(12)に設けた切欠溝(8)に嵌入する
ストッパー部材(15)を一体的に設けると共にそのストッ
パー部材(15)の外面にクリップ(7)の取付基部(16)より
前方位置に貫出する突起(14)を設けて後端部は外軸(12)
の後端口から突出させて外軸(12)に対し一定範囲で軸方
向に移動自在に装着されるノック体(17)と、外軸(12)内
に筆記部(20)を没入可能に収納されてノック体(17)のノ
ック操作によりその筆記部(20)を外軸先端口(9)から突
出するボールペンリフィール(23)と、後端部にそれ自体
のノック部(24)を有してそのノック部(24)の後端を前記
ノック体(17)の前端に当接状態として外軸(12)内にその
筆記部(20)′を没入可能に収納されてノック体(17)の最
初の第１段階のノック操作によりそれ自体のノック部(2
4)がノックされない状態でリターンスプリング(18)を圧
縮しながら前進してその筆記部(20′を外軸先端口(9)か
ら突出すると共にその先端近傍に設けた段部(25)を外軸
内面の段部(10)に当接しノック体(17)の次なる第２段階
のノック操作によりそれ自体のノック部(24)がノックさ
れて芯の繰り出しをなすノック式シャープペンシルユニ
ット(26)とを備え、外軸(12)に装着したノック体(17)を
共通に使用可能としてその外軸(12)内にボールペンリフ
ィール(23)又はノック式シャープペンシルユニット(26)
を交換自在に装着したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

図は本考案の実施例を示したもので、第６図に示すよう
にクリップ本体部(1)の前端に両横側面にボス(2)を突設
した凸部(3)を設けると共にクリップ先端部材(4)の後端
に凹部(5)を設けて該凹部(5)の対向する側壁に孔(6)を
設けクリップ本体部(1)の凸部(3)をクリップ先端部材
(4)の凹部(5)に嵌入してボス(2)を孔(6)に挿入すること
により構成されたクリップ(7)を後端側面部に一体的に
設けると共に第１図乃至第４図に示すようにクリップ
(7)と対向する側面部に後端開口部から略クリップ(7)の
前端まで至る切欠溝(8)を設け又前端内面部には先端口
(9)の近傍に第１の段部(10)を設けると共にその後方位
置に第２の段部(11)を設けた外軸(12)と、前端から後端
近傍まで中心部に軸方向の割り(13)を設けて側面部を半
径方向に弾性変形可能となしその側面部の前端に突起(1
4)を外面に突設したストッパー部材(15)を一体的に接合
して外軸(12)の後端部においてそのストッパー部材(15)
を外軸(12)の切欠溝(8)に嵌入させると共に突起(14)を
クリップ(7)の取付基部(16)より前方位置に切欠溝(8)か
ら貫出させ又後端部は外軸(12)の後端口から突出させて
外軸(12)に対し一定範囲で軸方向に移動自在に装着され
たノック体(17)と、外軸(12)の前端部においてその第２
の段部(11)に前端を当接させて装着されたリターンスプ
リング(18)と、第１図及び第２図に示すように後端より
やや前方の側面に前面が傾斜して後面が垂直な略三角形
状の係止突起(19)を設けると共に前記筆記部(20)よりや
や後方位置に段部(21)を設けて該段部(21)にリターンス
プリング(18)の後端を当接させて後方へ附勢されその後
端部をノック体(17)の前端に当接させた状態に装着され
ノック体(17)の後退した状態でその前端筆記部(20)が外
軸(12)の内部に没入すると共に係止突起(19)がクリップ
(7)の挟着部（クリップ本体部(1)の凸部(3)と先端部材
(4)の下面部。以下同じ）より後方まで移動し逆にノッ
ク体(17)の前進した状態で係止突起(19)がクリップ(7)
の係止段部(22)（クリップ本体部(1)の凸部(3)の前壁）
より前方に移動すると共にその前端筆記部(20)が外軸(1
2)の先端口(9)から突出するように寸法設定されたボー
ルペンリフィール(23)と、第３図乃至第５図に示すよう
にボールペンリフィール(23)よりも全長がやや長くてそ
の後端にはそれ自体のノック部(24)を設け又その後端よ
りやや前方の側面にはボールペンリフィール(23)と同様
の係止突起(19)′を設けると共に前端筆記部(20)′より
やや後方位置に同様に段部(21)′を設けて該段部(21)′
にリターンスプリング(18)の後端を当接させて後方へ附
勢されその後端部をノック体(17)の前端に当接させた状
態に装着されノック体(17)の後退した状態でその前端筆
記部(20)′が外軸(12)の内部へ没入すると共に係止突起
(19)′がクリップ(7)の挟着部より後方まで移動し逆に
ノック体(17)の最初の第１段階の前進（このノック体(1
7)の第１段階の前進によってそれ自体のノック部(24)が
ノックされないようにそのノックスプリング（図示せ
ず）のばね力をリターンスプリング(18)のばね力よりも
大きく設定している。）で係止突起(19)′がクリップ
(7)の係止段部(22)より前方に移動すると共にその前端
筆記部(20)′が外軸(12)の先端口(9)から突出し更に段
部(21)′より前方に設けられた段部(25)が外軸(12)の第
１の段部(10)に当接するよう寸法設定されて段部(25)と
外軸(12)の第１の段部(10)が当接した状態でのノック体
(17)への更に加えられる第２段階のノック操作によりそ
れ自体のノック部(24)がはじめてノックされて芯の繰り
出しが可能となるノック式シャープペンシルユニット(2
6)とを備え、ボールペンリフィール(23)又はノック式シ
ャープペンシルユニット(26)を交換自在に外軸(12)に装
着するよう構成されたものである。

