JPH0615700B2 - アルミニウム細線 - Google Patents

アルミニウム細線

Info

Publication number
JPH0615700B2
JPH0615700B2 JP61061827A JP6182786A JPH0615700B2 JP H0615700 B2 JPH0615700 B2 JP H0615700B2 JP 61061827 A JP61061827 A JP 61061827A JP 6182786 A JP6182786 A JP 6182786A JP H0615700 B2 JPH0615700 B2 JP H0615700B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
bonding
corrosion resistance
thin
mechanical properties
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61061827A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62218537A (ja
Inventor
裕 草野
雄庸 市川
淳一 長谷川
三洋 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP61061827A priority Critical patent/JPH0615700B2/ja
Publication of JPS62218537A publication Critical patent/JPS62218537A/ja
Publication of JPH0615700B2 publication Critical patent/JPH0615700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は各種ワイヤ、音響装置や半導体装置等の電気的
装置のリード線やボンディングワイヤ等に使用するAl
合金製の細線(以下アルミニウム細線と称する)に係わ
り、特にハイパワーデバイス用のボンディングワイヤと
して使用した場合に優れた耐蝕性を示す機械的性質の安
定した細線に関する。
(ロ)従来の技術 例えば、ハイパワーデバイスに使用されるボンディング
ワイヤは通常、線径が100〜500μmであり、Al
−0.003重量%Si合金、或いはAl−0.005
重量%Mg−0.003重量%Si合金から作られてい
る。
しかしながらこれらの合金から作った細線は耐蝕性に劣
り、腐蝕で導電有効断面積が小さくなり、断線を引き起
こす等、これを使用するデバイスの耐用年数を短くする
欠点があった。
このようなことから、近時、Al−0.005重量%N
iの細線が提案されてきた。この組成の細線は耐蝕性の
点で上述の組成の細線に比較して改善されたが、それで
も未だ十分とは言えず、また機械的性質のバラツキが大
きい。このために、同一のボンディング条件のもとで例
えば超音波接合法によりボンディングした場合には、機
械的性質(強度)が低いとボンディング部が変形し過ぎ
てボンディングネック部の細線の有効断面積を小さく
し、断線を引き起こす一方、機械的性質(強度)が高い
とボンディング面における接着力が低下して剥離を引き
起こす等のボンディング特性上の問題点があり、機械的
性質の安定した細線が求められていた。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 本発明は、上述の欠点に鑑みて、超音波接合法および耐
蝕性に優れ、しかも機械的なバラツキが小さく、安定性
に優れた超音波接合用ボンディングワイヤとして使用す
るのに適したアルミニウム細線を提供することを目的と
する。
この目的の達成のために種々研究を重ねた結果、発明者
はAl−0.001〜0.02重量%Ni合金にSiを
添加した合金により、超音波接合性および耐蝕性に優
れ、しかも機械的性質のバラツキが小さくて安定性に優
れた細線を得られることを見出し、本発明が完成された
のである。
(ニ)解決の手段 即ち、本発明は、Niが0.001〜0.02重量%、
Siが0.001〜0.02重量、残部がAlおよび各
々0.001重量%以下の不純物からなり、線径が100
〜500μmで、超音波接合性および耐蝕性に優れ、しか
も機械的性質のバラツキが小さく、安定性に優れた超音
波接合用ボンディングワイヤとして使用するのに適した
アルミニウム細線を提供するものである。
(ホ)作用 Alに0.001〜0.02重量%のNiおよび0.0
01〜0.02重量%のSiを含有させることによっ
て、目的とする耐蝕性に優れ、しかも機械的性質のバラ
ツキが小さくて安定性に優れた細線を得た。
これらの添加元素およびその添加割合について説明すれ
ば、NiはSiとの共存により耐蝕性を付与することを
意図している。このNiの添加割合は実験上から定めら
れたのであり、下限値である0.001重量%より少な
いと機械的性質の向上の効果が十分に得られない。また
上限値である0.02重量%を超えると、強度が高くな
り過ぎて超音波接合用ボンディングワイヤとして使用し
た場合にそのボンディング特性並びにループ成形性が悪
化して所望形状に成形することが困難となることが見出
された。このようなNiの好ましい含有率は0.002
5〜0.01重量%である。
またSiはAl−Ni合金の耐蝕性を向上させるととも
に機械的性質のバラツキを小さくするために添加したの
である。Siの含有率が下限値である0.001重量%
より少ないと添加効果を十分に得られず、また上限値で
ある0.02重量%を超えると、Niの場合と同様に強
度が高くなり過ぎてボンディングワイヤとして使用した
場合に前述と同様な欠点を生じることがみいだされた。
このようなSiの好ましい含有率は0.002〜0.0
1重量%である。
一方、本発明による組成に含有される不純物は各々が
0.001重量%以下であることが好ましい。何故なら
ば、各々の不純物がこれ以上含有されると、僅かに析出
した析出物によって腐蝕が促進されるようになり、これ
が耐蝕性の悪化を生じるからである。不純物の各々の含
有率を0.001重量%以下に抑えるには、純度99.
99%以上の高純度のアルミニウム材を使用することが
望ましい。
このような材料から例えば超音波接合用ボンディングワ