〔作用〕

第１図及び第２図はボールペンリフィール(23)を外軸(1
2)に装着した状態を示すもので、非使用時には第１図に
示すように筆記部(20)が外軸(12)の内部へ没入してい
る。使用する場合はノック体(17)を勿論ノックすればよ
い。ボールペンリフィール(23)が前進して筆記部(20)が
外軸(12)の先端口(9)から突出すると共に係止突起(19)
がクリップ(7)の係止段部(22)の前方まで移動して係合
し固定する。尚、係止突起(19)がクリップ(7)の挟着部
を通過するときはクリップ本体部(1)が弾性変形して上
方へ撓む。筆記が終了して再び筆記部(20)を没入させる
場合は、クリップ(7)の先端部材(4)の前端部を外軸(12)
の方向へ押圧すればよい。先端部材(4)の外軸(12)と接
している略中央部が支点となって先端部材(4)の後端部
とクリップ本体(1)の前端凸部(3)の連結部が上動して係
止段部(22)と係止突起(19)の係合が解消されボールペン
リフィール(23)はリターンスプリング(18)により後退し
てその筆記部(20)が外軸(12)の内部へ再び没入しノック
体(17)のストッパー部材(15)の突起(14)がクリップ(7)
の取付基部(16)に当接して停止する。次にボールペンリ
フィール(23)に代えてノック式シャープペンシルユニッ
ト(26)を外軸(12)に装着するためにボールペンリフィー
ル(23)を外軸(13)から抜脱する場合は、第１図において
ノック体(17)の上側の側面部を押圧して弾性変形させス
トッパー部材(15)の突起(14)とクリップ(7)の取付基部
(16)の掛合を解消させてノック体(17)を外軸後端口から
抜脱した状態で行えばよい。第３図及び第４図はノック
式シャープペンシルユニット(26)を外軸(12)に装着した
状態を示すもので、非使用時にはボールペンリフィール
(23)と同じく第３図に示すようにその筆記部(20)が外軸
(12)の内部へ没入している。使用する場合はノック体(1
7)を２段階にわたってノックすればよい。最初の第１段
階のノックによりノック式シャープペンシルユニット(2
6)はそのノック部(24)がノックされない状態で前進して
その筆記部(20)′が外軸(12)の先端口(9)から突出する
と共に段部(25)が外軸(12)の第１の段部(10)に当接し更
に係止突起(19)′がクリップ(7)の係止段部(22)に係合
して固定する。次に第２段階のノック体(17)のノックに
より始めてノック部(24)がノックされて芯の繰り出しが
行われ筆記が可能となる。

尚、実施例の如くボールペンリフィール(23)及びノック
式シャープペンシルユニット(26)に係止突起(19)(19)′
を設けて夫々の筆記部(20)(20)′が軸先端口(9)から突
出した状態でクリップ(7)に設けた係止段部(22)と係合
するよう構成すれば、衣服のポケット等へクリップ(7)
を使用して止着した場合は係止段部(22)と係止突起(19)
(19)′の係合が解消して必ず筆記部(20)(20)′が外軸内
へ没入した状態となるので筆記部(20)(20)′による衣服
の汚損や破損が防止される。又、ノック体(17)に実施例
の如くストッパー部材(15)の突起(14)を設ければ、衣服
のポケット等に止着された状態ではポケット等の縁と突
起(14)とが対向した状態となるので誤ってノック体(17)
がノックされても突起(14)がポケット等の縁に衝合して
前進を阻止されるので筆記部(20)(20)′の外軸先端口
(9)からの突出を防ぎ同様に衣服の汚損や破損が防止さ
れる。