イヤとして使用する細線(線径100〜500μm)は
次のような方法で製造できる。即ち、 常法によってアルミニウム材を溶製した後、金型或いは
半連続鋳造により鋳塊を得る。然る後、鋳塊を500〜
630℃の温度で1〜48時間にわたり均質化熱処理す
る。これは偏析を無くし、以降の伸線加工において断線
を生じることなく良好な加工を可能にするためのもので
ある。勿論、伸線加工に先立って、鋳塊はこの均質化熱
処理の前または後の何れか適当な段階にて、伸線加工に
供する形状の伸線素材となすための加工を施されるので
あるが、この加工は切削、圧延、押出等の何れの方法で
も良い。
伸線素材を伸線加工する方法は通常のように引抜きダイ
スを使用して行い得る。この加工過程において、例えば
ボンディングワイヤのように最終線径が細い製品に加工
するには、その中間段階にて焼鈍熱処理を行い、これに
より次第に硬化された線材を再び硬化させて以降の引抜
き加工における断線を回避することが一般に必要とされ
る。このような焼鈍熱処理として例えば100〜400
℃の温度で12時間程度以下の加熱が行われる。最終線
径まで伸線加工した後、この線材に所望の機械的性質を
付与するために、例えば100〜400℃の温度で12
時間程度以下で加熱した最終焼鈍熱処理を行う。
ここで、中間および最終の焼鈍熱処理に際して、Siが
再結晶粒の大きさをコントロールす働きをなし、これが
ために細線の機械的性質のバラツキが小さく抑えられる
ものと考えられる。即ちSiの添加効果がここで生きて
くるものと考えられる。
このような製造方法により耐蝕性に優れ、また機械的性
質のバラツキが小さくて安定したアルミニウム細線を容
易に製造できることになるのである。
(ヘ)実施例 本発明によるアルミニウム細線の性質のうち先ず耐蝕性
を調べるために、第1表に示す(1)〜(5)((1)および(2)
が本発明による組成の細線で、(3)〜(5)は比較例とする
従来の組成の細線である)の各種細線を製造し、それぞ
れの表面酸化状態の目視判定に基づく耐蝕性試験を実施
した。
ここで、(1)〜(5)の組成の細線は次のようにして製造し
た。即ち、半連続鋳造法によって先ずビレット(直径1
10mm)を鋳造し、これを570℃×4時間の均質化
熱処理を行った。次にこのビレットを押出加工して直径
12mmの伸線素材を作り、これを冷間にて第一段階と
して線径0.5mmまで伸線加工した。この伸線素材を
300℃×4時間で中間焼鈍熱処理し、然る後、再び冷
間にて線径0.15mmの最終細線にまで伸線加工し、
然る後150℃×4時間で最終焼鈍熱処理した。
このようにして製造した細線の各供試片(1)〜(5)を85
℃の恒温度および80%の恒湿度に維持した室中に静置
し、表面状態を目視観察した。この目視観察では、表面
が白濁するまでの時間を測定し、これによって耐蝕性の
優劣を判定した。結果を第1表に示す。
第1表に示す結果から明らかなように、本発明による細
線は比較例である従来の細線に比較して白濁までの時間
が格段に長く、耐蝕性に非常に優れていることが認めら
れた。
次に、本発明による細線の機械的性質のバラツキを調べ
るために、第1表の供試片(1)(本発明によるもの)
と、供試片(3)(従来例のうち最も耐蝕性に優れていた
もの)との各100片について、破断時の荷重と破断す
るまでの伸びとバラツキを測定した。測定値はバラツキ
の最小値と最大値との間でランダムに且つほぼ均一な密
度で分布していた。この結果を第2表に示す。
第2表の結果から、本発明に係わる細線では破断荷重の
バラツキ幅が7Kg/mmであり、また伸びのバラツ
キ幅が2%であったのに対し、従来の細線ではそれぞれ
24Kg/mm、および8%もあった。前述したよう
に測定値はバラツキの最小値と最大値との間でランダム
に且つほぼ均一な密度で分布していたことから、最小値
と最大値との幅を狭くすることで実質的・実際的に細線
の機械的性質の安定性を高め得ることが認められたので
あり、このように本発明による細線は極めて機械的性質
の安定したものとなし得ることが認められた。
(ト)効果 本発明による細線の効果は上述から明確となるように、
従来の細線では得られなかった非常に優れた耐蝕性を有
し、機械的性質も安定した細線を製造できたのである。
このような細線の製造には特別な考慮を必要とせず、常
法で製造できることも有利な点である。このような優れ
た細線を例えばボンディングワイヤとして使用すれば、
その機器の信頼性、耐久性が格段に向上でき、産業上の
効果ははかりしれないものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 三洋 静岡県庵原郡蒲原町蒲原5407番地の1 日 軽産業株式会社蒲原工場内 (56)参考文献 特開 昭59−56737(JP,A) 特開 昭60−248857(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Niが0.001〜0.02重量%、Si
    が0.001〜0.02重量、残部がAlおよび各々
    0.001重量%以下の不純物からなり、線径が100〜5
    00μmで、超音波接合性および耐蝕性に優れ、しかも機
    械的性質のバラツキが小さく、安定性に優れたボンディ
    ングワイヤとして使用するのに適した超音波接合用アル
    ミニウム細線。
JP61061827A 1986-03-19 1986-03-19 アルミニウム細線 Expired - Lifetime JPH0615700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61061827A JPH0615700B2 (ja) 1986-03-19 1986-03-19 アルミニウム細線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61061827A JPH0615700B2 (ja) 1986-03-19 1986-03-19 アルミニウム細線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62218537A JPS62218537A (ja) 1987-09-25
JPH0615700B2 true JPH0615700B2 (ja) 1994-03-02

Family

ID=13182313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61061827A Expired - Lifetime JPH0615700B2 (ja) 1986-03-19 1986-03-19 アルミニウム細線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0615700B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021025084A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 株式会社フジクラ アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6153225B2 (ja) * 2013-11-14 2017-06-28 住友電工ウインテック株式会社 絶縁電線の製造方法
JP2023095314A (ja) * 2021-12-24 2023-07-06 住友化学株式会社 アルミニウム押出線

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5956737A (ja) * 1982-09-25 1984-04-02 Tanaka Denshi Kogyo Kk 半導体素子のボンデイング用Al線
JPS6095950A (ja) * 1983-10-31 1985-05-29 Tanaka Denshi Kogyo Kk 半導体素子のボンデイング用Al線
JPS60248857A (ja) * 1984-05-22 1985-12-09 Sumitomo Electric Ind Ltd ボンデイングワイヤ用アルミニウム合金

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021025084A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 株式会社フジクラ アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62218537A (ja) 1987-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4177266B2 (ja) 耐応力緩和特性に優れた高強度高導電性銅合金線材
JP4951343B2 (ja) Sn含有銅合金及びその製造方法
EP1179606B1 (en) Silver containing copper alloy
JP5306591B2 (ja) 配線用電線導体、配線用電線、及びそれらの製造方法
JPWO2008123433A1 (ja) 電子材料用Cu−Ni−Si系合金
JPH05505854A (ja) 低縦横比リチウム含有アルミニウム押出し成形品
US4305762A (en) Copper base alloy and method for obtaining same
WO2021128434A1 (zh) 一种易切削锌白铜及其制备方法和应用
JPH059619A (ja) 高力銅合金の製造方法
JP2000104131A (ja) 高強度・高導電性銅合金板及びその製造方法
JP2005281848A (ja) 成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板およびその製造方法
JP3909543B2 (ja) 軸圧壊特性に優れるアルミニウム合金押出材
WO2003095691A1 (fr) Feuille de magnesium mince malleable presentant une excellente aptitude au façonnage et procede de production de cette derniere
KR950014423B1 (ko) 구리를 기재로 한 전자부품 구조용의 금속합금
JPH0615700B2 (ja) アルミニウム細線
JP3523500B2 (ja) マグネシウム合金のプレス部品及びその製造方法
JPH10265873A (ja) 電気電子部品用銅合金及びその製造方法
JP4130593B2 (ja) 疲労及び中間温度特性に優れた高力高導電性銅合金
JP2004143511A (ja) 耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法
JP3763234B2 (ja) 高強度高導電率高耐熱性銅基合金の製造方法
JPH0978162A (ja) 電子機器用銅合金およびその製造方法
JP3325641B2 (ja) 高強度高導電率銅合金の製造方法
JPH0314896B2 (ja)
JP2001181772A5 (ja)
JPS627836A (ja) 微細結晶粒組織を有するアルミニウム合金の製造法