〔考案の効果〕

本願考案のノック式筆記具は上記の如く、１本の外軸に
ボールペンリフィール又はノック式シャープペンシルユ
ニットが交換自在に装着可能で、然も非使用時にはボー
ルペンリフィールのみでなくノック式シャープペンシル
ユニットもその筆記部を外軸内に没入できるので、携帯
するために衣服のポケットへ挿入した場合に筆記部によ
る衣服の汚損や破損が完全に防止され、又、落下等によ
る筆記部の破損も防止できる効果がある。

そして、本考案は特にノック体を、前端から後端近傍ま
で中心部に軸方向の割り(13)を設けて側面部を半径方向
に弾性変形可能となしその側面部の前端に外軸(12)に設
けた切欠溝(8)に嵌入するストッパー部材(15)を一体的
に設けると共にそのストッパー部材(15)の外面にクリッ
プ(7)の取付基部(16)より前方位置に貫出する突起(14)
を設けて後端部は外軸(12)の後端口から突出させて外軸
(12)に対し一定範囲で軸方向に移動自在に装着される構
成としたので、ボールペンリフィールとシャープペンシ
ルユニットを交換するためにノック体を着脱するには側
面部を押して弾性変形させるだけでよいので操作が極め
て容易化し、又、ボールペンリフィールを収納した場合
に使用するノック体を、シャープペンシルユニットを収
納した場合にもそのまま使用するようにしたので、ノッ
ク体を取り外して保管する面倒が解消し、又、取り外し
たノック体が保管中に紛失する虞も解消する等の格別の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本願考案の一実施例を示したもので、第１図及び第
２図は外軸にボールペンリフィールを装着した状態を示
し第１図は筆記部を没入した状態の半縦断面図、第２図
は筆記部を突出した状態の半縦断面図、第３図及び第４
図は外軸にノック式シャープペンシルユニットを装着し
た状態を示し第３図は筆記部を没入した状態の半縦断面
図、第４図は筆記部を突出した状態の半縦断面図、第５
図はノック式シャープペンシルユニットの一部を切断し
た側面図、第６図はクリップの分解状態の斜視図であ
る。 (1)……クリップ本体部、(2)……ボス、(3)……凸部、
(4)……先端部材、(5)……凹部、(6)……孔、(7)……ク
リップ、(8)……切欠溝、(9)……先端口、(10)……第１
の段部、(11)……第２の段部、(12)……外軸、(13)……
割り、(14)……突起、(15)……ストッパー部材、(16)…
…取付基部、(17)……ノック体、(18)……リターンスプ
リング、(19)(19)′……係止突起、(20)(20)′……筆記
部、(21)(21)′……段部、(22)……係止段部、(23)……
ボールペンリフィール、(24)……ノック部、(25)……段
部、(26)……ノック式シャープペンシルユニット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前端内部にリターンスプリング(18)を収納
   する外軸(12)と、前端から後端近傍まで中心部に軸方向
   の割り(13)を設けて側面部を半径方向に弾性変形可能と
   なしその側面部の前端に外軸(12)に設けた切欠溝(8)に
   嵌入するストッパー部材(15)を一体的に設けると共にそ
   のストッパー部材(15)の外面にクリップ(7)の取付基部
   (16)より前方位置に貫出する突起(14)を設けて後端部は
   外軸(12)の後端口から突出させて外軸(12)に対し一定範
   囲で軸方向に移動自在に装着されるノック体(17)と、外
   軸(12)内に筆記部(20)を没入可能に収納されてノック体
   (17)のノック操作によりその筆記部(20)を外軸先端口
   (9)から突出するボールペンリフィール(23)と、後端部
   にそれ自体のノック部(24)を有してそのノック部(24)の
   後端を前記ノック体(17)の前端に当接状態として外軸(1
   2)内にその筆記部(20)′を没入可能に収納されてノック
   体(17)の最初の第１段階のノック操作によりそれ自体の
   ノック部(24)がノックされない状態でリターンスプリン
   グ(18)を圧縮しながら前進してその筆記部(20)′を外軸
   先端口(9)から突出すると共にその先端近傍に設けた段
   部(25)を外軸内面の段部(10)に当接しノック体(17)の次
   なる第２段階のノック操作によりそれ自体のノック部(2
   4)がノックされて芯の繰り出しをなすノック式シャープ
   ペンシルユニット(26)とを備え、外軸(12)に装着したノ
   ック体(17)を共通に使用可能としてその外軸(12)内にボ
   ールペンリフィール(23)又はノック式シャープペンシル
   ユニット(26)を交換自在に装着したことを特徴とするノ
   ック式筆記具。